(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来、
図7で示すようなケーブル(コネクタ設置ケーブル)201が知られている(たとえば、特許文献1参照)。ケーブル201は、信号線(電線)203とコネクタ205とを備えている。信号線203は、芯線207と、芯線207を覆っている内側被覆体209と、内側被覆体209を覆っているシールド導体211と、シールド導体211を覆っている外側被覆体213とを備えて構成されている。
【0003】
コネクタ205は、内導体挿入部材215と外導体217と内導体219と芯線保持部材221とシェル枠体223とを備えて構成されている。
【0004】
そして、ケーブル201では、外導体217の内側に内導体挿入部材215と芯線保持部材221とシェル枠体223とが設置されており、内導体挿入部材215には内導体219が設置されており、信号線203の長手方向の一端部の芯線207が内導体219に接続されており、また、信号線203の長手方向の一端部のシールド導体211が、シェル枠体223に接続されている。
【0005】
また、従来、
図8で示すような多芯ケーブル(コネクタ設置多芯ケーブル)301が知られている(たとえば、特許文献2参照)。多芯ケーブル301は、複数本の信号線(電線)303と、これらの信号線303を覆っているシールド導体305とシールド導体305を覆っている被覆体307とコネクタ309とを備えている。
【0006】
コネクタ309は、インナーハウジング311と、シェル313とを備えている。インナーハウジング311には、信号線303の芯線315が接続される端子部317が設けられている。なお、信号線303は、芯線315が内側被覆体319で覆われている。
【0007】
各信号線303の長手方向の一端部では内側被覆体319が除去されて芯線315が露出しており、また、被覆体307とシールド導体305とが除去されて信号線303が露出している。
【0008】
そして、信号線303の長手方向の一端部で露出している芯線315が、インナーハウジング311の端子部317に接続され、インナーハウジング311とシールド導体305の長手方向の一端部と被覆体307の長手方向の一端部とがシェル313で覆われている。シールド導体305とシェル313とはお互いに導通している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、
図7で示すケーブル201では、インピーダンスの安定性を保つためシールド導体等の除去の長さをできるだけ短くすることが望ましい。
【0011】
また、
図8で示す多芯ケーブル301では、シールド内部に配置されている信号線をコネクタ(端子部)に接続するために、コネクタの端子部の配列に合わせて各信号線を配列される必要がある。このために、シールド導体や被覆体の除去の長さをある程度長くなってしまう。
【0012】
しかし、特にギガHz帯の周波数の信号の伝達に使用する差動ケーブルでは、
図7で示すものと同様にして、インピーダンスの安定性を保つために、シールド導体や被覆体の除去の長さをできるだけ短くすることが求められる。
【0013】
つまり、コネクタの端子部の配列に合わせて各信号線を配列されることと、シールド導体等の除去の長さを短くすることとの間で背反が生じてしまい、各電線の一端を端子部に接続するときの作業性が悪いという問題がある。
【0014】
図9、
図10を参照してさらに詳しく説明する。
図10で示す多芯ケーブル351は、多芯ケーブル本体353とコネクタ355とを備えて構成されている。
【0015】
多芯ケーブル本体353は、複数本の電線357と、これらの電線を覆っているシールド導体359と、シールド導体359を覆っている外側被覆体361とを備えて構成されている。なお、電線357は、芯線363とこの芯線363を覆っている被覆体365とを備えて構成されている。
【0016】
コネクタ355は、金属シェル367と、芯線接続部371が設けられているインナーハウジング369と、ブーツ373とを備えて構成されている。
【0017】
多芯ケーブル本体353をコネクタ355に接続する場合には、
図9で示すように、多芯ケーブル本体353の長手方向の一端部で被覆体361,365とシールド導体359とを所定の長さL(10mm程度)だけ適宜除去しておく。そして、
