特許第6188419号(P6188419)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6188419点灯回路ユニット、照明ランプ、照明装置及び点灯回路ユニットの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6188419
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】点灯回路ユニット、照明ランプ、照明装置及び点灯回路ユニットの製造方法
(51)【国際特許分類】
   F21K 9/238 20160101AFI20170821BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20170821BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20170821BHJP
【FI】
   F21K9/238 100
   F21V23/00 150
   F21Y115:10
【請求項の数】17
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-106059(P2013-106059)
(22)【出願日】2013年5月20日
(65)【公開番号】特開2014-229381(P2014-229381A)
(43)【公開日】2014年12月8日
【審査請求日】2016年4月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085198
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 久夫
(74)【代理人】
【識別番号】100098604
【弁理士】
【氏名又は名称】安島 清
(74)【代理人】
【識別番号】100087620
【弁理士】
【氏名又は名称】高梨 範夫
(74)【代理人】
【識別番号】100125494
【弁理士】
【氏名又は名称】山東 元希
(74)【代理人】
【識別番号】100141324
【弁理士】
【氏名又は名称】小河 卓
(74)【代理人】
【識別番号】100153936
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 健誠
(74)【代理人】
【識別番号】100160831
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 元
(72)【発明者】
【氏名】大野 彰久
【審査官】 鈴木 重幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−349216(JP,A)
【文献】 特開2004−006204(JP,A)
【文献】 特開2012−022855(JP,A)
【文献】 特開2008−166331(JP,A)
【文献】 特開2008−108683(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0044500(US,A1)
【文献】 特開2012−094467(JP,A)
【文献】 特開2011−253638(JP,A)
【文献】 特開2012−156001(JP,A)
【文献】 特開2012−169278(JP,A)
【文献】 特開2008−084817(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21K 9/00− 9/90
F21S 2/00−19/00
F21V23/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板及び前記回路基板に実装され、圧力弁を備える電解コンデンサを有し、光源を駆動する点灯回路と、
前記点灯回路が内部に設置された筒状の筐体と、
前記筐体の内部に充填される熱伝導性の充填部材と、を有し、
前記筐体の内部には、
前記点灯回路の一部を覆うように前記充填部材が充填され、前記点灯回路から発生する熱が、前記筐体に放熱される第1領域と、
前記充填部材が充填されていない第2領域と、が形成されており、
前記圧力弁は、前記第2領域に位置しており、
前記第1領域は、前記筐体の中心軸を基準として前記第1領域と前記第2領域との境界が傾斜した状態で前記筐体内に形成されており、
前記点灯回路は、前記第1領域と前記第2領域とに跨って配置されている
ことを特徴とする点灯回路ユニット。
【請求項2】
前記回路基板は、前記筐体の長手方向に略平行に配置され、且つ前記電解コンデンサは、前記回路基板の一端部に実装されており、
前記筐体は、前記筐体における前記電解コンデンサが設置されている側から、前記充填部材が注入される孔を有する
ことを特徴とする請求項1記載の点灯回路ユニット。
【請求項3】
前記筐体は、
端部に口金部が接続され、樹脂からなる筒状の樹脂筐体部と、
金属からなり、前記樹脂筐体部の外周に設けられ、前記樹脂筐体部の少なくとも一部を覆う筒状の金属筐体部と、を有する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の点灯回路ユニット。
【請求項4】
前記樹脂筐体部は、
前記金属筐体部と前記口金部との間に介在し、前記金属筐体部と前記口金部とを離間する離間部を有する
ことを特徴とする請求項3記載の点灯回路ユニット。
【請求項5】
前記樹脂筐体部は、
前記樹脂筐体部の内面に、前記回路基板の側端部を保持する基板保持部を有する
ことを特徴とする請求項3又は請求項4記載の点灯回路ユニット。
