特許第6188422号(P6188422)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6188422抗炎症剤、ヒアルロニダーゼ阻害剤、抗アレルギー剤
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6188422
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】抗炎症剤、ヒアルロニダーゼ阻害剤、抗アレルギー剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/216 20060101AFI20170821BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20170821BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20170821BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20170821BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20170821BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20170821BHJP
   A61Q 19/08 20060101ALI20170821BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20170821BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20170821BHJP
【FI】
   A61K31/216
   A61K8/37
   A61P29/00
   A61P43/00 111
   A61P37/08
   A61Q19/00
   A61Q19/08
   A61P17/00
   A61P19/02
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-109641(P2013-109641)
(22)【出願日】2013年5月24日
(65)【公開番号】特開2014-227395(P2014-227395A)
(43)【公開日】2014年12月8日
【審査請求日】2016年5月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000135324
【氏名又は名称】株式会社ノエビア
(72)【発明者】
【氏名】杉田 多喜男
(72)【発明者】
【氏名】葉谷 彰
【審査官】 渡部 正博
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭60−192555(JP,A)
【文献】 特開2007−161632(JP,A)
【文献】 田辺 正行,リンゴポリフェノールの食品への利用消臭作用・アレルギー抑制作用,ニューフードインダストリー Vol.38 No.8,宇田 守孝 株式会社食品資材研究会,1996年,Vol.38, No.8,p42-48
【文献】 築山 宗央 Muneo Tsukiyama,最近の抗老化植物成分の開発と化粧品への応用 Recent development of anti-aging plant agents and application to cosmetics,フレグランスジャーナル 9月号,2010年,Vol.38, No.9,p21-26
【文献】 Food.Sci.Technol.Res.,2001年,Vol.7, No.4,p307-310
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00−31/80
A61P 1/00−43/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式(1)で示される化合物において、
がエチル基又は2−エチルヘキシル基であり、〜R6がHである化合物から選択される1種又は2種を有効成分とする抗炎症剤。
【請求項2】
請求項1に記載の化合物を有効成分とする、ヒアルロニダーゼ阻害剤。
【請求項3】
請求項1に記載の化合物を有効成分とする、抗アレルギー剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高いヒアルロニダーゼ阻害作用を有する抗炎症剤、ヒアルロニダーゼ阻害剤、抗アレルギー剤に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒアルロン酸は、皮膚・関節液などの組織に多く存在するムコ多糖の一種であり、例えば、皮膚においては、細胞の保護・栄養の運搬・組織水分の保持・柔軟性の維持等に、また、関節液としては、組織構造・機能の維持および潤滑性の保持等に重要な役割を果たしている。
