特許第6188060号(P6188060)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6188060
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】鏡
(51)【国際特許分類】
   A47G 1/16 20060101AFI20170821BHJP
【FI】
   A47G1/16 D
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-127043(P2013-127043)
(22)【出願日】2013年6月17日
(65)【公開番号】特開2015-261(P2015-261A)
(43)【公開日】2015年1月5日
【審査請求日】2016年3月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002462
【氏名又は名称】積水樹脂株式会社
(72)【発明者】
【氏名】井阪 敏
(72)【発明者】
【氏名】荒川 義一
(72)【発明者】
【氏名】大前 晶
(72)【発明者】
【氏名】来田 恭平
【審査官】 青木 正博
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3144951(JP,U)
【文献】 実開平02−130327(JP,U)
【文献】 特開2001−245765(JP,A)
【文献】 実開平04−016962(JP,U)
【文献】 実開昭59−044347(JP,U)
【文献】 実開昭51−138297(JP,U)
【文献】 特開2002−017531(JP,A)
【文献】 特開2007−190437(JP,A)
【文献】 実開昭57−104968(JP,U)
【文献】 実開昭53−095296(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 67/00−67/04
A47G 1/00− 7/08
G09F 7/00− 7/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂板の表面に金属箔を形成して構成され、表面に鏡面が形成された板状の鏡本体と、
前記鏡本体を支持すると共に平板状に維持する支持部と、
前記支持部と連結され、前記鏡本体を床面に自立させる脚部とを備え、
前記支持部は、
前記鏡本体の上端部を前記鏡本体の前後方向で把持する第1把持部と、
前記鏡本体の下端部を前記鏡本体の前後方向で把持する第2把持部と、
前記鏡本体の左端部の裏面に取り付けられた第1取付部と、
前記鏡本体の右端部の裏面に取り付けられた第2取付部と
左右方向に長さが可変である棒材とを有し、
前記第一の取付部及び第二の取付部は、前記鏡本体の左右方向の異なる位置に固定されるように前記棒材に連結されている鏡。
【請求項2】
前記第1取付部は、前記鏡本体の左端部から突き出ないように取り付けられ、
前記第2取付部は、前記鏡本体の右端部から突き出ないように取り付けられる
請求項1に記載の鏡。
【請求項3】
前記第1取付部及び前記第2取付部は、前記鏡本体の裏面に着脱可能に取り付けられる
請求項1又は2に記載の鏡。
【請求項4】
前記第1把持部は、前記左右方向に延設され、内側に前記鏡本体の上端部が配置された
コ字状の枠材を有し、
前記第2把持部は、前記左右方向に延設され、内側に前記鏡本体の下端部が配置された
コ字状の枠材を有する
請求項1〜3のいずれか1項に記載の鏡。
【請求項5】
前記鏡本体は、樹脂板の表面に金属箔としてのステンレスを形成して構成され、
前記ステンレスの表面には、保護フィルムが形成されている
請求項1〜4のいずれか1項に記載の鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鏡に関し、特に自立式の姿見鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、体育館等の屋内スポーツ施設内又はグラウンド等の屋外スポーツ施設内では、スポーツ練習用に姿見鏡が設けられている。このような姿見鏡については、特にゴルフ及びダンス等の身体全体を写した練習に用いることを考慮して鏡面の大型化が要求される。さらには、練習においてボール等が誤って衝突する可能性を考慮して、破損され難い特性も要求される。
【0003】
