特許第6188247号(P6188247)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6188247
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】温感発泡性外用剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/365 20060101AFI20170821BHJP
   A61K 8/02 20060101ALI20170821BHJP
   A61K 8/67 20060101ALI20170821BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20170821BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20170821BHJP
   A61K 8/39 20060101ALI20170821BHJP
   A61K 8/19 20060101ALI20170821BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20170821BHJP
   A61K 8/73 20060101ALI20170821BHJP
   A61K 8/65 20060101ALI20170821BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20170821BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20170821BHJP
   A61Q 1/00 20060101ALI20170821BHJP
   A61Q 5/00 20060101ALI20170821BHJP
【FI】
   A61K8/365
   A61K8/02
   A61K8/67
   A61K8/37
   A61K8/34
   A61K8/39
   A61K8/19
   A61K8/81
   A61K8/73
   A61K8/65
   A61Q19/00
   A61Q19/10
   A61Q1/00
   A61Q5/00
【請求項の数】9
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-171608(P2015-171608)
(22)【出願日】2015年9月1日
(65)【公開番号】特開2017-48134(P2017-48134A)
(43)【公開日】2017年3月9日
【審査請求日】2017年4月12日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】501304836
【氏名又は名称】ホシケミカルズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136560
【弁理士】
【氏名又は名称】森 俊晴
(72)【発明者】
【氏名】原 健治
【審査官】 松本 直子
(56)【参考文献】
【文献】 特許第6053204(JP,B2)
【文献】 特開2013−209331(JP,A)
【文献】 特開2005−89357(JP,A)
【文献】 特開2007−197332(JP,A)
【文献】 特開2006−219465(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00− 8/99
A61Q 1/00− 90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)酸性非水液状組成物と、(B)塩基性組成物を含有する含水液状組成物とを有し、前記(A)酸性非水液状組成物と前記(B)含水液状組成物を混合して使用する発泡性外用剤であって、
前記(A)酸性非水液状組成物が、
(a1)リンゴ酸およびアスコルビン酸よりなる群から選ばれる1種以上と、
(a2)ポリオールと、
(a3)ゲル化剤または増粘剤と、
を有し、
前記(a3)ゲル化剤または増粘剤が、
グリセリンまたは平均重合度2以上のグリセリンの縮合物と、炭素数18〜28の直鎖状飽和脂肪酸と、炭素数20〜28の脂肪族飽和二塩基酸とのエステル化生成物
であることを特徴とする温感発泡性外用剤。
【請求項2】
前記(B)含水液状組成物が、
(b1)塩基性組成物と、
(b2)ポリオールと、
(b3)増粘剤と、
(b4)水と、
を有する請求項1記載の温感発泡性外用剤。
【請求項3】
前記(A)酸性非水液状組成物が、
(a1)リンゴ酸と、
(a2)ポリオールと、
(a3)ゲル化剤または増粘剤と、
を有し、
前記(a3)ゲル化剤または増粘剤が、
グリセリンまたは平均重合度2以上のグリセリンの縮合物と、炭素数18〜28の直鎖状飽和脂肪酸と、炭素数20〜28の脂肪族飽和二塩基酸とのエステル化生成物
である請求項1または2記載の温感発泡性外用剤。
【請求項4】
前記(A)酸性非水液状組成物と前記(B)含水液状組成物を質量比で1:5〜5:1で混合して使用する請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の温感発泡性外用剤。
【請求項5】
前記(a2)ポリオールが、
ジグリセリン、1,3−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、プロピレングリコール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ヘキシレングリコール、ポリグリセリン、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール・プロピレングリコール共重合体、およびそれらの重合体よりなる群から選ばれる1種以上である請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の温感発泡性外用剤。
【請求項6】
前記(b1)塩基性組成物が、
炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸アンモニウムおよび炭酸水素アンモニウムよりなる群から選ばれる1種以上である請求項2〜5のうちいずれか一項に記載の温感発泡性外用剤。
【請求項7】
前記(b2)ポリオールが、
ジグリセリン、1,3−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、プロピレングリコール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ヘキシレングリコール、ポリグリセリン、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール・プロピレングリコール共重合体、およびそれらの重合体よりなる群から選ばれる1種以上である請求項2〜6のうちいずれか一項に記載の温感発泡性外用剤。