【請求項6】
前記筐体の内部は、前記回路基板における前記電解コンデンサが実装された面とは反対側の面の側の電解コンデンサ非実装領域と、前記回路基板における前記電解コンデンサが実装された面の側の電解コンデンサ実装領域とに、前記回路基板及び前記基板保持部で区画されており、
前記電解コンデンサ非実装領域には、前記充填部材が充填され、
前記電解コンデンサ実装領域には、前記充填部材が充填されていない
ことを特徴とする請求項5記載の点灯回路ユニット。
【請求項7】
前記筐体の内部は、前記回路基板における前記電解コンデンサが実装された面とは反対側の面の側の電解コンデンサ非実装領域と、前記回路基板における前記電解コンデンサが実装された面の側の電解コンデンサ実装領域とに、前記回路基板及び前記基板保持部で区画されており、
前記電解コンデンサ実装領域には、前記充填部材が充填され、
前記電解コンデンサ非実装領域には、前記充填部材が充填されていない
ことを特徴とする請求項5記載の点灯回路ユニット。
【請求項8】
請求項1〜のいずれか一項に記載の点灯回路ユニットと、
光源と、を有する
ことを特徴とする照明ランプ。
【請求項9】
前記光源は、
前記筐体の端部に載置されている
ことを特徴とする請求項記載の照明ランプ。
【請求項10】
前記点灯回路は、
前記筐体に接続された口金部を経由して入力される商用電力を、前記光源を駆動する駆動電力に変換し、前記駆動電力を前記光源に供給する
ことを特徴とする請求項又は請求項記載の照明ランプ。
【請求項11】
前記光源は、LEDからなる
ことを特徴とする請求項10のいずれか一項に記載の照明ランプ。
【請求項12】
前記光源は、レーザーダイオードからなる
ことを特徴とする請求項11のいずれか一項に記載の照明ランプ。
【請求項13】
前記光源は、有機ELからなる
ことを特徴とする請求項12のいずれか一項に記載の照明ランプ。
【請求項14】
前記光源は、蛍光ランプからなる
ことを特徴とする請求項13のいずれか一項に記載の照明ランプ。
【請求項15】
請求項1〜のいずれか一項に記載の点灯回路ユニットを有する
ことを特徴とする照明装置。
【請求項16】
請求項14のいずれか一項に記載の照明ランプを有する
ことを特徴とする照明装置。
【請求項17】
圧力弁を備える電解コンデンサを、回路基板に実装して点灯回路を形成する工程と、
前記点灯回路を、筒状の筐体の内部に設置する工程と、
前記筐体の内部における前記点灯回路の一部を含む第1領域に、熱伝導性の充填部材を充填し、前記筐体の内部における前記圧力弁を含む第2領域に、前記充填部材を充填しない工程と、
前記筐体の内部に充填された充填部材を乾燥する工程と、を有し、
前記第1領域は、前記筐体の中心軸を基準として前記第1領域と前記第2領域との境界が傾斜した状態で前記筐体内に形成されており、
前記点灯回路は、前記第1領域と前記第2領域とに跨って配置されている
ことを特徴とする点灯回路ユニットの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電解コンデンサを備える点灯回路ユニット、点灯回路ユニットを備える照明ランプ、点灯回路ユニットを備える照明装置及びその点灯回路ユニットの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電球形照明ランプの点灯回路には、電解コンデンサが備わっている場合がある。この電解コンデンサにおいては、継続的な電流の流入と流出、あるいは過電圧の印加による発熱、電解液の蒸発又は電解液の電気分解によるガス発生等によって、内部の圧力が上昇する虞がある。このため、これを抑制するために、電解コンデンサには、圧力弁(安全弁又は防爆弁ともいう)が設けられている。
【0003】
この圧力弁が正常に動作するために必要な空間を確保する技術として、特許文献1には、電解コンデンサを、圧力弁が口金側に向くように、口金に接続された絶縁リングに第1樹脂を用いて固定し、絶縁リングによって口金側の空間と隔てられた発光部側の空間に、第2樹脂が充填された照明装置が開示されている。この特許文献1は、口金側の空間に樹脂が充填されないため、口金側に向いている圧力弁が樹脂で埋まることが抑制される。このように、この従来技術は、圧力弁が樹脂で埋まることを抑制することによって、圧力弁の動作に必要な空間を確保しようとするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−146574号公報(図4
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された従来技術は、電解コンデンサを絶縁リングに固定しており、絶縁リングは、回路基板から離れているため、この回路基板上に、電解コンデンサを実装することができない。このように、特許文献1は、電解コンデンサを回路基板上に実装することができないため、電解コンデンサと回路基板とを接続するため、リード線を引き延ばす必要がある。更に、特許文献1は、このリード線を絶縁するために、リード線を、絶縁部材で被覆する必要もある。
【0006】
そして、特許文献1では、電解コンデンサが、口金に接続された絶縁リングに固定されているため、電解コンデンサの設置場所が制約される。また、この特許文献1は、回路基板を固定するために用いられる第2樹脂に加え、第1樹脂を用いて、電解コンデンサが絶縁リングに固定されている。このように、特許文献1では、樹脂が2回注入されるため、照明装置の製造工程数が増加する。
【0007】