このような2つの要求に応える鏡に関する技術が特許文献1に開示されている。特許文献1においては、硬質プラスチック板をアルミニウム材で狭着し、一面側を電気メッキして鏡面部とし、他面側を焼付塗装して裏面部として鏡本体が形成されている。そして、鏡本体の裏面部の左右両端部には筒状支柱が取り付けられ、この筒状支柱の下端にはキャスターの付いた逆T字状バーが着脱自在で嵌合されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−190437号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1の鏡においては、鏡本体が可撓性のプラスチックを基材として構成されているため、鏡本体を大型化するに従って鏡本体に撓みが発生し易くなる。このような鏡本体の撓みは鏡像の歪みを生むため、被写体としての実体を正確に写すことを困難にする。しかしながら、特許文献1の鏡は、上下方向の撓みについては鏡本体の裏面に筒状支柱を取り付けることで対応しているものの、左右方向の撓みを抑えるための構成はなく、鏡本体の大型化に伴い特に左右方向の撓みが発生し易くなる。
【0006】
また、特許文献1の鏡においては、鏡本体の支持部としての筒状支柱に対する鏡本体の取り付けは両面接着テープ又は面状ファスナーにより行われているが、鏡本体を大型化するに従って鏡本体の重量は大きくなる。従って、このような両面接着テープ又は面状ファスナーによる簡易な取り付けのみでは、鏡本体の重量の増加に対して支持部及び鏡本体の結合を維持することが困難である。
【0007】
そこで、本発明は、かかる問題点に鑑み、鏡本体が大型化された場合でも、鏡本体の撓みを抑えつつ、鏡本体及び支持部の結合を維持することが可能な鏡を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る鏡は、樹脂板の表面に金属箔を形成して構成され、表面に鏡面が形成された板状の鏡本体と、前記鏡本体を支持すると共に平板状に維持する支持部と、前記支持部と連結され、前記鏡本体を床面に自立させる脚部とを備え、前記支持部は、前記鏡本体の上端部を前記鏡本体の前後方向で把持する第1把持部と、前記鏡本体の下端部を前記鏡本体の前後方向で把持する第2把持部と、前記鏡本体の左端部の裏面に取り付けられた第1取付部と、前記鏡本体の右端部の裏面に取り付けられた第2取付部と、左右方向に長さが可変である棒材とを有し、前記第一の取付部及び第二の取付部は、前記鏡本体の左右方向の異なる位置に固定されるように前記棒材に連結されていることを特徴とする。
【0009】
ここで、前記第1取付部は、前記鏡本体の左端部から突き出ないように取り付けられ、前記第2取付部は、前記鏡本体の右端部から突き出ないように取り付けられてもよい。
また、前記第1取付部及び前記第2取付部は、前記鏡本体の裏面に着脱可能に取り付けられてもよい。
【0010】
また、前記第1把持部は、前記左右方向に延設され、内側に前記鏡本体の上端部が配置されたコ字状の枠材を有し、前記第2把持部は、前記左右方向に延設され、内側に前記鏡本体の下端部が配置されたコ字状の枠材を有してもよい。
また、前記鏡本体は、樹脂板の表面に金属箔としてのステンレスを形成して構成され、前記ステンレスの表面には、保護フィルムが形成されていてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、鏡本体が大型化された場合でも、鏡本体の撓みを抑えつつ、鏡本体及び支持部の結合を維持することが可能な鏡を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態に係る鏡の構成を模式的に示す正面図である。
図2】本発明の実施形態に係る鏡の構成を模式的に示す背面図である。
図3】本発明の実施形態に係る鏡の構成を模式的に示す側面図である。
図4】本発明の実施形態に係る鏡の構成を模式的に示す平面図である。
図5】本発明の実施形態に係る鏡の支持部及び脚部の構成を模式的に示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
本発明の実施形態に係る鏡10について、図1図5を用いて説明する。
【0014】
図1は、本実施形態に係る鏡10の構成を模式的に示す正面図である。図2は、本実施形態に係る鏡10の構成を模式的に示す背面図である。図3は、本実施形態に係る鏡10の構成を模式的に示す側面図である。図4は、本実施形態に係る鏡10の構成を模式的に示す平面図である。図5は、本実施形態に係る鏡10の支持部12及び脚部13の構成を模式的に示す正面図である。なお、図5では、鏡10から鏡本体11が除かれている。
【0015】
この鏡10は、床面に立設可能な自立式かつ可搬式の鏡であり、鏡面10aを持つ板状の鏡本体11と、鏡本体11を支持すると共に平板状に維持する支持部12と、支持部12と連結され、鏡本体11を床面に自立させる脚部13とを備える。
【0016】
