特許第6188413号(P6188413)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6188413
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】光源モジュールおよび照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20170821BHJP
   F21S 8/02 20060101ALI20170821BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20170821BHJP
【FI】
   F21S2/00 224
   F21S8/02 420
   F21Y115:10
【請求項の数】10
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2013-100367(P2013-100367)
(22)【出願日】2013年5月10日
(65)【公開番号】特開2014-220190(P2014-220190A)
(43)【公開日】2014年11月20日
【審査請求日】2016年4月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085198
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 久夫
(74)【代理人】
【識別番号】100098604
【弁理士】
【氏名又は名称】安島 清
(74)【代理人】
【識別番号】100087620
【弁理士】
【氏名又は名称】高梨 範夫
(74)【代理人】
【識別番号】100125494
【弁理士】
【氏名又は名称】山東 元希
(74)【代理人】
【識別番号】100141324
【弁理士】
【氏名又は名称】小河 卓
(74)【代理人】
【識別番号】100153936
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 健誠
(74)【代理人】
【識別番号】100160831
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 元
(72)【発明者】
【氏名】岩▲瀬▼ 和宏
【審査官】 當間 庸裕
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−218209(JP,A)
【文献】 特開2004−127922(JP,A)
【文献】 特開2009−140716(JP,A)
【文献】 特開2006−040727(JP,A)
【文献】 特開2012−123981(JP,A)
【文献】 実開昭51−096277(JP,U)
【文献】 特開2011−029205(JP,A)
【文献】 特開2008−195284(JP,A)
【文献】 特開2010−218852(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21S 8/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも3つの貫通孔が扇状に形成された取付基板と、
一方の面に光源としてのLEDを、他方の面に前記LEDの発する熱を放出する放熱フィンを、それぞれ有し、前記貫通孔側に前記LEDが配置されるように取り付けられた放熱基板と、を備え、
前記貫通孔は、少なくとも2つの貫通孔が同心円上に形成され、残りの貫通孔が前記2つの貫通孔の間かつ前記同心円上とは異なる位置に形成された
ことを特徴とする光源モジュール。
【請求項2】
必要とする明るさに応じた数の前記放熱基板が、前記取付基板に取り付けられる
ことを特徴とする請求項1に記載の光源モジュール。
【請求項3】
前記貫通孔は、扇状に形成されている
ことを特徴とする請求項1または2に記載の光源モジュール。
【請求項4】
前記放熱基板は、平面視して扇状に形成されている
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光源モジュール。
【請求項5】
前記放熱基板は、前記貫通孔よりも大きな輪郭を有する
ことを特徴とする請求項4に記載の光源モジュール。
【請求項6】
前記取付基板は円形であり、前記貫通孔は同心円上に等間隔に形成されている
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の光源モジュール。
【請求項7】
前記貫通孔は、少なくとも2つ以上の同心円上に、円周方向にずらして等間隔に形成されている
ことを特徴とする請求項6に記載の光源モジュール。
【請求項8】
前記貫通孔は、前記取付基板の中心に向かって幅が狭くなるように形成されている
ことを特徴とする請求項3、または請求項3に従属する請求項4〜7のいずれか一項に記載の光源モジュール。
【請求項9】
前記貫通孔は、それを閉塞している蓋部を打ち抜いて除去することにより開放される
ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の光源モジュール。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の光源モジュールを備えた照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源としてのLEDを有する光源モジュール、およびその光源モジュールを備えた照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の光源モジュールは、天井に埋め込んで取り付けられるダウンライトなどの照明器具に備えられ、光源として用いられるLEDと、そのLEDの発する熱を有効的に放出するための放熱フィンとが設けられている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−48996号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の光源モジュールは、光源の明るさレベルに対応した放熱量を有する専用の放熱フィンが設けられているのが一般的であるため、各照明器具の明るさレベルに対応した放熱量を有する放熱フィンをそれぞれ用意する必要があったため、製造コストがかかるという課題があった。
また、すべての明るさレベルに対応できる共通の放熱フィンを用意しておき、照明器具の区別なく用いることも考えられるが、例えば明るさレベルが大きな照明器具では、必要とする十分な放熱効果が得られなかったり、また、明るさレベルが小さな照明器具では、放熱フィンが大きすぎてそのままでは照明器具へ組み込むことが困難、かつ照明器具の重量が重くなってしまったりするという課題があった。
【0005】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、各照明器具の明るさレベルに対応した放熱量を有する放熱フィンをそれぞれ用意する必要なく、また、すべての明るさレベルに対応できる共通の放熱フィンを用意する必要なく、照明器具の必要とする明るさレベルに応じた光源モジュールおよび照明器具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る光源モジュールは、少なくとも3つの貫通孔が扇状に形成された取付基板と、一方の面に光源としてのLEDを、他方の面に前記LEDの発する熱を放出する放熱フィンを、それぞれ有し、前記貫通孔側に前記LEDが配置されるように取り付けられた放熱基板と、を備え、前記貫通孔は、少なくとも2つの貫通孔が同心円上に形成され、残りの貫通孔が前記2つの貫通孔の間かつ前記同心円上とは異なる位置に形成されたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る光源モジュールによれば、取付基板に取り付ける放熱基板の数を変えることで、照明器具の必要とする明るさレベルに応じた光源モジュールを作ることができる。
そのため、各照明器具の明るさレベルに対応した放熱量を有する放熱フィンをそれぞれ用意する必要がないため、製造コストを抑えることができる。
また、すべての明るさレベルに対応できる共通の放熱フィンを用意する必要がないため、明るさレベルが大きな照明器具では、必要とする十分な放熱効果が得られなかったり、 また、明るさレベルが小さな照明器具では、放熱フィンが大きすぎてそのままでは照明器具へ組み込むことが困難、かつ照明器具重量が重くなってしまったりするということを回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態に係る光源モジュールの取付基板の正面図である。
図2】本発明の実施の形態に係る光源モジュールの放熱基板の上面図である。
図3】本発明の実施の形態に係る光源モジュールの放熱基板の下面図である。
図4】本発明の実施の形態に係る低い明るさレベルの光源モジュールの上面図および下面図である。
図5】本発明の実施の形態に係る中間の明るさレベルの光源モジュールの上面図および下面図である。
図6】本発明の実施の形態に係る高い明るさレベルの光源モジュールの上面図および下面図である。
図7】本発明の実施の形態に係る光源モジュールを備えた照明器具の斜視図である。
図8】本発明の実施の形態に係る光源モジュールを備えた照明器具の下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。
実施の形態.
図1は、本発明の実施の形態に係る光源モジュールの取付基板1の正面図、図2は、本発明の実施の形態に係る光源モジュールの放熱基板3の上面図、図3は、本発明の実施の形態に係る光源モジュールの放熱基板3の下面図である。
本実施の形態に係る光源モジュールは、取付基板1と放熱基板3とで構成されている。
取付基板1は、図1に示すように円形状の金属板であり、表面には扇状の貫通孔2が複数形成されている。ここで、円形状の取付基板1は、中心に向かうにつれて放熱基板3を配置できる領域が狭くなる。そのため、貫通孔2の形状を本実施の形態のように扇状、またはその他中心に向かって幅が狭くなるような形状とすることにより、取付基板1の狭い領域にまで放熱基板3を配置でき、取付基板1の配置領域を有効に活用することができる。
【0010】
貫通孔2は、取付基板1の二つの同心円上に、円周方向にずらして等間隔に複数形成され、それらの貫通孔2は、取付基板1の中心に向かって幅が狭くなるように形成されている(図1に示す貫通孔2a)。また、取付基板1の中心部にも1個形成されている(図1に示す貫通孔2b)。
このように形成することによって、取付基板1の面を有効に利用して、できるだけ多くの貫通孔2を形成することができる。
【0011】
なお、各貫通孔2は、貫通孔2と同形状の金属製の蓋部2cにより塞がれており、必要な際に所定位置にある蓋部2cを打ち抜くことにより、蓋部2cが除去されて貫通孔2が開放されるようになっている。そのため、使用されていない貫通孔2は蓋部2cで塞がれており、照明器具に組み込んだ際に貫通孔2が目立たず、見栄えがよい。
【0012】
