【文献】
石川憲洋,「インターネット上のマルチキャストサーバの提案」,情報処理学会第53回(平成8年後期)全国大会講演論文集(3),日本,社団法人情報処理学会,1996年 9月 4日,第3-435〜3-436頁
【文献】
井上武(外5名),「Flexcastによる段階的導入に優れたマルチキャストシステムの設計と実装」,電子情報通信学会論文誌,日本,社団法人電子情報通信学会,2005年 2月 1日,Vol.J88-D-I, No.2,第272〜291頁,ISSN:0915-1915
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記送信器(TRNSM)及び受信器(REC3)は、前記ネットワーク内で1又は2以上のスプリッタユニット(S1、S2、S3)を介して、互いに結合される、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
アップリンク端末(1101)、及び、少なくとも2つの情報信号を供給するために少なくとも第1ダウンリンク端末及び第2ダウンリンク端末(1102、1103)を備え、
前記受信器は、前記アップリンク端末を介して前記第1情報信号及び前記第2情報信号のn個の前記サブデータストリームを受信するように適合され、
前記第1情報信号を前記第1ダウンリンク端末(1102)に供給し、前記第2情報信号を前記第2ダウンリンク端末(1103)に供給するように適合され、
前記受信器には更に、前記ダウンリンク端末に結合される配置(1125)が与えられ、
当該配置は、前記第1ダウンリンク端末及び前記第2ダウンリンク端末の各々を介した前記第1情報信号及び前記第2情報信号の各々の受信をスイッチオフするためのスイッチオフコマンド信号を、前記第1ダウンリンク端末または前記第2ダウンリンク端末を介して受信するためのものであり、前記第1情報信号及び前記第2情報信号の各々の当該受信をスイッチオフし、前記第2情報信号及び前記第1情報信号の各々の受信を、前記第2情報信号及び前記第1情報信号の各々よりも高帯域を有する第3情報信号の受信へとスイッチオーバーするためのn個のサブスイッチオーバーコマンド信号を生成するために、n個のサブスイッチオーバーコマンド信号の複数の当該スイッチオフ信号の受信への応答を生成するためのものであり、
前記受信器は、更に前記第3情報信号を前記第2ダウンリンク端末及び前記第1ダウンリンク端末の各々に供給するように適合され、n≧2である、
請求項1から4のいずれか1項に記載の方法で用いられる受信器。
【発明を実施するための形態】
【0010】
遠隔通信において、「マルチキャスト」は、あるポイントからグループへの情報送信を意味する(マルチポイント接続とも言われる)。マルチキャストの利点は、メッセージを、複数の加入者へ送信し、又は、送信器に受信器の数だけ帯域幅を増大させることなく同時に加入者の閉じたグループへ送信することを可能にすることを含む。マルチキャストにおいて、送信器は、任意の単一の受信器と同様に、同一の帯域幅のみを必要とする。パケット形態のデータ送信の場合、パケットの複製は、ルート内の任意のスプリッタユニット(スイッチ、ルータ)により提供される。
【0011】
ブロードキャストとの相違として、ブロードキャスト内ではコンテントが配信される事実が挙げられ、これは如何なる適切な受信装置も観察することができる。一方で、マルチキャストは、コンテントの供給者を最初に登録することを必要とする。マルチキャストの用途の最も重要な分野の1つにIPマルチキャストが挙げられ、これはIPネットワーク内で複数の受信器に対して同時にパケットを効率的に送信することを可能とする。これは、特別なマルチキャストアドレスの手段により提供される。IPv4マルチキャストアドレスは、224.0.0.0から239.255.255.255の範囲内のアドレスである。これらのアドレスを介して、受信器のグループが常にアドレスされる。マルチキャストは、頻繁にオーディオ及びビデオ送信の文脈(特にIPTV)において取りあげられる。これらはRTPのようなプロトコルを用いる。これは、ルーティング情報プロトコル(RIP)バージョン2によるルーティング及びクラスタリングのためにも用いられることがある。マルチキャストパケットは、インターネットの大多数のルータにより処理されないかもしれないので、マルチキャストバックボーン(MBone)を有するトンネルを介して、マルチキャストイネーブルされたサブネットワークが接続される。
【0012】
図1は、マルチキャストネットワークの形式の本発明の送信ネットワークを示す。送信器TRNSMは、1又は2以上の情報信号(例えば、ビデオ信号、テレビ番組の夫々)を送信するために、マルチキャストネットワークを介して受信器REC1、REC2、REC3に結合される。スプリッタユニットS1、S2及びS3は、送信器から受信器へ向けて、後続信号ブロック(IPパケット)のシーケンスを含む情報信号を送信するために提供される。
【0013】
図2は、情報を格納し、ネットワークを介して伝達されるIPパケットの概略を示す。IPパケットは、ヘッダ部分(ヘッダにより示される)と、(ペイロードにより示される)ペイロード部分とを有する。ヘッダ部分で、ソースアドレス(SCRE)が配置され、(インターネット接続の場合)送信器を規定し、即ち、送信器のIPアドレスを規定する。また、マルチキャストグループを規定する受信器アドレス(DEST)が配置される。ペイロード部分では、ビデオ情報が配置される。
【0014】
受信器REC1及びREC2は、例えば、第1情報信号(ビデオ信号)を、スプリッタユニットS1及びS2を介して、送信器TRNSMから受信する。ネットワークが第1マルチキャストグループをDESTとして有するIPパケットをREC1及びREC2に向けて転送できるように、受信器REC1及びREC2は、第1マルチキャストグループへの加入を達成する。受信器REC3は、第2情報信号(ビデオ信号)を、送信器TRNSMから、スプリッタユニットS1及びS3を介して受信する。REC3が第2マルチキャストグループへの加入を達成する。
【0015】
