(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記契約データ検索手段における検索指令の生成は、クライアント端末に表示された検索用の操作案内画面を介して行われ、かつ前記操作案内画面には、前記所属グループ識別情報(ファミリー名)に関する検索用キー入力欄が含まれている、請求項1に記載の保険代理店業務支援装置。
コンピュータを、インターネットを介して保険代理店側のクライアント端末に接続可能なASPサーバを含む保険代理店業務支援装置として機能させるためのコンピュータプログラムであって、
前記ASPサーバには、
前記クライアント端末側の操作を介して所定の登録指令が生成されたとき、前記クライアント端末側の操作を介して生成又は修正され、かつ1もしくは2以上の検索用属性項目を含む、1の保険契約に関する保険契約データを、所定のデータベースに登録する契約データ登録手段と、
前記クライアント端末側の操作を介していずれかの検索用属性項目に関する検索用キーを含む所定の検索指令が生成されたとき、前記検索用キーを使用して前記データベースを検索し、その検索結果を前記クライアント端末の利用者に提示する契約データ検索手段とが含まれており、
前記検索用属性項目には、当該保険契約データが、保険代理店側で任意に設定可能であって、相続の観点から一括して管理したい複数の保険契約をグループ化してなる、1もしくは2以上の保険契約グループのいずれに属するかを示す所属グループ識別情報(ファミリー名)が少なくとも含まれており、
前記契約データ検索手段は、前記所属グループ識別情報(ファミリー名)に関する検索用キーを含む検索指令が生成されたときには、当該検索用キーを使用して前記データベースを検索して当該検索用キーで指定される保険契約グループに属する全ての保険契約データを抽出して、前記クライアント端末の利用者へ提示するように仕組まれている、コンピュータプログラム。
前記契約データ検索手段における検索指令の生成は、クライアント端末に表示された検索用の操作案内画面を介して行われ、かつ前記操作案内画面には、前記所属グループ識別情報(ファミリー名)に関する検索用キー入力欄が含まれている、請求項7に記載のコンピュータプログラム。
ユーザ操作を介して所定の登録指令が生成されたとき、ユーザ操作を介して生成又は修正され、かつ1もしくは2以上の検索用属性項目を含む、1の保険契約に対応する保険契約データを、所定のデータベースに登録する契約データ登録ステップと、
ユーザ操作を介していずれかの検索用属性項目に関する検索用キーを含む所定の検索指令が生成されたとき、前記検索用キーを使用して前記データベースを検索し、その検索結果を前記クライアント端末の利用者に提示する契約データ検索ステップとを含み、
前記検索用属性項目には、当該保険契約データが、保険代理店側で任意に設定可能であって、相続の観点から一括して管理したい複数の保険契約をグループ化してなる、1もしくは2以上の保険契約グループのいずれに属するかを示す所属グループ識別情報(ファミリー名)が少なくとも含まれており、
前記契約データ検索ステップは、前記所属グループ識別情報(ファミリー名)に関する検索用キーを含む検索指令が生成されたときには、当該検索用キーを使用して前記データベースを検索して当該検索用キーで指定される保険契約グループに属する全ての保険契約データを抽出して、利用者へ提示するように仕組まれている、保険代理店業務支援方法。
前記契約データ検索ステップにおける検索指令の生成は、ユーザ端末に表示された検索用の操作案内画面を介して行われ、かつ前記操作案内画面には、前記所属グループ識別情報(ファミリー名)に関する検索用キー入力欄が含まれている、請求項13に記載の保険代理店業務支援方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、生命保険契約に加入する目的は顧客により区々ではあるが、顧客(特に、資産家の顧客)の中には、相続税に関する節税対策を目的として、本人及びその家族を含めて、複数の保険契約に加入するものがあることは、よく知られているところである。
【0009】
このように相続税に関する節税対策を目的として、本人及びその家族を含めて、複数の保険契約に加入する場合、節税効果を確かなものとするためには、予想される相続税節税額と支払保険料総額との関係を常に正確に把握することが必要である。ここにおいて、本出願に係る発明者は、当該節税対策を目的とする一群の保険契約の内容を一覧可能に提示(表示出力、プリント出力、CSV出力等々)することができれば、上記目的の達成に少なからず有効であるとの発想を得た。
【0010】
しかし、従来のこの種の支援装置の検索抽出機能に一般に備えられた普通の検索用属性項目によってしては、資産家の相続に関してしばしば生ずる複雑な人間関係を考慮するとき、登録された全保険契約の中から、節税対策を目的として締結された一群の保険契約だけを的確に検索・抽出して、一覧可能に提示することは、必ずしも、容易ではないとの知見を得た。
【0011】
例えば、資産家たる本人Aに、その配偶者B及び3人の子供C1,C2,C3(そのうち、子供C1は他家に嫁いで改姓)が存在するような場合、本人Aが、自身を被保険者とし、かつ配偶者B及び3人の子供C1,C2,C3をそれぞれ受取人とする複数(少なくとも4つ)の保険(例えば、終身保険)に加入(契約)した上、さらに、配偶者B及び3人の子供C1,C2,C3のそれぞれが、Aから贈与(例えば、無税範囲)された資金を原資として、Aを被保険者とし、かつそれぞれを受取人とする保険(例えば、終身保険)に加入(契約)すると言った事案がしばしば存在する。
【0012】
このような事案にあっては、例えば、本人A、配偶者B、及び3人の子供C1,C2,C3を「家族」として登録の際に互いに紐付けておいて、検索用属性項目の1つである契約者として検索キー(A)の指定を含む検索指令が与えられたとき、上述の紐付け関係を参照することで、本人Aのみならず、配偶者B、及び3人の子供C1,C2,C3の有する保険契約を検索・抽出することにより、5人の契約者(A,B,C1〜C3)のそれぞれを検索キーとする複雑な論理和入力操作を回避することが考えられる。
【0013】