【請求項8】
前記(b3)増粘剤が、
カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体、カラギーナン、ペクチン、コラーゲンおよびカルボキシメチルデンプンよりなる群から選ばれる1種以上である請求項2〜7のうちいずれか一項に記載の温感発泡性外用剤。
【請求項9】
前記(B)含水液状組成物が、(b5)油性成分を有する請求項2〜8のうちいずれか一項に記載の温感発泡性外用剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発泡性外用剤に関し、特に、簡単に二酸化炭素を発泡させるとともに、温感効果が良好で、さらに二酸化炭素の発泡量が多く、泡の持続性の高い発泡性外用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、二酸化炭素(炭酸ガス)は、皮膚から吸収されて毛細血管を拡張させ、血行をよくすることが知られている。具体的には、二酸化炭素が皮膚からしみ込んで毛細血管や細い動脈を広げ、さらに大動脈や大静脈の血管も広げて心臓に負担をかけずに血液循環をよくすることができる。そのため、代謝がよくなり、さらには、疲労がとれやすくなったり、あるいは筋肉痛や傷がはやく治りやすくなるなどの効果がある。
【0003】
その結果、炭酸ガスを配合した化粧料、あるいはお湯に入れると炭酸ガスを発泡する入浴剤、さらには、2剤以上の剤を混合することで炭酸ガスを発泡させる使用時調製の外用剤等が、多数開発されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、炭酸塩と酸性成分とを含有する非水性の化粧料用の組成物と、水を含有する化粧料用の組成物の少なくとも2種の独立した組成物を、直前に混合する化粧料が開示され、特許文献2には、水、増粘剤及び炭酸塩を含有する塩基性組成物と、顆粒剤である二酸化炭素発生補助剤(I)とからなる二酸化炭素経皮・経粘膜吸収用組成物の製造キットが開示され、さらに、特許文献3には、水分の存在下においてその共存により炭酸ガスが発泡する塩基性化合物及び酸性化合物を含み、20℃における粘度が4000mPa・s以上であり、かつ実質的に非水系であるゲル状発泡性皮膚用化粧料が開示されている。
【0005】
また、特許文献4には、疎水化変性アルキルセルロースを必須成分とする発泡型皮膚外用剤が開示され、特許文献5には、(A)炭酸塩又は炭酸水素塩を含有する非水液状組成物と、(B)酸性非水液状組成物とを含有し、使用時に当該組成物(A)と組成物(B)を混合し、水を供給して使用する二酸化炭素供給皮膚化粧料が開示されている。
【0006】
さらに、特許文献6には、(1)第1剤:炭酸塩を含む液状又は粘性の組成物と第2剤:緩衝液を含む液状又は粘性の組成物等を含有し、少なくとも1つの剤が増粘剤を含有する含水粘性組成物作成用剤が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−297008号公報
【特許文献2】特許第5164438号公報
【特許文献3】特開2005−194233号公報
【特許文献4】国際公開第2011/162421号公報
【特許文献5】特開2005−89357号公報
【特許文献6】特開2013−63944号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1〜3に記載されている技術は、いずれも酸性組成物としてクエン酸を主として使用するものであり、酸性組成物の種類による温感効果について言及するものではなかった。また、特許文献4〜6に記載されている技術は、酸性組成物として種々のものを使用しているものの、酸性組成物の種類による温感効果について言及するものではなかった。
【0009】
特許文献1、2および4に記載されている技術は、いずれも顆粒状または粉状等の固形物として炭酸塩や酸性組成物を使用するもので、含水液状組成物と固形物を混合して二酸化炭素を発泡させるものであるため、固形物が含水液状組成物に溶解しにくく簡単に二酸化炭素を発泡させることができず、二酸化炭素の発泡量も少なく泡の持続性もよくないため、酸性組成物の種類による温感効果の差を認識できる技術ではなかった。
【0010】
また、特許文献3および5に記載されている技術は、非水液状組成物を混合するものではあるが、酸性組成物を含む剤と塩基性組成物を含む剤がともに非水液状組成物であり、二酸化炭素を発泡させるためには混合後に水を添加する必要があるため、水の添加方法、混合方法、添加量等により温感効果が異なるため、温感効果の差を認識できず、さらに簡単に二酸化炭素を発泡させることができないものであった。
【0011】
さらにまた、特許文献6に記載されている技術は、酸性組成物を含む剤と塩基性組成物を含む剤がともに含水液状組成物であるため簡単に二酸化炭素を発泡させることができるものの、2剤とも含水液状組成物であるため、酸性組成物の種類による温感効果の差を認識できる技術ではなかった。
【0012】
以上のように、特許文献1〜6記載の技術は、二酸化炭素の発泡による効果のみ着目している。そのため、二酸化炭素の発泡による血流量の変化等は考慮しているものの、酸性組成物による温感効果にはまったく検討されていないのが、現状である。
【0013】
そこで、本発明の目的は、前記の従来技術の問題点を解決し、簡単に二酸化炭素を発泡させるとともに、温感効果が良好で、さらに二酸化炭素の発泡量が多く、泡の持続性の高い発泡性外用剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、特定の酸性組成物を含む剤のみを有する非水液状組成物とすることによって、前記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0015】
即ち、本発明の温感発泡性外用剤は、(A)酸性非水液状組成物と、(B)塩基性組成物を含有する含水液状組成物とを有し、前記(A)酸性非水液状組成物と前記(B)含水液状組成物を混合して使用する発泡性外用剤であって、
前記(A)酸性非水液状組成物が、
(a1)リンゴ酸およびアスコルビン酸よりなる群から選ばれる1種以上と、
(a2)ポリオールと、
(a3)ゲル化剤または増粘剤と、
を有し、
前記(a3)ゲル化剤または増粘剤が、
グリセリンまたは平均重合度2以上のグリセリンの縮合物と、炭素数18〜28の直鎖状飽和脂肪酸と、炭素数20〜28の脂肪族飽和二塩基酸とのエステル化生成物
であることを特徴とするものである。
【0016】
また、本発明の発泡性外用剤は、前記(a1)が、リンゴ酸であることが好ましく、前記(A)酸性非水液状組成物と前記(B)含水液状組成物を質量比で1:5〜5:1で混合して使用することが好ましい。
