特許第6188084号(P6188084)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6188084レベルループ制御のための方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6188084
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】レベルループ制御のための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   G01F 1/00 20060101AFI20170821BHJP
   G05D 9/12 20060101ALI20170821BHJP
【FI】
   G01F1/00 T
   G05D9/12 Z
【請求項の数】19
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2014-524070(P2014-524070)
(86)(22)【出願日】2012年8月2日
(65)【公表番号】特表2014-529063(P2014-529063A)
(43)【公表日】2014年10月30日
(86)【国際出願番号】US2012049313
(87)【国際公開番号】WO2013022695
(87)【国際公開日】20130214
【審査請求日】2015年6月26日
(31)【優先権主張番号】61/515,687
(32)【優先日】2011年8月5日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591055436
【氏名又は名称】フィッシャー コントロールズ インターナショナル リミテッド ライアビリティー カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100098914
【弁理士】
【氏名又は名称】岡島 伸行
(72)【発明者】
【氏名】ペセック, トマス
(72)【発明者】
【氏名】バーレイジ, ブライアン
【審査官】 谷山 稔男
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第04530463(US,A)
【文献】 特開2009−068997(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0314798(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F 1/00−9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンク内の液体の第1の圧力を、圧力センサを介して判定することと、
前記タンク内の前記液体の第2の圧力を、前記タンク内から流出する液体の流量を測定するタービン流量計を介して判定することと、
前記第1の圧力が前記第2の圧力からの指定偏差範囲以内であるかどうかを判定し、前記タービン流量計の動作状態を判定することと、
前記タービン流量計が、前記タービン流量計の前記状態に基づいて保守が行われる必要があることを示す診断メッセージを送信することと、
を含む、プロセスループ制御によりタービン流量計の診断をするための方法。
【請求項2】
前記第1の圧力または前記第2の圧力に基づき、前記タンク内の前記液体の量を判定することと、
前記液体の前記量が事前決定されたしきい値を超えるときに、弁を開いて前記タンクから前記液体の一部分を放出することと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記液体が前記タンクから溢れてガス用の配管に入ることを阻止するために、前記液体の前記部分が放出される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記弁を開く量を前記量に基づいて判定することをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記弁を開く時間の長さおよび前記弁を開く量を前記量に基づいて判定することをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
記第1の圧力または前記第2の圧力に基づいて判定した前記タンク内の前記液体の量が第2の事前決定されたしきい値を下回るのを防ぐために前記弁を閉じることと、
をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記タンク内の前記液体が前記第2の事前決定されたしきい値を下回ることを阻止するために前記弁を閉じることは、ガスが前記液体用の配管に入って外部環境へ排気されることを阻止する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記液体が前記タンク内であるレベルにあることの表示を、レベルセンサから受け取ることと、
前記第1の圧力を前記タンク内の前記液体の前記レベルに基づいて判定することと、
をさらに含む、請求項1からのいずれか一つに記載の方法。
【請求項9】
タービン流量計の動作状態を判定するために、タンク内の液体の第1の圧力に相当する第1の圧力出力が、前記タンク内の液体の第2の圧力に相当する第2の圧力出力から指定偏差範囲内にあるかどうかを判定するための比較器であって、前記第1の圧力出力は前記タンク内の圧力センサから送信され、前記第2の圧力出力は前記タービン流量計であって、前記タンク内から流出する液体の流量を測定するタービン流量計からの出力に相当する、比較器と、
前記タービン流量計が、前記タービン流量計の前記動作状態に基づいて、保守が行われることを必要とすることを示す診断メッセージを送信するためのインターフェースと、
を備える、プロセスループ制御によりタービン流量計の診断をするための装置。
【請求項10】
前記タービン流量計からの前記第2の圧力出力は前記タンクから外への前記液体の一部分の流量であり、前記比較器は前記流量を前記第2の圧力に変換する、請求項に記載の装置。
【請求項11】
前記タンク内の液体の量が事前決定されたしきい値を超えるとき、前記タンクから前記液体の一部分を放出するために、ダンプ弁の電気アクチュエータに対して弁部材を開くように命令するアクチュエータドライバをさらに備える、請求項に記載の装置。
【請求項12】
前記比較器は前記液体の前記量に基づいて前記弁部材の最大の開きを判定し、
前記アクチュエータドライバは、流量調整器を前記弁部材の前記判定された最大の開きに調整するように、前記電気アクチュエータに命令する、
請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記比較器は、前記液体の前記量および前記タンク内のガスの圧力に基づいて、前記ダンプ弁を開く時間の長さを判定する、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記比較器は、前記タービン流量計からの第の圧力出力に基づいて前記液体の量を判定し、
前記アクチュエータドライバは、前記タンク内の前記液体の量が第2の事前決定されたしきい値を下回ることを阻止するために、前記ダンプ弁を閉じるように前記電気アクチュエータに命令する、
請求項11に記載の装置。
【請求項15】
前記タンクは、掘削孔から抽出される液体から天然ガスを分離するための分離機である、請求項11から14のいずれか一つに記載の装置。
【請求項16】
少なくとも、
タンク内の液体の第1の圧力を、圧力センサを介して判定することと、
前記タンク内の前記液体の第2の圧力を、前記タンク内から流出する液体の流量を測定するタービン流量計を介して判定することと、
前記第1の圧力が前記第2の圧力からの指定偏差範囲内であるかどうかを判定し、前記タービン流量計の動作状態を判定することと、
前記タービン流量計の前記状態に基づいて、前記タービン流量計が保守を受ける必要があることを示す診断メッセージを送信することと、
により実行時に機械にタービン流量計の診断を実施させる命令を中に記憶させた、有形機械アクセス可能媒体。
【請求項17】
記第1の圧力または前記第2の圧力に基づいて前記タンク内の前記液体の量を判定することと、
前記液体の前記量が事前決定されたしきい値を超えるときに、弁を開いて前記タンクから前記液体の一部分を放出することと、
を実行時に前記機械に行わせる命令を記憶させた、請求項16に記載の有形機械アクセス可能媒体。
【請求項18】
行時に、前記液体の前記量に基づいて、前記弁を開く時間の長さおよび前記弁を開く量を前記機械に判定させる命令を記憶させた、請求項17に記載の有形機械アクセス可能媒体。
【請求項19】
行時に、
前記第1の圧力または前記第2の圧力に基づいて前記液体の量を判定することと、
ガスが前記液体用の配管に入るのを阻止するために、前記弁を閉じて前記タンク内の前記液体の量が第2の事前決定されたしきい値を下回ることを阻止することと、
