(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記電圧が前記第2電圧値に達した状態において、充電電流が予め定められた第1電流値以下となるまで前記第2電圧値で前記二次電池の充電を行う工程と、をさらに含むことを特徴とする請求項15〜18のいずれか一項に記載の充電方法。
前記温度は、前記二次電池のいずれかの部分の温度、前記二次電池が置かれた環境の温度、及び前記二次電池を充電する充電装置が置かれた環境の温度のうちの少なくとも1つの温度である、ことを特徴とする請求項15〜22いずれか一に記載の充電方法。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下の説明において、図面参照符号は発明の理解のために付記しているものであり、図示の態様に限定することを意図するものではない。各実施形態において、同じ要素には同じ符号を付してある。
【0019】
第1実施形態に係る充電装置について説明する。
図1に、第1実施形態に係る充電装置の一例を示す概略ブロック図を示す。
【0020】
充電装置100は二次電池を充電するための回路である。二次電池としては、例えば、リチウムイオン電池を使用することができる。リチウムイオン電池には、種々の形態の電池を適用することができる。正極材料としては、例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO
2)を用いたコバルト系正極、マンガン酸リチウム(LiMn
2O
4)を用いたマンガン系正極、ニッケル酸リチウム(LiNiO
2)を用いたニッケル系正極等を使用することができる。負極材料、電解質材料及びセパレータ材料は限定されない。負極材料としては、例えば、黒鉛を使用することができる。二次電池は、単セルでもよいし、所定の電圧が得られるように複数のセルを直列に接続した少なくとも1つの電池パックであってもよい。二次電池が複数の電池パックを有する場合、複数の電池パックは、並列的に接続してもよいし、直列的に接続してもよい。充電装置100を適用する二次電池は、リチウムイオン電池に限定されることはない。例えば、充電装置100は、水素吸蔵合金を使用するニッケル水素電池に適用してもよい。以下の各実施形態においては、リチウムイオン電池の充電を例にして説明する。
【0021】
充電装置100は、二次電池の充電を制御する充電制御部101を備える。
【0022】
第1実施形態に係る充電装置の動作、二次電池の充電方法、並びに充電装置を動作させるプログラム及び充電方法を制御するプログラムについて説明する。
図2に、第1実施形態に係る充電装置の動作、二次電池の充電方法、並びに充電装置を動作させるプログラム及び充電方法を制御するプログラムを説明するためのフローチャートを示す。
【0023】
充電制御部101は、第1電流値で二次電池を充電する(S101;第1定電流充電ステップ)。二次電池の電圧が、予め定められた第1電圧値に達したことを検出したことに応じて、充電制御部101は、第1電流値よりも低い第2電流値での充電に切り替える(S103;第2定電流充電ステップ)。二次電池の電圧が第2電圧値に達したことを検出したことに応じて、充電制御部101は充電を停止する(S104,S105)。
【0024】
第1電流値及び第2電流値は、第1電流値を前記第2電流値で除した値(「電流比」と表記する)が1.2以上となるように設定すると好ましい。また、電流比は6.5以下に設定すると好ましい。第1電流値を高くしすぎると、危険物質が析出する危険性が高くなるからである。特に低温環境下で充電する場合には、その危険性はより高くなる。また、第2電流値を低くしすぎると、充電時間が長くなるからである。さらに、第1定電流充電ステップにおける第1電流値が高くなるほど、第1定電流充電ステップから第2定電流充電ステップへと切り替えたときに生じる、内部抵抗による電圧降下も大きくなってしまう。この電圧降下相当分は第2定電流充電ステップで補うことになる。しかし、電圧降下の量が大きくなると、それだけ第2定電流充電ステップの充電時間も長くなってしまう。したがって、第1電流値を前記第2電流値で除した値は上記範囲に設定すると好ましい。電流比は、1.5以上であるとより好ましく、2.3以上であるとより好ましく、2.7以上であるとさらに好ましい。電流比は、5.9以下であるとより好ましく、5.4以下であるとより好ましく、3.5以下であるとさらに好ましい。電流比は充電レート(例えば、国際標準会議(IEC;International Electrotechnical Commission)61434に定義されるもの;It)から算出することもできる。
【0025】
第1電流値は、充電電流に対応させた充電レートに換算した場合、0.1It以上であるような電流値であると好ましい。充電時間を短くするためである。第1電流値は、より好ましくは0.2It以上、さらに好ましくは0.25It以上となるような電流値であると好ましい。また、第1電流値は、充電レートが0.6It以下であるような電流値であると好ましい。電圧降下量を小さくするためである。第1電流値は、充電レートがより好ましくは0.5以下、さらに好ましくは0.4以下となるような電流値であるとより好ましい。
【0026】
第2電流値は、充電レートが0.18It以下となるような電流値であると好ましい。低温環境下、例えば0℃以下の温度範囲に対応する環境下において、二次電池の電圧が高い場合に、充電電流を高くすると危険物質析出の危険性が高くなるからである。第2電流値は、充電レートがより好ましくは0.15It以下、さらに好ましくは0.1It以下となるような電流値であるとより好ましい。第2電流値は、充電レートが0.04It以上となるような電流値であると好ましい。第2電流値の充電レートを低く設定しすぎると、充電時間が長くなってしまうからである。第2電流値は、充電レートがより好ましくは0.05It以上、さらに好ましくは0.06It以上となるような電流値であるとより好ましい。