もっとも、離婚率の高まりをみせる昨今の婚姻事情下にあっては、本人Aに対して、前妻の子供D1,D2,D3が存在したり、さらには、長年連れ添った事実婚の女性Eが存在する場合もしばしば存在するが、このような場合には、それらの者(D1,D2,D3,E)を予め「家族」として紐付け登録することは些か倫理上問題がある。
【0014】
加えて、仮に、上述のような紐付け関係に基づいて、契約者A,B,C1〜C3,D1〜D3,E)に関する保険契約が検索・抽出できたとしても、それら複数の保険契約の中には、節税を目的とするもの以外の保険契約も含まれている可能性があるため、そのようにして検索・抽出された一群の保険契約を用いて、予想される相続税節税額と支払保険料総額との関係を正確に把握できるかは、些か、疑問が残る。
【0015】
この発明は、上述の問題点に着目してなされたものであり、その目的とするところは、例えば、相続税の節税を目的として加入(締結)された一群の保険契約のように、一定の目的をもって加入され、かつ複数の契約者に亘る一群の保険契約を、登録された全保険契約の中から、的確に検索・抽出して、一覧可能に提示することが可能な保険代理店業務支援装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上述の技術的課題は、以下の構成を有する保険代理店業務支援装置、同方法、及びコンピュータプログラムにより、解決することができる。
【0017】
すなわち、本発明の保険代理店業務支援装置は、インターネットを介して保険代理店側のクライアント端末と接続可能なASPサーバを含み、
前記ASPサーバには、
前記クライアント端末側の操作を介して所定の登録指令が生成されたとき、前記クライアント端末側の操作を介して生成又は修正され、かつ1もしくは2以上の検索用属性項目を含む、1の保険契約に関する保険契約データを、所定のデータベースに登録する契約データ登録手段と、
前記クライアント端末側の操作を介していずれかの検索用属性項目に関する検索用キーを含む所定の検索指令が生成されたとき、前記検索用キーを使用して前記データベースを検索し、その検索結果を前記クライアント端末の利用者に提示する契約データ検索手段とが含まれており、
前記検索用属性項目には、当該保険契約データが、保険代理店側で任意に設定可能な1もしくは2以上の保険契約グループのいずれに属するかを示す所属グループ識別情報が少なくとも含まれており、
前記契約データ検索手段は、前記所属グループ識別情報に関する検索用キーを含む検索指令が生成されたときには、当該検索用キーを使用して前記データベースを検索して当該検索用キーで指定される保険契約グループに属する全ての保険契約データを抽出して、前記クライアント端末の利用者へ提示するように仕組まれている。
【0018】
このような構成によれば、例えば、相続税節税の目的で締結される一群の保険契約(将来の被相続人のみならず、相続人も契約者と成り得る)のように、一定の目的で締結される一群の保険契約を一纏めに管理するにおいて、契約者個々に着目し、既存の検索用属性項目(契約者氏名、住所、電話番号等々、その契約者の家族)を利用して、それら一群の契約を属性項目の論理和として検索・抽出するのではなく、個々の保険契約に付された所属グループ識別情報を頼りに直接に検索・抽出するようにしたため、一群の保険契約の全てが検索でヒットするように、契約者に関する新たな属性項目(例えば、前妻の子供、事実婚の対象者)を定義したりすることも不要であり、また契約者は同一であっても、別の目的で締結した保険契約まで検索でヒットすると言った虞もなくなる。そのため、一定の目的をもって加入され、かつ複数の契約者に亘る一群の保険契約を、登録された全保険契約の中から、的確に検索・抽出して、一覧可能に提示することが可能となる。
【0019】
本発明装置の好ましい実施の態様においては、前記1の保険契約グルー
プに属する全ての保険契約データのクライアント端末の利用者への提示は、各保険契約データに含まれる所定のデータ項目について一覧可能に表示出力、プリント出力、及び/又は、CSV出力することにより行われる、ものであってもよい。
【0020】
このような構成によれば、1の保険契約グルー
プに属する全ての保険契約データの内容を、クライアント端末の表示スクリーン上で、プリントアウトされた紙面上で、一覧に確認することができるほか、CSV出力されるファイルを公知の表計算ソフトで編集することにより、任意の書式において、保険データの内容を一覧に確認することが可能となる。
【0021】
このとき、前記所定のデータ項目には、少なくとも、保険金額と保険料とが含まれていてもよい。ここで、「少なくとも」とは、必要により、その他の項目も含ませることができることを意味している。その他の項目としては、契約者、被保険者、契約日、保険会社、目的、証券番号、保険種類、保険期間、払込期間、払込方法等を挙げることができる。
【0022】
このような構成によれば、相続税節税の目的で複数の保険契約が締結されるような場合において、提示される保険金額と保険料とに基づいて、保険契約全体の観点から、予想される相続税節税額と支払保険料総額との関係を把握するのに役立てることができる。
【0023】
このとき、所定のデータ項目には、さらに、当該保険契約に係る保険金の受取人が含まれていてもよい。
【0024】
このような構成によれば、例えば、予想される相続税節税額と支払保険料総額とのバランスを保つためのみならず、例えば、家業を継承する長男には家と土地を相続させる一方、次男、長女、次女には、保険を利用して代償交付金を用意するような場合、長男が受取人となる保険の受取総額について、他の子供達の取り分とのバランスを考慮するため、等にも有効に活用することができる。
【0025】
本発明装置の好ましい実施の態様においては、前記契約データ検索手段における検索指令の生成は、クライアント端末に表示された検索用の操作案内画面を介して行われ、かつ前記操作案内画面には、前記所属グループ識別情報に関する検索用キー入力欄が含まれている、ものであってもよい。
【0026】
このような構成によれば、契約データの作成時、編集時、更には、任意の時点において、検索用操作画面において、所属グループ識別情報に関する検索用キー入力欄に、適当なグループ識別用の検索キーを入力するだけで、当該グループに属する全ての契約を一覧に提示させることができる。
【0027】
