特許第6188091号(P6188091)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6188091メドキソミル基を有するプロドラッグを含有するフィルムコーティング製剤
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6188091
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】メドキソミル基を有するプロドラッグを含有するフィルムコーティング製剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/4178 20060101AFI20170821BHJP
   A61K 9/32 20060101ALI20170821BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20170821BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20170821BHJP
   A61P 9/12 20060101ALI20170821BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20170821BHJP
【FI】
   A61K31/4178
   A61K9/32
   A61K47/02
   A61K47/32
   A61P9/12
   A61P43/00 116
【請求項の数】3
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2015-231235(P2015-231235)
(22)【出願日】2015年11月27日
(65)【公開番号】特開2016-135755(P2016-135755A)
(43)【公開日】2016年7月28日
【審査請求日】2016年9月20日
【審判番号】不服2017-4655(P2017-4655/J1)
【審判請求日】2017年4月4日
(31)【優先権主張番号】特願2015-5618(P2015-5618)
(32)【優先日】2015年1月15日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審理対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】593030071
【氏名又は名称】大原薬品工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】五丁森 一博
(72)【発明者】
【氏名】酒向 孫市
【合議体】
【審判長】 蔵野 雅昭
【審判官】 前田 佳与子
【審判官】 穴吹 智子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/188728(WO,A1)
【文献】 特開平9−2976(JP,A)
【文献】 特開2002−191387(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/018777(WO,A1)
【文献】 特開2002−201418(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K31/00-31/80,47/00-47/48,9/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メドキソミル基を有するプロドラッグを含有する素錠の外側に、メドキソミル基を有するプロドラッグ100重量部に対して0.1〜5.0重量部の塩基性の無機酸塩を含有するフィルムコーティング層を有する錠剤であって、塩基性の無機酸塩が、炭酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、リン酸水素二カリウム、ケイ酸マグネシウム及びケイ酸アルミン酸マグネシウムから選ばれる錠剤。
【請求項2】
メドキソミル基を有するプロドラッグを含有する素錠の外側に、メドキソミル基を有するプロドラッグ100重量部に対して0.1〜5.0重量部の塩基性の無機酸塩を含有するフィルムコーティング層を有する錠剤であって、メドキソミル基を有するプロドラッグを含有する素錠と塩基性の無機酸塩を含有するフィルムフィルムコーティング層との間に、塩基性の無機酸塩を含有しないフィルムコーティング層が存在する錠剤。
【請求項3】
メドキソミル基を有するプロドラッグがオルメサルタンメドキソミル又はアジルサルタンメドキソミルである、請求項1又は2に記載の錠剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オルメサルタンメドキソミル(日本医薬品一般名称)等のメドキソミル基を有するプロドラッグである薬剤から発する不快臭を低減した製剤の創製に関する。
【背景技術】
【0002】
オルメサルタンメドキソミル(図6)は、生活習慣病の一つである高血圧症の治療薬として既に製造販売されているアンギオテンシンII受容体拮抗剤である。
オルメサルタンメドキソミルに汎用の添加剤(賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤等)を用いて常法により製造されたオルメサルタンメドキソミルの錠剤は特有の不快臭を発する。それ故、患者の服用コンプライアンスを向上させるために、その不快臭への対策が必要である。この不快臭は、主としてオルメサルタンメドキソミルが加水分解されて生成するメドキソミル(図7)が更に分解されて生じる2,3−ブタンジオン(通称「ジアセチル」、図8)が原因であるといわれている。このジアセチルは、他の薬剤との一包化時に他の薬剤を着色させることも知られている。
【0003】
オルメサルタンメドキソミルを含有する錠剤から発する不快臭の低減方法として、これまでにたとえば金属酸化物やゼオライト、シリカゲル、活性炭などのような吸着剤を包装部材として用いるかあるいは包装部材に含有させる方法(特許文献1、2)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースやデキストロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルアルコールなどの抱合剤含有フィルムコーティング液で錠剤をフィルムコートする方法(特許文献3〜6)、包接化合物(例えば、β―シクロデキストリンなど)を製剤添加物として用いる方法(特許文献7)、含水二酸化ケイ素などの特定の無機化合物を加えたコーティング層を設ける方法(特許文献8)などが示されている。これらの不快臭の低減方法に従うことで、オルメサルタンメドキソミルを含有する錠剤から発する不快臭を効果的に低減することが可能であると考えられる。
【0004】
しかし、上記で挙げられる不快臭の低減方法らは、その作用機構が錠剤又は包装体内部でのジアセチルの捕捉によることが先行文献中では主に示唆され、ジアセチルを化学的に別の物質に変換することは先行文献中ではほぼ示唆されていない。本発明者らは、オルメサルタンメドキソミルを含有する錠剤から発せられるこの不快臭を従来よりも長期間、強く抑制するためには、ジアセチルの捕捉ではなく、不快臭を伴わない別の物質にジアセチルを化学的に変換することの方が作用機構として有効であると考えた。本発明者らは、その観点に基づいて、鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第5241503号公報
【特許文献2】特許第5340925号公報
【特許文献3】特開2003−300883号公報
【特許文献4】特許第4979577号公報
【特許文献5】特許第5000491号公報
【特許文献6】国際公開第2009/057569号
【特許文献7】国際公開第2010/018777号
【特許文献8】特許5744340号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、オルメサルタンメドキソミル等のメドキソミル基を有するプロドラッグを含有する製剤において、ジアセチルを別の化合物に変換させることで不快臭を長期に亘って有意に低減する方法を開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討する過程において、有機塩基や塩基性の無機酸塩等の塩基性添加物を用いてフィルムコーティング層を施すことで、オルメサルタンメドキソミルを含有する錠剤の不快臭が効果的に低減されることを発見した。さらにその発見に基づいて詳細な解析を重ねた結果、オルメサルタンメドキソミルを含有する錠剤中のジアセチルが化学的に重合されて、二量体(図9)等に変換されたために不快臭が効果的に低減されていることが明らかになった。その知見に基づいて更なる検討を加え、本発明を完成することができた。
【0008】
本発明は、有機塩基や塩基性の無機酸塩等の塩基性添加物を用いた、メドキソミル基を有するプロドラッグを含有するフィルムコーティング製剤又はその製造方法に関するものであり、その特に好ましい構成は下記(1)〜(8)に記述されるものである。
(1)オルメサルタンメドキソミルを含有する素錠の外側に、炭酸マグネシウムを含有するフィルムコーティング層を有する錠剤。
(2)フィルムコーティング層に含まれる炭酸マグネシウムの量が、素錠中のオルメサルタンメドキソミル100重量部に対して0.1〜10.0重量部である、前記(1)に記載の錠剤。
(3)フィルムコーティング層に含まれる炭酸マグネシウムの量が、素錠中のオルメサルタンメドキソミル100重量部に対して0.2〜5.0重量部である、前記(1)に記載の錠剤。
