(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6188058
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】情報管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/02 20120101AFI20170821BHJP
【FI】
G06Q40/02
【請求項の数】11
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-95597(P2013-95597)
(22)【出願日】2013年4月30日
(65)【公開番号】特開2014-215973(P2014-215973A)
(43)【公開日】2014年11月17日
【審査請求日】2016年3月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】591030237
【氏名又は名称】日本ユニシス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】513072581
【氏名又は名称】朝日信用金庫
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(72)【発明者】
【氏名】三澤 敏幸
(72)【発明者】
【氏名】吉田 浩
【審査官】
月野 洋一郎
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−073495(JP,A)
【文献】
特開2001−350886(JP,A)
【文献】
特開2001−084431(JP,A)
【文献】
特開2012−32862(JP,A)
【文献】
特開2013−30039(JP,A)
【文献】
特開2007−140893(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 40/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して一方の端末から他方の端末へ情報を双方向に送信する情報管理システムであって、
前記一方の端末から送信された前記情報を受信する受信部と、
前記受信部で受信した前記情報から優先度を決定するために必要な情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部で取得した前記優先度を決定するために必要な情報と異なる情報が予め格納されている情報部と、
前記優先度を決定するために必要な情報と、前記情報部に格納されている情報とに基づいて、前記受信部で受信した前記情報の前記優先度を決める優先度決定部と、
前記優先度決定部で決めた優先度に基づいて前記他方の端末へ送信すべき情報を取得してリスト化するリスト生成部と、
前記リスト生成部でリスト化した前記情報を前記他方の端末に送信する送信部と、
前記リスト生成部でリスト化した前記情報から前記一方の端末から前記他方の端末に送信された前記情報の量を監視する監視部と、
を備え、
前記優先度を決定するために必要な情報は、金融機関の営業店情報と、顧客の情報を含み、前記情報部に格納されている情報は、日付に関する情報を含み、
前記優先度決定部は、前記受信部で受信した情報に含まれる取引種別を判定し、前記金融機関の営業店情報と、前記顧客の情報と、前記日付に関する情報から前記取引種別に応じた前記優先度を決定し、
前記優先度決定部は、前記決定した優先度に従って前記受信した情報のうち、前記一方の端末に返信する情報を判定し、前記送信部は、前記判定した前記一方の端末に返信する情報を前記一方の端末に送信し、
前記監視部は、前記優先度決定部で判定した前記情報の前記取引種別に応じて前記情報の量のリストを生成する
ことを特徴とする情報管理システム。
【請求項2】
前記営業店の情報は、前記営業店における特権対応に関する情報、前記一方の端末の設置場所に関する情報、前記営業店における待ち人数の情報、または前記営業店の風評情報を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の情報管理システム。
【請求項3】
前記顧客の情報は、重要顧客に関する情報、取引状況に関する情報、または前記顧客の前記営業店における待ち時間に関する情報を含む
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報管理システム。
【請求項4】
前記日付に関する情報における日付ごとに前記一方の端末から前記他方の端末へ双方向に送信する前記情報の数量が制限されており、前記送信部は、前記情報が前記数量に達した場合、前記情報を前記一方の端末に返信する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の情報管理システム。
【請求項5】
