(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
穀稈の脱穀選別処理を行なう脱穀装置(3)と、該脱穀装置(3)に刈り取られた穀稈を揚上搬送するフィーダハウス(4D)を有する刈取前処理装置(4)を備えたコンバインにおいて、
前記刈取前処理装置(4)にエンジン(E)の回転を伝動する正転駆動装置(A)と刈取前処理装置(4)にエンジン(E)の回転を逆転回転に変更して伝動する逆転駆動装置(B)からなる切換手段(24)を設け、該切換手段(24)を脱穀装置(3)の前部の右側に形成された切欠空間(30)に配置し、前記逆転駆動装置(B)を正転駆動装置(A)の右側に配置し、
前記逆転駆動装置(B)を、前記脱穀装置(3)にエンジン(E)の回転を伝動するギヤボックス(15)に軸着されたカウンタ軸(14)に装着された第1プーリ(14A)と、前記脱穀装置(3)の右壁に設けられた入力側支軸(21)に装着された入力側プーリ(21A)と入力側ギヤ(21B)と、該入力側支軸(21)の下側に設けられた出力側支軸(22)に装着された出力側プーリ(22A)と出力側ギヤ(22B)と、前記フィーダハウス(4D)の後部に設けられた回転軸(25)に装着された第2プーリ(25A)で形成し、前記第1プーリ(14A)と入力側プーリ(21A)に巻回された第1ベルト(16)の下側に配置された第1テンションクラッチ(16A)によって、該第1ベルト(16)を緊張状態と弛緩状態に切換え、
前記出力側プーリ(22A)と第2プーリ(25A)に巻回された第2ベルト(17)の下側に配置された第2テンションクラッチ(17A)によって、該第2ベルト(17)を緊張状態と弛緩状態に切換え、前記第1テンションクラッチ(16A)と第2テンションクラッチ(17A)を連結アーム(50)で連結し、
前記正転駆動装置(A)を、前記カウンタ軸(14)に第1プーリ(14A)の左側に隣接して装着された第3プーリ(14B)と、前記回転軸(25)に第2プーリ(25A)の左側に隣接して装着された第4プーリ(25B)で形成し、前記第3プーリ(14B)と第4プーリ(25B)に巻回された第3ベルト(18)の前側に配置された第3テンションクラッチ(18A)によって、該第3ベルト(18)を緊張状態と弛緩状態に切換え、前記第3テンションクラッチ(18A)は、前記第1テンションクラッチ(16A)と連動して切換えられる構成し、
前記第1テンションクラッチ(16A)の基部を入力側支軸(21)に支持し、前記第2テンションクラッチ(17A)の基部を出力側支軸(22)に支持し、前記第3テンションクラッチ(18A)の基部を脱穀装置(3)の前壁に支持したことを特徴とするコンバイン。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示されたコンバインにおいては、脱穀装置の前側に横架されたカウンタ軸の左側部に切換手段の正回転駆動部を配置し、カウンタ軸の右側部に切換手段の逆回転駆動部を配置しているので、機体の左右方向の幅が大きくなる虞がある。また、特許文献2に開示されたコンバインにおいては、脱穀装置の前側に横架されたカウンタ軸の左側部に切換手段の正回転駆動部と逆回転駆動部を並設しているので、機体の左右方向の幅が大きくなり、また、切換手段を収納ケースが未刈取側に突出する虞がある。
そこで、本発明の主たる課題は、かかる問題点を解消することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
請求項1に係る発明は、 穀稈の脱穀選別処理を行なう脱穀装置(3)と、該脱穀装置(3)に刈り取られた穀稈を揚上搬送するフィーダハウス(4D)を有する刈取前処理装置(4)を備えたコンバインにおいて、
前記刈取前処理装置(4)にエンジン(E)の回転を伝動する正転駆動装置(A)と刈取前処理装置(4)にエンジン(E)の回転を逆転回転に変更して伝動する逆転駆動装置(B)からなる切換手段(24)を設け、該切換手段(24)を脱穀装置(3)の前部の右側に形成された切欠空間(30)に配置し、前記逆転駆動装置(B)を正転駆動装置(A)の右側に配置しているので
