【実施例】
【0060】
グリブリドの保存および投与
第1相試験
我々は、グリブリド濃度が、ポリ塩化ビニル(PVC)との接触によって低下することを、使用中の安定性試験によって決定した。例えば、グリブリドを含む溶液をPVCチュービングに通した場合、またはPVCバッグ中で保存した場合、グリブリド濃度は低下する。例えば我々は、10μg/mLより低いグリブリド濃度で、グリブリドを含む溶液をPVCバッグで保存した場合、グリブリド濃度が低下することを決定した。1つの可能性のある説明は、グリブリドがPVCに吸着することである。10μg/mLのグリブリドにおいて、我々は、許容可能な量のグリブリドの喪失で(例えばおそらくPVCへの吸着による喪失)、標準的なPVCバッグを使用することができた(しかしPVCチュービングはそうではなかった)。
【0061】
我々はさらに、0.2ミクロンのインラインフィルターを通すことのような、フィルターを通すことによって、グリブリドを含む溶液中のグリブリド濃度が低下することを見い出した。
【0062】
従って、例えば持続注入のための適用におけるヒト実験において、グリブリドを、グリブリドの濃度が約10%以下しか低下されないことを確実にするためにデザインされた、前もって決定したフラッシングプロトコール(下記を参照のこと)によってフラッシングしたインラインフィルターを有する低吸着ポリエチレン(PE)内張りチュービングを通して投与した。より低い投与量、すなわち0.4mg/日、3mg/日、および6mg/日(ここでグリブリド濃度は10μg/mL未満であった)に関して、我々はPVCを含まないバッグを使用した。10mg/日の投与量(ここでグリブリド濃度は10μg/mLであった)に関して、我々はPVCバッグを使用した。
【0063】
全ての濃度におけるボーラス注射に関して、我々は、注射のために使用する前に、投与するグリブリド溶液(約2〜3μg/mLから約50〜75μg/mLの範囲、例えば約2.5μg/mLから約60μg/mL(例えば2.48μg/mLから約62.00μg/mL)の範囲)でフラッシングした、PALL Pharmassure 0.2ミクロンフィルターHP1002(Pall Life Sciences、600 South Wagner Road、Ann Arbor、MI 48103)を使用した。
【0064】
具体的に:
・使用したPVCを含まないバッグは、B Braun EXCEL L8000(B.Braun Medical Inc.,824 Twelfth Avenue、Bethlehem、PA 18018)であった。
・使用したPVCバッグは、Viaflex 1,000mL 2B1324X(Baxter、One Baxter Parkway、Deerfield、IL 60015−4625)であった。
・0.2ミクロンの低タンパク質結合フィルターを有する、Carefusion 20350E(CareFusion Corporation、3750 Torrey View Court、San Diego、CA 92130)低吸着拡張セットに取り付けた、Carefusion 2260−0500(CareFusion Corporation、3750 Torrey View Court、San Diego、CA 92130)低吸着投与セットを、10μg/mLの濃度でグリブリドを投与するために使用した。
・内蔵型0.2ミクロンフィルターを有する、Carefusion10010454(CareFusion Corporation、3750 Torrey View Court、San Diego、CA 92130)低吸着投与セットを、約10μg/mLより低い濃度でグリブリドを投与するために使用した。
・上記の製品と適合性のAlaris Pumpユニット(CareFusion Corporation、3750 Torrey View Court、San Diego、CA 92130)を使用した。
【0065】
【表1-2】
【0066】
一連の全ての構成要素の通過でのグリブリドの約10%未満の減少を確認するために、全ての構成要素およびフラッシングプロトコールを、前もって広範囲に試験した。グリブリドフラッシング溶液は、少なくとも約2μg/mL、または約2〜8μg/mL、または約5〜6μg/mL、または約10μg/mL、またはそれより高いグリブリド濃度を有する。
【0067】
全ての場合において、使用したカテーテルは、BD Nexivaカテーテル(BD、1 Becton Drive、Franklin Lakes、NJ USA 07417)であった;そのカテーテルはフラッシングも試験もしなかった。