を前記機械に実施させる命令を記憶させた、請求項17に記載の有形機械アクセス可能媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般的に制御システムに関し、より具体的には、レベルループ制御のための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
天然ガス井戸現場(例えば、非随伴井戸現場)は一般に天然ガスを液体から分離するための分離機を含む。これらの液体は、例えば、水、油、および泥を含み得る。分離機は、液体および/または水蒸気ならびにガスの、分離機内の各収集チャンバ内での収集を容易にすることにより、採掘された天然ガスが液体および/または水蒸気から分離されることを可能にする。液体収集チャンバ内の液体は、液体貯蔵タンクにパイプで送られ、後ほど泥および水から油を分離する。ガス収集タンク内のガスは、一般に天然ガス処理ステーション、または代替的に、天然ガス収集タンクにパイプで送られる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
分離機の液体収集タンク内の液体レベルは、通常は低しきい値レベルと高しきい値レベルの間に維持されなければならない。液体レベルが低しきい値レベルを下回る場合は、天然ガスが液体貯蔵タンク内に入ることがあり得、大気中に排気される可能性があり、これは潜在的に危険な事態になり得る。液体レベルが高しきい値レベルを超える場合は、その液体は天然ガス配管に入ることがあり得、配管内の閉塞および/または割れを生じ得る。
【課題を解決するための手段】
【0004】
レベルループ制御に関する方法および装置例が記述される。方法例は、タンク内の液体の第1の圧力を、センサを介して判定すること、およびそのタンク内の液体の第2の圧力を、タービン流量計を介して判定することを含む。方法例は、また、タービン流量計の動作状態を判定するために、第1の圧力が第2の圧力から指定偏差範囲内であるかどうかを判定すること、また、タービン流量計の状態に基づいて、タービン流量計が保守を受ける必要があることを示す診断メッセージを送信することを含む。
【0005】
開示される装置例は比較器を含み、これはタービン流量計の動作状態を判定するために、タンク内の液体の量に相当する第1の圧力出力がタンク内の液体の量に相当する第2の圧力出力から指定偏差範囲内であるかどうかを判定するものであり、上述の第1の圧力出力はタンク内の圧力センサから送信され、そして第2の圧力出力はタービン流量計からの出力に相当している。装置はさらにインターフェースを含み、これはタービン流量計が、タービン流量計の動作状態に基づいて、保守を受ける必要があることを示す診断メッセージを送信するためのものである。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】ダンプ弁例およびコントローラ例を含む天然ガス井戸現場例の図である。
図2図1のダンプ弁例の電気アクチュエータの図である。
図3】ダンプ弁例がコンタクトスイッチを含んでいる、図1の天然ガス井戸現場例を示す。
図4図1および3のコントローラと連動して動作している液体レベルプロセッサ例の図を示している。
図5図1、3、および4の液体レベルプロセッサおよび/またはシステム例を実装するために実施し得るプロセス例を表すフローチャートである。
図6図1、3、および4の液体レベルプロセッサおよび/またはシステム例を実装するために実施し得るプロセス例を表すフローチャートである。
図7図1、3、および4の液体レベルプロセッサおよび/またはシステム例を実装するために実施し得るプロセス例を表すフローチャートである。
図8】本明細書に記述される方法および装置例を実装するために使用し得るプロセッサシステム例の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下では、他の構成要素の中で、ハードウェア上で実行されるソフトウェアおよび/またはファームウェアを含む方法および装置の例を記述するが、そのようなシステムは単に解説のためのものであり、限定しているものとして考えられるべきではないことに注意されたい。例えば、これらのハードウェア、ソフトウェア、およびファームウェア構成要素のいずれかまたはすべては、ハードウェアで排他的に、ソフトウェアで排他的に、あるいはハードウェアとソフトウェアの組み合わせにおいて具現化可能であることが企図される。したがって、以下は天然ガス井戸現場との関連において記述される方法および装置の例を記述するが、その方法および装置の例は、いかなる適用においてもガスを液体から分離するために使用可能である。
【0008】
天然ガス井戸現場は、未純化天然ガスを地下天然貯蔵所から抽出する。天然ガスは地面から液体、泥、およびガスの液体混合物の形で抽出される。天然ガスを純化するための最初のステップの1つは、ガスから液体、泥、および/または水蒸気を分離することであり、抽出されたガスがメタンおよび他の炭化水素副生成物へとさらに精製されることを可能にする。既知の井戸現場は、分離機を使用して液体および/または水蒸気を天然ガスから分離する。分離機はタンクであり、液体収集チャンバ(例えば、液体収集タンク)およびガス収集チャンバ(例えば、ガス収集タンク)に区画されている。多くの分離機はバッフルも含み、これは水蒸気を凝縮し、液体を液体収集チャンバに向ける。
【0009】
多くの事例では、分離機は配管を介して直接天然ガス井戸または掘削孔に接続される。掘削孔から抽出された液体とガスの混合物は、分離機に向けられ、これは次に、液体が液体収集チャンバ内の分離機の底部で凝縮することおよびガスが分離機の頂部で収集されることを可能とし、ガスを液体から受動的に分離する。液体収集チャンバ内の液体は、液体貯蔵タンクにパイプで送られ、のちに水から油を分離する。ガス収集チャンバ内のガスは、処理施設またはガス貯蔵タンクにパイプで送られ、そして天然ガス処理施設に輸送される。
【0010】
液体配管は、液体を分離機の液体収集チャンバ内で指定レベルに維持するためにダンプ弁によって通常は制御される。液体があるレベルを下回ると、ガスは液体配管および液体貯蔵タンク内に入ることが可能であり、これらは通常通気されている。このようにして、液体貯蔵タンクに到達したいかなるガスも脱出して大気に到達することが可能であり、これは爆発環境を生じる可能性があり、また行政機関からの罰金を生じ得る。さらに、分離機内の液体があるレベルを超えた場合、液体はガス配管に入ることが可能である。その場合、液体が凍結した場合には、液体が配管を詰まらせる可能性があり、あるいは配管を割る可能性がある。このようにして、液体レベルを制御するためのダンプ弁の制御は、分離機および相当する天然ガス井戸現場の操作に関する重要な点である。
【0011】
従来、ダンプ弁は、天然ガスが井戸現場において容易に入手可能であるため、便宜上、収集されたガスの圧力によって電力が供給される。しかしながら、通常のダンプ弁操作中は、一部のガスは大気中に排気されなければならない。このガスの排気は、あるいは販売可能であったかもしれない天然資源を無駄にする。さらに、井戸現場におけるガスの品質は一貫性がなく、これはダンプ弁の操作に悪影響を及ぼす一部の不純物または微粒子を生じる可能性がある。
【0012】
多くの知られた井戸現場では、液体収集タンク内のしきい値レベルを定義するためにレベルスイッチが使用される。液体レベルがレベルスイッチに到達すると、スイッチは、液体があるレベルに到達した旨の命令および/または表示(例えば、信号)をコントローラに送る。この表示に応えて、コントローラはダンプ弁に対して、収集タンク内の液体のレベルを削減するためにある期間開くよう命令する。ダンプ弁の開きは一般的に、液体は天然ガス井戸から均一に生成されるものではないため、液体のあるレベルの感知に反応するものである。例えば、あるときには比較的大量の液体が井戸から抽出される場合があり、また他のときには比較的少量の液体が抽出される。
【0013】
さらに、多くの知られた天然ガス井戸現場では、液体収集チャンバから液体貯蔵タンクに流れる液体の速度を判定するために、タービン流量計が使用される。タービン流量計はしばしば液体配管内に配置される。いくつかの事例においては、タービン流量計は止まったり、あるいは回転困難となる可能性があり、これは不正確な流量出力を生じる。いくつかの事例においては、タービン流量計からの不正確な流量出力は、ダンプ弁コントローラによる液体収集チャンバ内の液体レベルの不正確な判定に帰結し、これによって液体は指定しきい値を超過したり、下回ったりする結果となる。これらの事例においては、技術者は分離機まで移動し、液体収集チャンバ内の液体レベルを手動で判定したり、タービン流量計を修理しなければならないこともあり得る。いくつかの現行例においては、操作者は設定されたスケジュール(例えば、2日ごと)および/または液体貯蔵タンク内に設置された別のレベル検出装置(例えば、レベル検出装置)から受信したフィードバックに基づき、液体貯蔵タンクを空にしなければならない場合もある。しかしながら、そのような手法はコストがかかり、および/または技術者が液体貯蔵タンクを空にするために井戸現場まで移動した時点において、液体貯蔵タンクは過剰および/または不足という結果も生じ得る。
