(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6187901
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】包装体
(51)【国際特許分類】
B65D 75/34 20060101AFI20170821BHJP
B65D 83/04 20060101ALI20170821BHJP
【FI】
B65D75/34
B65D83/04 D
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-86933(P2013-86933)
(22)【出願日】2013年4月1日
(65)【公開番号】特開2014-201363(P2014-201363A)
(43)【公開日】2014年10月27日
【審査請求日】2016年3月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000206093
【氏名又は名称】大森機械工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】菊池 哲男
【審査官】
種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭54−153537(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3015632(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 75/34
B65D 83/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチック等のシート材に凹状の窪みを形成し収納部を複数個設けた第1シートと、当該第1シートに接着し前記収納部を覆って密封する第2シートとを備えた包装体であって、
前記第2シートには弾性を有する第3シートが重ね合わされ、当該第3シートは前記第1シート又は前記第2シートと複数箇所で接合され、その接合部は1つの前記収納部に対して少なくとも1箇所ずつ設けられ、当該収納部を1つだけ含むシート片に分離されると、当該シート片の前記第3シートが前記接合部を基点とし前記第2シートに対して跳ね上がった状態になり、
前記収納部が2列の配列状態で設けられており、前記接合部は前記収納部の配列方向と直交する方向の両端縁に、前記配列方向に連続的に設けられていることを特徴とする包装体。
【請求項2】
プラスチック等のシート材に凹状の窪みを形成し収納部を複数個設けた第1シートと、当該第1シートに接着し前記収納部を覆って密封する第2シートとを備えた包装体であって、
前記第2シートには弾性を有する第3シートが重ね合わされ、当該第3シートは前記第1シート又は前記第2シートと複数箇所で接合され、その接合部は1つの前記収納部に対して少なくとも1箇所ずつ設けられ、当該収納部を1つだけ含むシート片に分離されると、当該シート片の前記第3シートが前記接合部を基点とし前記第2シートに対して跳ね上がった状態になり、
前記収納部が4列以上の偶数列の配列状態で設けられており、前記接合部は配列方向と直交する方向の両端縁および収納部列の間であって2列おきに、前記配列方向に連続的に設けられていることを特徴とする包装体。
【請求項3】
プラスチック等のシート材に凹状の窪みを形成し収納部を複数個設けた第1シートと、当該第1シートに接着し前記収納部を覆って密封する第2シートとを備えた包装体であって、
前記第2シートには弾性を有する第3シートが重ね合わされ、当該第3シートは前記第1シート又は前記第2シートと複数箇所で接合され、その接合部は1つの前記収納部に対して少なくとも1箇所ずつ設けられ、当該収納部を1つだけ含むシート片に分離されると、当該シート片の前記第3シートが前記接合部を基点とし前記第2シートに対して跳ね上がった状態になり、
2個の前記収納部が隣接して配列されており、前記接合部は配列方向の両端縁に設けられていることを特徴とする包装体。
【請求項4】
プラスチック等のシート材に凹状の窪みを形成し収納部を複数個設けた第1シートと、当該第1シートに接着し前記収納部を覆って密封する第2シートとを備えた包装体であって、
前記第2シートには弾性を有する第3シートが重ね合わされ、当該第3シートは前記第1シート又は前記第2シートと複数箇所で接合され、その接合部は1つの前記収納部に対して少なくとも1箇所ずつ設けられ、当該収納部を1つだけ含むシート片に分離されると、当該シート片の前記第3シートが前記接合部を基点とし前記第2シートに対して跳ね上がった状態になり、
4個以上の偶数個の前記収納部が1列の配列状態で設けられており、前記接合部は配列方向の両端縁および前記収納部の間であって2個おきに設けられていることを特徴とする包装体。
【請求項5】