、前記逆転駆動装置(B)を、前記脱穀装置(3)にエンジン(E)の回転を伝動するギヤボックス(15)に軸着されたカウンタ軸(14)に装着された第1プーリ(14A)と、前記脱穀装置(3)の右壁に設けられた入力側支軸(21)に装着された入力側プーリ(21A)と入力側ギヤ(21B)と、該入力側支軸(21)の下側に設けられた出力側支軸(22)に装着された出力側プーリ(22A)と出力側ギヤ(22B)と、前記フィーダハウス(4D)の後部に設けられた回転軸(25)に装着された第2プーリ(25A)で形成し、前記第1プーリ(14A)と入力側プーリ(21A)に巻回された第1ベルト(16)の下側に配置された第1テンションクラッチ(16A)によって、該第1ベルト(16)を緊張状態と弛緩状態に切換え、前記出力側プーリ(22A)と第2プーリ(25A)に巻回された第2ベルト(17)の下側に配置された第2テンションクラッチ(17A)によって、該第2ベルト(17)を緊張状態と弛緩状態に切換え、前記第1テンションクラッチ(16A)と第2テンションクラッチ(17A)を連結アーム(50)で連結し、前記正転駆動装置(A)を、前記カウンタ軸(14)に第1プーリ(14A)の左側に隣接して装着された第3プーリ(14B)と、前記回転軸(25)に第2プーリ(25A)の左側に隣接して装着された第4プーリ(25B)で形成し、前記第3プーリ(14B)と第4プーリ(25B)に巻回された第3ベルト(18)の前側に配置された第3テンションクラッチ(18A)によって、該第3ベルト(18)を緊張状態と弛緩状態に切換え、前記第3テンションクラッチ(18A)は、前記第1テンションクラッチ(16A)と連動して切換えられる構成し、前記第1テンションクラッチ(16A)の基部を入力側支軸(21)に支持し、前記第2テンションクラッチ(17A)の基部を出力側支軸(22)に支持し、前記第3テンションクラッチ(18A)の基部を脱穀装置(3)の前壁に支持したことを特徴とするコンバインである。
【0006】
【0007】
【0008】
【0009】
請求項
2に係る発明は、前記出力側ギヤ(22B)の歯数を、入力側ギヤ(21B)の歯数よりも2〜3倍多く形成した請求項
1記載のコンバインである。
【0010】
請求項
3に係る発明は、前記入力側プーリ(21A)を入力側ギヤ(21B)の右側に配置し、前記出力側プーリ(22A)を出力側ギヤ(22B)の右側に配置した請求項
1又は2記載のコンバインである。
【0011】
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の発明によれば、刈取前処理装置(4)にエンジン(E)の回転を伝動する正転駆動装置(A)と刈取前処理装置(4)にエンジン(E)の回転を逆転回転に変更して伝動する逆転駆動装置(B)からなる切換手段(24)を設け、切換手段(24)を脱穀装置(3)の前部の右側に形成された切欠空間(30)に配置し、逆転駆動装置(B)を正転駆動装置(A)の右側に配置しているので、機体の左右方向の幅の拡大を防止でき、また、操縦者が容易に逆転駆動装置(B)を駆動することができる。
【0013】
逆転駆動装置(B)を、脱穀装置(3)にエンジン(E)の回転を伝動するギヤボックス(15)に軸着されたカウンタ軸(14)に装着された第1プーリ(14A)と、脱穀装置(3)の右壁に設けられた入力側支軸(21)に装着された入力側プーリ(21A)と入力側ギヤ(21B)と、入力側支軸(21)の下側に設けられた出力側支軸(22)に装着された出力側プーリ(22A)と出力側ギヤ(22B)と、フィーダハウス(4D)の後部に設けられた回転軸(25)に装着された第2プーリ(25A)で形成し、第1プーリ(14A)と入力側プーリ(21A)に巻回された第1ベルト(16)の下側に配置された第1テンションクラッチ(16A)によって、第1ベルト(16)を緊張状態と弛緩状態に切換えるので、逆転駆動装置(B)の左右方向の幅を小さく形成することができ、また、逆転駆動装置(B)への切換えを容易に行うことができる。
【0014】
【0015】
出力側プーリ(22A)と第2プーリ(25A)に巻回された第2ベルト(17)の下側に配置された第2テンションクラッチ(17A)によって、第2ベルト(17)を緊張状態と弛緩状態に切換え、第1テンションクラッチ(16A)と第2テンションクラッチ(17A)を連結アーム(50)で連結しているので、第2テンションクラッチ(17A)が第1テンションクラッチ(16A)と連動して移動し、逆転駆動装置(B)への切換えを確実に行うことができる。
