特許第6188086号(P6188086)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6188086
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】発電装置
(51)【国際特許分類】
   H02K 16/00 20060101AFI20170821BHJP
【FI】
   H02K16/00
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2015-160660(P2015-160660)
(22)【出願日】2015年8月17日
(65)【公開番号】特開2017-41925(P2017-41925A)
(43)【公開日】2017年2月23日
【審査請求日】2015年8月20日
【審判番号】不服2016-6725(P2016-6725/J1)
【審判請求日】2016年5月6日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】505209957
【氏名又は名称】岩谷 公明
(74)【代理人】
【識別番号】100086667
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 孝次
(72)【発明者】
【氏名】岩谷 公明
【合議体】
【審判長】 堀川 一郎
【審判官】 藤井 昇
【審判官】 久保 竜一
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−516929(JP,A)
【文献】 特開平5−164037(JP,A)
【文献】 実開昭56−66163(JP,U)
【文献】 特開2002−106456(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03D 7/04
H02P 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基軸と、基軸に回転可能に支持された単一のドラムと、ローラ形の外装のケーシングがロータ側とされケーシングの中心に貫通しケーシングの片側に短く突出した円柱形の支持軸がステータ側とされ電磁誘導構造を内蔵してケーシングの回転駆動によって発電する複数台の発電機と、基軸に固定されドラムに対面して設けられ各発電機の支持軸が支持される支持ベースとを備え、発電機はドラムに内蔵されケーシングの外周面がドラムの内周面にそれぞれ接触して回転駆動されるものである発電装置。
【請求項2】
請求項1の発電装置において、発電機を回動させて発電機のケーシングをドラムの内周面に対して接触,接触解除する断続機構を備え、支持ベースは基軸に固定された固定ベースと一端部が固定ベースに回動可能に支持された可動ベースとからなり、発電機は支持軸が支持ベースの可動ベースの他端部に固定されていることを特徴とする発電装置。
【請求項3】
請求項2の発電装置において、断続機構は発電機のケーシングをドラムの内周面に対して接触解除する方向に弾圧付勢するスプリングと発電機のケーシングをスプリングの弾圧に抗してドラムの内周面に対して接触方向に移動させるアクチュエータとからなることを特徴とする発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、共通のドラムによって回転駆動されて発電する複数台の発電機を備えた発電装置に係る技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
最近、発電効率等を考慮して、回転される共通のドラムによって回転駆動されて発電する複数台の発電機を備えた発電装置が提供されてきている。一方、発電装置の設置箇所,使用目的等の多様化によって、小型コンパクトな発電装置が必要とされてきている。
【0003】
従来、前述の複数台の発電機を備えた発電装置としては、例えば、特許文献1,2に記載のものが知られている。
【0004】
特許文献1,2には、図3に示すように、回転される単一のドラムDと、ドラムDの内周面にそれぞれ接触して回転駆動される複数台のローラ形の中継部材Rと、各中継部材RからドラムDの軸方向の外部に向けてそれぞれ配設された回転軸Sと、ドラムDの外部で各回転軸Sにそれぞれ連結されて回転駆動によって発電する発電機Mとを備えた発電装置が記載されている。
【0005】
特許文献1,2に係る発電装置は、各発電機Mへの回転駆動の伝達を断続することによって、発電する発電機Mの台数を選択し発電効率を高めようとするもので、ドラムDの回転が不安定となる風力発電に有用性を発揮するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−516929号公報