【0027】
二次電池がリチウムイオン電池である場合、第1電圧値は4.05V以下に設定すると好ましい。低温環境下(例えば0℃未満)において、高充電電流で4.05Vを超える電圧まで充電すると危険物質が析出する危険性が高くなるからである。第1電圧値は、4.04V以下であるとより好ましく、4.03V以下であるとさらに好ましい。また、第1電圧値は3.80V以上に設定すると好ましい。第1電圧値を低く設定しすぎると、充電時間が長くなってしまうからである。第1電圧値は、3.85V以上であるとより好ましく、3.90V以上であるとさらに好ましい。
【0028】
二次電池がリチウムイオン電池である場合、第2電圧値は4.2V以下に設定すると好ましい。低温環境下(例えば0℃未満)において、定格電圧まで充電すると危険物質が析出する危険性が高くなるからである。第2電圧値は、4.15V以下であるとより好ましく、4.1V以下であるとさらに好ましい。
【0029】
第1実施形態においては、定電流充電ステップを少なくとも2段階に分けている。2段階目の第2定電流充電ステップにおける電流値は、1段階目の第1定電流充電ステップにおける電流値よりも低くしている。第1定電流充電ステップにおいては高い電流値を選択することにより、充電時間を短縮することができる。上記説明においては、2段階の例を挙げたが、3段階以上であってもよい。
【0030】
また、第1電流値を高くしすぎないこと、及び第1電流値では危険物質の析出の危険性が高くなる二次電池の電圧となる前に、第1電流値よりも低い第2電流値での第2定電流充電に切り替えることにより、危険物質が析出する危険性を低下させることができる。これにより、寒冷地での冬季夜間における充電であっても、1段階の定電流充電に比べて、安全性及び高速性の両方を高めることができる。
【0031】
次に、第2実施形態に係る充電装置の動作、二次電池の充電方法、並びに充電装置を動作させるプログラム及び充電方法を制御するプログラムについて説明する。
図3に、第2実施形態に係る充電装置の動作、二次電池の充電方法、並びに充電装置を動作させるプログラム及び充電方法を制御するプログラムを説明するためのフローチャートを示す。第2実施形態においては、第1実施形態に、定電圧充電ステップを追加してある。
【0032】
S201〜S204までは、第1実施形態のS101〜S104と同様である。
【0033】
二次電池の電圧が、第2電圧値に達したことの検出に応じて、充電制御部101は、第2電圧値で充電を行う(S205;定電圧充電ステップ)。充電電流が予め定められた電流値に達したことの検出に応じて、充電制御部101は、充電を停止する(S206、S207)。
【0034】
第2実施形態によれば、電池容量をより高めることができる。
【0035】
第2実施形態の上記以外の形態は、第1実施形態と同様である。
【0036】
次に、第3実施形態に係る充電装置の動作、二次電池の充電方法、並びに充電装置を動作させるプログラム及び充電方法を制御するプログラムについて説明する。
図4に、第3実施形態に係る充電装置の動作、二次電池の充電方法、並びに充電装置を動作させるプログラム及び充電方法を制御するプログラムを説明するためのフローチャートを示す。第1及び第2実施形態においては、第1定電流充電ステップから第2定電流充電ステップへの切替は、二次電池の電圧が所定の電圧値に達したかどうかによって判断した。第3実施形態においては、第1定電流充電ステップから第2定電流充電ステップへの切替は、二次電池の電池容量が所定値に達したかどうかによって判断する。
【0037】
S301は、第1実施形態のS101と同様である。
【0038】
二次電池の電池容量が、予め定められた第1容量値に達したことを検出したことに応じて、充電制御部101は、第1電流値よりも低い第2電流値での充電に切り替える(S303;第2定電流充電ステップ)。
【0039】
S303〜S307は、第2実施形態におけるS203〜S207と同様である。
【0040】
第1電流値及び第2電流値は第1実施形態と同様に設定することができる。
【0041】
第1容量値は20%以上であると好ましい。第1容量値が20%未満であると、第2定電流充電ステップに長時間を要することになってしまう。また、第1容量値は、67%以下であると好ましい。第1容量値が67%より大きい場合には、低温環境下においては危険物質が析出する危険性が高くなってしまう。よって、第1容量値を上記範囲に設定することにより、総充電時間を短くすることができると共に、安全性を確保することができる。第1容量値は、26%以上であるとより好ましく、40%以上であるとより好ましく、48%以上であるとさらに好ましい。また、第1容量値は、64%以下であるとより好ましく、61%以下であるとさらに好ましい。
【0042】
第3実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0043】
第3実施形態は、第2実施形態を基に説明したが、第3実施形態は第1実施形態にも適用することができる。この場合、
図4のS305及び306を省略することができる。
【0044】
第3実施形態の上記以外の形態は、第1及び第2実施形態と同様である。
【0045】
次に、第4実施形態に係る充電装置について説明する。