【0014】
分離機の液体収集チャンバ内の液体レベルを維持するためには、レベルスイッチは変化する液体レベルに対して比較的応答性がよくなければならない。しかしながら、知られたレベルスイッチの応答時間は、液体の粘度、温度、圧力、および/または組成に基づき、数秒から数分の範囲がある。さらに、レベルスイッチは液体の圧力は検出できない。さらに、多くの知られたダンプ弁制御システムは、比較的低応答時間の弁を利用する。これらの低応答時間は液体収集チャンバからの液体の放出遅れを生じる可能性があり、それによって分離機は液体溢れにさらされる。これらの既知の問題は、見積もりよりも早く収集チャンバから液体が排出されるという結果も生じる可能性があり、それによってガスは液体貯蔵タンク内に侵入可能である。
【0015】
本明細書に開示される方法、装置、および製品例は、比較的速やかに液体レベルの変化に応答する包括的な電気ウェルヘッド制御システムを介した分離機のための液体レベルループ制御を提供する。本明細書に開示される方法、装置、および製品例は、液体の圧力に基づいてダンプ弁を通過する液体の量の見積もりを可能とし、例えば、液体収集チャンバおよび/または液体配管内に圧力センサを実装し得る。いくつかの例においては、圧力センサはダンプ弁と一体化し得る。液体量の見積もりはタービン流量計からの出力をチェックするために使用可能であり、そして/または分離機内の流体レベルのより高い信頼性を提供し得る。
【0016】
本明細書に開示される方法、装置、および製品例は、圧力センサ例からの圧力出力をタービン流量計と比較し、タービン流量計の動作状態を判定する。具体的には、もしタービン流量計からの圧力出力が圧力センサ例からの指定偏差範囲内でない場合には、本明細書に開示される方法、装置、および製品例は、タービン流量計が保守を必要としていることを示す診断メッセージを送信する。このようにして、本明細書に開示される方法、装置、および製品例による圧力センサの実装は、技術者の分離機への訪問を削減し、そして液体レベルが事前定義されたしきい値を超えていないことの信用性を改善する。
【0017】
本明細書に開示される方法、装置、および製品例は、レベルスイッチの代わりに圧力センサ例を使用してもよい。多くの事例においては、本明細書に開示される方法、装置、および製品例により、利用される圧力センサは、定期的液体圧力出力を提供し、これはいつ事前決定されたしきい値に接近するかを判定するためにダンプ弁コントローラによって使用される。このように、圧力センサ例を使用し、よく知られたレベルスイッチを使用して液体レベルに反応する代わりに、積極的にダンプ弁を開き、および/または閉じるために、液体レベルを予測し得る。さらに、圧力センサ例は既知のレベルスイッチと比較して電力の消耗が比較的少ない。さらに、圧力センサがダンプ弁と一体化されている事例においては、本明細書に開示される方法、装置、および製品例は分離機に連結されるワイヤの数を削減する。
【0018】
本明細書に開示される方法、装置、および製品の例は、電気アクチュエータを備えたダンプ弁をも含み、液体収集チャンバ内の液体圧力および/またはガス収集チャンバ内のガスの圧力に基づいてダンプ弁コントローラによって調整可能である。このようにして、弁部材の移動は、ダンプ弁の再較正(例えば、トリミング)なしで、分離機内の検出される圧力に基づいて修正可能である。ダンプ弁内の電気アクチュエータを利用することにより、比較的高い分解能の弁制御を、分離機から放出される液体の量を制御するためにどれだけ弁部材が開かれるかを指定することにより達成し得る。このようにして、ダンプ弁例における電気アクチュエータは、天然ガス抽出プロセスを停止することなく、分離機からの液体の流れに対して比較的容易で素早い変更を提供する。さらに、電気アクチュエータは比較的低い電力使用を有するように構成され、天然ガスを使用しないため、ダンプ弁の制御および排気のために天然ガスを浪費することが廃絶される。
【0019】
図1は本開示の教示に従って液体レベルループ制御を提供するために建設された天然ガス井戸現場100を示す。天然ガス井戸現場例100は、分離機102を含んでおり、これは液体収集チャンバ104とガス収集チャンバ106に区画される。液体収集チャンバ例104は、堰板108を介して分離機102内に区画されている。分離機例102は、バッフル110を含み、これは入り口配管112を介して分離機102に入る液体を液体収集チャンバ104に向けるものである。バッフル例110は、水蒸気を液体収集チャンバ104内へ落ちることになる水滴に凝縮することも容易化する。
【0020】
入り口配管例112は、天然ガス掘削孔および/または掘削孔内の配管に連結される。入り口配管112は地面から抽出されたガスと液体の混合物を分離機例102内に向ける。この混合物は、例えば、炭化水素ガス(例えば、メタン)、非炭化水素ガス(例えば、水蒸気)、炭化水素液(例えば、油)、および非炭化水素液(例えば、泥、掘削泥、水等)を含む可能性がある。一本の入り口配管112が図1に示されているが、他の例では、分離機102は他の天然ガス井戸からの複数の入り口配管のための接続部を含み得る。
【0021】
分離機例102はレベルスイッチ114および116を含み、液体収集チャンバ104内の液体がいつある量(例えば、堰板108に沿った高さまたはレベル)に到達するかを表示する。レベルスイッチ例114および116は、いつ液体が指定された高さに到達するかを検出するため、機械的、電気的、および/または電気機械的のいずれかのタイプのスイッチおよび/またはセンサを含む。説明されている例では、レベルスイッチ114は液体がいつ高しきい値118に到達するかを表示し、そしてレベルスイッチ116は液体がいつ低しきい値120に到達するかを表示している。レベルスイッチ114および116の堰板108に沿った位置付けが、しきい値118および120を設定する。いくつかの例では、スイッチ114および116は以下に記述するコントローラ122と機械的に連結される浮きまたはディスプレーサに組み込まれる。そのような例では、浮力および結果としての液体のディスプレーサの動きがコントローラ122に送信される。コントローラ122はしきい値118および120、および/またはしきい値118および120間の差分間隙を設定するために使用され得る。
【0022】
液体がしきい値118および/または120に到達すると、各レベルスイッチ114および/または116は表示をコントローラ122に送信する。この表示は、液体収集チャンバ104内の液体が指定しきい値に到達したことをコントローラ122に合図する。レベルスイッチ例114および116は配線(図示されていない)を介してコントローラ122に通信可能に連結される。他の例では、レベルスイッチ114および116はコントローラ122と無線通信可能に連結可能である。
【0023】
説明例のコントローラ例122(例えば、Fisher(登録商標)L2e電気レベルコントローラ)は液体レベルプロセッサ123を含む。液体レベルプロセッサ例123は、例えば、レベルスイッチ114および116から流体量および/または液体レベルの表示を受け取り、ダンプ弁124をいつ開くかおよび/または閉じるかを判定する。液体レベルプロセッサ例123は、分離機102内の状態に基づき、ダンプ弁124内の弁部材125(例えば、ステム)の移動をも調節する。
【0024】
コントローラ例122はダンプ弁124を制御して、配管126を通って液体貯蔵タンク128に至る液体の流れを管理する。この例では、ダンプ値124はアクチュエータ130を備えるFisher(登録商標)D2、D3、またはD4弁であってもよい。いくつかの例では、アクチュエータ130はeasy−Drive(商標)電気アクチュエータ、フィードバック位置を備える空気アクチュエータ、水圧アクチュエータ、電気アクチュエータ等である。電気アクチュエータ例130は配線を介してコントローラ122と通信可能に連結される。コントローラ122および/または液体レベルプロセッサ123からの制御信号(例えば、入力信号)は、例えば、4〜20mA信号、0〜10VDC信号、および/またはデジタル命令等を含み得る。この制御信号は、ダンプ弁例124に関する弁状態を指定し、あるいはそれに相当する。例えば、制御信号はダンプ弁124の弁部材125を開、閉、あるいは中間位置に位置決めし得る。いくつかの例では、コントローラ122は、例えば、Highway Addressable Remote Transducer(HART)プロトコル等のデジタルデータ通信プロトコルを使用し、コントローラおよび/またはダンプ弁124の電気アクチュエータ130と通信し得る。
【0025】
