(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6187839
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】パッド分離型吸着カップ
(51)【国際特許分類】
B65G 47/91 20060101AFI20170821BHJP
F16B 47/00 20060101ALN20170821BHJP
H01L 21/677 20060101ALN20170821BHJP
【FI】
B65G47/91 Z
!F16B47/00 A
!H01L21/68 B
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-518255(P2016-518255)
(86)(22)【出願日】2014年4月14日
(65)【公表番号】特表2016-533988(P2016-533988A)
(43)【公表日】2016年11月4日
(86)【国際出願番号】KR2014003188
(87)【国際公開番号】WO2015159997
(87)【国際公開日】20151022
【審査請求日】2015年11月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】515306105
【氏名又は名称】ヴイテック カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】チョ,ホ−ヨン
【審査官】
中島 昭浩
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭59−190511(JP,A)
【文献】
特開平05−057628(JP,A)
【文献】
実開平04−092792(JP,U)
【文献】
特開2011−083843(JP,A)
【文献】
国際公開第2014/009595(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/91
B65G 49/06 − 49/07
F16B 47/00
H01L 21/677
B25J 15/06
B66C 1/02
B65H 3/08
B23Q 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直に貫通した通路14を有し、下端部から内側へ形成された環状突出部15と、前記突出部15から下端に向かって拡張される形態の第1傾斜部16とを備える中空状のボディ11、31、41または51;
前記通路14に連通する内部空間Sを有するスカート型部材であって、前記第1傾斜部16に対面接触する上側の第2傾斜部18と、前記第2傾斜部から延長されて物品の表面に接触する下側のシール部19とを備えるパッド12;および
前記突出部15に着脱可能に設けられるリング部材であって、凹んだ「C」字形の外面が前記突出部15と前記第2傾斜部18を包みながら上下方向に対向圧着することにより、前記ボディ11、31、41または51とパッド12とを結合させるクランプ13;を含むことを特徴とする、パッド分離型吸着カップ。
【請求項2】
前記ボディ11、31、41または51は、
リング部材であるもの、
前記リング部材から下側に延長されたベローズ32を含むもの、或いは
前記リング部材の下側に結合された少なくとも一つのベローズ42を含むものであることを特徴とする、請求項1に記載のパッド分離型吸着カップ。
【請求項3】
前記リング部材の下側にベローズ42が結合される場合、
前記リング部材は、垂直に貫通した通路14を有し、下端部から内側へ形成された環状突出部15と、前記突出部から下端に向かって拡張される形態の第1傾斜部16とを備える中空状のボディ41または51であり;
前記ベローズ42は、上端部に前記第1傾斜部に対面して接触する第3傾斜部43を有し;
前記クランプ13は、外面が突出部15と第3傾斜部43を包みながら上下方向に対向圧着することにより、ボディ41または51とベローズ42とを結合させることを特徴とする、請求項2に記載のパッド分離型吸着カップ。
【請求項4】
前記ベローズ42の下側に同一のベローズ42が連続結合される場合、
前記クランプ13は、外面が前記突出部15と第3傾斜部43を包みながら上下方向に対向圧着することにより、2つのベローズ42を結合させることを特徴とする、請求項3に記載のパッド分離型吸着カップ。
【請求項5】
