(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記支持部は、前記押さえ板固定部よりも低い位置に設けられ、前記押さえ板には屈曲部が設けられ、前記固定部材を締めこまない状態でも、前記押さえ板の他方の端部と前記本体部材の一方の端部との間に隙間が保持され、前記固定部材を締め込むことで、前記押さえ板の弾性変形によって、前記押さえ板の他方の端部と前記本体部材の一方の端部とが閉じられて、横葺屋根の金属板同士の連結部を挟み込むことを特徴とする請求項1記載の配管固定具。
前記本体部材と前記押さえ板との間には、弾性部材が設けられ、前記弾性部材によって、前記押さえ板の他方の端部と前記本体部材の一方の端部との隙間が押し広げられ、前記固定部材を締め込むことで、前記弾性部材による力に対抗して、前記押さえ板の他方の端部と前記本体部材の一方の端部とが閉じられて、横葺屋根の金属板同士の連結部を挟み込むことを特徴とする請求項1記載の配管固定具。
前記支持部は、前記押さえ板固定部よりも低い位置に設けられ、前記押さえ板には屈曲部が設けられ、前記固定部材を締めこまない状態でも、前記押さえ板の他方の端部と前記本体部材の一方の端部との間に隙間が保持され、前記固定部材を締め込むことで、前記押さえ板の弾性変形によって、前記押さえ板の他方の端部と前記本体部材の一方の端部とが閉じられて、前記連結部を挟み込むことを特徴とする請求項4記載の配管固定構造。
前記押さえ部材は、前記支持部が支点となり、前記固定部材で締めこまれる部位が力点となり、前記押さえ板の他方の端部が作用点となる、てことなることを特徴とする請求項5または請求項6記載の配管固定構造。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、屋根に穴をあけて配管固定具を固定する方法では、穴によって雨漏りなどの要因となる。また、特許文献1のような接着剤等による固定では、風雨によって配管固定具の脱落等の恐れがある。
【0006】
特に、横葺屋根は、瓦屋根などと異なり、金属板同士が連結されて構成されるものであるため、屋根上の凹凸が小さく、配管固定具を確実に固定することが困難であった。さらに、屋根上の配管固定具が、雪止めとなって、積雪時に屋根や配管固定具に雪が溜まり、配管固定具や配管に過剰な力が付与される恐れがあった。
【0007】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、穴あけ等を必要とせず横葺屋根に確実に固定することが可能であり、雪の溜りにくい配管固定具等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述した目的を達するために第1の発明は、横葺屋根用の配管固定具であって、本体部材と、前記本体部材に連結される押さえ板と、前記本体部材と前記押さえ板とを固定する固定部材と、を具備し、前記本体部材は、前記押さえ板の一方の端部を支持する支持部と、前記固定部材が固定される押さえ板固定部と、を具備し、前記押さえ板は、配管保持部材が取り付けられる配管固定部を具備し、前記固定部材を締め込むことで、前記押さえ板の他方の端部と前記本体部材の一方の端部とで、横葺屋根の金属板同士の連結部を挟み込んで横葺屋根に固定可能であることを特徴とする配管固定具であ
る。
【0011】
前記支持部は、前記押さえ板固定部よりも低い位置に設けられ、前記押さえ板には屈曲部が設けられ、前記固定部材を締めこまない状態でも、前記押さえ板の他方の端部と前記本体部材の一方の端部との間に隙間が保持され、前記固定部材を締め込むことで、前記押さえ板の弾性変形によって、前記押さえ板の他方の端部と前記本体部材の一方の端部とが閉じられて、横葺屋根の金属板同士の連結部を挟み込むことが望ましい。
【0012】
前記本体部材と前記押さえ板との間には、弾性部材が設けられ、前記弾性部材によって、前記押さえ板の他方の端部と前記本体部材の一方の端部との隙間が押し広げられ、前記固定部材を締め込むことで、前記弾性部材による力に対抗して、前記押さえ板の他方の端部と前記本体部材の一方の端部とが閉じられて、横葺屋根の金属板同士の連結部を挟み込むことが望ましい。
【0016】
第1の発明によれば、横葺屋根の連結部を挟み込むようにして配管固定具が屋根に固定されるため、屋根に穴をあける必要がない。また、配管固定部の高さが、押さえ板固定部の高さよりも高ければ、屋根と配管との間に隙間が形成される。このため、雪が押さえ板固定部および固定された配管に溜まりにくい。
