特許第6188311号(P6188311)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6188311
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】医用画像観察装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/00 20060101AFI20170821BHJP
【FI】
   A61B6/00 360B
【請求項の数】4
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2012-254161(P2012-254161)
(22)【出願日】2012年11月20日
(65)【公開番号】特開2014-100302(P2014-100302A)
(43)【公開日】2014年6月5日
【審査請求日】2015年7月27日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】東芝メディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(72)【発明者】
【氏名】岡本 麻衣子
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 賢一
【審査官】 田邉 英治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−065613(JP,A)
【文献】 特開2006−014931(JP,A)
【文献】 特開2007−252853(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3149584(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00− 6/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
左乳房に関する左乳房画像データと右乳房に関する右乳房画像データとを記憶する記憶部と、
前記左乳房画像データに基づく左乳房表示画像と前記右乳房画像データに基づく右乳房表示画像とを画面内の表示領域に並べて表示する表示部と、
前記左乳房画像データと前記右乳房画像データとの少なくとも一方の乳房画像データに、ユーザからの指示に従って対象点を設定する対象点設定部と、
前記表示領域に、ユーザからの指示に従って目標点を設定する目標点設定部と、
前記表示領域内の前記目標点の基準座標に前記対象点の基準座標が一致するように、前記対象点が設定された乳房画像データをスライドすることで、前記左乳房表示画像と前記右乳房表示画像とを位置合わせする表示制御部と、
を具備する医用画像観察装置であって、
前記対象点設定部は、ユーザからの指示に従って、前記左乳房画像データに第1対象点を設定し、前記右乳房画像データに第2対象点を設定し、
前記表示制御部は、前記左乳房画像データ上の前記第1対象点の基準座標と前記右乳房画像データ上の前記第2対象点の基準座標とが、前記目標点の基準座標に一致するように、前記左乳房表示画像と前記右乳房表示画像とをスライドする
用画像観察装置。
【請求項2】
左乳房に関する左乳房画像データと右乳房に関する右乳房画像データとを記憶する記憶部と、
前記左乳房画像データに基づく左乳房表示画像と前記右乳房画像データに基づく右乳房表示画像とを画面内の表示領域に並べて表示する表示部と、
前記左乳房画像データと前記右乳房画像データとの少なくとも一方の乳房画像データに、ユーザからの指示に従って対象点を設定する対象点設定部と、
前記表示領域に、ユーザからの指示に従って目標点を設定する目標点設定部と、
前記表示領域内の前記目標点の基準座標に前記対象点の基準座標が一致するように、前記対象点が設定された乳房画像データをスライドすることで、前記左乳房表示画像と前記右乳房表示画像とを位置合わせする表示制御部と、
を具備する医用画像観察装置であって、
前記対象点設定部は、ユーザからの指示に従って、前記左乳房画像データと前記右乳房画像データとのうちの一方の乳房画像データに第1対象点を設定し、前記左乳房画像データと前記右乳房画像データとのうちの他方の乳房画像データの前記第1対象点との解剖学的同一点に第2対象点を設定し、
前記表示制御部は、前記左乳房画像データ上の前記第1対象点の基準座標と前記右乳房画像データ上の前記第2対象点の基準座標とが、前記目標点の基準座標に一致するように、前記左乳房表示画像と前記右乳房表示画像とをスライドする、
用画像観察装置。
【請求項3】
前記対象点の座標と前記目標点の座標とを記憶する座標記憶部をさらに備える、請求項1又は2記載の医用画像観察装置。
【請求項4】
判定部をさらに備え、
前記記憶部は、前記左乳房画像データと前記右乳房画像データとを撮影方向に関する情報に関連付けて記憶し、
前記判定部は、前記撮影方向に従って前記左乳房表示画像と前記右乳房表示画像とを回転させるか否かを判定し、