前記クランプ13は、ボディ11、31、41または51およびパッド12に比べて、或いは少なくともパッド12に比べて硬質の材料で形成されることを特徴とする、請求項1に記載のパッド分離型吸着カップ。
【請求項6】
前記クランプ13は、
単純なリング部材であるか、或いは
前記リング部材の下側開口部にメッシュフィルター26、打孔網27または支持突起28がさらに備えられたことを特徴とする、請求項1に記載のパッド分離型吸着カップ。
【請求項7】
前記クランプ13は、その外面が、前記突出部15と第2傾斜部18または第3傾斜部43が構成する表面に密着接触するように設計されたことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のパッド分離型吸着カップ。
【請求項8】
前記突出部15と第2傾斜部18または第3傾斜部43が構成する前記表面は前記第2傾斜部18または第3傾斜部43の上端部にラウンド状に形成されたボール部21を含み、前記外面はボール部21に対応するリセス24を含むことを特徴とする、請求項7に記載のパッド分離型吸着カップ。
【請求項9】
前記ボール部21の外側に形成されたヒール22は、前記突出部15の下側または第1傾斜部16に形成された凹部25に接触するようにすることを特徴とする、請求項8に記載のパッド分離型吸着カップ。
【請求項10】
前記ボディ11、31、41または51は、突出部15に対応する外周面の位置に形成された円形溝17、17aに形成された多数の補強肉盛33を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のパッド分離型吸着カップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空搬送システムで物品の把持のために使用される吸着カップに係り、特に、パッド分離型吸着カップ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
真空搬送システムとは、圧縮空気で真空ポンプを作動させ、物品の表面に接触した吸着カップの内部空気を排出させながら、このときに得られる負圧を用いて物品を把持し、所定の位置に移送させるシステムをいう。ここで、前記吸着カップは、別途提供されるパイプ型部材の端部に結合され、この部材を介して真空ポンプに接続される。前記吸着カップは、リング状の連結具、および該連結具の下部に結合されるスカート型パッドから構成される。
【0003】
前記パッドは、通常、ゴムやウレタンなどの軟質材料で形成され、伝統的には、接着剤またはインサート成形による方式で連結具に一体に接合および固定される。この種の吸着カップが現在も有用に使用されるのは事実であるが、
この吸着カップには、ある程度使用してみると、連結具とパッド間の接合部分に隙間が生じて外部の空気が流入するという致命的な問題や、
単にパッドが損傷する場合でも吸着カップ全体を廃棄しなければならないという問題などがある。
【0004】
従来は、いわゆる加圧リングを用いてこれらの問題を解決しようとした。すなわち、金属連結具の外面または内面にパッドの上端を結合させた状態で、柔軟パッド側の表面に加圧リングを締まり嵌めしてパッドを強く押し付けることにより、連結具とパッドが完全密着するようにするのである。特許文献1、特許文献2、特許文献3などに開示された真空カップがその例に属するといえる。このような構造の吸着カップが真空漏れの防止に有用であるのは事実である。
【0005】
しかし、この真空カップには、加圧リングの組立の際にパッドが損傷するおそれが大きいという問題や、組立の後には加圧リングおよびパッドの分離が事実上不可能であるか難しいという問題などがある。
【0006】
一方、パッド分離可能に構成された吸着カップが提案されたことがあるが、特許文献4に開示された吸着カップがその例である。
図1を参照して簡略に説明すると、特許文献4に開示された吸着カップ1は、環状溝3およびこれに対応する突起5の構造を介して相互分離可能に組み立てられる連結具2とパッド4;および前記連結具2とパッド4との間に選択的に組み立てられるベローズ(bellows)6から構成されている。
【0007】
前述した従来のものに比べると、開示された吸着カップの場合、柔軟パッドの「分離」が比較的簡単に行われるのは当たり前である。しかし、特許文献4には、逆に、パッド4の「組立」がかなり不便になるという問題や、要素2、4間の結合状態が弱いため、組立部分で真空漏れが発生するという問題などがある。
【0008】