正転駆動装置(A)を、カウンタ軸(14)に第1プーリ(14A)の左側に隣接して装着された第3プーリ(14B)と、前記回転軸(25)に第2プーリ(25A)の左側に隣接して装着された第4プーリ(25B)で形成し、第3プーリ(14B)と第4プーリ(25B)に巻回された第3ベルト(18)の前側に配置された第3テンションクラッチ(18A)によって、第3ベルト(16)を緊張状態と弛緩状態に切換え、第3テンションクラッチ(18A)は、前記第1テンションクラッチ(16A)と連動して切換えられる構成としているので、正転駆動装置(A)の左右方向の幅を小さく形成することができ、また、正転駆動装置(A)と逆転駆動装置(B)の切換えを容易に行うことができる。
【0016】
請求項
2記載の発明によれば、請求項
1記載の発明による効果に加えて、出力側ギヤ(22B)の歯数を、入力側ギヤ(21B)の歯数よりも2〜3倍多く形成しているので、入力側プーリ(21A)から出力側プーリ(22A)に伝動される回転を低速回転、且つ、高トルクに変換し、フィーダハウス(4D)等に詰まった穀稈を効率良くフィーダハウス(4D)から排出することができる。
【0017】
請求項
3記載の発明によれば、請求項
1又は2記載の発明による効果に加えて、入力側プーリ(21A)を入力側ギヤ(21B)の右側に配置し、出力側プーリ(22A)を出力側ギヤ(22B)の右側に配置しているので、第1ベルト(16)と第2ベルト(17)の交換作業を容易に行うことができる。
【0018】
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の汎用コンバインについて添付図面を参照しつつ説明する。
図1〜3に示すように、汎用コンバインは、機体フレーム1の下側に土壌面を走行するための左右一対のクローラからなる走行装置2が設けられ、機体フレーム1の上側に脱穀・選別を行なう脱穀装置3が設けられ、脱穀装置3の前側に圃場の穀稈を収穫する刈取前処理装置4が設けられている。脱穀装置3で脱穀・選別された穀粒は脱穀装置3の右側に設けられたグレンタンク5に貯留され、貯留された穀粒はグレンタンク5の後側に設けられた排出筒7によって外部へ排出される。また、グレンタンク5の前側には操縦者が搭乗する操縦部6が設けられている。
【0021】
<刈取前処理装置>
刈取前処理装置4は、倒伏した穀稈、大豆やそば等の丈の低い穀稈、油菜や菜の花等の丈の高い穀稈を掻き込む掻込み装置4Aと、掻込み装置4Aによって掻き込まれた穀稈の株元を切断する刈刃装置4Bと、掻込み装置4Aによって掻き込まれた穀稈を寄せ集めるオーガ装置4Cと、脱穀装置3にオーガ装置4Cよって寄せ集められた穀稈を揚上搬送するフィーダハウス4Dを備えている。また、オーガ装置4Cの上側で絡み合った穀稈を切断するために略上下方向に延在する刈刃装置(図示省略)をオーガ装置4Cの側壁に設けることもできる。
【0022】
掻込み装置4Aは、オーガ装置4Cの全幅とほぼ同一幅に形成され、オーガ装置4Cの上側に設けられ、刈刃装置4Bは、前部から後部に緩やかに後上がり傾斜して形成され、オーガ装置4Cの前下部に設けられている。
【0023】
オーガ装置4Cは、汎用コンバインの機体の全幅とほぼ同一幅に形成され、フィーダハウス4Dの前側に設けられ、オーガ装置4Cの左右前部には、穀稈を分草する分草体4Eが設けられている。また、フィーダハウス4Dは、オーガ装置4Cと脱穀装置3の間に設けられている。
【0024】
<伝動機構>
次に、刈取前処理装置4の駆動方向である正転・逆転方向を切り替える切換手段24の構成を理解し易くするために本実施形態の伝動機構について説明する。
図10に示すように、エンジンEの駆動力である回転は、脱穀装置3、刈取前処理装置4に伝動される第1経路L1と、走行装置2に伝動される第2経路L2と、グレンタンク5に伝動される第3経路L3に分岐して伝動される。
【0025】
(第1経路L1)