【0003】
皮膚や関節等の生体中のヒアルロン酸量は、老化又は病的状態により減少し、それが皮膚の乾燥、弾力性の低下、シワの増加、肌荒れ、あるいは関節の湿潤性悪化による関節痛等を惹き起こす。これ対し、ヒアルロン酸を加水分解する酵素であるヒアルロニダーゼを阻害することにより、ヒアルロン酸の分解を抑制し、生体ヒアルロン酸量の維持に寄与することができる。
【0004】
ヒアルロニダーゼが炎症時に活性化されることにより、結合組織のマトッリクスを破壊し、炎症系の組織への浸潤・血管の透過性を亢進することが知られている。また、ヒアルロニダーゼがI型アレルギーにおける肥満細胞からのヒスタミンの遊離の過程に介在していることが知られている。そのためヒアルロニダーゼ阻害剤は、ヒアルロニダーゼに起因する抗炎症・抗アレルギー剤としても利用することができる。
【0005】
従って、ヒアルロニダーゼ阻害剤は、近年患者数が増加しつつあり、社会問題化しているアトピー性皮膚炎、花粉症、気管支喘息、食物アレルギー等のアレルギー性疾患の予防や改善効果が期待されている。例えば、抗アレルギー剤であるクロモグリク酸ナトリウムやトラニラスト、抗炎症薬であるアスピリンやインドメタシンにはヒアルロニダーゼ活性阻害能が認められ、該阻害能が治療効果の発揮に一定の役割を果たすことが示唆されている(非特許文献1及び2)。
【0006】
これまでヒアルロニダーゼ阻害剤として、カラギーナン、アルギン酸、アルギン酸の加水分解物(特許文献1参照)、マンリョウ抽出物(特許文献2参照)、低分子化サイリウムシードガム(特許文献3参照)等が知られていたが、その効果は十分なものではなかった。
【0007】
クロロゲン酸の誘導体としては、クロロゲン酸のエチルエステルが抗インフルエンザウィルス効果を発揮することが知られている(特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2013−10700号公報
【特許文献2】特開2013−6815号公報
【特許文献3】特開2012−193134号公報
【特許文献4】特開2004−345971号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Chem.Pharm.Bull.,33,642(1985)
【非特許文献2】掛川寿夫ら、炎症,4,437(1984)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は高いヒアルロニダーゼ阻害作用を有する抗炎症剤、ヒアルロニダーゼ阻害剤、抗アレルギー剤を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、下記化学式(1)で示される化合物
【0012】
【化1】
【0013】
(式1中R1は、H若しくは炭素数1〜12の直鎖若しくは分岐鎖を有する、飽和若しくは不飽和のアルキル基を示し、R〜Rは同一若しくは異なってもよくH若しくは炭素数2〜8の直鎖若しくは分岐鎖を有する、飽和若しくは不飽和のアシル基を示し、R〜R6が全てHであることはない)を有効成分とする抗炎症剤、ヒアルロニダーゼ阻害剤、抗アレルギー剤である。
【0014】
本願第2の発明は、化学式(1)において、Rがエチル基、2−エチルヘキシル基から選択される1種又は2種であり、R〜R6がHである化合物を有効成分とする抗炎症剤である。
【0015】
本願第3の発明は、化学式(1)において、RがH、R〜R6の1以上がアセチル基であり、アセチル基以外のR〜R6がHである化合物を有効成分とする請求項1に記載の抗炎症剤である。
【0016】
本願第4の発明は、化学式(1)において、RがH、R〜R6のすべてがアセチル基である化合物を有効成分とする請求項1に記載の抗炎症剤である。
【0017】
本願第5の発明は、請求項1〜4の1項に記載の化合物を有効成分とする、ヒアルロニダーゼ阻害剤剤である。
【0018】
本願第6の発明は、請求項1〜4の1項に記載の化合物を有効成分とする、抗アレルギー剤である。
【発明の効果】
【0019】
本願発明の化学式(1)に記載した化合物は、高いヒアルロニダーゼ阻害効果を有するため、抗アレルギー効果、抗炎症効果を発揮する。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下本発明を実施するための形態を説明する。
【0021】
本発明は、下記化学式(1)で示される化合物
【0022】
【化2】
【0023】
(式1中R1は、H若しくは炭素数1〜12の直鎖若しくは分岐鎖を有する、飽和若しくは不飽和のアルキル基を示し、R〜Rは同一若しくは異なってもよくH若しくは炭素数2〜8の直鎖若しくは分岐鎖を有する、飽和若しくは不飽和のアシル基を示し、R〜R6が全てHであることはない)を有効成分とする抗炎症剤、ヒアルロニダーゼ阻害剤、抗アレルギー剤である。