本発明は、上記のような課題を背景としてなされたもので、電解コンデンサの圧力弁の動作に必要な空間を確保しつつ、放熱性を維持することができる点灯回路ユニット、照明ランプ、照明装置及び点灯回路ユニットの製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る点灯回路ユニットは、回路基板及び回路基板に実装され、圧力弁を備える電解コンデンサを有し、光源を駆動する点灯回路と、点灯回路が内部に設置された筒状の筐体と、筐体の内部に充填される熱伝導性の充填部材と、を有し、筐体の内部には、点灯回路の一部を覆うように充填部材が充填され、点灯回路から発生する熱が、筐体に放熱される第1領域と、充填部材が充填されていない第2領域と、が形成されており、圧力弁は、第2領域に位置しており、第1領域は、筐体の中心軸を基準として第1領域と第2領域との境界が傾斜した状態で筐体内に形成されており、点灯回路は、第1領域と第2領域とに跨って配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、熱伝導性の充填部材が、筐体内における圧力弁の設置部分以外の部分に充填されているため、圧力弁が正常に動作するために必要な空間を確保しつつ、点灯回路から発生する熱を放熱することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態1に係る照明ランプ2を示す断面図である。
図2】実施の形態1に係る点灯回路ユニット1を示す断面図である。
図3】実施の形態1の第1変形例に係る点灯回路ユニット1aを示す断面図である。
図4】実施の形態1の第2変形例に係る点灯回路ユニット1bを示す断面図である。
図5】実施の形態2に係る点灯回路ユニット1cを示す断面図である。
図6】実施の形態2の第1変形例に係る点灯回路ユニット1dを示す断面図である。
図7】実施の形態2の第2変形例に係る点灯回路ユニット1eを示す断面図である。
図8】実施の形態3に係る点灯回路ユニット1fを示す断面図である。
図9】実施の形態3の第1変形例に係る点灯回路ユニット1gを示す断面図である。
図10】実施の形態3の第2変形例に係る点灯回路ユニット1hを示す断面図である。
図11】実施の形態4に係る点灯回路ユニット1iを示す断面図である。
図12】実施の形態4の第1変形例に係る点灯回路ユニット1jを示す断面図である。
図13】実施の形態4の第2変形例に係る点灯回路ユニット1kを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る点灯回路ユニット、照明ランプ及び照明装置の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、図1を含め、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。
【0012】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る照明ランプ2を示す断面図である。この図1に基づいて、照明ランプ2及び点灯回路ユニット1について説明する。図1に示すように、照明ランプ2は、光源21と、グローブ22と、点灯回路ユニット1とを備えている。このうち、光源21は、例えばLED21a(発光素子)を発光手段としており、光源21は、このLED21aと、LED21aが載置(実装)されて、LED21aと電気的に接続されたLED基板21bとを備えている。なお、本実施の形態では、光源21の発光手段としてLED21aを使用しているが、例えば、光源21の発光手段として、レーザーダイオード、有機EL又は蛍光ランプ等を使用してもよい。
【0013】
また、グローブ22は、ドーム状をなしており、光源21における光の出射側の部分を覆っている。このグローブ22は、樹脂又はガラス等で形成され、透過性を有しており、LED21aから出射される光を透過するものである。なお、このグローブ22の表面形状を、LED21aから出射される光に、拡散、反射又は偏光等の作用を及ぼすような形状としてもよい。また、このグローブ22の表面に、拡散部材、反射部材又は偏光部材等を設けることによって、LED21aから出射される光に、拡散、反射又は偏光等の作用を及ぼすようにしてもよい。なお、本実施の形態では、照明ランプ2にグローブ22を取り付けているが、グローブ22を備えていない照明ランプとすることも可能である。
【0014】
次に、点灯回路ユニット1について説明する。この点灯回路ユニット1は、筐体11、口金部31及び点灯回路3を備えている。このうち、筐体11は、筒状をなしており、照明ランプ2の外郭を構成する金属からなる筒状の金属筐体部13と、この金属筐体部13の内壁に設けられた筒状の樹脂筐体部12とを備えている。金属筐体部13の上面には、LED基板21bが載置されており、金属筐体部13の底部は開口している。また、樹脂筐体部12は、更に、第1の樹脂筐体部12aと、第2の樹脂筐体部12bとに分かれている。このうち、第1の樹脂筐体部12aは、金属筐体部13の上部の内壁に沿って設けられている。そして、金属筐体部13及び第1の樹脂筐体部12aの上部には、配線部材(図示せず)を通すための筐体部通線孔14が設けられており、この筐体部通線孔14に通された配線部材によって、金属筐体部13の上面に載置されたLED基板21bと、点灯回路3とが電気的に接続されている。そして、第2の樹脂筐体部12bは、金属筐体部13の下部の内壁に沿って設けられており、第2の樹脂筐体部12bの下部は、金属筐体部13の下部よりも、更に下方(矢印Z1方向)に突出している。
【0015】