図1のコントローラ例122は、任意の有線および/または無線通信パスを介してコマンドセンター129と通信可能に連結される。コマンドセンター例129は、コントローラ122から離れて位置し、制御担当者が単一位置から多くの天然ガス井戸現場を管理することを可能にし得る。コマンドセンター129は、コントローラ122を監視し、ダンプ弁124および/または分離機102に関するいかなる問題も同定する。コマンドセンター例129は、コントローラ122に対してダンプ弁124を開き、および/または閉じるようにも命令し得る。さらに、コマンドセンター例129は、分離機102、ダンプ弁124、および/またはコントローラ122をオフラインにし、保守、修理、および/または交換を実施し得る。さらに、コマンドセンター129はコントローラ122および/または液体レベルプロセッサ123によって検出された分離機102に関する問題を訂正するために、技術者を送り得る。
【0026】
図1の電気アクチュエータ例130は、図2において比較的より詳細に示されている。電気アクチュエータ130は、例えば、直流12または24ボルト(Vdc)、1.5ワット静止電力消費で動作し得る。他の一般に知られるダンプ弁と比較したときの少ない消費電力は、ダンプ弁例124が比較的低電力消費で分離機102を動作させることを可能とする。さらに、電気アクチュエータ例130はダンプ弁124が天然ガスではなくて電気によって動作されることを可能とし、それにより、分離機102を動作させるために必要な天然資源が削減される。
【0027】
図1および2の電気アクチュエータ例130は、Fisher(登録商標)FloPro液体流量調整器132を含み、これはコントローラ122および/または液体レベルプロセッサ123がダンプ弁124を通る最大液体流量を指定することを可能とする。流量調整器132を電気アクチュエータ130によって変更し、ダンプ弁124の弁部材125の移動を増加または減少させることが可能であり、それによって、ダンプ弁124の最大開位置が変更される。電気アクチュエータ130は、流量調整器132を下げることによってダンプ弁を通る最大液体流を増加させ、弁部材125の移動距離を増加させる。同様にして、電気アクチュエータ130は流量調整器132を上げることによってダンプ弁124を通る最大液体流を減少させ、弁部材125の移動距離を減少させる。このようにして、コントローラ例122は、分離機102内の異なる圧力および/または状態のために電気アクチュエータ130を再較正および/またはトリムを実施しなければならないということなく、ダンプ弁124を通る流体流を制御可能である。
【0028】
図1に戻って流体収集チャンバ104から液体貯蔵タンク128までの配管126は、タービン流量計136を含む。タービン流量計例136は、液体がタービンを回転させる速度に基づき、配管126を通って流れる液体の速度(例えば、流量)を測定する。タービン流量計136は電気、機械、および/または電気機械のどのタイプの流量計を含む。タービン流量計例136は、任意の有線および/または無線通信リンクを介してコントローラ122と通信可能に連結される(図示されていない)。
【0029】
いくつかの事例においては、液体収集チャンバ104内の液体の量(および/または液体のレベル)は、タービン流量計136によって測定される流量と相関し、したがって、コントローラ122の液体レベルプロセッサ123に、タービン流量計136の測定された回転加速度に基づき、流体レベルを推測させることができる。液体レベルプロセッサ例123は、液体の貯蔵タンク128への放出中にダンプ弁124を通過した液体の量を判定するために、タービン流量計136を使用することもできる。放出された液体の量に基づき、液体レベルプロセッサ123はどれだけの量の液体が液体収集チャンバ104内に残っているかを判定し、ダンプ弁124を閉じる時を判定可能である。このようにして、タービン流量計136は、レベルスイッチ114および116からの液体レベル表示とともに、追加の液体レベルデータを液体レベルプロセッサ123に提供する。
【0030】
いくつかの事例においては、タービン流量計136は、引っ掛かったり詰まったり、あるいは回転が落ちる可能性がある。それらの事例においては、液体レベルプロセッサ123は、ダンプ弁124をどれだけの液体が通過したかを判定するための正確な流量情報を受信し得ない。多くの知られた例においては、液体レベルプロセッサ123はいつ液体レベルが低しきい値120に到達したかを表示する低レベルスイッチ116に依存しなければならない。しかしながら、ダンプ弁124に関連する比較的遅い応答時間および/または関連アクチュエータの比較的遅い動作に基づき、液体レベルは、実際の液体レベルが配管126のレベルに近くなる前にしきい値120を超過し得る。液体レベルプロセッサ例123は電気アクチュエータ130に対して比較的迅速にダンプ弁を閉じるように命令することが可能であるが、この遅れは一部のガスが配管126に入るという結果を生ずる可能性がある。
【0031】
タービン流量計136の診断チェックを提供するために、図1の分離機例102は圧力センサ138を含む。圧力センサ例138は、液体の圧力(PLiquid)を検出可能な電気、機械、および/または電気機械のいずれかの圧力センサを含み得る。圧力センサ例138は、任意の有線および/または無線通信リンクを介してコントローラ122の液体レベルプロセッサ123と通信可能に連結される(図示されない)。解説されている例においては、圧力センサ138は液体収集チャンバ104内に示されている。他の例においては、圧力センサ138は配管126内に配置、および/またはダンプ弁124と一体化され得る。圧力センサ138がダンプ弁124と一体化されている例では、圧力センサ138はコントローラおよび/または電気アクチュエータ130を介してコントローラ122と通信し得る。
【0032】
圧力センサ例138は、液体圧力出力が、収集チャンバ104内の液体の量、チャンバ104内の液体のレベル、および/またはダンプ弁124を通って流れる液体の速度に相当するように、液体レベルプロセッサ123と較正される。さらに、液体圧力出力は、配管126を通る液体の既知の流量と相関可能である。このように、圧力出力は、圧力センサ138からの圧力値を、タービン流量計136により報告される流量に相当する変換済み圧力と比較することにより、液体レベルプロセッサ例123にタービン流量計136の動作状態を判定させることが可能である。液体レベルプロセッサ123が、タービン流量計136からの圧力値が圧力センサ138からの圧力値からの指定偏差範囲を外れると判定した場合、液体レベルプロセッサ例123は、タービン流量計136が保守を必要とすることを表示するためにコマンドセンター129に対して診断メッセージを送信する。タービン流量計136が動作不能の間、液体レベルプロセッサ123は圧力センサ138からの圧力出力を使用してダンプ弁124を制御し得る。例えば、液体レベルプロセッサ123は、液体圧力が指定しきい値に近づいたとき、ダンプ弁124を開くかまたは閉じるかを判定し得る。
【0033】
他の例では、圧力センサ138からの圧力出力は、配管126を通る液体の流量に相関化可能であり、タービン流量計136によって表示される流量と比較可能である。コントローラ例122は圧力センサ138からの圧力出力を使用し、流量調整器132を介して弁部材125の最大移動を調整することもできる。例えば、コントローラ122は流量調整器132に対して弁部材125の移動量を増加するように命令し、圧力センサ138によって比較的高い圧力が検出されたときにダンプ弁124を通る最大の流れを増やすことができる。
【0034】
図1の分離機例102は、ガス収集チャンバ106をガス貯蔵タンク142に連結する配管140も含む。ガス収集チャンバ例106は、掘削孔からの流体混合物内のガスを液体から分離させることが可能である。収集チャンバ106内のガスの圧力(例えばPAIR)はガスを比較的低い圧力の貯蔵タンク142へ強いる。代替的に配管140はガスを処理施設に接続するコンプレッサへガスを向けてもよい。
【0035】
図1に示される天然ガス井戸現場例100は、シングルステージ分離機102を示す。他の例では、分離機102、コントローラ122、ダンプ弁124等を、非随伴天然ガス井戸現場および/または油井戸現場内に実装し得る。さらに、天然ガス井戸現場例100は多重ステージ分離機を使用して実装し得る。これらの代替例においては、分離機102は流体混合物から高圧ガスを抽出し、低圧ガスと液体の混合物を、低圧ガスを液体から分離することを可能にする第2の分離機にパイプで送り得る。多重ステージ分離機はそれぞれ、例えば、コントローラ122によって制御されるダンプ弁(例えば、ダンプ弁124と類似のまたは同一の)を有してもよい。さらに、高圧分離機は重水および/または炭化水素を1つの貯蔵タンク内に放出する配管、および油−ガス流体混合物を低圧分離機に放出する別の配管を有してもよい。これらの例では、液体レベルプロセッサ123は多重ダンプ弁の開/閉の制御および/またはとりまとめを行い、指定しきい値内に多重分離機の液体レベルを維持し得る。
【0036】