エンジンEの回転は、エンジンEのクランク軸10に装着されたプーリ10Bと、ベルト11と、プーリ12Aを介して脱穀装置3の前側に横架されたカウンタ軸12に伝動される。なお、ベルト11には、脱穀装置3等へのエンジンEの回転の伝動の接続と接続を解除するテンションクラッチ11Aが設けられている。
【0026】
カウンタ軸12に伝動された回転は、プーリ12Aの左側に隣接して装着されているプーリ12Bと、ベルト13と、プーリ14Cを介して脱穀装置3の前壁に装着されているギヤボックス15に左端部が軸装されたカウンタ軸14に伝動される。また、カウンタ軸12に伝動された回転は、カウンタ軸12の左端部に装着されているプーリ12C等を介して、脱穀装置3の下部に設けられた選別室3Bの唐箕、受樋に伝動される。
【0027】
図11に示すように、カウンタ軸14に伝動された回転は、カウンタ軸14の右端部に装着されているプーリ(請求項の「第1プーリ」)14Aと、ベルト(請求項の「第1ベルト」)16を介して、ブラケット40の上部に横架された入力側支軸21に回転自在に装着されている入力側プーリ21Aに伝動される。なお、ベルト16には、入力側プーリ21Aへのカウンタ軸14の回転の伝動の接続と接続を解除するテンションクラッチ(請求項の「第1テンションクラッチ」)16Aが設けられている。
【0028】
入力側プーリ21Aに伝動された回転は、入力側プーリ21Aの左面に装着されている入力側ギヤ21Bと、出力側ギヤ22Bを介してブラケット40の下部に横架された出力側支軸22に回転自在に装着されている出力側プーリ22Aに伝動される。
【0029】
出力側プーリ22Aに伝動された回転は、ベルト(請求項の「第2ベルト」)17と、プーリ(請求項の「第2プーリ」)25Aとを介して刈取前処理装置4のフィーダハウス4Dの後部に装着された回転軸25に伝動される。
【0030】
カウンタ軸14に伝動された回転をプーリ14Aと、ベルト16と、入力側プーリ21Aと、入力側ギヤ21Bと、出力側ギヤ22Bと、出力側プーリ22Aと、ベルト17と、プーリ25Aから構成される逆転駆動装置Bを介してフィーダハウス4Dの回転軸25に伝動した場合は、刈取前処理装置4を逆転回転させることができる。これにより、例えば、フィーダハウス4D内に詰まった穀稈をフィーダハウス4Dを逆転回転させてフィーダハウス4Dの前側から排出することができる。
【0031】
カウンタ軸14に伝動された回転は、プーリ14Aの左側に隣接して装着されているプーリ(請求項の「第3プーリ」)14Bと、ベルト18と、プーリ25Aの左側に隣接して装着されているプーリ(請求項の「第4プーリ」)25Bを介してフィーダハウス4Dの後部に装着された回転軸17に伝動される。なお、ベルト(請求項の「第3ベルト」)18には、刈取前処理装置4にエンジンEの回転の伝動の接続と接続を解除するテンションクラッチ(請求項の「第3テンションクラッチ」)18Aが設けられている。
【0032】
カウンタ軸14に伝動された回転をプーリ14Bと、ベルト18と、プーリ25Bから構成される正転駆動装置Aを介してフィーダハウス4Dの回転軸25に伝動した場合には、刈取前処理装置4を正転回転させることができる。これにより、掻込み装置4Aで掻き込まれた穀稈等をフィーダハウス4Dによって脱穀装置3に揚上搬送することができる。
【0033】
また、正転駆動装置Aは、逆転駆動装置Bの左側に並設されている。これにより、正転駆動装置Aと逆転駆動装置Bの配置スペースを低減することができる。また、本明細書においては、正転駆動装置Aと逆転駆動装置Bを総称して切換手段24と言う。
【0034】
図10に示すように、カウンタ軸14に伝動された回転は、カウンタ軸14の左端部が軸装されているギヤボックス15を介して、脱穀装置3の上部に設けられた扱室3Aの扱胴に伝動される。
【0035】
回転軸25に伝動された回転は、回転軸25の左側部に装着されたプーリ25C,25Dを介して刈取前処理装置4のフィーダハウス4Dに伝動され、回転軸25の左端部に装着されたプーリ25を介して刈取前処理装置4の掻込み装置4A、刈刃装置4B、オーガ装置4Cに伝動される。
【0036】
(第2経路L2)
エンジンEの回転は、プーリ10Bの左側に隣接して装着されたプーリ10Cと、ベルト26等を介して走行装置2に伝動される。
【0037】
(第3経路L3)