実際に物品を把持して搬送するときは、パッド2に上下方向の反り現象が発生するが、この場合、パッド2の組立部分では隙間またはギャップが生じ、よって、その部分で真空漏れが発生するのである。しかも、連結具2とパッド4が柔軟材料であるため、物品の側面荷重によりパッド4が任意に分離されることもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】韓国特許第932775号
【特許文献2】韓国特許第1068954号
【特許文献3】韓国特許第1195176号
【特許文献4】米国特許出願公開2012/0025053号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、かかる従来の技術の問題点を解決するために提案されたもので、その目的は、連結具ボディとパッドが分離可能に結合される構造において:
分解、組立の便宜性および構造の安定性を提供し、
パッド組立部分で発生するおそれのある真空漏れ問題を解決する、新規構造の真空吸着カップを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のパッド分離型吸着カップは、中空状のボディと、前記ボディの下部に配置されるスカート(skirt)型パッドと、吸着カップの内部に設けられ、前記ボディと前記パッドとを結合させるリング(ring)状のクランプ13とを含んでなる。
【0012】
具体的に、前記吸着カップは、垂直に貫通した通路を有し、下端部から内側に形成された環状突出部と、前記突出部から下端に向かって拡張される形態の第1傾斜部とを備えるボディ;
前記通路に連通する内部空間を有するスカート型部材であって、前記第1傾斜部に対面接触する上側の第2傾斜部と、前記第2傾斜部から延長されて物品の表面に接触する下側のシール部とを備えるパッド;および
前記突出部に着脱可能に設けられるリング部材であって、凹んだ「C」字形の外面が
前記突出部と第2傾斜部を包みながら上下方向に対向圧着することにより、前記ボディと前記パッドとを結合させるクランプ;を含んでなる。
【0013】
実施例において、前記ボディは、リング部材であるもの、前記リング部材から下側に延長されたベローズ32を含むもの、前記リング部材の下側に結合された少なくとも一つの
ベローズを含むものの中から選択できる。このとき、前記リング部材とベローズとの結合、またはベローズ同士の結合のために、好ましくは前記クランプが適用される。
【0014】
前記クランプは、その外面が、前記突出部と第2傾斜部が構成する表面に密着接触するように設計される。好ましくは、前記クランプは、ボディおよびパッドに比べて、或いは少なくともパッドに比べて硬質の材料で形成される。
【発明の効果】
【0015】
本発明の吸着カップは、上側のボディと下側のパッドとが内部のクランプによって結合される。ここで、前記クランプは着脱が容易であり、パッドはクランプが除去されるときに自重による自由落下によってボディから自然に分離できる。したがって、ボディとパッドが分離可能な吸着カップ構造において、従来技術に比べて、分解・組立の便宜性および吸着カップの安定性を向上させることができるという効果がある。
【0016】
一方、本発明の吸着カップは、別個の「C」字形のクランプがボディの突出部およびパッドの第2傾斜部を包みながら上下方向に対向圧着することにより、ボディとパッドとを結合させる。よって、ボディとパッド間の接触部分および結合部分における真空漏れのおそれがなくなるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図2】本発明の実施例1に係る吸着カップの断面図である。
【
図4】
図2に適用できるクランプの活用を示す図である。
【
図5】
図2に適用できるクランプの活用を示す図である。
【
図6】
図2に適用できるクランプの活用を示す図である。
【
図7】本発明の実施例2に係る吸着カップの断面図である。
【
図10】本発明の実施例3に係る吸着カップの断面図である。
【
図11】本発明の実施例4に係る吸着カップの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
上述した或いは上述していない本発明のパッド分離型吸着カップ(以下、「吸着カップ」という。)の特徴および効果は、以下に各添付図面を参照して説明する本発明の実施例1〜4の記載からさらに明らかになるだろう。各実施例において、機能的に同一の部分については同一の符号を使用する。
【実施例1】
【0019】
図2及び