第1情報信号は、例えば、SD(標準解像度)ビデオ信号であってよい。第2情報信号は、第1情報信号と関連する、全く異なるビデオ(テレビジョン)プログラム、又は、同一のビデオプログラム、例えば、HD(高解像度)画質であってよい。本発明によると、送信器は、第1情報信号の後続信号ブロックを2個のサブデータストリーム(即ち、第1情報信号の複数の偶数信号ブロックである第1サブデータストリームと、複数の奇数信号ブロックである第2サブデータストリーム)に分割する。
【0016】
同様に、送信器は、第2情報信号の後続信号ブロックを2個のサブデータストリーム(即ち、第2情報信号の複数の偶数信号ブロックの第3サブデータストリーム、及び、複数の奇数信号ブロックの第4サブデータストリーム)に分割する。各信号ブロックは、ビデオ信号のGOP(グループ・オブ・ピクチャ:画像グループ)を有してよい。
【0017】
第1情報信号の第1及び第2サブデータストリームの複数の信号ブロックは、IPパケットの宛先アドレスが互いに異なり、当該信号ブロック内に第1及び第2サブデータストリームの各々の信号ブロックのビデオ情報が含まれる。これは、DEST=A及びDEST=Bの各々により特に図解的に、後に
図3に示される。第2情報信号の第3及び第4サブデータストリームの複数の信号ブロックは、同様にIPパケットの宛先アドレスにおいて互いに異なり、当該信号ブロック内に、第3及び第4サブデータストリームの各々の信号ブロックのビデオ情報が含まれる。これは、同様にDEST=C及びDEST=Dの各々により特に図解的に、後に
図3に示される。一般的に、信号ブロックのビデオ情報が含まれるIPパケットの量は、例えば、512又は1024に等しくなってよい。
【0018】
図3は、送信ネットワークを介した2個のデータストリームの送信を示す。受信器REC1及びREC2が、IGMPリクエストにより、第1情報信号(ビデオ信号/テレビジョンプログラム)の受信を要求することが想定される。ここでIGMPリクエストは、受信器REC1及びREC2から送信ネットワークを介して送信器TRNSMに送信される。受信器REC3は同様にIGMPリクエストにより、第2情報信号(ビデオ信号/テレビジョンプログラム)の受信を要求する。ここでIGMPリクエストは、受信器REC3から送信ネットワークを介して送信器TRNSMに送信される。送信器は、
図3aに示す方法で第1及び第2情報信号の複数のIPパケットをマージし、その後当該信号を
図1の接続101に供給する。特定の時間間隔ΔT内で、第1情報信号の第1信号ブロックの複数のA IPパケットは、時間内に第2情報信号の第1信号ブロックの複数のC IPパケットと例えば以下に示す順番で組み合わされる。
ACCACCACCACCACC…
【0019】
後続する時間間隔ΔTで、第1情報信号の第2信号ブロックの複数のB IPパケットは、時間内に第2情報信号の第2信号ブロックの複数のD IPパケットと例えば以下に示す順番で組み合わされる。
BDDBDDBDDBDDBDD…
第1情報信号はSDビデオ信号で第2情報信号はHDビデオ信号なので、第2情報信号を送信するために、第1情報信号よりも多くのIPパケットが必要となる(現在の例では2倍)。送信器の出力における送信信号は、従って、第1及び第2情報信号の複数の信号ブロックのシーケンスを有する。
【0020】
2個のSDビデオ信号が送信されるべき場合の更なる説明として、送信信号が
図3bに示される。この場合、第1時間間隔ΔT内で、A及びC IPパケットが交互に送信され、後続する時間間隔でB及びD IPパケットが交互に送信される。
図3によると、接続102及び103において、
図1に示すスプリッタユニットS1で送信信号が分配される。
【0021】
図4は、接続103上の送信信号を
図4aで示す。受信器REC1及びREC2は両方とも第1情報信号を受信するべきなので、当該送信信号は第1ビデオ信号の信号ブロックSB1.1、SB1.2、SB1.3…のみを含む。
図4bでは、接続102上の送信信号が示される。受信器REC3は第2情報信号のみを受信するべきなので、当該送信信号は第2情報信号の信号ブロックSB2.1、SB2.2、SB2.3…のみを含む。
【0022】
図5は、本発明により実行される、これらの2個のデータストリーム間のスイッチオーバーを示す。時間に関して、A IPパケットSB1.1、SB1.3、SB1.5…を備える信号ブロック(
図5で第1サブデータストリームCH1と示される)、及び、ΔTの時間長さを有するB IPパケットSB1.2、SB1.4、SB1.6…を備える信号ブロック(
図5で第2サブデータストリームCH2と示される)は、送信器TRNSMから受信器REC3に送信される。更に、時間に関して、C IPパケットSB2.1、SB2.3、SB2.5…を備える信号ブロック(
図5で第3サブデータストリームCH3と示される)、及び、同一の時間長さΔTを有するD IPパケットSB2.2、SB2.4、SB2.6…を備える信号ブロック(
図5で第4サブデータストリームCH4と示される)が、送信器TRNSMから受信器REC1及び受信器REC2に交互に送信される様子が示される。
【0023】
4個のサブデータストリームCH1〜CH4は、仮想チャネルとして認識され得、これらを介して2個の情報信号/ビデオ信号がネットワーク上で伝達され得る。受信器REC3では、ここで、第1情報信号の受信から第2情報信号の受信にスイッチオーバーされる。
【0024】
信号Sにより、スイッチオーバーコマンド信号が
図5に示される。時間T
Sの瞬間が訪れる前に、信号SWは「論理High」になる。これは、受信器REC3が、サブデータストリームペアCH1、CH2が受信され、処理される1つのモード(
図5ではQ1で示される)で動作することを意味する。これにより、データストリームペアCH1、CH2からのデータブロックSB1.1、SB1.2は、交互に受信され処理される。時刻T
Sの時点において、スイッチオーバーコマンドが、スイッチオーバー信号SWを「論理High」から「論理Low」にスイッチすることにより発行される。スイッチオーバーコマンドが生成され、信号ブロックSB1.3が受信される時間間隔ΔT
3において、受信器は、受信モードに留まり、これにより信号ブロックSB1.3が完全に受信され、処理される。T
Sの直後に、受信器は、第2サブデータストリームペアCH3、CH4の非アクティブデータストリームの受信を開始し、第1サブデータストリームペアの非アクティブデータストリームの受信を終了する。このスイッチオーバーは、ここでより詳細に記述されるだろう。