図5に、第4実施形態に係る充電装置の一例を示す概略ブロック図を示す。第4実施形態に係る充電装置200は、第1実施形態に係る充電装置のより好ましい形態である。
【0046】
充電装置200は、第1実施形態における充電制御部101に加えて、二次電池に関連する電池関連温度を検知する温度検知部102と、充電用電源と二次電池との接続の有無を検知する接続検知部103と、二次電池の電圧を検知する電圧検知部104と、をさらに備える。また、充電装置200は、二次電池の充電制御に関連する電圧を設定する電圧設定部106と、温度検知部102が検知した温度の温度範囲を判定する温度範囲判定部105と、設定された電圧値と二次電池の電圧との大小を比較する電圧比較部107と、各種データを記憶する記憶部108と、をさらに備える。記憶部108は、例えば、温度範囲に対応する上限電圧値、充電時の温度範囲、定電流充電における充電電流値、定電圧充電における電圧値、定電圧充電における充電終了電流値、充電開始電圧値等を記憶する。なお、充電装置200は、上記のすべての部を備えなくてもよい。
【0047】
接続検知部103は、検知した接続情報を少なくとも温度検知部102及び電圧検知部104に出力するように構成することができる。温度検知部102は、接続検知部103からの接続情報に基づいて、電池関連温度を検知するように構成することができる。温度検知部102は、検知した温度情報を温度範囲判定部105、充電制御部101及び電圧設定部106のうち少なくとも1つに出力するように構成することができる。電圧検知部104は、接続検知部103からの接続情報に基づいて、二次電池の電圧を検知するように構成することができる。電圧検知部104は、検知した電圧情報を少なくとも電圧比較部107に出力するように構成することができる。温度範囲判定部105は、温度検知部102からの温度情報に基づいて、電池関連温度の温度範囲を判定するように構成することができる。温度範囲判定部105は、判定した温度範囲情報を少なくとも充電制御部101及び電圧設定部106のうち少なくとも1つに出力するように構成することができる。電圧設定部106は、温度範囲判定部105からの温度範囲情報に基づいて、二次電池の電圧の上限値を設定するように構成することができる。電圧設定部106は、設定した上限値情報を少なくとも充電制御部101に出力するように構成することができる。電圧比較部107は、電圧検知部104からの電圧情報に基づいて、設定値と電圧値とを比較するように構成することができる。電圧比較部107は、比較結果情報を少なくとも充電制御部101に出力するように構成することができる。充電制御部101は、上記各部からの少なくとも1つの情報に基づいて、充電方式を決定し、二次電池の充電を制御するように構成することができる。
【0048】
温度検知部102が検知する温度は、二次電池のいずれかの部分の温度であると好ましい。リチウムイオン電池の充電時において、二次電池の温度はリチウム等の危険物質の析出に影響するからである。二次電池の温度を検知する場合、例えば、セルの温度、セル間の温度、セル間を接続する導体の温度等を検知することができる。また、温度検知部102が検知する温度は、二次電池自体の温度に限定されず、二次電池、充電装置又は後述の蓄電システムが置かれた環境の温度であってもよい。これらの環境温度は、二次電池の温度に大きく影響するからである。二次電池、充電装置又は蓄電システムが設置される環境温度としては、例えば、二次電池が自動車に搭載されている場合、当該自動車が置かれている屋外や車庫内の気温が挙げられる。また、二次電池が携帯機器に搭載されている場合、例えば、二次電池や携帯機器が曝されている気温が挙げられる。温度検知部102は、複数箇所の温度を検知してもよい。以下、温度検知部が検知する温度を「電池関連温度」と表記する。
【0049】
以下の各実施形態においては、安全性を確保するため、リチウム等の危険物質が析出する危険性に応じて、電池関連温度が属する温度範囲を2以上の領域に区分している。第1〜第6実施形態においては、温度範囲を第1温度範囲と第2温度範囲の2つに区分している。第1温度範囲と第2温度範囲とは隣接するように設定すると好ましい。温度範囲の境界は任意に設定することができる。例えば、第1温度範囲と第2温度範囲との境界は、第1温度範囲において、第2温度範囲と同じ条件で充電するとリチウム等の危険物質が析出する危険性が高くなることを避けるように設定することができる。そして、充電時の二次電池の上限値は、第1温度範囲と第2温度範囲とで別個の電圧値に設定すると好ましい。ここでは、第1温度範囲における充電時の二次電池の上限値を第1電圧値と表記し、第2温度範囲における充電時の二次電池の上限値を第2電圧値と表記する。例えば、第1温度範囲は、電池関連温度が−10℃未満の領域、好ましくは0℃未満の領域を含むように設定することができる。また、第2温度範囲は、10℃以上の領域、好ましくは0℃以上の領域を含むように設定することができる。この場合、例えば、第1電圧値は4.1V以上4.15V未満の範囲内に設定することができる。また、第2電圧値は4.15V以上4.2V以下の範囲に設定することができる。
【0050】
次に、第4実施形態に係る充電装置の動作、二次電池の充電方法、並びに充電装置を動作させるないし充電方法を制御するプログラムについて説明する。
図6に、第4実施形態に係る充電装置の動作、二次電池の充電方法、並びに充電装置を動作させるないし充電方法を制御するプログラムを説明するためのフローチャートを示す。ここでは、第2実施形態を基礎とした第4実施形態に係る充電装置の動作及び充電方法について説明するが、第1実施形態及び第3実施形態にも第4実施形態を適用することもできる。
【0051】