【0017】
さらに、本発明の発泡性外用剤は、前記(a2)ポリオールが、ジグリセリン、1,3−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、プロピレングリコール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ヘキシレングリコール、ポリグリセリン、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール・プロピレングリコール共重合体、およびそれらの重合体よりなる群から選ばれる1種以上であることが好ましく、前記(a3)ゲル化剤または増粘剤が、グリセリンまたは平均重合度2以上のグリセリンの縮合物と、炭素数18〜28の直鎖状飽和脂肪酸と、炭素数20〜28の脂肪族飽和二塩基酸とのエステル化生成物であることが好ましい。
【0018】
また、本発明の発泡性外用剤は、前記(B)含水液状組成物が、(b1)塩基性組成物と、(b2)ポリオールと、(b3)増粘剤と、(b4)水と、を有することが好ましい。
【0019】
さらに、本発明の発泡性外用剤は、前記(b1)塩基性組成物が、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸アンモニウムおよび炭酸水素アンモニウムよりなる群から選ばれる1種以上であることが好ましく、前記(b2)ポリオールが、ジグリセリン、1,3−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、プロピレングリコール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ヘキシレングリコール、ポリグリセリン、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール・プロピレングリコール共重合体、およびそれらの重合体よりなる群から選ばれる1種以上であることが好ましく、前記(b3)増粘剤が、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体、カラギーナン、ペクチン、コラーゲンおよびカルボキシメチルデンプンよりなる群から選ばれる1種以上であることが好ましい。
【0020】
さらにまた、本発明の発泡性外用剤は、前記(B)含水液状組成物が、(b5)油性成分を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によると、簡単に二酸化炭素を発泡させるとともに、温感効果が良好で、さらに二酸化炭素の発泡量が多く、泡の持続性の高い発泡性外用剤を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の温感発泡性外用剤について具体的に説明する。
本発明の温感発泡性外用剤は、(A)酸性非水液状組成物と、(B)塩基性組成物を含有する含水液状組成物とを有し、前記(A)酸性非水液状組成物と前記(B)含水液状組成物を混合して使用する発泡性外用剤であって、前記(A)酸性非水液状組成物が、(a1)リンゴ酸およびアスコルビン酸よりなる群から選ばれる1種以上と、(a2)ポリオールと、(a3)ゲル化剤または増粘剤と、を有し、前記(a3)ゲル化剤または増粘剤が、グリセリンまたは平均重合度2以上のグリセリンの縮合物と、炭素数18〜28の直鎖状飽和脂肪酸と、炭素数20〜28の脂肪族飽和二塩基酸とのエステル化生成物であることを特徴とするものである。酸性組成物としてリンゴ酸およびアスコルビン酸よりなる群から選ばれる1種以上を使用することで、クエン酸等の他の酸性組成物では得られない良好な温感効果を得ることができる。また、酸性組成物を含む剤を非水液状組成物とし塩基性組成物を含む剤を含水液状組成物とすることで、前記(A)酸性非水液状組成物および前記(B)含水液状組成物の混合前の二酸化炭素の発泡を抑制でき、さらに2剤とも液状の組成物であるため、簡単に二酸化炭素を発泡させるとともに二酸化炭素の発泡量を多くすることができる。さらに、酸性組成物を含む剤を非水液状組成物とすることで泡の持続性の高い発泡性外用剤とすることができる。ここで、非水液状とは、例えば、後述するポリオール等を含むことにより不可避的に水が微量含まれる場合や、使用される各成分に不可避的に微量な水分等が含まれる場合までをも除く意ではなく、通常、外用剤中に各々1質量%以下、特に0.1質量% 以下、さらには0.01質量%以下の水を含む場合も含む意である。また、前記(a1)がリンゴ酸およびアスコルビン酸よりなる群から選ばれる1種以上のみであることが好ましいが、本発明の効果を損なわない範囲で、他の酸性組成物を配合していてもよい。
【0023】
また、前記(A)酸性非水液状組成物中の前記(a1)リンゴ酸およびアスコルビン酸よりなる群から選ばれる1種以上、前記(a2)ポリオール、および前記(a3)ゲル化剤または増粘剤の配合量は、本発明の効果が得られれば特に限定されないが、前記(A)酸性非水液状組成物中、前記(a1)リンゴ酸およびアスコルビン酸よりなる群から選ばれる1種以上が1〜10質量%、前記(a2)ポリオールが60〜95質量%、および前記(a3)ゲル化剤または増粘剤が1〜15質量%であることが好ましく、前記(A)酸性非水液状組成物中、前記(a1)リンゴ酸およびアスコルビン酸よりなる群から選ばれる1種以上が2〜8質量%、前記(a2)ポリオールが75〜90質量%、および前記(a3)ゲル化剤または増粘剤が3〜8質量%であることがより好ましい。配合量をかかる範囲とすることで、さらにより容易に酸性非水液状組成物を作製することができ、十分な温感効果を得ることができる。
【0024】
また、本発明は、前記(a1)がリンゴ酸であることが好ましい。前記(a1)としてリンゴ酸を主成分として配合することで、前記(A)酸性非水液状組成物と前記(B)含水液状組成物を混合して使用する際に、クエン酸等では得られない温感効果をより顕著に得ることができる。なお、前記(a1)がリンゴ酸のみであることが好ましいが、本発明の効果を損なわない範囲で、他の酸性組成物を配合していてもよい。
【0025】
さらに、本発明の発泡性外用剤は、前記(A)酸性非水液状組成物と前記(B)含水液状組成物を1:5〜5:1で混合して使用することが好ましく、1:3〜3:1で混合して使用することがさらに好ましく、1:2〜2:1で混合して使用することがさらにより好ましく、1:1で混合して使用することが最も好ましい。かかる範囲とすることにより、前記(A)酸性非水液状組成物と前記(B)含水液状組成物の混合のバランスがよくなるためより混合しやすく、さらに二酸化炭素の発泡量を多くすることができる。
【0026】
