(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6187941
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】液晶表示装置
(51)【国際特許分類】
G02F 1/1368 20060101AFI20170821BHJP
G02F 1/1343 20060101ALI20170821BHJP
【FI】
G02F1/1368
G02F1/1343
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-523797(P2014-523797)
(86)(22)【出願日】2013年7月4日
(86)【国際出願番号】JP2013068448
(87)【国際公開番号】WO2014007355
(87)【国際公開日】20140109
【審査請求日】2016年6月3日
(31)【優先権主張番号】特願2012-150957(P2012-150957)
(32)【優先日】2012年7月4日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】303018827
【氏名又は名称】Tianma Japan株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(72)【発明者】
【氏名】今野 隆之
【審査官】
岩村 貴
(56)【参考文献】
【文献】
特開2001−337339(JP,A)
【文献】
特許第4047586(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1368
G02F 1/1343
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の基板と、対向する第二の基板と、前記第一基板と前記第二基板との間に挟まれた状態で保持されている液晶層とからなる液晶表示装置であって、
前記第一基板は、ゲート電極、ドレイン電極、ソース電極を有する薄膜トランジスタと、表示すべき画素に対応して透明性の導電膜からなる画素櫛歯電極と、基準電位が与えられる共通櫛歯電極および共通シールド電極と、走査信号配線と、前記走査信号配線と平行するように配置される共通信号配線と、前記共通信号配線と直交するように配置される映像信号配線を備え、
前記薄膜トランジスタは前記走査信号配線と前記映像信号配線の交点付近に形成されており、
前記ゲート電極は前記走査信号配線に、前記ドレイン電極は前記映像信号配線に、前記ソース電極は前記画素櫛歯電極に、前記共通櫛歯電極及び前記共通シールド電極は前記共通信号配線に、それぞれ電気的に接続されており、
前記映像信号配線は絶縁膜を介して配線幅方向に前記共通シールド電極で覆われており、
前記画素櫛歯電極と前記共通櫛歯電極の間に印加される、前記第一基板の表面に略平行な電界により、前記液晶層の分子軸を前記第一基板に平行な面内において回転させることにより表示を行う横電界方式のアクティブマトリクス型液晶表示装置において、
複数本の前記画素櫛歯電極のうち少なくとも1本の前記画素櫛歯電極の幅は、他の前記画素櫛歯電極及び前記共通櫛歯電極の幅より太く、その幅太画素櫛歯電極を除く他の前記画素櫛歯電極及び前記共通櫛歯電極の幅は互いに略同じであり、
前記幅太画素櫛歯電極の幅は、前記共通シールド電極の幅と略同じである液晶表示装置。
【請求項2】
前記幅太画素櫛歯電極の下層であって、その長手方向に平行に前記共通信号配線が一体的に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記幅太画素櫛歯電極の下層であって、その長手方向に平行に前記ソース電極が延伸形成されていることを特徴とする請求項2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記幅太画素櫛歯電極は、単位画素の中央または最も中央に近い位置に形成されることを特徴とする請求項1乃至3に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記幅太画素櫛歯電極の両側で、前記共通櫛歯電極と前記画素櫛歯電極の本数が同じであることを特徴とする、請求項1乃至4に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記幅太画素櫛歯電極の片側で、前記共通櫛歯電極と前記画素櫛歯電極の本数が同じであることを特徴とする、請求項1乃至4に記載の液晶表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、液晶表示装置に関し、特に、残像特性に優れた、横電界方式のアクティブマトリクス型液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、大型モニター向けに採用が広がっているIPS(In−Plane