【0017】
また、支持部を押さえ板固定部よりも低い位置に設け、固定部材を締めこまない状態でも、押さえ板の端部と本体部材の端部との間に、隙間を保持することができれば、取り付け作業性が優れる。
【0018】
また、押さえ板と本体部材との間に弾性部材を設けて、固定部材を締め込む前の状態では、押さえ板と本体部材とが押し広げられることで、屋根の金属板同士の連結部の下部へ、本体部材を挿入する作業が容易である。
【0020】
また、横葺屋根の連結部同士にまたがるように配管固定具が固定され、配管固定具の両側で屋根の金属板同士の連結部にそれぞれ固定することで、風による配管固定具の浮き上がりなどを防止することができる。
【0023】
第2の発明は、横葺屋根用への配管固定構造であって、横葺屋根の金属板同士の連結部に固定される配管固定具と、前記配管固定具に固定された配管と、を具備し、前記配管固定具は、本体部材と、前記本体部材に連結される押さえ板と、前記本体部材と前記押さえ板とを固定する固定部材と、前記本体部材に取り付けられる配管保持部材と、を具備し、前記本体部材は、前記押さえ板の一方の端部を支持する支持部と、前記固定部材が設けられる押さえ板固定部と、を具備し、前記押さえ板は、配管保持部材が取り付けられる配管固定部を具備し、前記固定部材が締め込まれ、前記押さえ板の他方の端部と前記本体部材の一方の端部とで、横葺屋根の金属板同士の連結部を挟み込むことを特徴とする配管固定構造であ
る。
【0024】
前記支持部は、前記押さえ板固定部よりも低い位置に設けられ、前記押さえ板には屈曲部が設けられ、前記固定部材を締めこまない状態でも、前記押さえ板の他方の端部と前記本体部材の一方の端部との間に隙間が保持され、前記固定部材を締め込むことで、前記押さえ板の弾性変形によって、前記押さえ板の他方の端部と前記本体部材の一方の端部とが閉じられて、前記連結部を挟み込むことが望ましい。
【0025】
前記隙間は、前記連結部の高さ以上であることが望ましい。
【0026】
前記押さえ部材は、前記支持部が支点となり、前記固定部材で締めこまれる部位が力点となり、前記押さえ板の他方の端部が作用点となるてことなることが望ましい。
【0027】
第2の発明によれば、横葺屋根に対して穴をあけることなく確実に配管を固定することができる。
【0028】
また、支持部を押さえ板固定部よりも低い位置に設け、固定部材を締めこまない状態でも、押さえ板の端部と本体部材の端部との間に、隙間を保持できれば、配管固定部材を屋根に容易に取り付けることができる。この際、隙間が連結部の高さ以上であれば、取り付け性がより向上する。また、この場合、てこの原理で取り付けを行うことができるため、わずかな操作で、確実に配管固定部材を屋根に取り付けることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、穴あけ等を必要とせず横葺屋根に確実に固定することが可能であり、雪の溜りにくい配管固定具等を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
図1は、配管固定具1を示す分解斜視図、
図2は、配管固定具1を示す組立斜視図、
図3は配管固定具1の正面図である。配管固定具1は、本体部材3、押さえ板5、配管保持部材7等から構成される。
【0032】
本体部材3は、例えば金属製の板部材を折り曲げて形成される。本体部材3は、配管固定部15、押さえ板固定部17、支持部13等からなる。配管固定部15は、底面から所定の高さに形成される。配管固定部15の上面には、ナット部21が設けられる。
【0033】
配管固定部15には、配管保持部材7が固定される。配管保持部材7は、配管を保持するための湾曲した板状部材である。配管保持部材7は孔25が設けられる。配管保持部材7を配管固定部15に配置した状態で、ボルト11を孔25に通し、ナット部21に固定することで、配管保持部材7が配管固定部15上に固定される。すなわち、配管が配管保持部材7よって、配管固定部15の上面に固定される。
【0034】
配管固定部15の側面には、支持部13が設けられる。支持部13は、配管固定部15に形成された孔である。
【0035】