鏡本体11は、前方から正面視又は後方から背面視したとき矩形状である可撓性の板材であり、正面つまり表面に鏡面10aが形成されている。鏡本体11は、芯材としての樹脂板と、樹脂板の表面に接合された金属箔と、樹脂板と金属箔とを接着する接着層とを有し、金属箔の表面が鏡面仕上げされて鏡本体11の鏡面10aが形成されている。鏡面10aを構成する金属箔の表面には保護フィルムが形成されている。なお、鏡本体11の強度を考慮して樹脂板の裏面に金属箔が形成されてもよい。また、鏡面10aを構成する金属箔の表面には、合成樹脂等から構成され、樹脂板より薄い保護フィルムが形成されてもよい。
【0017】
鏡本体11の樹脂板としては、ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル樹脂あるいはABS樹脂等の合成樹脂からなる板材又はこれらの発泡体を用いることができる。また、鏡本体11の金属箔としては、ステンレス、アルミニウム、鉄鋼又はチタニウム等からなる金属箔を用いることができる。さらに、接着層としては、ウレタン系又はエポキシ系等の接着剤を用いることができる。なお、鏡本体11の厚みを2mmとして形成する場合には、鏡本体11の金属箔の厚みは例えば0.1〜0.8mm程度とされる。
【0018】
支持部12は、鏡本体11の長手方向の一端部である上端部11aを鏡本体11の前後方向で把持、言い換えると狭持する第1把持部21と、鏡本体11の長手方向の他端部である下端部11bを鏡本体11の前後方向で把持、言い換えると狭持する第2把持部22とを有している。そして、支持部12は、さらに、第1把持部21及び第2把持部22が鏡本体11の上下方向の異なる位置に間隔を開けて固定されるように鏡本体11の上下方向に延設され、脚部13と連結された支柱23を有している。支持部12は、例えば鋼管等の金属の棒材から構成されている。
【0019】
支柱23は、鏡本体11の裏面側、言い換えると後方に配置され、鏡本体11の長手方向、言い換えると鏡本体11の上下方向に沿って延設された2つの縦角筒と、鏡本体11の短手方向、言い換えると鏡本体11の左右方向に沿って延設された3つの横角筒とを連結して形成されている。このような支柱23において、鏡本体11の上下方向に沿って延設された2つの縦角筒には鏡本体11の左右方向に沿って延設された3つの横角筒が架設されると共に、第1把持部21及び第2把持部22が架設されている。これら複数の縦角筒及び横角筒並びに第1把持部21及び第2把持部22の連結は、例えば溶接により行われる。そして、複数の縦角筒及び横角筒の一側面は、鏡本体11の裏面と略平行な状態で対向している。
【0020】
第1把持部21は、鏡本体11の左右方向に沿って延設され、内側に鏡本体11の上端部11aが配置されたコ字状の枠材21aと、枠材21aに形成されたネジ孔に螺合し、枠材21aの内面に鏡本体11の上端部11aを押し付けるネジ21bとを有している。枠材21aは、鏡本体11の左右方向、言い換えると枠材21aの長さ方向の異なる位置に複数のネジ孔を有しており、それぞれのネジ孔に対応してネジ21bが設けられて枠材21aの長さ方向の異なる複数箇所で鏡本体11の上端部11aが把持されている。枠材21aのネジ孔は鏡本体11の裏面側に形成されているため、ネジ孔にネジ21bを締結することにより、枠材21a内側で鏡本体11の裏面側から前面側に向けて鏡本体11の上端部11aが押圧されて枠材21aの内面に押し当てられる。
【0021】
第2把持部22も第1把持部21と同様の構成を有する。つまり、第2把持部22は、鏡本体11の左右方向に沿って延設され、内側に鏡本体11の下端部11bが配置されたコ字状の枠材21aと、枠材21aに形成されたネジ孔に螺合し、枠材21aの内面に鏡本体11の下端部11bを押し付けるネジ21bとを有している。枠材21aは、鏡本体11の左右方向、言い換えると枠材21aの長さ方向の異なる位置に複数のネジ孔を有しており、それぞれのネジ孔に対応してネジ21bが設けられて枠材21aの長さ方向の異なる複数箇所で鏡本体11の下端部11bが把持されている。枠材21aのネジ孔は鏡本体11の裏面側に形成されているため、ネジ孔にネジ21bを締結することにより、枠材21a内側で鏡本体11の裏面側から前面側に向けて鏡本体11の下端部11bが押圧されて枠材21aの内面に押し当てられる。
【0022】
支持部12は、さらに、鏡本体11の左右方向の一端部である左端部11cの裏面に着脱可能に取り付けられた第1取付部24と、鏡本体11の短手方向の他端部である右端部11dの裏面に取り付けられた第2取付部25とを有している。そして、支持部12は、さらに、第1取付部24及び第2取付部25が鏡本体11の左右方向の異なる位置に間隔を開けて固定されるように鏡本体11の左右方向に延設され、支柱23と連結された棒材26を有している。第1取付部24、第2取付部25及び棒材26の連結は例えば溶接により行われ、棒材26及び支柱23の連結は例えばネジにより行われる。
【0023】