少なくとも前記第1シート又は第2シート或は第3シートのいずれかに、不快な味を感じさせる調味剤が塗布されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬品やスナック菓子等の製品の包装に用いられる包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、カプセルや錠剤タイプの医薬品或は粒状のスナック菓子などの製品の包装に用いられる包装体としては、薄いプラスチックシートを凹状にくぼませて収納部を形成し当該収納部を規則的に配列した第1シートに、収納部に製品を充填後、薄いアルミ製の第2シートを被せて収納部を密封するプレススルーパッケージ(PTP)が利用されている。このPTP包装体は、第1シート側に突出した収納部を指で押し潰すと中の製品が押されて第2シートが押し破られ、製品を収納部から取り出せるようになる。
ところでPTP包装体には、1錠ごとに切り離して使えるように、収納部の間にミシン目やハーフカット等で切り離し線が設けられている。この切り離し線によって1錠分の小さなシート片に分離できてしまうため、シート片から中身を取り出さずにそのまま服用されてしまうケースがあり、特に製品が小粒であればシート片も小さく口に入れやすいため誤飲事故を招く要因になっている。そこで解決策として、分離されるシート片が小さくならないように、例えば1日に必要な服用錠数単位でしか分離できないように切り離し線を設けた包装体が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案第3018024号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の包装体であっても、切り離し線が入っていない箇所を鋏などでカットし1錠分のシート片に分離して使用される場合がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、たとえ切り離し線以外で小さく分離されたとしてもそのまま服用されることがなく、誤飲事故を未然に防止することができる包装体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために請求項1の発明は、プラスチック等のシート材に凹状の窪みを形成し収納部を複数個設けた第1シートと、当該第1シートに接着し前記収納部を覆って密封する第2シートとを備えた包装体であって、前記第2シートには弾性を有する第3シートが重ね合わされ、当該第3シートは前記第1シート又は前記第2シートと複数箇所で接合され、その接合部は1つの前記収納部に対して少なくとも1箇所ずつ設けられ、当該収納部を1つだけ含むシート片に分離されると、当該シート片の前記第3シートが前記接合部を基点とし前記第2シートに対して跳ね上がった状態になることを特徴としている。上記手段によれば、前記シート片に分離すると、前記第3シートが前記接合部を基点とし前記第2シートに対して跳ね上がった状態になるため、見た目で使用者に注意を喚起することができるだけでなく口に入れづらくなり、また仮に口に入れたとしても違和感を与えることができるので吐き出すように促すことができる。前記第3シートとしては、プラスチック製の弾性フィルムや紙を樹脂コーティングしたシート材等を用いることができ、前記第2シートとしては破壊しやすい薄いアルミ製やプラスチック製のシート材などを用いることができ、前記第1シートとしてはプラスチックやアルミなどのシート材を用いることができ、特に収納部を指で簡単に変形させることができる程度の軟らかさを備えたものが好ましい。前記第3シートは第2シートと接合するだけでなく、当該第2シートが存在しない箇所で前記第1シートと直接接合しても良い。さらに上記手段によれば、前記シート片に分離する前は、前記第3シートは第2シートに重なった状態になっているため、前記収納部を押し潰したとしても収納されている製品で前記第3シートを押し破って製品を取り出すことは難しく、幼児や子供などが不用意に製品を取り出してしまうことを防止することができる。
【0007】
さらに、前記収納部が2列の配列状態で設けられており、前記接合部は前記収納部の配列方向と直交する方向の両端縁に、前記配列方向に連続的に設けられていることを特徴としている。上記手段によれば、口に入れやすい大きさの前記シート片に分離しようとすれば、必然的に前記接合部が存在しない収納部列の間を切断する必要があるため、前記シート片に分離されたとしても前記第3シートが跳ね上がり、誤飲を未然に防止することができる。
【0008】
請求項
2の発明は、前記収納部が4列以上の偶数列の配列状態で設けられており、前記接合部は配列方向と直交する方向の両端縁および収納部列の間であって2列おきに、前記配列方向に連続的に設けられていることを特徴としている。上記手段によれば、前記接合部が2列おきに設けられているので、口に入れやすい大きさの前記シート片に分離しようとすれば、必然的に前記接合部が存在しない前記収納部列の間を切断する必要があるため、前記シート片に分離されたとしても前記第3シートが跳ね上がり、誤飲を未然に防止することができる。
