特許第6188108号(P6188108)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6188108被覆装置構成体、三次元プリンタおよび粒子状構成材料の2つの層を適用する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6188108
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】被覆装置構成体、三次元プリンタおよび粒子状構成材料の2つの層を適用する方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/20 20170101AFI20170821BHJP
   B29C 64/188 20170101ALI20170821BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20170821BHJP
   B33Y 40/00 20150101ALI20170821BHJP
【FI】
   B29C64/20
   B29C64/188
   B33Y30/00
   B33Y40/00
【請求項の数】23
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2016-569783(P2016-569783)
(86)(22)【出願日】2015年8月25日
(86)【国際出願番号】EP2015069448
(87)【国際公開番号】WO2016030375
(87)【国際公開日】20160303
【審査請求日】2016年11月25日
(31)【優先権主張番号】102014112469.3
(32)【優先日】2014年8月29日
(33)【優先権主張国】DE
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514326904
【氏名又は名称】エクスワン ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(74)【代理人】
【識別番号】100148596
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 和弘
(72)【発明者】
【氏名】ホフスマン, レイナー
(72)【発明者】
【氏名】ミュラー, アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】クラウア, スヴェン
【審査官】 関口 貴夫
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/067301(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 64/20
B29C 64/188
B33Y 30/00
B33Y 40/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子状構成材料(PM)を受容するとともに前記粒子状構成材料を出力する開口に通じた内部空洞を規定する容器(17)を有し、構成場を横切って水平に変位可能であるとともに前記水平移動時に粒子状構成材料を前記開口から前記構成場に連続的に出力するように構成された被覆装置(3)と、下方配向撫付け面を構成するとともに、前記撫付け面を用いて前記開口から出力された前記粒子状構成材料を撫で付けることにより、出力された前記粒子状構成材料を平滑化及び/又は圧縮するように構成された撫付け部材(15a)とを備える、3次元プリンタ(100)用の被覆装置構成体(1)であって、
基準面に対して前記撫付け面の傾斜角(α)を可変設定するように構成された設定装置(13)を備える、被覆装置構成体(1)。
【請求項2】
前記設定装置(13)が、前記撫付け面の前記傾斜角(α)を変更可能な駆動部(13a)を備えた、請求項1に記載の被覆装置構成体(1)。
【請求項3】
前記駆動部(13a)が、線形駆動部又は旋回若しくは回転駆動部である、請求項2に記載の被覆装置構成体(1)。
【請求項4】
前記駆動部(13a)が、油圧駆動部、空気圧駆動部、電気駆動部、及びこれらの組み合わせから成る群から選定された、請求項2又は3に記載の被覆装置構成体(1)。
【請求項5】
前記駆動部(13a)が、当該駆動部自体によって直接、前記撫付け面の前記傾斜角(α)を可変設定するように構成された、請求項2〜4のいずれか一項に記載の被覆装置構成体(1)。
【請求項6】
前記設定装置(13)が、前記駆動部(13a)により生成された移動を特定の程度に制限することによって、前記撫付け面の前記傾斜角(α)を設定するように構成された限界ストッパ(13b)をさらに備えた、請求項2〜5のいずれか一項に記載の被覆装置構成体(1)。
【請求項7】
前記限界ストッパ(13b)が、可変調整可能であることにより、前記撫付け面の前記傾斜角(α)が、前記限界ストッパの調整によって可変調整可能である、請求項6に記載の被覆装置構成体(1)。
【請求項8】
前記限界ストッパ(13b)が、電気的に調整可能である、請求項7に記載の被覆装置構成体(1)。
【請求項9】
前記設定装置(13)が、前記撫付け部材(15a)を旋回させることにより前記撫付け面の前記傾斜角(α)を設定するように構成された旋回装置として構成された、請求項1〜8のいずれか一項に記載の被覆装置構成体(1)。
【請求項10】
前記旋回装置が、前記被覆装置(3)を旋回させることによって、前記撫付け部材(15a)を旋回させるとともに、前記撫付け面の前記傾斜角(α)を設定するように構成された、請求項9に記載の被覆装置構成体(1)。
【請求項11】
前記被覆装置(3)が旋回可能に支持された軸受ブロック(11)をさらに備えた、請求項1〜10のいずれか一項に記載の被覆装置構成体(1)。
【請求項12】
線形ガイド構造(103)をさらに備え、前記線形ガイド構造(103)に沿って、前請求項11に記載の被覆装置構成体(1)における前記軸受ブロック(11)及び/又は被覆装置(3)が変位可能である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の被覆装置構成体(1)。
【請求項13】
前記設定装置(13)に接続された制御ユニット(C)であって、前記設定装置が前記傾斜角(α)を設定/調整するように前記設定装置を制御するように構成された制御ユニット(C)をさらに備えた、請求項1〜12のいずれか一項に記載の被覆装置構成体(1)。
【請求項14】
前記制御ユニット(C)が、使用する粒子状構成材料の組成、1つ若しくは複数の周囲条件、並びに/又は所望の圧縮度に従って、前記傾斜角(α)を初期値に設定するように構成された、請求項13に記載の被覆装置構成体(1)。
【請求項15】
前記撫付け面の現在の傾斜角(α)を表す値を測定するように構成された傾斜センサ(Sα)をさらに備えた、請求項1〜14のいずれか一項に記載の被覆装置構成体(1)。
【請求項16】
前記傾斜センサ(Sα)が、請求項13又は14に記載の前記被覆装置構成体(1)における前記制御ユニット(C)に接続されており、前記制御ユニットが、前記傾斜センサにより測定された前記値に基づいて前記傾斜角(α)を設定するようにさらに構成された、請求項15に記載の被覆装置構成体(1)。
【請求項17】
適用層の密度を表す値を測定するように構成された密度センサ(Sρ)をさらに備えた、請求項1〜16のいずれか一項に記載の被覆装置構成体(1)。
【請求項18】
前記密度センサ(Sρ)が、請求項13、14、及び16のいずれか一項に記載の前記被覆装置構成体(1)における前記制御ユニット(C)に接続されており、前記制御ユニットが、前記密度センサ(Sρ)により測定された前記値に基づいて前記傾斜角(α)の設定を行うようにさらに構成された、請求項17に記載の被覆装置構成体(1)。
【請求項19】
前記被覆装置(3)が、当該被覆装置の行程及び戻り行程において粒子状構成材料を出力するように構成された双方向被覆装置として構成されており、
前記被覆装置(3)が、前記開口の両側それぞれに撫付け部材(15a、15b)を備えることにより、前記撫付け部材の第1の撫付け部材を用いて、前記行程中に前記開口から出力された前記粒子状構成材料を撫付け可能であるとともに、前記撫付け部材の第2の撫付け部材を用いて、前記戻り行程中に前記開口から出力された前記粒子状構成材料を撫付け可能であり、
前記設定装置(13)が、前記第1の撫付け部材(15a)の前記撫付け面の前記傾斜角(α)を設定することにより、前記行程に関して、出力された前記粒子状構成材料を平滑化及び/又は圧縮するとともに、前記第2の撫付け部材(15b)の前記撫付け面の前記傾斜角(α)を設定することにより、前記戻り行程に関して、出力された前記粒子状構成材料を平滑化及び/又は圧縮するように構成された、請求項1〜18のいずれか一項に記載の被覆装置構成体(1)。
【請求項20】
前記設定装置(13)が、前記第1の撫付け部材(15a)の前記撫付け面の前記傾斜角(α)及び前記第2の撫付け部材(15b)の前記撫付け面の前記傾斜角(α)を併せて調整するように構成された、請求項19に記載の被覆装置構成体(1)。
【請求項21】
前記設定装置(13)が、前記行程の第1の方向に前記被覆装置(3)を旋回させることにより、前記第1の撫付け部材(15a)の前記撫付け面の前記傾斜角(α)を設定して、出力された前記粒子状構成材料を平滑化及び/又は圧縮するとともに、前記第1の方向と反対の前記戻り行程の第2の方向に前記被覆装置(3)を旋回させることにより、前記第2の撫付け部材(15b)の前記撫付け面の前記傾斜角(α)を設定して、出力された前記粒子状構成材料を平滑化及び/又は圧縮するように構成された、請求項19又は20に記載の被覆装置構成体(1)。
【請求項22】
請求項1〜21のいずれか一項に記載の被覆装置構成体(1)を備えた、3次元プリンタ(100)。
【請求項23】
粒子状構成材料の2つの層を適用する方法であって、