第1取付部24は、裏面が棒材26と結合され、表面が鏡本体11の左端部11cの裏面と対向する板材24aと、板材24aの表面と鏡本体11の左端部11cの裏面との間に設けられて両者を着脱可能に結合する結合材24bとを有している。板材24aは、鏡本体11の上下方向の中央付近に設けられている。結合材24bとしては両面接着テープ又は面状ファスナー等を用いることができる。面状ファスナーを用いる場合には、板材24a及び鏡本体11のいずれか一方に鉤状の突起が付いた面材が取り付けられ、板材24a及び鏡本体11のいずれか他方にパイル状の面材が取り付けられる。
【0024】
第2取付部25も第1取付部24と同様の構成を有する。つまり、第2取付部25は、裏面が棒材26と結合され、表面が鏡本体11の右端部11dの裏面と対向する板材24aと、板材24aの表面と鏡本体11の右端部11dの裏面との間に設けられて両者を着脱可能に結合する結合材24bとを有している。板材24aは、鏡本体11の上下方向の中央付近に設けられている。結合材24bとしては両面接着テープ又は面状ファスナー等を用いることができる。
【0025】
棒材26は、鏡本体11の裏面から隙間を開けて設けられるため、棒材26と鏡本体11の裏面との間の隙間に手を入れて、棒材26を掴むことができる。その結果、棒材26を容易に掴んで鏡10を搬送することができる。
【0026】
脚部13は、鏡本体11の前後方向に沿って延設された前後角筒13aと、前後角筒13aの床面と対向する一側面に設けられたキャスター13bとを有している。前後角筒13aは、支持部12の支柱23、具体的には鏡本体11の上下方向に沿って延設された支柱23の2つの縦角筒のそれぞれに対応して設けられ、対応する縦角筒の下端に連結されている。1つの前後角筒13aに対してキャスター13bは2つ設けられており、一方は鏡本体11の表面側に位置し、他方は鏡本体11の裏面側に位置している。このキャスター13bを駆動させることにより、鏡10を所望の場所に移動させることができる。
【0027】
上記構成を有する鏡10の組み立てにおいては、まず、連結された支持部12及び脚部13が用意される。そして、支持部12の第1把持部21及び第2把持部22の枠材21a内に、枠材21aの長さ方向に鏡本体11の上端部11a及び下端部11bが左右方向からスライド挿入される。そして、第1取付部24及び第2取付部25の結合材24bにより、支持部12の第1取付部24及び第2取付部25の板材24aと鏡本体11の左端部11c及び右端部11dとが結合されて鏡10が組み立てられる。
【0028】
以上のように本実施形態の鏡10は、樹脂板の表面に金属箔を形成して構成され、表面に鏡面10aが形成された板状の鏡本体11と、鏡本体11を支持すると共に平板状に維持する支持部12と、支持部12と連結され、鏡本体11を床面に自立させる脚部13とを備える。そして、支持部12は、鏡本体11の上端部11aを鏡本体11の前後方向で把持する第1把持部21と、鏡本体11の下端部11bを鏡本体11の前後方向で把持する第2把持部22とを有する。そして、支持部12は、さらに、鏡本体11の左端部11cの裏面に取り付けられた第1取付部24と、鏡本体11の右端部11dの裏面に取り付けられた第2取付部25とを有する。このとき、第1取付部24は、鏡本体11の左端部11cから突き出ないように取り付けられ、第2取付部25は、鏡本体11の右端部11dから突き出ないように取り付けられる。また、鏡本体11は、樹脂板の表面に金属箔としてのステンレスを形成して構成され、このステンレスの表面には、保護フィルムが形成されている。
【0029】
このような構成により、支持部12は、第1把持部21及び第2把持部22により鏡本体11の上下両端部を掴み、第1把持部21及び第2把持部22を上下方向で所望の間隔を開けた位置に固定できる。従って、支持部12は、鏡本体11の周縁に枠材が形成されなくても、第1把持部21及び第2把持部22により鏡本体11を上下方向に引っ張って維持できるため、鏡本体11が大型化又は小型化された場合でも、鏡本体11の上下方向の歪み発生を抑えることができる。
【0030】
また、支持部12は、第1取付部24及び第2取付部25を鏡本体11の左右両端部の裏面に固定し、第1取付部24及び第2取付部25について左右方向で所望の間隔を開けた位置に固定できる。従って、支持部12は、鏡本体11の周縁に枠材が形成されなくても、第1取付部24及び第2取付部25により鏡本体11を左右方向に引っ張って維持できるため、鏡本体11が大型化又は小型化された場合でも、鏡本体11の左右方向の歪み発生を抑えることができる。
【0031】
また、支持部12は、第1把持部21及び第2把持部22により鏡本体11の上下両端部を掴んで鏡本体11を支持するため、鏡本体11が大型化された場合でも、鏡本体11及び支持部12の結合を維持することができる。