前記情報部に格納されている情報は、前記受信した情報に含まれる顧客の情報に紐づけられた前記顧客の情報と、前記営業店情報に紐づけられた前記営業店の設置場所の情報と、前記営業店の風評情報をさらに含み、
前記優先度決定部は、前記情報取得部で取得した前記優先度を決定するために必要な情報から前記情報部に格納されている前記顧客の情報と、前記営業店情報に紐づけられた前記営業店の設置場所の情報と、前記営業店の風評情報を特定し、前記優先度を決定する
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の情報管理システム。
【請求項6】
前記リスト生成部は、前記優先度決定部で決めた前記優先度の高い情報からリスト化する
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の報管理システム。
【請求項7】
前記送信部は、前記リスト生成部でリスト化した前記優先度の高い情報から順番に前記他方の端末に前記情報を送信する
ことを特徴とする請求項6に記載の報管理システム。
【請求項8】
前記一方の端末は、前記金融機関の複数の営業店における端末である
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の情報管理システム。
【請求項9】
前記他方の端末は、前記金融機関において前記営業店とは異なる場所にて事務処理をする端末である
ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の情報管理システム。
【請求項10】
ネットワークを介して一方の端末から他方の端末へ情報を双方向に送信する情報管理装置であって、
前記一方の端末から送信された前記情報を受信する受信手段と、
前記受信手段で受信した前記情報から優先度を決定するために必要な情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段で取得した前記優先度を決定するために必要な情報と異なる情報が予め格納されている情報手段と、
前記優先度を決定するために必要な情報と、前記情報部に格納されている情報とに基づいて、前記受信手段で受信した前記情報の前記優先度を決める優先度決定手段と、
前記優先度決定手段で決めた優先度に基づいて前記他方の端末へ送信すべき情報を取得して前記情報のリスト化するリスト生成手段と、
前記リスト生成手段でリスト化した前記情報を前記他方の端末に送信する送信手段と、
前記リスト生成手段でリスト化した前記情報から前記一方の端末から前記他方の端末に送信された前記情報の量を監視する監視手段と、
を備え、
前記優先度を決定するために必要な情報は、金融機関の営業店情報と、顧客の情報を含み、前記情報部に格納されている情報は、日付に関する情報を含み、
前記優先度決定手段は、前記受信手段で受信した情報に含まれる取引種別を判定し、前記金融機関の営業店情報と、前記顧客の情報と、前記日付に関する情報から前記取引種別に応じた前記優先度を決定し、
前記優先度決定手段は、前記決定した優先度に従って前記受信した情報のうち、前記一方の端末に返信する情報を判定し、前記送信手段は、前記判定した前記一方の端末に返信する情報を前記一方の端末に送信し、
前記監視手段は、前記優先度決定手段で判定した前記情報の前記取引種別に応じて前記情報の量のリストを生成する
ことを特徴とする情報管理装置。
【請求項11】
ネットワークを介して一方の端末から他方の端末へ情報を双方向に送信する情報管理装置の制御方法であって、
前記一方の端末から送信された前記情報を受信する受信工程と、
前記受信において受信した前記情報から優先度を決定するために必要な情報を取得する情報取得工程と、
前記情報取得工程において取得した前記優先度を決定するために必要な情報と異なる情報を予め格納する情報格納工程と、
前記優先度を決定するために必要な情報と、前記情報部に格納されている情報とに基づいて、前記受信工程において受信した前記情報の前記優先度を決める優先度決定工程と、
前記優先度決定工程において決めた優先度に基づいて前記他方の端末へ送信すべき情報を取得して前記情報のリスト化するリスト生成工程と、
前記リスト生成工程においてリスト化した前記情報を前記他方の端末に送信する送信工程と、
前記リスト生成工程でリスト化した前記情報から前記一方の端末から前記他方の端末に送信された前記情報の量を監視する監視工程と、
を有し、
前記優先度を決定するために必要な情報は、金融機関の営業店情報と、顧客の情報を含み、前記情報部に格納されている情報は、日付に関する情報を含み、
前記優先度決定工程では、前記受信工程で受信した情報に含まれる取引種別を判定し、前記金融機関の営業店情報と、前記顧客の情報と、前記日付に関する情報から前記取引種別に応じた前記優先度を決定し、
前記優先度決定工程では、前記決定した優先度に従って前記受信した情報のうち、前記一方の端末に返信する情報を判定し、前記送信工程では、前記判定した前記一方の端末に返信する情報を前記一方の端末に送信し、