エンジンEの回転は、エンジンEの右側に延在するクランク軸10の右端部に装着されたプーリ10Aと、ベルト27と、プーリ28Aを介して機体フレーム1に設けられたギヤボックス29に左端部が軸装されたカウンタ軸28に伝動される。なお、ベルト27には、グレンタンク5等へのエンジンEの回転の伝動の接続と接続を解除するテンションクラッチ27Aが設けられている。
【0038】
カウンタ軸28に伝動された回転は、カウンタ軸28の左端部が軸装されているギヤボックス29を介して、グレンタンク5の底部に設けられた搬送螺旋5A等に伝動される。
【0039】
<切換手段>
次に、正転駆動装置Aと逆転駆動装置Bからなる切換手段24について説明する。
図4に示すように、切換手段24は、脱穀装置3の前部の右側部に形成された切欠空間30内に設けられている。これにより、切換手段24を構成する正転駆動装置Aと逆転駆動装置Bを、脱穀装置3と操縦部6の間に配置することができ、機体の左右方向の幅を抑制することができる。
【0040】
(第1実施形態の駆動装置)
次に、第1実施形態の切換手段24について説明する。
図5に示すように、脱穀装置3の前壁の前側下部には、フィーダハウス4Dの後部を支持する回転軸25が横架され、回転軸25の右端部には、プーリ25Aが装着され、プーリ25Aの左側にはプーリ25Bが装着されている。
【0041】
脱穀装置3の前壁の前側上部には、ギヤボックス15に軸着されたカウンタ軸14が左右方向に延在して設けられ、カウンタ軸14の右端部には、プーリ14Aが装着され、プーリ14Aの左側にはプーリ14Bが装着されている。
【0042】
正転駆動装置Aを構成するプーリ14Bとプーリ25Bには、ベルト18が巻回されており、ベルト18の前側には、ベルト18を前側から後側に向かって押圧するテンションクラッチ18Aが設けられている。なお、テンションクラッチ18Aは、ベルト18に当接するローラ32Aと先端部にローラ32Aを回転自在に支持するアーム32Bから形成されている。
【0043】
アーム32Bの基部は、脱穀装置3の前壁に設けられたブラケット31に回転自在に装着されており、アーム32Bの基部には、ローラ32Aをベルト18に向かって押圧するためにスプリング33が装着されている。なお、テンションクラッチ18Aの操作は、操作レバー(図示省略)によって行うことができる。切換手段24の正転駆動装置Aを停止して逆転駆動装置Bを駆動してフィーダハウス4Dの回転軸25を逆転回転させる場合は、操作レバーを操作してローラ32Aをベルト18から離間させてベルト18のテンションを弛緩する。一方、切換手段24の逆転駆動装置Bを停止して正転駆動装置Aを駆動してフィーダハウス4Dの回転軸25を正転回転させる場合は、操作レバーを操作してローラ32Aをベルト18に押圧させてベルト18のテンションを緊張させる。なお、操作レバーを後述する操作レバー42の移動に連動させて移動させるのが好適である。
【0044】
切欠空間30を形成する脱穀装置3の前部の右壁の上部には、逆転駆動装置Bを構成するブラケット40が設けられ、ブラケット40の上部には、入力側支軸21の左端部が固定され、ブラケット40の下部には、出力側支軸22の左端部が固定されている。
【0045】
図6に示すように、左右方向に延在する入力側支軸21の右側には入力側プーリ21Aが回転自在に装着され、入力側プーリ21Aの左面には入力側ギヤ21Bがボルト等の締結手段によって着脱自在に固定されている。同様に、左右方向に延在する出力側支軸22の右側には出力側プーリ22Aが回転自在に装着され、出力側プーリ22Aの左面には出力側ギヤ22Bがボルト等の締結手段によって着脱自在に固定されている。これにより、入力側プーリ21Aに巻回されるベルト16と、出力側プーリ22Aに巻回されるベルト17の交換を容易に行うことができる。
【0046】
プーリ14Aと入力側プーリ21Aには、ベルト16が巻回されており、ベルト16の下側には、ベルト16を下側から上側に向かって押圧するテンションクラッチ16Aが設けられている。なお、テンションクラッチ16Aは、ベルト16に当接するローラ41Aと先端部にローラ41Aを回転自在に支持するアーム32Bから形成されている。
【0047】
