特許第6188197号(P6188197)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6188197
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】食器洗い機用洗浄剤
(51)【国際特許分類】
   C11D 1/52 20060101AFI20170821BHJP
   C11D 1/44 20060101ALI20170821BHJP
   C11D 1/835 20060101ALI20170821BHJP
   C11D 3/386 20060101ALI20170821BHJP
   C07C 233/18 20060101ALI20170821BHJP
【FI】
   C11D1/52
   C11D1/44
   C11D1/835
   C11D3/386
   C07C233/18
【請求項の数】3
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2013-106563(P2013-106563)
(22)【出願日】2013年5月20日
(65)【公開番号】特開2014-227442(P2014-227442A)
(43)【公開日】2014年12月8日
【審査請求日】2016年3月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100108578
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 詔男
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【弁理士】
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100153763
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 広之
(72)【発明者】
【氏名】原 大陽
(72)【発明者】
【氏名】河野 三美
(72)【発明者】
【氏名】河野 志織
(72)【発明者】
【氏名】黒澤 清夏
(72)【発明者】
【氏名】黒川 博史
【審査官】 古妻 泰一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−130697(JP,A)
【文献】 特開2011−246677(JP,A)
【文献】 特開2006−131597(JP,A)
【文献】 特開2002−235100(JP,A)
【文献】 特開昭61−069895(JP,A)
【文献】 米国特許第04545917(US,A)
【文献】 特開昭64−062486(JP,A)
【文献】 特開平11−117000(JP,A)
【文献】 特開平11−349983(JP,A)
【文献】 特開2000−063883(JP,A)
【文献】 特開2000−160191(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D 1/52
C07C 233/18
C11D 1/44
C11D 1/835
C11D 3/386
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
脂肪酸モノアルカノールアミド及びポリオキシエチレン脂肪酸モノアルカノールアミドからなる群より選ばれ、かつ、HLBが8.5以上12.0未満の非イオン界面活性剤(A1)を含む界面活性剤(A)を含有し、
前記界面活性剤(A)の含有量が、食器洗い機用洗浄剤の全質量に対し、0.2〜11質量%であり、
前記界面活性剤(A)中の前記非イオン界面活性剤(A1)の含有量が50質量%以上であることを特徴とする食器洗い機用洗浄剤。
【請求項2】
前記界面活性剤(A)の含有量が、食器洗い機用洗浄剤の全質量に対し、0.5〜3質量%である請求項1に記載の食器洗い機用洗浄剤。
【請求項3】
プロテアーゼ(B)をさらに含有し、かつ、
洗浄剤1g当たりのプロテアーゼ活性をEa(kPU/g)、洗浄剤中の前記非イオン界面活性剤(A1)の含有量をWA1(質量%)とした際、Ea/WA1で表される比が1〜30であることを特徴とする、請求項1または2に記載の食器洗い機用洗浄剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食器洗い機用洗浄剤に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ホテル、レストラン、給食センター等の厨房だけではなく、一般家庭においても、食器、調理器具等を洗浄するための食器洗い機が普及してきている。
食器洗い機では、一般に、専用の洗浄剤(食器洗い機用洗浄剤)が用いられ、55〜65℃程度の温水が利用されている。
また、食器洗い機では、洗浄液を、ポンプを用いて吐出させている。洗浄液が泡立つと、ポンプから洗浄液が吐出されず、運転停止などの不具合を生じやすくなる。このため、食器洗い機用洗浄剤においては、低泡性であること、が求められる。
これに対して、食器洗い機用洗浄剤には、低泡性の界面活性剤としてポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルが汎用されている。
【0003】
従来、食器洗い機用洗浄剤としては、低泡性の非イオン界面活性剤とともに、ポリカルボン酸系高分子化合物と無機過酸化物とを特定の混合比率で含有する、食器洗い機用粒状洗剤組成物が提案されている(特許文献1参照)。特許文献1では、低泡性の非イオン界面活性剤としてポリオキシエチレンポリオキシアルキレン(炭素数3〜5)アルキルエーテルを用いることが開示されている。
また、テルペン系アルコール等の精油成分と、該精油成分を可溶化するためのN−アシルアミノ酸塩と、該精油成分の可溶化補助剤として脂肪酸アルカノールアミドと、を含有する食器洗浄用組成物も提案されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−159384号公報
【特許文献2】特開2000−96091号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、これまでは、食器等に付着した汚れや食べ残りなどを、予め、ある程度除去(予備洗い)した後、食器洗い機による洗浄処理が行われていた。
しかし、最近では、前記予備洗いが省略され、直接食器洗い機によって、汚れのひどい食器等の洗浄処理が行われるようになってきている。このため、食器洗い機の洗浄対象とする汚れ量が増加している。また、汚れ量の増加に伴い、特にポリプロピレン(PP)樹脂等からなる疎水性食器(例えば、プラスチック製容器)の洗浄においては、洗浄中に油汚れが移汚又は再付着(再汚染)しやすい環境となってきている。