なお、これらの第1の樹脂筐体部12a及び第2の樹脂筐体部12bは、別個の部材であり、その端部同士が嵌合しているが、これらを一体的に成形してもよい。また、これらの第1の樹脂筐体部12a及び第2の樹脂筐体部12bは、金属筐体部13の底部の開口から挿入されており、金属筐体部13、第1の樹脂筐体部12a及び第2の樹脂筐体部12bにより、筐体11が構成されている。このように、本実施の形態では、金属筐体部13を無底の筒としているが、金属筐体部13を有底の筒としてもよい。この場合は、金属筐体部13の上部に開口を設けることにより、この開口から、第1の樹脂筐体部12a及び第2の樹脂筐体部12bを挿入する。
【0016】
次に、口金部31について説明する。口金部31は、筒状をなしており、その側面が波型形状となっている。そして、この口金部31の上部は、第2の樹脂筐体部12bの下部に嵌合している。なお、前述の如く、第2の樹脂筐体部12bの下部は、金属筐体部13の下部よりも、更に下方に突出しており、この突出した部分において、口金部31の上部と嵌合している。即ち、金属筐体部13と口金部31とは第2の樹脂筐体部12bにより、互いに離間して絶縁されている。このように、本実施の形態では、第2の樹脂筐体部12bに、金属筐体部13と口金部31とを離間する離間部12dを設けることにより、金属筐体部13と口金部31とを電気的に絶縁しているため、絶縁リング等の部材は不要である。このため、経済性に優れる。
【0017】
また、口金部31の下部には、配線部材(図示せず)を通すための口金部通線孔32が設けられている。そして、この口金部通線孔32の底部には、口金部通線孔32の底部を封止する中心電極33が設けられており、口金部通線孔32に通された配線部材によって、中心電極33と、点灯回路3とが電気的に接続されている。なお、中心電極33は、配線部材と、口金部31の底部とを半田等で接合することにより設けられたものである。そして、この口金部31は、口金部31に対応する照明器具(ソケット)に取り付けられることにより、商用電力の入力端となる。
【0018】
次に、点灯回路3について説明する。点灯回路3は、光源21を点灯させるための回路であって、第2の樹脂筐体部12bの内部において、この第2の樹脂筐体部12bの長手方向(矢印Z方向)に延びる回路基板7と、この回路基板7の上端部に設けられた電解コンデンサ5とを備えている。なお、回路基板7は、筐体部通線孔14に通された配線部材によって、金属筐体部13の上面に載置されたLED基板21bと電気的に接続されており、また、口金部通線孔32に通された配線部材によって、中心電極33と電気的に接続されている。点灯回路3には、これらの回路部品4、即ち、回路基板7及び電解コンデンサ5のほかに、整流回路、電力変換回路(コンバータ回路)又は制御回路等が適宜設けられている。電解コンデンサ5は、その端子5bがフォーミングされており、これにより、回路基板7の長手方向と、電解コンデンサ5の長手方向とが平行になるように、回路基板7に電解コンデンサ5が載置されている。
【0019】
また、電解コンデンサ5には、その上部に圧力弁6が設けられており、この圧力弁6によって、電解コンデンサ5の経年劣化による異常動作、又は想定外の環境下で使用されることによる異常動作等の際に、内部圧力の上昇を抑えて、安全を確保する。なお、この圧力弁6は、安全弁又は防爆弁とも称される。また、電解コンデンサ5は、圧力弁6が設けられた部分が、回路基板7の上端面よりも上方に突出するように、回路基板7に載置されている。
【0020】
次に、充填部材8について説明する。充填部材8は、熱伝導性を有する熱伝導性樹脂等からなり、第2の樹脂筐体部12bの内部と、口金部31における口金部通線孔32とからなる内部領域41に、充填されている。これにより、点灯回路3は、第2の樹脂筐体部12bの内部に固定されている。第2の樹脂筐体部12bの内部においては、この充填部材8は、その内部に設置された回路基板7の上端面に対し水平の位置から、第2の樹脂筐体部12bの底部まで充填され、更に、口金部31における口金部通線孔32に、充填されており、この充填部材8が充填された領域を、第1領域42と呼称する。
【0021】
上記のとおり、電解コンデンサ5における圧力弁6が設けられた部分は、回路基板7の上端面よりも上方に突出しているため、圧力弁6には、充填部材8は充填されていない。このように、第2の樹脂筐体部12bの内部における回路基板7の上端面よりも上方の部分、及び第1の樹脂筐体部12aの内部には、充填部材8が充填されておらず、この充填部材8が充填されていない領域を、第2領域43と呼称する。なお、図1における第1領域42及び第2領域43の形状及び容積は、一例を示すものであり、第1領域42及び第2領域43の形状及び容積は、電解コンデンサ5の設置領域又は充填部材8の注入方法等によって、適宜決定されるものである。
【0022】
次に、照明ランプ2を構成する点灯回路ユニット1の製造方法について説明する。図2(a)、(b)は、実施の形態1に係る点灯回路ユニット1を示す断面図である。このうち、図2(a)は、点灯回路ユニット1の軸方向断面図、図2(b)は、図2(a)におけるA−A断面図である。先ず、電解コンデンサ5と、整流回路、電力変換回路(コンバータ回路)又は制御回路等が、回路基板7に実装されて、点灯回路3が形成される。その際、電解コンデンサ5における圧力弁6が設けられた部分は、回路基板7の端面から突出するように、電解コンデンサ5が、回路基板7の端部に実装される。そして、この点灯回路3は、第2の樹脂筐体部12bの内部に設置され、その後、第2の樹脂筐体部12bの上部と、第1の樹脂筐体部12aの下部とが嵌合される。なお、点灯回路3は、第2の樹脂筐体部12bの上部側に、電解コンデンサ5が位置するように、第2の樹脂筐体部12bの内部に設置される。