【0068】
第2相試験
急性疾患の処置において、患者が処置を待っている間に、投与の前にフィルターおよびチュービングを甚だしくフラッシングして時間を費やすことは、典型的ではなく、望ましくもない。従って、急性脳卒中、脊髄損傷、脳外傷、または他の脳もしくは神経系の損傷、またはMIもしくは心室性不整脈のような臨床的状況において、時間はしばしば重要であるので、薬局がチュービングをフラッシングしている間、薬剤の患者への投与を遅らせることは、望ましい選択肢ではない。さらに、緊急または非常の状況においては、薬局は薬剤を調製するための単純な一連の指示を有することが好ましい。
【0069】
従って、後に利用するためにバッグおよびチュービングの保存の前に甚だしくフラッシングすることが可能であり得るが、そのような状況におけるグリブリドの安定性は決定されておらず、そして無菌性および他の目的のために、臨床医は、グリブリドでフラッシングした後長期間保存されたバッグおよびチュービングよりも、新しいバッグおよびチュービングを好むかもしれず、そして薬局はその全てのチュービングおよびバッグを、グリブリドによって前処理することなく、全ての薬剤に使用できるようにしておくことを好むかもしれないので、そのような戦略は好ましくない。
【0070】
我々は、濃縮した再構成グリブリド材料(1mg/mL)を、フィルターへの過剰なグリブリドの喪失無しに、0.2ミクロンのフィルター(例えばMillex 0.22μm Durapore PVDFフィルターSLGV033RSまたはSLGVM33RS(Millipore、290 Concord Road、Billerica、MA 01821)、またはPALL 0.2ミクロンフィルター、HP1002)でろ過することが可能および実用的であるかどうかを決定するために、前臨床実験を行った。これらの実験において、そのろ過した材料を、PVCを含まないバッグ(例えばB Braun EXCEL L8000)中に希釈した。このプロトコールにおいて、PVCを含まないバッグ中のろ過したグリブリド溶液は、フィルター無しのポリエチレン内張りチュービング(例えばCarefusion 2260−0500またはCarefusion C20014)を通して、または実質的にPVCを含まない、すなわち短い部分のPVCしか有さないポリエチレン内張りチュービング、例えばHospira 11993−78(275 North Field Drive,Lake Forest、Illinois 60045)を通して患者に投与する準備ができている。グリブリド投与の前に、任意で約50mLから約75mL(例えば約70mL)のグリブリドフラッシング溶液(少なくとも約2μg/mL、または約2〜8μg/mL、または約5〜6μg/mL、または約10μg/mL、またはそれより高いグリブリド濃度)の1回のフラッシングでそのチュービングをフラッシングし得ることに注意する。
【0071】
グリブリドを、そのような手順で2人の患者に投与した。1つの場合において、SLGVM33RSシリンジフィルターおよび6×C20014拡張セットを取り付けた2260−0500投与セットを使用した。他の場合において、SLGV033RSシリンジフィルターおよび6×C20014拡張セットを取り付けたHospira 11993−78投与セットを使用した。
【0072】
前臨床試験は、グリブリド溶液からのグリブリドの喪失を抑制するために、この手順が有効であることを示す。
【0073】
我々は、ろ過過程がグリブリド濃度を有意に減少させないように、十分高いグリブリド濃度(例えば、少なくとも約10μg/mL、好ましくは約0.5mg/mLと約1mg/mLとの間、そしてさらにより好ましくは約1mg/mLまたはそれより高い)を含むグリブリド溶液をろ過し、そして次いでその溶液を、PVCを含まないバッグに希釈して、標準的な静脈内(IV)ポンプを通した投与を可能にするために十分な体積の溶液を提供し、次いでその溶液を、フィルター無しのポリエチレン内張り投与セット(または短いPVC部分を有し、ほとんどがポリエチレンで内張りされたセット)を通して投与する方法が、グリブリド処置を必要とする患者への投与のために、臨床的に有効な濃度のグリブリドを提供するために有効であることを見出した。グリブリド処置を必要とする患者は、急性脳卒中(虚血性および出血性)のような脳卒中を患う患者、外傷性脳損傷(TBI)を患う患者、脊髄損傷(SCI)を患う患者、心筋梗塞(MI)を患う患者、ショック(出血性ショックを含む)を患う患者、臓器虚血を患う患者、心室性不整脈を患う患者、虚血損傷を患う患者、低酸素/虚血を患う患者;ならびに他の損傷を患う患者、他の病状を患う患者、および他の障害を患う患者を包含する。