このとき、前記所属グループ識別情報に関する検索用キー入力欄には、過去に入力されたことがある前記所属グループ識別情報に関する検索用キーを入力キーの候補として案内表示する機能が付加されていてもよい。
【0028】
このような構成によれば、過去に所属グルー
プ識別情報に関するなんらかの検索用キーを入力したことがある場合には、その検索用キーが案内表示されるため、所属グループ識別情報に関する検索キー入力操作が容易となる。
【0029】
別の一面から見た本発明は、コンピュータを、インターネットを介して保険代理店側のクライアント端末に接続可能なASPサーバを含む保険代理店業務支援装置として機能させるためのコンピュータプログラムとして把握することもできる。
前記ASPサーバには、
前記クライアント端末側の操作を介して所定の登録指令が生成されたとき、前記クライアント端末側の操作を介して生成又は修正され、かつ1もしくは2以上の検索用属性項目を含む、1の保険契約に関する保険契約データを、所定のデータベースに登録する契約データ登録手段と、
前記クライアント端末側の操作を介していずれかの検索用属性項目に関する検索用キーを含む所定の検索指令が生成されたとき、前記検索用キーを使用して前記データベースを検索し、その検索結果を前記クライアント端末の利用者に提示する契約データ検索手段とが含まれており、
前記検索用属性項目には、当該保険契約データが、保険代理店側で任意に設定可能な1もしくは2以上の保険契約グループのいずれに属するかを示す所属グループ識別情報が少なくとも含まれており、
前記契約データ検索手段は、前記所属グループ識別情報に関する検索用キーを含む検索指令が生成されたときには、当該検索用キーを使用して前記データベースを検索して当該検索用キーで指定される保険契約グループに属する全ての保険契約データを抽出して、前記クライアント端末の利用者へ提示するように仕組まれている。
【0030】
このようなコンピュータプログラムによれば、上述のコンピュータにインストールすることにより、上述の契約データ登録手段と契約データ検索手段とを備えたASPサーバを含む保険代理店業務支援装置を実現することができる。
【0031】
本発明プログラムの好ましい実施の態様においては、前記1の保険契約グルー
プに属する全ての保険契約データのクライアント端末の利用者への提示は、各保険契約データに含まれる所定のデータ項目について一覧可能に表示出力、プリント出力、及び/又は、CSV出力することにより行われる、ものであってもよい。
【0032】
このとき、前記所定のデータ項目には、少なくとも、保険金額と保険料とが含まれていてもよい。ここで、「少なくとも」とは、必要により、その他の項目も含ませることができることを意味している。その他の項目としては、契約者、被保険者、契約日、保険会社、目的、証券番号、保険種類、保険期間、払込期間、払込方法等を挙げることができる。
【0033】
このとき、所定のデータ項目には、さらに、当該保険契約に係る保険金の受取人が含まれていてもよい。
【0034】
本発明プログラムの好ましい実施の態様においては、前記契約データ検索手段における検索指令の生成は、クライアント端末に表示された検索用の操作案内画面を介して行われ、かつ前記操作案内画面には、前記所属グループ識別情報に関する検索用キー入力欄が含まれていてもよい。
【0035】
このとき、前記所属グループ識別情報に関する検索用キー入力欄には、過去に入力されたことがある前記所属グループ識別情報に関する検索用キーを入力キーの候補として案内表示する機能が付加されていてもよい。
【0036】
別の一面から見た本発明は、保険代理店業務支援方法として把握することもできる。すなわち、この方法は、
ユーザ操作を介して所定の登録指令が生成されたとき、ユーザ操作を介して生成又は修正され、かつ1もしくは2以上の検索用属性項目を含む、1の保険契約に対応する保険契約データを、所定のデータベースに登録する契約データ登録ステップと、
ユーザ操作を介していずれかの検索用属性項目に関する検索用キーを含む所定の検索指令が生成されたとき、前記検索用キーを使用して前記データベースを検索し、その検索結果を前記クライアント端末の利用者に提示する契約データ検索ステップとを含み、
前記検索用属性項目には、当該保険契約データが、保険代理店側で任意に設定可能な1もしくは2以上の保険契約グループのいずれに属するかを示す所属グループ識別情報が含まれており、
前記契約データ検索ステップは、前記所属グループ識別情報に関する検索用キーを含む検索指令が生成されたときには、当該検索用キーを使用して前記データベースを検索して当該検索用キーで指定される保険契約グループに属する全ての保険契約データを抽出して、利用者へ提示するように仕組まれている。
【0037】
このような方法は、インターネットを介して保険代理店側のクライアント端末と接続可能なASPサーバで構成されるを含む保険代理業務支援装置のみならず、スタンドアローンタイプのパソコンで構成される保険代理業務支援装置にも適用可能である。
【0038】
本発明方法の好ましい実施の態様においては、前記1の保険契約グルー
プに属する全ての保険契約データのユーザ端末の利用者への提示は、各保険契約データに含まれる所定のデータ項目について一覧可能に表示出力、プリント出力、及び/又は、CSV出力することにより行われる、ものであってもよい。
【0039】
このとき、前記所定のデータ項目には、少なくとも、保険金額と保険料とが含まれていてもよい。ここで、「少なくとも」とは、必要により、その他の項目も含ませることができることを意味している。その他の項目としては、契約者、被保険者、契約日、保険会社、目的、証券番号、保険種類、保険期間、払込期間、払込方法等を挙げることができる。
【0040】
このとき、所定のデータ項目には、さらに、当該保険契約に係る保険金の受取人が含まれていてもよい。
【0041】
本発明方法の好ましい実施の態様においては、前記契約データ検索手段における検索指令の生成は、クライアント端末に表示された検索用の操作案内画面を介して行われ、かつ前記操作案内画面には、前記所属グループ識別情報に関する検索用キー入力欄が含まれていてもよい。
【0042】
このとき、前記所属グループ識別情報に関する検索用キー入力欄には、過去に入力されたことがある前記所属グループ識別情報に関する検索用キーを入力キーの候補として案内表示する機能が付加されていてもよい。
【発明の効果】