構成場を横切る第1の方向に、粒子状構成材料(PM)で満たされるとともに前記粒子状構成材料を出力する開口に通じた内部空洞を有する容器(17)を具備し、構成場を横切って水平に変位可能であるとともに前記水平移動時に粒子状構成材料を前記開口から前記構成場に連続的に出力するように構成された被覆装置(3)を移動させて、第1の走行中に前記粒子状構成材料の第1の層を形成し、
前記構成場に対向する撫付け面の構成により、前記撫付け面を用いて、出力された前記粒子状構成材料を平滑化及び/又は圧縮する第1の撫付け部材(15a)を用いて、前記第1の走行中に前記開口から出力された前記粒子状構成材料を撫で付け、
前記構成場を横切る第2の方向に前記被覆装置(3)を移動させて、第2の走行中に前記粒子状構成材料の第2の層を形成し、
前記構成場に対向する撫付け面の構成により、前記撫付け面を用いて、出力された前記粒子状構成材料を平滑化及び/又は圧縮する第2の撫付け部材(15b)を用いて、前記第2の走行中に前記開口から出力された前記粒子状構成材料を撫で付け、
前記第1の走行の第1の方向に前記被覆装置(3)を旋回させることにより、静止した基準面に対して前記第1の撫付け部材(15a)の前記撫付け面の傾斜角(α)を設定して、出力された前記粒子状構成材料を平滑化及び/又は圧縮し、
前記第2の走行の第2の方向に前記被覆装置(3)を旋回させることにより、静止した基準面に対して前記第2の撫付け部材(15b)の前記撫付け面の傾斜角(α)を設定して、出力された前記粒子状構成材料を平滑化及び/又は圧縮する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3D(3次元)プリンタ用の被覆装置構成体、このような被覆装置構成体を有する3Dプリンタ、及び粒子状構成材料の2つの層を適用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な生成的製造プロセス(及びその結果として、様々な種類の3Dプリンタ)が知られている。
【0003】
いくつかの生成的製造プロセスは、共通して以下のステップを有する。
(1)まず、構成場の表面全体に粒子状材料を適用して、未固化粒子状材料の層を形成する。
(2)例えばバインダ等の処理剤の選択的印刷(或いは、例えばレーザ焼結)により、所定の部分領域において、未固化粒子状材料の適用層を選択的に固化させる。
(3)ステップ(1)及び(2)を繰り返して所望のコンポーネントを製造する。この目的のため、新たな層が表面全体に適用される前に、例えばコンポーネントが層状に構築される構成プラットフォームが各1層分の厚さだけ降下されるようになっていてもよい(或いは、例えば被覆装置及び印刷装置が各1層分の厚さだけ上昇されるようになっていてもよい)。
(4)最後に、固くない未固化粒子状材料により支持及び囲繞されている製造したコンポーネントを解放するようにしてもよい。
【0004】
例えば、1つ又は複数のコンポーネントが製造される構成空間は、いわゆる構成ボックス(「ジョブボックス」とも称する)によって規定されていてもよい。この種の構成ボックスは、上方に開かれて垂直方向に延びた(例えば、4つの垂直側壁により形成された)周壁構造を有していてもよく、例えば、上から見た場合に矩形となるように形成されていてもよい。構成ボックスには、高さ調整可能な構成プラットフォームが受容されていてもよい。この点において、構成プラットフォームの上方及び垂直周壁構造間の空間は、例えば構成空間の形成に少なくとも寄与していてもよい。構成空間の上側領域は、例えば構成場と称する場合がある。このような構成ボックスの一例は、例えば独国特許出願公開第102009056696号に記載されている。
【0005】
上記ステップ(1)においては、被覆装置(「リコータ」とも称する)を有する被覆装置構成体が通常用いられる。3Dプリンタに用いられる様々な被覆装置構成体が知られており、これによって、表面全体にわたる一様な層の形態で粒子状構成材料が構成場(構成面又は構成領域とも称する)に適用されるようになっていてもよい。
【0006】
ある種の被覆装置構成体ではローラ(「ローラ被覆装置」の省略形)を使用するが、まず、その前方で大量の粒子状構成材料が下ろされた後、構成場を横切る水平移動によって、一様な層の形態の粒子状構成材料が構成場に適用される。この点において、ローラは、走行方向と反対に回転していてもよい。長大な被覆装置構成体は、ローラ被覆装置を用いた実現が困難である。
【0007】
同類の被覆装置構成体では、ローラの代わりに振動翼を使用する。例えば、独国特許第10117875号は、振動翼の前方に粒子状材料が下ろされた後、回転又は旋回移動として振動する振動翼により被覆される領域に粒子状材料が適用される方法を開示している。
【0008】
別の種類の被覆装置構成体(いわゆる「容器被覆装置」(例えば、「スロット被覆装置」)を有する被覆装置構成体)では、例えば構成場を横切って変位可能であり、粒子状構成材料を受容するとともに粒子状構成材料を構成場に出力する開口に通じた内部空洞を規定する容器を備えた被覆装置を使用する。この被覆装置は、例えば矩形構成場の長さ若しくは幅に及ぶ細長形状又は長さ若しくは幅に広がる細長形状であってもよい。そして、開口は、長手スロットとして設けられていてもよい。したがって、被覆装置は、構成場を横切って水平に移動可能であると同時に、粒子状構成材料を開口から構成場に出力することによって、構成場の表面全体に一様な層を適用することができる。
【0009】
上記ステップ(2)においては、例えば印刷ヘッドを有し、先に適用された構成材料層の副領域に対して、制御された方法で処理剤を適用する印刷装置が用いられるようになっていてもよい。処理剤は、副領域における構成材料層の(即時及び/又は事後の)固化に寄与する。例えば、処理剤は、バインダ(例えば、多成分バインダのバインダ成分)であってもよい。
【0010】
或いは、上記ステップ(2)においては、例えばレーザの使用により、例えば先に適用された構成材料層の副領域における構成材料の焼結又は溶融によって、副領域を固化させるようにしてもよい。
【発明の概要】
【0011】
本発明は、第2の種類の被覆装置構成体すなわち「容器被覆装置」(例えば、「スロット被覆装置」)を有する被覆装置構成体に関する。
【0012】
この種の被覆装置には、例えば粒子状材料の振動によって、粒子状構成材料の流動若しくは細流挙動又は粒子状構成材料の開口からの排出に影響を及ぼし得る(例えば、後押しし得る)振動装置が設けられていてもよい。この種の振動装置は、例えば容器の少なくとも壁部の振動又は揺動運動への曝露によって粒子状構成材料の排出に影響を及ぼす揺動装置により構成されていてもよい。
【0013】
また、この種の被覆装置構成体には、例えば容器内側のラビリンス構造が設けられていてもよく、被覆装置が静止している場合の構成材料の流出/漏出を防止可能である。
【0014】
さらに、この種の被覆装置構成体には、例えば、撫付け/掃引部材が設けられていてもよく、この部材により、構成場に適用された粒子状材料が構成材料を圧縮及び/又は平滑化し得るよう撫で付けられる。
【0015】
「スロット被覆装置」を有する被覆装置構成体の一例は、独国特許出願公開第102009056689号により既知である(例えば、図17図20参照)。
【0016】
本発明の基礎となる課題としては、用途範囲が拡張された「容器被覆装置」を含む3Dプリンタ用の被覆装置構成体を提供することと考えられる。
【0017】
本発明は、請求項1に記載の3Dプリンタ用の被覆装置構成体を提供する。この被覆装置構成体の別の実施形態については、従属請求項2〜21に記載する。請求項22は、対応する被覆装置構成体を具備した3Dプリンタを記載しており、請求項23は、粒子状構成材料の2つの層を適用する方法を記載している。
【0018】
種々実施形態によれば、一例として、被覆装置の撫付け部材の傾斜角の適当な設定によって粒子状構成材料の適用層の圧縮度を適当に調整することにより、最終的に、鋳物用中子及び/又は鋳型等のコンポーネントの1つ又は複数の特徴を具体的に設定可能な被覆装置構成体が提供されるようになっていてもよい。
【0019】
種々実施形態によれば、一例として、構成場中/構成場上への一様な層としての様々な構成材料組成の確実な適用及び/又は被覆装置の撫付け/掃引部材の傾斜角の調整による様々な構成材料組成の適当な圧縮を可能とすることにより、最終的に複数の異なる構成材料組成を処理可能な被覆装置構成体が提供されるようになっていてもよい。
【0020】
種々実施形態によれば、一例として、構成ジョブ中に、被覆装置の撫付け/掃引部材の傾斜角の変更によって、製造するコンポーネント内の圧縮度及び/又は確立する層化合物を具体的に変化させることにより、1回の構成ジョブにて、様々な圧縮度区分を有するコンポーネント及び/又は異なる圧縮度を有する複数のコンポーネントを製造可能な被覆装置構成体が提供されるようになっていてもよい。
【0021】
種々実施形態によれば、一例として、構成ジョブ中に、被覆装置の撫付け部材の傾斜角の調整又は再調整によって、品質及び/又は圧縮が一定の複数の構成材料層を適用することにより、長時間の構成ジョブ及び/又は複数の構成ジョブにわたって、例えば簡単且つ安全に一定の品質及び/又は圧縮が得られる被覆装置構成体が提供されるようになっていてもよい。
【0022】
種々実施形態によれば、一例として、一様且つ適当に圧縮された構成材料層を短時間で適用可能な被覆装置構成体が提供されるようになっていてもよい。種々実施形態によれば、一例として、被覆装置の行程及び戻り行程において、それぞれ適当な傾斜角を設定することにより、適用層の品質に影響を及ぼすことなく双方向被覆が可能となる。
【0023】