図3は、接触センサ302を含むダンプ弁例124を備えた、図1の天然ガス井戸現場例100を示す。接触センサ例302は、図1および2の弁部材例125の位置を感知する。接触センサ例302は弁部材125の位置情報を例えば液体レベルプロセッサ123内のフィードバック制御ループのために電気アクチュエータ130に提供し、ダンプ弁124を通る流体流れを制御する。液体レベルプロセッサ例123は、弁部材125の報告位置を使用し、ダンプ弁124の開く量を正確に制御し、それによって正確な液体レベル制御を提供する。接触センサ例302は電気、機械、および/または電気機械のいずれかの接触センサおよび/またはスイッチを含み得る。
【0037】
解説されている例は、電気レベルスイッチ303も含み、液体収集チャンバ104内の液体レベルを測定する。電気レベルスイッチ例303はロッドに対して変位力を課する液体に基づいて液体レベルを検出するタイプの電気スイッチを含んでもよい。電気レベルスイッチ303は、磁気および/または誘導センサのいずれかのタイプを介してロッドの動きを感知し得る。電気レベルスイッチ例303は、コントローラ122に対して液体レベルを示すメッセージおよび/または信号を送る。電気レベルスイッチ303は、任意の有線および/または無線通信リンクを介してコントローラ122と通信可能に連結される。
【0038】
図3の電気レベルスイッチ例303は、液体レベルプロセッサ例123によって圧力センサ138と連携して使用され、収集チャンバ104内の液体量およびダンプ弁124を通って流れる液体の量を判定する。この解説されている例においては、圧力センサ138、電気レベルスイッチ303、および/または接触センサ302は、図1のレベルスイッチ114および116ならびにタービン流量計136に置き換わり、それによって分離機102を操作するために消費される電力を削減する。さらに、解説されている例は配管126内に配置される圧力センサ138を示す。他の例においては、圧力センサ138はダンプ弁124と一体化してもよい。さらに他の例においては、分離機102はガス収集チャンバ106内のガスの圧力を判定するためのエアセンサを含んでもよい。
【0039】
図3においては、天然ガス井戸現場100は遠方の現場であり、太陽光収集システム304によって収集される太陽光を介して動作する。この収集システム304は、太陽からの光エネルギーを電気に変換するための任意の数および/またはタイプのソーラーパネルおよび基幹設備を含み得る。他の例では、天然ガス井戸現場100は1つまたは複数の風力タービンから電力を得てもよい。
【0040】
電力コントローラ306は太陽光収集システム304により収集されたエネルギーを貯蔵する。電力コントローラ306は、コントローラ122、圧力センサ138、および/またはダンプ弁124のためのエネルギーを貯蔵する任意の数および/またはタイプのバッテリを含み得る。この例では、コントローラ122は図1のコマンドセンター129からのいかなる監督もなしに、ダンプ弁124を操作することができ、これは天然ガス井戸現場100が遠方にあるからである。代替的に、コントローラ122はコマンドセンター129と無線により通信可能に連結されてもよい。
【0041】
図3の電力コントローラ例306は、収集システム304からのエネルギー貯蔵ならびに、コントローラ122、圧力センサ138、および/またはダンプ弁124へのエネルギー分配を管理するためのアルゴリズム、ルーチン、および/または機能を含む。液体レベルプロセッサ例123は、ダンプ弁124が開/閉される回数を削減して電力消費を削減するようにも構成され得る。例えば、低しきい値120は配管126のレベルにより近く設定でき、これは圧力センサ138、電気アクチュエータ130、および/または液体レベルプロセッサ123が、検出された液体レベルに対して比較的迅速かつより正確な応答を有するからである。
【0042】
解説されている例においては、低電力電気アクチュエータ130およびコントローラ例122とともに接触センサ例302、電気レベルスイッチ303、および圧力センサ138の利用は、遠方の再生可能エネルギーを使用して分離機例102を操作するための比較的低電力のシステムを提供する。したがって、液体レベルプロセッサ例123は、技術者および/または処理担当者による一定の監視なしで、分離機102内の液体レベルを制御する。この監視削減は、天然ガス井戸現場100の運営のコストを削減する。
【0043】
図4図1および3の液体レベルプロセッサ例123の図を示す。液体レベルプロセッサ例123はコントローラ例122と連携して動作する。例えば、液体レベルプロセッサ123はコントローラ122内の通信機能を使用してコマンドセンター129と通信し得る。さらに、コントローラ122は液体レベルプロセッサ123のための電力を管理し得る。他の例では、液体レベルプロセッサ123を分離し、コントローラ122と通信可能に連結してもよい。これら他の例においては、液体レベルプロセッサ123は、サーバ、コンピュータ、スマートフォン、コンピューティングパッド等によりホストされ得る。
【0044】
図1のレベルセンサ114および116からの表示を受けるために、液体レベルプロセッサ例123は高液体レベル受信機402および低液体レベル受信機404を含む。高液体レベル受信機例402は、レベルセンサ114から液体収集チャンバ104内の液体レベルが高しきい値118に到達したことの表示を受け取る。低液体レベル受信機例404はレベルセンサ116から、液体レベルが低しきい値120に到達したことの表示を受ける。
【0045】
受信機例402および404はレベルセンサ114および116からの表示を、例えば、比較器406により判読可能なデジタルおよび/またはアナログデータに変換する。例えば、レベルスイッチ114および116は、液体レベルがそれぞれのしきい値118および120に到達すると、離散電圧を出力し得る。受信機402および404は離散電圧を比較器406のための相当するデジタル信号および/または相当するアナログ信号に変換する。いくつかの例では、受信機402および404は、比較器406がデータを処理するために利用可能となるまで、受信した表示を待ち行列に入れる。
【0046】
タービン流量計136および圧力センサ138からの出力を受け取るために、図4の液体レベルプロセッサ例123は圧力受信機408を含む。圧力受信機例408は装置136および138からの出力を受け取り、比較器406と互換性のある形式に処理する。例えば、圧力受信機408は、圧力センサ138からのアナログ信号を相当するデジタル信号に変換する。圧力受信機例408は、また、例えば、タービン流量計136からのアナログ流量をデジタル信号に変換する。
【0047】
代替的に、圧力受信機例408は、HART通信プロトコルのために構成され得る。これらの例では、圧力受信機408はタービン流量計136および圧力センサ138からHART出力メッセージを受け取り、そしてHARTメッセージを比較器406と互換性のある形式に変換する。しかしながら、他の例では、受け取った出力メッセージはModbus出力、通信プロトコル出力等であり得る。これらの例では、圧力受信機408は、タービン流量計136および/または圧力センサ138に出力データを要求するメッセージを送る。
【0048】
解説されている例の圧力受信機例408は、分離機102内の任意の圧力センサおよび電気レベルスイッチ303からのデータ、および/またはダンプ弁124の電子アクチュエータ130からのデータをも受け取る。例えば、圧力センサ138がダンプ弁124と一体化されている事例においては、圧力受信機408は、電子アクチュエータ130および/またはダンプ弁124のコントローラから圧力データを受け取る。ダンプ弁124が図3の接触センサ302を含む他の例では、圧力受信機例408は弁部材125の位置データを受け取る。
【0049】
ダンプ弁124を制御し、タービン流量計136の動作状態を判定するために、図4の液体レベルプロセッサ例123は、比較器406を含む。比較器例406は、各受信機402、404、および408を介して、圧力センサ138からの圧力出力およびレベルセンサ114および116からの液体レベル表示を受け取る。比較器例406は、タービン流量計136からの流量情報および/または図3の接触センサ302を介して弁部材125の位置をも受け取る。
【0050】
タービン流量計136の動作状態を判定するために、比較器例406は液体プロファイラ410に対し、相関情報を含むデータベース412にアクセスするように命令する。比較器406はこの情報を使用して流量を液体の量および/または液体の圧力に変換する。データベース例412はEEPROM、RAM、ROM、および/または他の任意のタイプのメモリにより、実装可能である。
【0051】
タービン流量計136からの流量を変換した後、比較器406は量および/または圧力を、圧力センサ138からの報告された圧力および/または変換された量と比較する。比較器例406は、タービン流量計136と圧力センサ138の出力間の差が指定偏差範囲外にあるかどうかを判定する。偏差量に基づき、比較器406はタービン流量計136の動作状態を判定する。例えば、偏差量が比較的中程度である場合には、比較器406はタービン流量計136がゴミおよび/または錆のために回転を減らしたと判定し得る。さらに、偏差量が比較的大きい場合には、比較器406はタービン流量計136が回転不能および/または破損と判定し得る。代わりに、偏差量が比較的少量で、指定偏差内である場合には、比較器406はタービン流量計136が意図通り動作していると判定し得る。