Switching)方式は、液晶の分子軸を横電界によって基板に対して平行な面内で回転させて表示を行うものであり、分子軸の立ち上がり角に対する視角依存性がなくなるため、TN方式よりも視角特性が大幅に有利となる。一方、IPS方式は画素電極と共通電極を櫛歯状に配置して横電界を印加するため、電極の面積の表示領域に占める割合が高くなり、開口率はTN方式よりも不利とされてきたが、近年はTN方式と同等まで改善されている。
【0003】
(従来例1)
IPS方式の例を示す。
図7(a)に1画素の平面図を、
図7(b)に表示領域の断面図を示す。第1の基板上に、第1の金属層からなる走査信号配線701と、並行する2本の共通信号配線702が形成されている。前記走査信号配線701と共通信号配線702上にゲート絶縁膜703が形成され、前記第1の絶縁膜上に第2の金属層からなる映像信号配線704、薄膜半導体層705、ソース電極706が形成される。前記映像信号配線704、薄膜半導体層705、ソース電極706上には無機膜からなるパッシベーション膜707が形成され、さらに前記パッシベーション膜上に有機膜からなる平坦化膜708が形成される。前記平坦化膜708上に、透明性の導電膜からなる画素櫛歯電極709、共通櫛歯電極710が形成される。なお、前記平坦化膜708を用いない場合は、前記パッシベーション膜707上に前記画素櫛歯電極709、共通櫛歯電極710が形成される。
【0004】
前記映像信号配線704は、前記パッシベーション膜707、前記平坦化膜708を介して共通シールド電極710Bによって配線幅方向に完全に覆われている。前記画素櫛歯電極709、前記共通櫛歯電極710はコンタクトホール711、712を介してそれぞれ前記ソース電極706、前記共通信号配線702と電気的に接続されている。前記共通信号配線702と前記ソース電極706がオーバーラップした領域は蓄積容量となる。
【0005】
また、前記画素櫛歯電極709、前記共通櫛歯電極710はともに透明性の導電膜で形成されているため、電極上の領域も透過率に寄与する。前記映像信号配線704上を前記共通シールド電極710Bによって配線幅方向に完全に覆う構造のため、前記映像信号配線704付近まで開口部を広げることができる。
【0006】
ところで、出願人の知見によれば、特許文献1において、線幅が異なる画素櫛歯電極を設ける構造が開示されているが、線幅を太くした画素櫛歯電極の幅が、共通シールド電極の幅と略同じであると規定されていない。また、線幅を太くする画素櫛歯電極の位置も規定されていない。特許文献1で開示された発明は、線幅を太くした画素櫛歯電極を透明導電層と金属層との積層とし、この箇所で蓄積容量を形成することにより、高開口率化することを目的としているが、本願発明は画素電極と共通電極の構造の対称化を目的としており、特許文献1の発明と目的が異なる。
【0007】
また、出願人の別の知見によれば、特許文献2において、中央の画素櫛歯電極の幅が太い構造が開示されているが、太い画素櫛歯電極の幅は共通シールド電極の幅と略同じにはなっていない。特許文献2は、本願発明のように、非対称性の緩和を目的としたものではない。
【0008】
特許文献3に挙げたIPS方式では、表示領域内に画素櫛歯電極が3本、共通櫛歯電極が2本あり、画素櫛歯電極の方が1本多い。一般に、負フレーム時(画素櫛歯電極の電位が共通櫛歯電極の電位より低い)は共通櫛歯電極近傍に電子が集まり、この結果画素櫛歯電極近傍が明るく光る。逆に正フレーム時(画素櫛歯電極の電位が共通櫛歯電極の電位より高い)は画素櫛歯電極近傍に電子が集まり、この結果共通櫛歯電極近傍が明るく光る。このため、負フレームと正フレームで明るく光る櫛歯電極の本数が異なり、正負フレーム間で光り方が非対称になる。
【0009】
