(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ディスプレイパネル基板アセンブリを形成するための方法であって、前記基板アセンブリが、第1の基板と、第2の基板と、を備え、前記第1の基板及び前記第2の基板のうちの少なくとも1つが、光学的に透明であり、前記方法が、
非たわみ性接着剤組成物を前記第1の基板の表面上にスクリーン又はステンシル印刷する工程であって、前記非たわみ性接着剤組成物が、25℃及び1秒−1の剪断速度において18Pa.s〜140Pa.sの粘度、並びに25℃及び0.01秒−1の剪断速度において700Pa.s〜4200Pa.sの粘度を有し、かつ硬化後に光学的に透明なタイプである、工程と、
5000パスカル以下の圧力を有する環境において、前記非たわみ性接着剤組成物を、前記第2の基板の表面と接触させる工程と、
接着剤層を産生するように、前記非たわみ性接着剤組成物を硬化する工程と、を含む、方法。
前記非たわみ性接着剤組成物を前記第2の基板の前記表面と接触させた後、及び前記非たわみ性接着剤組成物を硬化する前に、前記ディスプレイパネル基板アセンブリの環境における圧力を大気圧超に上昇させる工程と、を更に含む、請求項1に記載の方法。
前記第2の基板と前記第1の基板との間の相対運動を生じさせて、前記第2の基板及び前記第1の基板を第2の速度で互いから事前定義される距離に至らせる前に、第1の速度で前記第2の基板と前記第1の基板との間の相対運動を生じさせて、前記第2の基板及び前記第1の基板を互いから0.025mm〜2mm離れた距離に至らせる工程を更に含み、前記第2の速度が、前記第1の速度よりも低い、請求項1に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本明細書において使用される「印刷」という用語は、一般的な意味で、液体接着剤を印刷するいずれの工業的方法も指し、その例としては、スクリーンの使用を含む、代替的にスクリーン印刷として知られる印刷、並びに、ステンシルの使用を含む、代替的にステンシル印刷として知られる印刷が挙げられる。
【0040】
いくつかの実施形態では、スクリーン印刷は、非たわみ性接着剤組成物を印刷するために使用されてもよく、スクリーンが、印刷プロセスにおいて、画像担体として採用される。スクリーンは、フレームにわたって引き伸ばされるメッシュを有する剛性フレームと、メッシュ上に形成されている必要な画像を担持するマスクと、を備えてもよい。マスクは、メッシュの片側又は両側に塗布される感光性エマルションから得られてもよい。エマルションがメッシュ上で硬くなる時、それは、印刷されるべき画像のネガを形成する。マスク内の開口は、液体接着剤が堆積するのを可能にし、それにより、印刷されるべき画像のポジを形成する。マスクは、堆積されている接着剤の質を決定する、スクリーンメッシュと印刷されるべき基板の表面との間の分離を提供するように、印刷されるべき表面に面する下面上に定義された厚さを有する。印刷の間、スクリーン及び基板は、最初に離間される。堆積されるべき液体接着剤は、スクリーンの後面に大量分配される。スキージは、最初に、スクリーンを押しやって基板と接触させ、次いで、1回以上のストロークにおいてスクリーン上に接着剤を広げるように起動される。液体接着剤がスクリーンにおいてマスク開口上に広げられる時、それは、スクリーンのメッシュを通って、及びマスク開口の中へと移動して、基板上に、スクリーンのメッシュサイズに従って、液体接着剤の複数の個々のセルを堆積させ、その後、マスクによって定義されるパターンに従って、連続的な接着剤コートを形成するように合体する。1回のスキージストロークの終わりに残存する余分な液体接着剤は、除去されるか、又は次の印刷ストロークのために使用される。
【0041】