(4)オルメサルタンメドキソミルを含有する素錠と炭酸マグネシウムを含有するフィルムフィルムコーティング層との間に、炭酸マグネシウムを含有しないフィルムコーティング層を少なくとも1層は有する、前記(3)に記載の錠剤。
(5)炭酸マグネシウムを含有するフィルムコーティング層の膜厚が1〜100μmである、前記(4)に記載の錠剤。
(6)炭酸マグネシウムを含有しないフィルムコーティング層の膜厚が、1〜300μmである、前記(4)又は(5)に記載の錠剤。
(7)炭酸マグネシウムを含有しないフィルムコーティング層がコーティング剤としてポリビニルアルコール系ポリマーを含有する、前記(4)〜(6)のいずれかに記載の錠剤。
(8)オルメサルタンメドキソミルを含有する素錠から発するジアセチルをフィルムコーティング層中に含まれる炭酸マグネシウムと接触させて二量体を形成させることによる、オルメサルタンメドキソミルを含有する錠剤の防臭方法。
発明の効果]
【0009】
本発明によれば、ジアセチルを別の化合物に変化させることで不快臭を長期に亘って有意に低減することが可能とされた、オルメサルタンメドキソミル等のメドキソミル基を有するプロドラッグを含有する製剤を医療現場に提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施例1、比較例1及び比較例2において製造した錠剤それぞれ5錠を9mLのガラス瓶に入れて密封し、24℃条件下で3時間静置した後に実施した各試料の官能試験結果を表示したものである。
【0011】
図2図2は、実施例2、実施例3、比較例3及び比較例4において製造した錠剤それぞれ5錠を9mLのガラス瓶に入れて密封し、24℃または50℃の条件下で1時間静置した後に実施した各試料の「においモニター(神栄テクノロジー社製:OMX−SRM)」による測定結果を示したものである。
【0012】
図3図3は、実施例4、実施例5、比較例5及び比較例6において製造した錠剤それぞれ3錠を9mLのガラス瓶に入れて密封し、30℃にて1日間または50℃の条件下で1時間静置した後に実施した各試料の「においモニター(神栄テクノロジー社製:OMX−SRM)」による測定結果を示したものである。
【0013】
図4図4は、実施例7、実施例9、比較例7において製造した錠剤それぞれ2錠を9mLのガラス瓶に入れて密封し、50℃の条件下で3日間静置した後に実施した各試料の「においモニター(神栄テクノロジー社製:OMX−SRM)」による測定結果を示したものである。
【0014】
図5図5は、実施例6、実施例11、実施例12、実施例13において製造した錠剤それぞれ2錠を9mLのガラス瓶に入れて密封し、50℃の条件下で3日間静置した後に実施した各試料の「においモニター(神栄テクノロジー社製:OMX−SRM)」による測定結果を示したものである。
【0015】
図6図6は、オルメサルタンメドキソミルの化学構造式を示したものである。
【0016】
図7図7は、メドキソミルの化学構造式を示したものである。
【0017】
図8図8は、ジアセチルの化学構造式を示したものである。
【0018】
図9図9は、ジアセチルの二量体の化学構造式を示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<本発明に係る薬物について>
本発明は、プロドラッグから脱離したメドキソミルが分解されて発生するジアセチルの不快臭を低減するためのものであり、メドキソミル基を有するプロドラッグを含有する製剤(好ましくは錠剤)で実施することが期待されるものである。本発明に係るメドキソミル基を有するプロドラッグとして具体的には、オルメサルタンメドキソミルやアジルサルタンメドキソミル等が挙げられるが、最も好ましくはオルメサルタンメドキソミルである。本発明に係るメドキソミル基を有するプロドラッグの分子量の範囲は、200.00〜1000.00であり、好ましくは450.00〜650.00である。参考としてオルメサルタンメドキソミルは分子量が約558.59である。
本発明において使用されるオルメサルタンメドキソミルの平均粒子径(光散乱法による測定値)は75μm以下のものが好ましく、より好ましくは0.1〜10.0μmである。必要に応じて適宜乾式又は湿式粉砕を行い、任意の粒子径に調整することも可能である。
【0020】
<本発明に係る製剤の形態について>
本発明の製剤の形態はフィルムコーティング製剤(散剤、細粒剤、顆粒剤、錠剤等)であるが、好ましくはフィルムコーティング錠である。フィルムコーティング錠においては、メドキソミル基を有するプロドラッグは素錠中にのみ含有されることが好ましく、フィルムコーティング錠の重量は通常80〜500mgのものが好ましい。
【0021】
<本発明に係る塩基性添加物について>
本発明のフィルムコーティング製剤においては、フィルムコーティング層中に天然由来の有機塩基又は塩基性の無機酸塩が含有されるが、好ましくは塩基性の無機酸塩が含有される。これによって薬剤から発するジアセチルを化学的に別の物質(二量体等)に変換させてその不快臭を効果的に低減することができる。
【0022】
メドキソミル基を有するプロドラッグとフィルムコーティング層中の有機塩基の重量比としては、好ましくは前者100重量部に対して、後者が0.1〜50.0重量部であるか、より好ましくは2.0〜10.0重量部である。メドキソミル基を有するプロドラッグとフィルムコーティング層中の塩基性の無機酸塩との重量比としては、好ましくは前者100重量部に対して、後者が0.1〜10.0重量部であるか、より好ましくは0.2〜5.0重量部である。有機塩基又は塩基性の無機酸塩を含有するフィルムコーティング層の厚みは、通常1〜300μm、好ましくは5〜200μm、さらに好ましくは10〜150μmである。
有機塩基又は塩基性の無機酸塩を含有するフィルムコーティング層とメドキソミル基を有するプロドラッグを含む素錠の間に、有機塩基又は塩基性の無機酸塩を含有しないフィルムコーティング層が更に存在することが好ましい。有機塩基又は塩基性の無機酸塩を含有しないフィルムコーティング層の厚みは、通常1〜300μmである。
【0023】
本発明に係る有機塩基として具体的には、L−アルギニン、L−リジンなどの塩基性アミノ酸やメグルミン等から選択され、より好ましくはL−アルギニン、メグルミンから選択され、最も好ましくはL−アルギニンである。
本発明に係る塩基性の無機酸塩として具体的には、炭酸又はケイ酸、燐酸の金属塩(特にアルカリ土類金属塩が好ましい)等から選択され、より具体的には、炭酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸アンモニウム、無水リン酸水素カルシウム、リン酸水素二カリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸等から選択され、より好ましくはケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウムから選択され、最も好ましくは炭酸マグネシウムである。ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウムについては、ジアセチルが別の化合物に変換される反応を触媒することに加えて、ジアセチル存在下で着色する問題が起きないことが本発明者の試験結果より示唆されている。また、本発明においては、塩基性であれば無機酸塩の代わりに有機酸塩を使用することも可能であると考えられる。
【0024】
<本発明に係る製剤添加物について>
本発明では上記以外の製剤上の添加物として、通常使用されている賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等が使用できる。
例えば、賦形剤としては、乳糖、結晶セルロース、トウモロコシ澱粉、バレイショ澱粉、D−マンニトール、白糖、ショ糖、ブドウ糖等が挙げられる。
結合剤としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ポビドン、メチルセルロース、エチルセルロース、アルファー化デンプン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体等を挙げることができる。
崩壊剤としては、例えばトウモロコシデンプン、結晶セルロース、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム等を挙げることができる。
滑沢剤としては、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム等を挙げることができる。
【0025】
本発明の製剤が有するフィルムコーティング層の形成に使用されるコーティング剤の種類は特に限定されず、当業者が適宜選択可能である。そのようなコーティング剤としては、例えば、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メタクリル酸コポリマー、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー等を挙げることができる。
本発明に係る有機塩基又は塩基性の無機酸塩を含有するフィルムコーティング層に用いるコーティング剤として、好ましくはヒドロキシプロピルメチルセルロース(ヒプロメロース)である。
本発明に係る有機塩基又は塩基性の無機酸塩を含有しないフィルムコーティング層に用いるコーティング剤として、好ましくはポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体、ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマーから選ばれるポリビニルアルコール系ポリマーであり、最も好ましくはポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体である。