図10で示すような各芯線接続部371の配置に合わせて、各電線357を配列し、各電線357の芯線363のそれぞれを各芯線接続部371のそれぞれに接続している。
【0018】
しかし、
図9で示すような僅か10mmの距離で各電線357を配列することは難しく、各電線の一端をコネクタに接続するときの作業性が悪くなる。
【0019】
そこで、コネクタ355を大型化して(たとえば、金属シェル367の長さを長くして)、被覆体361,365とシールド導体359との除去の長さをある程度確保して、インピーダンスの安定性を保ちつつ各信号線を配列してコネクタに接続しやすくすることが考えられるが、コネクタを大型がすることはできるだけ避けたいものである。
【0020】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、コネクタを大型化することなく、被覆体等の除去長さを短くしてインピーダンスの安定を保ち、しかも、各電線の一端をコネクタに接続するときの作業がしやすい多芯ケーブルおよび多芯ケーブルの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
請求項1に記載の発明は、長手方向の一端部で被覆体が除去されて芯線が露出している複数本の電線と、前記各電線の長手方向の一端部で露出している芯線が接続されている複数の芯線接続部を備えたコネクタと、前記コネクタの各芯線接続部に、前記各電線を束ねている絶縁外皮とを有
し、前記コネクタは、金属シェルと、前記金属シェルの内部に配置されて前記複数の芯線接続部が設けられているインナーハウジングとを備えて構成されており、前記絶縁外皮は、お互いが束ねられておらず一体化しておらず自由に延伸している前記各電線の芯線のそれぞれが前記各芯線接続部のそれぞれに接続された後に、前記各電線を束ねたものである多芯ケーブルである。
【0022】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の多芯ケーブルにおいて、前記各電線を覆っているシールド導体を具備しており、前記コネクタは、前記シールド導体の長手方向の一端部が接続されている金属シェルと、前記芯線接続部が設けられており前記金属シェルに設置されているインナーハウジングとを備えて構成されており、前記絶縁外皮は、前記シールド導体を覆っている多芯ケーブルである。
【0023】
請求項3に記載の発明は、
お互いが束ねられておらず一体化しておらず自由に延伸している複数本の電線の長手方向の一端部で被覆体を除去して芯線を露出させる被覆体除去工程と、前記被覆体除去工程によって露出した芯線を、コネクタの複数の芯線接続部に接続する芯線接続工程と、前記芯線接続工程による接続をした後、絶縁外皮によって前記各電線を束ねる絶縁外皮設置工程とを有
し、前記コネクタは、金属シェルと、前記金属シェルの内部に配置されて前記各芯線接続部が設けられているインナーハウジングとを備えて構成されている多芯ケーブルの製造方法である。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、コネクタを大型化することなく、被覆体等の除去長さを短くしてインピーダンスの安定を保ち、しかも、各電線の一端をコネクタに接続するときの作業がしやすい多芯ケーブルを提供することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の実施形態に係る多芯ケーブル(コネクタ設置ケーブル;端子設置ケーブル)1は、たとえば、USB3.0(Universal Serial Bus 3.0)用のケーブルとして使用されるものであり、
図5等で示すように、複数本の電線3,5,7,9とコネクタ(端子)11と絶縁外皮13とを備えて構成されている。
【0027】
各電線3,5,7,9は、
図2等で示すように、長手方向の一端部で被覆体15,17,19,21が除去されて芯線23,25,27,29が露出している。被覆体15,17,19,21の上記除去は、図示しない専用治具や設備を用いてなされたものである。
【0028】
コネクタ11は、複数の芯線接続部31,33,35を備えて構成されており、各電線3,5,7,9の長手方向の一端部で露出している芯線23,25,27,29のそれぞれが各芯線接続部31,33,35のそれぞれに接続されている。
【0029】