【特許文献2】特開平5−164037号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1,2に係る発電装置では、ドラムDから軸方向の外部に延びた回転軸Sに発電機Mが連結されているため、ドラムDの軸方向の長さLが長くなって装置構成が大型化してしまうという問題点がある。
【0008】
本発明は、このような問題点を考慮してなされたもので、複数台の発電機を備えた小型コンパクトな発電装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述の課題を解決するため、本発明に係る発電装置は、特許請求の範囲の各請求項に記載の手段を採用する。
【0010】
即ち、請求項1では、基軸と、基軸に回転可能に支持された単一のドラムと、ローラ形の外装のケーシングがロータ側とされケーシングの中心に貫通しケーシングの片側に短く突出した円柱形の支持軸がステータ側とされ電磁誘導構造を内蔵してケーシングの回転駆動によって発電する複数台の発電機と、基軸に固定されドラムに対面して設けられ各発電機の支持軸が支持される支持ベースとを備え、発電機はドラムに内蔵されケーシングの外周面がドラムの内周面にそれぞれ接触して回転駆動されるものである。
【0011】
この手段では、発電機をドラムに内蔵させる構造とすることで、ドラムDの軸方向における構造の大型化を回避することができる。
【0012】
また、請求項2では、請求項1の発電装置において、発電機を回動させて発電機のケーシングをドラムの内周面に対して接触,接触解除する断続機構を備え、支持ベースは基軸に固定された固定ベースと一端部が固定ベースに回動可能に支持された可動ベースとからなり、発電機は支持軸が支持ベースの可動ベースの他端部に固定されていることを特徴とする。
【0013】
この手段では、断続機構によって発電機のケーシングをドラムの内周面に対して接触,接触解除することで、発電する発電機の台数を選択することができる。
【0014】
また、請求項3では、請求項2の発電装置において、断続機構は発電機のケーシングをドラムの内周面に対して接触解除する方向に弾圧付勢するスプリングと発電機のケーシングをスプリングの弾圧に抗してドラムの内周面に対して接触方向に移動させるアクチュエータとからなることを特徴とする。
【0015】
この手段では、断続機構がスプリング,アクチュエータからなることで、断続機構の構造を簡素化することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る発電装置は、発電機をドラムに内蔵させる構造とすることで、ドラムDの軸方向における構造の大型化を回避することができるため、複数台の発電機を備えて小型コンパクトに構成することができる効果がある。
【0017】
さらに、請求項2として、断続機構によって発電機のケーシングをドラムの内周面に対して接触,接触解除することで、発電する発電機の台数を選択することができるため、ドラムの回転が不安定となる風力発電に有用性を発揮する効果がある。
【0018】
さらに、請求項3として、断続機構がスプリング,アクチュエータからなることで、断続機構の構造を簡素化することができるため、装置全体の小型コンパクト化に貢献することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明に係る発電装置を実施するための形態の正面図である。
図2図1の縦断面図である。
図3】従来例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る発電装置を実施するための形態を図1図2に基づいて説明する。
【0021】
この形態は、ドラム1,基軸2,ベアリング3,発電機4,支持ベース5,断続機構6の各部で構成されている。
【0022】
ドラム1は、リング状部11と円板部12とによって円板皿形に形成され、リング状部11の内周面に平坦性が確保され、円板部12の中心部にベアリング3を収容する段部構造の軸受収容部13が形成されている。このドラム1は、1台のみで構成され、風,波,水流等のエネルギ源によって回転される。
【0023】
基軸2は、支持ベース5(後述の固定ベース51)に固定されてドラム1の円板部12の中心を貫通している。
【0024】
ベアリング3は、ドラム1の軸受収容部13に収容されて、ドラム1の円板部12の中心を貫通する基軸2をラジアル軸受けしている。即ち、ドラム1がベアリング3を介して基軸2に回転可能に支持されている。
【0025】