さらにまた、本発明において、前記(a2)ポリオールとしては、水酸基を複数有し、本発明の効果を得られるものであれば特に限定されないが、ジグリセリン、1,3−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、プロピレングリコール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ヘキシレングリコール、ポリグリセリン、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール・プロピレングリコール共重合体、およびそれらの重合体よりなる群から選ばれる1種以上であることが好ましく、ジグリセリン、1,3−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオールおよびポリエチレングリコールよりなる群から選ばれる1種以上であることがより好ましい。これにより、より容易に酸性非水液状組成物を作製することができる。また、特に、グリセリンを使用しないことで、より低刺激とすることができる。
【0027】
本発明において、ポリエチレングリコールとしては液状であることが求められるが、固形状のポリエチレングリコールを他の溶媒等に溶解することにより室温で液状を保てれば、使用できる。そのため、ポリエチレングリコールとしては、例えば、三洋化成工業株式会社製のマクロゴール200(商品名)、マクロゴール400(商品名)を挙げることができるが、三洋化成工業株式会社製のマクロゴール1500(商品名)、マクロゴール4000(商品名)、マクロゴール6000(商品名)、マクロゴール20000をマクロゴール200(商品名)、マクロゴール400(商品名)等に溶解して室温で液状にして使用することもできる。
【0028】
また、前記(a3)ゲル化剤または増粘剤としては、本発明の効果を得られるものであれば特に限定されないが、グリセリンまたは平均重合度2以上のグリセリンの縮合物と、炭素数18〜28の直鎖状飽和脂肪酸と、炭素数20〜28の脂肪族飽和二塩基酸とのエステル化生成物であることが好ましい。かかるエステル化生成物としては、例えば、(ベヘン酸/エイコサン二酸)ポリグリセリル−10、(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル、トリ(ベヘン酸/イソステアリン酸/エイコサン二酸)グリセリル等を挙げることができ、中でも(ベヘン酸/エイコサン二酸)ポリグリセリル−10がより好ましい。
【0029】
本発明において、前記(a3)ゲル化剤または増粘剤としては、例えば、日清オイリオグループ株式会社製のノムコートHK−P(商品名)、ノムコートHK−G(商品名)、ノムコートSG(商品名)等を挙げることができる。
【0030】
また、本発明において、前記(A)酸性非水液状組成物のpHが、2.0〜5.5であることが好ましい。特に、前記(a1)無水酸性の組成物としてリンゴ酸を使用した場合は、2.0〜3.5であることが好ましく、2.5〜3.0あることがより好ましく、アスコルビン酸を使用した場合は、3.5〜5.5であることが好ましく、4.0〜5.0あることがより好ましい。pHをかかる範囲とすることで、より簡単に二酸化炭素を発泡させることができる。なお、本発明において、pHの測定は、25℃にて、pHメーター(D−51型番:堀場製作所社製)を用いて直接サンプルを測定した。
【0031】
また、本発明において、前記(B)含水液状組成物としては、塩基性組成物を含み、含水の液状であれば特に限定されないが、(b1)塩基性組成物と、(b2)ポリオールと、(b3)増粘剤と、(b4)水と、を有することが好ましい。(b2)ポリオールを含むことにより前記(A)酸性非水液状組成物との相溶性がよくなるため、より混合しやすくなる。さらに、(b3)増粘剤を含むことで、二酸化炭素発泡後の状態を維持でき、より泡の持続性を高めることができる。
【0032】
さらに、前記(B)含水液状組成物中の前記(b1)塩基性組成物、前記(b2)ポリオール、前記(b3)増粘剤、前記(b4)水の配合量は、本発明の効果が得られれば特に限定されないが、前記(B)含水液状組成物中、前記(b1)塩基性組成物が1〜10質量%、前記(b2)ポリオールが1〜15質量%、前記(b3)増粘剤が1〜10質量%、前記(b4)水が50〜97質量%であることが好ましく、前記(B)含水液状組成物中、前記(b1)塩基性組成物が2〜7質量%、前記(b2)ポリオールが2〜10質量%、前記(b3)増粘剤が2〜7質量%、前記(b4)水が70〜90質量%であることがより好ましい。配合量をかかる範囲とすることで、さらにより容易に含水液状組成物を作製することができる。
【0033】
また、前記(b1)塩基性組成物としては、前記(A)酸性非水液状組成物と混合することにより二酸化炭素を発泡し、本発明の効果を得られるものであれば特に限定されないが、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸アンモニウムおよび炭酸水素アンモニウムよりなる群から選ばれる1種以上であることが好ましく、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムおよび炭酸水素カリウムよりなる群から選ばれる1種以上であることがより好ましく、炭酸水素ナトリウムであることがさらにより好ましい。これにより、より簡単に二酸化炭素を発泡させることができる。
【0034】
さらに、前記(b2)ポリオールとしては、水酸基を複数有し、本発明の効果を得られるものであれば特に限定されないが、ジグリセリン、1,3−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、プロピレングリコール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ヘキシレングリコール、ポリグリセリン、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール・プロピレングリコール共重合体、およびそれらの重合体よりなる群から選ばれる1種以上であることが好ましく、ジグリセリン、1,2−ペンタンジオールおよび1,3−ブチレングリコールよりなる群から選ばれる1種以上であることがより好ましい。これにより、より前記(A)酸性非水液状組成物との相溶性を良好にして、より混合しやすくことができる。また、特に、グリセリンを使用しないことで、より低刺激とすることができる。
【0035】