しかしながら、特許文献1、2などの従来の洗浄剤では、予備洗いをせずに食器洗い機による洗浄処理を行った場合、疎水性食器において再汚染が顕著である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、低泡性を確保しつつ、洗浄対象物に対する油汚れ等の再汚染が抑制された食器洗い機用洗浄剤、を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは検討により、通常、液体洗浄剤等の粘度を増加させたり、可溶化力を高めたりするのに用いられている、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド等に代表される脂肪酸アルカノールアミド又はそのエチレンオキシド付加体の中で、特定のHLBを有するものを選択し、これを界面活性剤の総量に対して特定の割合で用いることによって前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明の食器洗い機用洗浄剤は、脂肪酸アルカノールアミド及びポリオキシエチレン脂肪酸アルカノールアミドからなる群より選ばれ、かつ、HLBが8.5以上12.0未満の非イオン界面活性剤(A1)を含む界面活性剤(A)を含有し、該界面活性剤(A)中の該非イオン界面活性剤(A1)の含有量が25質量%以上であることを特徴とする。
本発明の食器洗い機用洗浄剤においては、プロテアーゼ(B)をさらに含有し、かつ、洗浄剤1g当たりのプロテアーゼ活性をEa(kPU/g)、洗浄剤中の前記非イオン界面活性剤(A1)の含有量をWA1(質量%)とした際、Ea/WA1で表される比が1〜30であることが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、低泡性を確保しつつ、洗浄対象物に対する油汚れ等の再汚染が抑制された食器洗い機用洗浄剤を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の食器洗い機用洗浄剤は、脂肪酸アルカノールアミド及びポリオキシエチレン脂肪酸アルカノールアミドからなる群より選ばれ、かつ、HLBが8.5以上12.0未満の非イオン界面活性剤(A1)を含む界面活性剤(A)を含有する。
以下、本明細書において、特定の非イオン界面活性剤(A1)を(A1)成分、界面活性剤(A)を(A)成分ともいう。
本発明の食器洗い機用洗浄剤の剤形は、(A1)成分を含有するものであれば特に限定されず、粉粒状やタブレット状等の固体でもよく、液体でもよい。
【0010】
<(A)成分:界面活性剤>
(A)成分は、脂肪酸アルカノールアミド及びポリオキシエチレン脂肪酸アルカノールアミドからなる群より選ばれ、かつ、HLBが8.5以上12.0未満の非イオン界面活性剤(A1)を含む界面活性剤である。
(A)成分中の(A1)成分の含有量は、(A)成分の全質量に対して25質量%以上であり、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは70質量%以上であり、100質量%であってもよい。(A1)成分の含有量が25質量%以上であれば、食器洗い機により食器等の洗浄処理を行う際、泡立ちが低く保たれ、洗浄対象物(特に疎水性食器)に対する油汚れ等の再汚染が抑制される。
【0011】
≪(A1)成分:特定の非イオン界面活性剤について≫
(A1)成分は、脂肪酸アルカノールアミド及びポリオキシエチレン脂肪酸アルカノールアミドからなる群より選ばれ、かつ、HLBが8.5以上12.0未満の非イオン界面活性剤である。
本発明において「脂肪酸アルカノールアミド」とは、たとえば、脂肪酸、脂肪酸アルキルエステル、脂肪酸クロリド又は油脂等と、アルカノールアミン(モノエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等)と、の反応によって生成するもの、すなわち、脂肪酸モノアルカノールアミド、及び/又は、脂肪酸ジアルカノールアミドを包含する。
「ポリオキシエチレン脂肪酸アルカノールアミド」とは、前記脂肪酸アルカノールアミドにオキシエチレン基が導入されたものをいう。
【0012】
本発明において「HLB」は、有機概念図におけるIOB×10で示される。
有機概念図におけるIOBとは、該有機概念図における有機性値(OV)に対する無機性値(IV)の比、即ち「無機性値(IV)/有機性値(OV)」をいう。
該有機概念図とは、藤田穆により提案されたものであり、その詳細は“Pharmaceutical Bulletin”,1954,vol.2,2,pp.163−173;「化学の領域」,1957,vol.11,10,pp.719−725;「フレグランスジャーナル」,1981,vol.50,pp.79−82などで説明されている。即ち、全ての有機化合物の根源をメタン(CH)とし、他の化合物は全てメタンの誘導体とみなして、その炭素数、置換基、変態部、環などにそれぞれ一定の数値を設定し、そのスコアを加算して有機性値及び無機性値を求める。そして、これらの値を、有機性値をX軸、無機性値をY軸とした図上にプロットしていくものである。この有機概念図は、「有機概念図−基礎と応用−」(甲田善生著、三共出版、1984)等にも示されている。
(A1)成分のHLBは8.5以上12.0未満であり、9.0〜11.0が好ましい。
(A1)成分のHLBが8.5以上12.0未満であれば、油汚れ等に対する洗浄力が高まるとともに、洗浄対象物に対する油汚れ等の再汚染も抑制される。
特に(A1)成分のHLBが8.5以上であれば、洗浄対象物に対する油汚れ等の再汚染を抑制効果が高い。一方、(A1)成分のHLBが12.0未満であれば、洗浄時の低泡性を確保することができる。
尚、2種以上の(A1)成分を用いる場合、これらの混合物のHLBは、各(A1)成分のHLBの加重平均の値が8.5以上12.0未満の範囲内にあることを要するものとする。
【0013】
(A1)成分の融点は、35〜70℃が好ましく、40〜65℃がより好ましい。
(A1)成分の融点が好ましい下限値以上であれば、洗浄時の低泡性を確保しやすくなる。一方、(A1)成分の融点が好ましい上限値以下であれば、食器洗い機用洗浄剤の溶解性が高まり、洗浄後に、該洗浄剤の溶け残りが生じにくくなる。
本発明において「(A1)成分の融点」とは、混合比率を(A1)成分/精製水=9/1(質量比)に設定した(A1)成分と精製水とを、乳鉢内で混合したものを試料とし、該試料を約4mg採取し、示差走査熱量計(DSC8230D、株式会社リガク製)を用い、昇温速度3K/minの条件で測定したときに観測される吸熱ピークの最小値を示す温度とする。
【0014】
(A1)成分は、モノアルカノールアミド構造を有するものであってもよく、ジアルカノールアミド構造を有するものであってもよい。なかでも、本発明の効果がより高まることから、モノアルカノールアミド構造を有するものが好ましい。
モノアルカノールアミド構造を有するものとしては、たとえば、下記の一般式(a1−1)で表される化合物、又は、一般式(a1−2)で表される化合物が好適に挙げられる。