この点において、本願の意味における粒子状構成材料は、少なくとも1種類の粒子状材料(例えば、鋳物砂等の砂(粒)、金属粒子、及び/又は合成材料の粒子)を含む構成材料として了解されるものであってもよい。同様に、構成材料には、新しい砂と再生砂との混合物、細砂と粗砂との混合物、又は2つの異なる種類の砂の混合物等、複数の異なる種類の粒子状材料が含まれていてもよい。さらに、構成材料は、例えばバインダ成分(例えば、活性剤)等の少なくとも1つの液体成分、1つ若しくは複数の固体添加物、並びに/又は1つ若しくは複数の液体添加物を含んでいてもよい。構成材料がバインダ成分を含む場合は、先に適用された構成材料層への印刷装置によるフラン樹脂等の別のバインダ成分の選択的印刷により、所定の領域において、この層を固化させるようにしてもよい。例えば鋳型若しくは鋳物用中子等の製造するコンポーネント並びに/又は各コンポーネントの使用目的に応じて、この目的のために具体的に作成された構成材料組成が用いられるようになっていてもよい。この点において、構成材料組成は、使用成分の数のほか、例えば各粒子サイズ(固体の場合)等、構成材料(混合物)に含まれる成分それぞれの種類及び割合によって規定されるようになっていてもよい。
【0024】
種々実施形態によれば、3Dプリンタ用の被覆装置構成体は、
粒子状構成材料を受容するとともに(例えば、構成場上/構成場中又は構成空間上/構成空間中の)粒子状構成材料を出力する開口に通じた内部空洞を規定する容器を具備した被覆装置(例えば、構成場を横切って水平に変位可能であるとともに、構成場を横切るこの水平移動時に粒子状構成材料を開口から構成場に連続的に出力するように構成された「容器被覆装置」(例えば、「スロット被覆装置」))と、(例えば、構成場又は構成空間を向いた)下方配向撫付け面を構成するとともに、撫付け面を用いて開口から出力された構成材料を撫で付けることにより、出力された粒子状材料を平滑化及び/又は圧縮するように構成された撫付け/掃引部材と、
撫付け面の傾斜角を可変設定する((例えば、構成場を横切る行程又は構成場を横切る戻り行程中の少なくとも本質的又は主要な部分について)(各設定での)傾斜角の固定的な可変設定並びに/又は可変設定及び保持/固定を行う)ように構成された設定装置と、
を備えていてもよい。
【0025】
被覆装置は、例えば構成場を横切って、例えば水平方向に変位可能であってもよい。例えば、被覆装置は、この目的のため、例えば当該被覆装置が取り付けられた摺動子により線形ガイド構造に沿って変位可能であってもよい。
【0026】
容器は、例えば細長く形成され、例えば被覆装置が変位可能な方向と垂直な水平方向に長手軸が延びていてもよい。この点において、開口は、例えば長手スロットとして形成され、被覆装置が変位可能な方向と垂直及び/又は容器の長手方向と平行な水平方向に長手軸が延びていてもよい。
【0027】
容器は、例えば断面が下方にテーパ状であってもよく、例えば断面が漏斗状であってもよい。
【0028】
容器は、例えば上方に開かれていてもよい。例えば、容器の上方に第2の容器が配設されていてもよい。
【0029】
開口又は長手スロットは、例えば容器の下端部すなわち例えば構成場に対向する被覆装置の端部に位置付けられていてもよく、例えば構成場側へと下方に向けられていてもよい。
【0030】
構成場は、例えば構成プラットフォーム及び/又は構成ボックス(「ジョブボックス」とも称する)によって規定されていてもよく、その上方/上又は中において、3Dプリンタにより生成的製造プロセスにてコンポーネントが構成される/構成可能である。構成ボックスは、例えば生成的製造プロセス中(又は、いわゆる「構成ジョブ」中)に徐々に降下される高さ調整可能な構成プラットフォームを受容するようにしてもよい。高さ調整用駆動部は、例えば構成ボックスに直接設けられていてもよいし(「並走」)、3Dプリンタにおいて静止していてもよい(「設備固定」)。構成ボックスは、例えばローラコンベヤ及び/又は当該構成ボックスに組み込まれたそれ自体の走行駆動部によって、3Dプリンタの外部又は内部に変位可能であってもよい。構成ボックスは、例えば独国特許出願公開第102009056969号に記載の通り、例えば最初に記載したように設けられていてもよい。
【0031】
以下に提供する情報は、1つの撫付け部材及び2つ以上の撫付け部材すなわち各撫付け部材の両者に当てはまる。
【0032】
撫付け部材は、例えば容器(例えば、その下面)により共通して形成されていてもよいし、例えば別個の部材として形成されていてもよく、被覆装置(例えば、その担体構造又は容器)に取り付けられていてもよい。撫付け部材は、別個の部材として被覆装置に取り付けられている場合、例えば固定的又は移動(例えば、旋回)可能に被覆装置に取り付けられていてもよい。第1の場合、撫付け部材は、移動(例えば、被覆装置の旋回移動)によって動くことにより、その撫付け面の傾斜角を設定することができる。第2の場合、撫付け部材は、直接それ自体によって動くことにより、その撫付け面の傾斜角を設定することができる。
【0033】
構成材料の平滑化及び/又は圧縮のため、撫付け部材は、例えば後方へと傾斜が減少する状態又は走行方向へと傾斜が増大する状態で、開口の背後に走行方向に配置されている。傾斜角は、例えば鋭角(例えば5°以下の角度、例えば4°以下の角度、例えば3°以下の角度、例えば2°以下の角度、例えば1°以下の角度)であってもよい。
【0034】
被覆装置は、例えば撫付け部材を1つだけ備え、被覆装置構成体が単方向に動作するようになっていてもよい。被覆装置は、例えば2つの撫付け部材を備え、被覆装置構成体が双方向に動作するようになっていてもよい。後者の場合、撫付け部材は、例えば開口の両側(例えば横方向)に配設されていてもよく、各撫付け部材の傾斜角は、例えば設定装置により可変調整可能であってもよい。後者の場合、撫付け部材は、それぞれの撫付け面が同一平面となるように配置されていてもよい。
【0035】
撫付け部材の撫付け面は、例えば実質的に平面状に構成されていてもよい。例えば、撫付け部材は、細長形状であってもよく、例えば容器の長手方向と実質的に平行に、例えばそのスロット全体に実質的に沿って延びていてもよい。例えば、撫付け部材は、撫付けバー/ストリップ及び/又は撫付けブレードとして形成されていてもよい。撫付け部材は、例えば金属(例えば、鋼)で構成されていてもよい。
【0036】
撫付け部材は、例えば開口の下に、例えば開口下側の垂直方向に、例えば開口まで(短い)垂直距離で配設されていてもよい。言い換えると、撫付け部材は、容器内部空間の外側又は下(例えば、容器の外側又は下)に配設されていてもよい。撫付け部材は、例えば水平方向に開口の側方に隣接して配置されていてもよい。
【0037】
設定装置は、例えば被覆装置と一体的に構成場を横切って変位可能であってもよい。
【0038】
設定装置は、例えば静止した基準面(例えば、水平面、構成プラットフォームと平行な面、構成場と平行な面、及び/又は最終適用層と平行な面)に対して撫付け面の傾斜角を可変設定するように構成されていてもよい。傾斜角は、例えば鋭角であってもよい。
【0039】
種々実施形態によれば、設定装置は、例えば撫付け面の傾斜角を変更可能な駆動部を備えていてもよい。駆動部という用語は、例えば非手動の駆動部を表す。駆動部は、例えば撫付け部材を直接又は間接的に移動させる(例えば、撫付け部材を旋回させる)ように構成されていてもよい。
【0040】
種々実施形態によれば、駆動部は、例えば線形駆動部又は回転若しくは旋回駆動部であってもよい。言い換えると、駆動部は、例えば併進運動の発生若しくはこのような併進運動の生成(これは、閉鎖要素及び/又は被覆装置の旋回に使用/変換されるようになっていてもよい)又は少なくとも1回転若しくは1回転未満だけのトルクの発生を行う。
【0041】
種々実施形態によれば、駆動部は、例えば油圧駆動部、空気圧駆動部、電気駆動部、及びこれらの組み合わせから成る群から選定されるようになっていてもよい。
【0042】
種々実施形態によれば、駆動部は、例えば当該駆動部自体によって直接、撫付け面の傾斜角を可変設定するように構成されていてもよい。この背景において、駆動部は、例えば電気駆動部として設けられていてもよい。このため、駆動部は、例えば撫付け部材及び/又は被覆装置をそれぞれの位置(例えば、旋回位置)で保持するように構成されていてもよい。
【0043】
種々実施形態によれば、設定装置は、例えば駆動部により生成された(例えば、撫付け部材及び/又は被覆装置の)移動を特定の程度に制限することによって、撫付け面の傾斜角を設定するように構成された限界ストッパをさらに備えていてもよい。例えば、限界ストッパを用いることにより、撫付け部材及び/又は被覆装置の旋回範囲(例えば、垂直旋回範囲)が設定されるようになっていてもよい。
【0044】
種々実施形態によれば、限界ストッパは、例えば可変調整可能であることにより、撫付け面の傾斜角が、限界ストッパの調整によって設定可能であってもよい。この点において、限界ストッパは、例えば手動又は電気的に調整可能であってもよい。
【0045】
種々実施形態によれば、設定装置は、例えば撫付け部材を(直接又は間接的に)旋回させることにより撫付け面の傾斜角を設定するように構成された旋回装置として構成されていてもよい。撫付け部材は、例えば上記駆動部により、垂直旋回範囲において、固定旋回軸、外部旋回軸若しくは本体自体の旋回軸、並びに/又は被覆装置の長手軸と平行及び/若しくは被覆装置の走行方向と垂直な水平旋回軸の周りに旋回されるようになっていてもよい。
【0046】
種々実施形態によれば、旋回装置は、例えば被覆装置を旋回させることによって、撫付け部材を旋回させるとともに、撫付け面の傾斜角を設定するように構成されていてもよい。これにより、被覆装置全体は、例えば本体自体の旋回軸周りの旋回によって、撫付け面の傾斜角を設定するようにしてもよいし、被覆装置は、旋回被覆装置として構成されていてもよい。被覆装置は、例えば上記駆動部により、垂直旋回範囲において、固定旋回軸、本体自体の旋回軸、並びに/又は被覆装置の長手軸と平行及び/若しくは被覆装置の走行方向と垂直な水平旋回軸の周りに旋回されるようになっていてもよい。
【0047】
種々実施形態によれば、この被覆装置構成体は、例えばトラニオン/旋回ピンにより、例えば前面のうちの1つにおいて被覆装置が旋回可能に支持された軸受ブロックをさらに備えていてもよい。軸受ブロックは、例えば被覆装置と一体的に変位可能であってもよい。被覆装置は、例えば別の軸受ブロックにより、その他の前面で旋回可能に支持されていてもよい。上記駆動部は、例えば軸受ブロックと被覆装置との間において、軸受ブロックに搭載されていてもよい。