【0026】
さらに必要に応じて、フィルムコーティング層中に、通常用いられる量の可塑剤、賦形剤、滑沢剤、遮光剤、着色剤等の添加剤を含むことができる。
本発明に係る可塑剤として、例えば、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、グリセリントリアセテート、フタル酸ジエチル、クエン酸トリエチル、ラウリル酸、ショ糖、デキストロース、ソルビトール、トリアセチン、アセチルトリエチルチトレート、トリエチルチトレート、トリブチルチトレート、アセチルトリブチルチトレート等を挙げることができる。
【実施例1】
【0027】
オルメサルタンメドキソミル40.0g、乳糖水和物328.0g、結晶セルロース64.0g及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロース32.0gを流動層造粒機(パウレック社製:MP−01型)に投入し、ヒドロキシプロピルセルロース12.0gを精製水228.0gに溶解した液を噴霧、造粒した。得られた顆粒を乾燥した後に、JIS30メッシュの篩にて篩過して得られた整粒品のうちの119.0gにステアリン酸カルシウム1.0gを加え、ポリエチレン製の袋にて混合した。次いで、この混合物を、ロータリー式打錠機(菊水製作所製:VELA5型)を用いて直径7mmに圧縮成型し、下記組成の錠剤を得た。次いで、素錠をコーティング機(パウレック社製:DRC−200型)に投入し、これに、予めヒプロメロース30.0g、酸化チタン3.0g、タルク4.0g、及びポリエチレングリコール3.0gを精製水360.0gに加え、均一分散させた液を噴霧し、1錠質量124mgになるまでコーティングし、乾燥してコーティング錠を得た。さらに、上記コーティング錠をコーティング機(パウレック社製:DRC−200型)に投入し、これに、予めヒプロメロース30.0g、酸化チタン3.0g、タルク4.0g、ポリエチレングリコール3.0g及びメグルミン10.0gを精製水360.0gに加え、均一分散させた液を噴霧し、1錠質量125mgになるまでコーティングし、乾燥して二層コーティング錠を得た。
[成 分] [1錠当たりの重量(mg)]
オルメサルタンメドキソミル 10.0
乳糖水和物 82.0
結晶セルロース 16.0
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 8.0
ヒドロキシプロピルセルロース 3.0
ステアリン酸カルシウム 1.0
ヒプロメロース 3.6
酸化チタン 0.36
タルク 0.48
ポリエチレングリコール 0.36
メグルミン 0.20
【実施例2】
【0028】
オルメサルタンメドキソミル80.0g、乳糖水和物416.0g、結晶セルロース80.0g及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロース40.0gを流動層造粒機(パウレック社製:MP−01型)に投入し、ヒドロキシプロピルセルロース16.0gを精製水304.0gに溶解した液を噴霧、造粒した。得られた顆粒を乾燥し、JIS30メッシュの篩にて篩過して得られた整粒品のうちの158.0gにステアリン酸カルシウム2.0gを加え、ポリエチレン製の袋にて混合した。次いで、この混合物を、ロータリー式打錠機(菊水製作所製:VELA5型)を用いて直径8mmに圧縮成型し、下記組成の錠剤を得た。次いで、素錠をコーティング機(パウレック社製:DRC−200型)に投入し、これに、予めヒプロメロース30.0gを精製水360.0gに加え、均一分散させた液を噴霧し、1錠質量166mgになるまでコーティングし、乾燥してコーティング錠を得た。さらに、上記コーティング錠をコーティング機(パウレック社製:DRC−200型)に投入し、これに、予めヒプロメロース40.0g、及びメグルミン10.0gを精製水360.0gに加え溶解させた液を噴霧し、1錠質量168mgになるまでコーティングし、乾燥して二層コーティング錠を得た。
[成 分] [1錠当たりの重量(mg)]
オルメサルタンメドキソミル 20.0
乳糖水和物 104.0
結晶セルロース 20.0
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 10.0
ヒドロキシプロピルセルロース 4.0
ステアリン酸カルシウム 2.0
ヒプロメロース 7.6
メグルミン 0.4
【実施例3】
【0029】
オルメサルタンメドキソミル80.0g、乳糖水和物416.0g、結晶セルロース80.0g及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロース40.0gを流動層造粒機(パウレック社製:MP−01型)に投入し、ヒドロキシプロピルセルロース16.0gを精製水304.0gに溶解した液を噴霧、造粒した。得られた顆粒を乾燥し、JIS30メッシュの篩にて篩過して得られた整粒品のうちの158.0gにステアリン酸カルシウム2.0gを加え、ポリエチレン製の袋にて混合した。次いで、この混合物を、ロータリー式打錠機(菊水製作所製:VELA5型)を用いて直径8mmに圧縮成型し、下記組成の錠剤を得た。次いで、素錠をコーティング機(パウレック社製:DRC−200型)に投入し、これに、予めヒプロメロース30.0gを精製水360.0gに加え、均一分散させた液を噴霧し、1錠質量166mgになるまでコーティングし、乾燥してコーティング錠を得た。さらに、上記コーティング錠をコーティング機(パウレック社製:DRC−200型)に投入し、これに、予めヒプロメロース40.0g、及びL―アルギニン10.0gを精製水360.0gに加え溶解させた液を噴霧し、1錠質量168mgになるまでコーティングし、乾燥して二層コーティング錠を得た。
[成 分] [1錠当たりの重量(mg)]
オルメサルタンメドキソミル 20.0
乳糖水和物 104.0
結晶セルロース 20.0
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 10.0
ヒドロキシプロピルセルロース 4.0
ステアリン酸カルシウム 2.0
ヒプロメロース 7.6
L−アルギニン 0.4
【実施例4】
【0030】
オルメサルタンメドキソミル40.0g、乳糖水和物152.0g、結晶セルロース32.0g及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロース16.0gを流動層造粒機(パウレック社製:MP−01型)に投入し、ヒドロキシプロピルセルロース7.0gを精製水100.0gに溶解した液を噴霧、造粒した。得られた顆粒を乾燥し、JIS30メッシュの篩にて篩過した。得られた整粒品の内123.5gにステアリン酸カルシウム1.5gを加え、ポリエチレン製の袋にて混合した。次いで、この混合物を、ロータリー式打錠機(菊水製作所製:VELA5型)を用いて直径8mmに圧縮成型し、下記組成の錠剤を得た。次いで素錠をコーティング機(パウレック社製:DRC−200型)に投入し、これに、予めポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体(大同化成株式会社のPOVACOAT:登録商標)20.0g及びタルク20.0gを精製水400.0gに加え、均一分散させた液を噴霧し、1錠質量129mgになるまでコーティングし、乾燥してコーティング錠を得た。さらに上記コーティング錠をコーティング機(パウレック社製:DRC−200型)に投入し、これに、予めヒプロメロース24.0g、酸化チタン2.0g、タルク4.0g、ポリエチレングリコール2.0g及びL―アルギニン8.0gを精製水400.0gに加え、均一分散させた液を噴霧し、1錠質量131mgになるまでコーティングし、乾燥して二層コーティング錠を得た。
[成 分] [1錠当たりの重量(mg)]
オルメサルタンメドキソミル 20.0
乳糖水和物 76.0
結晶セルロース 16.0
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 8.0
ヒドロキシプロピルセルロース 3.5
ステアリン酸カルシウム 1.5
ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体 2.0
ヒプロメロース 1.2
酸化チタン 0.1
タルク 2.2
ポリエチレングリコール 0.1
L−アルギニン 0.4
【実施例5】
【0031】
オルメサルタンメドキソミル40.0g、乳糖水和物152.0g、結晶セルロース32.0g及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロース16.0gを流動層造粒機(パウレック社製:MP−01型)に投入し、ヒドロキシプロピルセルロース7.0gを精製水100.0gに溶解した液を噴霧、造粒した。得られた顆粒を乾燥し、JIS30メッシュの篩にて篩過した。得られた整粒品の内123.5gにステアリン酸カルシウム1.5gを加え、ポリエチレン製の袋にて混合した。次いで、この混合物を、ロータリー式打錠機(菊水製作所製:VELA5型)を用いて直径8mmに圧縮成型し、下記組成の錠剤を得た。次いで素錠をコーティング機(パウレック社製:DRC−200型)に投入し、これに、予めポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体(大同化成株式会社のPOVACOAT:登録商標)20.0g及びタルク20.0gを精製水400.0gに加え、均一分散させた液を噴霧し、1錠質量129mgになるまでコーティングし、乾燥してコーティング錠を得た。さらに上記コーティング錠をコーティング機(パウレック社製:DRC−200型)に投入し、これに、予めポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体20.0g及びタルク20.0gを精製水400.0gに加え、均一分散させた液を噴霧し、1錠質量131mgになるまでコーティングし、乾燥してコーティング錠を得た。さらに上記コーティング錠をコーティング機(パウレック社製:DRC−200型)に投入し、これに、予めヒプロメロース24.0g、酸化チタン2.0g、タルク4.0g、ポリエチレングリコール2.0g及びL―アルギニン8.0gを精製水400.0gに加え、均一分散させた液を噴霧し、1錠質量133mgになるまでコーティングし、乾燥して二層コーティング錠を得た。