【0052】
タービン流量計136の判定された動作状態に基づき、比較器例406はインターフェース414に対し、検出された問題を示す診断メッセージを、例えば、コマンドセンター129へ送るように命令する。このメッセージに応えて、コマンドセンター129はタービン流量計136の問題を解決するために技術者を送るか、および/または検出された問題を解決するために指示をタービン流量計136に送ることができる。比較器例406は、判定されたタービン流量計の動作状態をデータベース412に記憶してもよい。
【0053】
解説されている例の比較器例406は、圧力センサ138、タービン流量計126、レベルセンサ114および116、および/またはガスセンサからの情報に基づき、弁部材125の最大開きを判定する。比較器406は、ダンプ弁124が接触センサ302を含まない事例において、ダンプ弁124を通過可能な液体の量を制限するため、弁部材125の最大移動(例えば、最大開量)を判定する。これらの事例においては、ダンプ弁124は弁部材125を部分的に開くための正確なフィードバック制御を有しない場合がある。最大移動を設定するには、比較器例406は流量調整器132を介して弁部材125の最大開を修正するための命令を電子アクチュエータ130に送る。このようにして、弁部材125の最大移動を設定することにより、比較器406は、弁部材125を比較的迅速に設定された最大移動まで開くように電気アクチュエータ130に対して命令し、ダンプ弁124は弁部材125の移動を監視する必要はない。
【0054】
代替的に、ダンプ弁124が接触センサ302を含む場合には、比較器例406は、液体収集チャンバ104から放出される液体の量に基づき、弁部材125がどれだけ開かれるかを判定する。これらの例では、比較器406は、指定量だけ弁部材125を開くために、メッセージおよび/または信号をコントローラおよび/または電子アクチュエータ130に送るようにアクチュエータドライバ416に命令する。
【0055】
図4の比較器例406は圧力センサ138、タービン流量計126、レベルセンサ114および116、および/またはガスセンサからの情報を使用し、どれだけの量の液体および/またはダンプ弁124が開かれる時間を判定する。例えば、比較器406は、液体レベルが高しきい値118に近づいていることの表示を圧力センサ138から受け取る。比較器406は次に液体プロファイラ410を介してデータベース412にアクセスし、ガス収集チャンバ106内のガスの現行圧力に基づいて放出されるべき液体の量、ダンプ弁124が開き可能な最大量、および/またはダンプ弁124を通る液体の流量を判定する。比較器例406は次に、液体の放出を開始するために、弁部材125を開くためにダンプ弁124に命令を送るようにアクチュエータドライバ416を命令する。判定された時間、および/または判定された放出されるべき液体の量に到達したら、比較器例406はアクチュエータドライバ416に対し、ダンプ弁124を閉じるように命令する。他の例では、比較器406は、タービン流量計136からのより新しい液体流量および/または圧力センサ138からの液体の圧力に基づき、その時間および/または量の計算を改善し得る。
【0056】
比較器例406は液体プロファイルデータをデータベース412に記憶することもできる。液体プロファイルデータは、検出された液体圧力、ガス圧力、および/または配管126を通る液体の流量に基づき、分離機102内でどのように液体レベルが変化するかを記述する特性を含む。液体プロファイラ例410は、記憶されたデータを使用して液体収集チャンバ104内の液体レベル、液体圧力、ガス圧力、および/または配管126を通る液体の流量間の相関を生成、修正、および/または改善することができる。例えば、液体プロファイラ410はある液体圧力が、ガス圧力が2.5気圧のときに半分満たされている液体収集タンク104に相当すると判定し得る。液体プロファイラ410は、弁部材125が開いている量に基づき、プロファイル情報を調整してもよい。さらに、例えば、ダンプ弁124、タービン流量計136、圧力センサ138、レベルスイッチ114および116、配管126、および/または液体収集チャンバ104の部分が交換され、および/または修正されたとき、液体プロファイラ410はプロファイル情報を再トリム(例えば、再較正)してよい。
【0057】
ダンプ弁124とインターフェースをとるために、液体レベルプロセッサ例123はアクチュエータドライバ416を含む。アクチュエータドライバ例416は比較器406からメッセージを受け取り、ダンプ弁124のコントローラおよび/または電気アクチュエータ130に対し、命令および/または信号を送信する。ダンプ弁124がプロセス制御通信プロトコル(例えば、HART、Profibus、および/またはFoundation Fieldbus)に準拠している事例では、アクチュエータドライバ416は適切なメッセージを作成し、そのメッセージをダンプ弁124に送信する。他の事例においては、アクチュエータドライバ416は電子アクチュエータ130を駆動する電力を提供し、弁部材125を開/閉させてもよい。
【0058】
液体レベルプロセッサ例123の実装方法の例が図4に説明されているが、図4に示されている1つまたは複数の要素、プロセス、および/または装置は組み合わせ、分割、再配置、省略、撤廃が可能、および/または他の方法での実装可能である。さらに、図4の受信機例402、404、および408、比較器例406、液体プロファイラ例410、データベース例412、インターフェース例414、アクチュエータドライバ例416、および/または、より一般的には、液体レベルプロセッサ例123は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアにより、および/またはハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェアの任意の組み合わせにより、実装し得る。このようにして、例えば、受信機例402、404、および408、比較器例406、液体プロファイラ例410、データベース例412、インターフェース例414、アクチュエータドライバ例416、および/または、より一般的には、液体レベルプロセッサ例123のいずれかまたはすべてが、回路、プログラム可能プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラム可能論理回路(PLD)および/またはフィールドプログラマブルロジックデバイス(FPLD)等の1つまたは複数によって実装可能である。
【0059】
本特許の装置請求項のいずれかが純粋にソフトウェアおよび/またはファームウェア実装を網羅するものと読める場合は、受信機例402、404、および408、比較器例406、液体プロファイラ例410、データベース例412、インターフェース例414、および/またはアクチュエータドライバ例416のうちの少なくとも1つは、本明細書において、ソフトウェアおよび/またはファームウェアを記憶するメモリ、DVD、CD、ブルーレイディスク等の有形コンピュータ可読媒体を含むものと明示的に定義される。さらにまた、図4の液体レベルプロセッサ123は、図4に解説されているものに加えて、あるいはその代わりに、1つまたは複数の要素、プロセス、および/または装置を含むことができ、また/あるいは解説されている要素、プロセス、および装置のいずれかまたはすべてのうちの2つ以上を含み得る。
【0060】
図1、3、および4の液体レベルプロセッサ123を実装するためのプロセスの典型例のフローチャートが、図5、6、および7に示されている。この例では、プロセスは、図8との関連で以下に論議されるプロセッサシステム例P10内に示されるプロセッサP12等のプロセッサによって実行されるプログラムとして実装し得る。このプログラムは、CD、フロッピィディスク、ハードドライブ、DVD、ブルーレイディスク、あるいはプロセッサP12に関連するメモリ等のコンピュータ可読媒体上に記憶される機械可読命令あるいはソフトウェアとして具現し得るが、しかし、プログラム全体および/またはその一部は、プロセッサP12以外の装置によって代わりに実行可能であり、および/またはファームウェアあるいは専用ハードウェアで具現可能である。さらに、プログラム例は図5、6、および7に解説されているフローチャートを参照しながら記述されているが、液体レベルプロセッサ例123を実装する多くの他の方法を替わりに使用し得る。例えば、ブロックの実行順序は変更可能であり、および/または記述されているいくつかのブロックは変更、撤廃、あるいは組み合わせ可能である。
【0061】