いくつかの実施形態では、ステンシル印刷は、非たわみ性接着剤組成物を印刷するために使用されてもよく、ステンシルは、基板上に配置され、非たわみ性接着剤組成物は、ステンシルの開口を通って、ブラッシング、噴霧、又はスキージすることによって印刷される。ステンシルフレームは、薄い金属、プラスチック、又は液体接着剤に対して不浸透性の任意の他の材料から製作されてもよい。ステンシル印刷において、スクリーンメッシュは存在しない。スキージは、平滑かつ均一に厚い接着剤液体コーティングを得るために使用されてもよいが、いくつかの実施形態では、スキージは必要ではない。ステンシル印刷は、ステンシルの内部が金属、プラスチック、又は厚紙を完全に有さず、金属、プラスチック、又は厚紙によって画定される外側境界部、すなわち外周部のみを有することが好ましい。任意に、ステンシルの補強のために、又はステンシルの内側部分においてスキージのたわみを防ぐために、金属、プラスチック、若しくは厚紙の内側リブ又は狭い長さが、一方の側から他方の側までステンシルの内部に跨ってもよい。接着剤は、ステンシル上に分配され、次いで、スキージによってステンシルにわたって広げられてもよいか、又は、接着剤は、スキージを使用することなく、接着剤を基板上に層として広げるように、それをノッチバーの先に分配し、ノッチバー及び基板を各々に対して移動させることによって、ステンシル上に堆積されてもよい。印刷の間、ステンシルは、基板上に直接設置されてもよく、一方で、スキージは、接着剤を広げるように、ステンシル上を移動する。スキージがステンシル上を移動する際、液体接着剤は、ステンシル内の開口上を移動し、基板の下に堆積される。その後、ステンシルは基板から持ち上げられ、液体接着剤を残す。
【0042】
両方が適用可能であるが、ステンシル印刷又はスクリーン印刷の選択は、種々の要因に依存し得る。スクリーン印刷は、場合によっては、複雑な画像を印刷するために使用され得る。例えば、スクリーンにおけるメッシュ支持体は、マスク設計の自由を可能にする。場合によっては、ステンシル印刷は、印刷されるべき媒体が、高い粘度を有するか、又はスクリーンによって妨害され得る粒子を含有する場合、使用され得る。ステンシル印刷はまた、メッシュが存在しないことにより、より良好な印刷解像度を有し得る。ステンシル印刷は、更に、厚いポリマーマスクでは困難であろう、スクリーンの使用とは対照的に、厚いステンシルを使用することによって厚い堆積が印刷されることを可能にし得る。
【0043】
図1は、パネル基板アセンブリを形成するための装置の実施例を示す。基板アセンブリは、第1の基板104と、第2の基板102と、を備える。この装置は、チャンバ100と、第1の基板保持機構108及び第2の基板保持機構106を備えるデバイス114と、を備える。第1の基板104は、その表面に塗布される接着剤116を有する。接着剤116は、液体の光学的に透明な接着剤(LOCA)としても知られる、硬化後に光学的に透明のままである、非たわみ性接着剤組成物である。パネル基板アセンブリを形成するための方法、すなわち、積層プロセスの間には、接着剤は、デバイス114によって、第2の基板102の表面と接触させられる。接着剤116は、0〜5000パスカルの空気圧を有する環境の下で、第2の基板102の表面と接触させられる。
【0044】
別途記載がない限り、「第1の」及び「第2の」といった用語は、かかる用語が説明する要素間を区別するために使用される。このため、これらの用語は、必ずしも、かかる要素の一時的な又は他の優先順位付けを示すことを意図しない。したがって、
図1の実施例において、基板102は、代替的に「第2の基板」と見なされ得、基板104は、代替的に、接着剤116がその表面上にスクリーン印刷されている、「第1の基板」と見なされ得る。同様に、同じことは、
図12〜14の実施例にも当てはまる。
【0045】
2つの基板102、104は、保持機構106及び108によって、それぞれ保持される。第2の基板保持機構106は、第2の基板保持機構106を移動させるように動作される、サーボプレス機械112に装着される。第2の基板保持機構106は、第2の基板102を第1の基板104に向かう、又はそれから離れるように、垂直方向110に移動可能である。当然のことながら、代替においては、第2の基板102に関して移動させられる、第1の基板104であってもよいことが理解されるであろう。代替的に、基板102、104の両方が、互いに向かって移動してもよい。