前記監視工程において、前記優先度決定工程で判定した前記情報の前記取引種別に応じて前記情報の量のリストが生成される
ことを特徴とする情報管理装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報管理システムに関し、具体的には、金融機関における複数の営業店から事務処理を行う場所へデータを送信する際にそのデータをリアルタイムに一括処理をするシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
金融機関の営業店における業務は多岐にわたり、事務処理だけでなく、様々な金融商品やサービスの提供も必要とするため、営業店における業務が複雑化してきている。そこで、顧客に対して金融商品やサービスなどの提供を専念するために、営業店の窓口で行う事務処理を外部委託する方法が特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−352180号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、外部委託した事務作業を容易にするための方法を開示しているが、外部委託先や事務処理を依頼する金融機関における営業店においてどれくらいの量が外部委託されているのか、事務処理を委託してからどれくらいの時間で処理が完了するのかといった情報をリアルタイムで確認することが難しい。また、各営業店によって窓口の待ち人数であったり、来店した顧客が重要顧客であったりした場合に処理を早めようとしても、どれくらい処理に時間が掛かるかわからないため、窓口の担当者が事務処理をする必要があり、事務処理を低減することは難しい。
【0005】
本発明は、複数の営業店から送られる情報を整理してバックオフィスセンターに送る場合に、顧客情報などを利用してリアルタイムで情報の優先度を決定し、その情報を確認することができる情報管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ネットワークを介して一方の端末から他方の端末へ情報を双方向に送信するサーバ装置であって、前記一方の端末から送信された前記情報を受信する受信部と、前記受信部で受信した前記情報から優先度を決定するために必要な情報を取得する情報取得部と、前記情報取得部で取得した前記優先度を決定するために必要な情報と異なる情報が予め格納されている情報部と、前記受信部で受信した前記情報の前記優先度を決める優先度決定部と、前記優先度決定部で決めた優先度に基づいて前記情報のリスト化するリスト生成部と、前記リスト生成部でリスト化した前記情報を前記他方の端末に送信する送信部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、複数の営業店から送られる情報を整理してバックオフィスセンターに送る場合に、顧客情報などを利用してリアルタイムで情報の優先度を決定し、その情報を確認することができる情報管理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係る情報管理システムの全体構成の概略図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る営業店の構成を示すブロック図である。
【
図3】営業店における端末の機能を示すブロック図である。
【
図5】優先度を決定するのに必要な構成を示すブロック図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る事務処理依頼のフロー図である。
【
図7】サーバにおける事務処理の優先度を決定するフロー図である。
【
図8】営業店情報に基づいて優先度を決定するフロー図である。
【
図9】顧客情報に基づいて優先度を決定するフロー図である。
【
図10】サーバで受信したデータの処理状況を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
まず、本実施形態に係る情報管理システムの構成について説明する。
図1は、本実施形態に係る情報管理システム全体の概略図である。本実施形態における情報管理システムは、金融機関の営業店の窓口で取り扱う伝票に係るシステムであり、双方向に通信可能なネットワークで接続されたサーバ(情報管理装置)1と、複数の営業店2と、BOC3および情報部4とを含む。
【0010】
本実施形態における複数の営業店2は、金融機関における営業店である。BOC(バックオフィスセンター)3は、営業店2と異なる場所にあって、営業店2における事務処理を代行する端末(他方の端末)を含む。情報部4は、顧客の住所などの情報や取引情報などの顧客に関する様々な情報を格納している。
【0011】
次に、