【0015】
【化1】
[式中、Rは炭素数7〜19のアルキル基又はアルケニル基を表す。R’は水素原子又はメチル基を表す。]
【0016】
前記式(a1−1)中、Rにおけるアルキル基、アルケニル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。なかでも、Rは、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が好ましい。
におけるアルキル基、アルケニル基の炭素数は7〜19であり、油汚れ等に対する洗浄力の点から、好ましくは炭素数が9〜17であり、より好ましくは炭素数が11〜15である。
【0017】
【化2】
[式中、Rは炭素数7〜19のアルキル基又はアルケニル基を表す。R’は水素原子又はメチル基を表す。nは平均繰返し数である。]
【0018】
前記式(a1−2)中、Rは、前記式(a1−1)中のRと同様のものが挙げられる。
前記式(a1−2)中、nは平均繰返し数であり、油汚れ等に対する洗浄力、及び再汚染抑制の効果の点から、好ましくは3以下の数であり、より好ましくは2以下の数であり、さらに好ましくは1以下の数であり、特に好ましくは1である。
尚、一般式(a1−2)で表される化合物は、nが平均繰返し数を示すことからも分かるように、(CHCHO)の繰返し数が異なる分子の混合物である。
【0019】
(A1)成分の具体例としては、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、ミリスチン酸モノエタノールアミド、パルミチン酸モノエタノールアミド、ステアリン酸モノエタノールアミド、イソステアリン酸モノエタノールアミド、ラウリン酸モノイソプロパノールアミド等の脂肪酸モノアルカノールアミド;ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレンラウリン酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレンミリスチン酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレンパルミチン酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレンステアリン酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレンイソステアリン酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレンラウリン酸モノイソプロパノールアミド等のポリオキシエチレン脂肪酸モノアルカノールアミドが挙げられる。
これらの中でも、油汚れ等に対する洗浄力、及び、プラスチック製容器などの特に疎水性食器に対する油汚れ等の再汚染抑制の効果の点から、脂肪酸モノアルカノールアミドが好ましく、そのなかでも、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、ラウリン酸モノイソプロパノールアミドがより好ましく、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドが特に好ましい。
ポリオキシエチレン脂肪酸モノアルカノールアミドの中では、油汚れ等に対する洗浄力、及び、プラスチック製容器などの特に疎水性食器に対する油汚れ等の再汚染抑制の効果の点から、ポリオキシエチレンミリスチン酸モノエタノールアミドが好ましく、そのなかでも、オキシエチレン基の平均繰返し数が1のものが特に好ましい。
【0020】
(A1)成分のうち、脂肪酸アルカノールアミドは、たとえば脂肪酸又は脂肪酸アルキルエステルと、アルカノールアミンと、のアミド化反応によって製造される。また、ポリオキシエチレン脂肪酸アルカノールアミドは、脂肪酸アルカノールアミドとエチレンオキシドとの付加反応によって製造される。具体的には、特開2003−183693号公報、特開2006−315977号公報などに記載の合成方法により製造できる。
【0021】
脂肪酸アルカノールアミドの合成は、たとえば、脂肪酸(ヤシ油脂肪酸、ラウリン酸もしくはミリスチン酸など)又は脂肪酸アルキルエステル(ラウリン酸メチルもしくはミリスチン酸メチルなど)に対し、アルカノールアミン(モノエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジエタノールアミンなど)を1.0〜1.5モル倍量で仕込み、アルカリ触媒(ナトリウムメチラートなどのアルカリ金属アルコラート;水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属の水酸化物)を、脂肪酸又は脂肪酸アルキルエステルとアルカノールアミンとの合計100質量部に対して0.01〜1質量部加えることでアミド化反応を行う。
通常、アルカノールアミンを反応容器に投入した後、常温のもしくは加温した脂肪酸又は脂肪酸アルキルエステルを1〜5時間かけて滴下し、反応させる。反応温度は、生成する脂肪酸アルカノールアミドの融点以上で行う。反応圧力は、常圧から減圧の範囲であり、減圧に設定することにより、副生するアルキルアルコールを効率的に留去できるため好ましい。脂肪酸又は脂肪酸アルキルエステルの滴下終了後から、1.2kPa以下まで徐々に減圧し、0.1〜4時間程度保持することで反応を完結させる。
【0022】
ポリオキシエチレン脂肪酸アルカノールアミドの合成は、前記の「脂肪酸アルカノールアミドの合成」で得られた脂肪酸アルカノールアミドに対し、所望のモル比率でエチレンオキシドを加えて反応させることにより得られる。アルカリ金属アルコラート触媒を含む脂肪酸アルカノールアミドをオートクレーブ反応器に仕込み、窒素ガス置換を行った後、脂肪酸アルカノールアミドの融点以上の温度で、所定量のエチレンオキシドガスを0.5〜2時間かけて加圧導入しながら、常圧から0.5MPaの加圧下で反応を行う。エチレンオキシドガスの導入後、更に0.1〜2時間かけて反応を完結させる。
【0023】
(A1)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
(A1)成分の中でも、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、ラウリン酸モノイソプロパノールアミド及びポリオキシエチレン(平均繰返し数1)ミリスチン酸モノエタノールアミドからなる群より選ばれる1種以上を用いることが好ましい。
食器洗い機用洗浄剤中、(A1)成分の含有量は、該洗浄剤の全質量に対して0.1〜10質量%が好ましく、0.3〜5質量%がより好ましく、0.5〜3質量%がさらに好ましい。
(A1)成分の含有量が好ましい下限値以上であると、油汚れ等に対する洗浄力が高まるとともに、洗浄対象物に対する油汚れ等の再汚染も抑制されやすくなる。一方、(A1)成分の含有量が好ましい上限値以下であれば、洗浄時の泡立ちが抑えられやすくなる。