上述のように、図5、6、および7のプロセス例は、有形コンピュータ可読媒体上に記憶された暗号化命令(コンピュータ可読命令)を使用して実装可能であり、当該媒体はハードディスクドライブ、フレッシュメモリ、ROM、CD、DVD、ブルーレイディスク、キャッシュ、RAMおよび/または、情報が任意の期間記憶される(例えば、長期間、永久的、瞬間的、一時的バッファリングのため、および/または情報のキャッシングのため)任意の他の記憶媒体等である。本明細書における使用法において、有形コンピュータ可読媒体という用語は、任意のタイプのコンピュータ可読記憶装置を含み、そして伝搬信号を除外することが明示的に定義される。追加的にまたは代替的に、図5、6、および7のプロセス例は、非一時的コンピュータ可読媒体上に記憶される暗号化命令(例えば、コンピュータ可読命令)を使用して実装可能であり、当該媒体はハードディスクドライブ、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ、コンパクトディスク、デジタル汎用ディスク、キャッシュ、ランダムアクセスメモリおよび/または、情報が任意の期間記憶される(例えば、長期間、永久的、瞬間的、一時的バッファリングのため、および/または情報のキャッシングのため)任意の他の記憶媒体である。本明細書での使用法において、非一時的コンピュータ可読媒体という用語は、任意のタイプのコンピュータ可読媒体を含み、伝搬信号を除外することが明示的に定義される。
【0062】
図5のプロセス例500は、図1、3、および4の液体レベルプロセッサ123が、分離機102に関する高しきい値118(例えば、高液体レベル)および低しきい値120(例えば、低液体レベル)を判定することで始まる(ブロック502)。液体レベルプロセッサ例123はオペレータからのしきい値118および120を受け取ってもよく、および/または配管126および140のレベルに基づいて、しきい値118および120を判定してもよい。図4の比較器例406は、次に、高液体レベル警告(例えば、表示)がレベルセンサ114から受け取られるかどうかを判定する(ブロック504)。
【0063】
表示が受け取られなかった場合は、比較器例406は分離機内のガスの圧力の要求および/または受け取りを行う(ブロック506)。比較器例406は次に、ガス圧力および/または液体のレベルに基づき、ダンプ弁124を開けるべきかどうかを判定する。(ブロック508)。比較器406がダンプ弁124を開く予定でない場合には、比較器例406は高液体レベルの表示の監視を続ける(ブロック504)。
【0064】
比較器406が高液体レベルの表示を受け取った場合(ブロック504)、および/またはダンプ弁124が開かれることを判定した場合(ブロック508)、比較器406は次にダンプ弁124を開く量を判定する(ブロック510)。ダンプ弁124を開く量は、流量調整器132を介する弁部材125の最大移動の設定、および/または図3の接触センサ例302からのフィードバックを使用して弁部材125を動かす量の判定を含み得る。比較器例406は次に、アクチュエータドライバ416に対し、判定された量だけダンプ弁を開くための(および/または弁部材125の最大移動の設定)ためのメッセージを送信する(ブロック512)。
【0065】
ダンプ弁124を開いた後、比較器例406は時間および/またはダンプ弁124を通って流れる液体の量を測定する(ブロック514)。比較器406はタービン流量計136からの出力を圧力センサからの出力と比較し、タービン流量計136の動作状態を判定してもよい。比較器406は、次に時間しきい値および/または放出された液体しきい値が到達されたかどうかを判定し、ガスが配管126に入いることを許さないようにする(ブロック516)。これらのしきい値がまだ到達されない場合には、比較器例406は、低液体レベル警告(例えば、表示)がレベルセンサ116から受け取られたかどうかを判定する(ブロック518)。その表示がまだ受け取られてない場合には、比較器例406はダンプ弁124が開いている時間、および弁124を通って流れる流体の量の測定を継続する(ブロック514)。
【0066】
時間しきい値および/またはダンプ弁124を通る液体の量のしきい値が到達された(ブロック516)あるいは低液体レベル表示が受け取られた(ブロック518)場合は、比較器例406は、アクチュエータドライバ416に対し、ダンプ弁124を閉じるようにメッセージを送る(ブロック520)。比較器例406および/または液体プロファイラ410は次に、ダンプ弁124が開いていた期間、ダンプ弁124が開いていた量、ダンプ弁124を通って流れた液体の量、ダンプ弁124が開かれる前の開始液体レベル、および/またはダンプ弁が閉じられたときの終わりの液体レベルを、データベース412に記憶する(ブロック522)。液体プロファイラ例410はこの情報を使用し、ダンプ弁124が開いている量に基づき、任意の圧力−量相関データおよび/または液体放出の任意のモデルを修正および/または調整してもよい。比較器例406および/または液体レベルプロセッサ123は、次に、高液体レベル表示がレベルセンサ114から受け取られたかどうかを判定することに戻る(ブロック504)。
【0067】
図6のプロセス例600は、レベルスイッチ114および116および/またはタービン流量計136の代わりに図1および3の圧力センサ例138を使用し、液体収集チャンバ104内の液体の量を判定する。プロセス例600は、図1、3、および4の液体レベルプロセッサ例123が液体圧力を液体収集チャンバ104内の液体量と相関させるときに始まる(ブロック602)。比較器例406は、次に、圧力センサ138によって測定された液体圧力が指定しきい値より上であるかどうかを判定する(ブロック604)。
【0068】
液体圧力がしきい値より上である場合は、比較器例406は図1および3のダンプ弁124を開く量(および/または弁部材125の最大移動の設定量)を判定する(ブロック606)。比較器例406は、次に、アクチュエータドライバ416に対し、判定量だけダンプ弁を開く(および/または弁部材125の最大移動を設定する)ためのメッセージを送信する(ブロック608)。
【0069】
ダンプ弁124を開いた後、比較器例406は圧力センサ138によって測定された圧力減少量を判定することにより、時間および/またはダンプ弁124を通って流れる液体の量を測定する(ブロック610)。比較器406は、次に、時間しきい値および/または放出された液体しきい値が到達されたかどうかを判定し、ガスが配管126に入ることを許さないようにする(ブロック612)。しきい値が到達されてない場合には、比較器例406は、圧力センサ138によって報告された液体圧力がしきい値より下である(液体レベルが配管126のレベルに近づいていることを示している)かどうかを判定する(ブロック614)。液体レベルがしきい値ではない、および/または近接していない場合は、比較器例406は、圧力センサ138を介して、ダンプ弁124が開いている時間、および/または弁124を通って流れる流体の量の測定を続ける(ブロック610)。
【0070】
時間しきい値および/またはダンプ弁124を通る液体の量のしきい値が到達された(ブロック612)、あるいは液体の圧力が、液体が低しきい値120に接近していることを表示する場合は(ブロック614)、比較器例406は、アクチュエータドライバ416に対し、ダンプ弁124を閉じるようにメッセージを送る(ブロック616)。比較器例406および/または液体プロファイラ410は次に、データベース412に、ダンプ弁124が開いていた時間、ダンプ弁124が開いていた量、ダンプ弁124を通って流れた液体の量(例えば、液体圧力における差)、ダンプ弁124が開かれる前の開始液体レベル(例えば、開始液体圧力)、および/またはダンプ弁が閉じられたときの終わりの液体レベル(例えば、終わりの液体圧力)を記憶する(ブロック618)。液体プロファイラ例410は、この情報を使用して、ダンプ弁124が開く量に基づき、圧力−量相関データおよび/または液体放出の任意のモデルの修正および/または調整を行い得る。比較器例406および/または液体レベルプロセッサ123は、次に、液体の圧力が圧力センサ138を介して、液体レベルが高しきい値118に近いおよび/またはその値であることを表示するかどうかを判定することに戻る(ブロック604)。
【0071】
図7のプロセス例700は、タービン流量計136の動作状態を判定する。プロセス例700は、図4の比較器例406および/または圧力受信機408が、図1および3の分離機102内の液体の圧力を測定する圧力センサ138からの第1の圧力値を受け取るときから始まる(ブロック702)。比較器例406および/または圧力受信機例408は次に、タービン流量計136から液体流量を受け取る(ブロック704)。比較器例406は次に流量を、例えばデータベース412内に記憶された相関データを使用して、第2の圧力値に変換する(ブロック706)。
【0072】