【0048】
種々実施形態によれば、この被覆装置構成体は、例えば水平方向に、例えば構成場又は構成空間を横切って、例えば軸受支持部が沿って変位可能な線形ガイド構造をさらに備えていてもよい。
【0049】
種々実施形態によれば、この被覆装置構成体は、例えば設定装置(例えば、駆動部及び/又は限界ストッパ)に接続され、例えば構成ジョブ前及び/又は構成ジョブ中に、傾斜角の設定/調整(例えば傾斜角の初期値への設定及び/又は再調整)を行うことによって、例えば適当な圧縮/平滑化を行うように設定装置を制御するように構成された制御ユニット(例えば、「制御装置」及び/又は電子制御ユニット)をさらに備えていてもよい。つまり、制御ユニットは、設定装置によって傾斜角を設定する。言い換えると、傾斜角は、(設定装置を用いて)制御された方法(例えば、駆動部により制御された方法)で設定される。
【0050】
種々実施形態によれば、制御ユニットは、例えば当該制御ユニットに格納された関連する各パラメータ又はパラメータセット(例えば、駆動パラメータ及び/又は旋回角を含む)に基づき、使用/採用する粒子状材料の組成、1つ若しくは複数の周囲条件(例えば、空気湿度、周囲温度、及び/又は周囲圧力)、並びに/又は(例えば、適用する層及び/又は製造するコンポーネントの)所望の圧縮度に従って、傾斜角を初期値に設定するように構成されていてもよい。使用/採用する粒子状材料の組成、1つ若しくは複数の周囲条件、並びに/又は所望の圧縮度は、例えば3Dプリンタのオペレータステーション(例えば、操作盤)によって制御ユニットに与えられるようになっていてもよい。使用/採用する粒子状材料の組成並びに/又は1つ若しくは複数の周囲条件は、例えば対応するセンサにより自動で検出されるようになっていてもよく、制御ユニットに転送されるようになっていてもよい。
【0051】
種々実施形態によれば、この被覆装置構成体は、例えば撫付け面の現在の傾斜角を表す値を測定するように構成された傾斜センサをさらに備えていてもよい。傾斜センサは、例えば1つ又は複数の加速度センサを含んでいてもよい。その他任意の適当な傾斜センサも同様に使用可能であることが了解されるものとする。傾斜センサは、例えば被覆装置(例えば、その担体構造又は撫付け部材自体)に取り付けられていてもよい。
【0052】
傾斜センサは、例えば制御ユニットに接続されて、測定値を制御ユニットに伝達するようになっていてもよい。
【0053】
制御ユニットは、例えば傾斜センサにより測定された値に基づいて傾斜角を設定することにより、(例えば、制御又は調節/フィードバック制御によって)例えば傾斜角を初期値に設定及び/又は再調整するように構成されていてもよい。制御ユニットは、例えば傾斜センサにより検出された値に基づくとともに使用/採用する粒子状材料の組成、1つ若しくは複数の周囲条件、並びに/又は所望の圧縮度に従って、傾斜角を初期値に設定するように構成されていてもよい。この点において、傾斜センサは、例えば監視、配向、及び/又はゼロ点決定に用いられるようになっていてもよい。傾斜センサを用いることにより、例えば摩耗及び断裂並びに/又は温度の変動によって設定/実際の傾斜角が所望の傾斜角から外れることのないようにすることができる。
【0054】
種々実施形態によれば、この被覆装置構成体は、例えば適用層の密度(例えば、層の圧縮度)を表す値を測定するように構成された密度センサをさらに備えていてもよい。密度センサは、例えば構成場に向けられ、任意選択として適用構成材料層を走査し、これにより、例えば層の多孔率を決定することによって、圧縮度に関する結論を引き出す1つ又は複数の光学センサを備えていてもよい。別の適当な密度センサも同様に使用可能であることが了解されるものとする。
【0055】
密度センサは、例えば担体構造に取り付けられていてもよい。密度センサは、例えば上記制御ユニットのうちのいずれか1つに接続されて、検出値を制御ユニットに伝達するようになっていてもよい。
【0056】
制御ユニットは、例えば密度センサにより検出された値に基づいて傾斜角を設定するように構成されていてもよい((例えば、予想される密度値(例えば、設定値)又は密度値範囲からの所定の逸脱の場合に)例えば構成ジョブ中(関連する構成空間での1つ又は複数の部品の製造中)に、例えば傾斜角を再調整するように構成されていてもよいし、例えば密度の設定値への調節、検出密度値に応じた傾斜角設定値の変更、及び/又は擾乱変数の抑制を行うように構成されていてもよい)。擾乱変数は、例えば構成材料の組成の変化(例えば、その粒子サイズの変化)並びに/又は1つ若しくは複数の周囲条件の変化であってもよい。例えば、構成ジョブ中若しくは複数の構成ジョブにわたって、空気湿度及び/若しくは温度が実質的に変化する可能性並びに/又は(例えば、撹拌ユニットを備えた)混合容器を有する被覆装置供給ユニットにより与えられた構成材料の組成が実質的に変化して、それぞれ特定の傾斜角で実現された組成に影響を及ぼす可能性がある。このような変化又は圧縮の逸脱は、密度センサによって検出されるようになっていてもよく、制御ユニットは、例えば密度調節又は密度制御により、これに対応して応答するようにしてもよい。この代替又は追加として、制御ユニットは、予想される密度値又は密度値範囲からの所定の逸脱が密度センサによって検出された場合、警報の出力、構成ジョブの中断、及び/又は構成ジョブの停止を行うようにしてもよい。
【0057】
以下は、例えば種々実施形態に係る被覆装置構成体に当てはまる可能性がある。
【0058】
被覆装置は、当該被覆装置の行程及び戻り行程(例えば、2つの直接連続する走行それぞれ)において構成材料を出力するように構成された双方向被覆装置として構成されていてもよい。
【0059】
被覆装置は、開口の両側それぞれに撫付け部材を備えることにより、これら撫付け部材の第1の撫付け部材を用いて、行程中に開口から出力された粒子状構成材料を撫付け可能であるとともに、これら撫付け部材の第2の撫付け部材を用いて、戻り行程中に開口から出力された粒子状構成材料を撫付け可能であってもよい。
【0060】
設定装置は、行程に関して、第1の撫付け部材の撫付け面の傾斜角(例えば、さらに位置)を設定することにより、出力された粒子状構成材料を平滑化及び/又は圧縮するとともに、戻り行程に関して、第2の撫付け部材の撫付け面の傾斜角(例えば、さらに位置)を設定することにより、出力された粒子状構成材料を平滑化及び/又は圧縮するように構成されていてもよい。
【0061】
したがって、設定装置は、例えば2つの直接連続する走行中に、走行方向の後方に位置付けられた撫付け部材の傾斜角をそれぞれ設定することによって、出力された粒子状構成材料を平滑化及び/又は圧縮するように構成されていてもよい。
【0062】
例えば、この被覆装置構成体は、行程に関して、第1の撫付け部材の撫付け面の傾斜角(例えば、さらに位置)を設定することにより、出力された粒子状構成材料を平滑化及び/又は圧縮するとともに、戻り行程に関して、第2の撫付け部材の撫付け面の傾斜角(例えば、さらに位置)を設定することにより、出力された粒子状構成材料を平滑化及び/又は圧縮するように設定装置を制御するように構成された制御ユニット(例えば、上述のように構成された制御ユニット)を備えていてもよい。
【0063】
種々実施形態によれば、設定装置は、例えば第1の撫付け部材の撫付け面の傾斜角及び第2の撫付け部材の撫付け面の傾斜角を併せて調整するように構成されていてもよい。すなわち、一方の撫付け面の角度が調整された場合は、他方の撫付け面の角度も同様に調整される。
【0064】
種々実施形態によれば、設定装置は、例えば行程の第1の方向に被覆装置を旋回させることにより、第1の撫付け部材の撫付け面の傾斜角を設定して、出力された粒子状構成材料を平滑化及び/又は圧縮するとともに、第1の方向と反対の戻り行程の第2の方向に被覆装置を旋回させることにより、第2の撫付け部材の撫付け面の傾斜角を設定して、出力された粒子状構成材料を平滑化及び/又は圧縮するように構成されていてもよい。
【0065】
例えば、この被覆装置構成体は、行程の第1の方向に被覆装置を旋回させることにより、第1の撫付け部材の撫付け面の傾斜角を設定して、出力された粒子状構成材料を平滑化及び/又は圧縮するとともに、第1の方向と反対の戻り行程の第2の方向に被覆装置を旋回させることにより、第2の撫付け部材の撫付け面の傾斜角を設定して、出力された粒子状構成材料を平滑化及び/又は圧縮するように設定装置を制御するように構成された制御ユニット(例えば、上述のように構成された制御ユニット)を備えていてもよい。
【0066】
種々実施形態によれば、3Dプリンタ(又は、「3D印刷設備」)は、例えば上述のように構成された被覆装置構成体を備えていてもよい。
【0067】
例えば、複数の3Dプリンタが3Dプリンタ構成を形成していてもよい。
【0068】
例えば、(各)3Dプリンタは、
処理剤を選択的に制御された状態で出力する印刷装置であり、先に適用された構成材料層の所定の副領域に処理剤を印刷するように構成された、印刷装置(印刷装置により出力された処理剤は、選択的固化に寄与するとともに、例えば多成分バインダのバインダ成分、構成材料に含有又は添加された別のバインダ成分であってもよい)、
構成材料を新たに作成するとともに被覆装置に供給可能な3Dプリンタに組み込まれた供給ユニット、及び/又は
各構成場を規定する1つ又は複数の構成プラットフォーム及び/又は構成ボックス、
をさらに備えていてもよい。
【0069】
印刷装置は、例えば少なくとも1つの被覆装置が変位可能な方向と垂直な方向において、例えば水平に変位可能であってもよい。印刷装置は、例えば複数の構成場を提供するように構成されていてもよい。印刷装置は、例えば少なくとも1つの被覆装置が変位可能な方向においても同様に変位可能であってもよく、曲折した行路(例えば、U字形状)で1つ又は複数の構成場を横切って走行可能である。
【0070】
或いは、各構成材料層は、例えばレーザによって選択的に固化(例えば、焼結)されるようになっていてもよい(いわゆる「選択的レーザ焼結」)。