配管固定部15とは異なる部位に、押さえ板固定部17が設けられる。押さえ板固定部17には、ナット部19が設けられる。したがって、押さえ板固定部17は、押さえ板固定部17の背面に固定されたナットの厚み分だけ底面から高く形成される。
【0036】
押さえ板固定部17には、押さえ板5が固定される。押さえ板5は、例えば金属製の板状部材を折り曲げて構成される。押さえ板5の一方の端部には、突起27が設けられる。また、押さえ板5の他方の端部(端部6)は、下方に屈曲する。また、押さえ板5には孔23が設けられる。
【0037】
押さえ板5の突起27は、本体部材3の支持部13に挿入される。この際、押さえ板5の孔23と、本体部材3のナット部19の位置が略一致する。このため、押さえ板5の突起27を支持部13に挿入した状態で、ボルト9を孔23に通し、ナット部19に固定することで、押さえ板5が本体部材3上に固定される。すなわち、ボルト9を締め込むことで、押さえ板5の端部6と、端部6と対向する側の本体部材3の端部4とで、固定対象を挟み込むことができる。
【0038】
ここで、
図3に示すように、底面からの配管固定部15の高さBは、押さえ板固定部17の高さAよりも高い。押さえ板固定部17の高さはできるだけ低い方が望ましい。押さえ板固定部17の高さが高いと、配管固定具1を屋根へ取り付けた際に、雪止めとして機能してしまうため、雪が屋根上にたまりやすくなる。また、配管固定具1に雪により大きな荷重がかかる。押さえ板固定部17の高さを低くすることで、このような雪止めの影響を小さくすることができる。
【0039】
また、配管固定部15の高さが低いと、配管固定具1を屋根へ取り付けた際に、屋根上の配管が雪止めとして機能してしまうため、雪が屋根上にたまりやすくなる。また、配管固定具1や配管に雪により大きな荷重がかかる。配管固定部15の高さを高くすることで、配管と屋根との間に隙間が生じ、このような積雪の影響を小さくすることができる。例えば、押さえ板5上に堆積した雪が、配管の下方の隙間を流れることで、屋根への積雪を抑制することができる。このため、配管による雪止めの影響を小さくするためには、配管固定部15の高さはできるだけ高い方が望ましい。
【0040】
次に、配管固定具1を屋根へ固定する方法について説明する。
図4(a)は、横葺屋根29上に配管固定具1を固定する方法を示す図である。横葺屋根29の上面には、複数の金属板31同士が、連結部33で連結される。すなわち、連結部33は、屋根の水平方向に連続する。連結部33は、金属板31同士が曲げられて互いに係合して形成される。すなわち、上側の金属板31の下端が、下方に折り曲げられ、下側の金属板31の上端が上方に折り曲げられて互いに係合する。
【0041】
このような横葺屋根29に対し、まず、
図4(a)に示すように、押さえ板5を本体部材3に仮固定した状態(ボルト9を緩めた状態)で、押さえ板5の端部6と本体部材3の端部4の間隔を広げておく。この際、配管保持部材7は、外しておいてもよい。この状態で、本体部材3の端部4を連結部33の下部に挿入する(図中矢印C)。
【0042】
次に、
図4(b)に示すように、ボルト9を締め込む。ボルト9を締め込むことで、押さえ板5は、支持部13を支点にして、押さえ板5の端部6が金属板31に押し付けられる(図中矢印D)。ボルト9を十分に締め込むと、押さえ板5の端部6が金属板31を変形させて、押さえ板5と本体部材3(端部6と端部4)とで、連結部33を完全に挟み込むことができる。
【0043】
その後、配管35を配管保持部材7によって、配管固定部15に固定する。
図5は、配管固定構造30を示す平面図である。配管35は、配管保持部材7によって、配管固定具1に固定される。すなわち、配管35を、横葺屋根29上に固定することができる。この際、配管固定具1は、連結部33に固定されるため、配管固定具1が横葺屋根29から脱落することがない。
【0044】
なお、配管固定具1は、連結部33に沿って任意の部位に固定することができる。また、配管保持部材7の向きを変えれば、配管35は、任意の方向に向けて敷設することができる。例えば、
図5に示す例では、配管35は、横葺屋根29の水平方向に配置した例を示したが、これに限られない。
【0045】
例えば、
図6は、配管35を、横葺屋根29連結方向(水平方向)に対して垂直な方向に配置した例を示す平面図である。本発明では、図示したように、配管35が押さえ板5の上部を通過するように配置することもできる。この場合、配管35と押さえ板5(押さえ板固定部17)の間に隙間が形成されるため、配管35と押さえ板5(押さえ板固定部17)の間に雪が溜まりにくい。このように、本発明では、配管35の設置方向は問わない。
