特許第6188025号(P6188025)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6188025銀拡散障壁材料、銀拡散障壁、銀拡散障壁被覆
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6188025
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】銀拡散障壁材料、銀拡散障壁、銀拡散障壁被覆
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/522 20060101AFI20170821BHJP
   H01L 21/768 20060101ALI20170821BHJP
   H01L 21/3205 20060101ALI20170821BHJP
   H01L 23/532 20060101ALI20170821BHJP
   C08K 3/08 20060101ALI20170821BHJP
   C08L 65/00 20060101ALI20170821BHJP
   H01L 25/065 20060101ALI20170821BHJP
   H01L 25/07 20060101ALI20170821BHJP
   H01L 25/18 20060101ALI20170821BHJP
【FI】
   H01L21/88 J
   H01L21/90 K
   C08K3/08
   C08L65/00
   H01L25/08 C
【請求項の数】2
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-102210(P2014-102210)
(22)【出願日】2014年5月16日
(65)【公開番号】特開2015-220310(P2015-220310A)
(43)【公開日】2015年12月7日
【審査請求日】2017年2月17日
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成25年度、独立行政法人科学技術振興機構、研究成果最適展開支援プログラム(A−STEP)委託事業、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】301023238
【氏名又は名称】国立研究開発法人物質・材料研究機構
(74)【代理人】
【識別番号】100093230
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 利夫
(74)【代理人】
【識別番号】100190067
【弁理士】
【氏名又は名称】續 成朗
(72)【発明者】
【氏名】川喜多 仁
(72)【発明者】
【氏名】バーバラ ホルバス
(72)【発明者】
【氏名】知京 豊裕
【審査官】 河合 俊英
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−109736(JP,A)
【文献】 特開2012−119685(JP,A)
【文献】 特開2005−166502(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3205
C08K 3/08
C08L 65/00
H01L 21/768
H01L 23/522
H01L 23/532
H01L 25/065
H01L 25/07
H01L 25/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコン貫通電極により複数のシリコンチップを縦方向に積層した半導体デバイスにおいて、前記複数のシリコンチップ間の電気接続を与えるためのビアの内表面に、酸素の含有量が4.2原子%〜37.5原子%の範囲内にある酸窒化ケイ素からなる銀拡散障壁材料からなる銀拡散障壁を設け、前記銀拡散障壁が設けられた前記ビアに銀/ポリピロール複合体材料が充填された半導体デバイス。
【請求項2】
前記銀拡散障壁の厚さが10nm以上である、請求項1に記載の半導体デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシリコン(Si)への銀(Ag)拡散を防止する銀拡散障壁材料、この材料を使用した銀拡散障壁に関し、更にこの障壁を使用した半導体デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