前記表示制御部は、前記判定部により回転させると判定された場合、前記左乳房表示画像内の左乳房領域と前記右乳房表示画像内の右乳房領域とが互いに背中合わせに表示されるように前記左乳房表示画像と前記右乳房表示画像とを個別に回転し、前記判定部により回転させないと判定された場合、前記左乳房表示画像と前記右乳房表示画像とを回転させない、
請求項1又は2記載の医用画像観察装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、医用画像観察装置に関する。
【背景技術】
【0002】
乳房X線撮影装置により撮影された左乳房画像と右乳房画像とは、観察の際、医用画像観察装置により並べて表示されている。左乳房画像と右乳房画像との観察のし易さのため、両画像内のニップル(nipple:乳頭)領域の形状に基づく画像処理による自動位置合わせ処理が行われている。これによりニップル領域の表示領域内での高さを揃えて両画像が表示される。しかし、ニップル領域の形状が明瞭な場合にのみこの自動位置合わせ処理を使用することができる。ニップル領域の形状が不明瞭な場合、ユーザによるドラッグ・アンド・ドロップ等の面倒な画像操作により位置合わせが行われている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
目的は、簡便な操作により左乳房画像と右乳房画像との位置合わせを行うことが可能な医用画像観察装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本実施形態に係る医用画像観察装置は、左乳房に関する左乳房画像データと右乳房に関する右乳房画像データとを記憶する記憶部と、前記左乳房画像データに基づく左乳房表示画像と前記右乳房画像データに基づく右乳房表示画像とを画面内の表示領域に並べて表示する表示部と、前記左乳房画像データと前記右乳房画像データとの少なくとも一方の乳房画像データに、ユーザからの指示に従って対象点を設定する対象点設定部と、前記表示領域に、ユーザからの指示に従って目標点を設定する目標点設定部と、前記表示領域内の前記目標点の基準座標に前記対象点の基準座標が一致するように、前記対象点が設定された乳房画像データをスライドすることで、前記左乳房表示画像と前記右乳房表示画像とを位置合わせする表示制御部と、を具備し、前記対象点設定部は、ユーザからの指示に従って、前記左乳房画像データに第1対象点を設定し、前記右乳房画像データに第2対象点を設定し、前記表示制御部は、前記左乳房画像データ上の前記第1対象点の基準座標と前記右乳房画像データ上の前記第2対象点の基準座標とが、前記目標点の基準座標に一致するように、前記左乳房表示画像と前記右乳房表示画像とをスライドする
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】本実施形態に係る医用画像観察装置の構成を示す図。
図2】本実施形態の第1実施例に係るシステム制御部の制御のもとに行われる位置合わせ処理の典型的な流れを説明するための図。
図3図2のステップSA2において表示制御部により実行される左乳房表示画像と右乳房表示画像との初期表示の表示例を示す図。
図4図1の画像記憶部に記憶されている左乳房画像データと右乳房画像データとの一例を示す図。
図5】第1実施例に係る対象点設定部による対象点と目標点との設定処理を説明するための図。
図6】第1実施例に係る左乳房表示画像と右乳房表示画像との位置合わせ処理を説明するための図。
図7】第1実施例に係る表示制御部による位置合わせ後の左乳房表示画像と右乳房表示画像とを示す図。
図8】第2実施例に係るシステム制御部の制御のもとに行われる位置合わせ処理の典型的な流れを説明するための図。
図9】第2実施例に係る対象点設定部による第1の対象点、第2の対象点、及び目標点の設定処理を説明するための図。
図10】第2実施例に係る左乳房表示画像と右乳房表示画像との位置合わせ処理を説明するための図。
図11】第2の実施例に係る第1の対象点、第2の対象点、及び目標点の他の設定処理を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下、図面を参照しながら本実施形態に係わる医用画像観察装置を説明する。
【0007】
本実施形態に係る医用画像観察装置は、乳房画像(マンモグラフィ画像)をユーザが観察するためのコンピュータ装置である。医用画像観察装置としては、例えば、画像読影の際に利用されるビューワや、乳房画像が正しく撮影されたか否かを検査する検像装置が適当である。
【0008】
図1は、本実施形態に係る医用画像観察装置1の構成を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係る医用画像観察装置1は、情報処理プロセッサ10を搭載している。情報処理プロセッサ10は、システム制御部11を中枢として画像記憶部13及び表示制御部15を有している。
【0009】