【0024】
≪(A2)成分:(A1)成分以外の界面活性剤について≫
(A)成分は、(A1)成分以外の界面活性剤(以下「(A2)成分」ともいう。)を含んでいてもよい。(A2)成分を併用することで、洗浄対象物に付着している油汚れ等を良好に除去できる。また、(A2)成分は、粉粒状の剤形においてはバインダーとしても機能し得る。
(A2)成分としては、特に限定されず、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグリコシド、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセライド、高級アルコールポリオキシエチレン(EO)付加物、アミンオキシド等の非イオン界面活性剤;α−スルホ脂肪酸アルキルエステル、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、石鹸等の陰イオン界面活性剤;モノアルキルアミン、ジアルキルアミン、モノアルキルアミンのエチレンオキシド付加物、ジアルキルアミンのエチレンオキシド付加物、モノ長鎖アルキル第4級アンモニウム塩、ジ長鎖アルキル第4級アンモニウム塩等の陽イオン界面活性剤;カルボベタイン、スルホベタイン、ヒドロキシスルホベタイン等の両性界面活性剤などを用いることができる。
食器洗い機の特長(ポンプを使って洗浄液を噴射して洗浄処理を施す点)から、低泡性でない界面活性剤を含有する洗浄剤を用いると、過剰に泡が立ち、その泡によってポンプに、エアがみ、が生じて運転が停止するおそれがある。このため、(A2)成分には、低泡性の界面活性剤を用いることが好ましい。(A1)成分と併用する界面活性剤が低泡性であれば、食器洗い機のポンプに過度の負担をかけずに洗浄対象物を洗浄できる。
【0025】
本発明において「低泡性の界面活性剤」とは、以下に示す測定方法により測定される、泡高が15mL以下の界面活性剤を包含する。
泡高の測定方法:
15℃の水3Lに、界面活性剤0.12gを添加して界面活性剤溶液を調製する。自動食器洗い乾燥機に、該界面活性剤溶液を投入して運転を行う。洗浄開始1分後に運転を止めると同時に扉を開け、15秒後に庫内の泡立ちを測定する。その際、庫内の3箇所をランダムに選択し、該箇所の泡高(mL)をそれぞれ測定し、その平均値を求める。
【0026】
食器洗い機においては、良好な洗浄力を有し、かつ、洗浄中の泡立ちを抑える必要があることから、食器洗い機用洗浄剤中、(A1)成分と(A2)成分との合計の含有量(すなわち、(A)成分の含有量)を、該洗浄剤の全質量に対して11質量%以下とすることが好ましく、0.2〜11質量%とすることがより好ましく、0.3〜5質量%とすることがさらに好ましく、0.5〜3質量%とすることが特に好ましい。
【0027】
<任意成分>
本発明の食器洗い機用洗浄剤には、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて、上述した(A)成分以外の成分を任意に配合してもよい。
本発明の食器洗い機用洗浄剤においては、プロテアーゼ(B)(以下「(B)成分」ともいう。)をさらに含有することが好ましい。
上述したように、最近では、予備洗いが省略され、食器洗い機の洗浄対象とする汚れ量が増加している。これに伴い、油汚れ、及びこれと共存するタンパク質汚れ(油/タンパク質複合汚れ)が除去しにくくなっている。これに対し、(A)成分とともに(B)成分を併用することにより、油/タンパク質複合汚れに対する洗浄力がより高まる。加えて、洗浄対象物に対する油汚れ等の再汚染防止効果もより高まる。
【0028】
≪(B)成分:プロテアーゼについて≫
(B)成分としては、特に限定されず、通常洗剤に配合されているものを用いることができ、例えば、ペプシン、トリプシン、キモトリプシン、コラーゲナーゼ、ケラチナーゼ、エラスターゼ、スプチリシン、BPN、パパイン、プロメリン、カルボキシペプチターゼA及びB、アミノペプチターゼ、アスパーギロペプチターゼA及びB等が挙げられる。
また、本発明における(B)成分としては、特開昭51−8401号公報、特開昭46−43551号公報、特開昭46−42956号公報、特開昭59−59189号公報、特開昭54−62386号公報、特開昭48−2794号公報、特開昭50−16435号公報、特開昭53−18594号公報、特開昭55−46711号公報、特開昭57−42310号公報、特開昭58−16200号公報、特開昭56−24512号公報、特開昭47−1832号公報、特開昭52−35758号公報、特開昭50−34633号公報、特公昭46−41596号公報、特開昭58−134990号公報、特開昭55−14086号公報、特開昭51−82783号公報、特開昭51−125407号公報、特開昭55−39794号公報、特開昭46−1840号公報、特開昭46−23989号公報、特開昭58−15282号公報、特開昭61−280278号公報、特開平4−197182号公報、特公平3−79987号公報、特開平5−25492号公報などに記載されているものも用いることができる。さらに、これらの精製分画物は勿論、粗酵素、又はこれらの造粒物も用いることができる。
(B)成分について、入手可能な市販酵素としては、サビナーゼ(Savinase)、アルカラーゼ(Alcalase)、エバラーゼ(Everlase)、カンナーゼ(Kannase)、エスペラーゼ(Esperaze)(以上、ノボザイムズ社製);API21(昭和電工(株)製);マクサターゼ(Maxtaze)、マクサカル(Maxacal)、ピュラフェクト(Purafect)、マクサぺム(以上、ジェネンコア社製);KAP(花王(株)製)、特開平5−25492号公報に記載のプロテアーゼK−14、K−16
等が挙げられる。
(B)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
【0029】
(B)成分を含む造粒物を用いる場合、特開昭60−262900号公報に記載の方法などの通常の造粒方法に基づき、(B)成分を、安定剤、フィラー、増量剤、増白剤、バインダー又はコーテイング剤等とともに造粒したもの(酵素造粒物)を用いることができる。通常、酵素造粒物中、(B)成分の含有量は、酵素タンパク量として0.1〜10質量%程度であり、好ましくは0.5〜5質量%程度、より好ましくは1〜3質量%程度である。2種以上の酵素の造粒に際しては別々に造粒してもよいし、酵素を混合して同一造粒物としてもよい。
【0030】
本発明の食器洗い機用洗浄剤において、(A1)成分と(B)成分との混合比率は、該洗浄剤1g当たりのプロテアーゼ活性をEa(kPU/g)、洗浄剤中の前記(A1)成分の含有量をWA1(質量%)とした際、Ea/WA1で表される比(以下「Ea/WA1比」ともいう。)が1〜30であることが好ましく、5〜20であることがより好ましい。