ムーアの法則の直接的な帰結として、より高い密度の実装及びより低い消費電力への止むことのない要請により、性能向上のためのLSIの小型化は近い将来限界に達すると考えられる。LSIの集積化を更に進めるため、チップは垂直方向に積み上げられる。これは3D−LSIと呼ばれる。チップ間を接続する多くの方法があるが(例えばワイヤボンディング)、最近の、またもっとも効果的な方法は層間を直接接触させることである。これを実現するためのキーとなる技術はSi貫通電極(through-silicon via、TSV)である。TSVにおいては、LSIチップ間の垂直方向に導電性の電気配線がビア(via)の形で与えられる(非特許文献1)。
【0003】
現在、導電性材料をこれらのビア内部に充填するための好ましい方法は銅の電気メッキである(非特許文献2,3)。しかし、この処理を完了するためには、前処理も含めると1時間を超える時間を要する(非特許文献4)。本願発明者らは、電気メッキを採用した場合のこの問題を解決し、より高速のTSV充填方法を提供するため、金属と導電性ポリマーとの複合体を提案した。この方法では、Siウエハを当該複合体を分散させた溶液に浸漬することでSiウエハのビアへのこの複合体の充填を行う。
【0004】
ほとんどの導電性ポリマーの導電性は比較的小さいが、Ag(非特許文献5)、Pd(非特許文献6)あるいはAu(非特許文献7、8)等の追加の金属との複合体を形成することにより、良好な導電性能を達成することができ、これによって電子デバイスに適用可能となる。本願で論じる複合体は、ピロール(pyrrole)の酸化重合と銀イオンからの還元析出により、それぞれポリピロール(polypyrrole、PPy)と金属銀が形成する反応を同時に起こすとともに、UV照射によりその複合体の成長速度を大きくする光利用反応を使って作製される。
【0005】
Agに導電性のPPyを組み合わせることにより、高い導電率(2×10Ω−1・cm−1)を有する複合体が得られる。この導電率は商業的に入手できる導電性ポリマーよりも数百倍大きい(非特許文献9)。これまでは、分散した導電性ポリマー被覆コロイド粒子の構造が着目されてきた。この構造は、反応条件により、ポリピロールがシェルの役割を果たす単一Agコア構造(非特許文献10〜12)から、Agがポリマーの表面上に位置する木苺状構造(非特許文献10、13、14)まで変化し得る。今までは、導電性Ag/PPy複合体の主な用途はガスセンサ(非特許文献15、16)、触媒(非特許文献17、18)、抗菌コーティング(非特許文献19、20)あるいはフレキシブルな電子機器用のインクジェットプリントされる導電性の配線(非特許文献5)であった。Ag/PPy複合体は電気を通し、柔軟であり、安価であって、かつ基板への十分な付着性を有するため、フレキシブル電子機器の電気配線用の優れた材料であることが判明した。
【0006】
この複合体をTSVのための充填材料として使用することにより、充填プロセスはわずか10分にまで短縮できる(非特許文献21)。Ag/PPy被覆はSi及び各種のプラスティック(例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリイミド)のようないくつかの基板への優れた接着性を有し(非特許文献22)、これによって、本材料がTSV材料として高い信頼性のある候補となる。これまでの報告によれば、SiへのPy及びPPyの良好な接着性が示され(非特許文献23)、またAg/PPyの液体分散度はSi及びSiO表面上で、平均接触角がそれぞれ27.8°及び10.3°と、非常に良好な濡れ性を有している(非特許文献21)。このような小さな接触角は、分散液と基板との間の分子相互作用が強く、これによって両材料間の良好な接着性が与えられることを示している。
【0007】
しかしながら、Agナノ粒子はSi基板へと拡散する物質であると考えられる。これは接着性については有利な役割を演ずるかもしれないが、Si基板中に拡散したこれらAgナノ粒子は信頼性の問題を引き起こして電子デバイスの寿命を短くしかねないという問題がある(非特許文献24〜26)。
【0008】