画像記憶部13は、被検体の左乳房に関する医用画像データと右乳房に関する医用画像データとを記憶する。以下、左乳房に関する医用画像データを左乳房画像データと呼び、右乳房に関する医用画像データを右乳房画像データと呼ぶことにする。左乳房画像データと右乳房画像データとは、X線診断装置や磁気共鳴診断装置等の医用画像診断装置により撮影されたものである。X線診断装置としては、右乳房と左乳房とを圧迫板で挟んでX線で撮影する乳房X線撮影装置(マンモグラフィ装置)が典型的である。以下、左乳房画像データと右乳房画像データとは、乳房X線撮影装置により撮影された2次元の画像データであるとする。左乳房画像データには左乳房を示すコードが関連付けられ、右乳房画像データには右乳房を示すコードが関連付けられている。左乳房画像データと右乳房画像データとには、撮影条件が関連付けられている。撮影条件としては、管電圧値や管電流値の他に、撮影方向に関する情報が関連付けられている。撮影方向としては、例えば、頭尾方向(CranioCaudal projection:CC)、内外方向(MedioLateral projection:ML)、内外斜方向(MedioLateral Oblique projection:MLO)等がある。特有の撮影方向を用いる撮影方法により撮影された場合、撮影方法に関する情報が撮影方向に関する情報として用いられても良い。
【0010】
表示制御部15は、左乳房画像データに基づく表示画像と右乳房画像データに基づく表示画像とを出力IF部17を介して表示部19に表示させる。以下、左乳房画像データに基づく表示画像を左乳房表示画像と呼び、右乳房画像データに基づく表示画像を右乳房表示画像と呼ぶことにする。表示制御部15は、左乳房表示画像と右乳房表示画像との表示のために位置合わせ等の種々の表示制御処理を実行する。また、表示制御部15は、必要に応じて医用レポートを出力IF部17を介して表示部19に表示させることもできる。
【0011】
システム制御部11は、医用画像観察装置1の中枢として機能する。システム制御部11は、左乳房表示画像と右乳房表示画像との表示プログラムに従って医用画像観察装置1内の各部を制御する。また、システム制御部11は、入力IF部21を介して操作部23から入力された各種指令や情報入力に従って医用画像観察装置1内の各部を制御する。
【0012】
情報処理プロセッサ10には、出力IF部17を介して表示部19が接続され、入力IF部21を介して操作部23が接続されている。
【0013】
表示部19は、医用画像参照モニタ191と医用レポートモニタ193とを有している。医用画像参照モニタ191の画面には、表示制御部15による制御に従って左乳房表示画像と右乳房表示画像とが表示される。医用レポートモニタの画面には、表示制御部15による制御に従って医用レポートが表示される。モニタとしては、例えばCRTディスプレイや、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ等が適宜利用可能である。
【0014】
操作部23は、入力機器によるユーザからの各種指令や情報入力を受け付ける。入力機器としては、キーボード231やマウス233、各種スイッチ等が利用可能である。
【0015】
本実施形態に係る医用画像観察装置1は、左乳房表示画像と右乳房表示画像との位置合わせを簡便な操作で行うことを可能とする。この簡便な位置合わせを実行するために、本実施形態に係る医用画像観察装置1は、さらに、対象点設定部25、目標点設定部27、及び座標記憶部29を有している。
【0016】
対象点設定部25は、左乳房画像データと右乳房画像データとの少なくとも一方の乳房画像データ内の任意の位置に、ユーザによる操作部23を介した指示に従って対象点を設定する。対象点は、位置合わせ処理におけるスライドの移動対象点に対応する。
【0017】
目標点設定部27は、医用画像参照モニタ191の画面に設けられた画像表示領域内の任意の位置に、ユーザによる操作部23を介した指示に従って目標点を設定する。目標点は、位置合わせ処理における対象点のスライドの目標到達点に対応する。
【0018】
座標記憶部29は、対象点の乳房画像データ上の座標と目標点の画像表示領域上の座標とを記憶する。これら対象点の座標と目標点の座標とは、左乳房画像データと右乳房画像データとに関連付けられる。具体的には、対象点の座標と目標点の座標とは、例えば、DICOM規格に準拠したDICOM・GSPS(グレースケールソフトコピー提示状態:Gray Scale Presentation State)データ形式に変換され、DICOM・GSPSデータ形式で左乳房画像データと右乳房画像データとに関連付けられる。なお、対象点の座標と目標点の座標とのデータ形式は、DICOM規格に準拠したDICOM・GSPSデータ形式に限定されず、DICOM規格に準拠した他のデータ形式でも良いし、DICOM規格に準拠していないデータ形式でも良い。
【0019】
対象点と目標点とが設定されると表示制御部15は、対象点と目標点とを利用して左乳房表示画像と右乳房表示画像とを位置合わせする。
【0020】
以下、システム制御部11の制御のもとに行われる位置合わせ処理について詳細に説明する。位置合わせ処理は、対象点の設定数に応じて態様が異なる。以下、第1実施例において対象点の設定数が1の場合の位置合わせ処理を説明し、第2実施例において対象点の設定数が2の場合の位置合わせ処理を説明する。