さらにまた、前記(b3)増粘剤としては、前記(B)含水液状組成物の粘度を維持でき、本発明の効果を得られるものであれば特に限定されないが、例えば、アクリレーツコポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸(昆布類粘質物)、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、カラギーナン(カラゲニン、カラゲナン)、キサンタンガム(ザンサンガム)、熱処理キサンタンガム、クインスシードガム、ローカストビーンガム(カロブビーンガム、イナゴマメガム)、ポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸ソーダ、ポリアクリル酸グリセリンエステル、ポリビニルピロリドン、プルラン、デキストラン、カードラン、脱アシル型ジェランガム、ネイティブ型ジェランガム、マクロホモプシスガム、納豆菌ガム(納豆菌粘質物)、スクレロガム(スクレログルカン)、ラムザンガム、ウェランガム(ウェラン多糖類)、レバン、アグロバクテリウムスクシノグリカン、アゾトバクタービネランジーガム(アゾトバクタービネランジー多糖類)、アウレオバシジウム培養液、酵母細胞壁(酵母細胞膜)、β−グルカン(β1,3−グルカン、β1,3/1,6グルカン)、グァーガム(グァーフラワー、グァルガム)、グァーガム酵素分解物(グァーフラワー酵素分解物、グァルガム酵素分解物)、熱処理ローカストビーンガム、タラガム、タマリンドシードガム(タマリンドガム、タマリンド種子多糖類)、セスバニアガム、カシアガム(カッシャガム)、アマシードガム、ダンマル樹脂、サバクヨモギシードガム(アルテミシアシードガム、サバクヨモギ種子多糖類)、トリアカンソスガム、サイリウムシードガム(サイリウムハスク)、アラビアガム(アカシアガム)、アラビノガラクタン、ガティガム(インディアンガム)、トラガントガム、カラヤガム、アーモンドガム(セドウガム)、エレミ樹脂、モモ樹脂、ファーセレラン、加工ユーケマ藻類、寒天、易溶化寒天、寒天部分分解物、アガロース、褐藻抽出物(褐藻粘質物)、フコイダン、フクロノリ抽出物(フクロノリ多糖類、フクロフノリ多糖類、フクロフノリ抽出物)、LMペクチン、HMペクチン、シュガービートペクチン、熱処理シュガービートペクチン、ポリガラクツロン酸、アロエベラ抽出物、オクラ抽出物、キダチアロエ抽出物、トロロアオイ、ダイズ多糖類(ダイズヘミセルロース)、キチン、キトサン、オリゴグルコサミン(キトサンオリゴ糖)、グルコサミン、コンニャク粉、グルコマンナン(コンニャクイモ抽出物)、セルロース、海藻セルロース、サツマイモセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム(繊維素グリコール酸ナトリウム)、カルボキシメチルセルロースカルシウム(繊維素グリコール酸カルシウム)、発酵セルロース(醸造セルロース、ナタデココ)、微小繊維状セルロース、デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム、ヒドロキシプロピルデンプン、ヒドロキシプロピルリン酸架橋デンプン、アセチル化アジピン酸架橋デンプン、アセチル化リン酸化架橋デンプン、アセチル化酸化デンプン、酸化デンプン、リン酸モノエステル化リン酸架橋デンプン、リン酸化デンプン、リン酸架橋デンプンカルボキシメチルデンプン、カチオンデンプン、酢酸デンプン、オクテニルコハク酸デンプン、オクテニルコハク酸デンプンナトリウム、リン酸デンプン、リン酸ジデンプン、グリセロールジデンプン、グラフト化デンプン、ブリティッシュガム、可溶性デンプン、未変性アルファ化デンプン、変性アルファ化デンプン、滅菌乾燥デンプン、粒状デンプン、吸油性デンプン、デキストリン、白色デキストリン、黄色デキストリン、ブリティッシュガム、マルトデキストリン、クラスターデキストリン、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、グリコーゲン、ポリアクリル酸ナトリウム、ムチン、ヒアルロン酸、ポリグルタミン酸等を挙げることができるが、アクリレーツコポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ソーダ、アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体、カラギーナン、ペクチン、コラーゲン、カルボキシメチルデンプンキサンタンガム、クインスシードガム、ローカストビーンガム、ポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸ソーダ、ポリアクリル酸グリセリンエステルおよびポリビニルピロリドン等が好ましく、中でもカルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体、カラギーナン、ペクチン、コラーゲンおよびカルボキシメチルデンプンよりなる群から選ばれる1種以上であることがより好ましく、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースよりなる群から選ばれる1種以上であることがさらにより好ましく、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロースおよびヒドロキシエチルセルロースよりなる群から選ばれる1種以上であることがさらに最も好ましい。これにより、二酸化炭素発泡後の状態を維持でき、より泡の持続性を高めることができる。
【0036】
本発明において、ヒドロキシエチルセルロースとしては、例えば、ダイセルファインケム株式会社製のHEC−SE400(商品名)、HEC−SE500(商品名)、HEC−SE600(商品名)、HEC−SE850(商品名)、HEC−SE900(商品名)、HEC−EE820(商品名)等を挙げることができ、カルボキシメチルセルロースとしては、例えば、ダイセルファインケム株式会社製のCMC−1110(商品名)、CMC−1120(商品名)、CMC−1130(商品名)、CMC−1140(商品名)、CMC−1150(商品名)、CMC−1160(商品名)、CMC−1170(商品名)、CMC−1180(商品名)、CMC−1190(商品名)、CMC−1220(商品名)、CMC−1230(商品名)、CMC−1240(商品名)、CMC−1250(商品名)、CMC−1260(商品名)、CMC−1330(商品名)、CMC−1350(商品名)、CMC−1380(商品名)、CMC−1390(商品名)、CMC−2200(商品名)、CMC−2260(商品名)、CMC−2280(商品名)、CMC−2450(商品名)等を挙げることができる。
【0037】
また、前記(b4)水としては、通常、外用剤に使用できるものであれば限定されず、精製水等を使用することができる。
【0038】