【0025】
受信器REC3のユーザは、スイッチオーバーコマンドをセットトップボックスの遠隔制御により発行する。これは、第1ビデオ信号(テレビ番組)の受信から第2ビデオ信号(テレビ番組)の受信へのスイッチオーバーを意味する。受信器(又はスプリッタユニットの1つ)内で、及び、もし自動適用可能であれば(同様に後述する)、異なる画質(SDからHD、又は、逆)を有する情報信号へのスイッチオーバーのために、スイッチオーバーコマンドが生成されることも可能である。後者のスイッチオーバーは、以下に記述されるだろう。
【0026】
本発明の送信システムには、新規な知見が与えられる。この知見は、送信器TRNSMがビデオ信号を2個の仮想チャネルのそれぞれに分配し、送信する(後述する)ことを可能にするような送信器サイドのものを含む。知見の一部は、スプリッタユニットS1、S2及びS3に関するものを含む。更に、受信器は、本発明の送信を可能にするための新規な知見を備えてよい。
【0027】
スプリッタユニットS1、S2及びS3中のマルチキャスト信号配信は、ループスルーテーブルと称されるものを含む。これは、どのサブデータストリームがそれに接続されたスプリッタユニットに転送されるかを特定する。これらのループスルーテーブルは、スプリッタユニットS1、S2及びS3について
図6に示され、
図5の時刻T
s前の時点のこれらのテーブルの内容を表す。S1のテーブルでは、スプリッタユニットは第1及び第2サブデータストリーム(テーブル中でA及びBと示される)をスプリッタユニットS3に転送し、第3及び第4データストリーム(テーブル中でC及びDで示される)をスプリッタユニットS2に転送することが示される。S2のテーブルでは、スプリッタユニットS2は第1及び第2サブデータストリーム(テーブル中でA及びBと示される)をスプリッタユニットに転送せず、第3及び第4データストリーム(テーブル中でC及びDで示される)を受信器REC1及びREC2に転送することが示される。S3のテーブルでは、スプリッタユニットS3は第1及び第2サブデータストリーム(テーブル中でA及びBと示される)を受信器REC3に転送し、第3及び第4データストリーム(テーブル中でC及びDで示される)を受信器に送信しないことが示される。
【0028】
時点T
sでスプリッタユニットS3によりスイッチオーバーコマンドSWを受信した後、S3のループスルーテーブルは、テーブルの列BのREC3が破棄され、表の列DにREC3が挿入されるように変更される。更にスプリッタユニットは、スプリッタユニットS1についてスイッチオーバーコマンドを生成する。このために、今後、第4サブデータストリームを受信したものとして示される。その後、スプリッタユニットS1は、自身のテーブルを、Bの下列のS3を破棄し、Dの下列のS3を挿入するように変更する。
図7にこれを示す。時点T
Uから第4サブデータストリームのデータは、データブロックSB2.4から開始し、時間間隔ΔT
4で、送信器TRNSMからスプリッタユニットS1及びS3を介して受信器REC3に送信される。更なる第2サブデータストリームのデータは受信されず、受信器は第2画質(SD、又はHDでさえ)を処理する。時間間隔ΔT
5から始まる第2画質を受信し続けるために、第1サブデータストリームの非アクティブデータストリームが終了され、第3サブデータストリームの非アクティブデータストリームが受信される。これにより、後続する時間間隔ΔT
5において、信号ブロックSB2.5が受信され、処理される。このような方式により、第1情報信号Q1から第2情報信号Q2までシームレスにスイッチオーバーされる。
【0029】
後者は、
図8への参照とともにここで詳細に記述するものである。信号ブロックSB1.3の受信を終了した後、スプリッタユニットS3は、自身のループスルーテーブルでAの下列のREC3を消去し、REC3がテーブルのCの下列に挿入される。更にスプリッタユニットは、スプリッタユニットS1についてのスイッチオーバーコマンドを生成する。このために、第3サブデータストリームを以降に受信することが示される。その後、スプリッタユニットS1は、自身の表を、Aの下列のS3を破棄し、Cの下列にS3が挿入されるように変更する。
図8にこれを示す。
【0030】
これは、時点T
vから、データブロックSB2.5から始まり、第3サブデータストリームからのデータが、送信器TRNSMからスプリッタユニットS1及びS2を介して受信器REC3に送信されることを示す。第1サブデータストリームの更なるデータは、受信されない。
図11Aにおいて、このスイッチオーバーがIPパケットレベルで示される。
【0031】
図9は、第1データストリームペアの受信から第2データストリームペアの受信への別のスイッチオーバーを示す。
図9の信号SWにより、再びスイッチオーバーコマンド信号が示される。ここでスイッチオーバーコマンド(「論理High」から「論理Low」への遷移)は、時間間隔ΔT
3内の時刻T
Sの後の瞬間に生じる。時間間隔ΔT
3の残りの時間は、受信器が非アクティブデータストリームをスイッチオーバーするには短すぎる。従って、スイッチオーバーコマンドはT
S'まで遅延され、ΔT
4の開始と同時となる。その後、
図9のように進められる。再び、第1データストリームQ1から第2データストリームQ2まで、シームレスにスイッチオーバーされる。これは、
図10に関して詳述される。
【0032】
時点T
S'のスプリッタユニットS3のスイッチオーバーコマンドSWの受信の後において、S3のループスルーテーブルが変更される。ここで、テーブルの列AのREC3は破棄され、REC3がテーブルの列Cに挿入される。更に、スプリッタユニットが、スプリッタユニットS1のためのスイッチオーバーコマンドを生成する。これのために、以降に第3サブデータストリームを受信するだろうことが示される。以降に、スプリッタユニットS1は、Aの下列のS3を破棄し、Cの下列にS3が挿入されるように、自身のテーブルを変更する。これは
図10に示される。ここで、最初に信号ブロックSB1.4が完全に受信され、時間間隔ΔT
5において、T