2つの基板上に及ぶ圧力は、調節可能な圧力制御を有する、エアシリンダ112Aによって供給される。積層を行うために必要とされる圧力は、使用されるLOCAのタイプ及び粘度、塗布されるLOCAの厚さ、並びに基板の平坦性に依存する。圧力をチェックし、圧縮が閾値に影響を及ぼさないこと確実にするための方法論は、ゲージ(112B)をリンクすることによるものである。ゲージは、エアシリンダが装着される固定具上に固定される(112B)。ゲージは、積層中に上部基盤と底部基板との間にある、LOCA上に印加される圧力に対する圧縮比を示し、関連する。圧縮力における初期の漸増は、表面聴力によってLOCAを均一に広げることに寄与する。滞留時間は、圧縮力が維持されている間に導入され、LOCAの圧縮流を安定化させる。その後、圧縮力の漸減を適用する。減圧は、上部保持機構が解除されている間、真空解放速度によって制御される。これは、上部基板が、静電気又は残存する真空力によって、上部プレートと依然として接触している可能性があるため、剥離を防止するためのものである。2つの基板102、104は、機械類、例えば、ロボットアームによって自動で、又は手によって手動で、チャンバ100へと配置され得る。基板102、104は、チャンバ100内に配置される前に、生産領域において、コンベヤ上のトレー又はプラットホームから拾い上げられるように配設されてもよい。
【0046】
基板のうちの少なくとも一方は、ガラス又は透明なプラスチックレンズのように、光学的に透明である。他方の基板は、有機発光ダイオード(OLED)基板、液晶ディスプレイ(LCD)基板等であり得る。実施例において、第2の基板102は、透明な光学基板であり、第1の基板104は、OLED基板である。チャンバ100は、少なくとも大気圧を下回る圧力に、その中の圧力を変更するために配設される。一実装において、チャンバ100は、その中に少なくとも部分的な真空を創出するように動作してもよい。チャンバ100内の圧力はまた、以下で更に詳細に説明されるように、大気圧を上回る圧力まで上昇されてもよい。
【0047】
保持機構106、108は、例えば、真空チャック、静電チャック、又は機械的縁部グリッパであってもよい。静電チャックは、基板を保持するように静電気引力の原理を採用する。真空チャックは、吸引によって、基板102及び/又は104を保持するように、そこを通って空気が引き込まれる(好ましくは、常時、又は実質的に常時)管路を備える。しかしながら、負圧又は約0〜5000パスカルの気圧を有する「真空」環境に供される時、管路開口での吸引又は保持圧力が環境圧で正常化し、基板102及び/又は104が堅く保持されるのを防止する。そのようなものとして、以降に述べられるように、この問題に対する解決策が必要とされる。機械的縁部グリッパは、制御システムによって制御可能な運動を伴うロボットの爪等である。機械的縁部グリッパが使用される場合、基板102及び/又は104は、それらが、機械的縁部グリッパによって損傷されないように、約0.8mm以上のある最小厚さであることが好ましい。
【0048】
接着剤116は、第1及び第2の基板104、102のうちの一方の表面上にスクリーン印刷される。実施例において、第1の基板104は、接着剤116が塗布されるものである。
【0049】
使用される接着剤116は、非たわみ性接着剤組成物である。好適な接着剤116は、以下で更に詳細に述べられる。スクリーン印刷及びステンシル印刷の両方が使用されてもよい。いくつかの実施形態では、スクリーン印刷方法は、それが、シリンジを使用した接着剤の分配、又はドラムを伴う転写印刷といった、基板上に接着剤を塗布する他の方法と比較して、比較的低い費用で、かつ短い時間フレームで、印刷の一貫性を提供することができるため使用される。いくつかの実施形態では、ステンシル印刷は、接着剤のオーバフロー問題を回避するために使用される。接着剤116は、接着剤116が塗布される基板が、接着剤116のスクリーン印刷のためのステーションから、積層のためのチャンバ100へ、又は、チャンバ100から、接着剤を硬化するためのステーションへ移される時に遭遇する力及び振動に対して、十分に抵抗性があるタイプである。