【0023】
そして、第2の樹脂筐体部12bの下部と、口金部31の上部とが嵌合される。この口金部31の底部には、前述の如く、半田等によって中心電極33が形成されており、この半田等で配線部材(図示せず)と口金部31とが接合され、且つ口金部通線孔32の底部が封止されている。このように、口金部31の底部から、充填部材8が漏れないようにした状態で、第1の樹脂筐体部12aの上部に設けられた筐体部通線孔14から、充填部材8が注入される(図2(a)の矢印α方向)。その際、第1の樹脂筐体部12a、第2の樹脂筐体部12b及び口金部31を、垂直方向に保持した状態で、回路基板7の上端面に達する程度まで、充填部材8が充填される。これにより、図2(a)、(b)に示すように、点灯回路ユニット1が製造される。なお、点灯回路ユニット1の製造方法は、これに限らず、製造工程の順序を入れ替えてもよく、例えば、充填部材8が充填された後に、第1の樹脂筐体部12aと第2の樹脂筐体部12bとが嵌合されてもよい。
【0024】
次に、本実施の形態1の点灯回路ユニット1の作用について説明する。本実施の形態では、充填部材8の注入量を規制することにより、電解コンデンサ5における圧力弁6は、充填部材8が充填された第1領域42ではなく、充填部材8が充填されていない第2領域43に、位置している。このため、この圧力弁6が、充填部材8によって塞がれることが抑制され、その結果、圧力弁6を正常に動作させることができる。また、充填部材8は、熱伝導性を有しているため、点灯回路3における回路部品4から発生する熱を、第2の樹脂筐体部12b等の点灯回路3外部に放熱することができる。
【0025】
更に、点灯回路ユニット1の製造工程において、充填部材8が注入される際に、充填領域と非充填領域とを区画するための遮蔽部材を用いることなく、圧力弁6が充填部材8によって埋まることを抑制するため、製造コストを削減することができる。更に、充填部材8の注入は、1回で済むため、この点においても、製造コストの削減に寄与する。そして、本実施の形態では、回路基板7は充填部材8に覆われているため、電解液による基板上での異極端子管の短絡等の故障が発生することを抑制することができる。また、本実施の形態は、これらの効果に加え、電解コンデンサ5を基板上に実装することができ、また、この電解コンデンサ5の設置位置の自由度を高めることができる。
【0026】
なお、電解コンデンサ5に設けられた圧力弁6と、電解コンデンサ5の上面に対向する第1の樹脂筐体部12aの内壁との間隙としては、電解コンデンサ5の経年劣化による異常動作、又は想定外の環境下で使用されることによる異常動作等の際にも、圧力弁6が正常に開放動作することができる距離を確保する必要がある。例えば、この間隙を、2mm以上程度とすることにより、圧力弁6が正常に開放動作することができる。また、充填部材8の充填量を適宜調節することにより、電解コンデンサ5と第2の樹脂筐体部12bとの熱伝導効率を調節したり、充填部材8の使用量を低減したりすることもできる。
【0027】
また、本実施の形態及び後述する各実施の形態では、第1の樹脂筐体部12aに設けられた筐体部通線孔14から、充填部材8が注入されている。しかし、本実施の形態及び後述する各実施の形態では、第1の樹脂筐体部12aを省くことも可能であり、この場合、第2の樹脂筐体部12bの上部の開口から、充填部材8が注入される。
【0028】
次に、本実施の形態1の第1変形例に係る点灯回路ユニット1aについて説明する。図3は、実施の形態1の第1変形例に係る点灯回路ユニット1aを示す断面図である。この第1変形例においては、図3に示すように、充填部材8の充填領域が、実施の形態1と相違する。
【0029】
第1変形例では、充填部材8が筐体11内に注入される際、点灯回路ユニット1aが、水平方向(矢印X方向)に対し傾けられている。点灯回路ユニット1aの中心軸Oと、水平方向(矢印X方向)とのなす角度θaは、電解コンデンサ5における圧力弁6の設置場所等の点灯回路ユニット1aの設計仕様に基づいて決定される。点灯回路ユニット1aの製造工程において、保持具(図示せず)等によって、角度θaを維持しつつ、筐体11内に充填部材8が注入される。このように、充填部材8の充填領域を変更することによって、電解コンデンサ5と第2の樹脂筐体部12bとの熱伝導効率を低下させたり、その熱伝導方向に指向性をもたせたりして、放熱と断熱とのバランスを制御することができる。
【0030】
次に、本実施の形態1の第2変形例に係る点灯回路ユニット1bについて説明する。図4は、実施の形態1の第2変形例に係る点灯回路ユニット1bを示す断面図である。この第2変形例においては、図4に示すように、第1の樹脂筐体部12aに設けられた筐体部通線孔14と、電解コンデンサ5との相対的な位置関係が、実施の形態1と相違し、また、充填部材8の充填領域が、実施の形態1と相違する。
【0031】
第2変形例では、電解コンデンサ5は、筐体部通線孔14の直下に位置しており、充填部材8が筐体11内に注入される際、点灯回路ユニット1bが、水平方向(矢印X方向)に対し、角度θbだけ傾けられている。これにより、筐体部通線孔14から注入された充填部材8は、その直下の電解コンデンサ5を避けて、筐体11内に進入する(図4の矢印α方向)。このため、筐体部通線孔14から、充填部材8が注入される際、充填部材8が筐体部通線孔14の直下に位置する圧力弁6に当たり、充填部材8が圧力弁6を塞ぐことを抑制することができる。なお、角度θbは、充填部材8の流入経路を考慮して、設定する。
【0032】
実施の形態2.