図3を参照すると、本実施例に係る吸着カップが符号10で表示されている。前記吸着カップ10は、中空状のボディ11と、前記ボディ11の下部に配置されるスカート型パッド12と、吸着カップ10の内部に設けられ、前記ボディ11とパッド12とを結合させるリング状のクランプ13とを含んでなる。
【0020】
具体的には、前記ボディ11は、中央に垂直に穿設された通路14を有するリング部材であって、下端部から内側に向かって形成された環状の突出部15と、前記突出部15から下端に向かって拡張される形態の第1傾斜部16とを有する。図面において、前記ボディ11は、第1傾斜部16に弾性を持たせるために、突出部15に対応する外周面の位置に形成された円形溝17を含む。但し、この構成が本発明で必ずしも必要なものではない。
【0021】
前記パッド12は、ボディ11の下部に配置され、前記通路14に連通する内部空間Sを持つスカート型パッドであって、前記第1傾斜部16に対面して接触する上側の第2傾斜部18と、前記第2傾斜部18から延長されて物品の表面に接触する下側のシール部19とを一体に含む。図面において、前記上側の第2傾斜部18と前記下側のシール部19は中間段部20によって区分されるが、単に前記第1傾斜部16に対する接触または非接触で区分されてもよい。
【0022】
前記クランプ13は、断面が凹んだ略「C」字形の外面を有するリング状の部材であって、前記第1傾斜部16と第2傾斜部18とが対面接触した状態で吸着カップ10の内部に設けられ、前記突出部15と第2傾斜部18を包みながら上下方向に対向圧着することにより、前記ボディ11とパッド12とを結合させるように構成される。このクランプ13は吸着カップ10内で必要に応じて容易に着脱できる。クランプが除去される場合、前記パッド12はその自重によってボディ11との対面接触関係が解除されながら自然に分離できるのでる。
【0023】
好ましくは、前記クランプ13はボディ11およびパッド12に比べて、或いは少なくともパッド12に比べて硬質の材料で形成される。この特徴は、ゴム、シリコン、ウレタンなどの軟質の材料で比較的薄く成形されるパッド12をクランプ13内で安全に結合されるようにし、上下側要素11、12の結合時に互いに対面して接触している第1傾斜部16と第2傾斜部18との間に強い圧着力を提供することにより、その接触および結合部分で真空漏れが発生しないようにすることに非常に効果的である。付随的にはクランプ13自体の着脱をより容易にする。
【0024】
前述した結合力および真空漏れに対する他の対策として、前記クランプ13は、その外面が、前記突出部15と第2傾斜部18が構成する表面に完全に密着接触するように設計される。図示の如く、前記表面は、突出部15の表面と第2傾斜部18の上端部にラウンド状に形成されたボール部21を含む。このとき、前記クランプ13の外面は、突出部15に対応する凹溝23、およびボール部22に対応するリセス(recess)24を有する。
【0025】
一方、前記ボール部21の後方ヒール(heel)22は、前記突出部15の下側または第2傾斜部18に形成された凹部25に接触するようにするのが良い。この構成は、パッド12から伝達される負荷を前記ボディ11とクランプ13に分散させることにより、パッド12が強固に結合されているようにすることにその意味がある。
【0026】
前記図面において、前記クランプ13は、単純なリング部材であって、パッド12の内部空間Sの空気が何の抵抗もなく通路14を介して排気できる形態である。ところが、把持すべき物品の特性に応じて必要な構成がクランプ13の下側の開口部に付加できる。
図4〜
図6は前記クランプ13にそれぞれ適用できるメッシュフィルター26、打孔網27、支持突起28を示すが、それぞれは順次、吸着痕防止用、紙パック吸着用、ビニール吸着用に好適に使用できる。
【実施例2】
【0027】
図7及び
図8を参照すると、本実施例に係る吸着カップが符号30で表示されている。
前記吸着カップ30は、中空状のボディ31と、前記ボディ31の下部に配置されるスカート型パッド12と、吸着カップ30の内部に設けられ、前記ボディ31とパッド12とを結合させるリング状のクランプ13とを含んでなる。
【0028】
ここで、前記ボディ31は、実施例1に記載のリング部材と、前記リング部材から下側に延長されたベローズ32とを含むものである。すなわち、前記ボディ31は、上側のリング部材と、その下側に延長されたベローズ32とが一体に成形されたものである。その他に、前記ボディ31を構成する下端部の突出部15、第1傾斜部16、パッド12およびクランプ13の具体的な形態、構造、機能などは、単にベローズ32の下端部を用いて設計されるだけであり、実施例1と技術的に同様なので、ここではこれらに関連した説明を省略する。