【0009】
請求項
3の発明は、2個の前記収納部が隣接して配列されており、前記接合部は配列方向の両端縁に設けられていることを特徴としている。上記手段によれば、口に入れやすい大きさの前記シート片に分離しようとすれば、必然的に前記接合部が存在しない2個の前記収納部の間を切断する必要があるため、前記シート片に分離されたとしても前記第3シートが跳ね上がり、誤飲を未然に防止することができる。
【0010】
請求項
4の発明は、4個以上の偶数個の前記収納部が1列の配列状態で設けられており、前記接合部は配列方向の両端縁および前記収納部の間であって2個おきに設けられていることを特徴としている。上記手段によれば、前記接合部が前記収納部の2個おきに設けられているので、口に入れやすい大きさの前記シート片に分離しようとすれば、必然的に前記接合部が存在しない前記収納部の間を切断する必要があるため、前記シート片に分離されたとしても前記第3シートが跳ね上がり、誤飲を未然に防止することができる。
【0011】
請求項
5の発明は、少なくとも前記第1シート又は第2シート或は第3シートのいずれかに、不快な味を感じさせる調味剤が塗布されていることを特徴とする。上記手段によれば、前記シート片を口に入れたときに不快な味を感じさせることができるので、前記シート片を吐き出しやすくなり、誤飲事故を未然に防止することができる。
【0012】
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る包装体は、包装体の誤飲や誤食による事故を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】(a)本発明の実施形態にかかる包装体を構成するシート片の平面図。(b)同シート片の断面図。
【
図2】(a)シート片の他の一実施形態を示す平面図。(b)同シート片の断面図。
【
図3】(a)シート片の他の一実施形態を示す斜視図。(b)シート片の他の一実施形態を示す斜視図。(C)シート片の他の一実施形態を示す斜視図。
【
図4】(a)本発明に係る包装体の他の一実施形態を示す平面図。(b)同包装体の断面図。
【
図5】(a)本発明に係る包装体の他の一実施形態を示す平面図。(b)同包装体の断面図。
【
図6】本発明に係る包装体の他の一実施形態を示す平面図。
【
図7】(a)本発明に係る包装体の他の一実施形態を示す平面図。(b)同包装体の断面図。
【
図8】(a)本発明に係る包装体の他の一実施形態を示す平面図。(b)同包装体の断面図。
【
図9】本発明に係る包装体の他の一実施形態を示す平面図。
【
図10】本発明に係る包装体を一部に含む包装体の平面図。
【
図11】本発明に係る包装体を一部に含む他の包装体の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明に係る包装体の実施形態について、錠剤用のPTP包装体を例に
図1〜11を参照しつつ説明する。第1図は錠剤の収納部を複数有するPTP包装体から1錠分、つまり錠剤が充填され密封されている収納部を1つだけ含む小片に分離されたシート片1を示し、(a)図は平面図であり(b)図は断面図である。このシート片1が分離されたPTP包装体は、プラスチック製の薄いシート材に凹状の窪みを規則的に形成することで複数個の収納部2が設けられた第1シート3と、第1シート3に熱溶着され錠剤Tが充填された収納部2を覆って密封するアルミ製の薄いシート材である第2シート4と、後述する要領で第2シート4に重ね合わせた状態で配置されている弾性を有する第3シート5とで構成されている。このPTP包装体から分離されたシート片1は、(b)図に示すように第3シート5が接合部6を基点とし第2シート4に対して跳ね上がった状態になっている。符号7は折り線を示し、第3シート5が第2シート4から離反する方向に付勢されるように折り癖が付与されている。第3シート5はPTP包装体からシート片1が分離されることによって自動的に跳ね上がり、使用者に対しそのまま服用しないよう注意を喚起するとともに、万が一、口に入れた場合でも違和感を与えることで吐き出すよう促すことができるので、誤飲による事故を未然に防止することができる。また、第1〜3シート3、4、5のいずれかに不快な味を感じさせる調味剤(例えばデナトリウム)を塗布するとさらに吐き出し易くなり誤飲防止の効果を増大させることができる。錠剤Tの取り出しについては、通常の方法と同様、収納部2を指で押し潰し錠剤Tで第2シート4を押し破ることで行う。ところで、第3シート5には誤飲防止の効果の他、幼児などが錠剤を不用意に取り出せないようする効果も期待できる。つまり、PTP包装体からシート片1を分離しない限り、第3シート5は第2シート4を覆った状態を維持するので、収納部2を指で押し潰したとしても錠剤Tで第3シート5を押し破るのは難しく、錠剤Tを収納部2から取り出せるようにするには、PTP包装体からシート片1を分離して第3シート5を跳ね上がった状態にし第2シート4を露出させる手間が必要となるからである。