【0046】
以上説明したように、本実施の形態によれば、横葺屋根29上に、穴をあけることなく配管固定具を設置することができる。また、配管固定部15の高さが、押さえ板固定部17の高さよりも十分に高いため、配管35と横葺屋根29との間に十分なスペースを設けることができる。このため、配管35によって、雪が溜まることを抑制することができる。
【0047】
次に、第2の実施の形態について説明する。
図7は、配管固定具1aを示す正面図である。なお、以下の説明において、配管固定具1等と同一の機能を奏する構成については、
図1〜
図5と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。配管固定具1aは、配管固定具1とほぼ同様の構成であるが、ばね37が用いられる点で異なる。
【0048】
本体部材3と押さえ板5との間には、弾性部材であるばね37が設けられる。ばね37は、押さえ板5と本体部材3の隙間を押し広げる。したがって、突起27および支持部13を支点として、端部4と端部6の隙間が押し広げられる。このため、ボルト9を緩めた状態では、端部4と端部6とが押し広げられた状態で保持される。このため、端部4を連結部33に挿入する作業を行いやすい。
【0049】
この状態からボルト9を締め込むことで、ばね37による力に対抗して、端部4と端部6とが閉じられる。このため、配管固定具1aを横葺屋根29に固定することができる。
【0050】
第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、端部4と端部6の隙間が開いた状態を保持することができるため、横葺屋根29への取り付け作業性が優れる。
【0051】
次に、第3の実施の形態について説明する。
図8は、配管固定具1bを示す分解斜視図、
図9は、配管固定具1bを横葺屋根29へ固定した配管固定構造30aを示す平面図である。配管固定具1bは、配管固定具1とほぼ同様の構成であるが、配管固定部15の位置が異なる。
【0052】
前述した配管固定具1は、本体部材3の端部4側から、順に、押さえ板固定部17、支持部13、配管固定部15が設けられる。したがって、配管固定部15は、端部4に対して、最も遠い位置に配置される。これに対し、配管固定具1bでは、端部4から最も遠い位置に支持部13が設けられ、配管固定部15は、押さえ板固定部17と併設される。すなわち、配管固定部15が、支持部13よりも端部4側に配置される。
【0053】
図9に示すように、配管固定具1bを横葺屋根29に固定すると、配管固定部15と、押さえ板固定部17とが、連結部33に沿った方向に併設される。このため、配管固定部15に固定された配管35と連結部33との距離(図中E)を短くすることができる。なお、前述した様に、本発明では、配管35の設置方向は問わない。
【0054】
第3の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、風などにより、配管35が持ち上げられるような力が加わった際に、連結部33へ加わる力を低減することができる。特に、押さえ板固定部17の高さを低くすることで、配管35と、押さえ板固定部の間に雪が溜まりにくくなる。
【0055】
次に、第4の実施の形態について説明する。
図10(a)は、配管固定具1cを示す正面図、
図10(b)は、配管固定具1cを示す平面図である。配管固定具1cは、配管固定具1とほぼ同様の構成であるが、係止部連結部39を介して、さらに、係止部41および押さえ板43が設けられる点で異なる。
【0056】
係止部連結部39は、配管固定具1の配管固定部15から端部4とは逆方向に向けて設けられる。係止部連結部39には、ボルト49およびナット51によって係止部41が連結される。
【0057】
係止部41は、本体部材3の支持部13から端部4までの構成とほぼ同様である。すなわち、本体部材3に押さえ板5が固定されるのとほぼ同様に、係止部41には、押さえ板43がナット部47およびボルト45によって固定される。したがって、押さえ板43は、一方の端部が支持されて、他方の端部と係止部41の端部とで、横葺屋根29の連結部33を挟み込むことができる。
【0058】