図2を参照して、複数の営業店2は、サーバ1に相互接続した固定端末(一方の端末)21を含み、固定端末21は、例えば、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置である。固定端末21は、ディスプレイなどの表示装置22と、キーボードなどの入力装置23と、取引伝票などを読み込むスキャナ24と、それぞれ相互接続している。
【0012】
次に、
図3は、固定端末21に含まれる機能を示す。固定端末21は、通信部31および処理部32を含む。通信部31は、ネットワークを介してサーバと相互通信を行い、情報のやり取りをする。また、営業店2における表示装置22、入力装置23、スキャナ24とそれぞれ相互通信を行う。処理部32は、固定端末21における様々な処理を行う。
【0013】
次に、
図4を参照して、サーバ1は、通信部(受信部、送信部)41と、データ取得部(情報取得部)42と、優先度決定部43と、リスト生成部44と、遅延監視部45と、を含む。通信部41は、営業店2またはBOC3とデータ(情報)を送受信する。データ取得部42は、通信部41で受信したデータから優先度決定に必要なデータを取得する。優先度決定部43は、データ取得部42で取得した優先度決定に必要なデータから通信部41で受信したデータの優先度を決定する。リスト生成部44は、優先度決定部43で決定した優先度に基づいて通信部41で受信したデータをリスト化し、リスト化したデータを、通信部41を介して営業店2またはBOC3に送信する。
【0014】
遅延監視部45は、データ取得部42で取得したデータに基づいてサーバ1で受信したデータの遅延状況(サーバ1に送られたデータの量)をリアルタイムで監視する。この遅延状況は、サーバ1に表示装置を備えることで、サーバ1で表示することができ、また、営業店2やBOC3の表示装置でも同様にリアルタイムで遅延状況を監視することができるように設定してもよい。尚、本実施形態では、遅延監視部45は、サーバ1に備えられるが、これに限定することなく、例えば、営業店2またはBOC3における端末が遅延監視部45を備えてもよい。
【0015】
優先度決定部43は、通信部41で受信したデータの優先度を決定するために、
図5に示す取引種別決定部51と、営業店データ判定部(営業店情報判定部)52と、顧客データ判定部(顧客情報判定部)53と、カレンダー情報判定部(日付情報判定部)54と、を含む。取引種別決定部51は、データ取得部42で取得したデータから通信部41で受信したデータの取引種別を決定する。営業店データ判定部52は、データ取得部42で取得したデータから営業店2を特定し、特定した営業店2のデータに基づいて、営業店データを判定する。判定する営業店データは、例えば、営業店2の窓口担当者が有する特権による対応かどうか、サーバ1に情報を送信した端末の設置場所がどこか、営業店2における待ち人数がどれくらいか、SNS(social networking service:ソーシャルネットワーキングサービス)などの風評情報があるかどうか、である。顧客データ判定部53は、データ取得部42で取得したデータから顧客を特定し、特定した顧客の情報に基づいて顧客データ(情報)を判定する。判定する顧客データは、例えば、重要顧客かどうか、取引額(取引状況)はどれくらいか、待ち時間がどれくらいか、である。
【0016】
次に、本実施形態に係る情報管理システムにおける一連の処理について
図6を用いて説明する。まず、ステップS601で、営業店2における端末21に接続されたスキャナ24を用いて、例えば、取引伝票などを読み込み、データを取得する。次に、ステップS602で、取得したデータは、固定端末21の通信部31を介してサーバ1に送信される。
【0017】
次に、ステップS603でサーバ1の通信部41は、固定端末21から送信されたデータを受信する。受信したデータからデータ取得部42は、優先度を決定するのに必要なデータを取得する。次に、ステップS604で優先度決定部43は、データ取得部42で取得したデータに基づいて固定端末21から送信されたデータの優先度を決定する。次に、ステップS605でリスト生成部44は、優先度決定部43で決定した優先度に基づいてデータをリスト化する。次に、ステップS606でリスト化したデータからBOC3に送信するデータを取得(選択)する。そして、ステップS607で、ステップS606で取得したデータを、通信部41を介してBOC3に送信する。
【0018】
次に、ステップS608で、BOC3は、サーバ1の通信部41から送信されたデータを受信する。次に、ステップS609で受信したデータを所定の手続きに基づいて処理を行う。そして、ステップS610で処理が完了した後、完了した処理の情報を情報部4に格納して、一連の流れが終了する。このとき、処理が完了した旨の信号をサーバ1に送信することにより、後述の
図10の表に示す処理済みの数値が変化する。
【0019】
ここで、ステップS604で優先度を決定する処理について