[成 分] [1錠当たりの重量(mg)]
オルメサルタンメドキソミル 20.0
乳糖水和物 76.0
結晶セルロース 16.0
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 8.0
ヒドロキシプロピルセルロース 3.5
ステアリン酸カルシウム 1.5
ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体 3.0
ヒプロメロース 1.2
酸化チタン 0.1
タルク 3.2
ポリエチレングリコール 0.1
L−アルギニン 0.4
【実施例6】
【0032】
オルメサルタンメドキソミル40.0g、D−マンニトール150.0g、結晶セルロース32.0g及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロース16.0gを流動層造粒機(パウレック社製:MP−01型)に投入し、ヒドロキシプロピルセルロース7.0gを精製水100.0gに溶解した液を噴霧、造粒した。得られた顆粒を乾燥し、JIS30メッシュの篩にて篩過した。得られた整粒品の内122.5gにステアリン酸カルシウム1.5gを加え、ポリエチレン製の袋にて混合した。次いで、この混合物を、ロータリー式打錠機(菊水製作所製:VELA5型)を用いて直径8mmに圧縮成型し、下記組成の錠剤を得た。次いで素錠をコーティング機(パウレック社製:DRC−200型)に投入し、これに、予めポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体(大同化成株式会社のPOVACOAT:登録商標)20.0g及びタルク20.0gを精製水400.0gに加え、均一分散させた液を噴霧し、1錠質量128mgになるまでコーティングし、乾燥してコーティング錠を得た。さらに上記コーティング錠をコーティング機(パウレック社製:DRC−200型)に投入し、これに、予めヒプロメロース24.0g、酸化チタン2.0g、タルク4.0g、ポリエチレングリコール2.0g及びL―アルギニン8.0gを精製水400.0gに加え、均一分散させた液を噴霧し、1錠質量130mgになるまでコーティングし、乾燥して二層コーティング錠を得た。
[成 分] [1錠当たりの重量(mg)]
オルメサルタンメドキソミル 20.0
D−マンニトール 75.0
結晶セルロース 16.0
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 8.0
ヒドロキシプロピルセルロース 3.5
ステアリン酸カルシウム 1.5
ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体 2.0
タルク 2.2
ヒプロメロース 1.2
ポリエチレングリコール 0.1
酸化チタン 0.1
L−アルギニン 0.4
【実施例7】
【0033】
オルメサルタンメドキソミル40.0g、D−マンニトール150.0g、結晶セルロース32.0g及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロース16.0gを流動層造粒機(パウレック社製:MP−01型)に投入し、ヒドロキシプロピルセルロース7.0gを精製水100.0gに溶解した液を噴霧、造粒した。得られた顆粒を乾燥し、JIS30メッシュの篩にて篩過した。得られた整粒品の内122.5gにステアリン酸カルシウム1.5gを加え、ポリエチレン製の袋にて混合した。次いで、この混合物を、ロータリー式打錠機(菊水製作所製:VELA5型)を用いて直径8mmに圧縮成型し、下記組成の錠剤を得た。次いで素錠をコーティング機(パウレック社製:DRC−200型)に投入し、これに、予めポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体(大同化成株式会社のPOVACOAT:登録商標)20.0g及びタルク20.0gを精製水400.0gに加え、均一分散させた液を噴霧し、1錠質量128mgになるまでコーティングし、乾燥してコーティング錠を得た。さらに上記コーティング錠をコーティング機(パウレック社製:DRC−200型)に投入し、これに、予めヒプロメロース31.4g、酸化チタン2.0g、タルク4.0g、ポリエチレングリコール2.0g及びケイ酸カルシウム0.54gを精製水400.0gに加え、均一分散させた液を噴霧し、1錠質量約130mgになるまでコーティングし、乾燥して二層コーティング錠を得た。
[成 分] [1錠当たりの重量(mg)]
オルメサルタンメドキソミル 20.0
D−マンニトール 75.0
結晶セルロース 16.0
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 8.0
ヒドロキシプロピルセルロース 3.5
ステアリン酸カルシウム 1.5
ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体 2.0
タルク 2.2
ヒプロメロース 1.57
ポリエチレングリコール 0.1
酸化チタン 0.1
ケイ酸カルシウム 0.027
【実施例8】
【0034】
オルメサルタンメドキソミル40.0g、D−マンニトール150.0g、結晶セルロース32.0g及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロース16.0gを流動層造粒機(パウレック社製:MP−01型)に投入し、ヒドロキシプロピルセルロース7.0gを精製水100.0gに溶解した液を噴霧、造粒した。得られた顆粒を乾燥し、JIS30メッシュの篩にて篩過した。得られた整粒品の内122.5gにステアリン酸カルシウム1.5gを加え、ポリエチレン製の袋にて混合した。次いで、この混合物を、ロータリー式打錠機(菊水製作所製:VELA5型)を用いて直径8mmに圧縮成型し、下記組成の錠剤を得た。次いで素錠をコーティング機(パウレック社製:DRC−200型)に投入し、これに、予めポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体(大同化成株式会社のPOVACOAT:登録商標)20.0g及びタルク20.0gを精製水400.0gに加え、均一分散させた液を噴霧し、1錠質量128mgになるまでコーティングし、乾燥してコーティング錠を得た。さらに上記コーティング錠をコーティング機(パウレック社製:DRC−200型)に投入し、これに、予めヒプロメロース29.4g、酸化チタン2.0g、タルク4.0g、ポリエチレングリコール2.0g及びケイ酸カルシウム2.6gを精製水400.0gに加え、均一分散させた液を噴霧し、1錠質量約130mgになるまでコーティングし、乾燥して二層コーティング錠を得た。
[成 分] [1錠当たりの重量(mg)]
オルメサルタンメドキソミル 20.0
D−マンニトール 75.0
結晶セルロース 16.0
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 8.0
ヒドロキシプロピルセルロース 3.5
ステアリン酸カルシウム 1.5
ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体 2.0
タルク 2.2
ヒプロメロース 1.47
ポリエチレングリコール 0.1
酸化チタン 0.1
ケイ酸カルシウム 0.13
【実施例9】
【0035】
オルメサルタンメドキソミル40.0g、D−マンニトール150.0g、結晶セルロース32.0g及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロース16.0gを流動層造粒機(パウレック社製:MP−01型)に投入し、ヒドロキシプロピルセルロース7.0gを精製水100.0gに溶解した液を噴霧、造粒した。得られた顆粒を乾燥し、JIS30メッシュの篩にて篩過した。得られた整粒品の内122.5gにステアリン酸カルシウム1.5gを加え、ポリエチレン製の袋にて混合した。次いで、この混合物を、ロータリー式打錠機(菊水製作所製:VELA5型)を用いて直径8mmに圧縮成型し、下記組成の錠剤を得た。次いで素錠をコーティング機(パウレック社製:DRC−200型)に投入し、これに、予めポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体(大同化成株式会社のPOVACOAT:登録商標)20.0g及びタルク20.0gを精製水400.0gに加え、均一分散させた液を噴霧し、1錠質量128mgになるまでコーティングし、乾燥してコーティング錠を得た。さらに上記コーティング錠をコーティング機(パウレック社製:DRC−200型)に投入し、これに、予めヒプロメロース26.6g、酸化チタン2.0g、タルク4.0g、ポリエチレングリコール2.0g及びケイ酸カルシウム5.4gを精製水400.0gに加え、均一分散させた液を噴霧し、1錠質量約130mgになるまでコーティングし、乾燥して二層コーティング錠を得た。
[成 分] [1錠当たりの重量(mg)]
オルメサルタンメドキソミル 20.0