図11は、配管固定具1cを横葺屋根29に固定した配管固定構造30bを示す図である。本体部材3と押さえ板5とで連結部33を挟み込む構造は、配管固定構造30と同様である。一方、配管固定具1cでは、本体部材3と押さえ板5とが固定された連結部33と隣り合う他の連結部33に、係止部41と押さえ板43とが固定される。
【0059】
なお、係止部連結部39には、長穴が設けられる。すなわち、配管固定部15と係止部41との間には、長さを調整可能なスライド部が設けられる。このため、本体部材3と係止部41の長さを調整することができる。この結果、連結部33同士の距離に対して、本体部材3と係止部41の距離を調整することができる。
【0060】
また、
図12は、配管35を、横葺屋根29連結方向(水平方向)に対して垂直な方向に配置した例を示す正面図である。前述した様に、本発明では、図示したように、配管35が押さえ板5の上部を通過するように配置することもできる。この場合、配管35と押さえ板5(押さえ板固定部17)の間に隙間が形成されるため、配管35と押さえ板5(押さえ板固定部17)の間に雪が貯まりにくい。
【0061】
第4の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、配管固定具1cは、一対の隣り合う連結部33にまたがるように固定される。このため、風などによって、配管固定具1cが浮き上がることを防止することができる。
【0062】
なお、このように、配管固定具を一対の隣り合う連結部33にまたがるように固定するためには、
図10に示すような構造に限られない。例えば、
図13に示す配管固定具1dのように、係止部連結部39の面の向きを、配管固定部15の面と同一の方向としてもよい。すなわち、係止部連結部39の向きは、配管固定部15の面に対して、垂直な向きであってもよく平行な面であってもよい。
【0063】
また、係止部41の形状は、
図10、
図13に示す構造には限られない。
図14(a)は、配管固定具1eの正面図、
図14(b)は、配管固定具1eの平面図である。配管固定具1eは係止部41に対して押さえ板43が用いられない。配管固定具1eの係止部41の先端は鉤状に屈曲する。係止部41は、連結部33の高さだけ底面よりも高さが高い。すなわち、係止部41は、押さえ板固定部17と略同一高さに配置される。
【0064】
係止部41の鉤状の先端を、連結部33に挿入することで、係止部41の浮き上がりが防止される。この状態で、端部4と端部6で連結部33を挟み込むことで、配管固定具1eの浮き上がりを防止することができる。
【0065】
次に、第5の実施の形態について説明する。
図15は、配管固定具1fを示す分解斜視図である。配管固定具1fは、配管固定具1とほぼ同様の構成であるが、配管保持部材7aが用いられる点で異なる。
【0066】
配管保持部材7aは、例えば樹脂製の部材である。配管保持部材7aは、一対の配管固定部材67a、67bが連結されて構成される。配管固定部材67a、67bは、破断誘起部79によって互いに対向するように連結される。なお、配管固定部材67a、67bは大部分において対称に形成されるため、以下、主に、配管固定部材67aの構成について説明し、重複する説明は省略する。
【0067】
配管固定部材67aは、配管保持部63aと、配管保持部63aの下部に形成される係止部65aとから構成される。配管保持部63aは、配管を保持する部位である。配管保持部63aは、保持対象となる配管形状に応じた形状の半割形状に形成される。すなわち、一対の配管固定部材67a、67bのそれぞれの配管保持部63a、63bを対向させることで、配管を外周から保持可能な形状が構成される。
【0068】
配管保持部63aの内面の少なくとも一部には、必要に応じて、周方向に沿って突起77が形成される。突起77は、保持する配管が波付管である場合に、突起77が波付管の外面の凹部に嵌り込むことで、配管が軸方向にずれることを防止するものである。なお、突起77の形状等は、保持対象となる配管の形状に応じて、適宜設計される。
【0069】
配管保持部63aの上部には係合部69aが形成される。係合部69aには、複数の歯列が形成される。一対の配管固定部材67a、67bのそれぞれの係合部69a、69bを対向させて互いの歯列同士を噛み合わせることで、配管保持部63a、63bを互いに係合させることができる。
【0070】