まず、接続検知部103は、二次電池と充電用電源とが電気的に接続されたかを検知する(S401)。例えば、電気自動車に搭載された二次電池である場合には、接続検知部103は、車載充電器と充電用電源とが接続されたかを検知する。携帯機器に搭載された二次電池である場合には、接続検知部103は、電源に接続された充電器と携帯機器とが接続されたかを検知する。接続検知部103は、少なくとも温度検知部102及び電圧検知部104に、充電用電源との接続情報を出力する。接続検知部103は、接続情報を他の部に出力してもよい。
【0052】
次に、接続検知部103からの接続情報に応答して、温度検知部102は、少なくとも、接続が確認された以後の電池関連温度を検知する(S402)。温度検知部102は、充電制御部101、温度範囲判定部105及び電圧設定部106のうち少なくとも1つに温度情報を出力する。なお、温度検知部102は、二次電池と充電用電源との接続前に、温度を検知してもよい。温度検知部102は、充電中及び充電停止中にかかわらず、電池関連温度を時間的に離間して間隔をもった検知を継続してもよい。
図6において、S402以降の温度検知は図示していない。
【0053】
次に、温度検知部102からの温度情報に応答して、温度範囲判定部105は、記憶部108を参照し、電池関連温度がどの温度範囲に属するかを判定する(S403)。温度範囲判定部105は、瞬間的な温度で温度範囲を判定してもよいし、一定期間の温度や平均温度を基に温度範囲を判定してもよい。例えば、温度範囲判定部105は、1つの温度情報を基に温度範囲を判定してもよいし、所定期間の複数の温度情報を基に温度範囲を判定してもよい。記憶部108は、予め、温度と温度範囲の対応関係について記憶してある。温度範囲判定部105は、判定した温度範囲情報を電圧設定部106に出力する。
【0054】
次に、温度範囲判定部105からの温度範囲情報に応答して、電圧設定部106は、記憶部108を参照し、二次電池の電圧の上限値を温度範囲に対応した電圧値に設定する。記憶部108は、予め、温度範囲と上限電圧の対応関係について記憶してある。電圧設定部106は、検知温度が第1温度範囲に属する場合、上限電圧を第2電圧値に設定する(S404)。検知温度が第2温度範囲に属する場合、上限電圧を第3電圧値に設定する(S415)。記憶部108は、設定した上限電圧値を記憶する。電圧設定部106は、設定した上限値情報を電圧比較部107及び充電制御部101に出力する。
【0055】
次に、電圧検知部104は、接続検知部103からの接続情報に応答して、二次電池の電圧値を検知する。電圧検知部104は、充電用電源との接続以後の電池電圧を時間的に離間して間隔をもって検知すると好ましい。電圧検知部104は、検知した二次電圧の電圧値情報を電圧比較部107に出力する。
【0056】
次に、電圧検知部104からの電圧値情報に応答して、電圧比較部107は、電池電圧値と、設定された上限値とを比較する(S405,S416)。電圧比較部107は、比較結果情報を充電制御部101に出力する。
【0057】
電圧比較部107からの比較結果情報に応答して、電池電圧値が上限値より低い場合、充電制御部101は二次電池の充電を開始する。電池関連温度が第1温度範囲に属する状態において、充電制御部101は、第1電流値で充電する(S406)。電池関連温度が第2温度範囲に属する状態において、充電制御部101は、第3電流値で充電する(S417)。第3電流値は、危険物質が析出しない範囲で、適宜好適な数値を選択することができる。例えば、第3電流値は、充電時間を短縮するため、第1電流値より高く設定することができる。
【0058】
充電制御部101は、温度検知部102からの温度情報又は温度範囲判定部105からの温度範囲情報に応答して、予め定められた第1電圧値又は第3電圧値を電池電圧の上限値として二次電池の充電を行ってもよい。
【0059】
ここでは、充電を開始する電圧値と充電時の電圧上限値とを同じ値に設定してある例について説明した。しかし、充電開始電圧値は、上限値とは別個の電圧値に設定することもできる。例えば、充電開始電圧値を第2電圧値又は第3電圧値よりも低い電圧値に設定して、記憶部108はこの充電開始電圧値を記憶する。この場合、電圧比較部107は、電池電圧値と当該充電開始電圧値とを比較する。そして、充電制御部101は、電池電圧値が当該充電開始電圧値未満である場合に充電を開始する。電池電圧値が第1電圧値又は第3電圧値未満であっても、充電開始電圧値以上である場合には充電制御部101は充電を開始しない。
【0060】
なお、電圧検知ステップ及び電圧比較ステップは、温度検知ステップの前に実施してもよい。
【0061】
電池関連温度が第1温度範囲に属する状態において、S406〜S412は、第2実施形態におけるS201〜S207と同様である。
【0062】
電池関連温度が第2温度範囲に属する状態において、S418〜S420は、上限電圧値及び充電電流値が異なる以外は、S409〜S412と同様である。
【0063】
電池関連温度が第1温度範囲に属する状態において、電池電圧値が第1電圧値以上である場合、充電制御部101は、比較結果情報に応答して、第2電流値で二次電池の充電を開始する(S413,S414)。以後は、S409〜S412と同様である。
【0064】
第4実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、電池関連温度の状況に応じて、電池容量をより高めることができる。
【0065】
第4実施形態の上記以外の形態は、第1〜第3実施形態と同様である。
【0066】
次に、第5実施形態に係る充電装置について説明する。