次に、実施の形態2に係る点灯回路ユニット1cについて説明する。図5は、実施の形態2に係る点灯回路ユニット1cを示す断面図である。本実施の形態は、点灯回路3が、第2の樹脂筐体部12bの下部側に、電解コンデンサ5が位置するように、第2の樹脂筐体部12bの内部に設置されている点で、実施の形態1と相違し、また、充填部材8の充填領域も、実施の形態1と相違する。本実施の形態2では、実施の形態1と共通する部分は同一の符号を付して説明を省略し、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
【0033】
本実施の形態では、図5に示すように、点灯回路3は、第2の樹脂筐体部12bの下部側に、電解コンデンサ5が位置するように、第2の樹脂筐体部12bの内部に設置されている。即ち、第2の樹脂筐体部12bの内部における点灯回路3のZ軸方向における設置方向が、実施の形態1に対し、逆さまになっている。そして、口金部通線孔32の直下には、電解コンデンサ5が位置している。
【0034】
本実施の形態では、充填部材8が注入される前に、口金部通線孔32に、充填部材8の注入方向を所望の方向に誘導する誘導部材51を取り付ける。この誘導部材51を通して充填部材8が注入されることにより、電解コンデンサ5の圧力弁6を避けつつ、筐体11内に、充填部材8が充填される。そして、充填部材8の充填が完了した後、誘導部材51を取り外す。なお、誘導部材51の形状は、充填部材8の粘度(粘性率)又は口金部通線孔32の形状等の要素を考慮して、適宜選択(設計)される。また、この誘導部材51は、点灯回路ユニット1cの製造工程でのみ使用される製造治具であるため、製品コストの上昇はほとんどない。
【0035】
また、第1の樹脂筐体部12aには、筐体部通線孔14が設けられているため、充填部材8が、口金部通線孔32から注入されると、この筐体部通線孔14から、充填部材8が漏れる。このため、充填部材8が注入される前に、筐体部通線孔14を、仮封止部材52で塞ぎ、充填部材8の注入時に、筐体部通線孔14から、充填部材8が漏れることを抑制している。この仮封止部材52は、充填部材8が充填されて、乾燥固化された後、取り外される。なお、この仮封止部材52は、点灯回路ユニット1cの製造工程でのみ使用される製造治具であるため、製品コストの上昇はほとんどない。
【0036】
なお、本実施の形態では、充填部材8は、口金部通線孔32から注入されるため、充填部材8の充填が完了した後に、中心電極33が形成される。即ち、充填部材8の充填が完了した後、配線部材と口金部31の底部とが半田等で接合されつつ、口金部通線孔32が封止される。また、本実施の形態では、口金部31に設けられた口金部通線孔32から、充填部材8が注入されている。しかし、本実施の形態では、口金部31を、第2の樹脂筐体部12bに嵌合する前に、充填部材8が注入されてもよい。この場合、第2の樹脂筐体部12bの底部の開口から、充填部材8が注入される。
【0037】
このように、本実施の形態では、点灯回路3の設置位置が変更されても、充填部材8を、電解コンデンサ5の圧力弁6を避けて充填することができるため、実施の形態1と同様に、圧力弁6を正常に動作させることができるという効果を奏する。また、本実施の形態では、口金部通線孔32の直下に、電解コンデンサ5が位置しているが、本実施の形態では、誘導部材51を用いているため、充填部材8が、電解コンデンサ5の上部の圧力弁6に滴下することを抑制することができるという効果を奏する。なお、本実施の形態2では、口金部31が、第2の樹脂筐体部12bに嵌合された後に、充填部材8が充填されているが、先ず、充填部材8が充填され、その後、口金部31と第2の樹脂筐体部12bとが嵌合されて点灯回路ユニット1cを構成してもよい。
【0038】
次に、本実施の形態2の第1変形例に係る点灯回路ユニット1dについて説明する。図6は、実施の形態2の第1変形例に係る点灯回路ユニット1dを示す断面図である。この第1変形例においては、図6に示すように、充填部材8の充填領域が、実施の形態2と相違する。第1変形例では、充填部材8が筐体11内に注入される際、点灯回路ユニット1dは、水平方向(矢印X方向)に対し傾けられている。点灯回路ユニット1dの中心軸Oと、水平方向(矢印X方向)とのなす角度θcは、電解コンデンサ5における圧力弁6の設置場所等の点灯回路ユニット1dの設計仕様に基づいて決定される。点灯回路ユニット1dの製造工程において、保持具(図示せず)等によって、角度θcを維持しつつ、筐体11内に充填部材8が注入される。
【0039】
このように、第1変形例では、充填部材8の注入時に、点灯回路ユニット1dが傾けられていることにより、口金部通線孔32の直下に位置する電解コンデンサ5の圧力弁6を避けつつ、筐体11内に、充填部材8が充填される。従って、誘導部材51を使用することなく、筐体11内に、充填部材8を充填することができるため、製造工程の効率化(製造コストの削減)を図ることができる。なお、この第1変形例においても、口金部31が、第2の樹脂筐体部12bに嵌合された後に、充填部材8が充填されているが、先ず、充填部材8が充填され、その後、口金部31と第2の樹脂筐体部12bとが嵌合されて点灯回路ユニット1dを構成してもよい。
【0040】
次に、本実施の形態2の第2変形例に係る点灯回路ユニット1eについて説明する。図7は、実施の形態2の第2変形例に係る点灯回路ユニット1eを示す断面図である。この第2変形例においても、図7に示すように、充填部材8の充填領域が、実施の形態2と相違する。第2変形例では、充填部材8が筐体11内に注入される際、点灯回路ユニット1eは、水平方向(矢印X方向)に対し角度θdだけ傾けられている。これにより、第1変形例と同様に、誘導部材51を使用することなく、筐体11内に、充填部材8を充填することができるため、製造工程の効率化(製造コストの削減)を図ることができる。なお、この第2変形例においても、口金部31が、第2の樹脂筐体部12bに嵌合された後に、充填部材8が充填されているが、先ず、充填部材8が充填され、その後、口金部31と第2の樹脂筐体部12bとが嵌合されて点灯回路ユニット1eを構成してもよい。
【0041】
実施の形態3.