uの時点から、データブロックSB2.5から始まり第3サブデータストリームのデータが送信器TRNSMからスプリッタユニットS1及びS3を介して、受信器REC3に送信される。第1サブデータストリームの追加のデータは受信されず、受信器は、第2画質(SD又はHDでさえ)を処理する。時間間隔ΔT
6から始まる第2画質を受信しつづけるために、第2サブデータストリームの非アクティブデータストリームが終了され、第4サブデータストリームの非アクティブデータストリームの受信が開始される。これにより、後続する時間間隔ΔT
6において、信号ブロックSB2.6が受信され、処理される。このような方法により、第1データストリームQ1から第2データストリームQ2にシームレスにスイッチオーバーがなされる。
【0033】
後者が、ここに詳細に記述される。信号ブロックSB1.4の受信の終了の後、スプリッタユニットS3は、
図10による自身のループスルーテーブル中でAの下列のREC3を消去し、当該テーブルのCの下列中にREC3を挿入する。更に、スプリッタユニットS3は、スプリッタユニットS1についてスイッチオーバーコマンドを生成する。これのため、第3サブデータストリームが以降に受信されるだろうことが示される。その後、スプリッタユニットS1は、
図10に従い、Bの下列のS3が破棄され、Dの下列にS3が挿入されるように自身のテーブルを変更する。従って、最後に、スプリッタユニットS1及びS3のテーブルの内容は、
図8に示されるものに至る。
【0034】
時点T
vにおいて、第4サブデータストリームのデータが、データブロックSB2.6から始まり、送信器TRNSMからスプリッタユニットS1及びS2を介して、受信器REC3に送信される。第2サブデータストリームのデータは、更には受信されない。
図11Bにおいても、スイッチオーバーがIPパケットレベルで示される。以下において、受信器REC2が、送信器TRNSMによっても提供される第3情報信号(テレビ番組)に、どのようにスイッチオーバーするかが記述されるだろう。送信器は、第3情報信号の後続信号ブロックを2個のサブデータストリーム(すなわち、第3情報信号の偶数信号ブロックの第5サブデータストリーム、及び奇数信号ブロックの第6サブデータストリーム)に分配する。
【0035】
信号ブロックの各々は、順番に例えば、ビデオ信号のGOP(画像群:グループオブピクチャ)を備える。第3情報信号の第5及び第6サブデータストリームの信号ブロックは、第5及び第6サブデータストリームの信号ブロックのビデオ情報がそれぞれ含まれる、IPパケットの宛先アドレスが互いに異なる。これは、後に
図12Aで、DEST=E及びDEST=Fのそれぞれにより図式的に示される。
【0036】
送信器は、
図12Aで示される方法で第1、第2及び第3情報信号のIPパケットを組み合わせ、その後、この信号を
図1の接続101に供給する。ある特定の時間間隔ΔTにおいて、第1及、第2及び第3情報信号の各々の第1信号ブロックのA、C及びEのIPパケットは、時間的に、例えば以下の順番で組み合わせる。
ACCEACCEACCEACCEACCE…
【0037】
後続時間間隔ΔTの間、第1、第2及び第3情報信号の各々の第2信号ブロックのB、D及びF IPパケットは、例えば、以下の順番に組み合わされる。
BDDFBDDFBDDFBDDFBDDF…
第3情報信号は、SDビデオ信号でもあるので、この情報信号は、第1情報信号(同様にSDビデオ信号)と同じ数のIPパケットを必要とする。
【0038】
スプリッタユニットS1において(
図1を参照されたい)、
図12aに従い送信信号が接続102及び103に分配される。
図12Bは、接続103の送信信号を示す。受信器REC1及びREC2が両方とも第2情報信号を受信するので、これは第2情報信号の信号ブロックSB2.1、SB2.2、SB2.3…のみを含む。従って、接続 103、104及び105(
図1を参照)の送信信号は同一である。スイッチオーバー前のスプリッタユニットS1及びS2のループスルーテーブルは、
図13に示されるようなものとなる。第3情報信号へのリクエストが未だ受信されていないので、ループスルーテーブルの列E及びFは空となる。列A、B、C及びDの内容は、
図6のテーブルに示されるものとなる。
【0039】
図14は、本発明によりなされる第2から第3情報信号への受信器REC2のスイッチオーバーを示す。時間的に、C IPパケットを有する信号ブロックSB2.1、SB2.3、SB2.5…(
図14で第2サブデータストリームCH3として表示される)及びD IPパケットを有する信号ブロックSB2.2、SB2.4、SB2.6…(
図14で第3サブデータストリームCH4として表示される)が、時間長ΔTで交互に、送信器TRNSMから受信器REC2に送信される。同様に、同一の時間長ΔTを有する、E IPパケットを有する信号ブロックSB3.1、SB3.3、SB3.5…(
図14で第5サブデータストリームCH5として表わされる)及びF IPパケットの信号ブロックSB3.2、SB3.4、SB3.6…(
図14で第6サブデータストリームCH6として表わされる)が、送信器TRNSMにより交互に生成されるが、受信器に送信されない。サブデータストリームCH3〜CH6は、2個の情報信号/ビデオ信号/テレビ番組/マルチメディア番組がネットワーク上で送信される仮想チャネルとして順番に認識される。
【0040】
受信器REC2において、第2情報信号の受信から第3情報信号の受信にスイッチオーバーがここでなされる。信号SWにより、スイッチオーバーコマンド信号が
図14で示される。時刻T
Sの瞬間が来る前に、SWは「論理High」(Q2に等しい)となる。これは、受信器REC2が、第2サブデータストリームペアCH3、CH4が受信及び処理される、あるモード(
図14でQ2で示される)で動作することを意味する。これにより、データストリームペアCH3、CH4のデータブロックSB2.1、SB2.2…が交互に受信され、処理される。
【0041】
時点T
Sにおいて、スイッチオーバー信号SWを「論理High」から「論理Low」にスイッチオーバーするスイッチオーバーコマンドが発行される。スイッチオーバーコマンドが生成され、信号ブロックSB2.3が受信される時間間隔ΔT
3において、受信器は受信モードに留まり、これにより信号ブロックSB2.3が全体的に受信され、処理される。T