不純物拡散現象は、原子が基板中に拡散するのを妨げる障壁層を使用することで阻止することができる。SiOx及びSiNxはTSV形成のためのSiチップ作製で広く使用されている。現在、主にSiOが、ビアエッチングが引き起こしたかもしれない欠陥を覆いまた充填材料を基板から隔離するために使用される(非特許文献27、28)。これだけから考えると、Ag/PPy材料のための障壁としての当然の選択肢はSiOx及びSiNxを使用することになるかもしれない。しかしながら、SiNxはAgの拡散に対しては良好な障壁特性を有する(非特許文献29、30)のではあるが、ポリマーへの付着性は芳しくなく(非特許文献31)、またこの問題の特性を改善するためには余計なステップ(接着促進剤の付与のような)が必要とされて、これを行うとした場合にはビア製造のスループットに悪影響を与えかねない。SiOxは、Agペーストについて試験するとAg拡散障壁特性は芳しくない(非特許文献32)。SiOxNyはSiNx及びSiOxのそれぞれのいくつかの特性を有するかもしれないが、この材料については十分な評価が行われていない。この材料のAg拡散障壁特性については限られた研究がなされているが(非特許文献33)、その組成についての詳細は知られていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、Ag/PPy複合体に対する良好な接着性及びAg拡散障壁特性を有する適切な障壁層を与えることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一側面によれば、酸素の含有量が4.2原子%〜37.5原子%の範囲内にある酸窒化ケイ素からなる銀拡散障壁材料が与えられる。
本発明の他の側面によれば、前記銀拡散防止材料からなる銀拡散障壁が与えられる。
ここで、銀拡散障壁はシリコン基板上に形成されてよい。
また、前記銀拡散障壁は銀を含有する材料に接触してよい。
また、前記銀拡散障壁の厚さは10nm以上であってよい。
本発明の更に他の側面によれば、シリコン貫通電極により複数のシリコンチップを縦方向に積層するとともに、前記複数のシリコンチップ間の電気接続を与えるためのビアの内表面に前記何れかの銀拡散障壁を設けた半導体デバイスが与えられる。
ここで、前記銀拡散層が設けられた前記ビアに銀/ポリピロール複合体材料が充填されてよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、酸窒化Si中の酸素の量を調節することにより、Ag/PPy複合体からSiへのAgの拡散を充分に阻止するとともにSiへの高い接着性を有する拡散障壁層材料を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】Ag/PPy複合体とSi基板との界面構造を示すTEM像。
図2】Agナノ粒子のHRTEM像。差し込み図として右下寄りの箇所に小さな正方形で示した領域のFFT及びフィルター処理された逆FFT(filtered inversed FFT)像を示す。
図3】AgクラスタのHRTEM像とそれに対応する回折パターン。(a)単結晶。(b)多結晶。(c)双晶構造。
図4】(a)Si/複合体界面(その間の自然酸化物)のHRTEM像。拡散したAgを矢印で示す。(b)拡散したAgが存在する領域に対応する回折パターン。(c)拡散したAgが存在しない領域に対応する回折パターン。(d)図1のTEM像に対応するAg元素マッピング。(e)Si基板領域のEELSスペクトル。
図5】形成された酸化物層の断面HRTEM像。対応するEDX値(位置P1〜P4)をそれぞれM1〜M4として表1に示す。
図6】10nm厚SiOx障壁層の界面の試験結果を示す図。(a)DF TEM像。矢印はAg粒子を示す。(b)Si層のAg元素マップ。(c)Ag及びPPyからなる複合材料の領域の近傍から遠方におけるSi層のHRTEM像。
図7】100nm厚SiOx障壁層の界面の試験結果を示す図。(a)BF TEM像。矢印はAg粒子を示す。(b)複合体/酸化物界面のHRTEM像。(c)酸化物層内部の多結晶及び単結晶Ag粒子のHRTEM像。差し込み図にFFTを示す。
図8a】SiO−2障壁層の界面試験結果である、10nm層のTEM像。差し込み図にEDXマッピングを示す。
図8b】層のSiO−2障壁層の界面試験結果である、Si及び100nm厚の層のHRTEM像。差し込み図にFFTを示す。
図9】障壁層としてSiOx層、SiON−1層及びSiON−2層を使用した場合の比較結果を示す図。(a)層毎の剥ぎ取り強度試験結果。(b)層毎のモルフォロジー。
【発明を実施するための形態】
【0013】
Ag/PPy複合体を将来TSV充填材料として使用するためには、本複合体とSiとの間の反応を理解することが非常に重要である。現在、多くの研究報告はAg/PPy材料の構造的または電気的特性に焦点を当てているが、Ag/PPy複合体と他の材料や基板との反応についての十分な研究はなされていない。プロセスステップを削減して3D−LSI生産のスループットを改善するため、SiOx及びSiNxOyのAg及びCに対する拡散障壁層としての役割を調べる。