【0074】
BD Vialon
TM材料を含むBDカテーテルを、両方の患者に使用した(BD、1 Becton Drive、Franklin Lakes、NJ USA 07417);そのカテーテルはフラッシングも試験もしなかった。
【0075】
薬物動態学的データ
健康なボランティアを、「正常な男性および女性のボランティアにおける、RP−1127(注射用グリブリド)の増加する投与量の安全性、耐容性、および薬物動態を評価するための第1相無作為化二重盲検プラセボ対照試験」(試験101)と題したRP−1127の第1相試験に登録した。この試験の主な目的は、ボーラス投与量とその後の3日間の持続注入維持投与量として投与された、異なる投与量レベルのRP−1127の安全性および耐容性を評価することであった。2次的な目的は、RP−1127の薬物動態およびRP−1127への薬力学的応答を評価することであった。グリブリドおよびその2つの主な活性代謝産物(M1およびM2)の血漿中濃度を測定した。
【0076】
合計26人の患者が薬剤(8人が17.3μgのボーラス+0.4mg/日、16人が130μgのボーラス+3.0mg/日、1人が260μgのボーラス+6.0mg/日、および1人が433μgのボーラス+10.0mg/日)、および8人がプラセボという5グループの患者に投与した。薬力学的情報を得るためと、安全性の理由の両方のために、試験中を通して血中グルコースを測定した。投与レジメンは、2分かけたボーラスとその後の72時間の持続注入であった。
【0077】
【表2-2】
【0078】
全ての血漿中濃度データを、注入中および注入後の薬剤の挙動を同時に組み込んで、非線形回帰によって分析した。結果を表3に示す。
【0079】
RP−1127の薬物動態学的パラメーターは、投与量、体重、身長、体表面積、性別、および年齢と独立であった。
【0080】
【表3】
【0081】
表2に見られるように、RP−1127の薬物動態は、表1に示したivグリブリドの他の製剤のものと全般的に一致した。しかし、最初のボーラス負荷投与量の後、血漿中グリブリド濃度の低下が存在し、投与の開始から中央値1.25〜1.5時間で最低に達した。その後血漿中グリブリドレベルは増加し、そしてボーラス投与の後約8〜20時間で定常状態に達した。注入の残りの時間については定常状態が維持された。
【0082】
図1は、0.4mg/日のグリブリドを受けた患者において測定した、平均血漿中グリブリド濃度を示す。
【0083】
0.4mg/日における平均定常状態グリブリド濃度(Css)は、3.8ng/mLであり、そして最高グリブリド濃度(Cmax)は7.2ng/mLであり、それは72時間目に発生した。処置の中止から1時間以内に、平均グリブリド血漿中レベルは、54%(4.4ng/mLから2.0ng/mLへ)低下した。グリブリド血漿中レベルは、50%の患者において76時間目までに、そして100%の患者において96時間目までに、検出限界(0.5ng/mL)未満となった。
【0084】
図2は、3mg/日のグリブリドを受けた患者において測定した平均血漿中グリブリド濃度を示す。
【0085】
3mg/日の投与量に関して、平均Cssは25.3ng/mLであり、そしてCmax(全ての個々の被験者の)は50.7ng/mLであり、それは48時間目に1人の患者において発生した。投与の中止から1時間以内に、平均グリブリド血漿中レベルは、57%(27.3ng/mLから11.9ng/mLへ)低下した。グリブリド血漿中レベルは、50%の患者において84時間目までに、そして100%の患者において96時間目までに、検出限界未満となった。
【0086】
図3は、6mg/日のグリブリドを受けた患者において測定した、平均血漿中グリブリド濃度を示す。この薬剤の低血糖効果に起因して、約32時間目に投与を早期中止した。
【0087】
図4は、10mg/日のグリブリドを受けた患者において測定した、平均血漿中グリブリド濃度を示す。薬剤の低血糖効果に起因して、約24時間目に投与を早期中止した。
【0088】
血中グルコース/低血糖データ