【0043】
本発明によれば、例えば、相続税節税の目的で締結される一群の保険契約(将来の被相続人のみならず、相続人も契約者と成り得る)のように、一定の目的で締結される一群の保険契約を一纏めに管理するにおいて、契約者個々に着目し、既存の検索用属性項目(契約者氏名、住所、電話番号等々、その契約者の家族)を利用して、それら一群の契約を属性項目の論理和として検索・抽出するのではなく、個々の保険契約に付された所属グループ識別情報を頼りに直接に検索・抽出するようにしたため、一群の保険契約の全てが検索でヒットするように、契約者に関する新たな属性項目(例えば、前妻の子供、事実婚の対象者)を定義したりすることも不要であり、また契約者は同一であっても、別の目的で締結した保険契約まで検索でヒットすると言った不都合もなくなる。そのため、一定の目的をもって加入され、かつ複数の契約者に亘る一群の保険契約を、登録された全保険契約の中から、的確に検索・抽出して、一覧可能に提示することができる。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下に、本発明に係る保険代理店業務支援装置の実施の一形態を添付図面(
図1〜
図20)を参照しながら詳細に説明する。
【0046】
<<保険代理店業務支援装置のハードウェア構成>>
本発明が適用されるクライアント・サーバシステムの構成図が、
図1に示されている。同図に示されるように、このクライアント・サーバシステムは、インターネット上の適所(例えば、データセンサ等)に設置される保険代理店業務支援装置1と、各保険代理店側のクライアント端末2との間をインターネット3で結ぶことにより構成されている。
【0047】
図示のクライアント端末2は、デスクトップ型パソコンとして描かれているが、これは単なる一例であって、ノートパソコンやタブレット型パソコンのほか、保険代理店の担当者が持ち運ぶ各種のモバイル型データ処理端末でもよいことは勿論である。
【0048】
保険代理店支援装置1は、ASP(Application Service Provider)サーバ1aとデータベース1bとを含んで構成されている。当業者にはよく知られているように、ASPサーバ1aは、アプリケーションソフトの機能をネットワーク経由で顧客にサービスとして提供する際に使用されるサーバのことであり、通常、利用者はブラウザソフトなどを使用してインターネット等のネットワークを経由し、遠隔地からASPサーバにアクセスすることで、そのサーバ内に格納された各種アプリケーションソフトの機能をサービスの形で利用する。この例では、各種アプリケーションソフトの機能としては、後述するように、保険会社毎の基本情報登録機能、顧客情報登録機能、保険契約情報の登録・変更機能、及び保険契約並びに顧客の検索機能、等々を挙げることができる。
【0049】
データベース1bは、上記の各種の処理に際して利用されるもので、この例にあっては、図示しないが、保険会社毎の基本情報(保険会社の書誌的事項並びに各保険商品の詳細)が登録される保険会社基本情報データベース、各保険代理店毎の顧客情報が登録される顧客情報データベース、締結された保険契約情報が登録される保険契約情報データベースなどが含まれている。
【0050】
<<保険代理店業務支援装置のソフトウェア構成>>
<ASPサーバの処理全体の概略説明>
次に、サーバ(ASPサーバ)側の処理の全体を概略的に示すフローチャートが、
図2に示されている。同図に示されるように、処理が開始されると、まず、受信チェック処理(ステップ10)を実行しながら、ログインの到来を待機する(ステップ11NO)。この状態において、いずれかの保険代理店のクライアント端末2において、所定のIDとパスワードとを用いたログイン操作が行われたことに基づき、ログイン情報が到来すると、サーバー側における該当する情報との照合一致を条件として、ログイン成立が判定される(ステップ11YES)。
【0051】
以後、受信チェック処理(ステップ13)およびログアウト判定処理(ステップ14)を実行しつつ、クライアント端末から送られてくる各指令に対応する処理(ステップ12)が繰り返し実行される。それらの指令としては、顧客情報登録指令、契約情報登録・変更指令、及び契約情報検索指令などを挙げることができる。この状態において、当該クライアント端末において、所定のログアウト操作が行われると、ログアウト成立との判定が行われて(ステップ14YES) 、処理は終了する。
【0052】
<顧客情報登録指令に対応する処理の詳細説明>
−処理の流れ−
各指令に対応する処理(ステップ12)の詳細を示すフローチャートが、
図3に示されている。同図において、処理が開始されると、まず、クライアント端末から到来する指令を解読するための指令種別解読処理(ステップ120)を実行する。
【0053】
ここで、指令の種別が顧客情報登録指令であると判定されると(ステップ121「顧客登録」)、続いて、顧客情報登録処理(ステップ122)が実行される。この顧客情報登録処理(ステップ122)では、当該クライアント端末に対して所定の操作案内情報を送って、当該端末の画像表示器の表示スクリーンに、対応する操作案内画面をブラウザの機能を介して表示することにより、利用者に対し顧客情報の登録を案内するとともに、その状態において、当該クライアント端末から送られてくる顧客情報を、顧客情報データベースに格納する処理等が実行される。その後、処理結果返送処理(ステップ125)の実行により、処理結果(登録完了の確認情報等々)はクライアント端末へと転送され、クライアント端末の表示スクリーンには、処理結果に対応する表示が行われる。
【0054】
−操作案内画面との関係−
(1)顧客情報の登録について
クライアント端末の画像表示器に表示される操作案内画面(顧客登録用)の説明図(その1〜3)が、
図7〜
図9に示されている。それらの図に示されるように、操作案内画面の全体は、右端から左端へ向けてほぼ画面全体を占める主表示領域G1と、左側のほんの僅かな部分を占める副表示領域G2とから構成されている。そして、主表示領域G1は上下にスクロール可能な領域とされるのに対し、副表示領域G2は上下にスクロール不能な領域とされている。
【0055】
特に、図には示さないが、ログイン直後、クライアント端末の表示スクリーンには、所定のメニュー画面が表示され、そのメニュー画面の中で、メニュー項目の1つである「一覧」を選択することにより、