【0016】
第2図に示す別の実施形態のシート片10は、第2シート4が第3シート5より小さい面積で設けられており、第3シート5は第2シート4が存在しない部分で第1シート3と直接シールされている。なお、シート片1と共通する構成については同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0017】
第3図(a)、(b)、(c)に示す別の実施形態のシート片20、30、40は、第3シート5に巻き癖のついたシート材が用いられている。シート材の材質としては例えばポリプロピレン層を有するフィルムやポリオレフィン系樹脂フィルムを用いることができる。(a)図に示すシート片20は第3シート5を、巻き癖の方向が接合部6の長手方向と平行になるようにし、且つ下向きに湾曲するように重ね合わされたPTP包装体から切り離されたものである。(b)図に示すシート片30は第3シート5を、巻き癖の方向が接合部6の長手方向と平行になるようにし、且つ上向きに湾曲するように重ね合わされたPTP包装体から切り離されたものである。(c)図に示すシート片40は第3シート5を、巻き癖の方向が接合部6の長手方向と直交するようにし、且つ下向きに湾曲するように重ね合わされたPTP包装体から切り離されたものである。
【0018】
第4図には第1図に示すシート片1が切り離される前のPTP包装体50を示している。(a)図は平面図であり(b)図は断面図である。PTP包装体50は、収納部2が2列の配列状態で設けられており、第3シート5と第2シート4との接合部6が、配列方向と直交する方向の両端縁に、配列方向に連続的に設けられている。また、収納部を1つずつ分離可能なミシン目8(切り離し線)が、収納部列の間と配列方向における収納部2の間に形成されている。服用の際、ミシン目8に沿ってシート片50を分離すると、第1図(b)に示すように、第3シート5が接合部6を基点に跳ね上がり第2シート4が露出した状態になるため、収納部2を指で押し潰すことで錠剤Tを取り出すことができる。万が一、ミシン目8以外の部分をハサミ等で切断されてシート片1に分離されてしまっても、分離する際に接合部6が存在しない収納部列の間を切断する必要があり、必然的にシート片1の第3シート5が第2シート4に対して跳ね上がった状態になる。これにより、使用者に対しそのままの服用を禁止するよう注意を喚起し、万が一、口に入れた場合でも違和感を与え、吐き出させることができる。なお、符号9はタグを示しおりミシン目で切り取れるようになっている。第5図は第2図に示すシート片10を切り離す前のPTP包装体60を示しており、(a)は平面図で(b)は断面図を示している。
【0019】
第6図に示すPTP包装体70は、第1図のシート片1が切り離される前の状態の包装体を示しており、当該包装体は収納部が6列の配列状態で設けられ、第3シート5と第2シート4との接合部6が配列方向と直交する方向の両端縁および収納部列の間であって2列おきに、配列方向に連続して設けられている。このPTP包装体70にもシート片1ごとに分離することができるミシン目8が、収納部列の間と配列方向における収納部2の間に形成されている。服用の際、ミシン目8に沿って切断すれば、第1図(b)に示すように、第3シート5が接合部6を基点に第2シート4に対して跳ね上がった状態になり第2シート4が露出するため、収納部2から錠剤Tを取り出すことができる。また、万が一、ミシン目8以外の部分をハサミ等で切断されてシート片1に分離されてしまっても、分離するためには接合部6が存在しない収納部列の間を切断する必要があり、必然的にシート片1の第3シート5が第2シート4に対して跳ね上がった状態になり、誤飲を未然に防止することができる。
【0020】
第7図は、2個の収納部が隣接して配列されている、第1図のシート片1が切り離される前の状態の包装PTP包装体80を示している。(a)図は平面図、(b)図は断面図を示している。このPTP包装体80は、第3シート5と第2シート4とが配列方向の両端縁において接合され、シート片1に分離可能なミシン目8が収納部2の間に形成されている。このPTP包装体80をミシン目8で切断すると各シート片1は、第1図(b)に示すように、第3シート5が第2シート4に対し跳ね上がった状態になり、第2シート4が露出した状態になるため錠剤Tを収納部2から取り出すことができる。そして、第3シート5が跳ね上がった状態になることで、使用者に対してそのままの服用を禁止するように注意を喚起することができ、また口に入れてしまった場合でも違和感を与え吐き出させることができるので、誤飲事故を未然に防ぐことができる。万が一、ミシン目8以外の箇所をハサミで切断しシート片1に分離されてしまった場合でも、切断する際に接合部6の存在しない収納部2の間を切断する必要があるため、必然的に第3シート5が跳ね上がり誤飲事故を未然に防ぐことができる。図示を省略しているがタグを設けることもでき、タグはミシン目で切り取れるようにしても良い。第8図に示すPTP包装体90は第7図のPTP包装体80の別の実施形態であり、第2図のシート片10にかかるPTP包装体である。