図5は、プラセボ(グリブリド無し)を受けた患者、0.4mg/日のグリブリドを受けた患者、および3mg/日のグリブリドを受けた患者における、血中グルコースレベル中央値を示す。見られるように、0.4mg/日の投与量は、BGに対して非常に小さいが目に見える効果を有し、そして3.0mg/日の投与量は、低血糖(長期のBG<70mg/dL、または低血糖の徴候/症状、例えば身震い、不安、神経過敏、動悸、頻脈、発汗、熱感、冷感、冷湿、瞳孔の散大、しびれ感「ぴりぴりしたしびれ(pins and needles)」、空腹、悪心、嘔吐、腹部不快感、頭痛、判断力障害、疲労、脱力、感情鈍麻、嗜眠、混乱、健忘症、めまい、せん妄、かすみ目(blurred vision)、複視、話しづらい、不明瞭発語、およびより重篤な場合は痙攣および昏睡)無しに、より明白な効果を有していた。
【0089】
H0からH8まで、250μgのボーラス+6mg/日の静脈内グリブリドを受けた1人の被験者は、血中グルコースレベルの緩やかな低下を経験したが、これらは70mg/dLより上を維持した。約H8とH12との間、血中グルコースレベルはさらに低く低下し、そして59から72mg/dLの範囲であった。約H13.3において、その被験者は、発汗(sweating)(発汗(diaphoresis))および空腹の形で断続的に低血糖の徴候を示した。これらの症状は、15分間続いた。H14およびH15における血中グルコースの測定値は、正常範囲内であったが、約H16からH29まで、血中グルコースは49および134mg/dLの間で変動した。この期間中、被験者を食物PRNで処置したが、断続的な低血糖の症状を経験し、そして時々身震い、トンネル状視野を伴うめまい(lighthead)、および冷湿を感じた。被験者は、昼食を食べる間「身震い」を感じ、そして発汗していたので、約H29に、被験者をIVデキストロース(10%)で、100cc/時間の速度で治療し、その後血中グルコースは、64〜123mg/dLの範囲に維持された。持続した低血糖の臨床徴候の結果として、試験薬剤の投与をH32に中断した。D10速度をHR34において50cc/hrに低下させ、そして約HR36においてIV D5Wに置換した。IV D5WをH48まで続け、その時に患者は約7時間一貫して正常血糖であった。
【0090】
被験者402が2日目に口およびIVにより消費したカロリーの合計は、4309であった。Kcalのパーセンテージ:タンパク質=11%;炭水化物=66%;脂肪=23%。
【0091】
この事象の間、被験者は低血糖の古典的な症状を有していたが、常に覚醒しており、見当識があり、そして会話能力があった(conversant)。被験者はまた、提供された全ての食物および液体を消費できた。
【0092】
その薬剤の低血糖効果に起因して、約32時間で投与を早期中止した。
【0093】
H12において、BGは<70mg/dL(68mg/dL)であり、そしてグリブリド血漿中レベルは64ng/mLであった。
【0094】
433μgのボーラス+10mg/日のグリブリドを受けた被験者は、H1からH8までに、63mg/dL〜81mg/dLの範囲の血中グルコースレベルを経験し、それはH12〜H22の間に52〜53mg/dLの範囲に低下した。被験者を、この時間の間中、以下のものによりPRNで処置した:グルコースゲル、ヨーグルト、リンゴジュース、ベーグルおよびピーナツバター。22時間において、朝の血清グルコースは50mg/dLより低く、この時点で投与を中断した。この事象の間、被験者は低血糖の古典的な症状を有していたが、常に覚醒しており、見当識があり、そして会話能力があった(conversant)。被験者はまた、提供された全ての食物および液体を消費できた。
【0095】
この薬剤の低血糖効果に起因して、約24時間で投与を早期中止した。
【0096】
H2において、BGは70mg/dLより低く、そしてグリブリド血漿中レベルは57.94ng/mLであった。
【0097】
考察
出願人は、本明細書中で開示される結果は、グリブリドを数時間よりも長い期間にわたって投与した、およびグリブリドの血漿中レベルを記録した実験の結果を初めて提供すると考える。Garrelら(1987)は、1mgのi.v.ボーラス投与量とその後の17時間の0.3mg/hをI型糖尿病(インスリン依存性糖尿病(IDDM))を有する6人の被験者に投与した;合計投与量は6.1mgのグリブリドであった。しかし、PK分析は行われなかった。
【0098】
従って、誰も以前には、本明細書中で記載されたグリブリドによる効果を観察も記載もしたことがないと考えられる。
【0099】