アーム41Bの基部は、入力側支軸21に回転自在に装着されている。側面視においてアーム41Bは、略三角形状に形成され三角形状の頂部には、テンションクラッチ16Aの接続及び接続の解除を操作する操作レバー42の基部が固定されている。切換手段24の正転駆動装置Aを停止して逆転駆動装置Bを駆動してフィーダハウス4Dの回転軸25を逆転回転させる場合は、操作レバー42を後側に回動させてローラ41Aをベルト16に押圧させてベルト16のテンションを緊張させる。一方、切換手段24の逆転駆動装置Bを停止して正転駆動装置Aを駆動してフィーダハウス4Dの回転軸25を正転回転させる場合は、操作レバー42を前側に回動させてローラ41Aをベルト16から離間させてベルト16のテンションを弛緩する。
【0048】
操作レバー42を後側に移動させてアーム41Bを入力側支軸21を中心として反時計方向に回動させるとローラ41Aがベルト16を上側に押圧してベルト16のテンションを緊張させることによりベルト16を介してプーリ14Aの回転を入力側プーリ21Aに伝動させることができる。一方、操作レバー42を前側に移動させてアーム41Bを入力側支軸21を中心として時計方向に回動させるとローラ41Aがベルト16から離間してベルト16のテンションは弛緩してベルト16を介してプーリ14Aの回転は入力側プーリ21Aに伝動されなくなる。
【0049】
入力側ギヤ21Bと出力側ギヤ22Bは、相互に噛み合っている。これにより、入力側プーリ21Aに伝動された回転は、入力側ギヤ21Bと、出力側ギヤ22Bとを介して出力側プーリ22Aに伝動される。また、第1実施形態の切換手段24においては、入力側ギヤ21Bの歯数と出力側ギヤ22Bの歯数を同一の歯数にしているが、出力側ギヤ22Bの歯数を入力側ギヤ21Bの歯数の2〜3倍に設定するのが好適である。これにより、フィーダハウス4Dの回転軸25の逆転回転時の回転速度を低速、高トルクにすることができ、例えば、フィーダハウス4Dに詰まった穀稈をフィーダハウス4Dの前側に移送して容易に取り除くことができる。
【0050】
出力側プーリ22Aとプーリ25Aには、ベルト17が巻回されており、ベルト17の下側には、ベルト17を下側から上側に向かって押圧してベルト17に所定の緊張を与えるテンションアーム17Bが設けられている。なお、テンションアーム17Bは、ベルト17に当接するローラ43Aと先端部にローラ43Aを回転自在に支持するアーム43Bから形成されている。
【0051】
アーム43Bの基部は、出力側支軸22に回転自在に装着されており、アーム43Bの基部には、ローラ43Aをベルト18に下側から上側に向かって押圧するためにスプリン48が装着されている。
【0052】
テンションクラッチ16Aを構成するアーム41Bの先端部には、操作ワイヤ45の前端部が回転自在に装着されている。操作ワイヤ45の後端部は、操作部6に設けられたスロットルレバー(図示省略)の基部に装着されている。また、入力側支軸21と出力側支軸22には、先端部に操作ワイヤ45の中間部を案内する案内ローラ46Aを回転自在に支持するアーム46Bの基部が固定されており、アーム46Bの先端部における案内ローラ46Aの下側における部位には、ピン46Cが立設されている。これにより、アーム46B介して入力側支軸21と出力側支軸22の右側部が連結されて入力側支軸21と出力側支軸22の変形を防止することができる。また、案内ローラ46Aからの操作ワイヤ45の脱落を防止することができる。なお、スロットルレバーは、エンジンEの駆動力である回転数の増減を行うレバーである。
【0053】
操作レバー42を後側に移動させてアーム41Bを入力側支軸21を中心として反時計方向に回動させてベルト16のテンションを緊張させた状態においては、操作ワイヤ45の前端部は上側に移動してスロットルレバーの基部を前側に移動してエンジンEの回転を低速にする。これにより、フィーダハウス4Dの回転軸25の逆転回転時の回転速度を低速、高トルクにすることができ、例えば、フィーダハウス4Dに詰まった穀稈をフィーダハウス4Dの前側に移送して容易に取り除くことができる。
【0054】
(第2実施形態の駆動装置)
次に、第2実施形態の切換手段24について説明する。なお、第1実施形態の切換手段24と同一部品には同一符号を付して説明を省略する。