Sのすぐ後に受信器が第3サブデータストリームペアCH5、CH6の非アクティブデータストリームの受信を開始し、第2サブデータストリームペアの非アクティブデータストリームの受信を終了する。スイッチオーバーは、ここに詳細に記述される。
【0042】
受信器REC2のユーザは、例えば、セットトップボックスの遠隔制御手段により、第2情報信号(テレビ番組)の受信から第3情報信号(テレビ番組)の受信へのスイッチオーバーを意図する、スイッチオーバーコマンドを発行する。受信器(又はスプリッタユニットの1つ)内において、もし(後述するように)自動適用可能であれば、スイッチオーバーコマンドは異なる画質の情報信号へのスイッチオーバー(SDからHD、又は逆)のために生成することができる。
【0043】
時点T
sでスプリッタユニットS2によるスイッチオーバーコマンドSWの受信後、S3のループスルーテーブルは、テーブルの列D中のREC2は破棄され、テーブルの列FにREC2が挿入されるように変更される。更にスプリッタユニットS2は、スプリッタユニットS1のためにスイッチオーバーコマンドを生成し、これにより、第6サブデータストリームを今後に受信するだろうことがシグナルされる。この後、スプリッタユニットS1は、S2が列Fに挿入されるようにその表を変更する。このことは
図15に示される。すなわち、T
U時点から、第6サブデータストリームのデータは、時間間隔ΔT
4でデータブロックSB3.4から始まり、送信器TRNSMからスプリッタユニットS1及びS2を介して、受信器REC2に送信される。第4サブデータストリームの更なるデータは受信されない。時間間隔ΔT
5で始まる第5サブデータストリームを受信するために、第3サブデータストリームの非アクティブデータストリームがここで終了され、そして、第5サブデータストリームの受信が開始されることで、後続する時間間隔ΔT
5で信号ブロックSB3.5の受信及び処理される。このように、シームレスな態様で、第2情報信号Q2から第3情報信号Q3にスイッチオーバーがなされる。
【0044】
後者は
図16を参照して以下に詳述されるだろう。スプリッタユニットS2による信号ブロックSB2.3の受信の終了後、スプリッタユニットS3は、そのループスルーテーブルで列DのREC2を消去し、当該テーブルの列EにREC2が挿入される。更に、スプリッタユニットS2は、スイッチオーバーコマンドを生成して、スプリッタユニットS1が第4サブデータストリームも以後に受信することをシグナルするようにする。その後、スプリッタユニットS1は、そのテーブルを変更し、S2が列Eに挿入されるようにする(
図16参照)。
【0045】
すなわち、時点T
Vから、第5サブデータストリームのデータは、データブロックSB3.5から始まり、送信器TRNSMからスプリッタユニットS1及びS2を介して受信器REC2に送信する。第3サブデータストリームの更なるデータは受信されない。
図17において、このスイッチオーバーはIPパケットレベルでも示される。
【0046】
図18は、送信器TRNSMの実施形態の概略図を示す。メモリ800及び801は、例えば、2個のテレビ番組を有するものとする。処理部802において、2個の情報信号が、メモリ800に格納されたテレビプログラム、すなわち、SDバージョン803(以前に第1情報信号として示されたもの)及びHDバージョン804(以前に第2情報信号として示されたもの)から導出される。処理部805において、2個の情報信号はメモリ801に格納されたテレビプログラム、すなわちSDバージョン806(以前に第3情報信号として示されたもの)及びHDバージョン807(第4情報信号として更に未だ示されていない)から導出される。
【0047】
処理部802及び805を制御するタイミングユニット808が提供される。これにより、4個全ての情報信号(ビデオ信号)が信号ブロック(例えばGOP)に分割され、これらが処理部802及び805により時間で整列された(time−aligned)態様(例えば、GOP整列)で供給される。
【0048】
更に、タイミングユニット808のタイミング信号の影響下でも動作する混合ユニット810〜813が与えられる。混合ユニット810において、第1情報信号(ビデオ信号)の信号ブロック(GOP)は、IPパケットにパッケージされる。更に、偶数信号ブロックの全IPパケットにおいて、値Aが受信器アドレスフィールドDESTに格納され、奇数信号ブロックの全IPパケットにおいて、値Bが受信器アドレスフィールドDESTに格納される。それによって、信号コンビネーションユニット815により、第1及び第2サブデータストリームCH1及びCH2が生成される。
【0049】
混合ユニット811において、第2情報信号(ビデオ信号)の信号ブロック(GOP)はIPパケットにパッケージされる。更に、偶数信号ブロックの全IPパケットにおいて、値Cが受信器アドレスフィールドDESTに格納され、奇数信号ブロックの全IPパケットにおいて、値Dが受信器アドレスフィールドDESTに格納される。それによって、同様に信号コンビネーションユニット815により、第3及び第4サブデータストリームCH3及びCH4が生成される。
【0050】
混合ユニット812において、第3情報信号(ビデオ信号)の信号ブロック(GOP)は、IPパケットにパッケージされる。その上、偶数信号ブロックの全IPパケットにおいて、値Eが受信器アドレスフィールドDESTに格納され、奇数信号ブロックの全IPパケットにおいて、値Fが受信器アドレスフィールドDESTに格納される。それにより、信号コンビネーションユニット815により、第5及び第6サブデータストリームCH5及びCH6が生成される。
【0051】
更なるビデオ信号(例えば、HD信号 807)が依然として伝達されるべき場合、順番にマージユニット815に転送される2個のサブデータストリームにビデオ信号を分配するべく更なる混合ユニット(例えば、ユニット813)が与えられる。マージユニット815は、
図12Aの方法(3個のビデオ信号のみを有する例)でこれら全てのサブデータストリームを送信信号に組みたて、当該送信信号を接続線101上で供給する。
【0052】