Ea/WA1比を前記範囲とすることで、油/タンパク質複合汚れに対する洗浄力が高まる。
加えて、Ea/WA1比が1未満では、油/タンパク質複合汚れに対する洗浄力が低下しやすい。これは、洗浄剤1g当たりのプロテアーゼ活性Eaの比率の減少に伴い、タンパク質汚れが食器等に残留しやすくなり、また、残留したタンパク質汚れ部分に油汚れも残留しやすくなるためと考えられる。さらに、(A1)成分由来の起泡性が増す傾向に有り、これにより食器洗い機のノズル噴射性(噴射力)が弱まることも前記洗浄力低下の一因と考えられる。一方、Ea/WA1比が30を超えても、油/タンパク質複合汚れに対する洗浄力が低下しやすい。これは、洗浄剤1g当たりのプロテアーゼ活性Eaの比率が大きくなれば、プロテアーゼの自己消化作用によってタンパク質汚れに対する洗浄力が弱まるためと考えられる。
【0031】
本発明において、洗浄剤1g当たりのプロテアーゼ活性は、たとえば以下のようにして測定される値を示す。本明細書において「プロテアーゼユニット(PU)」とは、タンパク分子中のペプチド結合を加水分解する活性の単位を表す。
尚、カゼイン中のチロシンを、1分間に1μg遊離させる活性を1PUとする。
【0032】
[洗浄剤1g当たりのプロテアーゼ活性についての測定方法]
1)カゼイン基質溶液の調製
カゼイン(由来:Bovine Milk、メルク社製)基質0.6gを、20mM四ホウ酸ナトリウム(四ホウ酸ナトリウム、関東化学社製)溶液に溶解し、1N水酸化ナトリウム(1mol/L水酸化ナトリウム溶液、関東化学社製)でpHを10.5に調整した後、20mM四ホウ酸ナトリウムで100mLに定容することによりカゼイン基質溶液を調製する。
【0033】
2)洗浄剤1g当たりのプロテアーゼ活性の測定
粉粒状洗浄剤の場合、プロテアーゼを配合していない粉粒状洗浄剤組成物を調製し、この粉粒状洗浄剤組成物10gを精秤し、イオン交換水に溶解して1Lに定容することにより、プロテアーゼを配合していない粉粒状洗浄剤組成物の水溶液(洗浄剤水溶液A)を得る。別途、プロテアーゼを配合した粉粒状洗浄剤組成物を調製し、この粉粒状洗浄剤組成物10gを精秤し、イオン交換水に溶解して1Lに定容し、この内、30mLをホールピペットで分取し、前記のプロテアーゼを配合していない粉粒状洗浄剤組成物に溶解して300mLに定容することにより、プロテアーゼを配合した粉粒状洗浄剤組成物の水溶液(洗浄剤水溶液B)を得る。
液体状洗浄剤の場合、プロテアーゼを配合していない液体状洗浄剤組成物を調製し、この液体状洗浄剤組成物1.0gを精秤し、イオン交換水に溶解して1Lに定容することにより、プロテアーゼを配合していない液体状洗浄剤組成物の水溶液(洗浄剤水溶液C)を得る。別途、プロテアーゼを配合した液体状洗浄剤組成物を調製し、この液体状洗浄剤組成物1.0gを精秤し、イオン交換水に溶解して1Lに定容することにより、プロテアーゼを配合した液体状洗浄剤組成物の水溶液(洗浄剤水溶液D)を得る。
洗浄剤水溶液A及びB、又は、洗浄剤水溶液C及びDを、それぞれ別々の試験管(φ15mm、長さ105mm)にホールピペットで0.5mL採取する。これらの試験管を、35℃の恒温槽に5分間浸漬した後、各試験管に、あらかじめ35℃に調整した前記カゼイン基質溶液2.5mLをそれぞれ添加し、ボルテックスミキサーで10秒間撹拌し、再び35℃の恒温槽に戻して反応を開始する。
反応開始から10分後、各試験管に、酵素反応停止剤のTCA溶液(0.11Mトリクロロ酢酸、0.22M酢酸ナトリウム、0.33M酢酸(いずれも特級、関東化学社製))2.5mLをそれぞれ加えた後、ボルテックスミキサーで10秒間撹拌し、20℃で30分間静置する。その後、析出する未反応の基質を、ろ紙(アドバンテック社製のNo.131等)にて濾過し、チロシンを含有するろ液を回収する。回収したろ液の波長275nmにおける吸光度を、紫外可視分光光度計(島津製作所社製のUV−160等)を用いて測定する。次いで、洗浄剤水溶液Bの吸光度と洗浄剤水溶液Aの吸光度との差、又は、洗浄剤水溶液Dの吸光度と洗浄剤水溶液Cの吸光度との差、をそれぞれ求め、この差を、プロテアーゼを含有する洗浄剤組成物の吸光度値とする。
そして、チロシン(特級、関東化学社製)のTCA溶液であらかじめ作成した検量線を基にして計算したチロシン濃度から、粉粒状洗浄剤組成物1g当たりのプロテアーゼ活性(PU)、又は、液体状洗浄剤組成物1g当たりのプロテアーゼ活性(PU)を算出する。
【0034】
また、プロテアーゼ1g当たりの活性は、たとえば以下のようにして測定される値を示す。
[プロテアーゼ1g当たりの活性についての測定方法]
プロテアーゼ酵素製剤0.1gを精秤し、イオン交換水に溶解して100mLに定容した後、ホールピペットで1mLを分取し、イオン交換水に溶解して100mLに定容することにより、濃度0.001質量%のプロテアーゼ酵素製剤水溶液を調製する。
このプロテアーゼ酵素製剤水溶液0.5mLを、ホールピペットにてφ15mm、長さ105mmの試験管に分取し、このプロテアーゼ酵素製剤水溶液入りの試験管を、35℃の恒温槽に5分間浸漬した後、該試験管に、前記カゼイン基質溶液2.5mLを添加し、ボルテックスミキサーで10秒間撹拌した後、35℃恒温槽に戻し、10分間静置して酵素反応を進める。
その後、該試験管に、酵素反応停止剤のTCA溶液(0.11Mトリクロロ酢酸、0.22M酢酸ナトリウム、0.33M酢酸(いずれも特級、関東化学社製))2.5mLを添加し、ボルテックスミキサーで10秒間撹拌した後、20℃で30分間静置する。その後、ろ紙(アドバンテック社製のNo.131等)にて濾過し、チロシンを含有するろ液を回収する。
回収したろ液の波長275nmにおける吸光度を、紫外可視分光光度計(島津製作所社製のUV−160等)を用いて測定する。そして、チロシン(特級、関東化学社製)のTCA溶液であらかじめ作成した検量線を基にして計算したチロシン濃度から、プロテアーゼ酵素製剤1g当たりのプロテアーゼ活性(PU)を算出する。
【0035】
(B)成分は、洗浄剤1g当たりのプロテアーゼ活性Ea(kPU/g)が1〜80(kPU/g)となるように配合することが好ましく、より好ましくは2.5〜40(kPU/g)、特に好ましくは5〜20(kPU/g)となるように配合する。
Ea(kPU/g)が前記範囲となるように、(B)成分を(A1)成分と組み合わせることで、油/タンパク質複合汚れに対する洗浄力が相乗的に高まる。
【0036】
食器洗い機用洗浄剤中、(B)成分の含有量は、該洗浄剤の全質量に対して0.05〜16質量%が好ましく、0.1〜8質量%がより好ましく、0.3〜4質量%がさらに好ましい。
(B)成分の含有量が好ましい下限値未満では、油汚れ/タンパク質複合汚れの除去効果が低くなる場合がある。一方、(B)成分の含有量が好ましい上限値を超えても、油汚れ/タンパク質複合汚れの除去効果は頭打ちとなる場合がある。
【0037】