【0032】
また、第1把持部21及び第2把持部22は鏡本体11の上下両端部を把持するために、鏡本体11の上下両端部から外側に突き出して設ける必要がある。しかしながら、第1取付部24及び第2取付部25については、鏡本体11の左右両端部の裏面に結合されるだけなので、鏡本体11の左右両端部から外側に突き出さないように設けることができる。従って、鏡10を複数並べて配置し、さらに大型の鏡を実現する場合でも、隣り合う鏡10で鏡本体11の左端部11c及び右端部11dを接合させることができ、複数の鏡10を隙間が生じないように並べることができる。その結果、さらなる大型化が可能な鏡10を実現することができる。なお、このような複数の鏡10を並べる構成において、隣り合う鏡10の連結状態を強固にする部材がさらに設けられてもよい。例えば、隣り合って配置された2つの第1把持部21の両方が内側に配置され、この第1把持部21の両方にネジ等で固定されるコ字状の枠材21aが設けられてもよい。
また、本実施形態の鏡10では、第1取付部24及び第2取付部25は、鏡本体11の裏面に着脱可能に取り付けられる。
このような構成により、鏡10の組み立てを容易にすることができる。従って、鏡本体11が破損した場合でも鏡本体11の交換を容易に行うことができる。
【0033】
また、本実施形態の鏡10では、第1把持部21は、鏡本体11の左右方向に延設され、内側に鏡本体11の上端部11aが配置されたコ字状の枠材21aを有する。そして、第2把持部22は、鏡本体11の左右方向に延設され、内側に鏡本体11の下端部11bが配置されたコ字状の枠材21aを有する。
【0034】
このような構成により、鏡本体11が上端部11a及び下端部11bにおいて鏡本体11の左右方向の複数箇所で把持されるため、鏡本体11がさらに大型化された場合でも、鏡本体11及び支持部12の結合を維持することができる。
また、本実施形態の鏡10では、支柱23及び棒材26は、金属により構成される。
【0035】
このような構成により、第1把持部21及び第2把持部22の間隔を維持する支柱23と、第1取付部24及び第2取付部25の間隔を維持する棒材26とが剛性の高い金属により構成される。従って、鏡本体11がさらに大型化された場合でも、鏡本体11の歪みの発生を抑えることができる。
【0036】
以上、本発明の鏡について、実施形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施形態に限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲内で当業者が思いつく各種変形を施したものも本発明の範囲内に含まれる。
【0037】
例えば、上記実施形態において、鏡本体の周縁に枠材が形成されないとしたが、鏡本体を強く平板状に維持したい場合には、鏡本体の周縁に高剛性、例えば金属製の枠材が取り付けられてもよい。この場合、鏡本体の周縁の枠材が鏡本体の上端部及び下端部となる。
【0038】
また、上記実施形態において、支持部は、第1把持部及び第2把持部を鏡本体の上下方向の異なる位置に固定する部材を1つの支柱で構成したが、複数の支柱を連結して構成してもよい。同様に、支持部は、第1取付部及び第2取付部を鏡本体の左右方向の異なる位置に固定する部材を1つの棒材で構成したが、複数の棒材を連結して構成してもよい。
【0039】
また、上記実施形態において、第1把持部及び第2把持部を鏡本体の上下方向の異なる位置に固定する支持部の支柱は、鏡本体の上下方向に長さが可変であってもよい。この場合、鏡本体の上下方向において、鏡本体の大きさに合わせて支柱の長さを調整し、第1把持部及び第2把持部の間隔を調整することができるため、設計自由度の高い鏡を実現することができる。
【0040】
同様に、上記実施形態において、第1取付部及び第2取付部を鏡本体の左右方向の異なる位置に固定する棒材は、鏡本体の左右方向に長さが可変であってもよい。この場合、鏡本体の左右方向において、鏡本体の大きさに合わせて棒材の長さを調整し、第1取付部及び第2取付部の間隔を調整することができるため、設計自由度の高い鏡を実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、鏡として有用であり、スポーツ練習用の姿見鏡等において広く利用することができる。
【符号の説明】
【0042】
10 鏡
10a 鏡面
11 鏡本体
11a 上端部
11b 下端部
11c 左端部
11d 右端部
12 支持部
13 脚部
13a 前後角筒
13b キャスター
21 第1把持部
21a 枠材
21b ネジ
22 第2把持部
23 支柱
24 第1取付部
24a 板材
24b 結合材
25 第2取付部
26 棒材
図1
図2
図3
図4
図5