図7に示される顧客情報検索用の操作案内画面が表示される。この時、副表示領域G2には、「個人」、「法人」、「その他」、および「全て」の中の1つを選択する選択ボタン、契約者登録ボタン、顧客検索ボタン、変更開始ボタン、などが表示されている。一方、主表示領域G1には、契約者情報検索タブと契約詳細検索タブとが表示され、画面全体には、契約者情報検索のための一連の検索用属性項目(種別、名前、カナ、生年月日、性別、九星、星座、住所、電話、担当者)が、当初、表示される。
【0056】
この状態において、副表示領
域G2において、選択ボタンで「個人」が選択され、かつ契約者登録ボタンが操作されると、操作案内画面は、
図7に示される状態から
図8に示される状態へと切り替わる。このとき、主表示領域G1には、顧客情報登録用の各項目表示(例えば、宛名印刷、名前、カナ、性別、生年月日、九星、星座、郵便番号、住所、電話、FAX、携帯、メール、通信先郵便番号、通信先住所等々)、並びに、それらの項目に対応する入力欄や選択ボタン等が表示される。なお、図中★が付された項目は、必須入力項目とされている。
【0057】
これらの項目表示に従って該当する項目の情報を入力した後、主表示領域G1において画面を下方へスクロールすると、
図9に示されるように、画面最下段の右脇には、登録ボタンが現れる。この登録ボタンが操作されると、ブラウザが作動して、入力された各項目情報を含む顧客情報登録指令がサーバ側
へと送りこまれ、先に説明したように、顧客情報登録処理(ステップ122)が実行されることにより、クライアント端末から送られてくる各項目情報は顧客情報データベースに格納される。
【0058】
(2)家族登録について
顧客情報登録処理(ステップ122)においては、家族構成員の登録も可能とされている。この例にあっては、世帯主(例えば、父親)を中心として、その配偶者、子供といった、世間一般の意味で言う「家族」の構成員の全体を互いに紐付けて登録することを可能としている。
【0059】
操作案内画面(家族構成員登録用)の説明図(その1、2)が、
図10及び
図11に示されている。特定の顧客について顧客情報の登録を行う際に、同時に、その家族に関する情報も登録したい場合には、同画面において「家族構成/受取人等」タブを操作する。すると、
図10に示される操作案内画面(家族構成員登録用)が表示される。
【0060】
この操作案内画面においては、1番上の段に、家族構成員の一覧表示部が設けられる。この一覧表示部には、家族構成員のそれぞれについて、属性、名前、続柄、生年月日(西暦)、生年月日(和暦)、及び年齢が表示される。そのため、この一覧表示部を見ることで、当該顧客に対して予め登録された家族構成員の内容を確認することができる。
【0061】
一方、家族構成の一覧表示部の下方には、家族構成を新規にまたは追加的に登録するための、登録用操作案内部が設けられる。この登録用操作案内部には、顧客登録の場合と同様にして、家族構成登録用の各項目表示(宛名印刷、名前、カナ、性別、生年月日、九星、星座、郵便番号、住所、電話、FAX、携帯、メール、通信先郵便番号、通信先住所等々
)、並びに、それらの項目に対応する入力欄や選択ボタン等が表示される。それらの入力欄や選択ボタンを利用して各構成員ごとに必要な情報を入力すると、
図11に示されるように、先ほど説明した一覧表示部には、当該顧客に関する家族構成員に関する情報の全体が、一覧表示され、同時に、家族登録テーブルが作成される。
【0062】
家族登録テーブルの構成を概略的に示す説明図が、
図6に示されている。同図に示されるように、例えば4組の家族のそれぞれごとに設けられた4つの家族登録テーブルF1,F2,F3,F4には、各構成員のそれぞれについて、属性、名前、続柄、生年月日(西暦)、生年月日(和暦)が設けられている。このようにして作成された家族登録テーブルは、1の顧客が特定された場合、その家族の構成員を認識するための内部処理で利用される。
【0063】
<契約情報登録変更指令に対応する処理の詳細説明>
−処理の流れ−
図3に戻って、指令の種別が契約情報登録・変更指令であると判定されると(ステップ121「契約情報登録・変更」)、続いて、契約情報登録変更処理(ステップ123)が実行される。この契約情報登録・変更処理(ステップ123)では、当該クライアント端末に対して所定の操作案内情報を送って、当該端末の画像表示器の表示スクリーンに、対応する操作案内画面をブラウザの機能を介して表示することにより、利用者に対し契約情報の登録や変更を案内するとともに、その状態において、当該クライアント端末から送られてくる保険契約データを、契約情報データベースに格納する処理等が実行される。その後、処理結果返送処理(ステップ125)の実行により、処理結果(登録完了の確認情報等々)はクライアント端末へと返送される。
【0064】
−操作案内画面との関係−
(1)契約情報登録・変更について
クライアント端末の画像表示器に表示される操作案内画面(契約情報登録用)の説明図(その1〜3)が、
図12〜
図15に示されている。
図12に示される操作案内画面は、後述する顧客検索処理を実行して、顧客候補である何人かの顧客名(この例では、山本A男、山本C男、高橋B子、山本A子、山本B男)を副表示領域G2に一覧表示させた状態において、その中から該当する顧客名「山本A男」を選択することにより得ることができる。この状態において、さらに、契約一覧タブが選択操作されると、
図12に示される操作案内画面から
図13に示される操作画面への切り替えが行われる。この状態においては、主表示画面G1の最上段には、保険契約一覧表示部が設けられる。一方、その下には、当初、進捗状況登録用の操作案内部が設けられる。この状態において、契約詳細タブが選択操作されると、
図13に示される操作案内画面から
図14に示される操作案内画面への切り替えが行われる。その結果、
図14の操作案内画面に示されるように、主表示領域G1の画面最上段には、顧客名「山本A男」の属する家族全体の保険契約の内容が一覧に表示される一方、その下方には、
図14及び
図15に示されるように、契約情報登録用の操作案内部が設けられる。なお、図において、★印が付されている項目は、後述する検索処理の際の検索用属性項目となるべき必須入力項目を示している。
【0065】