【0071】
供給ユニットは、例えば撹拌ユニットを有する混合容器のほか、各粒子状材料を混合容器に供給可能な1つ又は複数の貯蔵容器を備えていてもよい。撹拌ユニットを有する混合容器及び1つ又は複数の貯蔵容器は、例えば少なくとも1つの構成場の上方において、垂直方向に配置されていてもよい。さらに、混合容器は、例えば定量ポンプを介して、液体成分を混合容器に供給可能な液体容器に接続されていてもよい。混合容器は、例えば充填位置に移動された場合に、新たに作成された構成材料で被覆装置を満たし得る分注シャフト/ダクトを有していてもよい。
【0072】
種々実施形態によれば、粒子状構成材料の2つ(例えば、2つ以上)の層を適用する方法であって、
構成場を横切る第1の方向に、粒子状構成材料で満たされるとともに粒子状構成材料を出力する開口に通じた内部空洞を有する容器を具備した被覆装置を移動させて、第1の走行中に構成材料の第1の層を形成し、
構成場に対向する撫付け面の構成により、撫付け面を用いて出力された粒子状材料を平滑化及び/又は圧縮する第1の撫付け部材を用いて、第1の走行中に開口から出力された粒子状構成材料を撫で付け、
構成場を横切る第2の方向(例えば、第1の方向と反対)に被覆装置を移動させて、第2の走行中に構成材料の第2の層を形成し、
構成場に対向する撫付け面の構成により、撫付け面を用いて出力された粒子状材料を平滑化及び/又は圧縮する第2の撫付け部材を用いて、第2の走行中に開口から出力された粒子状構成材料を撫で付け、
(例えば、制御された方法で)第1の走行の第1の方向に被覆装置を旋回させることにより、第1の撫付け部材の撫付け面の傾斜角を設定(例えば、固定的に設定並びに/又は設定及び保持)して、出力された粒子状構成材料を平滑化及び/又は圧縮し、
(例えば、制御された方法で)第2の走行の第2の方向に被覆装置を旋回させることにより、第2の撫付け部材の撫付け面の傾斜角を設定(例えば、固定的に設定並びに/又は設定及び保持)して、出力された粒子状構成材料を平滑化及び/又は圧縮する、方法が提供されていてもよい。
【0073】
上記方法は、例えば生成的製造プロセスの一部であってもよい。
【0074】
上記実施形態において、2つ以上の撫付け部材及び被覆装置の旋回の場合は、両方向への被覆装置の同量の偏向若しくは旋回並びに/又は垂直線による垂直旋回範囲の二等分が可能である。
【0075】
本発明の例示的且つ非限定的な実施形態を図面に示すとともに、以下に詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0076】
図1】一実施形態に係る被覆装置構成体を示した側面図である。
図1a図1の側面図の拡大部を示した図である。
図2図1に係る被覆装置構成体の前面を示した斜視図である。
図3図2に係る前面を示した別の斜視図である。
図4図1に係る被覆装置構成体を示した断面斜視図である。
図5図1に係る被覆装置構成体を示した断面斜視図である。
図6図1の被覆装置構成体の第1の長手位置における断面図である。
図7図1に係る被覆装置構成体の第2の長手位置における断面図である。
図8a】閉鎖装置が開いた状態の被覆装置構成体の別の断面図である。
図8b】閉鎖装置が閉じた状態の被覆装置構成体の別の断面図である。
図9】本発明に係る被覆装置構成体に使用する開放状態の閉鎖部材の断面図である。
図10図1に係る側面図の別の拡大部を示した図である。
図11】一実施形態に係る設備ハウジング及び供給ユニットを省略した3Dプリンタを示した図である。
図12図11に係る設備ハウジングの大部分及び組み込み供給ユニットを含む3Dプリンタを示した図である。
図13】第1及び第2の3Dプリンタそれぞれを含む3Dプリンタ構成を上から見た上面図である。
図14】第1及び第2の3Dプリンタそれぞれを含む3Dプリンタ構成を上から見た斜視図である。
図15a】別の実施形態に係る被覆装置構成体を示した図である。
図15b】別の実施形態に係る被覆装置構成体を示した別の図である。
図15c】別の実施形態に係る被覆装置構成体を示した別の図である。
図16a】別の実施形態に係る被覆装置構成体を示した図である。
図16b】さらに別の実施形態に係る被覆装置構成体を示した図である。
図16c】さらに別の実施形態に係る被覆装置構成体を示した図である。
図16d】さらに別の実施形態に係る被覆装置構成体を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0077】
以下の詳細な説明においては、本明細書に援用する添付の図面を参照するが、これら図面においては、本発明を実施し得る具体的な実施形態を一例として示している。この点において、用語「上」、「下」、「前」、「後」等は、上記図面における配向を参照して使用している。実施形態の構成要素は、多くの異なる配向で位置決めされていてもよいため、異なる方向を示す専門用語は、説明を目的としたものであり、何ら限定的なものではない。
【0078】
本発明の保護の範囲から逸脱することなく、他の実施形態が利用可能であるとともに、構造的又は論理的な変更が可能であることが了解されるものとする。当然のことながら、本明細書に記載の例示的な種々実施形態の特徴は、特別の定めのない限り、組み合わされるようになっていてもよい。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で理解すべきものではなく、本発明の保護の範囲は、添付の特許請求の範囲によって規定されるものとする。
【0079】
本明細書において、「接続される」、「取り付けられる」、又は「結合される」等の用語は、直接及び間接的な接続、直接若しくは間接的な取り付け、並びに直接若しくは間接的な結合の説明に用いる場合がある。
【0080】
図面中、同一又は同様の部材には、必要に応じて、同一の参照番号を付与している。
【0081】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る被覆装置構成体1を示した側面図である。
【0082】
一例として、この被覆装置構成体には、2つの被覆装置3、5が設けられている。或いは、被覆装置構成体1には、唯一の被覆装置3のみが備わっていてもよいし、より多くの被覆装置が備わっていてもよく、後述の特徴を同様に適用可能である。すなわち、2つの被覆装置を有する被覆装置構成体に限定されない。
【0083】
ここに示す被覆装置構成体1は、第1の被覆装置3及び第2の被覆装置5を備える。以下では、主に第1の被覆装置3について説明するが、これに関連して述べる特徴は、第2の被覆装置5にも同様に適用可能である。
【0084】
第1の被覆装置3及び第2の被覆装置5は、例えば基板7を介して固く接続されていてもよく、各構成場を横切って一体的に変位可能である。この場合、各被覆装置は、その前面のうちの1つで基板7に固定されている(例えば、基板7に支持されている)。一方、基板7は、図1の投影面と垂直に延びる線形ガイド構造(図示せず)に沿って変位可能である。
【0085】
また、第1の被覆装置3は、例えばその他の前面によって、別の基板9に取り付けられていてもよい。一方、基板9は、別の線形ガイド構造(図示せず)に沿って変位可能であってもよい。また、第2の被覆装置5は、その他の前面において、別の基板(図示せず)に固定されていてもよい。
【0086】
図1に示すように、両被覆装置3及び5は、例えば細長く形成され、それぞれの長手軸が移動方向と垂直に延びていてもよい。さらに、両被覆装置3及び5は、長手方向に続けて配置されていてもよい。
【0087】
図2及び図3はそれぞれ、図1に係る被覆装置構成体の前面を示した斜視図である。
【0088】
図2及び図3に示すように、第1の被覆装置3は、例えば第2の被覆装置5の反対側を向く自由前面の軸受ブロック11を介して基板9に取り付けられていてもよい。同様に、第1の被覆装置3は、例えば別の軸受ブロックを介して基板7に固定されていてもよい。
【0089】
被覆装置3は、例えば旋回ピン12によって、例えば各軸受ブロック11に旋回搭載されていてもよい。これにより、旋回装置13によって、被覆装置3の長手軸と平行に延びた水平旋回軸の周りに被覆装置3を旋回させて、被覆装置に取り付けられた1つ又は複数の撫付け部材15a及び15bの傾斜角を設定することができる。
【0090】
一例として、この旋回装置13には、軸受ブロック11と被覆装置3との間に配置された油圧駆動部13aと、被覆装置の左右への旋回角を可変制限する電子的に調整可能な限界ストッパシステム13bとが設けられている(図1bも参照)。この点において、被覆装置3は、例えば第1の走行(「行程」)の第1の方向及び第2の走行(「戻り行程」)の第2の方向に旋回するようになっていてもよい。
【0091】
一例として、撫付け部材15a及び15bは、撫付けストリップ/バーとして設けられており、例えば鋼製であってもよい。撫付け部材15a及び15bは、ブレードとも称する。
【0092】
図2に示すように、撫付け部材15a及び15bは、例えば実質的に平面状に形成された下方配向撫付け面を構成している。粒子状材料の所望の圧縮度は、撫付け部材15a及び15bの各撫付け面の傾斜角を設定することによって設定可能である。この点において、被覆装置3は、一例として、行程及び戻り行程において両方向に被覆を行うとともに、出力された粒子状材料を適当に圧縮し得る双方向被覆装置として構成されている。
【0093】
上記被覆装置構成体は、単方向の被覆装置構成体として形成されていてもよく、この場合は、ブレードの一方が省略されていてもよいことが了解されるものとする。
【0094】
図4図7に示すように、被覆装置3は、例えば第1の下側容器17、第2の上側容器19(任意選択)、及び担体構造を備えていてもよい。
【0095】
担体構造は、例えば移動方向と交差する方向(厳密には、被覆装置の長手方向)に延びた1つ又は複数の担体21a、21bを備えていてもよく、これらは、被覆装置の長手方向に沿って、複数のパイプ又はバー21cにより横断方向に接続されていてもよい。図3に示すように、担体21a、21bは、例えば前面のうちの少なくとも1つによって、接続板21eに接続されていてもよい。