図19は、スプリッタユニット900(例えばスプリッタユニットS1等)の実施形態を示す。スプリッタユニット900には、送信器TRNSMに接続されるか(スプリッタユニット900はスプリッタユニットS1である)、又は、上流側に位置するスプリッタユニット(例えばスプリッタユニット900は、スプリッタユニットS2であり、上流側に配置されたスプリッタユニットはスプリッタユニットS1である)の出力に接続された入力901が与えられる。スプリッタユニット900には、出力902〜905が更に設けられる。スプリッタユニット900がスプリッタユニットS1である場合、2個の出力のみが要求される(又はアクティブ)。これらは出力902及び903であり、スプリッタユニットS2及びS3の各々の入力に接続される。
【0053】
スプリッタユニット900の入力901は、アップ/ダウン信号コンビネーションユニット907の端子906に結合される。第2端子908は、出力端子として機能し、デマルチプレキシング回路910(DEMUX)の入力端子に結合される。更にデマルチプレキシング回路は、出力911〜914に供給され、これらはそれぞれが、出力902〜905の各々を有するアップ/ダウン信号提供ユニット915〜918の各々に結合される。
【0054】
アップ/ダウン信号提供ユニット915〜918の各々の出力920〜924は、処理部925の入力に結合される。このスプリッタユニットのためにループスルーテーブルの内容を格納するメモリ926が提供され、処理部925に結合される。
【0055】
処理部925は、線930及び931の各々を介した制御信号により、デマルチプレキシングユニット910及びアップ/ダウン信号コンビネーションユニット907を制御する。
【0056】
接続101〜105(
図1参照)は、一応、主にダウンリンク接続として記述および説明される。しかし、スイッチオーバーコマンド信号は、受信器からスプリッタユニットに、及び、上流側に配置されたスプリッタユニットの中で送信されることも記述された。従って、接続101〜105は、アップリンク接続としても用いられてよい。換言すると、接続101〜105を介したデータ転送は、双方向であってよい。
【0057】
ダウン方向において、情報信号は、いわゆるダウンリンクポートを介して送信され、アップ方向において、スイッチオーバーコマンドは、ここまでに記述されたように、アップリンクポートで送信される。
【0058】
スイッチオーバーコマンド信号は、線102上のアップリンク接続を介して、
図19のスプリッタユニットS3からスプリッタユニット900に送信され、一方で、情報信号は、線102上のダウンリンク接続を介して、スプリッタユニット900からスプリッタユニットS3へ送信される。アップ/ダウン接合ユニット916は、アップリンク接続及び処理部925への出力921を介してスイッチオーバーコマンド信号を送信する役割をはたす。スイッチオーバーコマンド信号に起因して、処理部925は、記述したようにループスルーテーブル926の内容を変更し、線931を介してスイッチオーバーコマンド信号を生成する(上流に位置するスプリッタユニットのために:スプリッタユニット900がスプリッタユニットS3であれば、線931で処理部925によるスプリッタユニットS1への送信のために生成されるスイッチオーバーコマンドが意図される)。
【0059】
アップ/ダウン信号コンビネーションユニット907は、その入力909を介して、このスイッチオーバーコマンド信号を受信し、当該信号を線932上のアップリンク接続に供給する。
【0060】
更に、このアップ/ダウン信号コンビネーションユニットは、線932のダウンリンク接続を介して受信した送信信号をダウンリンク接続に転送し、送信信号をデマルチプレキシングユニット910のその出力 908を介して転送することをオファーする役割をもはたす。処理部925により接続930を介してデマルチプレキシングユニット910に送信される制御信号に依存して、第1、第2(及び適用可能な複数の)情報信号が、送信信号から導出される(
図3A、4A、4B又は
図12A−12Bを参照)。そして、(どの情報信号がどの受信器/スプリッタユニットにより受信されるべきかに応じて)情報信号が、出力911〜914を介して提供される。
【0061】
アップ/ダウン接合ユニット(例えば、916)は、情報信号を、線103、102のダウンリンク接続上のデマルチプレキシングユニット910の出力911〜914に供給する役割をも果たす。
【0062】
図19に係るスプリッタユニットの更に詳述された実施形態において、スプリッタユニットは、共同住宅の送信チェーンにおける「最終スプリッタユニット」として配置され、そして共同住宅における2個のセットトップボックス及び2個のテレビ受像機の各々に2個の情報信号を供給するために、少なくとも2個の出力端子902、903が与えられてよい。例えば、住宅の住民が、現在の最大(トータル)データレートを有するサービスプロバイダへ加入(テレビ番組ネット)済みで、例えば、2個の異なるテレビ番組が視聴される2個のテレビ受像機を有するとき、これらのテレビ受像機は、互いに割り込まれる出力902及び903を有する関連づけられた複数のセットトップボックスを有することができる。第1テレビ番組(個別の第1情報信号)は、スプリッタユニットにより出力端子902を介して与えられ、第2テレビ番組(個別の第2情報信号)は出力端子903を介してスプリッタユニットにより与えられる。
【0063】
両方の情報信号は、特定のデータレートを有するので、その和は予め定められた最大データレートを超えない。ここで、出力端子902に接続される第1テレビ受像機はスイッチオフされる。第1テレビ受像機に送信される(第1)情報信号をスイッチオフするためのスイッチオフコマンド信号は、第1テレビ受像機により生成され、出力920のアップリンク接続 103のアウトバウンド(Out−bound)を開始するアップ/ダウン接合ユニット915を介してスプリッタユニットの端子902を介して、処理部925に送信される。
【0064】
処理部925には、追加の知見(Intelligence)が与えられ、処理部925は、スイッチオフコマンド信号の受信に応じて、第1情報信号のn個のサブデータストリームのスイッチオフのためにn個のサブスイッチオーバーコマンド信号を生成し、これらのn個のサブスイッチオーバーコマンド信号を線930を介してデマルチプレキシングユニット910に送信する。これにより、第1情報信号はもはや出力911に供給されない。同様に、ループスルーテーブル926の内容もこれに従って変更される。