さらに、映像信号配線上を共通シールド電極によって配線幅方向に完全に覆う構造により、共通櫛歯電極に共通シールド電極を加えた総幅が、画素櫛歯電極の総幅より広く、画素電位より共通電位が優勢となり、画素櫛歯電極近傍では電界が強く、共通櫛歯電極近傍では電界が弱くなる。このため、負フレームにおける画素櫛歯電極近傍の光り方と、正フレームにおける共通櫛歯電極近傍の光り方に差があり、フレーム間の光り方がさらに非対称になる。このような状態で、フレーム間の輝度が同等になるよう共通電位を振りフリッカ調整を行うと、画素櫛歯電極と共通櫛歯電極の間に印加される信号にはDCオフセットが乗り、フレーム間で信号が非対称になる。このため、残像が悪化すると考えられる。
先行技術文献
特許文献
【0010】
【特許文献1】特開2003−140188号公報(第5頁、第1図)
【特許文献2】特許4047586号公報(第7頁、第1図および第3図)
【特許文献3】特許4603560号公報(第8頁、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
以上より、本発明の目的は前記課題を解決するものであって、IPS方式の画素櫛歯電極と共通櫛歯電極を構造的に対称にすることにより、フレーム間の光り方も対称になり、フレーム間の輝度が同等になるよう共通電位を振ってフリッカ調整した後の、画素櫛歯電極と共通櫛歯電極の間に印加される信号も対称になるようにする液晶表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本願第1の発明の液晶表示装置は、第一の基板と、対向する第二の基板と、前記第一基板と前記第二基板との間に挟まれた状態で保持されている液晶層とからなる液晶表示装置であって、前記第一基板は、ゲート電極、ドレイン電極、ソース電極を有する薄膜トランジスタと、表示すべき画素に対応して透明性の導電膜からなる画素櫛歯電極と、基準電位が与えられる共通櫛歯電極および共通シールド電極と、走査信号配線と、前記走査信号配線と平行するように配置される共通信号配線と、前記共通信号配線と直交するように配置される映像信号配線を備え、前記薄膜トランジスタは前記走査信号配線と前記映像信号配線の交点付近に形成されており、前記ゲート電極は前記走査信号配線に、前記ドレイン電極は前記映像信号配線に、前記ソース電極は前記画素櫛歯電極に、前記共通櫛歯電極及び前記共通シールド電極は前記共通信号配線に、それぞれ電気的に接続されており、前記映像信号配線は絶縁膜を介して配線幅方向に前記共通シールド電極で覆われており、前記画素櫛歯電極と前記共通櫛歯電極の間に印加される、前記第一基板の表面に略平行な電界により、前記液晶層の分子軸を前記第一基板に平行な面内において回転させることにより表示を行う横電界方式のアクティブマトリクス型液晶表示装置において、複数本の前記画素櫛歯電極のうち少なくとも1本の前記画素櫛歯電極の幅は、他の前記画素櫛歯電極及び前記共通櫛歯電極の幅より太く、その幅太画素櫛歯電極を除く他の前記画素櫛歯電極及び前記共通櫛歯電極の幅は互いに略同じであり、前記幅太画素櫛歯電極の幅は、前記共通シールド電極の幅と略同じである液晶表示装置を提供する。
【0013】
また、前記幅太画素櫛歯電極の下層であって、その長手方向に平行に前記共通信号配線が一体的に形成されていることを特徴とする。
【0014】
さらに、前記幅太画素櫛歯電極の下層であって、その長手方向に平行に前記ソース電極が延伸形成されていることを特徴とする。
【0015】
その上、前記幅太画素櫛歯電極は、単位画素の中央または最も中央に近い位置に形成されることを特徴とする。
【0016】
続いて、前記幅太画素櫛歯電極の両側で、前記共通櫛歯電極と前記画素櫛歯電極の本数が同じであることを特徴とする。
【0017】
さらに、前記幅太画素櫛歯電極の片側で、前記共通櫛歯電極と前記画素櫛歯電極の本数が同じであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
IPS方式の画素櫛歯電極と共通櫛歯電極を構造的に対称にすることにより、フレーム間の光り方も対称になり、フレーム間の輝度が同等になるよう共通電位を振ってフリッカ調整した後の、画素櫛歯電極と共通櫛歯電極の間に印加される信号も対称になる。このため、残像が改善される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1(a)】本願発明の第1の実施例に係る液晶表示装置の平面図である。
【
図1(b)】本願発明の第1の実施例に係る液晶表示装置の表示領域の断面と電位分布の略図である。
【
図1(c)】本願発明の第1の実施例に係る液晶表示装置の断面図である。