【0021】
(第1実施例)
図2は、第1実施例に係るシステム制御部11の制御のもとに行われる位置合わせ処理の典型的な流れを説明するための図である。なお、ステップSA1の開始時において、既に乳房X線撮影装置から左乳房画像データと右乳房画像データとが医用画像観察装置1に送信され、画像記憶部13に記憶されているものとする。
【0022】
ステップSA1においてシステム制御部11は、画像表示依頼を受けることを待機している(ステップSA1)。画像表示依頼は、例えば、医用レポートの作成時等において行われる。ユーザは、操作部23を介して画像表示依頼を入力する。
【0023】
ステップSA1において画像表示依頼がなされると(ステップSA1:YES)、システム制御部11は、表示制御部15に初期表示を行わせる(ステップSA2)。ステップSA2において表示制御部15は、左乳房画像データに基づく左乳房表示画像と右乳房画像データに基づく右乳房表示画像とを画像表示領域に初期的に所定のレイアウトで表示する。
【0024】
図3は、ステップSA2において表示制御部15により実行される左乳房表示画像と右乳房表示画像との初期表示の表示例を示す図である。図3に示すように、画面SCは、画像表示領域(以下、表示ウィンドウと呼ぶ。)DWを含んでいる。表示ウィンドウDWは、左側表示ウィンドウDW1と右側表示ウィンドウDW2とに区分されている。左側表示ウィンドウDW1には左乳房表示画像DI1が表示され、右側表示ウィンドウDW2には右乳房表示画像DI2が表示される。
【0025】
各表示ウィンドウDWは、縦軸(y軸)と横軸(x軸)とにより規定されている。縦軸方向は、画面SCの高さ方向に一致する。
【0026】
ここで、初期表示の詳細な処理について説明する。ステップSA2において表示制御部15は、まず、観察対象の左乳房画像データと右乳房画像データとを画像記憶部13から読み出す。表示制御部15は、左乳房を示すコードが関連付けられている画像データを左乳房画像データであると認識し、右乳房を示すコードが関連付けられている画像データを右乳房画像データであると認識する。表示制御部15は、読み出した左乳房画像データに基づいて初期的な左乳房表示画像を発生し、読み出した右乳房画像データに基づいて初期的な右乳房表示画像を発生する。
【0027】
図4は、画像記憶部11に記憶されている左乳房画像データMI1と右乳房画像データMI2との一例を示す図である。図4に示すように、左乳房画像データMI1は、被検体の左乳房に関する画像領域(以下、左乳房領域と呼ぶことにする。)RM1を有している。右乳房画像データMI2は、被検体の右乳房に関する画像領域(以下、右乳房領域と呼ぶことにする。)RM2を有している。左乳房領域RM1は、左ニップルに関する画像領域(以下、左ニップル領域と呼ぶことにする。)RN1を有している。右乳房領域RM2は、右ニップルに関する画像領域(以下、右ニップル領域と呼ぶことにする。)RN2を有している。なお、左ニップル領域RN1は、必ずしも左乳房画像データMI1の含まれている必要はなく、同様に、右ニップル領域RN2は、必ずしも右乳房画像データMI2の含まれている必要はない。典型的には、左乳房画像データMI1内の左乳房領域RM1の向きと右乳房画像データMI2内の右乳房領域RM2の向きとは、同一である。左乳房画像データMI1の胸部側の画像領域RB1は、生体領域以外に関する画像領域、すなわち、無関心領域に対応する。同様に、右乳房画像データMI2は、生体領域以外に関する画像領域、すなわち、無関心領域に対応する。画像記憶部11に記憶されている左乳房画像データMI1と右乳房画像データMI2とは、撮影されたままの状態となっており、左ニップル領域RN1の左乳房画像データMI1における座標と右ニップル領域RN2の右乳房画像データMI2における座標とは異なっている。なおXY平面は、乳房X線撮影装置の圧迫板の平面に対応する。例えば、圧迫板の長軸方向がY軸方向に規定され、短軸方向がX軸方向に規定されると良い。
【0028】
ステップSA2における表示画像の発生処理において表示制御部15は、左乳房画像データMI1に表示関心領域RD1を設定し、右乳房画像データMI2に表示関心領域RD2を設定する。設定された表示関心領域RD1,RD2内の画像データから所定の表示条件に従って各乳房表示画像DI1,DI2を発生する。表示関心領域RD1,RD2の高さ方向(Y軸方向)は表示ウィンドウの高さ方向(y軸方向)に対応し、表示関心領域RD1,RD2の横方向(X軸方向)は、表示ウィンドウSCの横方向(x軸方向)に対応する。初期的には、各表示関心領域RD1,RD2は、各乳房画像データMI1,MI2内の同一座標範囲を占めるように設定される。また、各表示関心領域RD1,RD2は、無関心領域RB1,RB2を除外するように設定される。表示条件としては、例えば、ウィンドウ幅とウィンドウレベルとが挙げられる。表示制御部15は、各表示関心領域RD1,RD2内の画素値を既定のウィンドウ幅とウィンドウレベルとに応じたグレイ値またはカラー値に変換することにより各乳房表示画像DI1,DI2を発生する。なお、表示関心領域RD1,RD2と表示ウィンドウDW1,DW2とのマトリクスサイズは、同一であっても同一でなくても良い。