D−マンニトール 75.0
結晶セルロース 16.0
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 8.0
ヒドロキシプロピルセルロース 3.5
ステアリン酸カルシウム 1.5
ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体 2.0
タルク 2.2
ヒプロメロース 1.33
ポリエチレングリコール 0.1
酸化チタン 0.1
ケイ酸カルシウム 0.27
【実施例10】
【0036】
オルメサルタンメドキソミル40.0g、D−マンニトール150.0g、結晶セルロース32.0g及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロース16.0gを流動層造粒機(パウレック社製:MP−01型)に投入し、ヒドロキシプロピルセルロース7.0gを精製水100.0gに溶解した液を噴霧、造粒した。得られた顆粒を乾燥し、JIS30メッシュの篩にて篩過した。得られた整粒品の内122.5gにステアリン酸カルシウム1.5gを加え、ポリエチレン製の袋にて混合した。次いで、この混合物を、ロータリー式打錠機(菊水製作所製:VELA5型)を用いて直径8mmに圧縮成型し、下記組成の錠剤を得た。次いで素錠をコーティング機(パウレック社製:DRC−200型)に投入し、これに、予めポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体(大同化成株式会社のPOVACOAT:登録商標)20.0g及びタルク20.0gを精製水400.0gに加え、均一分散させた液を噴霧し、1錠質量128mgになるまでコーティングし、乾燥してコーティング錠を得た。さらに上記コーティング錠をコーティング機(パウレック社製:DRC−200型)に投入し、これに、予めヒプロメロース21.2g、酸化チタン2.0g、タルク4.0g、ポリエチレングリコール2.0g及びケイ酸カルシウム10.8gを精製水400.0gに加え、均一分散させた液を噴霧し、1錠質量約130mgになるまでコーティングし、乾燥して二層コーティング錠を得た。
[成 分] [1錠当たりの重量(mg)]
オルメサルタンメドキソミル 20.0
D−マンニトール 75.0
結晶セルロース 16.0
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 8.0
ヒドロキシプロピルセルロース 3.5
ステアリン酸カルシウム 1.5
ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体 2.0
タルク 2.2
ヒプロメロース 1.06
ポリエチレングリコール 0.1
酸化チタン 0.1
ケイ酸カルシウム 0.54
【実施例11】
【0037】
オルメサルタンメドキソミル40.0g、D−マンニトール150.0g、結晶セルロース32.0g及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロース16.0gを流動層造粒機(パウレック社製:MP−01型)に投入し、ヒドロキシプロピルセルロース7.0gを精製水100.0gに溶解した液を噴霧、造粒した。得られた顆粒を乾燥し、JIS30メッシュの篩にて篩過した。得られた整粒品の内122.5gにステアリン酸カルシウム1.5gを加え、ポリエチレン製の袋にて混合した。次いで、この混合物を、ロータリー式打錠機(菊水製作所製:VELA5型)を用いて直径8mmに圧縮成型し、下記組成の錠剤を得た。次いで素錠をコーティング機(パウレック社製:DRC−200型)に投入し、これに、予めポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体(大同化成株式会社のPOVACOAT:登録商標)20.0g及びタルク20.0gを精製水400.0gに加え、均一分散させた液を噴霧し、1錠質量128mgになるまでコーティングし、乾燥してコーティング錠を得た。さらに上記コーティング錠をコーティング機(パウレック社製:DRC−200型)に投入し、これに、予めヒプロメロース13.0g、酸化チタン2.0g、タルク4.0g、ポリエチレングリコール2.0g及び炭酸マグネシウム19.0gを精製水400.0gに加え、均一分散させた液を噴霧し、1錠質量約130mgになるまでコーティングし、乾燥して二層コーティング錠を得た。
[成 分] [1錠当たりの重量(mg)]
オルメサルタンメドキソミル 20.0
D−マンニトール 75.0
結晶セルロース 16.0
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 8.0
ヒドロキシプロピルセルロース 3.5
ステアリン酸カルシウム 1.5
ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体 2.0
タルク 2.2
ヒプロメロース 0.65
ポリエチレングリコール 0.1
酸化チタン 0.1
炭酸マグネシウム 0.95
【実施例12】
【0038】
オルメサルタンメドキソミル40.0g、D−マンニトール150.0g、結晶セルロース32.0g及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロース16.0gを流動層造粒機(パウレック社製:MP−01型)に投入し、ヒドロキシプロピルセルロース7.0gを精製水100.0gに溶解した液を噴霧、造粒した。得られた顆粒を乾燥し、JIS30メッシュの篩にて篩過した。得られた整粒品の内122.5gにステアリン酸カルシウム1.5gを加え、ポリエチレン製の袋にて混合した。次いで、この混合物を、ロータリー式打錠機(菊水製作所製:VELA5型)を用いて直径8mmに圧縮成型し、下記組成の錠剤を得た。次いで素錠をコーティング機(パウレック社製:DRC−200型)に投入し、これに、予めポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体(大同化成株式会社のPOVACOAT:登録商標)20.0g及びタルク20.0gを精製水400.0gに加え、均一分散させた液を噴霧し、1錠質量128mgになるまでコーティングし、乾燥してコーティング錠を得た。さらに上記コーティング錠をコーティング機(パウレック社製:DRC−200型)に投入し、これに、予めヒプロメロース15.8g、酸化チタン2.0g、タルク4.0g、ポリエチレングリコール2.0g及びケイ酸マグネシウム16.2gを精製水400.0gに加え、均一分散させた液を噴霧し、1錠質量約130mgになるまでコーティングし、乾燥して二層コーティング錠を得た。
[成 分] [1錠当たりの重量(mg)]
オルメサルタンメドキソミル 20.0
D−マンニトール 75.0
結晶セルロース 16.0
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 8.0
ヒドロキシプロピルセルロース 3.5
ステアリン酸カルシウム 1.5
ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体 2.0
タルク 2.2
ヒプロメロース 0.79
ポリエチレングリコール 0.1
酸化チタン 0.1
ケイ酸マグネシウム 0.81
【実施例13】
【0039】
オルメサルタンメドキソミル40.0g、D−マンニトール150.0g、結晶セルロース32.0g及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロース16.0gを流動層造粒機(パウレック社製:MP−01型)に投入し、ヒドロキシプロピルセルロース7.0gを精製水100.0gに溶解した液を噴霧、造粒した。得られた顆粒を乾燥し、JIS30メッシュの篩にて篩過した。得られた整粒品の内122.5gにステアリン酸カルシウム1.5gを加え、ポリエチレン製の袋にて混合した。次いで、この混合物を、ロータリー式打錠機(菊水製作所製:VELA5型)を用いて直径8mmに圧縮成型し、下記組成の錠剤を得た。次いで素錠をコーティング機(パウレック社製:DRC−200型)に投入し、これに、予めポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体(大同化成株式会社のPOVACOAT:登録商標)20.0g及びタルク20.0gを精製水400.0gに加え、均一分散させた液を噴霧し、1錠質量128mgになるまでコーティングし、乾燥してコーティング錠を得た。さらに上記コーティング錠をコーティング機(パウレック社製:DRC−200型)に投入し、これに、予めヒプロメロース24.0g、酸化チタン2.0g、タルク4.0g、ポリエチレングリコール2.0g及びケイ酸アルミン酸マグネシウム8.0gを精製水400.0gに加え、均一分散させた液を噴霧し、1錠質量約130mgになるまでコーティングし、乾燥して二層コーティング錠を得た。
[成 分] [1錠当たりの重量(mg)]
オルメサルタンメドキソミル 20.0
D−マンニトール 75.0
結晶セルロース 16.0
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 8.0
ヒドロキシプロピルセルロース 3.5
ステアリン酸カルシウム 1.5
ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体 2.0
タルク 2.2
ヒプロメロース 1.2
ポリエチレングリコール 0.1
酸化チタン 0.1
ケイ酸アルミン酸マグネシウム 0.4
【実施例14】
【0040】