係止部65aは、係止爪71a、押さえ部73aを有する。係止爪71aは、一対の配管固定部材67a、67bの対向面とは反対方向(外方)に向けて突出する突起である。係止爪71aは、配管固定部15へ配管保持部材7aを係止するための部位となる。
【0071】
係止爪71aの上部(配管保持部63a側)には、溝形状を挟んで拡径する押さえ部73aが形成される。押さえ部73aは、配管固定部15の面に接触する部位となる。すなわち、配管固定部15は、係止爪71aと押さえ部73aとの間に挟まれるようにして係止される。
【0072】
係止部65aの内面側(対向する配管固定部材67bの係止部65bとの対向面)の一部には、テーパ部75aが形成される。係止部65a、65bそれぞれのテーパ部75a、75bは、配管固定部材67a、67bを対向させた状態で、係止部65a、65bの一部を接触させると、テーパ部75a、75bによって、係止部65a、65b同士の距離が広がるように形成される。すなわち、係止部65a、65bは、全体が完全に面接触することがなく、上方向または下方向(配管保持部63a、63b方向またはこれと逆側)に行くにつれて、係止部65a、65bが離れる方向に形成される。
【0073】
配管固定部15には、ナット部に代えて孔53が形成される。
図16は、配管保持部材7aを配管固定部15に取り付ける工程を示す図である。まず、
図16(a)に示すように、配管固定部材67a、67bが連結された状態で、一方の係止爪71bを孔53に挿入する(図中矢印E方向)。すなわち、係止爪71bの先端が配管固定部15の内部に位置し、押さえ部73bが配管固定部15の外面側に位置するように係止爪71bが孔53に挿入される。
【0074】
次に、
図16(b)に示すように、他方の係止爪71aを孔53内に挿入する(図中矢印F方向)。この際、係止爪71aの先端方向は、係止爪71bの先端方向に対して、やや下方に向くように連結される。したがって、係止爪71bの先端が孔53の縁部(内面)にひっかけるように、配管固定具全体を回転させれば(図中時計回り)、係止爪71bが配管固定部15の面と略平行になる向きに回動するとともに、係止爪71aの先端が孔53の方向に向いた状態で、孔53に挿入される。
【0075】
すなわち、係止爪71aが斜めに向いた状態で孔53に挿入されるため、係止爪71aの先端が配管固定部15の上面に引っかかることがない。すなわち、係止部65a、65bが連結された状態において、孔53に挿入される係止部全体の係止爪間の全幅を狭くすることができる。このため、係止爪の挿入性に優れる。
【0076】
次に、
図17(a)に示すように、配管固定部材67a、67bのそれぞれの配管保持部63a、63bの間に固定対象となる配管35を設置する。この状態で、それぞれの配管固定部材67a、67bの係合部69a、69bを互いに近づける方向に移動させる(図中矢印G方向)。係合部69a、69bを近づけると、配管保持部63a、63bは、連結部(破断誘起部79)の位置を起点として互いに回動する。これに伴い、係止爪71a、71bが互いに離れる方向(外方に開く方向)に、連結部(破断誘起部79)の位置を起点として回動する(図中矢印H方向)。
【0077】
さらに、
図17(b)に示すように、配管保持部63a、63bを回動させて係合部69a、69b同士を近づけると、破断誘起部79の上方で係止部の内面同士が接触する。このため、当該接触部が回動起点部となり、破断誘起部79には両側方に引張力が付与される。このため、所定以上係合部69a、69bを近づけると、破断誘起部79が破断し、配管固定部材67a、67bが分離する。なお、配管固定部材67a、67bが分離した後も、係止部の内面同士の一部が接触することで、当該接触部が回動起点部となり、係合部69a、69bが閉じる方向に回動させると、係止爪71a、71bが開く方向に回動する。すなわち、配管固定部材67a、67bの接触する部位(回転起点部となる部位)は、一定ではなく、互いの係合部69a、69bの距離に応じて移動する。
【0078】
図18は、係合部69a、69bが係合した状態を示す図である。係合部69a、69bを係合させると、配管35は配管固定部材67a、67bの配管保持部同士で挟まれて固定される。この際、係止爪71a、71bは外方に向かって回動して、係止爪71a、71bが配管固定部15の孔53縁部に係止される。すなわち、係止爪71a、71bの上面と、押さえ部73a、73bの下面とで配管固定部15を挟み込み、配管保持部材7aが配管固定部15に係止される。