次に、実施の形態3に係る点灯回路ユニット1fについて説明する。図8は、実施の形態3に係る点灯回路ユニット1fを示す断面図である。本実施の形態は、電解コンデンサ5aの端子5bがフォーミングされておらず、回路基板7の長手方向と、電解コンデンサ5aの長手方向とが垂直になるように、回路基板7に電解コンデンサ5aが載置されている点で、実施の形態1と相違し、また、充填部材8の充填領域も、実施の形態1と相違する。本実施の形態3では、実施の形態1と共通する部分は同一の符号を付して説明を省略し、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
【0042】
本実施の形態では、図8に示すように、回路基板7の長手方向と、電解コンデンサ5aの長手方向とが垂直になるように、回路基板7に電解コンデンサ5aが載置されており、電解コンデンサ5aの上部に設けられた圧力弁6は、第2の樹脂筐体部12bの内壁に対向している。なお、点灯回路3aは、この電解コンデンサ5aと回路基板7とを備えている。本実施の形態においては、圧力弁6が、比較的口金部側に寄っているため、点灯回路ユニット1fが垂直に保持された状態で、筐体部通線孔14から充填部材8が注入されると、充填部材8が圧力弁6を塞ぐことを避けるためには、充填部材8の充填量を低減する必要がある。このため、本実施の形態では、充填部材8の充填時に、点灯回路ユニット1fが、水平に保持されている。これにより、充填部材8の量を維持しつつ、実施の形態1と同様に充填部材8が圧力弁6を塞ぐことを抑制することができる。
【0043】
次に、本実施の形態3の第1変形例に係る点灯回路ユニット1gについて説明する。図9は、実施の形態3の第1変形例に係る点灯回路ユニット1gを示す断面図である。この第1変形例においては、図9に示すように、充填部材8の充填領域が、実施の形態3と相違する。
【0044】
第1変形例では、充填部材8が、筐体11内に注入される際、点灯回路ユニット1gが、水平方向(矢印X方向)に対し傾けられている。点灯回路ユニット1gの中心軸Oと、水平方向(矢印X方向)とのなす角度θeは、電解コンデンサ5aにおける圧力弁6の設置場所等の点灯回路ユニット1gの設計仕様に基づいて決定される。点灯回路ユニット1gの製造工程において、保持具(図示せず)等によって、角度θeを維持しつつ、筐体11内に充填部材8が注入される。このように、充填部材8の充填領域を変更することによって、電解コンデンサ5aと第2の樹脂筐体部12bとの熱伝導効率を低下させたり、その熱伝導方向に指向性をもたせたりして、放熱と断熱とのバランスを制御することができる。
【0045】
次に、本実施の形態3の第2変形例に係る点灯回路ユニット1hについて説明する。図10は、実施の形態3の第2変形例に係る点灯回路ユニット1hを示す断面図である。この第2変形例においては、図10に示すように、第1の樹脂筐体部12aに設けられた筐体部通線孔14と、電解コンデンサ5aとの相対的な位置関係が、実施の形態3と相違し、また、充填部材8の充填領域が、実施の形態3と相違する。
【0046】
第2変形例では、実施の形態3に比べて、筐体部通線孔14と電解コンデンサ5aにおける圧力弁6との距離が離れている。このため、圧力弁6が上方(矢印Z2方向)となるように、点灯回路ユニット1hを水平に保つと、筐体部通線孔14は、下方(矢印Z1方向)に位置することになる。従って、筐体部通線孔14から、充填部材8を注入しようとしても、充填部材8は、筐体11内にほとんど貯留されない。そこで、第2変形例では、これを回避するために、点灯回路ユニット1hが、第1変形例よりも更に傾けられている(点灯回路ユニット1hの中心軸Oと、水平方向(矢印X方向)とのなす角度θf)。これにより、充填部材8の量を維持しつつ、充填部材8が圧力弁6を塞ぐことを抑制することができる。
【0047】
実施の形態4.
次に、実施の形態4に係る点灯回路ユニット1iについて説明する。図11は、実施の形態4に係る点灯回路ユニット1iを示す断面図である。このうち、図11(a)は、点灯回路ユニット1iの軸方向断面図、図11(b)は、図11(a)におけるB−B断面図である。本実施の形態は、回路基板7が基板保持部12c(基板ホルダ)に保持されている点で、実施の形態1と相違し、また、充填部材8の充填領域も、実施の形態1と相違する。本実施の形態4では、実施の形態1と共通する部分は同一の符号を付して説明を省略し、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
【0048】
本実施の形態では、図11(a)に示すように、第2の樹脂筐体部12bの内面には、この第2の樹脂筐体部12bの長手方向に延びるように、基板保持部12cが形成されており、この基板保持部12cによって、回路基板7の両側端部及び下端部が保持されている。そして、図11(b)に示すように、基板保持部12c及び回路基板7によって、第2の樹脂筐体部12bの内部が、2個の領域に区画されている。なお、基板保持部12c及び回路基板7に加え、更にそのほかの部材を用いて、領域を分けてもよい。
【0049】
本実施の形態では、第2の樹脂筐体部12bの内部において、回路基板7における電解コンデンサ5が実装された面とは反対側の面の側に、充填部材8が充填されており、この充填部材8が充填された領域を、第1領域42iと呼称する。そして、第2の樹脂筐体部12bにおける第1領域42iよりも上方の部分、及び第1の樹脂筐体部12aの内部には、充填部材8が充填されておらず、この領域を、第2領域43iと呼称する。更に、第2の樹脂筐体部12bの内部において、回路基板7における電解コンデンサ5が実装された面の側にも、充填部材8は充填されておらず、この領域を、第3領域44と呼称する。第1領域42iと第3領域44とは、基板保持部12c及び回路基板7によって区画されているため、第1領域42iに充填された充填部材8は、第3領域44に浸透しない。なお、本実施の形態では、電解コンデンサ5は、充填部材8によって筐体11の内部に固定されていないため、接着部材5cを用いて、電解コンデンサ5を回路基板7に固定している。また、実施の形態1と同様に、圧力弁6は、第2領域43i内に位置している。