【0014】
以下の実施例では、Si基板上にSiOx及び複数通りの組成のSiOxNyを障壁層として設けた場合のAgの拡散阻止性能、Ag/PPy複合体の基板への接着性、並びにこれら材料の界面の構造及び各種の物性を検討し、本発明の課題を達成するための適切な障壁層の組成を求める。
【実施例】
【0015】
<材料及びその合成>
Ag/PPy複合体を分散液の形で作製し、これをSi基板(試料サイズ5×5mm)に与えた。Ag/PPyは、ドーパント及び酸化剤のための金属塩として硝酸銀(AgNO)(1.0mol/dm)を、また重合のために使用されるピロールモノマー(0.2mol/dm)をアセトニトリル(CHCN)溶媒(2.5cm)に溶解したもので合成した。この反応は紫外線照射(50mW/cmの強度で10分間)によって光促進し、本複合体の成長速度を増大させた。四種類の基板で試験を行った。具体的にはSi(100)に自然酸化膜がついた基板、Si酸化物(SiOx)障壁層で被覆した基板、並びにSi酸窒化物(SiON−1及びSiON−2)障壁層で被覆した基板である。
【0016】
Si酸化物障壁層(SiOx)付きの試料は、先ず熱酸化(パラメータ:1050℃、30分の乾燥酸化)により(100)基板にSiOxを200nmの初期厚さまで堆積し、それをフッ化水素酸(HF)により所望の厚さまでエッチングした(パラメータ:HF:NHF=16、エッチング時間0秒、30秒、60秒及び90秒)。このようにして形成したSiOxの厚みはそれぞれ10nm、50nm及び100nmであった。
【0017】
Si酸窒化物障壁層付きの基板の作製に当たっては、先ず二種類の酸窒化物層SiON−1及びSiON−2を物理的気相成長技術(使用装置:芝浦メカトロニクス株式会社i-Miller CFE-4EP-LL)により、Si基板上に堆積させ、SiON−1基板(パラメータ: Ar 28sccm、N10sccm、DC330W、0.511Pa)及びSiON−2基板(パラメータ:Ar 18sccm、N 10sccm、DC330W、0.379Pa)を作製した。SiOxの場合と同様、作られたSiON層の厚さは10nm、50nm及び100nmであった。
【0018】
このようにして作製したSiOx、SiOxNy障壁層付き基板をAg/PPy分散液に浸漬した。分散液から試料を取り出した後、試料を外気環境中で乾燥させた。
【0019】
<測定方法・装置>
試料を先ずX線光電子分光(XPS)(装置:Thermo Electron Corporation, Theta Probe、3kV)を使用して、障壁層の組成を検証し、また厚さはエリプソメトリー(J.A. Woollam M-2000)により確認した。組成自体及び構造は、複合材料を含む分散溶液を塗布・乾燥し、室温で150時間まで放置して堆積させた後、構造及び界面の解析のために調べた。基板への複合体の接着性は、日本工業規格(JIS)Z1522(非特許文献34)に準拠した剥ぎ取り試験により、障壁層の種類毎に6枚の試料について評価した。被覆を堆積して24時間後にセロハンテープ(15mm幅、ニチバンLP−15)を試験対象試料の表面全体に張り付け、垂直方向に0.5秒以内に剥がした。形成した複合体のモルフォロジーは走査型電子顕微鏡(SEM)(装置:日立S−4800、20kV)により観察した。試料を収束イオンビーム(FIB)(装置:日本電子株式会社JEM−9320FIB、30kV)により観察し、その微細構造及び化学組成は、エネルギー分散型X線分光装置(EDX)、電子エネルギー損失分光装置(EELS)及び制限視野電子回折装置(SAED)付きの透過型電子顕微鏡(TEM)(日本電子2100−F、200kV及びFEI Technai G2 F30、30kV)により観察した。EELSによりC元素を測定する前に、試料をイオンクリーニングで処理した。
【0020】
<Si上のAg/PPy複合体の構造>
図1はSi表面に被着したAg/PPy複合体コーティングの断面を示す。この複合体材料は主にPPy材料及びその中にクラスタ状に偏析したAgからなる。Agクラスタ(つまり、顕微鏡で区別して観察できる金属銀の塊であり、実際はPPyとの複合体)のサイズは数nmから数十μmの範囲に及ぶことがありえ、これらはPPy中に非常に高い密度で位置する。Agクラスタの間には多数のAgナノ粒子が高密度で分布しているのでAgクラスタ間の高い導電率が確保され、これにより本材料に良好な導電性を与える。