【0029】
公知の如く、ベローズ32は、中空の蛇腹伸縮管をいうもので、パッド12が物品の表面に接触するときの衝撃を緩和する機能を果たす。但し、吸着カップ30の内部に生成される負圧によってベローズ32が歪んだりねじれたりする場合があるが、このとき、クランプ13と突出部15との間に隙間やギャップが発生するおそれがある。これを防止するために、本実施例では、ボディ31の突出部15に対応する外周面の位置に形成された円形溝17aに多数の補強肉盛33を形成する。
【0030】
図9を参照すると、前記補強肉盛33は、一方向または放射状に形成されず、中心線B−Bを基準として出来る限り左側または右側を向かうように形成されるが、これは補強肉盛33を含むベローズ32の成形工程でかなり有利に作用する。一方、この補強肉盛33の構成は、図示の有無を問わず、本発明の他の実施例においても有効に適用できるだろう。
【実施例3】
【0031】
図10を参照すると、本実施例に係る吸着カップが符号40で表示されている。前記吸着カップ40は、中空状のボディ41と、前記ボディ41の下部に配置されるスカート型パッド12と、吸着カップ40の内部に設けられ、前記ボディ41とパッド12とを結合させるリング状のクランプ13とを含んでなる。
【0032】
ここで、前記ボディ41は、実施例1に記載のリング部材と、その下側に結合されたベローズ42とを含むものである。好ましくは、前記ボディ41のリング部材とベローズ42との結合部材として前記クランプ13が適用される。このために、ボディ41のリング部材は実施例1のボディ11と同様の構成を有し、前記ベローズ42はパッド12の第2傾斜部18と同一形態の上端部の構成を有する。
【0033】
具体的に、前記ベローズ42は、ボディ11の傾斜部16に対面する上側の第3傾斜部43を含み、前記第3傾斜部43の上端部にラウンド状に形成されたボール部21をさらに含む。前記クランプ13は、第1傾斜部16と第3傾斜部43とが対面接触した状態で吸着カップ40の内部に設けられ、前記突出部15と第3傾斜部43を同時に包みながら圧着することにより、前記ボディ11とベローズ42とを結合させる。前記結合力および真空漏れに対する他の対策として、前記クランプ13は、その外面が、前記突出部15と第2接触部43が構成する表面に完全に密着接触するように設計される。
【0034】
前記ボディ11とベローズ42とを結合させるクランプ13は、吸着カップ10内で必要に応じて容易に着脱できる。クランプが除去される場合、前記ベローズ42は、その自重によってボディ11との対面接触関係が解除されながら自然に分離できるのである。
【0035】
その他に、前記ボディ41を構成する下端部の突出部15、第1傾斜部16、パッド12、クランプ13の具体的な形態、構造、機能などは、単にベローズ42の下端部を用いて設計されるだけであり、実施例1と技術的に同様のものなので、ここではこれらに関連した説明を省略する。
【実施例4】
【0036】
図11を参照すると、本実施例に係る吸着カップが符号50で表示されている。前記吸着カップ50は、中空状のボディ51と、前記ボディ51の下部に配置されるスカート型パッド12と、吸着カップ50の内部に設けられ、前記ボディ51とパッド12とを結合させるリング状のクランプ13とを含んでなる。
【0037】
ここで、前記ボディ51は、実施例1に記載のリング部材11と、その下側に続いて結合された2つ以上の前記ベローズ42とを含む。ここで、前記ベローズ42は構造的に実施例3と同様のものである。したがって、ベローズ42間の結合にも前記クランプ13が有効に適用できるのである。
【0038】
その他に、前記ボディ51を構成する下端部の突出部15、第1傾斜部16、パッド12およびクランプ13の具体的な形態、構造、機能などは、単に末端ベローズ42の下端部を用いて設計されるだけであり、実施例1と技術的に同様のものなので、ここではこれらに関連した説明を省略する。
【符号の説明】
【0039】
10、30、40、50 吸着カップ
11、31、41、51 ボディ
2 パッド
13 締結具
14 通路
15 突出部
16 第1傾斜部
17、17a 溝
18 第2傾斜部
19 シール部
20 段部
21 ボール部
22 ヒール部
23 凹溝
24 リセス
25 凹部
26 メッシュフィルター
27 打孔網
28 支持突起
32、42 ベローズ
43 第3傾斜部
S 内部空間