同一でない場合、各乳房表示画像DI1,DI2が表示ウィンドウDW1,DW2に収まるように拡大または縮小が行われるとよい。このようにして左乳房表示画像DI1と右乳房表示画像DI2とが発生されると表示制御部15は、左乳房表示画像DI1を左側表示ウィンドウDW1に、右乳房表示画像DI2を右側表示ウィンドウDW2に表示する。この際、表示制御部15は、左乳房領域RM1が左を向き、右乳房領域RM2が右を向くように、必要に応じて各乳房表示画像DI1,DI2を左右反転させる。例えば、図4の場合、左乳房領域RM1が右を向いている。このため、表示制御部15は、左乳房領域RM1が左を向くように左乳房表示画像DI1を左右反転する。これにより、図3に示すように、左乳房領域RM1と右乳房領域RM2とが表示ウィンドウDWにおいて互いに背中合わせになるように左乳房表示画像DI1と右乳房表示画像DI2とが表示される。
【0029】
しかしながら、ステップSA2においては、左ニップル領域と右ニップル領域との画面内における高さが一致しておらず、左乳房表示画像DI1と右乳房表示画像DI2との位置合わせが必要である。
【0030】
ステップSA2が行われるとシステム制御部11は、ユーザにより操作部23を介して対象点の位置が指定されることを待機している(ステップSA3)。ユーザは、位置合わせが必要であると判断すると、操作部23を介して、左乳房表示画像DI1と右乳房表示画像DI2との何れか一方の表示画像に対象点の位置を指定する。対象点の位置の指定は、例えば、マウス233の操作により実行される。
【0031】
対象点の位置が指定されると(ステップSA3:YES)、システム制御部11は、対象点設定部25に設定処理を行わせる(ステップSA4)。ステップSA4において対象点設定部25は、ステップSA3において指定された位置に対象点を設定する。
【0032】
ステップSA4が行われるとシステム制御部11は、ユーザにより操作部23を介して目標点の位置が指定されることを待機している(ステップSA5)。ユーザは、対象点の位置の指定が終了すると、次に、操作部23を介して表示ウィンドウに目標点の位置を指定する。目標点の位置の指定は、対象点の位置の指定と同様に、例えば、マウス233の操作により実行される。
【0033】
目標点の位置が指定されると(ステップSA5:YES)、システム制御部11は、目標点設定部27に設定処理を行わせる(ステップSA6)。ステップSA6において目標点設定部27は、ステップSA5において指定された位置に目標点を設定する。
【0034】
ステップSA6が行われるとシステム制御部11は、座標記憶部29に記憶処理を行わせる(ステップSA7)。ステップSA7において座標記憶部29は、ステップSA4において設定された対象点の画像データ上の座標を記憶する。また、ステップSA7において座標記憶部29は、ステップSA6において設定された目標点の表示ウィンドウ上の座標を記憶する。
【0035】
ステップSA7が行われるとシステム制御部11は、表示制御部15に位置合わせ処理を行わせる(ステップSA8)。ステップSA8において表示制御部15は、対象点と目標点とを利用して左乳房表示画像と右乳房表示画像とを位置合わせする。より詳細には、表示制御部15は、表示ウィンドウ内の目標点の高さ座標に対象点の高さ座標が一致するように左乳房表示画像と右乳房表示画像とを位置合わせする。なお、位置合わせ対象の座標は、高さ座標だけでなく、x軸及びX軸方向(横軸方向)であっても良い。
【0036】
次に図5図6とを参照しながら、第1実施例に係る左乳房表示画像DI1と右乳房表示画像DI2との位置合わせについて説明する。図5は、対象点PTと目標点PGとの設定処理を説明するための図である。なお、図5に示すように、ユーザは、ステップSA3において、マウス233の操作によりマウスカーソルMCを移動して対象点PTの位置を指定する。図5においては、左乳房表示画像DI1の左ニップル領域RN1に対象点PTの位置が指定される。指定された位置に対応する左乳房画像データ上の座標は、対象点設定部25により対象点に設定される。次にユーザは、マウス233の操作によりマウスカーソルMCを移動して目標点PGの位置を指定する。図5においては、右乳房表示画像DI2の右ニップル領域RN2に目標点PGの位置が指定される。指定された位置に対応する表示ウィンドウDW上の座標は、目標点設定部27により目標点PGに設定される。
【0037】
なお対象点PTの位置と目標点PGの位置との指定を機械的に区別するために、対象点PTの位置と目標点PGの位置との指定に所定のルールが設けられても良い。例えば、対象点PTの位置の指定はマウス233によるシングルクイック操作により、目標点PGの位置の指定はマウス233によるダブルクイック操作により実行されても良い。また、対象点PTの位置及び目標点PGの位置の指定後に、確定ボタンがクリックされることで、対象点PTの位置及び目標点PGの位置の指定が確定されても良い。
【0038】