【0021】
図2及び図3の高分解能(HR)TEM像中では濃灰色のAg粒子及びそのまわりの明灰色のPPyが示されている。Agを取り巻く領域についてのEDX解析結果(C:72.26原子%、N:17.50原子%.O:5.46原子%、Si:2.26原子%及びAg:2.52原子%)により、PPy組成として妥当な比率の大量のC及びNの存在が確認される。PPyの構造はアモルファスであることが判る。原子構造を適切に同定するために、高速フーリエ変換(FFT)、フィルタ処理及び逆FFTを使用した。図2に示すように、HRTEM像によりバルクのAgのFCC結晶構造が確認され、またAgナノ粒子の構造は、しばしば(と言ってもこれが主であるというわけではないが)粒子のサイズに依存して、単結晶(図3(a))または多結晶(図3(b))であり得る。単結晶のナノ粒子では原子の間隔は0.35nmであると測定されたが、これはFCC立方晶系結晶Ag(111)面の格子定数と相関する。Agの格子定数は3.085Åであって(111)面の間隔は
b=d/2=(a×√(3))/2=3.537Å
である。Ag粒子全体の測定による回折パターンは(111)面の回折パターンを示す。
【0022】
ある場合には、図3(c)に示すように、Agナノ粒子に双晶(twin)構造が見られる。ナノ粒子内での双晶化は、結晶が表面上の格子点を他の結晶の面と共有するが、何らかの障害(原子の誤積重ねなど)によって違った方向へ成長することにより起こる。ここで、回折パターンからこの双晶化が確認される。図3(c)で、黄色の回折(差し込み図中では小さな白いリングで囲むことで示す)は基底(base)を示し、赤色の回折ドット(差し込み図中では小さな灰色のリングで囲むことで示す)は双晶を示す。双晶化は多結晶Ag粒子に関与することがある。それは、成長を媒介とした形成は成長中の原子の誤積重ねにより繰り返し双晶化動作により進行できるからである(非特許文献35)。
【0023】
図4(a)はAg/PPy複合体とSiとの界面の断面HRTEM像を示す。層構造のEDX解析結果は、かなりの量のAgが偏析した粒子の形でSi基板表面下の界面付近に拡散したことを示している。Ag粒子は基板中の1〜2μmの深さまで見出された。これらのAg原子はAg/PPy複合体中のAgクラスタに起因する。AgはSi中では比較的低温であっても高速で拡散する物質であるが(非特許文献32)、このことによりAgがどのようにして保護用の薄いSi酸化物層を貫通するかが説明される。拡散したAgを有する領域を、同図中でdiffused Agという説明付きの矢印により示す。回折パターンから、Agが存在していない場所ではSi基板は単結晶構造を有することが判るが、シリコン基板の層内においてAgの拡散が存在する場所では、結晶性のAgの回折パターンが見いだされる(図4(b)及び(c))。また、EDSの結果を確認すると、AgSiの回折スポットは見当たらない。通常はAg原子は無転位Si中では最も頻繁には格子間に取り込まれる(非特許文献26)。図4(d)にみられる偏析したAgはSi基板内に転移が存在していることを示唆している。転位は不純物と相互に影響し合う。これにより、Agが無転位の場所よりも転位のあるSi中でより高い濃度で偏析するようになり、かくしてAgは格子間型−置換型拡散機構の理論に従って格子間から置換型Agへと変化する。
【0024】
Si基板内のCの拡散は、自然酸化膜付きSi、SiOxあるいはSiON障壁付きの何れの試料にも見られなかった。時には少量のCがEDXまたはFFTによって検出されたが、このようなCは単に汚染由来のものである。イオンクリーニングはAg/PPy層の特性に損傷を与える。従って、この処理は主要なTEM測定の後で行わなければならなかった。イオンクリーニングの直後に行ったEELS測定により、Si中にも障壁中にもCが存在しないことが判明した。それは、図4(e)からわかるように、EELSスペクトルには284eVにCのピークが現れないからである。
【0025】
Si基板とAg/PPy複合体との間にあるSi酸化物は特異な特性を示す。Si基板が外気環境下で空気に暴露されると、通常は厚さが1nmの自然酸化物(SiO)が生成される(非特許文献36)。この場合には、被覆前に試料をエリプソメトリーによって解析し、0.98nmの一様な酸化物層を有していることを確認した。被覆後、TEM測定により、図5に示すように酸化物層の厚さが5.8nmまで成長したことを観察した。図5は酸化物層のHRTEM像を示すが、この像は層中がアモルファス層であることを示している。表1に示すEDX測定結果は、この新たな酸化物層は60〜80原子%のSi、18〜35原子%のO及び1原子%未満のAgを混合したものであり、このAgはSi基板に向かってこの層を通過するAg粒子に対応していることを示す。この自然酸化に比べて特異的に大きな酸化物の厚みは、複合体分散液が表面上に置かれたとき、この分散液中にあったNOイオンによるSiの酸化により引き起こされるものかもしれない。