図14に示される操作案内画面によれば、いずれかの顧客名を指定すれば、その顧客の家族全員(被保険者としての)に関する保険契約情報を確認しながら、新たな保険契約の登録を行うことができるので、当該顧客にとって真に必要な保険契約を顧客に対してアドバイスする等、顧客に対するコンサルティングを適切に行うことができる。契約情報登録用の操作案内部に従って、必要な項目を入力した後、画面の最下段に設けられた登録ボタンを操作すれば、ブラウザが作動して、入力された各項目情報を含む契約情報登録指令がサーバ側と送りこまれ、先に説明したように、契約情報登録・変更処理(ステップ123)が実行されることにより、クライアント端末から送られてくる各項目情報は契約情報データベースに格納される。
【0066】
(2)ファミリー名登録について
契約情報登録処理(ステップ123)においては、本発明の要部である「ファミリー名」の登録も可能とされている。ここで、「ファミリー名」について説明すると、ここで言う「ファミリー」とは、以下に述べるように、今まで述べてきた「家族」とは明らかにその概念が異なる。
【0067】
先に述べたように、例えば、資産家たる本人Aに、その配偶者B及び3人の子供C1,C2,C3(そのうち、子供C1は他家に嫁いで改姓)が存在するような場合、本人Aが、自身を被保険者とし、かつ配偶者B及び3人の子供C1,C2,C3をそれぞれ受取人とする複数(少なくとも4つ)の保険(例えば、終身保険)に加入(契約)した上、さらに、配偶者B及び3人の子供C1,C2,C3のそれぞれが、Aから贈与(例えば、無税範囲)された資金を原資として、Aを被保険者とし、かつそれぞれを受取人とする保険(例えば、終身保険)に加入(契約)すると言った事例が、相続税の節税を目的として、しばしば存在する。
【0068】
このような事例にあっては、例えば、本人A、配偶者B、及び3人の子供C1,C2,C3を家族として登録の際に互いに紐付けておいて、検索用属性項目の1つである契約者氏名として検索キー(A)の指定を含む検索指令が与えられたとき、上述の紐付け関係を参照することで、本人Aのみならず、配偶者B、及び3人の子供C1,C2,C3の有する保険契約を検索・抽出することにより、5人の契約者(A,B,C1〜C3)のそれぞれを検索キーとする複雑な論理和入力操作を一応回避することはできる。
【0069】
もっとも、離婚率の高まりをみせる昨今の婚姻事情下にあっては、本人Aに対して、前妻の子供D1,D2,D3が存在したり、さらには、長年連れ添った事実婚の女性Eが存在する場合もしばしば存在し、それらの者も相続税の節税対策を目的とした契約者として登場することもしばしば存在するが、このような場合には、それらの者(D1,D2,D3,E)までをも予め家族として紐付け登録することは些か倫理上から違和感がある。
【0070】
加えて、仮に、上述のような紐付け関係に基づいて、複数の契約者(A,B,C1〜C3,D1〜D3,E)に関する一連の保険契約が検索・抽出できたとしても、それらの保険契約の中には、相続税の節税以外の目的で加入する保険契約も含まれている可能性があるため、そのようにして検索・抽出された一群の保険契約を用いて、予想される相続税節税額と支払保険料総額との関係を正確に把握できるかは、些か、疑問が残される。
【0071】
そこで、本発明にあっては、例えば、上述の複数の契約者(A,B,C1〜C3,D1〜D3,E)に関する一連の保険契約のように、一定の目的(相続税の節税)のために締結されかつ契約者の同一又は異なる複数の保険契約が存在する場合には、それら複数の保険契約を1つのグループとして管理すると共に、個々の保険契約のそれぞれには、その所属するグループの識別情報を付しておき、さらに、そのグループ識別情報を検索キーとして、そのグループに属する一連の保険契約を一括して検索・抽出することを可能としているのである。そして、前述の「ファミリー名」なるものが、上述の「グループ識別情報」に相当するのである。
【0072】
操作案内画面(所属ファミリーメール登録用)の説明図が、
図16に示されている。この操作案内画面は、先に
図12〜14を参照して説明した操作案内画面と同一である。ここで、特に注目すべきは、項目名として「ファミリー名」と表示された入力欄である。今仮に、名前「山本A男」で特定されるところのある契約者にかかる1つの保険契約が存在し、これを登録するに際して、項目名「ファミリー名」と表示された入力欄に、ファミリー名として「山本A男」と入力して、所定の登録処理を行うと、当該1つの保険契約は、ファミリー名「山本A男」で特定される契約グループに所属する保険契約である旨が登録される。
【0073】
ここで、ファミリー名「山本A男」で特定される契約グループには、相続税の節税を目的として締結された一連の保険契約のみが含まれている。これら一連の保険契約としては、例えば、本人(山本A男)を被保険者とし、かつ配偶者(山本A子)、その長女(高橋B子)、長男(山本B男)、及び次男(山本C男)のそれぞれを受取人として、世帯主(山本A男)が契約した一連の保険契約や、山本A男から贈与(免税範囲)を受けた金で、配偶者(山本A子)、その長女(高橋B子)、長男(山本B男)、及び次男(山本C男)のそれぞれが、山本A男を被保険者かつ受取人をそれぞれ自分として、契約した一連の保険契約や、同様にして、前妻の子供D1〜D3が契約する一連の保険契約や、さらには、事実婚の関係にある女性Eが契約する一連の保険等が含まれていてもよい。もちろん、それら一連の保険契約を登録する際には、ファミリー名として「山本A男」が登録されていなければならない。
【0074】
保険契約データを格納するデータベースの構造を概略的に示す説明図が、
図5に示されている。同図に示されるように、このデータベースには、既存の検索用属性項目として、種別、名前、カナ、生年月日、性別、九星、星座、住所、電話、及び担当者が存在することに加え、本発明に関連して、新たな検索用属性項目として、ファミリー名が設けられている。そのため、一連の契約データ1〜nのうちで、ファミリー名(山本A男)で特定される保険契約グループに属するべき契約データのファミリー名欄には、所属グループ識別情報として、「山本A男」が登録されることとなる。
【0075】