図6は、図5のように対象点PTと目標点PGとが設定された場合における左乳房表示画像DI1と右乳房表示画像DI2との位置合わせの一例を示す図である。図6に示すように、対象点PTが目標点PGの高さ座標に位置するように、対象点PTが設定された左乳房表示画像DI1が高さ方向(y方向)に沿ってスライドされる。この際、対象点PTが設定されていない右乳房表示画像DI2はスライドされない。また、左乳房表示画像DI1は、横軸方向(x方向)に沿ってスライドされなくて良い。対象点PTが目標点PGの高さ座標に一致するように、対象点PTが設定された左乳房表示画像DI1がスライドされることで、図7に示すように、左乳房表示画像DI1と右乳房表示画像DI2とが位置合わせされる。
【0039】
なお、上記の説明において、対象点の設定対象画像は、左乳房表示画像であるとした。しかしながら、本実施形態はこれに限定されない。対象点の設定対象画像は、左乳房表示画像のみに限定されず、右乳房表示画像であっても良い。また、対象点の設定対象領域は、ニップル領域のみに限定されず、表示画像内の如何なる領域(点)であっても良い。目標点の設定対象画像は、右乳房表示画像のみに限定されず、左乳房表示画像であっても良い。また、目標点の設定対象領域は、ニップル領域のみに限定されず、表示ウィンドウ内の如何なる領域(点)であっても良い。また、対象点と目標点とは、互いに異なる乳房表示画像に設定される必要はなく、同一の乳房表示画像に設定されても良い。
【0040】
以上で、第1実施例に係るシステム制御部11の制御のもとに行われる位置合わせ処理の説明を終了する。
【0041】
第1実施例によれば、対象点が一点だけ設定される。従って対象点が二点される第2実施例に比して、より簡便な操作で左乳房表示画像と右乳房表示画像とを位置合わせすることができる。
【0042】
上記のように、典型的な撮影方向の場合、各乳房画像データにおいて無関心領域は高さ直方向に向いている。しかしながら、無関心領域が高さ方向に向かない撮影方向もある。この場合、左乳房領域と右乳房領域とを背中合わせに表示するために、本実施形態に係る医用画像観察装置1は、さらに判定部31を有している。
【0043】
判定部31は、左乳房表示画像と右乳房表示画像との初期表示の際、システム制御部11による制御に従って起動される。判定部31は、左乳房画像データと右乳房画像データとに関連付けられている撮影方向に関する情報を解析し、左乳房画像データと右乳房画像データとの撮影方向を特定する。そして判定部31は、特定された撮影方向に従って左乳房表示画像と右乳房表示画像とを回転させるか否かを判定する。例えば、判定部31は、撮影方向に回転角度を示すコードを関連付けたテーブルを有している。なお回転角度0°は回転無しに対応する。判定部31は、特定された撮影方向からテーブルを利用して回転の有無、換言すれば、回転角度を決定する。
【0044】
判定部31により回転をする必要があると判定された場合、表示制御部15は、各乳房画像データの中心座標周りに各乳房表示画像を回転する。そして、表示制御部15は、回転後の左乳房表示画像と右乳房表示画像とを表示ウィンドウに表示する。これにより左乳房表示画像内の左乳房領域と右乳房表示画像内の右乳房領域とが背中合わせで表示される。
【0045】
(第2実施例)
図8は、第2実施例に係るシステム制御部11の制御のもとに行われる位置合わせ処理の典型的な流れを説明するための図である。
【0046】
ステップSB1においてシステム制御部11は、画像表示依頼を受けることを待機している(ステップSB1)。ステップSB1は、ステップSA1と同様の処理なので詳細な説明は省略する。
【0047】
ステップSB1において画像表示依頼がなされると(ステップSB1:YES)、システム制御部11は、表示制御部15に初期表示を行わせる(ステップSB2)。ステップSB2は、ステップSA2と同様の処理なので詳細な説明は省略する。
【0048】
ステップSB2が行われるとシステム制御部11は、ユーザにより操作部23を介して第1の対象点の位置が指定されることを待機している(ステップSB3)。ユーザは、位置合わせが必要であると判断すると、操作部23を介して、左乳房表示画像と右乳房表示画像との何れか一方の乳房表示画像に第1の対象点の位置を指定する。第1の対象点の位置の指定は、例えば、マウス233の操作により実行される。
【0049】
第1の対象点の位置が指定されると(ステップSB3:YES)、システム制御部11は、対象点設定部25に設定処理を行わせる(ステップSB4)。ステップSB4において対象点設定部25は、ステップSB3において指定された位置に第1の対象点を設定する。
【0050】
ステップSB4が行われるとシステム制御部11は、ユーザにより操作部23を介して第2の対象点の位置が指定されることを待機している(ステップSB5)。ユーザは、第1の対象点の位置を指定し終えると、操作部23を介して、左乳房表示画像と右乳房表示画像との他方の乳房表示画像に第2の対象点の位置を指定する。第2の対象点の位置の指定は、第1の対象点と同様に、例えば、マウス233の操作により実行される。
【0051】
第2の対象点の位置が指定されると(ステップSB5:YES)、システム制御部11は、対象点設定部25に設定処理を行わせる(ステップSB6)。ステップSB6において対象点設定部25は、ステップSB5において指定された位置に第2の対象点を設定する。
