特許第6188282号(P6188282)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6188282板材からスリット管を製造する方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6188282
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】板材からスリット管を製造する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   B21D 5/01 20060101AFI20170821BHJP
【FI】
   B21D5/01 S
   B21D5/01 L
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-124628(P2012-124628)
(22)【出願日】2012年5月31日
(65)【公開番号】特開2012-250285(P2012-250285A)
(43)【公開日】2012年12月20日
【審査請求日】2012年5月31日
【審判番号】不服2015-19801(P2015-19801/J1)
【審判請求日】2015年11月4日
(31)【優先権主張番号】10 2011 103 734.2
(32)【優先日】2011年5月31日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】390035426
【氏名又は名称】エス・エム・エス・グループ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】マリオ トーメ
(72)【発明者】
【氏名】マンフレート コルベ
(72)【発明者】
【氏名】ヨヘン フォクセン
【合議体】
【審判長】 西村 泰英
【審判官】 渡邊 真
【審判官】 平岩 正一
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭60−176816(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 5/01
B21C37/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
板材(3)からスリット管(4;104)を製造する方法であって、板材を管成形プレス(1)に供給して、該管成形プレス(1)内で、板材を下側工具(6)上に載置して、昇降可能な上側工具(9)により曲げ力を加えることによって漸次、後の長手方向シーム溶接のためにギャップ(11;111)を伴って対向する長手方向縁部を備えるスリット管(4;104)へと成形する、板材(3)からスリット管(4;104)を製造する方法において、
漸次成形される板材(3)に進入する上側工具(9)の長手方向軸線により規定される中央に関してそれぞれ左右に離間し、ギャップ(11;111)の横に位置する個別の領域(12a,12b)で板材(3)の内面に作用する少なくとも1回の曲げステップで、他の曲げステップによる成形と比べて僅かな成形を行うことによって、まず非円形のプリフォーム(13)を備えるスリット管を形成し、その後、外側から前記非円形のプリフォーム(13)にその都度適当に、中央の両側の前記少なくとも1回の曲げステップにより予め僅かに成形された個別の領域(12a,12b)において作用する押し付け力(F)を加えることにより、完成したスリット管(104)を成形し、この場合に、前記非円形のプリフォーム(13)を前記押し付け力(F)の印加前の製造段階において時計回り又は反時計回りに回転させることにより位置決めし、その際に、前記中央の右側の前記僅かに成形された領域(12b)を3時の位置に回転させ、前記中央の左側の前記僅かに成形された領域(12a)を9時の位置に回転させることを特徴とする、板材からスリット管を製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、板材、特に厚手の板材からスリット管を製造する方法であって、板材を管成形プレスに供給して、管成形プレス内で、板材を下側工具上に載置して、昇降可能な上側工具により曲げ力を加えることによって漸次、後の長手方向シーム溶接のためにギャップを伴って対向する長手方向縁部を備えるスリット管へと成形する、板材からスリット管を製造する方法に関する。
【0002】
さらに本発明は、特に上記方法を実施するための、板材、特に厚手の板材からスリット管を製造するための装置であって、板材を管成形プレスに供給して、管成形プレス内で、板材を下側工具上に載置して、昇降可能な上側工具により曲げ力を加えることによって漸次、後の長手方向シーム溶接のためにギャップを伴って対向する長手方向縁部を備えるスリット管へと成形する、板材からスリット管を製造するための装置に関する。
【背景技術】
【0003】
実用化されている板材から管を製造する方法には、管成形プレスにおいて漸次の加工ステップあるいは曲げステップを伴う管成形プレス法がある。管成形プレスあるいは管曲げプレスは、通常、基本フレーム内に、側方に間隔を置いて互いに並んで配置された2つの支持体あるいは曲げ体からなる下側工具と、鉛直方向に上方から下側工具に向かって移動可能であって、昇降可能な曲げラムによって支持される、板材の全長にわたって延在する上側工具とを有している。上側工具によって曲げ力を、下側工具上に載置された板材に印加することが可能である。