図7を用いて説明する。まず、ステップS701で取引種別判定部51は、通信部41で受信し、データ取得部42で取得したデータから取引種別を判定する。取引種別は、例えば、預金の引き出しまたは預入れ、振り込み、若しくは口座振替などであってよい。また、例えば、窓口でなく、外回りの営業が営業報告書を作成する事務処理であってもよい。次に、ステップS702で営業店データ判定部52は、データ取得部42で取得したデータの内、営業店2に関するデータと情報部4に予め格納されている営業店2に関するデータに基づいて優先度を決定する。次に、ステップS703で顧客データ判定部53は、データ取得部42で取得したデータの内、顧客に関するデータと情報部4に予め格納されている顧客に関するデータに基づいて優先度を決定する。
【0020】
次に、ステップS704で情報部4に予め格納されている繁忙期や閑散期などの日付に応じたカレンダー情報により処理数量制限を要するか否かを判定する。ここで、カレンダー情報は、例えば、過去の繁忙期におけるデータ(どの取引種別がどれくらいの数になるのかなどの統計情報)と実際の繁忙期におけるデータとを逐次更新して繁忙状況をシミュレーションして予想処理量や時間などを算出した情報であってよい。このカレンダー情報に基づいて、営業店2で処理を行った方が早いと判定した場合は、数量を制限し、営業店2に差し戻す(返信)処理を行ってもよい。
【0021】
そして、ステップS705で、ステップS701で振り分けた取引種別ごとに優先度を決定する。このとき、優先度は、ステップS702およびステップS703で決定した優先度に基づいて、例えば、それぞれの優先度にポイントを付与してポイントの合計で優先度を決定してよい。また、本実施形態では、取引種別ごとに優先度を決定したが、例えば、取引種別に優先度を設定することによって、全ての優先度に応じてデータの優先度を決定してもよい。
【0022】
次に、上記のステップS702で営業店データに基づいて優先度を決定する際の処理について
図8を用いて説明する。まず、ステップS801で、通信部41で受信したデータが営業店2における窓口の担当者による特権対応を含むか否かを判定する。特権対応を含む場合、優先度を高く設定し、そうでない(特権対応が含まれていない)場合は、優先度を低く設定する。次に、ステップS802で、データ取得部42で取得したデータから営業店2を特定し、情報部4に予め格納されている営業店2における端末の設置場所に応じて優先度を判定する。例えば、営業店2が本店であると特定された場合、優先度を一番高く設定し、営業店2の窓口に設置された端末である場合は、その次に優先度が高くなるように設定してよい。
【0023】
次に、ステップS803で、データ取得部42で取得したデータの内、営業店2の待ち人数のデータで営業店2における待ち人数に応じて優先度を判定する。待ち人数が多い場合、優先度を高く設定する。このとき、例えば、営業店2の固定端末21からデータを送信する際にその時点での営業店2の客の待ち人数を該データに格納してもよく、または、データ取得部42で取得したデータから営業店2を特定し、特定した営業店2に設置された不図示の待ち人数管理装置から待ち人数のデータを取得してもよい。
【0024】
次に、ステップS804で、情報部4に予め格納されている風評情報に基づいて優先度を判定する。ここで、風評情報は、例えば、SNSサイトに書き込まれたテキストデータ(ビッグデータ)を分析した金融機関に関する情報であってよい。また、コールセンターや営業店2の窓口などで直接受け付けた情報であってもよい。風評情報は、具体的には、例えば、「○×営業店の処理が遅い」などのクレームなどの情報である。データ取得部42で取得したデータから営業店2を特定し、予め情報部4格納されている風評情報と比較して、該データがクレームとして名前が挙がった営業店2から送信されたデータであると特定された場合、優先度を高く設定する。尚、本実施形態では、上記の各ステップで判定して設定した優先度を、特権対応の判定>端末設置場所の判定>待ち人数の判定>風評情報の判定の順番でさらに設定することで、営業店データによる優先度を決定することができる。
【0025】
次に、上記のステップS703で顧客データに基づいて優先度を決定する際の処理について
図9を用いて説明する。まず、ステップS901で、データ取得部42で取得したデータの内、その顧客が重要顧客か否かを判定する。このとき、データ取得部42でまず、顧客に関するデータを取得し、情報部4に予め格納された顧客の情報と照合して顧客を特定する。そして、特定した顧客が重要顧客か否かを判定して、重要顧客であれば優先度を高く設定する。重要顧客か否かは、例えば、金融機関との取引の履歴や過去のデータから重要顧客を予め設定してよい。
【0026】