【0050】
接着剤116は、少なくとも硬化後、光学的に透明であるタイプであり、第2の基板102及び第1の基板104の表面の屈折率の範囲内の屈折率を有し得る。これは、そうでなければ基板及び接着剤116のそれぞれの屈折率に対する値が異なり過ぎる、並びに過度の屈折が生じる場合に発生する可能性がある、光学的透明性の欠如を防止するためである。ガラスの屈折率は、1.43〜1.74の範囲である。ポリカーボネートの屈折率は、1.58である。したがって、第2の基板102がガラスでできており、第1の基板104がポリカーボネートでできている場合、接着剤116の接着剤組成物(以降、接着剤116としても知られる)は、第1及び第2の基板104、102間に配置される接着剤層を産生するように硬化される時、有利に、ガラスの屈折率に依存して、約1.4〜1.8、又は1.43〜1.58、又は1.58〜1.74の屈折率を有する。更に、第1の基板104は第1の屈折率を有してもよく、第2の基板102は第2の屈折率を有してもよく、接着剤層は、第1及び第2の屈折率の間であり、かつその10%以内の第3の屈折率を有してもよいことが理解される。
【0051】
第1及び第2の基板104、102は、各々、ともに結合されるべき第1及び第2の基板104、102のそれぞれの表面上に位置する、保護層(
図1には図示せず)を有してもよい。保護層は、塵埃粒子が第1及び第2の基板104、102の表面上に沈降することを防止し、その上の擦過又は他の不整を引き起こす可能性がある物理的損傷から、表面を保護する。第2の基板102の保護層は、第2の基板102がチャンバ100に配置される前又は後に、機械又は手によって、除去することができる。実施例において、第2の基板102の保護層は、第2の基板102がチャンバ100に配置される前に、除去される。
【0052】
実施例において、第1の基板104は、第2の基板102と結合するためにチャンバ100に配置する前に、接着剤116でコーティングされる。第1の基板104の保護層は、第1の基板104が接着剤116でコーティングされる前に、除去される。
【0053】
図1及び2を参照すると、第1の基板104への接着剤116の塗布は、ステンシル202の使用を伴う印刷プロセス、すなわち、ステンシル印刷によって行われる。実施例において、ステンシル202は、ステンレススチールでできており、実質的に長方形の形状である。ステンシル202は、接着剤116が第1の基板104の表面上にわたって広がるのを可能にするように、開口を有する。ステンシル202は、プリントヘッド208が、スクリーン印刷プロセスの間に、接着剤116を印刷するように移動する方向によって画定されるプレートに平行に位置する金属の薄く平坦なシートである。ステンシル202の開口204、すなわち、ステンシル202によって被覆されていない第1の基板104の領域204は、その上にスクリーン印刷された接着剤116を有する。ステンシル202は、接着剤116が第1の基板104上にスクリーン印刷された後、手動で手によって、又は自動で機械類によって除去される。実施例において、印刷プロセスは、接着剤116の早期硬化を防止するように、積層された製品のための生産領域周辺のいずれの光源からの紫外線光からも遮蔽される。
【0054】
上で説明される印刷プロセスを使用することにより、接着剤の厚さの微制御が達成されて、接着剤の一貫性のない、又は平らでない塗布による、ニュートンリング又は「波形」のような目に見える不具合を防止する。上で説明されるようなステンシル202といったステンシル、及び上で説明されるような接着剤116の使用は、既知の技術に関する有意な改善を提供し得る。ステンシル202の厚さは、第1の基板104上に印刷される接着剤116の厚さを制御する。ステンシル202の厚さは、第1の基板104上に印刷される接着剤の厚さと同等である。印刷後、接着剤116は、それが非たわみ性タイプであるため、第1の基板104上に定着し、その形状を保持することができる。
【0055】
ステンシル202は、接着剤116を印刷するように、基板(この場合、第1の基板104)上に印刷されるべき領域の形状及びサイズ、並びに積層されるべき基板(この場合、基板102、104)のサイズに依存した形状及びサイズを有する開口204を有する。