【0024】
本願発明の効果の点から、化学式(1)において、Rがエチル基、2−エチルヘキシル基から選択される1種又は2種であり、R〜R6がHである化合物が好ましく用いられる。
【0025】
本願発明の効果の点から、化学式(1)において、RがH、R〜R6の1以上がアセチル基であり、アセチル基以外のR〜R6がHである化合物が好ましく用いられる。
【0026】
本願発明の効果の点から、化学式(1)において、RがH、R〜R6のすべてがアセチル基である化合物が好ましく用いられる。
【0027】
本願発明の化合物は、下記化学式(2)で示される化合物であるクロロゲン酸を出発物質として合成することができる。
【0028】
【化3】
【0029】
にアルキル基をエステル結合させる際には、化学式(2)の化合物と炭素数1から12のアルコールを希酸水溶液中で混合し、常温若しくは60℃以下の温度条件下で適時反応させることにより合成することができる。
【0030】
〜R6にアシル基を結合させる際には、化学式(2)の化合物と無水カルボン酸−ピリミジン混液を混合し、常温若しくは60℃以下の温度条件下で適時反応させることにより合成することができる。この際、アシル基を結合させない水酸基については、予め他の化合物でマスキングを行ってから、反応後マスキングを取り外すこともできる。
【0031】
化学式(1)で示された化合物は高いヒアルロニダーゼ阻害効果有し、抗炎症剤、ヒアルロニダーゼ阻害剤、抗アレルギー剤として有用である。
【0032】
本発明の抗炎症剤、ヒアルロニダーゼ阻害剤、抗アレルギー剤は、化学式(1)に示した化合物のみからなるものでもよいし、製剤化したものでもよい。対象となるアレルギーの種類は限定されず、例えば、アトピー性皮膚炎、花粉症、気管支喘息、食物アレルギー等を挙げることができる。
【0033】
本発明の抗炎症剤、ヒアルロニダーゼ阻害剤、抗アレルギー剤は、医薬品(医薬品および医薬部外品を含む。)として用いることができる。上記医薬品は、ヒトに用いることもできるし、ヒト以外の動物に用いることも可能である。
【0034】
本発明の抗炎症剤、ヒアルロニダーゼ阻害剤、抗アレルギー剤は、剤形に応じて適宜選択することができる。適宜配合して製造することができる。本発明の抗炎症剤、ヒアルロニダーゼ阻害剤、抗アレルギー剤に配合しうる添加剤としては、例えば、賦形剤(ブドウ糖、乳糖、白糖、塩化ナトリウム、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、カカオ脂、硬化植物油、カオリン、タルク等)、結合剤(蒸留水、生理食塩水、エタノール水、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロース、リン酸カリウム、ポリビニルピロリドン等)、崩壊剤(カンテン、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、デンプン、乳糖、ゼラチン、エタノール等)、崩壊抑制剤(白糖、ステアリン、カカオ脂、水素添加油等)、吸収促進剤(第四級アンモニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリウム等)、吸着剤(グリセリン、デンプン、乳糖、カオリン、ベントナイト、硅酸等)、滑沢剤(精製タルク、ステアリン酸塩、ポリエチレングリコール等)などが挙げられる。
【0035】
本発明による抗炎症剤、ヒアルロニダーゼ阻害剤、抗アレルギー剤の投与方法は、一般的には、錠剤、丸剤、軟・硬カプセル剤、細粒剤、散剤、顆粒剤等の形態で経口投与することができる。また、水溶性製剤は、液剤として経口的に投与することができる。さらに非経口投与であってもよい。非経口剤として投与する場合は、本発明の抗炎症剤、ヒアルロニダーゼ阻害剤、抗アレルギー剤をエタノールや水など適当な可溶化剤に分散させた後、パップ剤、ローション剤、軟膏剤、チンキ剤、クリーム剤などの剤形で適用することができる。また本抗炎症剤、ヒアルロニダーゼ阻害剤、抗アレルギー剤の水溶性製剤は、そのままで、あるいは分散剤、懸濁剤、安定剤などを添加した状態で、パップ剤、ローション剤、軟膏剤、チンキ剤、クリーム剤などの剤形で適用することができる。
【0036】