なお、以上の例にあっては、相続税の節税を目的として締結された一連の保険契約を1つのグループとして管理する場合を想定したため、被相続人の氏名である「山本A男」をファミリー名として利用したが、これは単なる一例に過ぎない。例えば、ファミリー名として、「山本家相続」、「山本家節税」等々のように、覚えやすい任意の名称を付すことができる。
【0076】
加えて、以上の例によっては、
図16に示されるように、ファミリー名の入力欄に関しては、過去に使用されたファミリー名を記憶しておいて、例えば、プルダウンメニューのように、入力操作を支援する機能が仕組まれている。そのため、ファミリー名の入力欄に例えば「山本」と入力すれば、それに基づき過去に入力されたファミリー名を検索することで、「山本A男」が入力候補として自動的に案内表示される。そのため、被相続人の姓である「山本」さえ記憶しておけば、正しいファミリー名である「山本A男」を容易に入力することが可能となる。
【0077】
<契約情報検索指令に対応する処理の詳細説明>
−処理の流れ−
図3に戻って、指令の種別が契約情報検索指令であると判定されると(ステップ121「契約情報検索」)、続いて、契約情報検索処理(ステップ124)が実行される。この契約情報検索処理(ステップ124)では、当該クライアント端末に対して所定の操作案内情報を送って、当該端末の画像表示器の表示スクリーン上に、対応する操作案内画面をブラウザの機能を介して表示することにより、利用者に対し契約情報の検索操作を案内するとともに、その状態において、当該クライアント端末から送られてくる検索キーを含んだ検索指令に応答して、検索キーに基づいて所定の契約情報データベースを検索することで、該当する契約データを抽出する。その後、処理結果返送処理(ステップ125)の実行により、検索・抽出された保険契約データはクライアント端末へと返送されて、クライアント端末の利用者に提示(表示出力、プリント出力、及び/又はCSV出力)されることとなる。
【0078】
契約情報検索処理の詳細を示すフローチャートが、
図4に示されている。同図において、処理が開始されると、まず、検索指令の内容の判別処理(ステップ1240)が実行され、その後、検索項目(ファミリー)に何らかのキー指定の有無が判定される(ステップ1241)。
【0079】
ここで、検索項目(ファミリー名)にキー指定なしと判定されると(ステップ1241NO)、各検索項目(例えば、「種別」、「名前」、「カナ」、「生年月日」、「性別」、「九星」、「星座」、「住所」、「電話」、「担当者」、等々)ごとのキー指定の内容に従って該当する契約データを検索抽出(絞込抽出)する処理(ステップ1242)が実行される。これにより、検索抽出された保険契約データは、適宜な表示用編集処理(ステップ1245)の実行により、表示用データに編集されて、処理が終了する。
【0080】
これに対して、検索項目(ファミリー名)にキー指定ありと判定されると(ステップ1241YES)、続いて、検索項目(ファミリー名)のキー指定(例えば、「山本A男」)に従って該当する契約データを検索抽出する処理(ステップ1243)が実行される。この処理(ステップ1243)の実行により、先ほど説明した、ファミリー名の付された契約データのすべてが検索抽出される。ここで、先に説明したように、例えば、相続税の節税対策を目的として締結される複数の保険契約には共通のファミリー名(例えば、「山本A男」)が付されているので、この検索抽出処理(ステップ1243)が実行されることによって、目的とする一連の保険契約データのみが検索抽出されるのである。
【0081】
続いて、検索項目(ファミリー名)以外にキー指定の有無が判定される(ステップ1244)。ここで、検索項目(ファミリー名)以外にキー指定なしと判定されると(ステップ1244NO)、検索抽出された保険契約データは、表示用編集処理(ステップ1245)の実行により、表示用データに編集されて、処理が終了する。
【0082】
これに対して、検索項目(ファミリー名)以外にもキー指定有りと判定されると(ステップ1244YES)、ステップ1242に戻って、各検索項目(例えば、「種別」、「名前」、「カナ」、「生年月日」、「性別」、「九星」、「星座」、「住所」、「電話」、「担当者」、等々)ごとのキー指定に従って契約データを検索抽出(絞込抽出)する処理(ステップ1242)が実行される。これにより、検索抽出された保険契約データは、表示用編集処理(ステップ1245)の実行により、表示用データに編集されて、処理が終了する。
【0083】
−操作案内画面との関係−
1)通常検索の場合
操作案内画面(通常検索用)の説明図が、
図17に示されている。同図に示されるように、この操作案内画面の主表示領域G1には、検索用の属性項目表示として、「種別」、「名前」、「カナ」、「生年月日」、「性別」、「九星」、「星座」、「住所」、「電話」、「担当者」が表示されている。そのため、例えば、属性項目表示「名前」の入力欄に「山本A男」と入力したのち、画面右下にある検索ボタンを操作すれば、属性項目「名前」に関する検索キーを「山本A男」として、
図5に示されるデータ構造を有する契約情報データベースがアクセスされて、該当する契約データが検索抽出されるのである。こうして検索抽出された保険契約データは、サーバからクライアント端末へと送り込まれ、しかるのち、クライアント端末において、操作案内画面上の検索結果印刷ボタンまたは検索結果CSV出力ボタンを操作することによって、印刷出力またはCSV出力される。
【0084】
図示を省略するが、こうして印刷出力またはCSV出力される一連の保険契約データは、契約者を「山本A男」とするすべての保険契約データであって、それらを表示項目(「契約者」、「被保険者」、「受取人」、「契約日」、「保険会社」、「目的」、「証券番号」、「保険種類」、「保健機関」、「払込期間」、「払込方法」、「保険金額」、「保険料」)を揃えて一覧に表示するものである。なお、このとき、
図6に示される家族登録テーブルを参照することにより、契約者を「山本A男」とするすべての契約データに加えて、契約者「山本A男」の家族のそれぞれ(例えば、「山本A子(配偶者)」、「高橋B子(長女)」、「佐藤C子(次女)」、「山本B男(長男)」、「山本C男(次男)」)を契約者とする全ての契約データを一覧に表示するようにしてもよい。
【0085】