図7に、第5実施形態に係る充電装置の一例を示す概略ブロック図を示す。第5実施形態に係る充電装置300は、第1実施形態に係る充電装置のより好ましい形態である。
【0067】
充電装置300は、第4実施形態における構成に加えて、二次電池の電池容量を算出する電池容量算出部109と、二次電池の電池容量値と予め設定された第1容量値とを比較する電池容量比較部110と、をさらに備える。充電制御部101は、充電制御情報を電池容量算出部109に出力するように構成することができる。充電制御情報としては、例えば、充電電流値及び充電時間が挙げられる。電圧検知部104は、電圧情報を電池容量算出部109に出力するように構成することができる。電池容量算出部109は、充電制御部101からの充電制御情報及び電圧検知部104からの電圧情報に基づいて、二次電池の電池容量を算出するように構成することができる。電池容量算出部109は、電池容量比較部110に電池容量情報を出力するように構成することができる。電池容量比較部110は、電池容量算出部109からの電池容量情報に基づいて、予め定められた二次電池の電池容量規格値と二次電池の電池容量とを比較するように構成することができる。電池容量比較部110は、比較結果情報を充電制御部101に出力するように構成することができる。電池容量比較部110は、比較結果情報を電圧比較部107に出力するように構成することができる。充電制御部101は、電池容量比較部110からの比較結果情報に基づいて二次電池を充電するように構成することができる。
【0068】
次に、第5実施形態に係る充電装置の動作、二次電池の充電方法、並びに充電装置を動作させるないし充電方法を制御するプログラムについて説明する。
図8に、第5実施形態に係る充電装置の動作、二次電池の充電方法、並びに充電装置を動作させるないし充電方法を制御するプログラムを説明するためのフローチャートを示す。ここでは、第3及び第4実施形態を基礎とした第5実施形態に係る充電装置の動作及び充電方法について説明する。
【0069】
S501〜S504及びS513〜S520は第4実施形態におけるS401〜S404及びS413〜S420と同様である。
【0070】
電池関連温度が第1温度範囲に属する状態において、充電制御部101は、電池容量比較部110からの比較結果情報に応答して、二次電池の充電を開始する。二次電池の容量が、予め定められた第1容量値未満である場合には、充電制御部101は、第1電流値で充電を開始する(S505,S506)。次に、二次電池の電池容量が第1容量値に達した場合、電池容量比較部110からの比較結果情報に応答して、充電電流を第1電流値から第2電流値に切り替える(S507,S508)。S508〜S512は、第4実施形態におけるS408〜S412と同様である。
【0071】
なお、電池容量算出部109による電池容量の算出は温度範囲判定部105による温度範囲判定の前後について限定されない。
【0072】
電池関連温度が第1温度範囲に属する状態において、二次電池の容量が、第1容量値以上である場合には、電圧比較部107は、電池容量比較部110からの比較結果情報に応答して、二次電池の電圧値と第2電圧値とを比較する。S513、S514及びS512は、第4実施形態におけるS413、S414及びS412と同様である。
【0073】
第5実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、電池関連温度の状況に応じて、電池容量をより高めることができる。
【0074】
第5実施形態の上記以外の形態は、第1〜第4実施形態と同様である。
【0075】
第6実施形態に係る蓄電システムについて説明する。
図9は、第6実施形態に係る蓄電システムの一例を示す概略図である。
【0076】
蓄電システム400は、少なくとも1つのセルを有する二次電池401と、二次電池401に接続された上記実施形態に係る充電装置100,200,300のうちの少なくとも1つと、を備える。充電装置100,200,300には充電用電源が着脱可能に接続される。充電装置100,200,300は、二次電池401の充電を行う。
【0077】
蓄電システム400による充電方法は、上述の充電方法と同様である。
【0078】
第6実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0079】
次に、第7実施形態に係る蓄電システムについて説明する。
図10は、第7実施形態に係る蓄電システムの一例を示す概略図である。
【0080】
蓄電システム500は、第6実施形態に係る蓄電システムに加えて、充電装置100,200,300に接続された温度センサ402と、を備える。温度センサ402は、上述の電池関連温度を検知するセンサである。温度センサ402は、例えば、セル表面、セル間、セルに接続された導体のうち少なくとも1つの温度を検知するように設置することができる。また、温度センサ402は、例えば、二次電池401、充電装置100,200又は蓄電システム300が置かれた環境の温度を検知するように設置してもよい。温度センサ402は、複数の箇所の温度を検知するように複数設置してもよい。
【0081】
蓄電システム500による充電方法は、上述の充電方法と同様である。
【0082】
蓄電システム500は、温度判定を要する実施形態に適用することができる。第7実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第7実施形態によれば、電池関連温度に応じた充電を実施することができる。例えば、電池関連温度に応じて、安全性を確保して充電することができると共に、適切な電圧値まで充電することができる。
【0083】