本発明の抗炎症剤、ヒアルロニダーゼ阻害剤、抗アレルギー剤を薬品として使用する際の配合比は、剤型によって適宜変更することが可能であるが、通常、経口または粘膜吸収により投与される場合は約0.01〜10wt%、非経口投与による場合は、0.01〜20wt%程度にするとよい。なお、投与量は種々の条件で異なるので、前記投与量より少ない量で十分な場合もあるし、また、範囲を超えて投与する必要のある場合もある。医薬組成物は、前記抗炎症剤、ヒアルロニダーゼ阻害剤、抗アレルギー剤以外に、医薬分野において常用される既知の他の化合物、および経口投与に適した形態に成型するのに必要な化合物を包含していてもよい。そのような化合物としては、例えば、乳糖、デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、カオリン、タルク、炭酸カルシウムなどが挙げられる。
【0037】
本発明の抗炎症剤、ヒアルロニダーゼ阻害剤、抗アレルギー剤は、皮膚外用剤(化粧品、医薬品および医薬部外品を含む。)として用いても、抗炎症作用、ヒアルロニダーゼ阻害作用、抗アレルギー作用を期待することができる。尚、上記皮膚外用剤は人間に用いても良いし、人間以外の哺乳類動物に用いても良い。本発明のヒアルロニダーゼ阻害剤、抗アレルギー剤、抗炎症剤を配合しうる皮膚外用剤の形態としては、例えば、乳液、石鹸、洗顔料、入浴剤、クリーム、乳液、化粧水、オーデコロン、ひげ剃り用クリーム、ひげ剃り用ローション、化粧油、日焼け・日焼け止めローション、おしろいパウダー、ファンデーション、香水、パック、爪クリーム、エナメル、エナメル除去液、眉墨、ほお紅、アイクリーム、アイシャドー、マスカラ、アイライナー、口紅、リップクリーム、シャンプー、リンス、染毛料、分散液、洗浄料等が挙げられる。また、本発明の抗炎症剤、ヒアルロニダーゼ阻害剤、抗アレルギー剤を配合しうる医薬品または医薬部外品の形態としては、軟膏剤、クリーム剤、外用液剤等が挙げられる。
【0038】
上記形態の皮膚外用剤には、本発明による抗炎症剤、ヒアルロニダーゼ阻害剤、抗アレルギー剤の他に、その抗炎症作用、ヒアルロニダーゼ阻害作用、抗アレルギー作用を損なわない範囲で化粧品、医薬部外品などの皮膚外用剤に配合される成分、油分、高級アルコール、脂肪酸、紫外線吸収剤、粉体、顔料、界面活性剤、多価アルコール・糖、高分子、生理活性成分、溶媒、酸化防止剤、香料、防腐剤等を配合することができる。
【0039】
本発明の化学式(1)に示した化合物は経口摂取することができるため、飲食品として利用することもできる。この場合は、本発明の組成物をそのまま食するか腸溶カプセルに包含して投与することができる。あるいは液体(例えば水)に適切な濃度になるように溶解し、混合、浸漬、塗布、噴霧等の方法で食品等に添加することができる。
【0040】
本発明の飲食品において、化学式(1)に示した化合物の含有割合は限定されず、各種用途に応じて、適宜設定することができる。また、本発明の飲食品を得る際にも、各種用途に応じた公知の製造方法において、任意の手法又はタイミングで化学式(1)に示した化合物を含有させることができる。当該含有させる際の化学式(1)に示した化合物の形態は限定されるものではなく、スラリー状であっても粉状であってもよく、各種用途に応じて適宜選択すればよい。
【0041】
本発明の飲食品としては、特に限定されるものではなく、ヒトが食することが可能なあらゆる食品類をあげることができる。例えば、食用油(サラダ油)、菓子類(ガム、キャンディー、キャラメル、チョコレート、クッキー、スナック、ゼリー、グミ、錠菓等)、麺類(そば、うどん、ラーメン等)、乳製品(ミルク、アイスクリーム、ヨーグルト等)、調味料(味噌、醤油等)、スープ類、飲料(ジュース、コーヒー、紅茶、茶、炭酸飲料、スポーツ飲料等)をはじめとする一般食品や、健康食品(錠剤、カプセル等)、栄養補助食品(栄養ドリンク等)が挙げられる。これらの飲食品に本発明の化学式(1)に示した化合物を適宜配合するとよい。
【0042】
これらの飲食品への本発明の組成物の添加量は、添加の対象となる飲食品の種類に応じて選択することができる。但し、当該添加量が少なすぎると、期待される抗炎症効果、ヒアルロニダーゼ阻害効果、抗アレルギー効果を十分に発揮できない。また、逆に添加量が多すぎると添加の対象となる食品が本来有する風味を損なう場合がある。そこで、これらの事情を考慮して添加量を決定することが好ましい。かかる観点より、上記組成物の添加量は、添加の対象となる飲食品の質量の概ね0.01%〜20%程度、好ましくは0.01%〜5%程度である。
【実施例】
【0043】
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の各例に何ら制限されるものではない。
【0044】
「実施例1」クロロゲン酸エチルエステルの合成
エタノール50mLと試薬級クロロゲン酸0.1g、希硫酸1mLを混合し、暗中条件下、40℃で3時間加熱、反応させた。酢酸エチル50mLと精製水50mLを添加して攪拌後酢酸エチル層を採取した。酢酸エチル層を精製水を用いて3回洗浄し、得られた酢酸エチル層の溶媒を留去し、濃縮物を凍結乾燥することにより、化学式(1)においてR位にエチル基を導入したクロロゲン酸エチルエステルを合成した。収率は48.6%であった。