【0096】
第1及び第2の容器17、19はそれぞれ、例えば細長形状を有していてもよい。
【0097】
一例として、第1の容器17は、断面が下方にテーパ状となっている形状(例えば、漏斗形状)を有する。第1の容器17は、その下端に長手スロット(参照番号なし)を有する。第1の容器17は、例えばその上端が開かれていてもよく、任意選択的な第2の容器19の下側開放端に接続されていてもよい。例えば、第1の容器17は、1つ又は複数の補強部材17cにより、長手方向に沿って補強されていてもよい。
【0098】
一例として、第1の容器17は、振動/揺動容器として具現化されており、その一方の側壁17a(ここでは、右側壁)は、振動/揺動装置を用いた振動/揺動の動きへの曝露によって、容器17に受容された粒子状構成材料を振動させるようにしてもよい。
【0099】
一例として、この第1の容器17は、一方の面(ここでは、右側壁17a)において、振動装置23により担体構造21bに接続されており、他方の面(ここでは、左側壁17b)において、減衰装置25により担体構造21aに接続されている(例えば、図6参照)。
【0100】
図示のように、振動装置23は、例えば第1の容器17の一方の面に接続された偏心器23cによって偏心ロッド23bに接続されたシャフト23aを備えていてもよい。例えば、複数の偏心ロッド23b及び/又は偏心器23cが被覆装置の長手方向に続けて設けられていてもよい(例えば、図10参照)。
【0101】
減衰装置25は、例えば担体構造21aに取り付けられた減衰部材25bのほか、第1の容器17の他方の面への接続又は他方の面による構成がなされるとともに、減衰部材25bにより支持された突出部25aを備えていてもよい。例えば、複数の減衰装置25が被覆装置の長手方向に続けて設けられていてもよい。すなわち、第1の容器は、被覆装置の長手方向の複数の位置で担体構造に接続されていてもよい。
【0102】
(任意選択的な)第2の容器19は、一例として、断面が矩形状であってもよい。ここで、第2の容器は、第1の容器に構成材料を供給するいわゆる供給容器として機能する。第2の容器には、例えば分配部材19a(ここでは、分配ウォーム)が受容されていてもよい。第2の容器19は、担体構造への強固な接続及び/又は担体構造による構成/制限が可能である。
【0103】
図示の例示的な実施形態において、第1の容器17及び第2の容器19は、互いに振動分離されている。
【0104】
図4図7からさらに分かる通り(図10も参照)、担体構造は、例えば容器17の両側で被覆装置の長手方向に沿って、例えば各中間部(参照番号なし)によってリブに固定された各バー/レッジ29a及び29bを用いることにより、それぞれ担体21a及び21bに対して実質的に強固に接続されるとともに、例えば第1の容器17から振動分離するように撫付け部材15a及び15bが実質的に強固に取り付けられた1つ又は複数のリブ21dを備えていてもよい。
【0105】
第1の撫付け部材15の上方且つ長手スロットの下側すなわち第1の撫付け部材15aと第1の容器17との間には、例えば任意選択的な第1の閉鎖部材31aが配置されていてもよい。一例として、この任意選択的な第1の閉鎖部材31aは、第1の撫付け部材の上面によって下方に囲まれており、また、側面をレッジ29aにより囲まれ、中間部(参照番号なし)によって上方に囲まれている。第1の閉鎖部材31aは、被覆装置3の長手方向と垂直且つ長手スロットを通る仮想垂直面と垂直な方向に自由である。
【0106】
同様に、第2の撫付け部材15bの上方且つ長手スロットの下側すなわち第2の撫付け部材15bと第1の容器17との間には、任意選択的な第2の閉鎖部材31bが配置されていてもよい。一例として、この第2の閉鎖部材31bは、第2の撫付け部材15bの上面によって下方に囲まれており、また、側面をレッジ29bにより囲まれ、中間部(参照番号なし)によって上方に囲まれている。第2の閉鎖部材31bは、被覆装置3の長手方向と垂直且つ長手スロットを通る仮想垂直面と垂直な方向に自由である。
【0107】
各閉鎖部材31a、31bは、例えば接着により、例えば関連する撫付け部材、関連するレッジ、及び/又は関連する中間部に対して固定的に接続されていてもよい。
【0108】
例えば細長く形成された両閉鎖部材31a及び31bは、粒子状構成材料を出力する容器17の開口を選択的に閉じるように構成された任意選択的な閉鎖装置31を一体的に構成している。図4図7においては、閉鎖部材31a及び31bをそれぞれの開放状態で示している。
【0109】
閉鎖部材31a及び31bは、(例えば、それぞれの側方膨張の後)各閉鎖状態で別々に、開口を選択的に覆っていてもよく、開口を一体的に閉鎖する。
【0110】
図8a、図8b、及び図9に示すように、第1の閉鎖部材31a及び第2の閉鎖部材31bはそれぞれ、例えば第1及び第2の中空体を備えていてもよく、2つの中空体はそれぞれ、変形可能部35により制限された内部空洞33(図9参照)を有しており、2つの中空体は、変形可能部が互いに対向する(図8a参照)ように開口の両側に配置されており、2つの中空体はそれぞれ、導入された圧力流体により、変形可能部が外方に変形して内部空洞を膨張させるため、2つの変形可能部が互いに近づいて接触することにより開口を閉じ得る(図8b参照)ように構成されている。この点においては、図8bに示すように、2つの閉鎖部材31a、31bがそれぞれ開口を部分的に覆う。ここで、少なくとも1つの閉鎖部材31a、31b又は少なくともその変形可能部は、一例として、柔軟な弾性シリコーン材料で構成され、対向面での封止により閉鎖装置を閉鎖状態とするように構成された封止面を備える。この点において、封止面は、変形可能部に形成されている。図示の実施形態によれば、対向面も変形可能部によって形成されている。
【0111】
図8a、図8b、及び図9に示すように、変形可能部35は、例えば開口が覆われていない状態で内方に湾曲していてもよく、開口の閉鎖のため中空体に供給された圧力流体によって、外方に湾曲していてもよい。
【0112】
図8a及び図8bに示唆するように、閉鎖装置31は、例えば各閉鎖部材31a、31bを圧力流体源と流体接続させる流体ライン構造F(破線)をさらに備えていてもよい。
【0113】
流体ライン構造Fは、少なくとも一部において、例えばホースライン構造(例えば、ドラッグホースライン構造)として形成されていてもよい。ホースライン構造は、第1及び第2のホースラインFa及びFbをそれぞれ備えていてもよく、各ホースラインは、関連する閉鎖部材31a、31bに対して、例えばその前面で接続されていてもよい。
【0114】
ここで、圧力流体源は、一例として、例えば固定容器として形成された圧縮空気容器Pと、例えば圧縮空気容器Pと閉鎖部材との間の流体ラインFに設置可能なバルブVとを備える。
【0115】
さらに、図8a及び図8bに示唆するように、閉鎖装置31は、例えば制御された方法で、少なくとも1つの閉鎖部材31a、31bによって開口を選択的に閉じるように構成された制御ユニットCをさらに備えていてもよい。
【0116】
この点において、制御ユニットは、例えばバルブVに接続されるとともに、圧力流体源が圧力流体を少なくとも1つの中空体31aに供給することにより、その変形可能部35の変形によって開口を閉じるように、バルブVを制御して開口を閉じるように構成されている。
【0117】
図8aではバルブが閉じている(その結果として、閉鎖装置が開いている)一方、図8bではバルブが開いている(その結果として、閉鎖装置が閉じている)。
【0118】
制御ユニットCは、例えば被覆装置3に割り当てられた構成ジョブが終了及び/若しくは中断となった場合の閉鎖装置31の閉鎖、被覆なし走行及び/若しくは被覆なし走行段階(例えば、前進及び/若しくは追跡走行段階)における少なくとも一時的な被覆装置3の閉鎖装置31の閉鎖、被覆装置3の停止位置における被覆装置の閉鎖装置31の閉鎖、並びに/又は被覆装置の洗浄のための少なくとも一時的な被覆装置3の閉鎖装置31の閉鎖を行うように構成されていてもよい。
【0119】
変形可能部は、例えば各閉鎖部材の上記側方自由部によって構成されていてもよい。
【0120】
このように構成された閉鎖部材は、例えば種々実施形態に係る膨張式封止部材とも称する場合がある。
【0121】
当然のことながら、図示の実施形態の例示的な改良においては、2つの閉鎖部材31a及び31bの代わりに、唯一の閉鎖部材31aのみが設けられていてもよく、閉鎖装置の閉鎖状態において、1つの閉鎖部材31が開口を完全に覆う。さらに、閉鎖装置は、例えば別の選択肢として、1つ又は複数の摺動子/摺動要素を備えていてもよい。
【0122】
図1に示す被覆装置構成体は、被覆装置3及び5それぞれについて別個の閉鎖装置を備えることにより、各被覆装置の開口を独立して選択的に閉鎖可能となり得ることに留意するものとする。
【0123】
被覆装置3が被覆装置5とともに設けられている場合、構成ジョブが最初に終了となった被覆装置は、例えば少なくとも他方の被覆装置の構成ジョブが終了となるまで、関連する閉鎖装置により閉じられていてもよい。
【0124】
図11は、本発明の一実施形態に係る3Dプリンタ100を示しているが、設備フレーム140が見えるように、設備ハウジングは示していない。
【0125】
図11に示すように、上記被覆装置構成体1は、例えば3Dプリンタ100に採用されていてもよい。この背景において、参照番号103は、少なくとも1つの被覆装置3の線形ガイド構造を示している。
【0126】
3Dプリンタ100は、被覆装置構成体1(ここでは、一例として、第1及び第2の被覆装置3、5を備える)のほか、例えば先に適用された構成材料層の所定の部分領域に処理剤を印刷するように構成された印刷ヘッド130を有する印刷装置を備えていてもよい。
【0127】
印刷ヘッド130は、例えば第1の印刷ヘッド線形ガイド構造131に沿って少なくとも1つの被覆装置3、5が変位可能な方向と垂直な方向において、例えば水平に変位可能であってもよい。
【0128】