【0056】
図2及び3を参照すると、基板102、104のサイズに応じて、1つ以上のリブ206は、ステンシル202のための頑丈なフレームを提供するように、並びに、ステンシル202の開口204が大きすぎる時、接着剤116の平らでない広がりを引き起こすスクーピング効果を軽減するように、ステンシル202の設計に組み込まれ得る。スクーピング効果は、ステンシル202の開口204上にわたって広げられる接着剤116の量が、ステンシル202の縁部ではより厚く、ステンシル202の中心に向かってより薄いことによる問題である。1つ以上のリブ206は、スクーピング効果によって生じる可能性がある問題を緩和するように、ステンシル202の開口をより小さな開口に分割する。
【0057】
更に、リブ206の各々は、ステンシル202の第1の端部302からステンシル202の第2の端部304に向かって延在する。各リブ206は、ステンシル202の第1の端部302又は第2の端部304から、第1の端部302と第2の端部304との間のリブの頂点306に向かってテーパ状になる。実施例において、リブ206の頂点306は、第1の端部302及び第2の端部304におけるリブ206の幅と比較して、最も薄い幅を有する。リブ206をテーパ状にすることは、積層プロセスの間、すなわち、基板(
図1の102、104)が接着剤116で結合される時、接着剤116の流れの中の閉じ込められた気泡の発生を低減するのに役立つ。実施例において、リブの幅Xは、片側302から他方の側304まで変化し、リブ306の端部の最も厚い部分302、304は、Xの厚さの2倍、すなわち2Xである幅を有する。
【0058】
図2及び3を参照して説明されるステンシル202に対するリブ設計のサンプルを示す、
図5Aを参照すると、
図2及び3を参照して説明される各リブ206のテーパは、湾曲、例えば、リブ506であり得るか、又は複数の一直線の縁部、例えば、リブ508及び510を有し得ることが理解される。頂点306の場所は、リブ508のようなリブの中心にある必要はない。リブ510は、中心からずれた頂点を有する。
【0059】
図3を参照すると、ステンシル開口204の4つの角部は、角部に広げられるより多くの接着剤を提供するように形状化される、切欠部分312及び314を有する。4つの切欠部分314は、それぞれ、実質的に長方形に形状化されたステンシル202の4つの最も外側の直角の角部の近くに位置する。4つの部分314の各々は、ステンシル202のそれぞれの直角の角部の鋭利な縁部に向かって尖る、テーパ状の端部(すなわち、「V」の尖った端部)を伴ってV形状に切断される。切欠部分314の形状は、有利に、積層プロセスの間、基板104の角部先端に向かって、接着剤116の十分な広がりを可能にする。
図3においては、ステンシル202のリブ206及び周辺部分316の交差部の8つのそれぞれの角部に位置する、別の8つの切欠部分312が存在する。ステンシル202の周辺部分316は、ステンシル202の4つの長方形側の輪郭を描く。リブ206は、互いに平行であるステンシル202の上記周辺部分316のうちの2つに実質的に垂直である。切欠部分312は、各々、その側辺のうちの1つがリブ206のうちの1つの長さに実質的に平行である、直角三角形の形態に実質的に形状化される。切欠部分312の形状は、有利に、積層プロセスの間に、テーパ状のリブ206によって形成される間隙のより広い部分を被覆するように、接着剤116の十分な広がりを提供する。
【0060】
例えば、ステンシル202の下面上の印刷機械の周期的なクリーニングは、長期使用のために必要である。クリーニングブレード(図面には図示せず)は、ステンシル202の表面を磨いて、ステンシル202の開口を通過する可能性がある過度の接着剤を落とし、第1の基板上に印刷する間、残りの接着剤が第1の基板104と接触することから生じるいかなる問題の可能性も低減するために使用されてもよい。
【0061】
図4は、接着剤116が流れる時に、気泡が生じることがどのように防止されるかを例解する。