【0021】
第9図は、6個の収納部が1列の配列状態で設けられているPTP包装体100を示している。このPTP包装体は、第3シート5と第2シート4との接合部6が、配列方向の両端縁および収納部2の間であって2個おきに設けられている。また、シート片1に分離可能なミシン目8が収納部2の間に形成されている。服用の際、ミシン目8でシート片1を分離すれば第1図(b)に示すように、第3シート5が第2シート4に対して跳ね上がった状態になり第2シート4が露出するため、錠剤Tを収納部2から簡単に取り出すことができ、加えて誤飲を未然に防止することができる。万が一、ミシン目8以外をハサミなどを使って切断しシート片1に分離されてしまった場合でも、切断の際に接合部6の存在しない収納部2の間を切断しなければならないため、必然的に第3シート5が跳ね上がった状態になり、誤飲を未然に防止することができる。なお、図示するようにタグ9を設けることもできる。
【0022】
次に本発明に係る包装体を一部に有する包装体の実施形態について説明する。第10図は、5個の収納部が1列の配列状態で設けられているPTP包装体200を示しており、収納部2の上から2個目〜5個目が本発明の請求項5にかかる包装体110になっている。即ち、接合部6が、収納部2の上から1個目と2個目の間、3個目と4個目の間、そして5個目の下方に設けられている。収納部2の間にはミシン目8が形成されていてシート片1に分離可能になっている。特に、1個目と2個目及び3個目と4個目の収納部2の間のミシン目8は接合部6を2分する位置に設けられており、このミシン目8で分離されたシート片1のいずれにも接合部6が存在する形態になる。1個目と2個目の収納部2の間にも接合部6を2分するようにミシン目8が形成されていて、包装体110と1個目の収納部2を含む小片210とに分離可能になっている。この小片210の上端にはタグ9が連設されていて、直ぐ下に設けられたミシン目8で切り取り可能になっている。また、タグ9において第3シート5と第2シート4とが接合されているため接合部6と同等の機能を発揮する。即ち、ハサミ等を使って1個目の収納部2と接合部6との間で切断された場合、小片120はタグ9を基点として第3シート5が跳ね上がり誤飲を防止する。また、1個目の収納部2とタグ9近傍のミシン目8との間が切断された場合は、1個目と2個目の収納部間の接合部6が基点となって第3シート5が跳ね上がり誤飲を防止する。なお、小片120をミシン目8に従って切り離した場合は、1個目と2個目の収納部間の接合部6が基点となって第3シート5が跳ね上がり誤飲を防止する。
ミシン目8によって切り離すことができる。本実施形態においては小片210にも本発明に準じた誤飲防止の効果を持たせている。つまり、タグ9を切り離すミシン目8を切断すれば、第1図(b)に示すように、第3シート5が収納部2の1個目と2個目の間の接合部6を基点として跳ね上がるようになっている。当然ながら、当該ミシン目8の下を鋏等を使って切断しても同様の作用効果が発揮される。
【0023】
第11図は、5個の収納2が3列の配列状態で設けられているPTP包装体220を示しており、右側2列の収納部列が本発明の請求項2にかかる包装体120になっている。即ち、接合部6が収納部列の左から1列目と2列目の間および右側端縁に設けられ、収納部列の間および配列方向における収納部2の間にミシン目8が形成されていて、シート片1ごとに分離可能になっている。この包装体120の左側に、5個の収納部2を1列に配した包装体230を連設してPTP包装体220が構成されている。本実施形態においては包装体230にも本発明に準じた誤飲防止の機能を持たせている。つまり、配列方向に直交するミシン目8を包装体120のミシン目8の延長上に形成し、且つ配列方向のミシン目8を収納部列の1列目と2列目の間で接合部6に近接する位置(又は接合部6を2分するように)形成している。これにより、縦横のミシン目8で切断し、収納部2を1個だけ含む小片240に分離すれば、第1図(b)に示すように、第3シート5が第2シート4に対して接合部6を基点に跳ね上がった状態になるため、本発明と同様に誤飲を未然に防止することができる。
なお、本発明に係る包装体は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の範囲において適宜変更され得る。例えば、ミシン目の代わりにハーフカットの切り離し線を形成しても良いし、切り離し線そのものを無くしても良いし、またこれらを組み合わせて用いても良い。
【符号の説明】
【0024】
1、10、20、30,40 シート片
2 収納部
3 第1シート
4 第2シート
5 第3シート
6 接合部
7 折り線
8 ミシン目
9 タグ
50、60、70、80、90、100、110、120 PTP包装体
200、220 PTP包装体
210、240 小片
T 錠剤