【0079】
第5の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。このように、本発明では、配管保持部材は、どのような形態であっても適用可能である。
【0080】
次に、第6の実施の形態について説明する。
図19は、配管固定具1gを示す分解斜視図である。なお、以下の図において、配管保持部材7aを適用する例を示すが、配管保持部材7aの図示は省略する。配管固定具1gは、配管固定具1fとほぼ同様の構成であるが、押さえ板5aの構造等が異なる。
【0081】
押さえ板5aの突起27aは、上方に折り曲げられて鉤状に形成される。また、押さえ板5aには、上方に凸となるように屈曲部8が形成される。なお、ボルト9が挿通される孔23は、屈曲部8よりも端部6側に形成される。
【0082】
突起27aが挿入される支持部13は、配管固定部15の側面の下方に形成される。具体的には、支持部13は、押さえ板固定部17の上面よりも下方に配置される。
【0083】
なお、図示した例では、ナット部19は、通常のナットを溶接で固定するのではなく、六角かしめナットを矩形の孔にかしめて固定する例を示す。また、配管固定部15は、配管に雪が堆積しない程度に浮かせられれば、図示したように、前述した実施形態よりも低くしてもよい。
【0084】
図20(a)は、配管固定具1gの側面図である。突起27aを支持部13に挿通すると、突起27aの屈曲形状が配管固定部15の側面に引っ掛かり、押さえ板5aが支持部13の一点で保持される。すなわち、押さえ板5aの端部6が浮いた状態で保持され、押さえ板5aの端部6と本体部材3の端部4との隙間が維持される。
【0085】
なお、この状態における、押さえ板5aの端部6と本体部材3の端部4との隙間(図中K)が、連結部の高さ(
図4のJ)よりも大きければ、配管固定具1gを容易に屋根に取り付けることができる。
【0086】
この状態から、ボルト9を締め込むと、押さえ板5aが弾性変形し、押さえ板5aの端部6と本体部材3の端部4との隙間が閉じられる。したがって、押さえ板5aの弾性変形によって、押さえ板5aの端部6と本体部材3の端部4とが閉じられて、屋根の連結部を挟み込むことができる。すなわち、押さえ板5aは、支持部13が支点となり、ボルト9で締めこまれる部位が力点となり、押さえ板5aの端部6が作用点となるてこの原理によって、配管固定具1gを屋根に取り付けることができる。したがって、少ないボルト9の締め込み操作で、確実に配管固定具1gを屋根に取り付けることができる。
【0087】
第6の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、押さえ板5aの端部6が浮いた状態で保持され、押さえ板5aの端部6と本体部材3の端部4との隙間が維持されるため、屋根への取り付け作業が容易である。
【0088】
次に、第7の実施の形態について説明する。
図21は、配管固定具1hを示す分解斜視図である。配管固定具1hは、配管固定具1gとほぼ同様の構成であるが、押さえ板5bの構造等が異なる。
【0089】
押さえ板5bは、前述した押さえ板5aと同様に、上方に凸となるように屈曲部8が形成される。押さえ板5bには、屈曲部8よりも突起27a側に、孔53aが形成される。孔53aは、前述した孔53と同様に、配管固定具が固定される部位となる。すなわち、押さえ板5bの屈曲部8よりも突起27a側が、配管固定部15として機能する。
【0090】
配管固定部15を押さえ板5b上に形成することで、本体部材3の配管固定部15は不要となる。したがって、図示したように、本体部材3は、押さえ板固定部17と支持部13を有すればよい。
【0091】
第7の実施形態によれば、第6の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、配管固定具の全長を短くすることができるため、屋根を取り付けた際に、風の影響を小さくすることができる。また、プレスする製造工程を少なくすることができるため、コストダウンを達成することができる。
【0092】
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0093】
例えば、上述したそれぞれの実施形態で示した構成は、互いに組み合わせることが可能であることが言うまでもない。