【0050】
このように、本実施の形態では、圧力弁6だけではなく、電解コンデンサ5自体が、充填部材8に覆われていない。このため、本実施の形態は、実施の形態1で得られる効果を得ることに加え、電解コンデンサ5と第2の樹脂筐体部12bとの熱伝導効率を極力低下させる場合等に有効である。なお、回路基板7と基板保持部12cとの間には、製造(組立て作業)上必要なクリアランスが確保されており、このクリアランスは、充填部材8の粘度(粘性率)を考慮して、最良の条件が適宜選択(設計)される。
【0051】
次に、本実施の形態4の第1変形例に係る点灯回路ユニット1jについて説明する。図12(a)、(b)は、実施の形態4の第1変形例に係る点灯回路ユニット1jを示す断面図である。このうち、図12(a)は、点灯回路ユニット1jの軸方向断面図、図12(b)は、図12(a)におけるC−C断面図である。この第1変形例においては、図12(a)、(b)に示すように、回路基板7における電解コンデンサ5が実装された面の側の第2の樹脂筐体部12bの領域に、充填部材8が充填され(第1領域42j)、また、回路基板7における電解コンデンサ5が実装された面とは反対側の面の側の第2の樹脂筐体部12bの領域には、充填部材8が充填されていない(第3領域44a)点で、実施の形態4と相違する。
【0052】
この第1変形例では、第2の樹脂筐体部12bにおいて、回路基板7における電解コンデンサ5が実装された面とは反対側の面の側は、充填部材8が充填されていない第3領域44aとなっている。このように、回路基板7における第3領域44aの側の面には、電解コンデンサ5等の部品が載置されていないため、この面に、第2の樹脂筐体部12bとの熱伝導効率を極力下げたい電子部品を載置することができる。なお、第1変形例では、電解コンデンサ5は、筐体部通線孔14の直下に位置しているため、充填部材8が注入される際、誘導部材51aを用いて、電解コンデンサ5の圧力弁6を避けつつ、充填部材8が、筐体11内に充填されている。
【0053】
次に、本実施の形態4の第2変形例に係る点灯回路ユニット1kについて説明する。図13は、実施の形態4の第2変形例に係る点灯回路ユニット1kを示す断面図である。この第2変形例においては、図13に示すように、第1の樹脂筐体部12aに設けられた筐体部通線孔14と、電解コンデンサ5との相対的な位置関係が、実施の形態4と相違し、また、充填部材8の充填領域が、実施の形態4と相違する。
【0054】
この第2変形例は、第1変形例と同様に、回路基板7における電解コンデンサ5が実装された面の側の第2の樹脂筐体部12bの領域に、充填部材8が充填されるものである。しかし、筐体部通線孔14の直下には、電解コンデンサ5がないため、点灯回路ユニット1kが垂直に保持された状態で、筐体部通線孔14から、充填部材8が注入されると、回路基板7における電解コンデンサ5が実装された面とは反対側の面の側の第2の樹脂筐体部12bの領域に、充填部材8が充填されてしまう。このため、第2変形例では、点灯回路ユニット1kが、水平方向(矢印X方向)に対し、角度θgだけ傾けられた状態で、充填部材8が注入される。これにより、充填部材8は、図13の矢印α方向に流れていき、従って、第2の樹脂筐体部12bの内部において、回路基板7における電解コンデンサ5が実装された面の側に、充填部材8が充填される。
【0055】
この第2変形例においても、第1変形例と同様に、回路基板7における電解コンデンサ5が載置されていない側の面には、充填部材8が充填されていないため、この面に、第2の樹脂筐体部12bとの熱伝導効率を極力下げたい電子部品を載置することができるという効果を奏する。
【0056】
実施の形態5.
次に、本発明の照明ランプ又は点灯回路ユニットを備えた実施の形態5に係る照明装置について説明する。本発明の照明ランプ又は点灯回路ユニットは、天井に設置して天井用の照明装置として使用したり、例えばデスクに設置してデスクを照らす照明装置として使用したりすることができる。なお、本発明の照明ランプ又は点灯回路ユニットを備えた照明装置は、これらの用途に限定されず、他の照明装置とすることもできる。
【0057】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、上記の実施の形態は、本発明を限定するものではない。
【符号の説明】
【0058】
1、1a、1b、1c、1d、1e、1f、1g、1h、1i、1j、1k 点灯回路ユニット、2 照明ランプ、3、3a 点灯回路、4 回路部品、5、5a 電解コンデンサ 5b 端子、5c 接着部材、6 圧力弁、7 回路基板、8 充填部材、11 筐体、12 樹脂筐体部、12a 第1の樹脂筐体部、12b 第2の樹脂筐体部、12c 基板保持部、12d 離間部、13 金属筐体部、14 筐体部通線孔、21 光源、21a LED、21b LED基板、22 グローブ、31 口金部、32 口金部通線孔、33 中心電極、41 内部領域、42、42a、42b、42c、42d、42e、42f、42g、42h、42i、42j、42k 第1領域、43、43a、43b、43c、43d、43e、43f、43g、43h、43i、43j、43k 第2領域、44、44a、44b 第3領域、51、51a 誘導部材、52 仮封止部材。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13