【0055】
図7に示すように、切欠空間30を形成する脱穀装置3の前部の右壁の上部には、逆転駆動装置Bを構成するブラケット40が設けられ、ブラケット40の上部には、入力側支軸21の左端部が固定され、ブラケット40の下部には、出力側支軸22の左端部が固定されている。
【0056】
図8に示すように、左右方向に延在する入力側支軸21の右側には入力側プーリ21Aが回転自在に装着され、入力側プーリ21Aの左面には入力側ギヤ21Bがボルト等の締結手段によって着脱自在に固定されている。同様に、左右方向に延在する出力側支軸22の右側には出力側プーリ22Aが回転自在に装着され、出力側プーリ22Aの左面には出力側ギヤ22Bがボルト等の締結手段によって着脱自在に固定されている。これにより、入力側プーリ21Aに巻回されるベルト16と、出力側プーリ22Aに巻回されるベルト17の交換を容易に行うことができる。
【0057】
プーリ14Aと入力側プーリ21Aには、ベルト16が巻回されており、ベルト16の下側には、ベルト16を下側から上側に向かって押圧するテンションクラッチ16Aが設けられている。なお、テンションクラッチ16Aは、ベルト16に当接するローラ41Aと先端部にローラ41Aを回転自在に支持するアーム32Bから形成されている。
【0058】
アーム41Bの基部は、入力側支軸21に回転自在に装着されている。側面視においてアーム41Bは、略三角形状に形成され三角形状の頂部には、テンションクラッチ16Aの接続及び接続の解除を操作する操作レバー42の基部が固定されている。
【0059】
入力側ギヤ21Bと出力側ギヤ22Bは、相互に噛み合っている。これにより、入力側プーリ21Aに伝動された回転は、入力側ギヤ21Bと、出力側ギヤ22Bとを介して出力側プーリ22Aに伝動される。また、第2実施形態の切換手段24においては、出力側ギヤ22Bの歯数を入力側ギヤ21Bの歯数に対して2倍に設定している。これにより、出力側ギヤ22Bの回転数は、入力側ギヤ21Bの回転数に対して1/2になり、出力側ギヤ22Bの外周部に発生するトルクは、入力側ギヤ21Bの外周部に発生するトルクに対して2倍になり、フィーダハウス4Dの回転軸25の逆転回転時の回転速度を低速、高トルクにすることができ、例えば、フィーダハウス4Dに詰まった穀稈をフィーダハウス4Dの前側に移送して容易に取り除くことができる。
【0060】
出力側プーリ22Aとプーリ25Aには、ベルト17が巻回されており、ベルト17の下側には、ベルト17を下側から上側に向かって押圧してベルト17に所定の緊張を与えるテンションクラッチ(請求項の「第2テンションクラッチ」)17Aが設けられている。なお、テンションクラッチ17Aは、ベルト17に当接するローラ44Aと先端部にローラ44Aを回転自在に支持するアーム44Bから形成されている。
【0061】
アーム44Bの基部は、出力側支軸22に回転自在に装着されている。側面視においてアーム44Bは、略三角形状に形成されている。アーム41Bの先端部におけるローラ41Aを支持する後側の部位と、アーム44Bの先端部におけるローラ44Aを支持する前側の部位は、連結アーム50で連結されている。これにより、操作レバー42の回動に連動してテンションクラッチ17Aのアーム44Bが出力側支軸22を中心として上下に移動する。
【0062】
図9に示すように、連結アーム50は、連結棒50Aと連結棒50Aの長手方向に直交する上下の係合ピン50Bから形成されている。上側の係合ピン50Bは、アーム41Bの先端部に形成された開口部に右側から左側に向けて挿入され、下側の係合ピン50Bは、アーム44Bの先端部に形成された開口部に右側から左側に向けて挿入される。
【0063】
切換手段24の正転駆動装置Aを停止して逆転駆動装置Bを駆動してフィーダハウス4Dの回転軸25を逆転回転させる場合は、操作レバー42を後側に回動させてローラ41Aをベルト16に押圧させてベルト16のテンションを緊張させると共に、ローラ44Aをベルト17に押圧させてベルト17のテンションを緊張させる。一方、切換手段24の逆転駆動装置Bを停止して正転駆動装置Aを駆動してフィーダハウス4Dの回転軸25を正転回転させる場合は、操作レバー42を前側に回動させてローラ41Aをベルト16から離間させてベルト16のテンションを弛緩させると共に、ローラ44Aをベルト17から離間させてベルト17のテンションを弛緩させる。すなわち、ブラケット40と、アーム41Bと、アーム44Bと、連結アーム50により4節リンクを構成し、操作レバー42の移動に伝動して、アーム41Bが入力側支軸21を中心として揺動し、アーム44Bが出力側支軸22を中心として揺動する両てこ機構を形成する。