オルメサルタンメドキソミル150.0g、D−マンニトール531.0g、結晶セルロース120.0g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース60.0g及び軽質無水ケイ酸1.5gを流動層造粒機(パウレック社製:MP−01型)に投入し、ヒドロキシプロピルセルロース26.25gを精製水498.75gに溶解した液を噴霧、造粒した。得られた顆粒を乾燥し、JIS30メッシュの篩にて篩過した。得られた整粒品の内829.5gにステアリン酸マグネシウム10.5gを加え、ポリエチレン製の袋にて混合した。次いで、この混合物を、ロータリー式打錠機(菊水製作所製:VELA5型)を用いて直径8mmに圧縮成型し、下記組成の錠剤を得た。
次いで素錠をコーティング機(フロイント社製:HC−FZ−Labo型)に投入し、これに、予めポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体(大同化成株式会社のPOVACOAT:登録商標)26.25g及びタルク26.25gを精製水472.5gに加え、均一分散させた液を噴霧し、1錠質量125mgになるまでコーティングし、乾燥してコーティング錠を得た。さらに上記コーティング錠をコーティング機(フロイント社製:HC−FZ−Labo型)に投入し、これに、予めヒプロメロース33.075g、酸化チタン2.1g、タルク4.2g、ポリエチレングリコール2.1g及び炭酸マグネシウム0.525gを精製水630.0gに加え、均一分散させた液を噴霧し、1錠質量約129mgになるまでコーティングし、乾燥して二層コーティング錠を得た。
[成 分] [1錠当たりの重量(mg)]
オルメサルタンメドキソミル 20.0
D−マンニトール 70.8
結晶セルロース 16.0
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 8.0
ヒドロキシプロピルセルロース 3.5
軽質無水ケイ酸 0.2
ステアリン酸マグネシウム 1.5
ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体 2.5
タルク 2.9
ヒプロメロース 3.15
ポリエチレングリコール 0.2
酸化チタン 0.2
炭酸マグネシウム 0.05
【実施例15】
【0041】
オルメサルタンメドキソミル150.0g、D−マンニトール531.0g、結晶セルロース120.0g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース60.0g及び軽質無水ケイ酸1.5gを流動層造粒機(パウレック社製:MP−01型)に投入し、ヒドロキシプロピルセルロース26.25gを精製水498.75gに溶解した液を噴霧、造粒した。得られた顆粒を乾燥し、JIS30メッシュの篩にて篩過した。得られた整粒品の内829.5gにステアリン酸マグネシウム10.5gを加え、ポリエチレン製の袋にて混合した。次いで、この混合物を、ロータリー式打錠機(菊水製作所製:VELA5型)を用いて直径8mmに圧縮成型し、下記組成の錠剤を得た。次いで素錠をコーティング機(フロイント社製:HC−FZ−Labo型)に投入し、これに、予めポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体(大同化成株式会社のPOVACOAT:登録商標)21.0g及びタルク21.0gを精製水378.0gに加え、均一分散させた液を噴霧し、1錠質量124mgになるまでコーティングし、乾燥してコーティング錠を得た。さらに上記コーティング錠をコーティング機(フロイント社製:HC−FZ−Labo型)に投入し、これに、予めヒプロメロース24.15g、酸化チタン1.575g、タルク3.15g、ポリエチレングリコール1.575g及び炭酸マグネシウム1.05gを精製水472.5gに加え、均一分散させた液を噴霧し、1錠質量約127mgになるまでコーティングし、乾燥して二層コーティング錠を得た。
[成 分] [1錠当たりの重量(mg)]
オルメサルタンメドキソミル 20.0
D−マンニトール 70.8
結晶セルロース 16.0
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 8.0
ヒドロキシプロピルセルロース 3.5
軽質無水ケイ酸 0.2
ステアリン酸マグネシウム 1.5
ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体 2.0
タルク 2.3
ヒプロメロース 2.3
ポリエチレングリコール 0.15
酸化チタン 0.15
炭酸マグネシウム 0.1
【実施例16】
【0042】
オルメサルタンメドキソミル150.0g、D−マンニトール531.0g、結晶セルロース120.0g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース60.0g及び軽質無水ケイ酸1.5gを流動層造粒機(パウレック社製:MP−01型)に投入し、ヒドロキシプロピルセルロース26.25gを精製水498.75gに溶解した液を噴霧、造粒した。得られた顆粒を乾燥し、JIS30メッシュの篩にて篩過した。得られた整粒品の内829.5gにステアリン酸マグネシウム10.5gを加え、ポリエチレン製の袋にて混合した。次いで、この混合物を、ロータリー式打錠機(菊水製作所製:VELA5型)を用いて直径8mmに圧縮成型し、下記組成の錠剤を得た。次いで素錠をコーティング機(フロイント社製:HC−FZ−Labo型)に投入し、これに、予めポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体(大同化成株式会社のPOVACOAT:登録商標)21.0g及びタルク21.0gを精製水378.0gに加え、均一分散させた液を噴霧し、1錠質量124mgになるまでコーティングし、乾燥してコーティング錠を得た。さらに上記コーティング錠をコーティング機(フロイント社製:HC−FZ−Labo型)に投入し、これに、予めヒプロメロース22.05g、酸化チタン1.575g、タルク3.15g、ポリエチレングリコール1.575g及び炭酸マグネシウム3.15gを精製水472.5gに加え、均一分散させた液を噴霧し、1錠質量約127mgになるまでコーティングし、乾燥して二層コーティング錠を得た。
[成 分] [1錠当たりの重量(mg)]
オルメサルタンメドキソミル 20.0
D−マンニトール 70.8
結晶セルロース 16.0
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 8.0
ヒドロキシプロピルセルロース 3.5
軽質無水ケイ酸 0.2
ステアリン酸マグネシウム 1.5
ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体 2.0
タルク 2.3
ヒプロメロース 2.1
ポリエチレングリコール 0.15
酸化チタン 0.15
炭酸マグネシウム 0.3
【実施例17】
【0043】
オルメサルタンメドキソミル150.0g、D−マンニトール531.0g、結晶セルロース120.0g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース60.0g及び軽質無水ケイ酸1.5gを流動層造粒機(パウレック社製:MP−01型)に投入し、ヒドロキシプロピルセルロース26.25gを精製水498.75gに溶解した液を噴霧、造粒した。得られた顆粒を乾燥し、JIS30メッシュの篩にて篩過した。得られた整粒品の内829.5gにステアリン酸マグネシウム10.5gを加え、ポリエチレン製の袋にて混合した。次いで、この混合物を、ロータリー式打錠機(菊水製作所製:VELA5型)を用いて直径8mmに圧縮成型し、下記組成の錠剤を得た。次いで素錠をコーティング機(フロイント社製:HC−FZ−Labo型)に投入し、これに、予めポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体(大同化成株式会社のPOVACOAT:登録商標)21.0g及びタルク21.0gを精製水378.0gに加え、均一分散させた液を噴霧し、1錠質量124mgになるまでコーティングし、乾燥してコーティング錠を得た。さらに上記コーティング錠をコーティング機(フロイント社製:HC−FZ−Labo型)に投入し、これに、予めヒプロメロース18.9g、酸化チタン1.575g、タルク3.15g、ポリエチレングリコール1.575g及び炭酸マグネシウム6.3gを精製水472.5gに加え、均一分散させた液を噴霧し、1錠質量約127mgになるまでコーティングし、乾燥して二層コーティング錠を得た。
[成 分] [1錠当たりの重量(mg)]
オルメサルタンメドキソミル 20.0
D−マンニトール 70.8
結晶セルロース 16.0
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 8.0
ヒドロキシプロピルセルロース 3.5
軽質無水ケイ酸 0.2
ステアリン酸マグネシウム 1.5
ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体 2.0
タルク 2.3
ヒプロメロース 1.8
ポリエチレングリコール 0.15
酸化チタン 0.15
炭酸マグネシウム 0.6
【実施例18】
【0044】