この点において、印刷ヘッド130は、例えば複数(ここでは、2つ)の構成場を提供するように構成されていてもよい。
【0129】
印刷ヘッド130は、例えば少なくとも1つの被覆装置3、5が変位可能な方向においても同様に変位可能であってもよく、曲折した行路(例えば、U字形状)で1つ又は複数の構成場をすべて横切って走行可能である。この目的のため、印刷ヘッド130は、例えば第2の印刷ヘッド線形ガイド構造132に沿って変位可能であってもよい。
【0130】
印刷装置の代替として、各構成材料層は、例えばレーザを用いて選択的に固化(例えば、焼結)されるようになっていてもよい(いわゆる「選択的レーザ焼結」)。
【0131】
図11に示すように(図12も参照)、3Dプリンタ100は、例えば各構成プラットフォーム112(図12参照)並びに/又は各構成ボックス110及び120(3Dプリンタ内で構成位置にある場合)によって規定された1つ又は複数(ここでは、例えば2つ)の構成領域B1及びB2を備えていてもよい。
【0132】
各構成プラットフォーム112は、例えば関連する持ち上げ駆動部を用いて(ここでは例示的に、設備固定持ち上げ駆動部114を用いて)高さ調整可能であってもよい。
【0133】
図示のように、第1の構成ボックス110は、例えば第1のローラコンベヤ116によって3Dプリンタ内外に変位可能であってもよく、第2の構成ボックス120は、例えば第2のローラコンベヤ126によって3Dプリンタ内外に変位可能であってもよい。
【0134】
図12は、図11の設備ハウジング150の大部分及び組み込み被覆装置供給ユニット160を含む3Dプリンタ100を示している。
【0135】
図12に示すように、3Dプリンタ100は、例えば構成材料を新たに作成するとともに(各)被覆装置に供給可能な3Dプリンタに組み込まれた被覆装置供給ユニット160をさらに備えていてもよい。
【0136】
各粒子状材料を貯蔵するとともに撹拌ユニット(不可視)を有する混合容器に投入供給可能な2つの供給容器を例示している。
【0137】
図12においては、構成プラットフォーム112及びその上に配置された構成材料層のスタックが見えるように、設備ハウジング150及び第1の構成ボックス100の一部を省略している。
【0138】
図12においては、被覆装置3、5が後方に変位しており、印刷ヘッド130が右側前方に位置付けられている。
【0139】
図12は、第1の構成ボックス及び第2の構成ボックスによる第1の構成領域B1及び第2の構成領域B2それぞれの構成の様子をさらに示している。
【0140】
参照番号170は、共通のオペレータステーションを示している。
【0141】
参照番号116及び126はそれぞれ、供給装置(ここでは、一例として、ローラコンベヤの形態)を示しており、これによって、3Dプリンタ内で各構成ボックスをその構成ボックス構成位置に移動させることができる。
【0142】
図13及び図14はそれぞれ、第1及び第2の3Dプリンタ100及び100’を備えた3Dプリンタ構成200を上から見た平面図及び斜視図である。
【0143】
両3Dプリンタとも、例えば図11及び図12を参照して説明した3Dプリンタ100のように構成されていてもよい。
【0144】
図13及び図14に示すように、第1及び第2の3Dプリンタ100、100’は、構成ボックスを導入する導入開口が互いに対向するように、互いに隣接して配置されていてもよい。3Dプリンタ間には、例えば共通の搬送装置220が沿って変位可能なレールシステム210が延びていてもよい。搬送装置220は、第1及び第2の3Dプリンタ100、100’の両者による使用によって、各3Dプリンタに1つ又は複数の構成ボックスを備え付けるようにしてもよい。
【0145】
また、レールシステムに沿って、例えば1つ若しくは複数の構成ボックスが利用可能に保持される構成ボックスストック230、構成ボックスを受容してこれに含まれるコンポーネントを(さらに)固化可能なマイクロ波オーブン240、並びに/又は例えば自動的に、構成ボックスに含まれるコンポーネントを固くない未固化粒子状材料から自由にして「解放」可能な解放ステーション250等、1つ又は複数の任意選択的な構成要素が配置されていてもよい。この背景において、参照番号260は、2つの3Dプリンタの一方を用いた生成的製造プロセスにより製造された解放コンポーネント(ここでは、例えば鋳型及び/又は鋳物用中子)を載置して貯蔵できる任意選択的なコンポーネントストックを示している。
【0146】
図15a〜図15cは、別の実施形態に係る3Dプリンタ用の被覆装置構成体1を示した様々な図である。
【0147】
図示のように、被覆装置構成体1は、粒子状構成材料PMを受容するとともに粒子状構成材料を出力する開口に通じた内部空洞を規定する容器17を有する被覆装置3と、下方配向撫付け面を構成するとともに、撫付け面を用いて開口から出力された構成材料を撫で付けることにより、出力された粒子状材料を平滑化及び/又は圧縮するように構成された少なくとも1つ(ここでは例示的に、2つ)の撫付け部材15a、15bと、(各)撫付け面の傾斜角αを可変設定するように構成された設定装置13とを備えていてもよい。
【0148】
被覆装置構成体1は、ここでは例示的に双方向被覆装置構成体として構成されているが、代替として、単方向被覆装置構成体として構成されていてもよいことが了解されるものとする。
【0149】
図示のように、設定装置13は、例えば(各)撫付け面の傾斜角αを変更可能な駆動部13aを備えていてもよい。ここで、駆動部は例示的に、油圧線形駆動部として構成されている。当然のことながら、別の駆動部も同様に使用可能である。
【0150】
図示のように、設定装置13は、例えば駆動部13aにより生成された移動(ここでは、一例として、被覆装置の旋回移動)を特定の程度に制限することによって、(各)撫付け面の傾斜角αを設定するように構成された少なくとも1つの限界ストッパ13bを有する限界ストッパ構造をさらに備えていてもよい。限界ストッパ13bは、可変調整可能であることにより、撫付け面の傾斜角αが、限界ストッパの調整によって可変調整可能であってもよい。限界ストッパ13bは、例えば電気的に調整可能であってもよい。当然のことながら、駆動部13bは、代替として、例えば当該駆動部自体によって直接、(各)撫付け面の傾斜角αを調整するように構成されていてもよい。
【0151】
図示の実施形態によれば、設定装置は、一例として、被覆装置3を旋回させることによって(各)撫付け部材15aを旋回させるとともに、撫付け面の傾斜角αを設定するように構成された旋回装置として構成されている。当然のことながら、例えば代替として、(各)撫付け部材15aのみの旋回によって、関連する撫付け面の傾斜角(α)を設定するようにしてもよい。
【0152】
図15b及び図15cに示すように、本実施形態に係る被覆装置3は、旋回可能な被覆装置として構成されている。図15aに示すように、被覆装置構成体1は、この目的のため、例えば旋回ピン12によって、例えば被覆装置3が旋回可能に支持された少なくとも1つの軸受ブロック11をさらに備えていてもよい。さらに、図15aに示すように、被覆装置構成体1は、例えば両方向矢印に沿って被覆装置3を軸受ブロック11とともに変位可能な少なくとも1つの線形ガイド構造103をさらに備えていてもよい。さらに、図15aに示すように、被覆装置構成体1は、例えば(ここでは例示的に、構成ボックス110により規定された)構成空間B1を横切って変位可能であってもよい。或いは、当然のことながら、構成空間は、その上方の構成プラットフォーム(のみ)によって規定されていてもよい。
【0153】
図15bに示すように、被覆装置構成体1は、例えば制御された方法で開口を選択的に閉じる任意選択的な閉鎖装置31を備えていてもよい。
【0154】
さらに、図15bに示すように、少なくとも1つの撫付け部材15a、15bは、例えば容器(例えば、下方に突出するとともに開口の下側に延びた部分)により共通して形成されていてもよい。当然のことながら、少なくとも1つの撫付け部材15a、15bは、代替として、別個の部材により形成されていてもよい。
【0155】
さらに、図15aに示すように、被覆装置構成体1は、例えば設定装置13(例えば、駆動部13a及び/又は限界ストッパ13b)に接続された制御ユニットCをさらに備えていてもよい。
【0156】
制御ユニットは、(各)傾斜角αを設定/調整することによって、出力された構成材料を平滑化及び/又は圧縮する(例えば、構成ジョブ中に、傾斜角αを(各)初期値に設定及び/又は再調整する)ように設定装置13を制御するように構成されている。
【0157】
図15aに示唆するように、制御ユニットCには、例えば複数の異なるパラメータ又はパラメータセットP1〜P15が格納されていてもよく、図示のパラメータセットはそれぞれ、使用する粒子状材料の組成、1つ若しくは複数の周囲条件、並びに/又は所望の圧縮度を特徴とする。例えば、パラメータセットP1は、第1の粒子状材料組成を表していてもよく、特定の周囲条件の場合に、第1の所望の圧縮度(例えば、「高」圧縮度)を有する層の適用に用いられるものとする。例えば、パラメータセットP2は、第1の粒子状材料組成を表していてもよく、これによって、特定の周囲条件の場合に、第2の所望の圧縮度(例えば、「低」圧縮度)を有する層が適用される。例えば、パラメータセットP3は、第2の粒子状材料組成を表していてもよく、これによって、特定の周囲条件等の場合に、第1の所望の圧縮度を有する層が適用される。ユーザは、例えば粒子状材料の組成、1つ若しくは複数の周囲条件、並びに/又は所望の圧縮度に関して、オペレータステーションで各値の指示又は各選定を行うようにしてもよく、その際、制御装置Cは、関連するパラメータ又はパラメータセットを選択する。その後、制御ユニットCは、選択したパラメータセットに基づき、粒子状材料の組成、1つ若しくは複数の周囲条件、並びに/又は所望の圧縮度に従って、(各)傾斜角αを初期値に設定するようにしてもよい。
【0158】