第8実施形態に係る蓄電システムについて説明する。
図11は、第8実施形態に係る蓄電システムの一例を示す概略図である。第10実施形態に係る蓄電システム600は、第7実施形態に係る蓄電システムの好ましい形態である。蓄電システム600は、第7実施形態を基礎としているが、第6実施形態を基礎とすることもできる。この場合、蓄電システムは温度センサを備えなくてもよい。
【0084】
蓄電システム600は、少なくとも1つのセルを有する二次電池401と、二次電池401の充電制御及び放電制御や二次電池401の保護管理を行う電池管理ユニット(BMU;Battery Management Unit)403と、二次電池401と電源や負荷との間の直流電力と交流電力の変換、電圧や周波数の調整等を行うパワーコンディショナ(PCS;Power conditioner System)404と、BMU403及びPCSの制御、監視等を行うシステムコントローラ(SC;System Controller)405と、を備える。BMU403、PCS404及びSC405は相互通信可能に接続されている。PCS404には充電用電源が接続される。
図11においては、PCSとSCとは別個の要素として図示したが、図示の形態は、1つの要素にPCS及びCSが組み込まれている形態も含む。
【0085】
上記実施形態に係る充電装置100,200は、BMU403に組み込まれている。二次電池401及び温度センサ402は、充電装置100,200に接続されている。
【0086】
プログラムは、例えばSC405に組み込むことができる。プログラムは、各部の動作及び上記充電方法の各ステップを充電装置に実行させる。
【0087】
第8実施形態の上記以外の形態は、第7実施形態と同様である。
【0088】
第8実施形態によれば、第7実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0089】
上記各実施形態における各部の動作ないし各ステップをプログラムの各処理とすることでプログラムは実現することができる。
【実施例】
【0090】
リチウムイオン電池を作製し、第2実施形態に係る充電装置及び充電方法を用いて充電を行い、要する充電時間を測定すると共に、危険物質の析出の有無を確認した。
【0091】
[正極電極の作製]
正極電極の作製について説明する。LiMn
2O
4を85質量%、導電補助材としてアセチレンブラックを7質量%、及びバインダーとしてポリフッ化ビニリデンを8質量%混合した。この混合物に、N−メチルピロリドンを加えてさらに混合し、正極スラリーを作製した。これをドクターブレード法により、集電体となる厚さ20μmのAl箔の両面にロールプレス処理後の厚さが160μmになるように塗布し、120℃で5分間乾燥・プレス工程を経て正極活物質両面塗布部を形成した。なお、正極の一方の端部にはいずれの面にも正極活物質が塗布されていない正極活物質非塗布部を設けた。
【0092】
[負極電極の作製]
負極電極の作製について説明する。黒鉛を90質量%、導電補助剤としてアセチレンブラックを1質量%、及びバインダーとしてポリフッ化ビニリデンを9質量%混合した。この混合物に、N−メチルピロリドンを加えてさらに混合し負極スラリーを作製した。これを集電体となる厚さ10μmのCu箔の両面にロールプレス処理後の厚さが120μmとなるように塗布し、120℃で5分間乾燥・プレス工程を経て負極活物質両面塗布部を形成した。なお、負極の一方の端部に、負極活物質が塗布されていない負極活物質非塗布部を設けた。
【0093】
[電解液の作製]
電解液の作製について説明する。エチレンカーボネート(EC)/ジエチルカーボネート(DEC)=30/70(体積比)からなるカーボネート系非水電解液を99質量部と、ビニレンカーボネートを1質量部(ビニレンカーボネートの含有率:1質量%)とを混合した。この混合物に、さらに、支持塩としてのLiPF
6を1.0モル/lの濃度で溶解して、電解液を得た。
【0094】
[リチウムイオン電池の作製]
リチウムイオン電池の作製について説明する。
図12〜
図14に、リチウムイオン電池の作製方法を説明するための概略図を示す。上記で作製した正極電極14と負極電極15とを、セパレータ13を挟んで交互に積層し(
図12(a))、積層体6を作製した(
図12(b))。セパレータ13は、ポリオレフィン等の絶縁性を有する材料であり、正極電極14及び負極電極15と同じ形状を有する。積層体6の主面の寸法は、縦200mm、横100mmであった。積層体6には、正極電極14を30層、負極電極15を31層積層した。そして、正極電極14に正極集電タブを接続した。負極電極15に負極集電タブを接続した(
図12(b))。正極集電タブ及び負極集電タブは、平面的にみて、積層体6の一辺から引き出し、それぞれ干渉しないように積層した。正極集電タブ及び負極集電タブが引き出されていない一対の辺に、積層されたセパレータ13、正極電極14及び負極電極15がずれないように保持する電池要素固定部材8を設けた(
図12(c))。
【0095】
積層体6の一辺から引き出されている複数の正極集電タブを1つに束ねて、束ねた複数の正極集電タブと正極端子16の一端とを接続した。同様にして、複数の負極集電タブを1つに束ねて、負極端子17の一端と接続した(
図13)。作製した積層体6は、表面及び裏面を樹脂でコーティングし、可撓性を有するアルミニウムからなる外装体7に収容した(
図14(a))。正極端子16の他端及び負極端子17の他端は外装体7の外部に露出させた。外装体7の外部に露出させた正極端子16の他端及び負極端子17の他端は、正極端子露出部23及び負極端子露出部24となる。電解液を注液するための開口部分以外の外装体7の周囲を熱溶着によって封止した。その後、開口部分から電解液を外装体7の内部に注入し、開口部分を接着封止して、リチウムイオン電池3を作製した(