絶縁外皮13は、コネクタ11の各芯線接続部31,33,35のそれぞれに各電線3,5,7,9の芯線23,25,27,29のそれぞれが接続された状態で(各電線3,5,7,9の芯線23,25,27,29のそれぞれをコネクタ11の各芯線接続部31,33,35のそれぞれに接続した後に)、シールド導体39を間にして、各電線3,5,7,9を束ねて覆っている。
【0030】
なお、多芯ケーブル1では、各電線3,5,7,9の芯線23,25,27,29のそれぞれと、芯線接続部31,33,35のそれぞれとはお互いが導通している。一方各芯線23,25,27,29同士や各芯線接続部31,33,35同士はお互いが絶縁されて非導通状態になっている。また、
図3〜
図6では、電線9とのこの電線9の芯線29が接続される芯線接続部の表示が省略されている。
【0031】
また、多芯ケーブル1は、シールド導体39を具備しており、シールド導体39が各電線3,5,7,9を覆っている。シールド導体39は、コネクタ11の各芯線接続部31,33,35のそれぞれに各電線3,5,7,9の芯線23,25,27,29のそれぞれが接続された後に、各電線3,5,7,9を覆っている。
【0032】
コネクタ11は、金属シェル41とインナーハウジング43とを備えて構成されている。金属シェル41には、シールド導体39の長手方向の一端部が接続されている。インナーハウジング43には、芯線接続部31,33,35が設けられており、インナーハウジング43は、金属シェル41の内側で金属シェル41に一体的に設置されている。そして、金属シェル41とシールド導体39とがお互いに導通しており、金属シェル41と各芯線23,25,27,29や各芯線接続部31,33,35とはお互いが絶縁されていて非導通状態になっている。
【0033】
絶縁外皮13は、各電線3,5,7,9をシールド導体39で覆った後、シールド導体39に巻き付いて、シールド導体39を覆っている。
【0034】
なお、シールド導体39を削除し、絶縁外皮13が各電線3,5,7,9に巻き付いて各電線3,5,7,9を覆っているように構成してもよい。
【0035】
また、絶縁外皮13は、たとえば、各電線3,5,7,9の外周に巻き付いている絶縁テープで構成されている。
【0036】
ここで、多芯ケーブル1についてさらに詳しく説明する。
【0037】
電線3,5,7,9として、たとえば、電源線3、GND線(グランド線)5、特性インピーダンス90±7Ωに調整されているシールドツイストペアケーブル(STP;Shielded Twisted Pair)7およびツイストペアケーブル(UTP;Unshielded Twisted Pair)9からなる信号線が採用されている。
【0038】
電源線3は、芯線23と被覆体15とで構成されている。芯線23は、たとえば、銅等の金属の細長い円柱状の複数本の素線で構成されている。被覆体15は、たとえば絶縁性の合成樹脂で筒状(たとえば円筒状)に形成されており、芯線23の長手方向の一端の近傍から芯線23の他端にわたって芯線23を覆っている。これにより、信号線の長手方向の一端部(芯線23の長手方向の一端とこの一端から長手方向の他端側に僅かに離れた箇所との間)で、芯線23が露出している。
【0039】
GND線5やツイストペアケーブル9やシールドツイストペアケーブル7も、芯線25,27,29と被覆体17,19,21とを備えて電源線3とほぼ同様に構成されている。なお、電源線3やGND線5やツイストペアケーブル9やシールドツイストペアケーブル7は、可撓性を備えている。
【0040】
金属シェル41は、筒状(たとえば矩形な筒状)に形成されている。インナーハウジング43は、インナーハウジング本体部45と複数の芯線接続体47とを備えて構成されている。
【0041】
インナーハウジング本体部45は合成樹脂等の絶縁性の材料で構成されており、各芯線接続体47は金属等の導電性の材料で構成されており、インナーハウジング本体部45に一体的に設けられている。芯線接続部31,33,35は、各芯線接続体47それぞれの一端部に形成されている。
【0042】
金属シェル41やインナーハウジング43の剛性は、電線3,5,7,9に比べて高くなっており、電線3,5,7,9が人の指や手で加える力で容易に変形するのに対し、金属シェル41やインナーハウジング43はほとんど変形しないようになっている。
【0043】
金属シェル41にインナーハウジング43を設置した状態では、