【0004】
漸次の成形法による管あるいは大型管の製造のためには、連続する複数回の作業ステップが必要である。板材は、第1の工程で長手方向縁部において予め曲げられる。この工程は、通常、別個の端曲げプレスで行われる。長手方向縁部は、管半径がスリット管への変形時に、後のシームの領域であって、管へと曲げられる板材の長手方向縁部が互いに長手方向シーム溶接のためにギャップを有して対向することになる、後のシームの領域において、均一に成形されているように曲げられる。このようにして予め曲げられた板材は、その後、管成形プレスに装入され、そこで本来の曲げプロセスにかけられる。このとき、プレス上側部分の押し下げにより、曲げ力が板材に加えられる。曲げラム、及び曲げラムにより支持される上側の成形工具の作用下で、板材の変形が調節される。この経過は、板材が変形加工されてスリット管を形成するまで、何度も繰り返される。
【0005】
ドイツ連邦共和国特許第4215807号明細書において、フレーム構造で形成された管曲げプレスあるいは管成形プレスが公知となっている。曲げ工具として形成されたラムは、フレームの側柱内で鉛直方向に案内されている。この上側の曲げ工具は、ピストン‐シリンダ‐ユニットに僅かな範囲で自在に運動可能に取り付けられており、ピストン‐シリンダ‐ユニットを介して上側のフレームクロスバーに支持されている。下側の曲げ工具の支持体は、テーブルにより支持される。このテーブルをやはりピストン‐シリンダ‐ユニットが支持しており、このピストン‐シリンダ‐ユニットは、上側のピストン‐シリンダ‐ユニットに対して同軸的に作用する。対向して作用するピストン‐シリンダ‐ユニットは、下側のフレームクロスバーがプレスの作業荷重下で撓んだとしても、テーブルの撓みを防止することが望ましい。このために、個々のピストン‐シリンダ‐ユニットには、大小の圧力が作用するようになっている。
【0006】
ラム幅により大きな影響を受け、特に比較的肉厚の管、例えば40mmの管において残される、約130〜170mmのスリットの大きな残留ギャップ、さらにはスリット管内の応力が、漸次の成形法において極めて問題であることが判っている。大きなスリット幅は、仮付け溶接装置において高い閉鎖力を必要とし、仮付けされた管内の高い応力のために、かつ本溶接された管内の残留応力によっても、仮付けシームあるいは溶接シームを破断する危険が生じる。過度に大きなスリット幅を認めると、経験豊富な機械オペレータは、スリットをできる限り閉じるように管成形プレスを手動で繰り返し操作することで対策を講じる。このような方法は、時間がかかり、相応に処理能力の低下を招くだけでなく、再現可能な高い品質での実施は不可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】ドイツ連邦共和国特許第4215807号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
それゆえ本発明は、上述の欠点を有しない冒頭で述べた方法及び装置を提供すること、特に、肉厚の、直径の小さな、例えば約800mmの管においても簡単に、再現可能な品質を備える円筒状のスリット管の製造を可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明に係る板材からスリット管を製造する方法では、漸次成形される板材に進入する上側工具の長手方向軸線により規定される中央に関してそれぞれ左右で板材の内面に作用する少なくとも1回の曲げステップで、他の曲げステップに比べて僅かな成形を行うことによって、まず非円形のプリフォームを備えるスリット管を形成し、その後、外側から非円形のプリフォームにその都度適当に、中央の両側の予め僅かに成形された領域において作用する押し付け力を加えることにより、完成したスリット管を成形するようにした。
【0010】
好ましい態様において、非円形のプリフォームを押し付け力の印加前の製造段階において時計回り又は反時計回りに回転させることにより位置決めする。
【0011】
好ましい態様において、中央の右側の僅かに成形された領域を約3時の位置に回転させ、中央の左側の僅かに成形された領域を約9時の位置に回転させる。
【0012】
上記課題を解決するために本発明に係る板材からスリット管を製造するための装置では、板材を非円形のプリフォームへと変形加工し、その後、スリット管へと変形加工するために、回転方向を反転可能な手段を備えて形成された下側工具と、外側から、位置決めされたプリフォームに対して力を加えることが可能なポンチとを備えるようにした。
【0013】
好ましい態様において、非円形のプリフォームを形成する少なくとも1つの管成形プレスの下流に押し付けプレスが接続されており、押し付けプレスが、回転方向を反転可能な手段を備えて形成された下側工具と、上側工具として、外側から、位置決めされた非円形のプリフォームに対して力を加えることが可能なポンチとを備える。
【0014】
好ましい態様において、下側工具が、互いに間隔を置いて配置され回転可能に駆動される2つのロールと、ロール間に設けられる載置体とを備える。
【0015】
好ましい態様において、ロールが、ばね手段を介して支承されている。
【発明の効果】
【0016】