オルメサルタンメドキソミル150.0g、D−マンニトール531.0g、結晶セルロース120.0g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース60.0g及び軽質無水ケイ酸1.5gを流動層造粒機(パウレック社製:MP−01型)に投入し、ヒドロキシプロピルセルロース26.25gを精製水498.75gに溶解した液を噴霧、造粒した。得られた顆粒を乾燥し、JIS30メッシュの篩にて篩過した。得られた整粒品の内829.5gにステアリン酸マグネシウム10.5gを加え、ポリエチレン製の袋にて混合した。次いで、この混合物を、ロータリー式打錠機(菊水製作所製:VELA5型)を用いて直径8mmに圧縮成型し、下記組成の錠剤を得た。次いで素錠をコーティング機(フロイント社製:HC−FZ−Labo型)に投入し、これに、予めポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体(大同化成株式会社のPOVACOAT:登録商標)21.0g及びタルク21.0gを精製水378.0gに加え、均一分散させた液を噴霧し、1錠質量124mgになるまでコーティングし、乾燥してコーティング錠を得た。さらに上記コーティング錠をコーティング機(フロイント社製:HC−FZ−Labo型)に投入し、これに、予めヒプロメロース14.7g、酸化チタン1.575g、タルク3.15g、ポリエチレングリコール1.575g及び炭酸マグネシウム10.5gを精製水472.5gに加え、均一分散させた液を噴霧し、1錠質量約127mgになるまでコーティングし、乾燥して二層コーティング錠を得た。
[成 分] [1錠当たりの重量(mg)]
オルメサルタンメドキソミル 20.0
D−マンニトール 70.8
結晶セルロース 16.0
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 8.0
ヒドロキシプロピルセルロース 3.5
軽質無水ケイ酸 0.2
ステアリン酸マグネシウム 1.5
ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体 2.0
タルク 2.3
ヒプロメロース 1.4
ポリエチレングリコール 0.15
酸化チタン 0.15
炭酸マグネシウム 1.00
【0045】
〔比較例1〕
オルメサルタンメドキソミル40.0g、乳糖水和物328.0g、結晶セルロース64.0g及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロース32.0gを流動層造粒機(パウレック社製:MP−01型)に投入し、ヒドロキシプロピルセルロース12.0gを精製水228.0gに溶解した液を噴霧、造粒した。得られた顆粒を乾燥し、JIS30メッシュの篩にて篩過して得られた整粒品のうちの119.0gにステアリン酸カルシウム1.0gを加え、ポリエチレン製の袋にて混合した。次いで、この混合物を、ロータリー式打錠機(菊水製作所製:VELA5型)を用いて直径7mmに圧縮成型し、下記組成の錠剤を得た。
[成 分] [1錠当たりの重量(mg)]
オルメサルタンメドキソミル 10.0
乳糖水和物 82.0
結晶セルロース 16.0
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 8.0
ヒドロキシプロピルセルロース 3.0
ステアリン酸カルシウム 1.0
【0046】
〔比較例2〕
オルメサルタンメドキソミル40.0g、乳糖水和物328.0g、結晶セルロース64.0g及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロース32.0gを流動層造粒機(パウレック社製:MP−01型)に投入し、ヒドロキシプロピルセルロース12.0gを精製水228.0gに溶解した液を噴霧、造粒した。得られた顆粒を乾燥し、JIS30メッシュの篩にて篩過して得られた整粒品のうちの119.0gにステアリン酸カルシウム1.0gを加え、ポリエチレン製の袋にて混合した。次いで、この混合物を、ロータリー式打錠機(菊水製作所製:VELA5型)を用いて直径7mmに圧縮成型し、下記組成の錠剤を得た。次いで素錠をコーティング機(パウレック社製:DRC−200型)に投入し、これに、予めヒプロメロース30.0g、酸化チタン3.0g、タルク4.0g、及びポリエチレングリコール3.0gを精製水360.0gに加え、均一分散させた液を噴霧し、1錠質量125mgになるまでコーティングし、乾燥して一層コーティング錠を得た。
[成 分] [1錠当たりの重量(mg)]
オルメサルタンメドキソミル 10.0
乳糖水和物 82.0
結晶セルロース 16.0
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 8.0
ヒドロキシプロピルセルロース 3.0
ステアリン酸カルシウム 1.0
ヒプロメロース 3.75
酸化チタン 0.38
タルク 0.50
ポリエチレングリコール 0.38
【0047】
〔比較例3〕
オルメサルタンメドキソミル80.0g、乳糖水和物416.0g、結晶セルロース80.0g及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロース40.0gを流動層造粒機(パウレック社製:MP−01型)に投入し、ヒドロキシプロピルセルロース16.0gを精製水304.0gに溶解した液を噴霧、造粒した。得られた顆粒を乾燥し、JIS30メッシュの篩にて篩過して得られた整粒品のうちの158.0gにステアリン酸カルシウム2.0gを加え、ポリエチレン製の袋にて混合した。次いで、この混合物を、ロータリー式打錠機(菊水製作所製:VELA5型)を用いて直径8mmに圧縮成型し、下記組成の錠剤を得た。次いで素錠をコーティング機(パウレック社製:DRC−200型)に投入し、これに、予めヒプロメロース30.0gを精製水360.0gに加え、均一分散させた液を噴霧し、1錠質量168mgになるまでコーティングし、乾燥して一層コーティング錠を得た。
[成 分] [1錠当たりの重量(mg)]
オルメサルタンメドキソミル 20.0
乳糖水和物 104.0
結晶セルロース 20.0
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 10.0
ヒドロキシプロピルセルロース 4.0
ステアリン酸カルシウム 2.0
ヒプロメロース 8.0
【0048】
〔比較例4〕
オルメサルタンメドキソミル80.0g、乳糖水和物416.0g、結晶セルロース80.0g及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロース40.0gを流動層造粒機(パウレック社製:MP−01型)に投入し、ヒドロキシプロピルセルロース16.0gを精製水304.0gに溶解した液を噴霧、造粒した。得られた顆粒を乾燥し、JIS30メッシュの篩にて篩過した。得られた整粒品のうちの158.0gにステアリン酸カルシウム2.0gを加え、ポリエチレン製の袋にて混合した。次いで、この混合物を、ロータリー式打錠機(菊水製作所製:VELA5型)を用いて直径8mmに圧縮成型し、下記組成の錠剤を得た。
[成 分] [1錠当たりの重量(mg)]
オルメサルタンメドキソミル 20.0
乳糖水和物 104.0
結晶セルロース 20.0
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 10.0
ヒドロキシプロピルセルロース 4.0
ステアリン酸カルシウム 2.0
【0049】
〔比較例5〕
オルメサルタンメドキソミル40.0g、乳糖水和物152.0g、結晶セルロース32.0g及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロース16.0gを流動層造粒機(パウレック社製:MP−01型)に投入し、ヒドロキシプロピルセルロース7.0gを精製水100.0gに溶解した液を噴霧、造粒した。得られた顆粒を乾燥し、JIS30メッシュの篩にて篩過した。得られた整粒品の内123.5gにステアリン酸カルシウム1.5gを加え、ポリエチレン製の袋にて混合した。次いで、この混合物を、ロータリー式打錠機(菊水製作所製:VELA5型)を用いて直径8mmに圧縮成型し、下記組成の錠剤を得た。
[成 分] [1錠当たりの重量(mg)]
オルメサルタンメドキソミル 20.0
乳糖水和物 76.0
結晶セルロース 16.0
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 8.0
ヒドロキシプロピルセルロース 3.5
ステアリン酸カルシウム 1.5
【0050】
〔比較例6〕
オルメサルタンメドキソミル40.0g、乳糖水和物152.0g、結晶セルロース32.0g及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロース16.0gを流動層造粒機(パウレック社製:MP−01型)に投入し、ヒドロキシプロピルセルロース7.0gを精製水100.0gに溶解した液を噴霧、造粒した。得られた顆粒を乾燥し、JIS30メッシュの篩にて篩過した。得られた整粒品の内123.5gにステアリン酸カルシウム1.5gを加え、ポリエチレン製の袋にて混合した。次いで、この混合物を、ロータリー式打錠機(菊水製作所製:VELA5型)を用いて直径8mmに圧縮成型し、下記組成の錠剤を得た。次いで素錠をコーティング機(パウレック社製:DRC−200型)に投入し、これに、予めポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体20.0g及びタルク20.0gを精製水400.0gに加え、均一分散させた液を噴霧し、1錠質量131mgになるまでコーティングし、乾燥して一層コーティング錠を得た。
[成 分] [1錠当たりの重量(mg)]
オルメサルタンメドキソミル 20.0
乳糖水和物 76.0
結晶セルロース 16.0
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 8.0
ヒドロキシプロピルセルロース 3.5
ステアリン酸カルシウム 1.5
ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体 3.0