さらに、図15aに示唆するように、制御ユニットCには、例えば任意選択として、傾斜センサ(図示せず)によって検出された現在/実際の傾斜角αが供給されていてもよい。この点において、制御ユニットは、(例えば、制御及び/又は調節によって)例えば少なくとも最初に、傾斜センサにより検出された値に基づいて傾斜角αを設定するようにさらに構成されていてもよい。これによって、傾斜角を正確に設定可能であるとともに、例えば摩耗及び断裂並びに/又は温度の変動に起因する設定誤差を制御装置により検出可能である。傾斜角センサは、例えば1つ又は複数の加速度センサを含んでいてもよい。図7においては、一例として、傾斜角センサSαが担体構造に取り付けられている。傾斜角センサSαは、別様の構成及び/又は別の場所(例えば、撫付け部材自体)への載置も可能であることが了解されるものとする。
【0159】
さらに、図15aに示唆するように、制御ユニットCには、例えば任意選択として、密度センサ(図示せず)によって検出された(適用層の密度及び圧縮度それぞれに関する)現在の密度値ρが供給されていてもよい。この点において、制御ユニットは、(例えば、制御及び/又は調節によって)例えば密度センサにより検出された値に基づいて傾斜角αを再調整するようにさらに構成されていてもよい。これにより、例えば擾乱値に起因する圧縮度の変化(例えば、構成材料混合物の粒子サイズの変化)による不良コンポーネントの製造の可能性を回避又は少なくとも検出する制御が可能である。その後、警報の出力、構成ジョブの中断、並びに/又は密度調節若しくは密度制御を行う制御によって、例えば傾斜角の変更により(逸脱している)密度値を設定値に近づけるようにしてもよい。密度センサは、例えば適用層の少なくとも一部の領域を光学的に走査し、これにより、層の密度に関する結論を引き出す1つ又は複数の光学センサを備えていてもよい。図7においては、例えばこのような光学センサSρが被覆装置の担体構造に取り付けられている。当然のことながら、密度センサSαは、別様の構成及び/又は別の場所(例えば、撫付け部材又は軸受ブロック)への載置も可能である。
【0160】
密度センサ及び傾斜角センサは、例えば一体的に設けられていてもよいし、2つのセンサの一方のみが設けられていてもよい。簡単な一実施形態によれば、2つのセンサをともに設けないことも可能である。この場合、各パラメータセットは、例えば駆動パラメータ(例えば、回転駆動部の回転角)のみを含んでいてもよい。
【0161】
また、パラメータセットのうちの1つ又は複数による構成ジョブ中の圧縮度の意図的な変動によって、例えば異なる剛性領域を有するコンポーネントが製造される場合があることに留意するものとする。
【0162】
図15b及び図15cに示すように、被覆装置3は、例えば当該被覆装置の行程及び戻り行程において構成材料を出力するように構成された双方向被覆装置として構成されていてもよく、被覆装置3が、開口の両側それぞれに撫付け部材15a、15bを備えることにより、第1の撫付け部材15aを用いて、行程中(図15c)に開口から出力された粒子状構成材料を撫付け可能であるとともに、第2の撫付け部材15bを用いて、戻り行程中(図15b)に開口から出力された粒子状構成材料を撫付け可能であり、設定装置13が、第1の撫付け部材15aの撫付け面の傾斜角αを設定することにより、行程に関して、出力された粒子状構成材料を平滑化及び/又は圧縮するとともに、第2の撫付け部材15bの撫付け面の傾斜角αを設定することにより、戻り行程に関して、出力された粒子状構成材料を平滑化及び/又は圧縮するように構成されている。
【0163】
この点において、設定装置13は、行程の第1の方向(ここでは、左方)に被覆装置3を旋回させることにより、第1の撫付け部材15aの撫付け面の傾斜角αを設定して、出力された粒子状構成材料を平滑化及び/又は圧縮するとともに、第1の方向と反対の戻り行程の第2の方向(ここでは、右方)に被覆装置3を旋回させることにより、第2の撫付け部材15bの撫付け面の傾斜角αを設定して、出力された粒子状構成材料を平滑化及び/又は圧縮するように、制御ユニットCによって制御される。
【0164】
また、図15b及び図15cに示すように、粒子状構成材料の2つの層を適用する方法には以下が当てはまる。
【0165】
構成場を横切る第1の方向に、粒子状構成材料PMで満たされるとともに粒子状構成材料を出力する開口に通じた内部空洞を有する容器17を具備した被覆装置3を移動させて、第1の走行中に構成材料の第1の層を形成する(図15c参照)。
【0166】
構成場に対向する撫付け面の構成により、撫付け面を用いて出力された粒子状材料を平滑化及び/又は圧縮する第1の撫付け部材15aを用いて、第1の走行中に開口から出力された粒子状構成材料を撫で付ける。
【0167】
構成場を横切る第2の方向に被覆装置3を移動させて(図15b参照)、第2の走行中に構成材料の第2の層を形成する。
【0168】
構成場に対向する撫付け面の構成により、撫付け面を用いて出力された粒子状材料を平滑化及び/又は圧縮する第2の撫付け部材15bを用いて、第2の走行中に開口から出力された粒子状構成材料を撫で付ける。
【0169】
第1の走行の第1の方向に被覆装置3を旋回させることにより、第1の撫付け部材15aの撫付け面の傾斜角αを設定して、出力された粒子状構成材料を平滑化及び/又は圧縮する。
【0170】
第2の走行の第2の方向に被覆装置3を旋回させることにより、第2の撫付け部材15bの撫付け面の傾斜角αを設定して、出力された粒子状構成材料を平滑化及び/又は圧縮する。
【0171】
図16a〜図16dは、種々実施形態に係る被覆装置構成体を示している。
【0172】
図16aに示す被覆装置構成体は、図15aに示す被覆装置構成体と同様に構成されているため、その詳細な説明は行わない。図示のように、本実施形態に係る被覆装置構成体1は、1つ又は複数の撫付け部材15a、15bを備えた「容器被覆装置」3(例えば、「スロット被覆装置」)を備えていてもよい。被覆装置構成体1は、各撫付け面の傾斜角を可変設定するように構成された設定装置13をさらに備える。ここで、設定装置13は、一例として、線形駆動部13a(例えば、油圧線形駆動部)と、少なくとも1つの限界ストッパ13bを有する限界ストッパ構造とを備える。限界ストッパ13bひいては傾斜角は、手動又は電気駆動部によって設定されるようになっていてもよい。
【0173】
図16bは、別の実施形態に係る被覆装置構成体を示している。図示のように、本実施形態に係る被覆装置構成体1は、例えば1つ又は複数の撫付け部材15a、15bを備えた「容器被覆装置」3(例えば、「スロット被覆装置」)を備えていてもよい。被覆装置構成体1は、各撫付け面の傾斜角を可変設定するように構成された設定装置13をさらに備える。ここで、設定装置13は、一例として、トルクを出力する旋回駆動部と、少なくとも1つの限界ストッパ13bを有する限界ストッパ構造とを備える。限界ストッパ13bひいては傾斜角は、手動又は電気駆動部によって設定されるようになっていてもよい。
【0174】
図16cは、別の実施形態に係る被覆装置構成体を示している。図示のように、本実施形態に係る被覆装置構成体1は、例えば1つ又は複数の撫付け部材15a、15bを備えた「容器被覆装置」3(例えば、「スロット被覆装置」)を備えていてもよい。被覆装置構成体1は、各撫付け面の傾斜角を可変設定するように構成された設定装置13をさらに備える。ここで、設定装置13は例示的に、線形駆動部13a(例えば、電気線形駆動部)を備える。なお、本実施形態に係る限界ストッパ構造は不要である。本実施形態によれば、傾斜角は、駆動部13aによって直接設定されるようになっていてもよい。
【0175】
図16dは、別の実施形態に係る被覆装置構成体を示している。図示のように、本実施形態に係る被覆装置構成体1は、例えば1つ又は複数の撫付け部材15a、15bを備えた「容器被覆装置」3(例えば、「スロット被覆装置」)を備えていてもよい。被覆装置構成体1は、各撫付け面の傾斜角を可変設定するように構成された設定装置13をさらに備える。ここで、設定装置13は、一例として、旋回駆動部13a(例えば、電気旋回駆動部)を備える。なお、本実施形態に係る限界ストッパ構造は不要である。本実施形態によれば、傾斜角は、駆動部13aによって直接設定されるようになっていてもよい。
【0176】
図示のように、被覆装置3は、上記実施形態のそれぞれにおいて、例えば旋回可能な被覆装置として設けられていてもよい。この目的のため、被覆装置3は、例えばその前面のうちの少なくとも1つにおいて、例えば旋回ピン12を用いることにより、軸受ブロック11に対して旋回するように取り付けられていてもよい。
【0177】
したがって、設定装置13は、上記4つの実施形態において、被覆装置3を旋回させて少なくとも1つの撫付け部材15aを旋回させるとともに、撫付け面の傾斜角を設定するように構成された旋回装置として設けられていてもよい。
【0178】
上記4つの実施形態それぞれにおいて、被覆装置構成体1は、例えば被覆装置3及び/又は軸受ブロック11が図16図16dの左から右に沿って変位可能な線形ガイド構造(図示せず)を備えていてもよい。
【0179】
上記4つの実施形態それぞれにおいて、被覆装置構成体1は、特許請求の範囲に記載のような制御ユニットをさらに備えていてもよい。
【要約】
3Dプリンタ用の被覆装置構成体1であって、粒子状構成材料を受容するとともに粒子状構成材料を出力する開口に通じた内部空洞を規定する容器17を有する被覆装置3と、下方を向いた撫付け面を構成するとともに、撫付け面を用いて開口から出力された構成材料を撫で付けることにより、出力された粒子状材料を平滑化及び/又は圧縮するように構成された撫付け部材15aとを備えた、被覆装置構成体1が開示される。被覆装置構成体1は、撫付け面15aの傾斜角を可変設定するように構成された設定装置13をさらに備える。
【選択図】 図16
図1
図1a
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8a
図8b
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15a
図15b
図15c
図16a
図16b
図16c
図16d