図4では、
図1〜3の構成要素を参照すると、積層プロセスの間の接着剤116の流れを示す順序で、5つの連続したスナップショット406、408、410、412、及び414がある。チャンバ100において、第1の基板104上の接着剤116は、第2の基板102が第1の基板104上に押圧される時、第1の基板104の表面上にわたって広がる。次いで、ステンシル202によって先に被覆される領域は、第2の基板102が第1の基板に近付けられる際に、接着剤116で被覆される。より具体的には、接着剤116は、ステンシル202のリブ206が基板104の表面をマスクした、開放表面領域を被覆するように「内側に」流れ、第1の基板104の縁部に広がる。リブ206のテーパ状の設計により、接着剤116が、リブ206によって先に被覆される領域上に広がる時、第1の基板104の中心402に近い接着剤116が最初に流れ、第1の基板104の縁部404に近い接着剤が最後に流れる。この流れの順序は、気泡の形成を防止する。順序が逆になる場合、すなわち、望ましくないことに縁部404に近い接着剤が最初に流れ、中心402に近い接着剤が最後に流れる場合、それにより、一度接着剤116によって閉鎖空間が形成されると、気泡が基板表面の中心に向かって閉じ込められる。
【0062】
図5を参照すると、ステンシル(
図2の202)に対して有するリブ206の数は、積層されている基板(
図1の102、104)のサイズに依存する。ある寸法の基板に対して有するリブの数の例を、以下のとおりに、表1に示す。
【0064】
「L」502は、基板の長さを指し、「B」504は、基板の幅を指す。
図5に示される基板は、実質的に長方形である。
【0065】
図6は、選択的領域接着を示す。ステンシル602の設計は、印刷プロセスの間に、接着剤が領域608上に印刷されないように、モバイルデバイスの基板604の領域608をマスクするように作製され得る。被覆される領域608は、例えば、モバイルデバイスのマイクロホン又はカメラレンズのための場所であり得る。かかる選択的領域接着は、本明細書において説明される16000センチポアズ(cps)又はミリパスカル秒(mPa.s)〜50000cps又はmPa.sの範囲内の粘度を有する、非たわみ性タイプの接着剤で有利に実施される。
【0066】
図7は、
図3のステンシル202の4つの角部のうちの1つの拡大図を示す。
図7は、V形状化された切欠部分314の形態の接着剤116が、接着剤116が積層プロセスの間に圧縮される時に広がる方向704を示す。接着剤116の広がりは、第1の基板104の角部に向かって歪曲し、角部先端702にさえも到達する。
【0067】
図8は、
図1〜7を参照して、本明細書において述べられる、本発明の積層の装置の実施例を使用して作製される製品を示す。光学レンズ基板802は、接着剤804(前の図面では116)の層を通って、タッチパネル基板806に接着され、タッチパネル基板806は、接着剤808(前の図面では116)の第2の層を通って、液晶ディスプレイ(LCD)基板810に接着される。
図16の先行技術の製品とは異なり、基板間に配置される空隙は存在しない。光学的透明性の問題は、接着剤116が、光学レンズ基板802と同じ又は類似の屈折率を有することを確実にすることによって排除することができる。接着剤の層804、808の厚さは、実施例において、好ましくは約0.8mmである。
【0068】
より詳細には、本明細書において述べられる接着剤116の接着剤組成物は、非たわみ性であり、光学的に透明であり、かつ硬化性である。本明細書において、非たわみ性は、接着剤116が、ゼロ又はほぼゼロの剪断応力条件下で、全く又はほとんど流れを呈しない特性を指す。非たわみ性接着剤は、好ましくは、高い粘度、例えば、16000〜50000cps(又はmPa.s)を有し、及びより好ましくは、揺変性挙動を有する。いくつかの実施形態では、接着剤層は、揺変性特性を有する、液体の光学的に透明な接着剤から形成されてもよい。揺変性接着剤は、剪断応力が減少又は除去される時に、粘度のその後の回復又は部分的回復を伴って、所与の期間にわたり、剪断応力に供される時に、粘度が減少(剪断減粘)することを特徴とする。