図3等で示すように、インナーハウジング43が金属シェル41の内部に位置しており、芯線接続部31,33,35が金属シェル41の一端側(金属シェル41の中心軸の延伸方向の一端側)に位置しており、芯線接続体47の他端部が金属シェル41の他端側(金属シェルの中心軸の延伸方向の他端側;
図3では左側)に位置している。なお、金属シェル41の中心軸は、筒状の金属シェル41の矩形状の一方の開口部の中心と、筒状の金属シェル41の矩形状の他方の開口部の中心とをお互いに結んでいる直線で構成されている。
【0044】
電源線3は、この長手方向の一端部で露出している芯線23が、たとえばハンダによって、インナーハウジング43の1つの芯線接続部31に接続されている。そして、電源線3の長手方向の一端部で露出している芯線23が金属シェル41に設置されたインナーハウジング43の芯線接続部31に接続された状態(インナーハウジング・芯線設置状態)では、電源線3の長手方向の一端部で露出している芯線23が金属シェル41内に収まっており、被覆体15の除去がなされていない電源線3が、金属シェル41の一端(
図3では右端)から延出している。
【0045】
GND線5や信号線7,9も、電源線3と同様にして、金属シェル41に設置されたインナーハウジング43の芯線接続部33,35に接続されている。なお、各芯線23,25,27,29のそれぞれの各芯線接続部31,33,35のそれぞれへの接続が、ハンダを用いることに代えて、圧接、端子圧着後の挿入、超音波等の他の接続方式を用いてさなれていてもよい。
【0046】
シールド導体39は、銅等の金属の素線を編むことで円等状に形成されており(編組線で構成されており)、各電線3,5,7,9を覆っており、これにより、円筒状のシールド導体39内を各電線3,5,7,9が通っている。なお、シールド導体39を金属箔で構成し、各電線3,5,7,9が金属箔で覆われていてもよい。
【0047】
図5で示すように、シールド導体39の長手方向の一端は、電線3,5,7,9の被覆体15,17,19,21の長手方向の一端よりも、電線3,5,7,9の長手方向の他端側(
図5では右側)に位置しているが、インナーハウジング・芯線設置状態において、さらに、シールド導体39が金属シェル41に設置された状態(インナーハウジング・芯線・シールド導体設置状態)では、シールド導体39の長手方向の一端が、金属シェル41内に位置している。また、シールド導体39はこの長手方向の一端部が折り返されており、折り返された部位も金属シェル41の内側に位置している。
【0048】
さらに説明すると、インナーハウジング・芯線・シールド導体設置状態では、金属シェル41の内側であって金属シェル41の中心軸の延伸方向で、金属シェル41の他方の開口部(
図5の左端)から一方の開口部(
図5の右端)に向かい、電線3,5,7,9の芯線23,25,27,29の長手方向の一端(
図5の左端)、電線3,5,7,9の被覆体15,17,19,21の長手方向の一端(
図5の左端)、シールド導体39の長手方向の一端(
図5の左端)が、この順にならんでいる。
【0049】
また、インナーハウジング・芯線・シールド導体設置状態では、筒状の金属シェル41の一方の開口部(
図5の右端)からシールド導体39と電線3,5,7,9とが
図5の右方に延出しており、シールド導体39が金属シェル41に接して金属シェル41と導通しており、シールド導体39と各電線3,5,7,9の芯線23,25,27,29とはお互いが非導通状態になっている。
【0050】
絶縁テープ13は、所定の幅の細長い帯状に形成されており、厚さ方向の一方の面に粘着剤もしくは接着剤が塗布されている。そして、インナーハウジング・芯線・シールド導体設置状態において、絶縁テープ13がシールド導体39の外周に螺旋状に巻き付けられている。なお、絶縁テープ13が巻き付けられている部位では、シールド導体39が絶縁テープ13で覆われておりシールド導体39が非露出の状態になっている。
【0051】
絶縁テープ13が設置されることで、シールド導体39が外部と絶縁され、周囲との接触によるノイズの混入が防止され、また、シールド導体39が傷付くことが防止される。
【0052】
なお、シールド導体39が巻き付けられた絶縁テープ13の一端(
図5の左端)は、たとえば、金属シェル41の一方の開口部(
図5の右端)のところに位置している。
【0053】
また、多芯ケーブル1には、ブーツ49が設けられている。ブーツ49は、可撓性を備えた合成樹脂等の絶縁体で筒状に形成されている。インナーハウジング・芯線・シールド導体設置状態において、ブーツ49を設置することで多芯ケーブル1が生成される。