【0065】
ここで、第1情報信号はスイッチオフされ、予め定められた最大データレートの一部は使用されない。ここで、出力端子903を介して第2テレビ受像機に送信された第2情報信号(第2テレビジョン信号)は、より高いデータレートを有するより高い画質(例えば、SDの代わりにHD)でテレビ受像機に伝送されることが可能となる。処理部925が、第2情報信号(SD)から第3情報信号(HD)へのスイッチオーバーを許容する、十分な送信容量が利用可能であると判断すると、処理部925は、第1情報信号に関するスイッチオフコマンド信号の受信への反応として、第2情報信号の全n個のサブデータストリームをスイッチオフするためのn個のサブスイッチオーバーコマンド信号、及び、第3情報信号の全n個のサブデータストリームの受信をスイッチオンするn個のサブスイッチオンコマンド信号を生成する。スイッチオン及びスイッチオフコマンドの順番は、前述したように生じ、シームレスなスイッチオーバーが可能となる。
【0066】
もし第3情報信号がアップリンク線932で既に利用可能である場合、処理部925はこれらのn個のサブスイッチオンコマンド信号を、線930を介してデマルチプレキシングユニット910に送信する。もし第3情報信号が線932で未だに利用可能でない場合、n個のサブスイッチオンコマンド信号は、線931を介してアップ/ダウン信号コンビネーションユニット907に転送され、端子901を介してネットワークの上流に配置されたスプリッタユニットにパスされる。これにより、その後、第3情報信号の転送へのスイッチオーバーが許容される。ループスルーテーブル926の内容は、これに従い同様に変更される。
【0067】
図20は、本発明に係る、例えば、受信器REC3のような受信器の実施形態を示す。受信器REC3は、ここでセットトップボックス1009の形態であり、上流に配置されたテレビ受像機1010に結合される。セットトップボックス1009は、可能であればテレビ受像機に統合されてよい。そのような場合、受信器REC3は、セットトップボックス1009及びテレビ受像機1010の組み合わせから構成される。
【0068】
セットトップボックス1009は、セットトップボックスの端子1000に結合された端子1001を有するアップ/ダウン信号コンビネーションユニット1002を備える。端子1000は、線106を介してスプリッタユニットS3に結合される(
図1及び19を参照)。アップ/ダウン信号コンビネーションユニット1002には、追加的に入力端子1004及び出力端子1003が与えられる。端子1003は、デコードユニット1006(DEC)の入力端子1005に結合され、デコードユニットは、セットトップボックス1009の出力端子1008に結合された出力端子1007を備える。セットトップボックスは、同様に、遠隔制御1020(RC)の赤外線信号を受信するための赤外線(IR)受信器1012をも備える。IR受信器1012の出力1013は、変換ユニット1011(CONV)の入力1014に結合され、これにより変換ユニットの出力1015が入力端子1004に結合される。受信器 1009は、タイミングユニット 1019の影響下で動作する。
【0069】
アップ/ダウン信号コンビネーションユニット 1002は、出力 1003を介した線 106のダウンリンク接続を介して受信した送信信号をデコードユニット 1006に転送する役割を果たす。デコードユニット 1006は、送信信号をデコードし、これにより、受信されたA及びB IPパケット(又はC及びD IPパケット、又は、E及びF IPパケット)のビデオ情報が抽出され、出力 1008を介して、テレビ受像機 1010のスクリーン(図示せず)への表示のためにテレビジョン信号としてテレビ受像機 1010に伝送される。
【0070】
ここで、受信器が第1情報信号(テレビ番組)を受信し、それにより、第1情報信号のビデオ情報を有するA及びB IPパケットを受信することを仮定する。ここで、第2情報信号の受信へのスイッチオーバーがなされる。スイッチオーバーコマンド信号「第2情報信号の受信へのスイッチオーバー」は、遠隔制御 1020で生成され、IR受信器1012へIR接続を介して転送される。変換ユニット 1011は、このスイッチオーバーコマンド信号を、タイミングユニット 1014の影響下で、
図5及び9の各々に関して記述された順番で、後続する2個のスイッチオーバーコマンド「今からの第2情報信号のCパケットの受信の要求」及び「今からの第2情報信号のDパケットの受信の要求」に変換する。
【0071】
アップ/ダウン信号コンビネーションユニット 1002は、その入力端子 1004を介して、これらのスイッチオーバーコマンド信号を受信し、線 106上でアップリンク接続中のこれらの信号を供給する。
【0072】
受信器が先行技術で構築される場合、受信器は、変換ユニット 1011を備えず、従って、スイッチオーバーコマンド信号「今からの第2情報信号の受信の要求」は、アップ/ダウン信号コンビネーションユニット 1002により、アップリンク接続 106を介して供給される。その後、スプリッタユニット 106(
図19の900)中のアップ/ダウン接合ユニット(
図19の921等)により、送信信号から導出され、その処理部(
図19の925)に送信される、このスイッチオーバーコマンド信号を、スプリッタユニット 106が受信する。このスプリッタユニットの処理部は、更にこのスイッチオーバーコマンド信号を後続するスイッチオーバーコマンド「今からの第2情報信号のCパケットの受信の要求」及び「今からの第2情報信号のDパケットの受信の要求」へ変換するように構成される。これは、
図5及び9のそれぞれについて記述された順番で生じる。
【0073】
今から、本発明は、情報信号がそれぞれ2このサブデータストリームに分配される実施形態に関係して記述される。しかし、本発明はそのような形態に限定されない。本発明は、情報信号がn≧3のサブデータストリームに分配される実施形態にも関連する。n=3の実施形態について
図21に簡潔かつ図式的にのみ記述されるだろう。
【0074】