クロロゲン酸エチルエステルの確認
LC/MS 直接MSに注入して
ESI+ 水素付加イオンである383.1を確認
ESI− 水素脱離イオンである381.1を確認
NMR (100MHz、CD3OD)
13.0, 36.4, 36.6, 36.6, 61.3, 69.0, 70.8, 71.2, 74.4, 113.7, 113.7, 115.2, 121.7, 126.3, 145.5, 145.9, 148.4, 167.0, 173.6
【0045】
「実施例2」クロロゲン酸2−エチルヘキシルエステルの合成
2−エチルヘキサノール125mLと試薬級クロロゲン酸0.1g、希硫酸1mLを混合し、暗中条件下、40℃で3時間加熱、反応させた。酢酸エチル50mLと精製水50mLを添加して攪拌後酢酸エチル層を採取した。酢酸エチル層を精製水を用いて3回洗浄し、得られた酢酸エチル層の溶媒を留去し、濃縮物を凍結乾燥することにより、化学式(1)においてR位に2−エチルヘキシル基を導入したクロロゲン酸2−エチルヘキシルエステルを合成した。収率は42.8%であった。
エチルヘキシルクロロゲン酸の確認
LC/MS 直接MSに注入して
ESI+ 水素付加イオンである467.2を確認
ESI− 水素脱離イオンである465.2を確認
NMR(100MHz、C5D5N)
10.8, 10.9, 14.0, 23.0, 23.7, 28.9, 28.9, 30.3, 30.4, 38.5, 38.8, 67.4, 67.4, 72.0, 114.9, 115.6, 116.5, 121.9, 126.6, 145.9, 147.5, 150.4, 166.8, 174.5
【0046】
「実施例3」クロロゲン酸アセチルエステルの合成
試薬級クロロゲン酸0.1gと無水酢酸−ピリミジン混液(1:2)1mLを混合し、暗中条件下室温で12時間反応させた。精製水10mLと酢酸エチル10mLを攪拌後酢酸エチル層を採取した。酢酸エチル層を精製水を用いて3回洗浄し、得られた酢酸エチル層の溶媒を留去し、濃縮物を凍結乾燥することにより、クロロゲン酸アセチルエステルを合成した。収率は68.6%であった。
アセチルクロロゲン酸の確認
LC/MS 直接MSに注入して
ESI+ 水素付加イオンである565.0を確認
ESI− 水素脱離イオンである563.0を確認
NMR(100MHz、CD3OD)
19.1, 19.1, 19.3, 19.6, 19.9, 31.3, 36.4, 67.0, 68.1, 71.6, 79.1, 118.1, 122.9, 123.9, 126.4, 133.1, 142.8, 143.9, 144.1, 165.7, 168.3, 168.5, 170.2, 170.3, 170.4, 172.2
【0047】
「ヒアルロニダーゼ阻害作用」
市販のヒアルロン酸カリウム塩(ヒト臍の緒由来)を0.9mg/mLになるように、0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)に溶解し、基質溶液とした。市販のヒアルロニダーゼ(ウシ精巣由来)を5,3000unit/mLとなるように、0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)に溶解し、酵素溶液とした。なお酵素溶液は用時調製とした。試験管に、緩衝液で各濃度に調製したサンプル溶液0.1mL、及び酵素溶液0.03mLをとり、37℃で20分間反応させた。次に活性化剤を0.06mL加え、37℃で20分間反応させた。さらに基質溶液を0.15mL加え、37℃で1時間反応させた。0.4規定のNaOHを0.06mL加え反応を停止させた後すぐに氷冷し、ホウ酸緩衝液(pH9.1)を0.06mL添加し、3分間煮沸した後さらに氷冷した。p−ジメチルベンズアルデヒド(p−DABA)溶液溶液を2.0mL添加し、37℃で20分間反応させた後、各試験管から96ウェルマイクロプレートに移しかえ、マイクロプレートリーダーを用いて585nmにおける吸光度を測定した。コントロールには、サンプルを溶かすのに用いた緩衝溶液のみを加えたものを用いた。ヒアルロニダーゼの活性が阻害されると分解産物であるN−アセチルグルコサミンが減少し。p−DABAによる吸光度が低くなる。このことを利用し、阻害活性は次式より求めた。結果を表2にまとめる。
阻害率(%)=(コントロール吸光度−サンプル吸光度)/コントロール吸光度×100
【0048】
【表1】
【0049】
表1に示した通り、本発明の実施例1〜3は、高いヒアルロニダーゼ阻害作用を示した。これに対し、クロロゲン酸においては有意なヒアルロニダーゼ阻害作用は認められなかった。したがって、本願発明の化学式(1)に示した化合物は、高いヒアルロニダーゼ阻害作用をを示し、抗炎症剤、ヒアルロニダーゼ阻害剤、抗アレルギー剤として有用である。