【0026】
【表1】
【0027】
<各種の障壁についてのAg/PPyの拡散特性>
Si酸化物障壁層とAg/PPyとの間の界面の試験により、以下の結果が示される。10nm厚層の被着では、拡散阻止についてはほとんど改善を見なかった。元素マップはAgがSiOx障壁を突き破ったことを示した。図6(a)及び(b)に示すように、Ag粒子は基板中に600nmの深さまで拡散した。図6(b)に示す基板についての回折パターン測定により、図6(b)中の明るい箇所に純粋なSiが示され、暗い箇所には拡散したAgが示された。
【0028】
50nm厚及び100nm厚の酸化物層を被着させると、結果には僅かに改善が見られた。これらの場合には、図7(a)に示すように、Ag拡散はSi層中でそれぞれほぼ100nm及び50nmの深さまで見られた。つまり、酸化物層の厚さが50nmと100nmの何れの場合でも、Ag/PPyと基板(酸化物層で覆われたSi層)との界面から基板中への合計の侵入深さは150nmまでであった。これより、Ag/PPyと基板との界面からの侵入深さの限界は150nmであると推定した。別にわずかな粒子だけがこの推定した侵入深さの限界より下まで拡散した。これらの場合、Si中に確認された粒子(暗い点)のAg量は5原子%未満と少ないが、明るい箇所ではAg量はゼロである。酸化物層中では、Ag粒子について試験すると結晶構造を持つAgであることが判った。ここで、図7(b)に示すように、粒子のサイズは大きく減少し、2nm〜6nmの範囲内であると測定された。図7(c)に示すように、HRTEM像中の酸化物層内部のAg粒子のFFT回折解析により、ほとんどの場合に単結晶のFCC構造が示されるが、いくつかの粒子は多結晶であることが見出された。Ag粒子の輸送は、破壊されたSi−O−Siブリッジによる格子中の弱くなった部分を通して酸化物中へ入る粒子により起こる(非特許文献37、38)。複合材料内の元のAgクラスタが比較的大きな単結晶あるいは多結晶であれば、酸化物層内に入るAg粒子は、最も確からしくは結晶粒の小さな断片であって(あるいは、多結晶の場合には、複合体/酸化物の界面に最も近い位置にある複合体の中の金属銀の結晶粒に由来する)、酸化物層に入って独立した単結晶粒子になる。複合体中の元のAg粒子が同じく2nm〜6nmの範囲のサイズであって粒子全体が構造上の変更なしで複合体/酸化物界面をすり抜けることができる場合には、粒子は酸化物内で多結晶のままとなる。この仮説はこれら二つの層中の単結晶対多結晶の比率によって支持される。つまり、複合体中でナノサイズの粒子のほとんどが多結晶であって比較的大きな粒子のほとんどが単結晶あるいは少数の結晶方位しか有していないのに、酸化物層中ではナノ粒子の多くは単結晶である。
【0029】
Si酸窒化物障壁層の耐拡散効果を調べ、SiON−1とSiON−2の両者(SiONと総称する)は銀に対して同じくらい良好な障壁特性を示し、SiNxの場合に知られているのと同程度であった。Ag拡散は10nmの薄さのSiON層によって食い止められる。それは、EDX及び回折測定の結果から、図8a及び図8bに示すように、Si及びSi酸化物層中にはその痕跡も示されなかったからである。
【0030】
<各種の障壁上でのAg/PPy複合体の接着性>
ここでは剥ぎ取り試験により、三種類の基板(SiOx障壁層付き、SiON−1障壁層付き及びSiON−2障壁層付き)についてのAg/PPy複合体の接着性を評価した。図9(a)は剥ぎ取り試験前(左側)及び試験後(右側)の試験対象試料表面を示す。これからわかるように、SiON−1及びSiOxでは十分な量(>90%)の複合体が試料表面に残った。これに対してSiON−2は複合体の大部分が粘着性セロハンテープにより試料表面から剥ぎ取られ、この試験に通らなかった。
【0031】
図9(b)は、これら三種類の障壁層付き基板表面のモルフォロジーを示すSEM像である。これらのSEM像から、SiOx障壁層はやや大きな表面粗さを、またSiON−1障壁層は大きな表面粗さを有していて、平均隆起高がそれぞれ40nm及び60nmであった。一方、SiON−2は非常に滑らかな表面を有していた。金属上の表面酸化物のモルフォロジーは金属−ポリマー結合の強さに大きな役割を演じる。ここで、多孔性構造や顕微鏡的な表面の荒れはポリマーと機械的にかみ合って、滑らかな表面に比べてはるかに強力な結合を形成する(非特許文献39、40)。