【0064】
操作レバー42を後側に移動させてアーム41Bを入力側支軸21を中心として反時計方向に回動させるとローラ41Aがベルト16を上側に押圧してベルト16のテンションを緊張させることによりベルト16を介してプーリ14Aの回転を入力側プーリ21Aに伝動させることができる。一方、操作レバー42を前側に移動させてアーム41Bを入力側支軸21を中心として時計方向に回動させるとローラ41Aがベルト16から離間してベルト16のテンションは弛緩してベルト16を介してプーリ14Aの回転は入力側プーリ21Aに伝動されなくなる。
【0065】
また、操作レバー42を後側に移動させてアーム44Bを出力側支軸22を中心として反時計方向に回動させるとローラ44Aがベルト17を上側に押圧してベルト17のテンションを緊張させることによりベルト17を介して出力側プーリ22Aの回転をプーリ25Aに伝動させることができる。一方、操作レバー42を前側に移動させてアーム44Bを出力側支軸22を中心として時計方向に回動させるとローラ44Aがベルト17から離間してベルト17のテンションは弛緩してベルト17を介して出力側プーリ22Aの回転はプーリ25Aに伝動されなくなる。
【0066】
テンションクラッチ17Aを構成するアーム44Bを支持する先端部には、操作ワイヤ45の前端部が回転自在に装着されている。操作ワイヤ45の後端部は、操作部6に設けられたスロットルレバー(図示省略)の基部に装着されている。
【0067】
操作レバー42を後側に移動させてアーム44Bを出力側支軸22を中心として反時計方向に回動させると操作ワイヤ45の前端部は上側に移動してスロットルレバーの基部を前側に移動してエンジンEの回転を低速にする。これにより、フィーダハウス4Dの回転軸25の逆転回転時の回転速度をさらに低速、高トルクにすることができ、例えば、フィーダハウス4Dに詰まった穀稈をフィーダハウス4Dの前側に移送して容易に取り除くことができる。
【0068】
<セカンドモア装置>
次に、セカンドモア装置について説明する。
図12〜14に示すように、刈取前処理装置4の下側には、刈刃装置4Bで切断された穀稈等の切株(残稈)の背丈の長さを短くするために、セカンドモア装置90が設けられている。
【0069】
セカンドモア装置90は、刃長が長いフィンガ状の固定刃92と、固定刃92の後部に設けられたプレート93と、固定刃92とプレート93の間に形成された溝を左右方向に摺動する可動刃91から構成されている。
【0070】
プレート93は、連結アーム93Bによって後側プレート93Aに固定され、後側プレート93Aは、機体フレーム1の前部の左側に設けられた第1昇降フレーム95と、中間部に設けられた第2昇降フレーム96と、右側に設けられた第3昇降フレーム97によって支持されている。なお、プレート93は、連結フレーム93Bの前部に対して上下方向、前後方向に調整ができるのが好適である。
【0071】
第1昇降フレーム95と第2昇降フレーム96の前後方向の中間部には補強フレーム94が横設されている。これにより、第1昇降フレーム95と第2昇降フレーム96の剛性が高まり、第1昇降フレーム95と第2昇降フレーム96の変形を防止することができる。
【0072】
側面視において第1昇降フレーム95は、後部から前部に向かって直線状に形成され、側面視において第2昇降フレーム96と第3昇降フレーム97は、走行装置3の駆動軸を迂回するために、後部から前部に向かって直線に延在した後、駆動軸の前側で下向きに湾曲状に湾曲して形成されている。また、第1昇降フレーム95の右面には、第1昇降フレーム95を刈取前処理装置4のフィーダハウス4Dの左壁に吊り下げる吊上げガイド98が設けられている。これにより、フィーダハウス4Dの昇降に連動させてセカンドモア装置90を昇降にさせることができる。