本発明の食器洗い機用洗浄剤には、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて、上述した成分以外の成分を任意に配合してもよい。
かかる任意に配合してもよい成分としては、特に限定されず、これまで食器を洗浄するための洗浄剤に用いられているものが挙げられる。たとえば、キレート剤、漂白剤、漂白活性化剤、アルカリ剤、(B)成分以外の酵素、植物抽出エキス、香料、吸油剤、消泡剤、食器保護剤、増粘剤、着色剤、防腐剤、pH調整剤、粉末化剤(無水珪酸など)、工程剤(硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、塩化ナトリウムなど)等を用いることができる。
【0038】
(製造方法)
本発明の食器洗い機用洗浄剤は、従来公知の方法により製造できる。
液体状の食器洗い機用洗浄剤の製造方法としては、溶媒と、(A1)成分を含む(A)成分と、必要に応じて任意成分とを混合することにより調製される。(B)成分を配合する場合、(B)成分の活性を維持する点から、溶媒と、(A1)成分を含む(A)成分と、(B)成分以外の任意成分とを混合した後に(B)成分を混合することが好ましい。
溶媒としては、水が好ましく、水以外に水混和性有機溶媒を用いてもよい。
「水混和性有機溶媒」とは、25℃のイオン交換水1Lに50g以上溶解する有機溶媒をいう。水混和性有機溶媒としては、水と混合した際に均一な溶液となるものであればよく、そのなかでも、炭素数2〜4の一価アルコール、炭素数2〜4の多価アルコール、グリコールエーテル等が挙げられる。
炭素数2〜4の1価アルコールとしては、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール等が挙げられる。
炭素数2〜4の多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
グリコールエーテルとしては、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。
【0039】
液体状の食器洗い機用洗浄剤のpH(25℃)は、6.5以上が好ましく、7〜11がより好ましく、8〜10がさらに好ましい。
該pH(25℃)が好ましい下限値以上であれば、油/タンパク質複合汚れに対する洗浄力が高まる。加えて、洗浄対象物に対する油汚れ等の再汚染も抑制されやすくなる。また、洗浄剤組成物の貯蔵安定性がより向上する。
本発明において、食器洗い機用洗浄剤のpH(25℃)は、JIS K3362−1998に準拠し、25℃に調整した液体状の洗浄剤のpHを、pHメーター(HM−30G、東亜ディーケーケー株式会社製)等を用いて測定した値を示す。
【0040】
固体状の食器洗い機用洗浄剤の製造方法としては、たとえば粉粒状の剤形であれば、各原料を粉体混合するドライブレンド法、粉体原料を流動させながら造粒する乾式造粒法、粉体原料を流動させながら液体バインダーを噴霧して造粒する攪拌造粒法、原料を捏和してこれを押出機で押し出す押出造粒法、原料を捏和してこれを粉砕する粉砕造粒法、原料を含有するスラリーを噴霧乾燥する噴霧乾燥法等が挙げられる。
固体状の食器洗い機用洗浄剤の水分含量は、特に限定されず、8質量%以下であることが好ましい。
粉粒状の食器洗い機用洗浄剤の嵩密度は、0.3g/cm以上が好ましく、0.5〜1.2g/cmがより好ましく、0.6〜1.1g/cmがより好ましい。
嵩密度は、JIS−K3362により測定される値である。
粉粒状の食器洗い機用洗浄剤の平均粒子径は、200〜1500μmが好ましく、300〜1200μmがより好ましい。該平均粒子径が好ましい下限値未満では、粉塵が発生しやすく、一方、好ましい上限値を超えると、水に溶解又は分散しにくくなる。
【0041】
本発明において、食器洗い機用洗浄剤の平均粒子径は、目開き1680μm、1410μm、1190μm、1000μm、710μm、500μm、350μm、250μm及び149μmの9段の篩と、受け皿と、を用いた分級操作により測定される。
該分級操作では、受け皿に、目開きの小さな篩から目開きの大きな篩を順に積み重ね、最上部の1680μmの篩の上から100g/回のサンプルを入れ、蓋をしてロータップ型篩い振盪機(株式会社飯田製作所製、タッピング:156回/分、ローリング:290回/分)に取り付け、10分間振動させる。その後、それぞれの篩及び受け皿上に残留したサンプルを篩目ごとに回収して、サンプルの質量を測定する。そして、受け皿と各篩との質量頻度を積算し、積算の質量頻度が50%以上となる最初の篩の目開きを「aμm」とし、aμmよりも一段大きい篩の目開きを「bμm」とする。また、受け皿からaμmの篩までの質量頻度の積算値を「c%」とし、aμmの篩上の質量頻度を「d%」とする。そして、下式(1)により平均粒子径(50質量%粒径)を求め、これを試料の平均粒子径とする。
【0042】
【数1】
【0043】
(使用方法)
本発明の食器洗い機用洗浄剤は、食器洗い機の機種や、食器等の汚れの程度に応じて使用すればよい。
該洗浄剤を用いて食器洗い機により洗浄対象物を洗浄する方法としては、洗浄とすすぎの各工程をいずれも有する方法が挙げられる。
好ましい洗浄方法としては、たとえば、洗浄液を、好ましくは50〜60℃まで2〜3℃/minで昇温しながら、洗浄対象物を洗浄する工程(以下「洗浄工程」という。)と、洗浄後の洗浄対象物を、常温(好ましくは5〜30℃程度)の水道水ですすぐ工程(以下「すすぎ(1)工程」という。)と、常温の水道水を、好ましくは50〜80℃まで2〜3℃/minで昇温しながら、前記すすぎ(1)工程後の洗浄対象物をさらにすすぐ工程(以下「すすぎ(2)工程」という。)とを有する方法が挙げられる。
洗浄工程においては、食器洗い機用洗浄剤の1回の使用量を、水道水約3リットルに対して3〜9gとすることが好ましい。
また、食器洗い機における洗浄液は、(A)成分を2〜300ppm(質量基準)含有することが好ましく、3〜200ppm(質量基準)含有することがより好ましく、10〜100ppm(質量基準)含有することが特に好ましい。
洗浄液中の(A)成分濃度を前記範囲に制御することで、特にプラスチック製容器などの疎水性食器に対する油汚れ等の再汚染が抑制されやすくなる。加えて、油汚れ等に対する洗浄力が高まる。洗浄液中の(A)成分濃度が2ppm(質量基準)未満では、前記の再汚染抑制の効果、又は洗浄力が不充分な場合があり、一方、300ppm(質量基準)を超えると、洗浄中に泡立ちが過剰となる傾向があり、好ましくない。
洗浄工程での洗浄時間は、3〜50分間とすることが好ましく、より好ましくは5〜30分間である。
すすぎ(1)工程でのすすぎ時間は、0.5〜10分間とすることが好ましく、より好ましくは1〜7分間である。
すすぎ(2)工程でのすすぎ時間は、3〜50分間とすることが好ましく、より好ましくは5〜30分間である。
【0044】
