【実施例】
【0040】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれによってなんら限定されるものではない。配合量は特記しない限りすべて質量%である。
【0041】
[試験(1):製剤単独使用]
製剤単独使用による評価として、オイル系製剤として下記処方例1、2を、界面活性剤系製剤として下記処方例3を用いた。
1.試料
【0042】
≪処方例1(オイル系製剤)≫
エタノール 0.3(質量%)
ミネラルオイル 残余
メチルフェニルポリシロキサン 2
イソステアリン酸 0.2
ピバリン酸イソデシル 20
ジイソステアリン酸PEG−12 3
ジイソステアリン酸PEG−8 2
ジイソステアリン酸PEG−10 3
ジブチルヒドロキシトルエン 0.05
精製水 1.5
【0043】
≪処方例2(オイル系製剤)≫
α−オレフィンオリゴマー 20(質量%)
ベニバナ油 残余
メチルフェニルポリシロキサン 19
ジイソステアリン酸PEG−10 11
トコフェロール 0.1
精製水 0.1
香料 0.03
【0044】
≪処方例3(界面活性剤系製剤)≫
ココアンホ酢酸ナトリウム 6.3(質量%)
POEラウリルエーテル硫酸ナトリウム 2.4
ポリグリセリル−4ラウリルエーテル 4.5
n−オクチルモノグリセリルエーテル 5
1,3−ブチレングリコール 20
グリセリン 25
2−エチルヘキサンサン2−エチルヘキシル 5
精製水 残余
【0045】
2.評価試験方法
30と50代の比較的角栓の目立つ男性2名(パネルA、B)により、角栓の縮小・除去試験を実施した。角栓の観察は、鼻頂部の適当なエリアに枠紙を貼り、ビデオマイクロスコープ(VMS。「キーエンス VHX−100」)観察にて行った。上記領域(鼻頂部表面)を軽く水洗いし、5〜10分間程度放置した後、成分または製剤を鼻部表面に1分間塗布し、1分間経過後に水洗いした。これを1日2回、3日間行った。再度VMS観察によって、縮小・除去された角栓数を数え、上記処理前と処理後の角栓数をそれぞれ数え、下記数式により改善率(%)を算出し、角栓縮小・除去効果について評価した。
【0046】
[数2]
改善率(%)=〔処理後に角栓縮小・除去効果が認められた毛穴数(個)/観察した全毛穴数(個)〕×100
【0047】
【表1】
【0048】
表1に示す結果から明らかなように、オイル系製剤、界面活性剤系製剤の単独使用では、いずれの場合も、角栓縮小・除去改善率は高々40%未満であった。
【0049】
[試験(2):製剤単独使用(単回の試験)]
製剤単独使用(単回の使用試験)による評価として、オイル系製剤として下記処方例4、5を、界面活性剤系製剤として下記処方例6を用いた。
1.試料
【0050】
≪処方例4(オイル系製剤)≫
エタノール 0.3(質量%)
ミネラルオイル 残余
メチルフェニルポリシロキサン 2
イソステアリルアルコール 1
2−エチルヘキサン酸セチル 20
ジイソステアリン酸PEG−12 3
ジイソステアリン酸PEG−8 2
ジイソステアリン酸PEG−10 3
テトラキス(2−ヒドロキシイソプロピル)エチレンジアミン 0.01
ジブチルヒドロキシトルエン 0.05
精製水 1.6
【0051】
≪処方例5(オイル系製剤)≫
ジイソステアリン酸PEG−12 3(質量%)
ジイソステアリン酸PEG−8 2
ジイソステアリン酸PEG−10 3
ホホバ油 残余
イソステアリルアルコール 1
ジブチルヒドロキシトルエン 0.05
香料 0.01
【0052】
≪処方例6(水系界面活性剤系製剤)≫
精製水 残余 (質量%)
グリセリン 0.1
エリスリトール 0.1
PEG−60水添ヒマシ油 9
ココイルメチルタウリンナトリウム 5.5
ココアンホ酢酸ナトリウム 8.6
クエン酸 0.7
香料 0.01
【0053】
2.評価試験方法
30〜50代の比較的角栓の目立つ男性4名(パネルP、Q、R、S)により、角栓の縮小・除去試験を実施した。
【0054】
すなわち、洗顔フォームで洗顔(肌表面だけを軽く)し、5〜10分間程程度放置した後、製剤を小鼻周辺に塗布し、成分または製剤を小鼻周辺に塗布し、1分間軽くマッサージした後、水洗いした。
【0055】
処理前の状態をスキンビジオムII(肌診断機器。(株)資生堂製)観察によって、上記処理前と処理後の角栓数をそれぞれ数え、上記数1に示す数式により改善率(%)を算出し、角栓縮小・除去効果について評価した。結果を表2に示す。
【0056】
【表2】
【0057】
表2の結果から明らかなように、オイル系製剤、界面活性剤系製剤を単独使用(単回使用)した場合は、オイル系製剤では20%未満、界面活性剤系製剤でも35%の改善率しかみられなかった。
【0058】
角栓は角層と皮脂が重なった強固な構造を有しているため、上記試験(1)、(2)のように、オイル系製剤、界面活性剤系製剤を単独使用した場合、十分な角栓除去・縮小効果が得られなかったと考えられる。
【0059】
そこで、界面活性剤、油分の両者を用いて試験を行った。
【0060】
[試験(3):界面活性剤と油分を順次使用した塗布試験]
(i)水系界面活性剤を塗布した後、油分を塗布した試験:
30と50代の比較的角栓の目立つ男性2名(パネルA、B)により下記試験を行った。すなわち、水系界面活性剤を100μL取り、顔面に1分間ゆっくりと塗布した後、これを水で洗い流し、タオルで水気を十分に拭き取った。次いで、油分を100μL取り、同じ箇所に1分間ゆっくりと塗布した後、同様に水洗、タオルで拭き取った。上記一連の工程を1日2回ずつ、3日間連用した。これらをビデオマイクロスコープVHX−100(キーエンス)で観察した。結果を表3示す。
【0061】
なお水系界面活性剤は以下のものを使用した。
・6%ココイルメチルタ
ウリンナトリウム水溶液、
・9%ココアンホ酢酸ナトリウム水溶液、
・17%ラウリルベタイン水溶液。
【0062】
また油分は以下のものを使用した。
・ホホバ油、
・ベニバナ油。
【0063】
【表3】
【0064】
(ii)油分を塗布した後、水系界面活性剤を塗布した試験:
30代と50代の比較的角栓の目立つ男性2名(パネルA、B)により下記試験を行った。すなわち、油分を100μL取り、顔面に1分間ゆっくりと塗布した後、これを水で洗い流し、タオルで水気を十分に拭き取った。次いで、水系界面活性剤を100μL取り、同じ箇所に1分間ゆっくりと塗布した後、同様に水洗、タオルで拭き取った。上記一連の工程を1日2回ずつ、3日間連用した。これらをビデオマイクロスコープVHX−100(キーエンス)で観察した。結果を表4示す。
【0065】
なお油分はホホバ油を用い、水系界面活性剤は6%ココイルメチルタイウルンナトリウム水溶液を用いた。
【0066】
【表4】
【0067】
表3、4に示す結果から明らかなように、油分塗布後、水系界面活性剤を塗布した場合(表4参照)、
水系界面活性剤塗布後、
油分を塗布した場合(表3参照)に比べ、角栓の縮小・除去効果が劣ることが確認された。
【0068】
[試験(4):界面活性剤配合製剤と油分配合製剤を順次使用した塗布試験]
(i)下記処方例7、8の順に塗布した試験:
30と50代の比較的角栓の目立つ男性2名(パネルA、B)により下記試験を行った。すなわち、処方例7を100μL取り、顔面に1分間ゆっくりと塗布した後、これを水で洗い流し、タオルで水気を十分に拭き取った。次いで、処方例8を100μL取り、同じ箇所に1分間ゆっくりと塗布した後、同様に水洗、タオルで拭き取った。上記一連の工程を1日2回ずつ、3日間連用した。これらをビデオマイクロスコープVHX−100(キーエンス)で観察した。結果を表5に示す。
【0069】
≪処方例7(界面活性剤配合製剤)≫
精製水 残余(質量%)
クエン酸 0.5
安息香酸ナトリウム 0.3
PPG−10グリセリル 2.5
ココイルメチルタウリンナトリウム 2.5
ココアンホ酢酸ナトリウム 7
PEG−60水添ヒマシ油 5.5
フェノキシエタノール 0.3
香料 0.03
【0070】
≪処方例8(油分配合製剤)≫
精製水 0.6(質量%)
トリイソステアリン酸PEG−20グリセリル 10
α−オレフィンオリゴマー 12
メチルフェニルポリシロキサン 1
テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット 16
ホホバ油 残余
トコフェロール 0.1
【0071】
【表5】
【0072】
(ii)上記処方例8、7の順に塗布した試験:
上記(i)の試験において、処方例7、8の塗布順番を、処方例8、7に代えて、塗布試験を行った。結果を表6に示す。
【0073】
【表6】
【0074】
表5に示す結果から明らかなように、処方例7塗布後、処方例8を塗布した結果、角栓縮小・除去改善率が80%近くとなり、極めて優れた改善効果が得られた。また鼻のざらざら感がほとんどなくなった。
【0075】
一方、表6に示す結果から明らかなように、処方例8塗布後、処方例7を塗布した場合は、角栓縮小・除去改善率が50%程度であり、表5の結果に比べ改善程度が低い結果が得られた。
【0076】
また、角栓の縮小・除去に関し、水系界面活性剤としてココメチルタウリンナトリウム、ココアンホ酢酸ナトリウム、油分としてホホバ油、ミネラルオイルに高い効果を見出した。
【0077】
以下に、さらに本発明の処方例を示す。
<処方例9(界面活性剤製剤)>
イオン交換水 残余(質量%)
グリセリン 2
キシリトール 2
ココイルメチルタウリンナトリウム 5
ココアンホ酢酸ナトリウム 5
コハク酸 0.5
フェノキシエタノール 0.3
香料 0.03
【0078】
<処方例10(界面活性剤製剤)>
イオン交換水 残余(質量%)
グリセリン 2
キシリトール 2
トリメチルグリシン 2.9
オトギリソウエキス 0.1
ココイルメチルタウリンナトリウム 5
ココアンホ酢酸ナトリウム 5
コハク酸 0.5
フェノキシエタノール 0.3
香料 0.03
【0079】
<処方例11(オイル系製剤)>
イオン交換水 0.6(質量%)
トリイソステアリン酸PEG−20グリセリル 12
α−オレフィンオリゴマー 10
メチルフェニルポリシロキサン 1
テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット 25
ミネラルオイル 残余
トコフェロール 0.1
香料 0.03