上述のように、本発明が解決しようとする課題は、漸次成形される板材に進入する上側工具の長手方向軸線により規定される中央に関してそれぞれ左右で板材の内面に作用する少なくとも1回の曲げステップで、他の曲げステップに比べて僅かな成形を行うことによって、まず非円形のプリフォームを備えるスリット管を形成し、その後、外側から非円形のプリフォームにその都度適当に、中央の両側の予め僅かに成形された領域において作用する押し付け力を加えることにより、完成したスリット管を成形する、本発明に係る方法により解決される。
【0017】
本発明に係る方法により、意図的に、一部に比較的僅かに成形された領域、例えば24°の曲げの代わりに12°の曲げを備える、まず寸法に合わせて仕立てられた非円形のプリフォームを形成することで、最小のスリットを有する略円形のスリット管幾何学形状が成形される。すなわち、僅かに成形された領域によって、続いて外側から加えられる押し付け力が、その後も、この僅かに成形された領域において他の管区分よりも明らかに後まで影響をもたらし、結果として、所望の狭く閉じられたギャップを備える略円形のスリット管につながる前提が形成される。機械オペレータの経験に基づく場合とは異なり、品質が同じであれば、再現性は改善され、処理能力は向上する。
【0018】
部分的に非円形の予備成形及び最終成形あるいは仕上げ成形のために、2つの曲げステップあるいは2つの押し付けプロセスで十分である、それも、ギャップあるいはスリットのそれぞれ左右で加えられる押し付け力による最終成形時においても十分である場合がある。
【0019】
本発明の有利な措置は、非円形のプリフォームを押し付け力の印加前の製造ステップにおいて時計回り又は反時計回りに回転させることにより位置決めすることである。これにより、位置決め次第で、押し付け力が、スリットあるいはギャップの左横又は右横で非円形のプリフォームに導入される。
【0020】
本発明の有利な提案によれば、中央の右側の僅かに成形された領域を約3時の位置に回転させ、中央の左側の僅かに成形された領域を約9時の位置に回転させる。このような下側工具の支持体上での非円形のプリフォームの前位置決めされた位置で、仕上げ成形のために、最大の曲げモーメントが達成される。
【0021】
本発明の根底にある課題は、板材を非円形のプリフォームへと変形加工し、その後、スリット管へと変形加工するために、回転方向を反転可能な手段を備えて形成された下側工具と、外側から、位置決めされたプリフォームに対して力を加えることが可能なポンチとを備える装置によって解決される。
【0022】
これにより、完成したスリット管を、板材から出発して、唯一の管成形プレスあるいは機械において製造することができる。回転方向反転は、この場合、押し付け力が実施の場所、すなわちスリットの両側で作用するように、非円形のプリフォームを正確に位置決めすることを可能にする。その際、即時に、管成形プレスの曲げラムは、プリフォームに対して外側から押し付け力を加えるために使用することもできる。任意選択的には、プレスは、押し付けポンチに付け替えられる。
【0023】
生産能力向上のために有利な本発明の一態様は、非円形のプリフォームを形成する少なくとも1つの管成形プレスの下流に押し付けプレスが接続されており、押し付けプレスが、回転方向を反転可能な手段を備えて形成された下側工具と、上側工具として、外側から、位置決めされた非円形のプリフォームに対して力を加えることが可能なポンチとを備えることにある。これにより、生産ラインにおいて、非円形の成形品を排出する管成形プレスに、押し付けプレスが接続されている。押し付けプレスにおいて、供給された非円形のプリフォームは、少なくとも、連続する2つのステップで、それぞれスリットあるいはギャップの右横及び左横で、完成したスリット管へと変形加工される。これにより、板材の非円形予備成形は、スリット管への最終変形から独立した場所で実施可能である。
【0024】
下側工具の回転可能な手段は、本発明の一提案によれば、互いに間隔を置いて配置され、回転可能に駆動される2つのロールとして形成されている。ロールの回転方向反転は、最適化された力の導入を伴う仕上げ成形のために非円形のプリフォームを位置決めすることを可能にする。管成形プレスにおける予備成形時の時間的な経過と、押し付けプレスにおける仕上げ時の時間的な経過とは、1つの後置された押し付けプレスで2つの管成形プレスに対応することを許可する。
【0025】
本発明の一態様は、回転可能なロールが、サスペンションにより支承されていることにある。押し付けプレスの下側工具上での非円形のプリフォームの支持は、ロール間に設けられた定置の載置体により改善可能である。
【0026】
本発明の別の特徴及び詳細は、特許請求の範囲、及び図面に2つの別個のプレスを基に示した本発明の一実施の形態の以下の説明から看取可能である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】従来技術に数えられる管成形プレスにおいて板材をステップバイステップに成形(a)して、スリット管を形成(b)する概略図、及び予め決められた寸法例で完成したスリット管を示すグラフ(c)である。