図21は、3個のサブデータストリームCH1、CH2、CH3を介して分配される態様で伝送される第1情報信号を示す。信号ブロックSB1.1、SB1.4、SB1.7…は、第1サブデータストリームCH1を形成する。信号ブロックSB1.2、SB1.5…は、第2サブデータストリームCH2を形成する。信号ブロックSB1.3、SB1.6…は、第3サブデータストリームCH3を形成する。第2情報信号は、同様に3個のサブデータストリームCH4、CH5、CH6に分配され、伝送される。信号ブロックSB2.1、SB2.4、SB2.7…は、第4サブデータストリームCH4を形成する。信号ブロックSB2.2、SB2.5…は、第5サブデータストリームCH5を形成する。信号ブロックSB2.3、SB2.6…は、第6サブデータストリームCH6を形成する。
【0075】
図21に示すように、T
sの時点で、第1情報信号の受信から第2情報信号の受信にスイッチオーバーされ、スイッチオーバー信号SWを比較する。スイッチオーバー信号が、信号ブロックSB1.1が受信される時間間隔において十分に早期に到着した場合、第2チャネルは、スイッチオフされ得、時期が来た時に第5チャネルが信号ブロックSB2.2の受信のためにスイッチオンされ得る。同様に、チャネルCH3は、スイッチオフされ得、第6チャネルの受信が要求され得る。信号ブロックSB1.1のチャネルCH1を介した受信が徒過された後、当該チャネルは、同様にスイッチオフされ得、チャネルCH4の受信が要求され得る。このスイッチオーバーは
図21に(a)により示される。
【0076】
もし、スイッチオーバー信号が、信号ブロックSB1.1が受信される時間間隔で遅すぎて到着した場合、信号ブロックSB2.2もチャネルCH2を介して受信される。スイッチオーバーコマンドの後、第3チャネルは、すでにスイッチオフされ得、第6チャネルはスイッチオンされ得る。信号ブロックSB1.1の受信後、第1チャネルは、スイッチオフされ得、第4チャネルは、スイッチオンされ得る。信号ブロックSB1.2の受信後、信号ブロックSB2.3は、第6チャネルを介して受信され、第2チャネルは、スイッチオフされ、また、第5チャネルはスイッチされる。このスイッチオーバーは、
図21に(b)として示される。
【0077】
図22は、スプリッタユニットのもう1つの実施形態を示す。
図22のスプリッタユニット1100は、
図19のスプリッタユニット900のように見える。
図22で参照番号「11xy」で示される要素は、通常、
図19で「9xy」により示される要素と同一の機能を実現するものであってよい。スプリッタユニット1100において、ある配置1150が、情報信号の受信品質を決定するために提供される。この配置1150は、従って、線1152に結合する入力1151を少なくとも有する。他の線1153、1154、及び1155上の情報信号の受信品質を決定するために、配置1150の入力の夫々への接続が同様に提供され得る。発明を明瞭にするために、これらの接続は、ここでは示さない。配置(Arrangement)1150は、従って、線1152を介した情報信号の受信品質を決定する。受信品質は、例えば、受信された情報信号のパケットの損失(パケット損失)が測定されることで決定される。受信品質が、特定の閾値未満となる(従ってパケット損失が高い)とき、受信された情報信号のデータレートは、送信器及び受信器間の送信チェーンのためには、高すぎることが明らかである。従って、低いデータレートを有する情報信号へとスイッチオーバーされるべきである。例えば、HD画質の情報信号から、HD画質と比較して低いデータレートを有するSD画質の同一の情報信号へのスイッチオーバーが挙げられる。従って、この配置は、出力1156において、低(SD)画質/データレートを有する情報信号へのスイッチオーバーのために、スイッチオーバーコマンド信号を生成する。このスイッチオーバーコマンド信号は、処理部1125の入力1157へと供給される。このユニットは、スイッチオーバーコマンド信号の受信に応答してn個のサブコマンド信号を生成し、出力1125を介してこれらをアップ/ダウン信号コンビネーションユニット1107の入力1109へと提供する。これにより、情報信号はn個のサブデータストリーム中で、ネットワークを介して伝送されることが想定される。より低帯域(及びデータレート)を有する情報信号の受信へのスイッチオーバーは、上記説明のように生じなくてもよい。
【0078】
受信品質が、より高い品質の情報信号を受信することを可能にする十分な帯域幅が利用可能にするものである(例えば、線1152の情報信号がSD画質の情報信号であり、配置1150がHD画質で情報信号を受信するのに十分な帯域幅が利用可能であると判断する)と配置1150が決定するとき、より高い画像品質を有する情報信号へのスイッチオーバーを開始する第2スイッチオーバーコマンド信号を、配置1150が生成してよいことも自明である。
【0079】
ここで、上記された受信品質に基づくスイッチオーバーは、必ずしもスプリッタユニットで実行される必要はないことにも留意されたい。同様に、操作は受信器内でも実行されてよい。その後、受信された情報信号の受信品質を決定するための配置が受信器に与えられ、n個のサブスイッチオーバーコマンドをアップリンク端末に供給するn個のサブスイッチオーバーコマンド信号を生成するための配置が与えられる。
【0080】
同様に、スプリッタユニット回路は、
図22において、共同住宅内の「送信チェーンの最終スプリッタユニット」と示されるように配置される。そして、スプリッタユニットには、情報信号をセットトップボックス又は直接テレビ受像機に送信するための端子1105のような単一の出力端子が設けられてよい。
図22に係るスプリッタユニットには、複数の出力1102、…1105も設けられてよい。この出力のために、複数の情報信号がアパートの異なる複数のセットトップボックス及びテレビ受像機セットのそれぞれに供給される。出力端子1105の信号及び出力端子n1102〜1105の信号のそれぞれは、その後、シリアル情報信号として実装されてよい。例えば、出力端子の信号は、スタンダード互換性(Standard−compatible)テレビジョン信号であってよい。
【0081】
更に、情報信号は、既知のテレビジョン信号とは別個のものでもよく、如何なる他のマルチメディアベースの信号(例えば、音声信号)に関連したものであってよいことに留意されたい。