【0032】
XPSを使った測定により、これらの層はそれぞれ以下の組成を有するアモルファス酸窒化ケイ素(ただし、SiOxはアモルファス酸化ケイ素)であることが確認された:SiON−1はSi5540、SiON−2はSi5345、SiOxはSi。ポリマー/金属界面では金属基板とポリマーとの間に化学結合が起こり、両者の接着性は界面内の一次結合(primary bond)及び二次結合(secondary bond)の形成に依存する。また、金属表面上の酸素はボンドライン(bond line)の強さに大きく影響する(非特許文献41)。水分を吸収すると、接着剤中の極性基と反応し得る水酸基の形成が引き起こされる(非特許文献42)。SiON−1及びSiOx障壁層の比較的大きな酸素量及び大きな粗さを持つ表面から、Ag/PPyがこれらの表面に良好な接着性を有することが説明される。これに加えて、SiOxについては、障壁層そして基板中へのAg拡散は複合体の接着を助ける(これは信頼性問題の面では望まれない現象であるが)。SiON−2の表面が滑らかであり、また酸素量が少ないことは、Ag/PPyへの接着性が乏しいことの原因となっている。
【0033】
本発明によれば、Ag/PPyをビア充填材料として使用する場合、僅か10nm厚のSiON−1障壁層によってTSVのビアについて上述した問題が解決される。酸窒化Siで窒素量が多いと完璧なAg障壁層となるが、適度な酸素量及び大きな表面粗さを有することが、Ag/PPy材料への接着性を良好にするために好適である。すなわち、酸窒化ケイ素中の酸素を減少させていくと、窒化ケイ素の特性に近づくために、Ag拡散防止性が高くなるがAg/PPy複合体への接着性が低下する。逆に酸素を増加させていくと、酸化ケイ素の特性に近づくために、接着性は高くなるがAg拡散防止性が低下する。Ag拡散防止性とAg/PPy複合体への接着性の両方が満足できる酸窒化ケイ素中の酸素量の範囲は4.2原子%〜37.5原子%、更に好ましくは5原子%〜20原子%である。
【0034】
<結論>
障壁層を使用することによって、上述したAg/PPy複合体を高速かつ安価なプロセスを使用するTSVの導電性充填材料の良好な候補とすることができる。すなわち、本発明により、3D半導体デバイスのための信頼性の高い垂直電気配線を容易かつ安価に実現することができる。
【0035】
上述の説明では、複合体/障壁層/Si基板の界面構造を明らかにした。また良好な接着性と拡散障壁特性とを兼ね備えた最適化された障壁層が確立された。
【0036】
Si基板(自然酸化膜を有する)上にAg/PPy複合体を堆積させた後、この複合体中のAgクラスタ由来のAgがSi層へ向けて拡散する。Ag偏析はSi基板内の転位の周辺に観察される。Ag/PPyはSi基板上に、外気条件下で形成される自然酸化膜の厚さに比べて約5倍の厚さを有するSi酸化物を形成する。
【0037】
Si基板内のCの拡散は何れの試料にも(すなわち自然酸化膜付きのSiでもまたSiOxやSiOxNy障壁で被覆されたSiにも)観察されなかった。
【0038】
この複合体からのAgは100nm厚のmSiOxを通過して移動できるが、この障壁層を厚くするほどSi中へ拡散するAgの量は減少する。SiON−1及びSiON−2のN成分は10nmものわずかな厚さの層を通過してSiへ向かおうとするAgの拡散を完全に阻止する。SiON−2はその酸素含有量が不適切でありまた表面が滑らかであるために接着性に乏しいが、5原子%のOを含み十分な表面粗さを有するSiON−1はTSVの好適な障壁層材料となる。
【0039】
PPy中のAgクラスタは単結晶構造、あるいは繰り返される双晶化による多結晶構造を有し、またそのサイズは数nmから数十μmの間で変化し得る。しかしながら、AgがSi酸化物層を通って拡散する間にAg粒子は2nmから6nmのサイズに小さくなり、また多くの場合には単結晶構造を取るようになる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0040】
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図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8a
図8b
図9