次に、ステップS902で、データ取得部42で取得したデータの内、伝票に記載された取引額に関する情報を取得し、該取引額が他の営業店2から送信されたデータの取引金額と比較して、相対的に大小を判定する。相対的に大きい取引額である場合は、優先度を高く設定する。次に、ステップS903で、ステップS901で特定した顧客が、営業店2において窓口での受付どれくらいの時間が経ったかを、データ取得部42で取得したデータから判定する。通信部41で受信したデータから相対的に待ち時間が長い顧客については優先度を高く設定する。このとき、待ち時間は、例えば、窓口に顧客が受付を開始した時間を営業店2の担当者が予め指定しておき、サーバ1の通信部41で受信した際にその時間からどれだけ経ったかを判定した時間である。そして、その待ち時間は、サーバ1で受信してからもリアルタイムで判定しており、サーバ1で受信した時には、優先度が低くても、ある一定の時間が経った場合、優先度を上げるよう設定してもよい。
【0027】
尚、本実施形態では、上記の各ステップで判定して設定した優先度を、重要顧客の判定>取引額の判定>待ち時間の判定の順番でさらに設定することで、顧客データによる優先度を決定することができる。上記のステップS705で優先度を決定する際には、例えば、上記の営業店データによる優先度決定>顧客データによる優先度決定の順番で優先度を設定しておくことで、優先度が決定する。
【0028】
サーバ1の通信部41で受信したデータの優先度を決定する処理をし、リスト生成部44でリスト化する際に、遅延監視部45は、そのリストに基づいて複数の営業店2の固定端末21から送信されたデータを取引種別ごとにそれぞれ処理状況(複数の営業店2からサーバ1に送られたデータの量)を示す表(リスト)を生成する。処理状況を示す表の一例を
図10に示す。
【0029】
図10の表100は、取引種別判定部51で判定した取引種別ごとにどれだけの数のデータが送られてきて、だれだけの処理が完了したかを示す。処理が完了したか否かは、例えば、上述のようにステップS601で処理完了の信号を通信部41が受信することで、分かる。
【0030】
表100を営業店2およびBOC3の端末に表示することで、それぞれ、現在どれだけの処理件数であって、未処理の数がどれだけかを確認することができるため、例えば、未処理が多ければ、BOC3に処理を依頼するのではなく、営業店2で処理する、という判断をすることができる。
【0031】
サーバ1には複数の営業店2からリアルタイムでデータが送信されるため、リスト化もリアルタイムで行われる。そのため、遅延監視部45は、例えば、1秒ごとなどの短い周期で常にリスト生成部44でリスト化したデータを監視する必要がある。このように短い周期で常にサーバ1に送られるデータを監視することで、リアルタイムで状況を確認することができる。本実施形態では、主に件数について表を生成したが、これに限定することなく、複数の営業店2からサーバ1に送られたデータの状況が分かればよい。
【0032】
また、データ取得部42で取得したデータから、サーバ1で受信したデータがどの営業店から送信されたかを特定することで、遅延監視部45は、どの営業店からどれだけの数のデータが送られているかも確認することがきできる。さらに営業店の特定だけでなく、営業店2における固定端末21についても特定することができる構成としてもよく、例えば、特定した端末からサーバ1に送信された情報の数量を監視し、一定の数量を越えたら、その特定した端末からのデータの優先度を下げるなどしてもよい。また、遅延監視部45を複数の営業店2の端末に備える場合、各営業店2において、自身の営業店からサーバ1に送信した数量だけでなく、他の営業店も含めた総量も確認することができる。また、BOC3の端末に備える場合、サーバ1から送信される予定の量を予め確認することができ、例えば、数量が一定の量を越えた場合にBOC3における処理をする端末の数を増やすなどの対応をすることができる。
【0033】
以上のように、本実施形態によれば、複数の営業店から送られる情報を整理してバックオフィスセンターに送る場合に、顧客情報などを利用してリアルタイムで情報の優先度を決定し、さらに、どの種類の情報がどのくらいの数量なのかを一目で確認することができる情報管理システムを提供することができる。
【0034】
尚、本実施形態では、営業店2における端末を固定端末21としているが、例えば、小型PCやタブレットなどの携帯端末であってもよい。また、優先度を決定する際に設定する優先度は、本実施形態に限定することなく、金融機関に応じて、その優先度を変えてもよく、複数の営業店2から送られるデータをリアルタイムで優先度を決定する構成であればよい。さらに、優先度の決定に際して、他の顧客データや営業店データに基づいて優先度を決定してもよい。また、優先度を決定する際に必要とする情報は、本実施形態に限定することなく、金融機関に応じて変更してもよい。
【0035】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
【符号の説明】
【0036】
21 固定端末
41 通信部
42 データ取得部
43 優先度決定部
44 リスト生成部