図14(b))。
【0096】
[リチウムイオン電池の充電]
上記で作製したリチウムイオン電池を表1に記載の条件で充電し、第1定電流充電ステップ及び第2定電流充電ステップにおける充電時間を測定した。また、危険物質の析出の有無を確認した。危険物質の析出は、目視による確認及び釘刺し試験と呼ばれる安全性試験により確認した。充電は−10℃の条件下で実施した。充電に使用するリチウムイオン電池は、放電処理によって電圧3Vに調整したものを使用した。第1定電流充電ステップにおいては、第1電圧値4.03Vに達するまで第1電流値でリチウムイオン電池を充電した。その後、第2電圧値4.10Vに達するまで第2電流値でリチウムイオン電池を充電した。その後、定電圧ステップにおいて、第2電圧値4.10Vで充電電流値に対応する充電レートが0.03Itに達するまでリチウムイオン電池を充電した。実施例1〜8の結果を表2に示す。
【0097】
表1には、第1電流値を充電レートに換算した値を第1充電レートとして示す。第2電流値を充電レートに換算した値を第2充電レートとして示す。表1に示す「レート比」は、第1充電レート値を第2充電レート値で除した値である。第1定電流充電ステップが終了した時点での電池残存容量をSOC(State of Charge)として示す。SOCは、電池の定格容量に対する電池容量の割合である。表2において、第1充電時間は第1定電流充電ステップに要した時間である。第2充電時間は第2定電流充電ステップに要した時間である。第3充電時間は定電圧充電ステップに要した時間である。
【0098】
実施例1〜8においては、リチウム等の危険物質の析出が確認されなかった。今回の実施条件下において、第1充電レートのまま上限電圧値まで充電した場合、経験則上、リチウムが析出した可能性があると考えられる。しかしながら、実施例1〜8においては、充電電流を第1充電レートから第2充電レートに低下させて上限電圧値まで充電したために、危険物質が析出しなかったものと考えられる。実施例1〜8によれば、第2充電レートを0.1It以下にすると安全性をより高められると考えられる。ただし、危険物質が析出しない充電レートはこの範囲に限定されるものではない。
【0099】
実施例1〜8においては、総充電時間を約8時間にすることができた。今回の実施条件下において、第2充電レートのまま充電開始から上限電圧値まで充電した場合、総充電時間は8時間を大きく超えたものと考えられる。しかしながら、第2充電レートよりも高い第1充電レートで充電を開始したので総充電時間を短縮できたと考えられる。実施例1〜8によれば、充電レートを1.3以上6.4以下にすることにより総充電時間を8.2時間以下に抑えることができ、充電レートを1.6以上5.8以下にすることにより総充電時間を8時間未満にすることができた。実施例7において実施例1〜6よりも充電時間が長くなったのは、実施例1〜6よりも第1充電レートが低かったためと考えられる。実施例8において実施例1〜6よりも充電時間が長くなったのは、実施例1〜6よりも第1充電レートが高いため、第1定電流充電ステップから第2定電流充電ステップへの切替時における電圧降下が増加し、その増加分を第2充電レートで補うのに時間を要したためと考えられる。
【0100】
なお、実施例1〜8においては、第1定電流充電ステップから第2定電流充電ステップへ切り替える電圧値を4.03Vに設定したが、切り替える電圧値はこの電圧値に限定されるものではない。
【0101】
第1定電流充電ステップ終了時における電池残存容量(SOC)は、21%以上66%以下である場合に総充電時間を8.2時間以下に抑えることができ、27%以上63%以下である場合に総充電時間を8時間未満にすることができた。
【0102】
電力単価の低い時間帯は8時間(例えば午後11時から翌午前7時まで)に設定されていることが多い。したがって、実施例1〜8によれば、電力単価の低い時間帯にほぼ充電を完了することができ、電力コストを低減させることができる。
【0103】
【表1】
【0104】
【表2】
【0105】
本発明の充電装置、蓄電システム、充電方法及びプログラムは、上記実施形態に基づいて説明されているが、上記実施形態に限定されることなく、本発明の範囲内において、かつ本発明の基本的技術思想に基づいて、種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態ないし実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)に対し種々の変形、変更及び改良を含むことができることはいうまでもない。また、本発明の全開示の枠内において、種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態ないし実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ・置換ないし選択が可能である。
【0106】
本発明のさらなる課題、目的及び展開形態は、請求の範囲を含む本発明の全開示事項からも明らかにされる。
【0107】
本書に記載した数値範囲については、当該範囲内に含まれる任意の数値ないし小範囲が、別段の記載のない場合でも具体的に記載されているものと解釈されるべきである。
【0108】
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下の記載には限定されない。
【0109】
[付記1]