出願人は、重症の低血糖が、持続注入として送達された6mg/日のグリブリドおよび10mg/日のグリブリド(250μg/hrおよび17μg/hr)で起こったことに注意する。約50ng/mLより高い、およびおそらく約58〜64ng/mLまたはそれより高い範囲のグリブリドレベルが、臨床的に関連のある、および/または処置に抵抗性である低血糖を引き起こすのに十分であるようである。グリブリド投与を維持しながら、高投与量(6および10mg/日)での持続注入によって引き起こされた低血糖を処置することは驚くほど困難であった。
【0100】
例えば、急性脳卒中(虚血性および出血性)を患う被験者、外傷性脳損傷(TBI)を患う被験者、脊髄損傷(SCI)を患う被験者、心筋梗塞(MI)を患う被験者、ショック(出血性ショックを含む)を患う被験者、臓器虚血を患う被験者、および心室性不整脈を患う被験者を治療する場合、低血糖を回避することが好ましい。よって、約50ng/mL未満の血漿中グリブリドレベルが、より高い濃度が引き起こし得る有害な副作用(例えば低血糖)のほとんどまたは全てを回避しながら、グリブリドの治療的利点を提供する好ましい血漿中レベルである。好ましくは、約10ng/mLから約20ng/mL、または約20ng/mLから約30ng/mL、または約25ng/mLのグリブリドレベルを標的とするべきであり、そうすることによって、少なくとも短い期間にわたって、グリブリドの血流中における広い濃度範囲(ピーク時約50ng/mLまで)を期待し得ることが理解されるべきである。
【0101】
注意する重要なポイントは、静脈内グリブリドが投与される可能性が高い急性の病状、例えば急性脳卒中(虚血性および出血性)、外傷性脳損傷(TBI)、脊髄損傷(SCI)、心筋梗塞(MI)、ショック、臓器虚血、および心室性不整脈において、損傷、細胞死、または他の細胞、組織、もしくは臓器の損傷が最大である時間窓は、おそらく約0から4、または約0から6、または約0〜12、または約0〜24時間であるようであることである。従って、望ましいグリブリド血漿中レベルを迅速に達成することが非常に重要である。さらに、これらの適応症において、低血糖は負の影響を有し得、従って長期の、または臨床的に有意な低血糖を引き起こさない静脈内グリブリドの投与量で患者を処置することが好ましい。
【0102】
さらに、経口およびivグルコースで低血糖を処置することにおいて経験した困難は、グリブリドの投与量を低血糖の範囲まで増加させ、そして次いでグルコースで同時に処置するというコンセプトはうまくいかないかもしれないことを示す。炭水化物「負荷」は、血清ALTおよびASTの実質的な上昇を引き起こし得ることが、しばらく前から公知であり、それは一般的に食事の変化から1週間以内に明らかになる(Irwiら、1969、Porikosら、1983、Purkinsら、2003、Kechagieasら、2008)。炭水化物によって誘導されるアミノトランスフェラーゼの上昇は、(おそらく肝臓におけるトリグリセリドの合成の増加から生じる)血清トリグリセリドの実質的な増加と頻繁に関連する。肝細胞におけるグリコーゲンの沈着も、血清アミノトランスフェラーゼの上昇と関連し、そしてこれはうまくコントロールされていない糖尿病において記載された(Sayukら、2007、Chatilaら、1996)。肝臓におけるグリコーゲンの沈着は、かなり迅速に起こり得、そして従って、少なくとも部分的には、炭水化物負荷によって観察されたアミノトランスフェラーゼの上昇を説明し得る。グリブリドの高インスリン性効果が、肝臓による炭水化物の取り込みおよびグリコーゲンへの変換を増悪する可能性もある。
【0103】
上記の理論的根拠において概略を述べた我々の試験からの証拠、すなわちインスリン放出の有意な増加と並行した大量の炭水化物の持続投与は、ALTおよびASTの一過性の上昇を引き起こすという証拠が存在する−これは6mg/日のグリブリドを受けた被験者が経験し、その被験者を24時間かけて4309カロリーで治療し、そしてこの3分の2は炭水化物の形であった。これはアミノトランスフェラーゼの上昇を示した、以前の健康なボランティアの試験で採用された1日の炭水化物摂取をはるかに超えた、極めて実質的な炭水化物負荷である。
【0104】
炭水化物の負荷によって引き起こされる、これらの型のALTおよびAST上昇は、正常な健常患者において危険であるとは考えられないが、特に急性の病状を患う人のような不安定な患者においては好ましくなく、そして回避するべきである。
【0105】
【表4-1】
【0106】
【表4-2】