【0052】
ステップSB6が行われるとシステム制御部11は、ユーザにより操作部23を介して目標点の位置が指定されることを待機している(ステップSB7)。ユーザは、第2の対象点の位置の指定が終了すると、次に、操作部23を介して表示ウィンドウに目標点の位置を指定する。目標点の位置の指定は、対象点の位置の指定と同様に、例えば、マウス233の操作により実行される。
【0053】
目標点の位置が指定されると(ステップSB7:YES)、システム制御部11は、目標点設定部に設定処理を行わせる(ステップSB8)。ステップSB8において目標点設定部27は、ステップSB7において指定された位置に目標点を設定する。
【0054】
ステップSB8が行われるとシステム制御部11は、座標記憶部29に記憶処理を行わせる(ステップSB9)。ステップSB9において座標記憶部29は、ステップSB4において設定された第1の対象点の画像データ上の座標とステップSB6において設定された第2の対象点の画像データ上の座標とを記憶する。また、ステップSB9において座標記憶部29は、ステップSB8において設定された目標点の表示ウィンドウ上の座標を記憶する。
【0055】
ステップSB9が行われるとシステム制御部11は、表示制御部15に位置合わせ処理を行わせる(ステップSB10)。ステップSB10において表示制御部15は、第1の対象点と第2の対象点と目標点とを利用して左乳房表示画像と右乳房表示画像とを位置合わせする。より詳細には、表示制御部15は、表示ウィンドウ内の目標点の高さ座標に第1の対象点の高さ座標と第2の対象点の高さ座標とが一致するように左乳房表示画像と右乳房表示画像とを表示ウィンドウに対してスライドする。
【0056】
次に図9図10とを参照しながら、第2実施例に係る左乳房表示画像と右乳房表示画像との位置合わせについて説明する。図9は、第1の対象点、第2の対象点、及び目標点の設定処理を説明するための図である。図9に示すように、ユーザは、ステップSB3において、マウス233の操作によりマウスカーソルMCを移動して第1の対象点PT1の位置を指定する。図9においては、左乳房表示画像DI1の左ニップル領域RN1に第1の対象点PT1の位置が指定される。指定された位置の左乳房画像データ上の座標は、対象点設定部25により第1の対象点PT1に設定される。次にユーザは、ステップSB5において、マウス233の操作によりマウスカーソルMCを移動して第2の対象点PT2の位置を指定する。図9においては、右乳房表示画像DI2の右ニップル領域RN2に第2の対象点PT2の位置が指定される。指定された位置の右乳房画像データ上の座標は、対象点設定部25により第2の対象点PT2に設定される。第1の対象点PT1と第2の対象点PT2とは、異なる乳房表示画像DI1,DI2に設定される。次にユーザは、マウス233の操作によりマウスカーソルMCを移動して目標点PGの位置を指定する。図9においては、右側表示ウィンドウDW2の中心高さに目標点PGの位置が指定される。指定された位置の画面ウィンドウDW上の座標は、目標点設定部27により目標点PGに設定される。なお、目標点PGの位置は、右乳房表示画像DI2上において指定されても良いし、左乳房表示画像DI1上において指定されても良い。
【0057】
なお第1の対象点PT1の位置、第2の対象点PT2の位置、及び目標点PGの位置の指定を機械的に区別するために、第1の対象点PT1の位置、第2の対象点PT2の位置、及び目標点PGの位置の指定に所定のルールが設けられても良い。例えば、第1の対象点PT1の位置の指定はマウス233によるシングルクイック操作により、第2の対象点PT2の位置の指定はマウス233によるダブルクイック操作により、目標点PGの位置の指定はマウス233によるホイールのクイック操作により実行されても良い。また、第1の対象点PT1の位置、第2の対象点PT2の位置、及び目標点PGの位置の指定後に、確定ボタンがクリックされることで、第1の対象点PT1の位置、第2の対象点PT2の位置、及び目標点PGの位置の指定が確定されても良い。
【0058】
図10は、図9のように第1の対象点PT1、第2の対象点PT2、及び目標点PGが設定された場合における左乳房表示画像DI1と右乳房表示画像DI2との位置合わせの一例を示す図である。図10に示すように、第1の対象点PT1と第2の対象点PT2とが目標点PGの高さ座標に位置するように、第1の対象点PT1が設定された左乳房表示画像DI1が高さ方向に沿ってスライドされ、第2の対象点PT2が設定された右乳房表示画像DI2が高さ方向に沿ってスライドされる。これにより、図8に示すように、左乳房表示画像DI1と右乳房表示画像DI2とが位置合わせされる。
【0059】
以上で、第2実施例に係るシステム制御部11の制御のもとに行われる位置合わせ処理の説明を終了する。
【0060】
第2実施例において2つの対象点が設定される。従って、第2実施例によれば、1つの対象点が設定される第1実施例に比して、左乳房表示画像と右乳房表示画像との両方を所望の目標点の高さにスライドすることができる。