【
図2(a)】本願発明の第2の実施例に係る液晶表示装置の平面図である。
【
図2(b)】本願発明の第2の実施例に係る液晶表示装置の表示領域の断面と電位分布の略図である。
【
図3(a)】本願発明の第3の実施例に係る液晶表示装置の平面図である。
【
図3(b)】本願発明の第3の実施例に係る液晶表示装置の表示領域の断面図である。
【
図4】本願発明の第4の実施例に係る液晶表示装置の平面図である。
【
図5(a)】本願発明の第5の実施例に係る液晶表示装置の平面図である。
【
図5(b)】本願発明の第5の実施例に係る液晶表示装置の表示領域の断面と電位分布の略図である。
【
図6(a)】本願発明の第6の実施例に係る液晶表示装置の平面図である。
【
図6(b)】本願発明の第6の実施例に係る液晶表示装置の表示領域の断面と電位分布の略図である。
【
図7(a)】従来例1の液晶表示装置の平面図である。
【
図7(b)】従来例1の液晶表示装置の表示領域の断面と電位分布の略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1(a)および
図1(b)に本願発明の構造を示す。
図1はコラム数が2の奇数倍であるときの例であり、画素櫛歯電極は奇数本ある。
図7で説明した従来例1との違いは、複数本ある画素櫛歯電極109のうちの1本109Bが、他の画素櫛歯電極109、共通櫛歯電極110よりも幅が太く、映像信号配線104上をパッシベーション膜107を介して覆う共通シールド電極110Bの幅と同等である点である。前記太い画素櫛歯電極109Bにより、表示領域は2つのサブ領域に分割される。それぞれのサブ領域で、前記画素櫛歯電極109と前記共通櫛歯電極110の本数は同じになる。また、前記共通シールド電極110Bと、前記太い画素櫛歯電極109Bの幅が同等であることから、従来例のような画素櫛歯電極近傍での電界集中が緩和される。
【0021】
このように構造的に対称になることから、
図1(b)のように電位分布が対称になり、フレーム間の光り方の非対称性が緩和される。これにより、フレーム間の輝度が同等になるよう共通電位を振ってフリッカ調整を行うと、画素櫛歯電極と共通櫛歯電極の間に印加される信号のDCオフセット成分が小さくなり、フレーム間で信号が対称に近くなる。このため、残像が改善される。
【実施例1】
【0022】
本願発明の第1の実施例について、
図1(a)、(b)および(c)を用いて説明する。
図1(a)は本願発明の第1の実施例に係る液晶表示装置の平面図であり、
図1(b)は表示領域の断面と電位分布の略図である。
図1(c)は断面図であり、第1の基板と第2の基板を対向させ、液晶層を狭持させている。
【0023】
より詳細には、本発明に係る横電界方式のアクティブマトリクス型液晶表示装置は、第一の基板である第1のガラス基板118と、対向する第二の基板たる第2のガラス基板119と、前記第1のガラス基板118と前記第2のガラス基板119との間に挟まれた状態で保持されている液晶層122とから構成される。
【0024】
以上のように構成される実施例1は、コラム数が2の奇数倍であるときの例であり、画素櫛歯電極は奇数本ある。
【0025】
続いて、
図1からなる画素の形成方法について以下に説明する。
【0026】
第1の基板は、まず、第1のガラス基板118上に第1の金属層からなる走査信号配線101および共通信号配線102を、モリブデンが主成分の合金と、アルミニウムが主成分の合金を積層させて形成する。
【0027】
次にゲート絶縁膜として、窒化シリコン膜を形成した後、薄膜半導体層105を形成する。
【0028】
さらに、第2の金属層として、モリブデンを主成分とする合金とアルミニウムを主成分とする合金を積層させた金属層により、映像信号配線104および薄膜トランジスタのソース電極106を形成する。
【0029】
薄膜半導体層105の上層にはn型半導体層が形成されており、ソース・ドレイン電極以外の場所のn型半導体層は、第2の金属層からなる電極を形成した後、ドライエッチングにより除去される。
【0030】
さらに、この上に窒化シリコンからなるパッシベーション膜107を形成する。
【0031】
さらに、この上には、平坦化膜108として、感光性アクリル樹脂を塗布し、露光・現像・焼成を行うことにより、所定のパタンを形成する。
【0032】