以上説明したように、本発明の食器洗い機用洗浄剤組成物は、(A1)成分を採用し、この(A1)成分を(A)成分の総量に対して25質量%以上用いることにより、予備洗いをせずに食器洗い機により食器等の洗浄処理を行った場合でも、低泡性を確保しつつ、ポリプロピレン等の疎水性の素材が使用されている食器(プラスチック製容器など)に対する油汚れ等の再汚染が抑制される。
【0045】
加えて、本発明の食器洗い機用洗浄剤組成物においては、(A1)成分と(B)成分とを併用し、Ea/WA1比を1〜30とすることによって、油/タンパク質複合汚れに対する洗浄力が相乗的に高まり、汚れ除去効果に優れる。さらに、すすぎ時に、油汚れ又はタンパク質汚れの食器等への再付着が起こりにくくなることで、特に疎水性食器に対する油汚れ等の再汚染が大幅に抑制される。
【実施例】
【0046】
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0047】
<食器洗い機用洗浄剤の調製>
表1〜5に示す配合組成に従い、後述の製造方法(未配合の成分がある場合、その成分は配合しない。)により、各例の洗浄剤をそれぞれ調製した。
表中の配合量の単位は「質量%」であり、いずれの成分も純分換算量を示す。
表中、「適量」は、pH調整剤として用いた1N硫酸と1N水酸化ナトリウムとの合計の添加量を示す。
「バランス」は、各例の洗浄剤に含まれる全配合成分の合計の配合量(質量%)が100質量%となるようにその成分(硫酸ナトリウム又はイオン交換水)が配合されていることを意味する。
「(A)成分中の(A1)成分の含有量(質量%)」は、界面活性剤の全質量に対する、そのうち(A1)成分が占める質量の割合を意味する。
「Ea/WA1比」は、洗浄剤中の(A1)成分の含有量WA1(質量%)に対する、洗浄剤1g当たりのプロテアーゼ活性Ea(kPU/g)の割合を意味する。
洗浄剤1g当たりのプロテアーゼ活性Eaは、上述した[洗浄剤1g当たりのプロテアーゼ活性についての測定方法]により測定した。
以下に、表中に示した成分について説明する。
【0048】
・(A1)成分
A1−1:ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド(川研ファインケミカル製、アミゾールCME)、HLB10.3、融点43.7℃。
A1−2:ラウリン酸モノエタノールアミド(合成品)、HLB10.7、融点61.2℃。
A1−3:ポリオキシエチレンミリスチン酸モノエタノールアミド(ミリスチン酸モノエタノールアミドのエチレンオキシド平均1モル付加物、合成品)、HLB8.9、融点50.3℃。
A1−4:ラウリン酸モノイソプロパノールアミド(川研ファインケミカル製、アミゾールPLME−A)、HLB10.3、融点50.6℃。
A1−5:ポリオキシエチレンラウリン酸モノエタノールアミド(ラウリン酸モノエタノールアミドのエチレンオキシド平均1モル付加物、合成品)、HLB10.0、融点51.3℃。
【0049】
・(A2)成分
A2−1:デカン酸モノエタノールアミド(合成品)、HLB12.5、融点53.2℃。
A2−2:ステアリン酸モノエタノールアミド(合成品)、HLB7.5、融点94℃。
A2−3:ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド(川研ファインケミカル製、アミゾールCDE)、HLB12.0、融点5.0℃。
A2−4:C12,13ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(炭素数12のアルコールと炭素数13のアルコールとの混合物に、エチレンオキシド平均3モル及びプロピレンオキシド平均3モルがそれぞれ付加したもの)(ライオン化学製、NNAEP−3030)、HLB4.5。
A2−5:ポリオキシエチレン(5)ラウリルエーテル、エチレンオキシド平均5モル付加物(日本エマルジョン製、エマレックス705)、HLB9.5、融点8.4℃。
A2−6:直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(ライオン株式会社製、ライポンLH−200)を水酸化ナトリウムで中和したもの)。
【0050】
[(A1)成分又は(A2)成分における合成品の合成方法]
A1−2、A2−1、A2−2の合成例:
各脂肪酸メチルエステルとモノエタノールアミンとの反応により合成した。
容量2Lの4つ口フラスコに撹拌器と冷却管とを据え付け、脂肪酸メチルエステルに対してモル比1.05倍量のモノエタノールアミンを仕込み、更に触媒としてナトリウムメチラート(28質量%溶液)を脂肪酸メチルエステル100質量部に対して0.25質量部(純分換算)仕込んだ。
ここに、反応温度100℃、圧力40kPa(減圧下)において、脂肪酸メチルエステルを3時間かけて滴下し、アミド化反応を行った。滴下終了後、1.3kPaに減圧して4時間熟成することにより、脂肪酸モノエタノールアミドA1−2、A2−1、A2−2をそれぞれ得た。
かかる脂肪酸メチルエステルとしては、A1−2を合成する場合にラウリン酸メチルエステル、A2−1を合成する場合にデカン酸メチルエステル、A2−2を合成する場合にステアリン酸メチルエステルを用いた。
【0051】
A1−3、A1−5の合成例:
A1−3については、前記合成例で得られたA2−2の脂肪酸モノエタノールアミド(触媒のナトリウムメチラートをそのまま含む)を2Lオートクレーブに仕込み、反応温度100℃、反応圧力として常圧から0.4MPaまでの条件下で、エチレンオキシドガスを、該脂肪酸モノエタノールアミドに対して1.0モル当量分を1時間かけて吹き込むことで反応を行い、更に系内の圧力が変化しなくなるまで30分間熟成を行うことにより得た。
A1−5については、A2−2の代わりにA1−2を用いた以外は、A1−3の合成方法と同様にして得た。
【0052】
・(B)成分
以下に示す( )内は、各プロテアーゼ1g当たりの活性(単位:kPU/g)である。
B−1:サビナーゼU 16XL、ノボ社製(2000kPU/g)。
B−2:エバラーゼ16L、ノボ社製(1000kPU/g)。
B−3:エバラーゼ8T、ノボ社製(500kPU/g)。
B−4:ピュラフェクトOX6000E、ジェネンコア社製(1000kPU/g)。
尚、各プロテアーゼ1g当たりの活性は、上述した[プロテアーゼ1g当たりの活性についての測定方法]により測定された値を示す。
【0053】
・任意成分
マレイン酸/アクリル酸共重合体のNa塩:株式会社日本触媒製、アクアリックTL400(重量平均分子量50000、有効成分40質量%)。
クエン酸ナトリウム:扶桑化学製、クエン酸ナトリウム。
無水珪酸(トクヤマ社製、トクシールNP)。
硫酸ナトリウム(日本化学株式会社製、中性無水芒硝K2)。
pH調整剤:1N硫酸、1N水酸化ナトリウム。
イオン交換水。
【0054】
[食器洗い機用洗浄剤の製造方法]
(液体状洗浄剤:実施例1〜18、比較例1〜9)
表1〜3の組成に従い、以下のようにして各例の液体状洗浄剤0.8kgをそれぞれ調製した。