【0061】
なお前述の説明において、第1の対象点と第2の対象点とは、ユーザにより手動で個別に指定された位置に設定されるとした。しかしながら、本実施形態はこれに限定されない。第2の対象点は、第1の対象点の位置に従う位置に自動的に設定されても良い。
【0062】
図11は、第2の実施例に係る第1の対象点PT1、第2の対象点PT2、及び目標点PGの他の設定処理を説明するための図である。図11に示すように、ユーザは、ステップSB3において、マウス233の操作によりマウスカーソルMCを移動して第1の対象点PT1の位置を指定する。図11においては、左乳房表示画像DI1の左ニップル領域RN1に第1の対象点RT1の位置が指定される。指定された位置の画像データ上の座標は、対象点設定部25により第1の対象点PT1に設定される。
【0063】
第1の対象点PT1が設定されると対象点設定部25は、第1の対象点PT1の位置に解剖学的に同一な右乳房表示画像DI2上の位置に第2の対象点PT2´を自動的に設定する。例えば、対象点設定部25は、第1の対象点PT1を含む局所関心領域を左乳房表示画像DI1または左乳房画像データに設定し、基準局所関心領域内の画素値分布を計算する。次に対象点設定部25は、右乳房表示画像または右乳房画像データに複数の比較局所関心領域を設定し、各比較局所関心領域について画素値分布を計算する。そして対象点設定部25は、複数の比較局所関心領域のうちの、最も基準局所関心領域の画素値分布に類似する画素値分布を有する比較局所関心領域を特定し、特定された比較局所関心領域に第2の対象点を設定する。
【0064】
このようにして、対象点設定部25は、第2の対象点を第1の対象点に従って自動的に設定することができる。従って、第1の対象点の位置と第2の対象点の位置との両方をユーザが指定する場合に比して、ユーザの手間が削減される。
【0065】
(変形例)
上記の説明において、対象点の座標と目標点の座標とは、左乳房画像データと右乳房画像データとに関連付けて記憶されるとした。変形例に係る医用画像観察装置1は、記憶されている対象点の座標と目標点の座標とを利用して初期的に左乳房表示画像と右乳房表示画像とを位置合わせして表示する。
【0066】
例えば、対象点設定部25は、ユーザにより操作部23を介して画像表示依頼がなされた場合、対象点設定部25は、左乳房画像データと右乳房画像データとの少なくとも一方に関連付けられている対象点の座標を特定する。そして対象点設定部25は、対象点の座標が関連付けられている乳房画像データの特定された座標に対象点を設定する。同様に目標点設定部27は、左乳房画像データと右乳房画像データとの少なくとも一方に関連付けられている目標点の座標を特定する。そして目標点設定部27は、表示ウィンドウ内の特定された座標に目標点を設定する。そして表示制御部15は、設定された対象点と目標点とを利用して、前述の説明と同様の処理により、左乳房表示画像と右乳房表示画像とを位置合わせする。
【0067】
上記説明の通り、本実施形態に係る医用画像観察装置1は、画像記憶部13、表示部19、対象点設定部25、目標点設定部27、及び表示制御部15を有している。画像記憶部13は、左乳房に関する左乳房画像データと右乳房に関する右乳房画像データとを記憶する。表示部19は、左乳房画像データに基づく左乳房表示画像と右乳房画像データに基づく右乳房表示画像とを画面内の表示ウィンドウに並べて表示する。対象点設定部25は、左乳房画像データと右乳房画像データとの少なくとも一方の乳房画像データに、ユーザからの指示に従って対象点を設定する。目標点設定部27は、表示ウィンドウに、ユーザからの指示に従って目標点を設定する。表示制御部15は、対象点と目標点とを利用して左乳房表示画像と右乳房表示画像とを位置合わせする。
【0068】
上記構成により、本実施形態に係る医用画像観察装置1は、2回または3回の点指定操作により、左乳房表示画像と右乳房表示画像とを位置合わせすることができる。本実施形態に係る位置合わせ方法によれば、対象点と目標点とを任意の位置に設定可能である。従って医用画像観察装置1は、対象点をニップル領域に設定し、目標点をニップル領域を移動させたい位置に設定することにより、二つのニップル領域を表示ウィンドウの所望高さ座標に一致させて左乳房表示画像と右乳房表示画像とを表示することができる。
【0069】
かくして本実施形態によれば、簡便な操作により左乳房画像と右乳房画像との位置合わせを行うことが可能となる。
【0070】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0071】
1…医用画像観察装置、10…情報処理プロセッサ、11…システム制御部、13…画像記憶部、15…表示制御部、17…出力IF部、19…表示部、21…入力IF部、23…操作部、25…対象点設定部、27…目標点設定部、29…座標記憶部、31…判定部、191…医用画像参照モニタ、193…医用レポートモニタ、231…キーボード、233…マウス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11