発電機4は、ローラ形の外装のケーシング41がロータ側とされ、ケーシング41の中心に貫通しケーシング41の片側に短く突出した円柱形の支持軸42がステータ側とされて、3台が120度の角度を介して放射状に配置されている。この発電機4は、電磁誘導構造を内蔵してケーシング41の回転駆動によって発電するもので、例えば小型のコアレスモータが選択される。ケーシング41は、外周面がドラム1のリング状部11の内周面に摩擦接触して、ドラム1の回転によって回転駆動される。支持軸42は、突出端が支持ベース5(後述の可動ベース42)に固定されてケーシング41の回転駆動を支持する。
【0026】
支持ベース5は、図1に示すように、中心に基軸2が固定されてドラム1と対面する3つ又形状の固定ベース51と、固定ベース51の各突出部分に一端部がそれぞれ回動可能に支持された短片形の可動ベース52と、固定ベース51に可動ベース52をそれぞれ回動可能に連結する連結軸53とからなる。可動ベース52の他端部には、発電機4の支持軸42が固定されている。
【0027】
断続機構6は、支持ベース5の固定ベース51の谷部分(非突出部分)と可動ベース52の中途部との間に掛渡されたスプリング61と、可動ベース52の中途部のスプリング61の掛渡部分の反対側に連結されたアクチュエータ62とからなる。スプリング61は、コイルスプリングからなるもので、支持ベース5の可動ベース52を固定ベース51に近接するように回動させる方向に引張し、発電機4のケーシング41の外周面がドラム1の内周面に対して接触解除するように弾圧付勢している。アクチュエータ62は、小型モータ,ワイア等からなるもので、支持ベース5の可動ベース52を固定ベース51から離間するように回動させ、発電機4のケーシング41の外周面がスプリング61の弾圧に抗してドラム1の内周面に対して接触するように移動させる。なお、アクチュエータ62の移動駆動が解除されると、スプリング61の弾圧によって、ケーシング41の外周面がドラム1の内周面に対して接触解除される。
【0028】
この形態によると、発電機4がドラム1に内蔵された構造となる。従って、特許文献1,2に係る発電装置のようにドラムDの軸方向における構造が大型化するのを回避することができる。この結果、複数台(3台)の発電機4を備えているにもかかわらず、全体を小型コンパクトに構成することができる。
【0029】
さらに、この形態によると、特許文献1,2に係る発電装置と同様に、断続機構6によって発電する発電機4の台数を選択することができる。従って、ドラム1の回転が不安定となる風力発電に有用性を発揮することができる。
【0030】
発電する発電機4の台数を選択するには、発電する発電機4に連係されている断続機構6のアクチュエータ62を駆動し、発電しない発電機4に連係されている断続機構6のアクチュエータ62の駆動を解除することになる。
【0031】
即ち、図1に2点鎖線で示されるように、断続機構6のアクチュエータ62の駆動を解除すると、スプリング61の弾圧によって、支持ベース5の可動ベース52が固定ベース51に近接するように回動させる方向に引張され、支持ベース5の可動ベース52に支持軸42が固定されている発電機4のケーシング41の外周面がドラム1の内周面に対して接触解除することになって、ドラム1の回転の伝達が切断される。この結果、この発電機4は、発電しないことになる。
【0032】
また、図1に実線で示されるように、のアクチュエータ62を駆動すると、支持ベース5の可動ベース52を固定ベース51から離間するように回動させ、支持ベース5の可動ベース52に支持軸42が固定されている発電機4のケーシング41の外周面がスプリング61の弾圧に抗してドラム1の内周面に対して接触することになって、ドラム1の回転の伝達が接続される。このけっか、この発電機4は、発電することになる。
【0033】
なお、断続機構6については、スプリング61,アクチュエータ62からなる簡素な構造であることから、装置全体の小型コンパクト化に貢献している。
【0034】
以上、図示した形態の外に、発電機4を2台または4台以上配置することも可能である。
【0035】
さらに、発電機4のケーシング41の外周面とドラム1のリング状部11の内周面とにギアを刻設して、噛合による接触構造とすることも可能である。
【0036】
さらに、本発明に係る構成を基軸2方向に複数段配置することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明に係る発電装置は、風力発電以外の広範な発電に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0038】
1 ドラム
4 発電機
41 ケーシング
42 支持軸
5 支持ベース
51 固定ベース
52 可動ベース
6 断続機構
61 スプリング
62 アクチュエータ
図1
図2
図3