次に、ITO等の透明導電膜を用いて、画素櫛歯電極109および共通櫛歯電極110を形成する。共通シールド電極110Bは、映像信号配線104を覆うように形成されており、映像信号配線104からの電界をシールドする。これにより表示領域を広くとることができ、高開口率化が可能となっている。
【0033】
画素櫛歯電極109は、ソース電極−画素櫛歯電極間のコンタクトホール111を介して、ソース電極106に電気的に接続されている。
【0034】
共通櫛歯電極110は、前記共通信号配線−共通櫛歯電極間のコンタクトホール112を介して、共通信号配線102に電気的に接続されている。コンタクトホール112は必ずしもすべての画素に必要ではなく、間引いたり、まったく設けない場合もある。
【0035】
ここで、奇数本の画素櫛歯電極109のうち、中央の1本109Bは、前記共通シールド電極110Bと同等の幅を持つ。前記太い画素櫛歯電極109Bの両側では、前記共通櫛歯電極110と前記画素櫛歯電極109の本数が同じとなる。
【0036】
第2の基板は、第2のガラス基板119上に、遮光層117、色層116r、116g、116b、オーバーコート層115を順に形成する。モノクロの場合、色層は不要である。第1の基板、第2の基板それぞれに配向層813、814を塗布・焼成し、所定の方向にラビング処理後、第1の基板と第2の基板を重ね合わせ、スペーサ材によって所定のギャップで液晶層122を狭持する。第1の基板、第2の基板それぞれの外側に偏光板120、121を貼り付ける。
【0037】
ここで、前記画素櫛歯電極109と前記共通櫛歯電極110の間に印加される、前記第1のガラス基板118の表面に略平行な電界により、前記液晶層122の分子軸を前記第1のガラス基板118に平行な面内において回転させることにより表示を行う。
【0038】
前記太い画素櫛歯電極109Bにより、表示領域は2つのサブ領域に分割される。それぞれのサブ領域で、前記画素櫛歯電極109と前記共通櫛歯電極110の本数は同じになる。また、それぞれのサブ領域の両端で、前記共通シールド電極110Bの幅と、前記太い画素櫛歯電極109Bの幅が同じになり、従来例のように画素櫛歯電極近傍で電界が集中することはない。このように構造的に対称なことから、
図1(b)のように電位分布が対称になり、フレーム間の光り方の非対称性が解消される。
【0039】
IPS方式の画素櫛歯電極と共通櫛歯電極を構造的に対称にすることにより、フレーム間の光り方も対称になり、フレーム間の輝度が同等になるよう共通電位を振ってフリッカ調整した後の、画素櫛歯電極と共通櫛歯電極の間に印加される信号も対称になる。このため、残像が改善される。なお、太い画素櫛歯電極109Bの幅は、共通シールド電極110Bと同等であることが理想的だが、画素のピッチによっては難しい場合も考えられる。設計に応じ、太い画素櫛歯電極109Bの幅をできるだけ共通シールド電極110Bの幅に近づけることが望ましい。
【実施例2】
【0040】
本願発明の第2の実施例について、
図2(a)および(b)を用いて説明する。
図2(a)は本願発明の第2の実施例に係る液晶表示装置の平面図であり、
図2(b)は表示領域の断面と電位分布の略図である。断面図は第1の実施例と同様である。
【0041】
第1の実施例との違いは、画素櫛歯電極209Bの下かつ平行に共通信号配線が形成されている点である。この共通信号配線は、走査信号配線201と平行な2本の共通信号配線202と一体形成される。
【0042】
太い画素櫛歯電極209Bと共通信号配線202がオーバーラップしていることにより、この領域で蓄積容量を形成することができる。
【0043】
中央の最も太い画素櫛歯電極209Bにより、表示領域は2つのサブ領域に分割される。それぞれのサブ領域で、前記画素櫛歯電極209と前記共通櫛歯電極210の本数は同じになる。また、それぞれのサブ領域の両端で、前記共通シールド電極210Bの幅と、前記太い画素櫛歯電極209Bの幅が同じになり、従来例のように画素電極近傍で電界が集中することはない。このように構造的に対称なことから、
図2(b)のように電位分布が対称になり、さらに太い画素櫛歯電極209Bが遮光されることから、フレーム間の光り方の対称性が実施例1よりも良い。
【0044】
IPS方式の画素櫛歯電極と共通櫛歯電極を構造的に対称にすることにより、フレーム間の光り方も対称になり、フレーム間の輝度が同等になるよう共通電位を振ってフリッカ調整した後の、画素櫛歯電極と共通櫛歯電極の間に印加される信号も対称になる。このため、残像が改善される。
【0045】