図2】通常の管成形プレスにおいてまず寸法に合わせて仕立てられた非円形のプリフォームを形成(a)し、管成形プレスに後置された押し付けプレスにおいて非円形のプリフォームから完成したスリット管を製造(b)することによる、本発明に係るスリット管の製造の概略図、及び図1cに示した寸法で本発明により製造された完成したスリット管を示すグラフ(c)である。
図3】押し付けプレスと、押し付けプレス内に装入される非円形のプリフォームとを示す図2の詳細図である。
図4】押し付けプレスの少なくとも2つの曲げステップにおける、管成形プレスからの非円形のプリフォームの後成形あるいは変形加工、より詳細には、スリットあるいはギャップの右横で非円形のプリフォームに力を加えることによる第1の曲げステップ(図4A)、及び非円形のプリフォームの回転後の、スリットあるいはギャップの左横で力を加えることによる第2の曲げステップ(図4B)における後成形あるいは変形加工の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1に示すように、それ自体は十分に公知の管成形プレス1において、長手方向縁部に端曲げ部2(図3参照)を備える板材あるいは金属薄板3が、ステップバイステップ状に、完成したスリット管4へと成形あるいは変形加工される。その際、板材3は、互いに間隔を置いた2つの支持体5a,5bを備える下側工具6上に載置されている。変形加工力は、先行する前端に成形工具8を取り付けた曲げラムあるいは曲げブレード7として形成される、昇降可能な上側工具9により加えられる。成形あるいは変形加工すべき板材3は、2つの側方の受け10a,10bにより案内される。受け10a,10bのうち、受け10aは、直動可能であって、次の成形ステップのために必要な板材区分を送る。完成したスリット管4は、図1cに示すように、大きなスリットあるいはギャップ11を有している。大きなスリットあるいはギャップ11は、図1cに破線で示すような、溶接により閉じた長手方向シーム溶接管の形成を著しく困難にする。
【0029】
図2aに示すように、板材3を変形加工して、明らかに小さなスリットあるいはギャップ111を有するスリット管104(図2c参照)を形成することは、前述したような管成形プレス1において実施される。しかし、このスリット管104の形成は、板材の、曲げラム7の長手方向軸線の左右それぞれに、ひいてはスリットあるいはギャップ11の横に位置する領域で、曲げステップが、板材の、その他の曲げステップと比較して僅かな曲げを伴って実施されるという条件付きで行われる。図3に概略的に示すように、これにより規定通り、それぞれの曲げステップに応じて比較的僅かに成形された2つの領域が存在する。その結果、適当な非円形の、それにもかかわらず仕上げ変形加工のために寸法に合わせて仕立てられたプリフォーム13が実現される。
【0030】
こうして第1の段階で管成形プレス1において形成された非円形のプリフォーム13は、管成形プレス1からの搬出あるいは排出後、図2bに示すように、製造プロセスにおいて下流に接続された押し付けプレス14に供給される。押し付けプレス14は、下側工具15を有している。下側工具15は、互いに間隔を置いて設けられ、図2bに双方向矢印で概略的に示すように回転方向反転可能な、駆動される2つのロール16a,16bと、ロール16a,16b間の間隔を架橋する定置の載置体17とからなっている。回転可能なロール16a,16bは、ばね手段18を介して支持されて支承されていてよい(図3参照)。下側工具15に対向して、ポンチ19を備えて形成される上側工具20が配置されている。ポンチ19を介して押し付け力が、完成した略円形のスリット管104を製造するために、外側から非円形のプリフォーム13に加えられる。
【0031】
このために非円形のプリフォーム13は、回転可能なロール16a,16bを介して、図3に水平の一点鎖線で概略的に示すように、スリットあるいはギャップ11の右横に位置する僅かに成形された領域12bが時計でいうところの3時の位置にあるように位置決めされる。
【0032】
この第1の押し付け‐曲げステップの経過は、図4Aにおいて左から右に、非円形のプリフォーム13の位置決め、ポンチ19による押し付け力の印加、及び力を加えた後のポンチ19の持ち上げにより示してある。
【0033】
第2の押し付け‐曲げステップは、上記第1の押し付け‐曲げステップと同じ経過で、図4Bに示してある。曲げモーメントを最適化するために、第2の押し付け‐曲げステップにおいてその左半部で相変わらず非円形のプリフォーム13は、スリットあるいはギャップ11の左横の僅かに成形された領域12aが時計でいうところの9時の位置を占めるように位置決めされている。ポンチ19により今度はプリフォーム13のこちら側で加えられる押し付け力F(中央の図)は、非円形のプリフォーム13を、その後、完成したスリット管104の最終的な略円形の形状にもたらす。スリット管104は、その際に達成される明らかに小さなスリットあるいはギャップ111を有している(右外の図)。
【符号の説明】
【0034】
1 管成形プレス
2 端曲げ部
3 板材
4,104 スリット管
5a,5b 支持体
6 下側工具
7 曲げラム
8 成形工具
9 上側工具(ポンチ)
10a,10b 受け
11,111 スリット/ギャップ
12a,12b 僅かに成形された領域
13 非円形の形状
14 押し付けプレス
15 下側工具
16a,16b 回転可能なロール
17 載置体
18 ばね手段
19 ポンチ
20 上側工具
F 押し付け力
図1
図2
図3
図4