放熱基板3は、熱伝導性に優れた、例えばアルミのダイキャストで作られており、下面には光源として、例えばCOB仕様または多灯仕様のLED5が取り付けられ、そのLED5の発熱が放熱基板3に有効に伝わるようになっている。また、上面にはLED5の発する熱を放出する放熱フィン4が一体形成されている。なお、本実施の形態では放熱基板3に取り付けられているLED5は1個であるが、必要とする明るさに応じて2個以上としてもよい。
【0013】
放熱基板3は、図3に示すように平面視して、取付基板1の貫通孔2と同じ扇状に形成され、その輪郭は貫通孔2よりもやや大きく形成されている。これは、放熱基板3を貫通孔2からLED5全体が見えるように、取付基板1に取り付けられるようにするためである。そして、放熱フィン4が一体形成された放熱基板3は、例えば1個につき1000lm程度の明るさを出力するLED5が発熱する熱量を、放熱できるような大きさまたは形状に作られている。
【0014】
なお、取付基板1の貫通孔2の形状は扇状としたが、その形状に限定されるものではなく、取付基板1の形状に合わせて矩形状、三角形状、台形状など、必要に応じて任意の形状とすることができ、貫通孔2の大きさも使用される放熱基板3の形状に合わせて任意に決めることができる。
また、放熱基板3の形状や大きさも貫通孔2に合わせて任意に決めることができる。
また、放熱基板3の下面に放熱フィン4が一体形成されているとしたが、放熱基板3に別体の放熱フィン4を取り付けるような構成としてもよい。
また、放熱基板3の取付基板1への取り付け方法としては、例えば両者に嵌合部を設け、嵌合することにより取り付ける。
【0015】
以上の構成において、光源であるLED5をあらかじめ取り付けてユニット化した放熱基板3を複数用意しておき、照明器具として所定の明るさレベルに応じて必要な数の放熱基板3を取付基板1に取り付ける。
【0016】
図4は、本発明の実施の形態に係る低い明るさレベルの光源モジュール10aの上面図および下面図である。(a)が上面図、(b)が下面図をそれぞれ示している。
例えば、明るさがクラス500である照明器具の場合、図4に示すように5個の放熱基板3(5000lm)を必要とする。そのため、これらの放熱基板3が取付基板1に対してバランスよく配置されるように、蓋部2cを除去して5個の貫通孔2を開放し、その開放された貫通孔2からLED5が見えるように各放熱基板3を配置し、取付基板1に取り付ける。
【0017】
図5は、本発明の実施の形態に係る中間の明るさレベルの光源モジュール10bの上面図および下面図である。(a)が上面図、(b)が下面図をそれぞれ示している。
次に、明るさがクラス700である照明器具の場合、図5に示すように9個の放熱基板3(7000lm)を必要とする。そのため、これらの放熱基板3が取付基板1に対してバランスよく配置されるように、蓋部2cを除去して9個の貫通孔2を開放し、その開放された貫通孔2からLED5が見えるように各放熱基板3を配置し、取付基板1に取り付ける。
【0018】
図6は、本発明の実施の形態に係る高い明るさレベルの光源モジュール10cの上面図および下面図である。(a)が上面図、(b)が下面図をそれぞれ示している。
次に、明るさがクラス900である照明器具の場合、図6に示すように13個の放熱基板3(9000lm)を必要とする。そのため、取付基板1のすべての蓋部2cを除去して13個の貫通孔2を開放し、その開放された貫通孔2からLED5が見えるように各放熱基板3を配置し、取付基板1に取り付ける。
【0019】
図7は、本発明の実施の形態に係る光源モジュール10を備えた照明器具の斜視図、図8は、本発明の実施の形態に係る光源モジュール10を備えた照明器具の下面図である。
上記のようにして組み立てられた光源モジュール10は、図7に示すように、取付基板1の放熱基板3が取り付けられている側に、取付アーム11が取り付けられており、その反対側のLED5が見える面に、図8に示すようにLED5と対向する位置にレンズ12aが設けられた透光カバー12が取り付けられている。
取付アーム11は、ネジ孔が複数(本実施の形態では3個)形成されており、天井などにネジ固定するためのものである。
透光カバー12は、LED5を保護し、LED5の光を拡散させるためのものであり、意匠性をよくする目的もある。
また、光源モジュール10には、電源を供給する電源装置14が接続コード13を介して取り付けられている。
【0020】
以上のように、本実施の形態に係る光源モジュール10によれば、取付基板1に取り付ける放熱基板3の数を変えることで、照明器具の必要とする明るさレベルに応じた光源モジュール10を作ることができる。
【0021】
そのため、各照明器具の明るさレベルに対応した放熱量を有する放熱フィンをそれぞれ用意する必要がないため、製造コストを抑えることができる。
また、すべての明るさレベルに対応できる共通の放熱フィンを用意する必要がないため、明るさレベルが大きな照明器具では、必要とする十分な放熱効果が得られなかったり、また、明るさレベルが小さな照明器具では、放熱フィンが大きすぎてそのままでは照明器具へ組み込むことが困難、かつ照明器具重量が重くなってしまったりするということを回避できる。
【符号の説明】
【0022】
1 取付基板、2 貫通孔、2a (同心円上の)貫通孔、2b (中心部の)貫通孔、2c 蓋部、3 放熱基板、4 放熱フィン、5 LED、10 光源モジュール、10a 光源モジュール、10b 光源モジュール、10c 光源モジュール、11 取付アーム、12 透光カバー、12a レンズ、13 接続コード、14 電源装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8