また、太い画素櫛歯電極209Bと共通信号配線202がオーバーラップした領域で蓄積容量を確保できる。
【0046】
本願発明では、中央に太い画素櫛歯電極を設けるため、横方向の開口率は不利になるが、太い画素櫛歯電極209Bと共通信号配線202がオーバーラップした領域で蓄積容量を確保することにより、縦方向の開口率を広げることができる。トータルで従来のIPS方式と比較して同等の開口率を維持できる。
【0047】
なお、実施例1と同様に、太い画素櫛歯電極209Bの幅は、共通シールド電極210Bと同等の幅を持つことが理想的だが、設計に応じ、太い画素櫛歯電極209Bの幅をできるだけ共通シールド電極210Bの幅に近づけることが望ましい。
【実施例3】
【0048】
本願発明の第3の実施例について、
図3(a)および(b)を用いて説明する。
図3(a)は本願発明の第3の実施例に係る液晶表示装置の平面図であり、
図3(b)は表示領域の断面と電位分布の略図である。断面図は第1の実施例と同様である。
【0049】
第2の実施例との違いは、太い画素櫛歯電極309Bの下かつ平行に共通信号配線が形成されていることに加え、さらに太い画素櫛歯電極309Bの下かつ平行に第2の金属層からなるソース電極306が延伸形成されている点である。
【0050】
太い画素櫛歯電極309Bの下で、共通信号配線302とソース電極306がオーバーラップしていることにより、この領域で蓄積容量を形成することができる。
【0051】
太い画素櫛歯電極309Bにより、表示領域は2つのサブ領域に分割される。それぞれのサブ領域で、画素櫛歯電極309と共通櫛歯電極310の本数は同じになる。また、また、それぞれのサブ領域の両端で、前記共通シールド電極110Bの幅と、前記太い画素櫛歯電極109Bの幅が同じになり、従来例のように画素電極近傍で電界が集中することはない。このように構造的に対称なことから、
図3(b)のように電位分布が対称になり、さらに太い画素櫛歯電極309Bが遮光されることから、フレーム間の光り方の対称性が実施例1よりも良い。
【0052】
IPS方式の画素電極と共通電極を構造的に対称にすることにより、フレーム間の光り方も対称になり、フレーム間の輝度が同等になるよう共通電位を振ってフリッカ調整した後の、画素櫛歯電極と共通櫛歯電極の間に印加される信号も対称になる。このため、残像が改善される。
【0053】
また、太い画素櫛歯電極309Bと共通信号配線302がオーバーラップした領域で蓄積容量を確保できる。
【0054】
本願発明では、中央に太い画素櫛歯電極を設けるため、横方向の開口率は不利になるが、太い画素櫛歯電極309Bの下で、共通信号配線302とソース電極306がオーバーラップした領域で蓄積容量を確保することにより、縦方向の開口率は広げることができる。実施例2よりも多くの蓄積容量が確保できるため、実施例2よりも縦方向の開口率を広げる効果が大きい。
【0055】
なお、実施例1〜2と同様に、太い画素櫛歯電極309Bの幅は、共通シールド電極310Bと同等の幅を持つことが理想的だが、設計に応じ、太い画素櫛歯電極309Bの幅をできるだけ共通シールド電極310Bの幅に近づけることが望ましい。
【実施例4】
【0056】
本願発明の第4の実施例について、
図4を用いて説明する。
図4は本願発明の第4の実施例に係る液晶表示装置の平面図である。電位分布や断面図は第1の実施例と同様である。
【0057】
第1の実施例との違いは、画素櫛歯電極409、太い画素櫛歯電極409B、共通櫛歯電極410、共通シールド電極410B、および映像信号配線404が屈曲しており、マルチドメイン化している点である。さらに、実施例2のように太い画素櫛歯電極409Bの下かつ平行に共通信号配線を形成してもよいし、実施例3のように太い画素櫛歯電極409Bの下かつ平行に第2の金属層からなるソース電極306を延伸形成してもよい。
【0058】
フレーム間の光り方は実施例1〜3と同等である。加えて、マルチドメイン化していることから屈曲部を境に液晶分子の回転方向が異なる。
【0059】
フレーム間の光り方を対称にし、残像を改善する効果は実施例1〜3と同等である。加えて、マルチドメイン化していることから、実施例1〜3より視野角特性が良好である。
【0060】
なお、実施例1〜3と同様に、太い画素櫛歯電極409Bの幅は、共通シールド電極410Bと同等の幅を持つことが理想的だが、設計に応じ、太い画素櫛歯電極409Bの幅をできるだけ共通シールド電極410Bの幅に近づけることが望ましい。