タルク 3.0
【0051】
〔比較例7〕
オルメサルタンメドキソミル40.0g、D−マンニトール 150.0g、結晶セルロース32.0g及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロース16.0gを流動層造粒機(パウレック社製:MP−01型)に投入し、ヒドロキシプロピルセルロース7.0gを精製水100.0gに溶解した液を噴霧、造粒した。得られた顆粒を乾燥し、JIS30メッシュの篩にて篩過した。得られた整粒品の内122.5gにステアリン酸カルシウム1.5gを加え、ポリエチレン製の袋にて混合した。次いで、この混合物を、ロータリー式打錠機(菊水製作所製:VELA5型)を用いて直径8mmに圧縮成型し、下記組成の錠剤を得た。次いで素錠をコーティング機(パウレック社製:DRC−200型)に投入し、これに、予めポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体(大同化成株式会社のPOVACOAT:登録商標)30.0g及びタルク30.0gを精製水400.0gに加え、均一分散させた液を噴霧し、1錠質量130mgになるまでコーティングし、乾燥して一層コーティング錠を得た。
[成 分] [1錠当たりの重量(mg)]
オルメサルタンメドキソミル 20.0
D−マンニトール 75.0
結晶セルロース 16.0
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 8.0
ヒドロキシプロピルセルロース 3.5
ステアリン酸カルシウム 1.5
ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体 3.0
タルク 3.0
【0052】
[比較例8]
オルメサルタンメドキソミル150.0g、D−マンニトール531.0g、結晶セルロース120.0g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース60.0g及び軽質無水ケイ酸1.5gを流動層造粒機(パウレック社製:MP−01型)に投入し、ヒドロキシプロピルセルロース26.25gを精製水498.75gに溶解した液を噴霧、造粒した。得られた顆粒を乾燥し、JIS30メッシュの篩にて篩過した。得られた整粒品の内829.5gにステアリン酸マグネシウム10.5gを加え、ポリエチレン製の袋にて混合した。次いで、この混合物を、ロータリー式打錠機(菊水製作所製:VELA5型)を用いて直径8mmに圧縮成型し、下記組成の錠剤を得た。次いで素錠をコーティング機(フロイント社製:HC−FZ−Labo型)に投入し、これに、予めポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体(大同化成株式会社のPOVACOAT:登録商標)21.0g及びタルク21.0gを精製水378.0gに加え、均一分散させた液を噴霧し、1錠質量124mgになるまでコーティングし、乾燥してコーティング錠を得た。さらに上記コーティング錠をコーティング機(フロイント社製:HC−FZ−Labo型)に投入し、これに、予めヒプロメロース25.2g、酸化チタン1.575g、タルク3.15g及びポリエチレングリコール1.575gを精製水472.5gに加え、均一分散させた液を噴霧し、1錠質量約127mgになるまでコーティングし、乾燥して二層コーティング錠を得た。
[成 分] [1錠当たりの重量(mg)]
オルメサルタンメドキソミル 20.0
D−マンニトール 70.8
結晶セルロース 16.0
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 8.0
ヒドロキシプロピルセルロース 3.5
軽質無水ケイ酸 0.2
ステアリン酸マグネシウム 1.5
ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体 2.0
タルク 2.3
ヒプロメロース 2.4
ポリエチレングリコール 0.15
酸化チタン 0.15
【0053】
〔試験例1〕
実施例1で製造したフィルムコーティング錠、比較例1および2で製造した素錠またはフィルムコーティング錠をガラス瓶に各5錠入れて密封し、24℃で3時間保存した。このガラス瓶を開けて被験者5人により下記評価基準でにおいの官能試験を実施した。結果を表1及び図1に示す。
【0054】
(官能評価基準)
<評点><内容>
0 :臭わない
1 :やや臭う
2 :臭う
3 :かなり臭う
【表1】
【0055】
〔試験例2〕
実施例2および3で製造したフィルムコーティング錠、比較例3および4で製造した素錠またはフィルムコーティング錠をガラス瓶に各5錠入れ、密封して24℃または50℃の条件下で1時間静置した後に実施したにおいモニター(神栄テクノロジー社製:OMX−SRM)による測定結果を図2に示す。なお、においモニターは半導体ガスセンサを用いてエタノール、アセトン、水素等のガスを数値化するものであり、清浄空気を0として0から999の範囲で「におい強度」として示される。
【0056】
〔試験例3〕
実施例2および3で製造したフィルムコーティング錠、比較例3および4で製造した素錠またはフィルムコーティング錠を20mLのガラス瓶に各5錠入れて密封し、24℃で24日間又は40℃で7日間静置した。各条件下で静置後のガラス瓶中に含まれるジアセチルの総量(ng)はガスクロマトグラフィ―(島津製作所製:GCMS-QP2010 Ultra)によって計測した(ヘッドスペース法)。上記操作は2回繰り返して行い、その測定結果は表2(24℃で24日間)及び表3(40℃で7日間)に示す。
【表2】
【表3】
【0057】
〔試験例4〕
実施例4および5で製造したフィルムコーティング錠、比較例5および6で製造した素錠またはフィルムコーティング錠を9mLのガラス瓶に各3錠入れ、密封し30℃にて1日間または50℃にて1時間静置した後の各ガラス瓶中の空気のにおいモニター(神栄テクノロジー社製:OMX−SRM)による測定結果を図3に示す。においモニターは半導体ガスセンサを用いてエタノール、アセトン、水素等のガスを数値化するものであり、清浄空気を0として0から999の範囲で「におい強度」として示される。
【0058】
〔試験例5〕
実施例7、9で製造したフィルムコーティング錠、比較例7で製造したフィルムコーティング錠を9mLのガラス瓶に各2錠入れ、密封して50℃の条件下で3日間静置した後の各ガラス瓶中の空気のにおいモニター(神栄テクノロジー社製:OMX−SRM)による測定結果を図4に示す。においモニターは半導体ガスセンサを用いてエタノール、アセトン、水素等のガスを数値化するものであり、清浄空気を0として0から999の範囲で「におい強度」として示される。
【0059】
〔試験例6〕
実施例6、11、12,13で製造したフィルムコーティング錠を9mLのガラス瓶に各2錠入れ、密封して50℃の条件下で3日間静置した後の各ガラス瓶中の空気のにおいモニター(神栄テクノロジー社製:OMX−SRM)による測定結果を図5に示す。においモニターは半導体ガスセンサを用いてエタノール、アセトン、水素等のガスを数値化するものであり、清浄空気を0として0から999の範囲で「におい強度」として示される。
【0060】
表2と表3に示した結果より、素錠(比較例4)と比べてフィルムコーティング錠(比較例3)は錠剤から発せられるジアセチル含量が低く抑えられているが、それでも尚100ng以上のジアセチルの総量が発生している。図2のにおいモニターによる測定結果で裏付けられる様に、フィルムコーティング錠(比較例3)は素錠(比較例4)と比べて匂い強度に大きな差が無く(特により高い温度の50℃において)、匂いの有意な改善のためにはジアセチルの発生量をさらに抑える(100ng以下)ためのフィルムコーティング以外の製剤工夫も必要とされる。フィルムコーティング層にメグルミン(実施例2)やアルギニン(実施例3)などの有機塩基を添加したフィルムコーティング錠は、それらの有機塩基を含まないフィルムコーティング錠(比較例3)よりも、ジアセチルの発生量が有意に低く(50ng以下)抑えられ(表2及び表3)、匂い強度も有意に低く抑えられている(図2)。また、フィルムコーティング層にケイ酸カルシウム(実施例7,9)や炭酸マグネシウム(実施例11)、ケイ酸マグネシウム(実施例12)、ケイ酸アルミン酸マグネシウム(実施例13)などを加えた場合でも、匂い強度は有意に低く抑えられ(図4、5)、メグルミン(実施例2)やアルギニン(実施例3)の場合と同程度までジアセチルの発生量が低く抑えられていることが示唆される。
【0061】
〔試験例7〕
実施例14〜18および比較例8で製造した錠剤のそれぞれを20mLのガラス瓶に各5錠入れて密封し、40℃で1ヶ月間静置した。静置後の各ガラス瓶中の空気のにおいモニター(神栄テクノロジー社製:OMX−SRM)による測定結果を表4に示す。
【0062】
【表4】
【0063】
表4の実施例14〜18の結果より、炭酸マグネシウムをかなり低い含量で用いた場合でもジアセチルの不快臭を効果的に抑制可能であることが明らかになった。よって、塩基性の無機酸塩を低含量で用いても、その触媒作用によってジアセチルを化学的に別の化合物に変換して、ジアセチルの不快臭を効果的に抑制することが可能であることが示唆される。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明によれば、不快臭が著しく抑制され、商品性に優れたオルメサルタンメドキソミル等のメドキソミル基を有するプロドラッグを含有するフィルムコーティング製剤を医療現場に提供することができる。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9