二次電池の電圧が予め定められた第1電圧値に達するまで第1電流値で前記二次電池の充電を行い、前記電圧が前記第1電圧値に達したことの検出に応じて、前記第1電流値よりも低い第2電流値で、予め定められた第2電圧値となるまで前記二次電池を充電する制御を行う充電制御部を備えている充電装置。
【0110】
[付記2]
前記二次電池はリチウムイオン電池であり、
前記第1電圧値は3.80V以上4.05V以下である充電装置。
【0111】
[付記3]
二次電池の電池容量が予め定められた第1容量値に達するまで第1電流値で前記二次電池の充電を行い、前記電池容量が前記第1容量値に達したことの検出に応じて、前記第1電流値よりも低い第2電流値で、前記二次電池の電圧が予め定められた充電電圧値となるまで前記二次電池を充電する制御を行う充電制御部を備えている充電装置。
【0112】
[付記4]
前記第1容量値は20%以上67%以下である充電装置。
【0113】
[付記5]
前記充電制御部は、前記電圧が前記第2電圧値又は前記充電電圧値に達したことの検出に応じて、充電電流値が予め定められた第3電流値となるまで前記二次電池を前記第2電圧値又は前記充電電圧値で充電する充電装置。
【0114】
[付記6]
前記第1電流値を前記第2電流値で除した値が1.4以上6.5以下である充電装置。
【0115】
[付記7]
前記第2電流値は、0.18It以下の充電レートに対応した電流値である充電装置。
【0116】
[付記8]
前記第1電流値は、0.1It以上0.6It以下の充電レートに対応した電流値である充電装置。
【0117】
[付記9]
前記二次電池に関連する温度を検知する温度検知部をさらに備え、
0℃以下の温度を検知した前記温度検知部からの温度情報に応答して、前記充電制御部は前記二次電池の充電を制御する充電装置。
【0118】
[付記10]
前記温度は、前記二次電池のいずれかの部分の温度、前記二次電池が置かれた環境の温度、及び前記充電装置が置かれた環境の温度のうちの少なくとも1つの温度である充電装置。
【0119】
[付記11]
前記二次電池はリチウムイオン電池である充電装置。
【0120】
[付記12]
付記1〜11の充電装置と、
前記充電装置に接続された前記二次電池と、を備える蓄電システム。
【0121】
[付記13]
前記充電装置に接続され、二次電池に関連する温度を検知する温度センサをさらに備える蓄電システム。
【0122】
[付記14]
前記二次電池の充電及び放電を管理する電池管理ユニットをさらに備え、
前記電池管理ユニットは前記充電装置を備えている蓄電システム。
【0123】
[付記15]
前記二次電池と充電用電源を接続するためのパワーコンディショナと、
前記電池管理ユニット及び前記パワーコンディショナを制御するシステムコントローラと、をさらに備え、
前記電池管理ユニット、前記パワーコンディショナ及び前記システムコントローラは相互に接続されている蓄電システム。
【0124】
[付記16]
付記に記載の充電装置を動作させるプログラム。
【0125】
[付記17]
二次電池の電圧が予め定められた第1電圧値に達するまで第1電流値で前記二次電池の充電を行う工程と、
前記電圧が前記第1電圧値から、予め定められた第2電圧値に達するまで、前記第1電流値よりも低い第2電流値で前記二次電池を充電する工程と、を含む充電方法。
【0126】
[付記18]
前記二次電池はリチウムイオン電池であり、
前記第1電圧値は3.80V以上4.05V以下である充電方法。
【0127】
[付記19]
二次電池の電池容量が予め定められた第1容量値に達するまで第1電流値で前記二次電池の充電を行う工程と、
前記電池容量が前記第1容量値に達した状態に対応する前記二次電池の第1電圧値から、前記二次電池の電圧が予め定められた第2電圧値に達するまで、前記第1電流値よりも低い第2電流値で前記二次電池を充電する工程と、を含む充電方法。
【0128】
[付記20]
前記第1容量値は20%以上67%以下である充電方法。
【0129】
[付記21]
前記電圧が前記第2電圧値に達した状態において、充電電流が予め定められた第1電流値以下となるまで前記第2電圧値で前記二次電池の充電を行う工程と、をさらに含む充電方法。
【0130】
[付記22]
前記第1電流値を前記第2電流値で除した値が1.4以上6.5以下である充電方法。
【0131】
[付記23]
前記第2電流値は、0.18It以下の充電レートに対応した電流値である充電方法。
【0132】
[付記24]
前記第1電流値は、0.1It以上0.6It以下の充電レートに対応した電流値である充電方法。
【0133】
[付記25]
前記二次電池に関連する温度が0℃以下の温度範囲において行う充電方法。
【0134】
[付記26]
前記温度は、前記二次電池のいずれかの部分の温度、前記二次電池が置かれた環境の温度、及び前記二次電池を充電する充電装置が置かれた環境の温度のうちの少なくとも1つの温度である充電方法。
【0135】
[付記27]
前記二次電池はリチウムイオン電池である充電方法。
【0136】
[付記28]
付記に記載の充電方法を制御するためのプログラム。
【0137】
[付記29]
付記に係る充電装置を備える自動車。
【0138】
[付記30]
付記に係る蓄電システムを備える自動車。
【0139】
[付記31]
付記に係る充電装置を備える電動機。
【0140】
[付記32]
付記に係る蓄電システムを備える電動機。
【0141】
[付記33]
付記に係る充電装置を備える携帯機器。
【0142】
[付記34]
付記に係る蓄電システムを備える携帯機器。
【0143】
[付記35]
付記に係る充電装置を備える携帯電源。
【0144】
[付記36]
付記に係る蓄電システムを備える携帯電源。