【0054】
ブーツ49は、金属シェル41と絶縁テープ13とに設置されている。さらに説明すると、筒状のブーツ49の中心軸の延伸方向の一方の側は、金属シェル41の一端部が内側に入るようにして金属シェル41を覆っており、筒状のブーツ49の中心軸の延伸方向の他方の側は、各電線3,5,7,9やシールド導体39を覆っている絶縁テープ13が内側に入るようにして絶縁テープ13の一部(金属シェル41から延出し始めている金属シェル41近傍の部位)を覆っている。
【0055】
なお、筒状のブーツ49の中心軸の延伸方向の一方の側が、金属シェル41の一端部の内側に入るようにして金属シェル41に設置されていてもよい。
【0056】
また、多芯ケーブル1では、金属シェル41の他端部(
図6の左端部)が、コンピュータ等の情報機器のポートに差し込まれるようになっている。また、多芯ケーブル1の長手方向の他端には、たとえば、
図1で示すように、上述したコネクタと同様なコネクタ51が設置されている。
【0057】
次に、多芯ケーブル1の製造手順について説明する。
【0058】
まず、
図2で示すように、各電線3,5,7,9の長手方向の一端部で被覆体15,17,19,21を除去し、芯線23,25,27,29を露出させる。
【0059】
続いて、コネクタ11の芯線接続部31に電源線3の芯線23を接続する等、芯線接続部31,33,35のそれぞれに、各電線3,5,7,9の芯線23,25,27,29のそれぞれを接続する(
図3、
図4参照)。
【0060】
続いて、外来ノイズの影響を低減させるため、各電線3,5,7,9をシールド導体39で覆い(
図4、
図5参照)、シールド導体39に絶縁テープ13を巻き付け、ブーツ49を設置する。
【0061】
多芯ケーブル1によれば、コネクタ11の各芯線接続部31,33,35のそれぞれに、お互いが束ねられておらず一体化されておらず自由に延伸している各電線3,5,7,9の芯線23,25,27,29のそれぞれが接続された後に、絶縁外皮13で各電線3,5,7,9を束ねてシールド導体39とともに覆っているので、インピーダンスの安定性を確保すべく被覆体15,17,19,21やシールド導体39の除去長さを短くしまたコネクタ11を大型化しなくても、コネクタ11の各芯線接続部31,33,35の配置に合わせて各電線3,5,7,9を配列し、各芯線接続部31,33,35のそれぞれに各電線3,5,7,9の芯線23,25,27,29のそれぞれを接続する作業がしやすくなる。そして、作業性が向上することで、多芯ケーブル1のコストダウンがなされる。
【0062】
また、多芯ケーブル1によれば、お互いが一体化していない各電線3,5,7,9の芯線23,25,27,29のそれぞれをコネクタ11の各芯線接続部のそれぞれに接続するとき、各電線3,5,7,9の長手方向の一端部での被覆体15,17,19,21の除去を、各電線3,5,7,9のそれぞれにおいて単独で行うことができるので、従来のように限られたスペースでの難作業が改善されて作業時間が短縮されることに加えて、品質が安定することが予想される。
【0063】
また、多芯ケーブル1によれば、シールド導体39が各電線3,5,7,9を覆っておりさらに金属シェル41に接続されているので、各電線3,5,7,9が全長にわたってシールド導体39と金属シェル41とで覆われており、各電線3,5,7,9が全長にわたってシールドされている。これにより、各信号線7,9での外来ノイズの影響を低減することができる。
【0064】
また、多芯ケーブル1によれば、絶縁外皮13が絶縁テープで構成されているので、絶縁外皮13の各電線への設置作業がしやすくなる。また、電線3,5,7,9の種類や本数や長さが変わっても柔軟に対応することができる。
【0065】
なお、上記説明では、多芯ケーブルとしてUSBケーブルを例に掲げて説明したが、これに限定されることは無く、他の種類の多芯ケーブルに上述した構成を適用してもよい。
【0066】
また、上記多芯ケーブルは、複数本の電線それぞれの長手方向の一端部で被覆体を除去して芯線を露出させる被覆体除去工程と、前記被覆体除去工程によって露出した芯線のそれぞれをコネクタの複数の芯線接続部のそれぞれに接続する芯線接続工程と、前記芯線接続工程による接続をした後絶縁外皮によって前記各電線を束ねる絶縁外皮設置工程とを有する多芯ケーブルの製造方法によって製造されたものの例である。