さらに、本発明の発泡性外用剤は、前記(B)含水液状組成物が、(b5)油性成分を有することが好ましい。かかる(b5)油性成分としては、本発明の効果を得られるものであれば特に限定されないが、例えば、流動パラフィン(ミネラルオイル)、重質流動イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、α−オレフィンオリゴマー、ポリイソブテン、水添ポリイソブテン、ポリブテン、スクワラン、オリーブ由来スクワラン、スクワレン、ワセリン、固型パラフィン等の炭化水素類、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ろう、みつろう、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス、エチレン・プロピレンコポリマー等のワックス類、ヤシ油、パーム油、パーム核油、サフラワー油、オリーブ油、ヒマシ油、アボカド油、ゴマ油、茶油、月見草油、小麦胚芽油、マカデミアナッツ油、ヘーゼルナッツ油、ククイナッツ油、ローズヒップ油、メドウフォーム油、パーシック油、ティートリー油、ハッカ油、トウモロコシ油、ナタネ油、ヒマワリ油、小麦胚芽油、アマニ油、綿実油、大豆油、落花生油、コメヌカ油、カカオ脂、シア脂、水素添加ヤシ油、水素添加ヒマシ油、ホホバ油、水素添加ホホバ油等の植物油脂類、牛脂、乳脂、馬脂、卵黄油、ミンク油、タートル油等の動物性油脂類、鯨ロウ、ラノリン、オレンジラッフィー油等の動物性ロウ類、液状ラノリン、還元ラノリン、吸着精製ラノリン、酢酸ラノリン、酢酸液状ラノリン、ヒドロキシラノリン、ポリオキシエチレンラノリン、ラノリン脂肪酸、硬質ラノリン脂肪酸、ラノリンアルコール、酢酸ラノリンアルコール、酢酸(セチル・ラノリル)エステル等のラノリン類、レシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴミエリン等のスフィンゴリン脂質、ホスファチジン酸、リゾレシチン等のリン脂質類、水素添加大豆リン脂質、部分水素添加大豆リン脂質、水素添加卵黄リン脂質、部分水素添加卵黄リン脂質等のリン脂質誘導体類、コレステロール、ジヒドロコレステロール、ラノステロール、ジヒドロラノステロール、フィトステロール、コール酸等のステロール類、サポゲニン類、サポニン類、酢酸コレステリル、ノナン酸コレステリル、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、オレイン酸コレステリル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル/ベヘニル/オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル/オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル/ベヘニル/オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、N−ラウロイルサルコシンイソプロピル等のアシルサルコシンアルキルエステル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、マカデミアナッツ油脂肪酸コレステリル、マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル、イソステアリン酸フィトステリル、軟質ラノリン脂肪酸コレステリル、硬質ラノリン脂肪酸コレステリル、長鎖分岐脂肪酸コレステリル、長鎖α−ヒドロキシ脂肪酸コレステリル等のステロールエステル類、リン脂質・コレステロール複合体、リン脂質・フィトステロール複合体等の脂質複合体、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸ヘキシルデシル、イソステアリン酸オクチルドデシル、パリミチン酸セチル、パルミチン酸オクチルドデシル、オクタン酸セチル、オクタン酸ヘキシルデシル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸オクチル、イソノナン酸イソトリデシル、ネオペンタン酸イソデシル、ネオペンタン酸イソトリデシル、ネオペンタン酸イソステアリル、ネオデカン酸オクチルドデシル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、リシノレイン酸オクチルドデシル、ラノリン脂肪酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、エルカ酸オクチルドデシル、イソステアリン酸硬化ヒマシ油、オレイン酸エチル、アボカド油脂肪酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、イソステアリン酸イソプロピル、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸メチルヘプチル、ミリスチン酸メチルヘプチル、パルミチン酸メチルヘプチル、イソステアリン酸メチルヘプチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジブチルオクチル、アジピン酸ジイソブチル、コハク酸ジオクチル、クエン酸トリエチル等のモノアルコールカルボン酸エステル類、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、モノイソステアリン酸水添ヒマシ油、γ−エルカラクトン等のオキシ酸エステル類、トリオクタン酸グリセリル、トリオレイン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸/ミリスチン酸/ステアリン酸)グリセリル、水添ロジントリグリセリド(水素添加エステルガム)、ロジントリグリセリド(エステルガム)、ベヘン酸エイコサン二酸グリセリル、トリオクタン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジオクタン酸2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、ジオレイン酸プロピレングリコール、テトラオクタン酸ペンタエリスリチル、水素添加ロジンペンタエリスリチル、トリエチルヘキサン酸ジトリメチロールプロパン、(イソステアリン酸/セバシン酸)ジトリメチロールプロパン、トリエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル、(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、テトライソステアリン酸ポリグリセリル、ノナイソステアリン酸ポリグリセリル−10、デカ(エルカ酸/イソステアリン酸/リシノレイン酸)ポリグリセリル−8、(ヘキシルデカン酸/セバシン酸)ジグリセリルオリゴエステル、ジステアリン酸グリコール(ジステアリン酸エチレングリコール)、ジネオペンタン酸3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジネオペンタン酸2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール等の多価アルコール脂肪酸エステル類、ダイマージリノール酸ジイソプロピル、ダイマージリノール酸ジイソステアリル、ダイマージリノール酸ジ(イソステアリル/フィトステリル)、ダイマージリノール酸(フィトステリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイル、ジイソステアリン酸ダイマージリノレイル、ダイマージリノレイル水添ロジン縮合物、ダイマージリノール酸硬化ヒマシ油、ヒドロキシアルキルダイマージリノレイルエーテル等のダイマー酸若しくはダイマージオールの誘導体、セタノール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、ラウリルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、ホホバアルコール、キミルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール、ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、ダイマージオール等の高級アルコール類、ベンジルアルコール等のアラルキルアルコール及び誘導体、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、パルミトオレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、イソヘキサデカン酸、アンテイソヘンイコサン酸、長鎖分岐脂肪酸、ダイマー酸、水素添加ダイマー酸等の高級脂肪酸類及びそのアルミニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩、カリウム、ナトリウム塩等の金属石けん類、及びアミド等の含窒素誘導体類、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド(コカミドMEA)、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド(コカミドDEA)、ラウリン酸モノエタノールアミド(ラウラミドMEA)、ラウリン酸ジエタノールアミド(ラウラミドDEA)、ラウリン酸モノイソプロパノールアミド(ラウラミドMIPA)、パルミチン酸モノエタノールアミド(パルタミドMEA)、パルミチン酸ジエタノールアミド(パルタミドDEA)、ヤシ油脂肪酸メチルエタノールアミド(コカミドメチルMEA)等の脂肪酸アルカノールアミド類、ジメチコン(ジメチルポリシロキサン)、高重合ジメチコン(高重合ジメチルポリシロキサン)、シクロメチコン(環状ジメチルシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン)、フェニルトリメチコン、ジフェニルジメチコン、フェニルジメチコン、(アミノエチルアミノプロピルメチコン/ジメチコン)コポリマー、ジメチコノール、ジメチコノールクロスポリマー、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、アミノプロピルジメチコン及びアモジメチコン等のアミノ変性シリコーン、カチオン変性シリコーン、ジメチコンコポリオール等のポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、糖変性シリコーン、カルボン酸変性シリコーン、リン酸変性シリコーン、硫酸変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、脂肪酸変性シリコーン、アルキルエーテル変性シリコーン、アミノ酸変性シリコーン、ペプチド変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、カチオン変性及びポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性及びポリエーテル変性シリコーン、アルキル変性及びポリエーテル変性シリコーン、アミドアルキル変性シリコーン、アミノグリコール変性シリコーン、アミノフェニル変性シリコーン、ポリシロキサン・オキシアルキレン共重合体等のシリコーン類、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油剤類等を挙げることができ、特に、炭化水素類、ワックス類、植物油脂類、動物性ロウ類、ラノリン類、スフィンゴリン脂質、リン脂質類、リン脂質誘導体類、脂質複合体、モノアルコールカルボン酸エステル類、多価アルコール脂肪酸エステル類、ダイマー酸若しくはダイマージオールの誘導体であることが好ましい。前記(B)含水液状組成物に(b5)油性成分を配合することで、より低刺激とすることができる。
【0039】
また、本発明において、前記(B)含水液状組成物中の(b5)油性成分の配合量は本発明の効果を得られる範囲であれば特に限定されないが、前記(B)含水液状組成物中に0.01〜10質量%配合されていることが好ましく、0.1〜1.0質量%配合されていることがさらに好ましい。かかる範囲とすることで、さらにより低刺激とすることができる。
【0040】
さらに、本発明において、前記(B)含水液状組成物のpHが、8.5〜10.0であることが好ましく、8.8〜9.5であることがより好ましく、9.0〜9.3であることがさらにより好ましい。pHをかかる範囲とすることで、より簡単に二酸化炭素を発泡させることができる。なお、pHの測定は、前記と同様である。
【0041】
さらにまた、本発明において、前記(B)含水液状組成物の粘度が、5000〜250000mPa・sであることが好ましく、10000〜200000mPa・sであることがより好ましく、20000〜120000mPa・sであることがさらにより好ましい。粘度をかかる範囲とすることで、前記(A)酸性非水液状組成物と前記(B)含水液状組成物をより混合しやすくなり、簡単に二酸化炭素を発泡させるとともに、二酸化炭素の発泡量を持続することができる。なお、本発明において、粘度の測定は、B型粘度計(東機産業社製、商品名:「TVB−25H」)を使用して、ローターNo.30、5rpm、1min、25℃の条件で測定した。
【0042】
また、本発明において、前記(A)酸性非水液状組成物の前記(a1)リンゴ酸およびアスコルビン酸よりなる群から選ばれる1種以上と前記(B)含水液状組成物中の前記(b1)塩基性組成物を1:5〜5:1で混合して使用することが好ましく、1:3〜3:1で混合して使用することがさらに好ましく、1:2〜2:1で混合して使用することがさらにより好ましく、1:1で混合して使用することが最も好ましい。前記(a1)リンゴ酸およびアスコルビン酸よりなる群から選ばれる1種以上と前記(b1)塩基性組成物との混合比率をかかる範囲とすることにより、前記(A)酸性非水液状組成物と前記(B)含水液状組成物の混合のバランスがさらによくなるためより混合しやすく、さらに二酸化炭素の発泡量をより多くすることができる。