【実施例5】
【0061】
本願発明の第5の実施例について、
図5(a)および(b)を用いて説明する。
図5(a)は本願発明の第5の実施例に係る液晶表示装置の平面図であり、
図5(b)は表示領域の断面と電位分布の略図である。断面図は第1の実施例と同様である。実施例5はコラム数が4の倍数であるときの例であり、画素櫛歯電極は偶数本ある。
【0062】
この場合、画素の中央に来るのは共通櫛歯電極であるので、偶数本の画素櫛歯電極509のうち最も中央に近い1本509Bの幅を、共通シールド電極510Bと同等の幅にしている。実施例1〜4と違い、太い画素櫛歯電極509Bは画素の中央に位置しておらず、画素を左右対称に分割していないが、太い画素櫛歯電極509Bの両側で、共通櫛歯電極510と画素櫛歯電極509の本数は同じであり、それぞれの領域の両端で共通シールド電極510Bの幅と、太い画素櫛歯電極509Bの幅が同じになり、対称性が保たれる。
【0063】
フレーム間の光り方を対称にし、残像を改善する効果は実施例1〜4と同等であり、コラム数が2の奇数倍であるか、4の倍数であるかに影響されない。
【0064】
なお、実施例1〜4と同様に、太い画素櫛歯電極509Bの幅は、共通シールド電極510Bと同等の幅を持つことが理想的だが、設計に応じ、太い画素櫛歯電極509Bの幅をできるだけ共通シールド電極510Bの幅に近づけることが望ましい。
【実施例6】
【0065】
本願発明の第6の実施例について、
図6(a)および(b)を用いて説明する。
図6(a)は本願発明の第6の実施例に係る液晶表示装置の平面図であり、
図6(b)は表示領域の断面と電位分布の略図である。断面図は第1の実施例と同様である。実施例6は、コラム数が4の倍数として最小である4のときの例であり、画素櫛歯電極は2本である。
【0066】
この場合も、実施例5と同様に画素の中央に来るのは共通櫛歯電極であり、2本の画素櫛歯電極609のうちの1本609Bの幅を、共通シールド電極610Bと同等の幅にしている。太い画素櫛歯電極509Bの右側では、共通櫛歯電極510と画素櫛歯電極509の本数は1本で同じになるのに対し、左側は0本となるが、このような場合でもそれぞれの領域で対称性が保たれる。
【0067】
フレーム間の光り方を対称にし、残像を改善する効果は実施例1〜5と同等であり、コラム数が2の奇数倍であるか、4の倍数であるかに影響されない。
【0068】
なお、実施例1〜5と同様に、太い画素櫛歯電極609Bの幅は、共通シールド電極610Bと同等の幅を持つことが理想的だが、設計に応じ、太い画素櫛歯電極509Bの幅をできるだけ共通シールド電極610Bの幅に近づけることが望ましい。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本願発明は、横電界方式のアクティブマトリクス型液晶表示装置及び該液晶表示装置を表示装置として利用する任意の機器に利用可能である。
【符号の説明】
【0070】
101、201、301、401、501、601、701 走査信号配線
102、202、302、402、502、602、702 共通信号配線
103、203、303、503、603、703 ゲート絶縁膜
104、204、304、404、504、604、704 映像信号配線
105、205、305、405、505、605、705 薄膜半導体層
106、206、306、406、506、606、706 ソース電極
107、207、307、507、607、707 パッシベーション膜
108、208、308、508、608、708 平坦化膜
109、209、309、409、509、609、709 画素櫛歯電極
109B、209B、309B、409B、509B、609B 太い画素櫛歯電極
110、210、310、410、510、610、710 共通櫛歯電極
110B、210B、310B、410B、510B、610B、710B 共通シールド電極
111、211、311、411、511、611、711 ソース電極−画素櫛歯電極間コンタクトホール
112、212、312、412、512、612、712 共通信号配線−共通櫛歯電極間コンタクトホール
113 第1の基板の配向層
114 第2の基板の配向層
115 オーバーコート層
116r、116g、116b 色層
117 遮光層
118 第1のガラス基板
119 第2のガラス基板
120 第1の基板側の偏光板
121 第2の基板側の偏光板
122 液晶層