比較器例406は、次に、第1の圧力値を第2の圧力値と比較し、差を判定する(ブロック708)。圧力値間のその差が指定偏差内である場合には、比較器406はタービン流量計138が通常の動作状態であると判定する。比較器例406および/または圧力受信機408は、次に、圧力値および流量データの受け取りに戻り、タービン流量計136の動作状態を監視する(ブロック702〜708)。
【0073】
圧力間の差が指定偏差外である場合は、比較器例406はデータベース412にアクセスし、偏差の量に基づき、タービン流量計136の動作状態を判定する(ブロック712)。例えば、比較的小さい偏差は、タービン流量計136が通常の摩耗あるいは錆のゆえに回転を減らしたことを表示し得る。さらに、比較的大きな偏差は、タービン流量計136がゴミの閉塞の結果として回転不能であることを表示し得る。
【0074】
比較器例406は、インターフェース414を介して、次に、例えばコマンドセンター129に対し、判定された動作状態に基づいてタービン流量計136が保守を必要としていることを表示する診断メッセージを送信する(ブロック714)。タービン流量計136が保守を受ける前に、比較器例406は圧力センサ138からの圧力出力を使用してダンプ弁124を操作し得る。このように、圧力センサ138は、タービン流量計136が保守を受けるまでは、バックアップとして働く。タービン流量計が保守を受けた後、比較器例406および/または圧力受信機408は、圧力センサ138からの出力をタービン流量計136からの出力と比較することに戻る(ブロック702〜708)。他の例では、比較器406は、計器136が保守を受ける前に圧力センサ138からの出力とタービン流量計136の出力を比較することを継続し、偏差が落ち着くかどうかを判定してもよい。
【0075】
図8はプロセッサシステム例P10のブロック図で、本明細書に記載の方法および装置例を実装するために使用し得る。例えば、プロセッサシステム例P10と類似のあるいは同一のプロセッサシステムを使用して、受信機例402、404、および408、比較器例406、液体プロファイラ例410、データベース例412、インターフェース例414、アクチュエータドライバ例416および/または、より一般的には、図1、3および4の液体レベルプロセッサ例123を実装し得る。プロセッサシステム例P10は、複数の周辺装置、インターフェース、チップ、メモリ等を含むものとして以下に記述されているが、それらの要素の1つまたは複数は受信機例402、404、および408、比較器例406、液体プロファイラ例410、データベース例412、インターフェース例414、アクチュエータドライバ例416および/または、より一般的には、液体レベルプロセッサ例123の1つまたは複数を実装するために使用される他のプロセッサシステム例からは省略し得る。
【0076】
図8で示されるように、プロセッサシステムP10は、相互接続バスP14と連結されるプロセッサP12を含む。プロセッサP12はレジスタセットまたはレジスタスペースP16を含み、これは全体がオンチップとして図8に描かれているが、しかし、代替的に、全体または部分的にオフチップとして配置可能であり、そして専用電気コネクションおよび/または相互接続バスP14を介してプロセッサP12と直接連結可能である。プロセッサP12は任意の適切なプロセッサ、処理ユニット、またはマイクロプロセッサでもよい。図8には示されてないが、システムP10はマルチプロセッサシステムでもよく、したがって、プロセッサP12と同一の、または類似の、そして相互接続バスP14と通信可能に連結される1つまたは複数の追加プロセッサを含んでもよい。
【0077】
図8のプロセッサP12はチップセットP18と連結され、これはメモリコン
トローラP20および周辺入力/出力(I/O)コントローラP22を含む。よく知られていることだが、チップセットは、チップセットP18に連結される1つまたは複数のプロセッサによりアクセス可能または使用される、複数の汎用および/または特殊用途のレジスタ、タイマ等は勿論のこと、I/Oおよびメモリマネジメント機能を一般的に提供する。メモリコントローラP20は、プロセッサP12(または複数のプロセッサが存在する場合にはプロセッサ群)がシステムメモリP24および大容量記憶メモリP25にアクセスすることを可能とする機能を実施する。
【0078】
システムメモリP24は、例えば、スタティックRAM(SRAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)等の任意の希望するタイプの揮発性および/または不揮発性メモリを含み得る。大容量記憶メモリP25は任意の希望するタイプの大容量記憶装置を含み得る。例えば、データベース412を実装するためにプロセッサシステム例P10が使用される場合は(図4)、大容量記憶メモリP25はハードディスクドライブ、オプティカルドライブ、テープ記憶装置等を含み得る。代替的に、データベース412を実装するためにプロセッサシステム例P10が使用される場合には、大容量記憶メモリP25はソリッドステートメモリ(例えば、フラッシュメモリ、RAMメモリ等)、磁気メモリ(例えば、ハードドライブ)、あるいはデータベース412内の大容量記憶に適切な任意の他のメモリを含んでよい。
【0079】
周辺I/OコントローラP22は、周辺I/OバスP32を介して周辺入力/出力(I/O)装置P26およびP28ならびにネットワークインターフェースP30とプロセッサP12が通信できるようにする機能を実行する。I/O装置P26およびP28は、例えば、キーボード、ディスプレイ(例えば、液晶表示装置(LCD)、ブラウン管(CRT)表示装置等)、ナビゲーション装置(例えば、マウス、トラックボール、容量性タッチパッド、ジョイステック等)等の任意の希望するタイプのI/O装置でよい。ネットワークインターフェースP30は、例えば、プロセッサシステムP10を別のプロセッサシステムと通信可能にする、イーサネット(登録商標)装置、非同期転送モード(ATM)装置、802.11装置、DSLモデム、ケーブルモデム、セルラモデム等が可能である。
【0080】
メモリコントローラP20およびI/OコントローラP22は、チップセットP18内の別の機能ブロックとして図8に描かれているが、これらのブロックにより実行される機能は、単一の半導体回路内に統合可能であり、あるいは2つまたはそれ以上の別の集積回路を使用して実装可能である。
【0081】
上述の方法および/または装置例の少なくともいくつかは、コンピュータプロセッサ上で走る1つまたは複数のソフトウェアおよび/またはファームウェアプログラムにより実装される。しかしながら、アプリケーション固有の集積回路、プログラム可能論理アレイおよび他のハードウェア装置を含む、これらには限定されないが、専用ハードウェア実装を同様に構築可能であり、全体としてあるいは部分的に、本明細書に記載されている方法および/または装置例のいくつかまたはすべてを実装できる。さらにまた、分散処理または構成要素/オブジェクト分散処理、並列処理、あるいは仮想機械処理を含む、これには限定されないが、代替ソフトウェア実装も構築可能であり、本明細書に記述される方法および/またはシステム例を実装できる。
【0082】
本明細書に記述されるソフトウェアおよび/またはファームウェア実装例は、磁気媒体(例えば、磁気ディスクまたはテープ)、光ディスク等の光磁気あるいは光媒体、あるいは1つまたは複数の読み取り専用(不揮発性)メモリ、ランダムアクセスメモリ、あるいは他の再書き込み可能(揮発性)メモリを収容するメモリカードあるいは他のパッケージ等のソリッドステート媒体等の有形記憶媒体上に記憶されることも注目されるべきである。したがって、本明細書に記述されるソフトウェアおよび/またはファームウェア例は、上述のあるいは後継の記憶媒体等の有形記憶媒体上に記憶可能である。上述の明細書は特定標準およびプロトコルを参照して構成要素および機能の例を記述しており、本特許の範囲はそのような標準およびプロトコルに限定されないことが理解される。
【0083】
さらに、本特許はハードウェア上で実行されるソフトウェアまたはファームウェアを含む方法および装置例を開示するが、そのようなシステムは単に解説のためであり、限定しているものと考えられるべきではないことに注意されたい。例えば、これらのハードウェアおよびソフトウェア構成要素のいずれかまたはすべては、ハードウェアにおいて排他的に、ソフトウェアにおいて排他的に、ファームウェアにおいて排他的に、あるいはハードウェア、ファームウェア、および/またはソフトウェアの組み合わせにおいて具現可能であると企図される。したがって、上述の明細書は方法、システム、および製品例を記述するが、これらの例はそのようなシステム、方法、および製品を実装するための唯一の方法ではない。したがって、方法、システム、および製品のある例が本明細書中において記述されているが、本特許の網羅する範囲はそれらには限定されない。反対に、本特許は、文字通りに、あるいは同等物の原則のもとで、付属請求項の範囲に正しく入るすべての方法、システム、および製品を網羅する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8