まず、容量1Lビーカー内で、マレイン酸/アクリル酸共重合体のNa塩又はクエン酸ナトリウムを、イオン交換水に溶解し、これらの合計量が組成物全体の50質量%となるように水溶液(X)を調製した。
別途、容量1Lビーカー内で、75℃に調整したイオン交換水と、(A1)成分及び/又は(A2)成分とを混合し、これらの合計量が組成物全体の40質量%となるように界面活性剤液を調製した。
次いで、75℃に加温した水溶液(X)を、アジホモミキサー6000rpmで撹拌しながら、75℃に調整した界面活性剤液の全量を加え、その後、30秒間撹拌して混合液を得た。
この混合液を25℃まで冷却した後、1N硫酸又は1N水酸化ナトリウムを用いて組成物のpH(25℃)が9.5になるように調整した。実施例9〜14、16〜18、比較例6〜9においては、pHを調整した後、(B)成分を加えて撹拌した。
次いで、組成物全体が100質量%となるように残りのイオン交換水を加えて撹拌することにより液体状洗浄剤を得た。
組成物のpH(25℃)は、25℃に調整した液体状洗浄剤を、ガラス電極式pHメーター(HM−30G、東亜ディーケーケー株式会社製)を用いて測定した。測定方法は、JIS K3362−1998に準拠して行った。
なお、実施例4は、参考例である。
【0055】
(粉粒状洗浄剤:実施例19〜41、比較例10〜15)
表4、5の組成に従い、以下のようにして各例の粉粒状洗浄剤6kgをそれぞれ調製した。
まず、硫酸ナトリウムをリボンミキサー(株式会社吉田製作所製、リボンミキサー1102−1500型、巾900mm×長さ1800mm×深さ1100mm)に入れ、25rpmで撹拌しながら無水珪酸を添加し、10分間混合した。次いで、(A1)成分又は(A2)成分と、実施例19〜38、40、41、比較例10〜15においては(B)成分を加え、25rpmで10分間混合することにより粉粒状洗浄剤を得た。
【0056】
<食器洗い機用洗浄剤の評価>
各例の洗浄剤について、以下に示す評価方法によって各評価を行い、その結果を表1〜5に併記した。
食器洗い機として、自動食器洗い乾燥機(パナソニック株式会社製、機種NP−40SX2)を用いた。各評価において、洗浄処理は、該自動食器洗い乾燥機に設定されている標準コースで運転することにより行った。該標準コースの内容を以下に示す。
標準コース:
該自動食器洗い乾燥機に、洗浄剤を、水道水3Lに対して表に記載の使用量を投入した後、水道水が庫内に導入されて洗浄液が調製され、常温から55℃まで2〜3℃/minで昇温しながら20分間洗浄処理が施される。その後、常温の水道水によるすすぎ3回(2分間/回)が行われ、次いで、水道水を常温から70℃まで2〜3℃/minで昇温しながらすすぎ(最終すすぎ)20分間が行われた後、温風を循環させながら食器等の乾燥が行われる。
表中に、洗浄剤が水道水に溶解してなる洗浄液中の(A)成分濃度(ppm,質量基準)を示した。
【0057】
[低泡性の評価]
前記自動食器洗い乾燥機に洗浄剤6gを投入し、前記標準コースにて運転を行った。
洗浄開始から水温が55℃に達した時点で運転を止めると同時に扉を開け、その15秒後に庫内の泡立ちを測定した。
その際、庫内の3箇所をランダムに選択し、物さしで該箇所の泡高(mm)をそれぞれ測定し、これらの平均値を求めた。この泡高が10mm以下であれば合格とした。
【0058】
[再汚染防止性の評価]
牛脂8gを載せた直径21cm陶器皿2枚と、レトルトカレー(ボンカレーゴールド21辛口)8gを載せた直径15cm陶器皿2枚とを用意し、これらをモデル汚垢とした(尚、該モデル汚垢の汚れ量は、予備洗いをした場合に残留する汚れ量の8倍の量である)。
また、洗浄処理前に油付着の無いことを確認した、紺色のポリプロピレン(PP)製弁当箱(縦110mm、横170mm、高さ35mm)1個を用意した。
そして、前記自動食器洗い乾燥機に、前記モデル汚垢(各陶器皿2枚ずつ)と、前記PP製弁当箱1個とを収納し、前記標準コースにて運転を行い、洗浄処理を施した。かかる洗浄処理を3回行った。
洗浄処理後(乾燥後)のPP製弁当箱を、目視及び手で触れることにより油付着の程度を観察し、下記の評価基準に基づいて、再汚染防止性について評価した。
該評価3回の評価点を平均し、平均値が3.0点以上であれば合格とした。
(評価基準)
4点:目視で油の付着が認められず、指で触ったときにも油の付着した感触が全くない。
3点:目視で油の付着は認められないが、指で触ったときに油の付着した感触が極僅かに感じられる。
2点:目視で油の付着が極僅かに認められ、指で触ったときにも油の付着した感触が感じられる。
1点:目視で油の付着が明らかに認められ、指で触ったときにも明らかに油の付着が感じられる。
【0059】
[油/タンパク質複合汚れに対する洗浄力の評価]
日清オイリオ製サラダ油20gを引いて加熱した、直径25cmのフライパン上に、鶏卵Mサイズ2個を割って半熟目玉焼き2つを調理した。
前記半熟目玉焼き2つを、直径12cmの黒色陶器皿に載せ、ナイフ及びフォークを使って卵黄部分を割り、該黒色陶器皿上でサラダ油と半熟目玉焼きとを混合した後、2時間室温に放置することで、油とタンパク質とが混合した汚れ(油/タンパク質複合汚れ)を調製した。
この油/タンパク質複合汚れを8分割し、それぞれの汚れによって直径6cmの黒色小皿を汚染させ、油/タンパク質複合汚れが付着した黒色小皿8枚を作製した(尚、該黒色小皿に付着した油/タンパク質複合汚れの汚れ量は、予備洗いをした場合に残留する汚れ量の10倍の量である)。
次いで、自動食器洗い乾燥機1台に、該8枚の油/タンパク質複合汚れが付着した黒色小皿を収納し、前記標準コースにて運転を行い、洗浄処理を施した。
洗浄処理後(乾燥後)の黒色小皿の外観を、目視により観察し、下記の評価基準に基づいて、油/タンパク質複合汚れに対する洗浄力について評価した。
黒色小皿8枚の評価点を平均し、平均値が3.0点以上であれば合格とした。
(評価基準)
4点:黒色小皿に付着していた油及び卵汚れが両方ともにすっきり除去されており、水滴跡も認められない。
3点:黒色小皿に付着していた油及び卵汚れが両方ともにすっきり落ちているが、水滴跡が極僅かに認められる。
2点:黒色小皿に付着していた油及び卵汚れの残留が極僅かに認められ、水滴跡も認められる。
1点:黒色小皿に付着していた油及び卵汚れの残留が明らかに認められ、水滴跡も著しく認められる。
【0060】
【表1】
【0061】
表1に示す結果から、本発明を適用した実施例1〜8の洗浄剤はいずれも、低泡性を確保しつつ、洗浄対象物に対する油汚れ等の再汚染が抑制されていることが分かる。
【0062】
【表2】
【0063】
【表3】
【0064】
【表4】
【0065】
【表5】
【0066】
表2〜5に示す結果から、本発明を適用した実施例9〜41の洗浄剤はいずれも、低泡性を確保しつつ、油/タンパク質複合汚れに対して優れた洗浄力を有するとともに、洗浄対象物に対する油汚れ等の再汚染が抑制されていることが分かる。