もっとも、このようにして一覧に表示される一連の契約データは、通常の意味で言う 「家族」の範囲内のものであって、先妻の子供たちを契約者としたり、長年事実婚の関係にある者を契約者とする保険契約にまで及ぶものではないし、またそれらのものを契約者とする契約のすべてが含まれていることから、特定の目的に向けて締結された保険契約データ以外にも、様々な目的の契約データが含まれている。そのため、本発明の解決しようとする課題に貢献するものでは無い。
【0086】
2)ファミリー検索の場合
操作案内画面
(ファミリー検索用)の説明図は、
図18に示されている。同図に示されるように、この操作案内画面の主表示領域G1には、検索用の属性項目として、「種別」、「名前」、「カナ」、「生年月日」、「性別」、「証券番号」、「保険会社」、「保険種類」、「特約名」に加えて、本発明に関連して、新たに、「ファミリー名」が付加的に表示されている。そのため、例えば、属性項目表示「ファミリー名」の入力欄に「山本A男」と入力したのち、画面右下にある検索ボタンを操作すれば、属性項目「ファミリー名」に関する検索キーを「山本A男」として、
図15に示されるデータ構造を有する契約情報データベースがアクセスされて、該当する契約データが検索抽出されるのである。こうして検索抽出された保険契約データは、サーバからクライアント端末へと送り込まれ、しかるのち、クライアント端末において、操作案内画面上の検索結果印刷ボタンまたは検索結果CSV出力ボタンを操作することによって、印刷出力またはCSV出力される。
【0087】
こうして印刷出力される一連の保険契約データは、
図19に示されるように、ファミリー名を「山本A男」とするすべての契約データであって、それらを表示項目(「契約者」、「被保険者」、「受取人」、「ファミリー名」、「契約日」、「保険会社」、「目的」、「証券番号」、「保険種類」、「保健機関」、「払込期間」、「払込方法」、「保険金額」、「保険料」)を揃えて一覧に表示するものである。
【0088】
ここで、先に説明したように、「ファミリー名」とは、例えば、相続税の節税を目的として締結された1群の保険契約のように、一定の目的をもって加入され、かつ複数の契約者に亘る一群の保険契約を指し示すものであるから、一括して管理したい複数の保険契約に関し、共通のファミリー名を付して登録しておきさえすれば、そのファミリー名を頼りとして、一括管理したい複数の保険契約データだけを、的確に、検索抽出して、一覧に表示させることができるのである。
【0089】
しかも、
図19に示されるように、こうして印刷出力される保険の契約内容一覧表は、一連の保険契約に関する「保証金額」や「保険料」といった保険収支を司る重要な金額データを含んでいるため、これに基づいて、保険代理店の担当者は、予想される相続税節税額と支払保険料総額との関係を正確に把握して、顧客に対して、適切なコンサルティングを行うことが可能となる。
【0090】
さらに、こうしてCSV出力される検索結果ファイルは、そのまま、各種の表計算ソフトに適用して、任意の書式に変換することが可能であるから、例えば、
図20に示されるように、契約者毎の月払い小計、年払い小計、さらには一時払い小計欄を設けたり、全契約者に関する月払い合計や年払い合計、さらには、一時払い合計欄を設けることにより、保険代理店の担当者は、予想される相続税節税額と支払保険料総額との関係をより正確に把握して、顧客に対して、より一層適切なコンサルティングを行うことが可能となる。
【0091】
図19及び
図20に示される保険契約一覧表について、より詳細に説明すると、この一覧表には、1)本人(山本A男)が、自身を被保険者かつ長男(山本B男)を受取人として加入した3件の保険契約、2)妻(山本A子)が、自身を被保険者かつ長男(山本B男)を受取人として加入した6件の保険契約、3)他家に嫁した長女(高橋B子)が、父(山本A男)を被保険者かつ自身を受取人として加入した1件の保険契約、4)他家に嫁した次女(佐藤C子)が、父(山本A男)を被保険者かつ自身を受取人として加入した1件の保険契約、5)次男(山本C男)が、父(山本A男)を被保険者かつ自身を受取人として加入した1件の保険契約、6)長男(山本B男)が、父(山本A男)を被保険者かつ自身を受取人として加入した1件の保険契約が含まれている。このように、契約者、被保険者、受取人の異なる複数の保険契約を一括して検索抽出して一覧に表示できるのである。
【0092】
なお、
図19及び
図20の例では、一括管理される範囲をいわゆる「家族の構成員」としているが、その他、繰り返し述べてきたように、特別な関係者(例えば、前妻の子供、事実婚にある者、その他資産家たる本人が長年お世話になった方々等々)に拡げてもよいことは勿論である。
【0093】
そのため、このような一覧表によれば、予想される相続税節税額と支払保険料総額とのバランスを保つためのみならず、例えば、家業を継承する長男には家と土地を相続させる一方、次男、長女、次女には、保険を利用して代償交付金を用意するような場合、長男が受取人となる保険の受取総額について、他の子供達の取り分とのバランスを考慮するため、等にも有効に活用することができる。
【0094】
このように、本発明によれば、例えば、相続税節税の目的で締結される一群の保険契約(将来の被相続人のみならず、相続人も契約者と成り得る)のように、一定の目的で締結される一群の保険契約を一纏めに管理するにおいて、契約者個々に着目し、既存の検索用属性項目(契約者氏名、住所、電話番号等々、その契約者の家族)を利用して、それら一群の契約を属性項目の論理和として検索・抽出するのではなく、個々の保険契約に付された所属グループ識別情報を頼りに直接に検索・抽出するようにしたため、一群の保険契約の全てが検索でヒットするように、契約者に関する新たな属性項目(例えば、前妻の子供、事実婚の対象者)を定義したりすることも不要であり、また契約者は同一であっても、別の目的で締結した保険契約まで検索でヒットすると言った虞もなくなる。そのため、一定の目的をもって加入され、かつ複数の契約者に亘る一群の保険契約を、登録された全保険契約の中から、的確に検索・抽出して、一覧可能に提示することが可能となる。
【0095】
なお、以上の説明では、本発明にかかるアルゴリズムをASPサーバからなる保険代理店業務支援装置に適用したが、同アルゴリズムは方法の形態により、パソコンに専用ソフトを組み込んでなるスタンドアロン方式の保険代理店業務支援装置にも適用できることは勿論である。