【0043】
さらに、本発明において、前記(A)酸性非水液状組成物と前記(B)含水液状組成物を混合後の発泡性外用剤のpHは、3.5〜7.8であることが好ましい。特に、前記(a1)無水酸性の組成物としてリンゴ酸を使用した場合は、4.0〜6.5であることが好ましく、4.5〜5.5あることがより好ましく、アスコルビン酸を使用した場合は、6.0〜7.8であることが好ましく、6.5〜7.5あることがより好ましい。pHをかかる範囲とすることで、より低刺激で発泡性外用剤を提供することができる。なお、pHの測定は、前記と同様である。
【0044】
また、本発明において、外用剤とは、人間の身体等に使用できるものであり、化粧品、医薬部外品、医薬品等を対象とすることができる。さらに、化粧品等とは、基礎化粧品、メイクアップ化粧品、頭髪用化粧品、入浴剤等を含むものである。なお、本発明は、用途的にはパック剤として使用することが好ましい。
【0045】
さらに、本発明において、本発明の効果が損なわれない範囲で、適宜他の成分等を添加することもできる。質的、量的範囲で上記以外の任意の成分を配合することができ、外用剤に通常配合される成分、例えば、油性成分、保湿剤、酸化防止剤、防腐剤、香料、各種ビタミン剤、キレート剤、着色剤、紫外線吸収剤、薬効成分、無機塩類等を配合することができる。
【0046】
以下、本発明について、実施例を用いてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、以下、処方中の数値は質量%を示す。
【実施例】
【0047】
下記表1記載の処方に従って、(A)酸性非水液状組成物を作製した。なお、※1および※2成分は、加熱溶解して、(A)酸性非水液状組成物を液状にした。
【0048】
【表1】
【0049】
下記表2記載の処方に従って、(B)含水液状組成物を作製した。
【0050】
【表2】
【0051】
(実施例1)
(A)酸性非水液状組成物として表1中のA1、(B)含水液状組成物として表2中のB1を使用して、1:1で混合することで実施例1の発泡性外用剤を作製した。
【0052】
(比較例1)
(A)酸性非水液状組成物として表1中のA3、(B)含水液状組成物として表2中のB1を使用して、1:1で混合することで比較例1の発泡性外用剤を作製した。
【0053】
(温感試験)
健常な女性志願者9名を対象とし、実施例1および比較例1の各サンプルを、被験者の顔面に塗布し、下記温感の評価基準にしたがって評価し、9名の合計点で判定した。
【0054】
(温感の評価基準)
とても温かい 3点
温かい 2点
少し温かい 1点
温かくない 0点
【0055】
実施例1のサンプルは合計点が15点であったが、比較例1のサンプルは合計点が9点であり、クエン酸よりもリンゴ酸の方がより温感効果が得られた。
【0056】
(実施例2)
(A)酸性非水液状組成物として表1中のA1、(B)含水液状組成物として表2中のB2を使用して、1:1で混合することで実施例2の発泡性外用剤を作製した。良好な温感効果を得ることができた。
【0057】
(実施例3)
(A)酸性非水液状組成物として表1中のA2、(B)含水液状組成物として表2中のB1を使用して、1:1で混合することで実施例3の発泡性外用剤を作製した。良好な温感効果を得ることができた。
【0058】
(実施例4)
(A)酸性非水液状組成物として表1中のA2、(B)含水液状組成物として表2中のB2を使用して、1:1で混合することで実施例4の発泡性外用剤を作製した。良好な温感効果を得ることができた。
【0059】
下記表3記載の処方に従って、(A)酸性非水液状組成物を作製した。なお、※1および※2成分は、加熱溶解して、(A)酸性非水液状組成物を液状にした。
【0060】
【表3】
【0061】
下記表4記載の処方に従って、(B)含水液状組成物を作製した。
【0062】
【表4】
【0063】
(実施例5)
(A)酸性非水液状組成物として表3中のA4、(B)含水液状組成物として表4中のB3を使用して、1:1で混合することで実施例5の発泡性外用剤を作製した。
【0064】
(表面温度測定試験)
市販のアルコール温度計を使用して、(A)酸性非水液状組成物と(B)含水液状組成物の混合前の温度、混合直後の温度、混合30分後の温度を測定した。
【0065】
<発泡性外用剤の評価方法>
発泡性外用剤の評価を以下の方法で行った。
(発泡性試験)
(A)酸性非水液状組成物と(B)含水液状組成物を直径4cm、高さ12cmのガラスのシリンダーに入れ、その体積を測定した。さらに、これを10秒間に20回攪拌混合して発泡性外用剤を作製し、攪拌混合1分後の該発泡性外用剤の体積(V1)を測定し、攪拌混合前の体積(V0)からの増加率を下記式(1)、
(V1−V0)/V0×100 (1)
でパーセント(%)で求め、発泡性を評価した。なお、体積の測定は、各々の測定時点での発泡性外用剤の高さをガラスのシリンダーに記し、該発泡性外用剤を除去した後でそれらの高さまで水を入れ、それらの水の体積をメスシリンダーで測定して求めた。
【0066】
(発泡の持続性試験)
(A)酸性非水液状組成物と(B)含水液状組成物を直径4cm、高さ12cmのガラスのシリンダーに入れ、10秒間に20回攪拌混合して発泡性外用剤を作製し、攪拌混合1分後の該発泡性外用剤の体積(V1)を測定し、その30分後の体積(V2)を測定し攪拌混合前の体積(V0)から増加した体積の持続率を下記式(2)、
(V2−V0)/(V1−V0)×100 (2)
でパーセント(%)で求め、気泡の持続性を評価した。なお、体積の測定は、各々の測定時点での発泡性外用剤の高さをガラスのシリンダーに記し、該発泡性外用剤を除去した後でそれらの高さまで水を入れ、それらの水の体積をメスシリンダーで測定して求めた。
【0067】
実施例5のサンプルは、混合前の温度が20℃、混合直後の温度が24℃、混合30分後の温度が24℃で、良好な温感効果とその持続性を得ることができた。また、上記「発泡性外用剤の評価方法」に従って、式(1)により増加率を求めたところ、316.7%であり、上記式(2)により持続率を求めたところ、67.1%で良好な発泡性を示した。
【0068】
(実施例6)
(A)酸性非水液状組成物として表3中のA5、(B)含水液状組成物として表4中のB3を使用して、1:1で混合することで実施例6の発泡性外用剤を作製した。実施例6のサンプルは、混合前の温度が20℃、混合直後の温度が23℃、混合30分後の温度が23℃で、良好な温感効果とその持続性を得ることができた。また、上記「発泡性外用剤の評価方法」に従って、式(1)により増加率を求めたところ、12.5%であり、上記式(2)により持続率を求めたところ、70.6%で良好な発泡性を示した。