揺変性特性の利点は、低い剪断速度の条件下における、粘度の急速な減少により、針による分配のプロセス等によって、接着剤組成物を容易に分配することができることである。高い粘度を呈する接着剤と比較して、揺変性挙動を呈する接着剤の1つの利点は、高い粘度の接着剤は、分配する、及びスキージ又は圧延プロセスの間に流れさせるのが困難であるが、揺変性挙動を呈する接着剤は、分配することができ、かつ剪断下で流れることである。接着剤組成物は、組成物に粒子を追加することによって揺変性とされてもよい。いくつかの実施形態では、ヒュームドシリカは、約2〜約10重量%、又は約3.5〜約7重量%の量で添加されて揺変性特性を液体接着剤に付与する。
【0069】
いくつかの実施形態では、1〜10秒
−1の剪断速度において、30Pa.s以下、具体的には約2〜約30Pa.s、及びより具体的には約5〜約20Pa.sの粘度を有する、任意の液体の光学的に透明な接着剤は、ステンシル印刷又はスクリーン印刷に好適な揺変性特性を有する光学的に透明な接着剤を形成するように、チキソトロープ剤と組み合わせることができる。チキソトロープ剤の効率、及び光学特性は、液体の光学的に透明である接着剤の組成物、及びチキソトロープ剤とのその相互作用による。例えば、会合性チキソトロープ剤又は親水性シリカの場合、高い極性モノマー(例えばアクリル酸、酸、又はヒドロキシル含有モノマー若しくはオリゴマー)の存在は、揺変性又は光学特性を阻害する場合がある。
【0070】
いくつかの実施形態では、液体の光学的に透明である接着剤の粘土は、2つ以上の異なる剪断速度において制御され得る。
【0071】
本明細書において使用される接着剤組成物は、J.Kevra,「Estimation of Shear Rates During Rolling in the Screening and Stenciling Process」,The International Journal for Hybrid Microelectronics,Vol.12,No.4,pp.188〜194(1989)によってモデル化されるように、印刷プロセスの間、剪断速度の進展を経験する。例えば、接着剤組成物は、接着剤組成物が最初にステンシル202に塗布される際、ゼロ〜数秒
−1の剪断速度を経験し得る。数百〜約1000秒
−1の最大剪断速度は、接着剤組成物が、スキージ又は圧延プロセスの間、ステンシル202を通って押し進められる時、発生する。これらの高い剪断速度において、接着剤116の粘度は低く、ステンシル202の開口204を通って容易に流れる。接着剤組成物が、その意図される基板104上へとステンシル202を出る際、それは、剪断速度の急速な減少を経験し、その時に、粘度が、接着剤組成物が非たわみ性状態にあることを可能にするように、再び急速に増大する、ゼロ剪断速度状態に最終的に到達する。
【0072】
少なくとも2つの異なる剪断速度で接着剤の粘度を制御することによって、非たわみ性接着剤を達成することが可能であるということが見出されている。より具体的には、例えば、接着剤組成物は、1秒
−1の剪断速度において、18Pa.s〜140Pa.sの粘度、及び0.01秒
−1で700Pa.s〜4200Pa.sの粘度を有することを特徴とする。接着剤組成物が1秒
−1の剪断速度において18Pa.s〜140Pa.sの粘度を有する時、接着剤組成物は、上で説明されるように、ステンシル202上に堆積され、ステンシル202の開口204を通ってスキージされてもよい。
【0073】
更に、本開示の接着剤組成物は、0.01秒
−1の剪断速度において700Pa.s〜4200Pa.sの粘度を有するため、接着剤116は、より低い表面基板104上へとステンシル202の開口204を出た後、その非たわみ性挙動を保持する。
【0074】
上の粘度値は、直径40mm×1°錐体を具備し、0.001〜100秒
−1の剪断速度範囲にわたり走査される、AR2000 Rheometer(TA Instrumentsによって製造)を使用して、25℃で測定された。
【0075】
一実施形態では、接着剤層は、25℃及び10秒
−1の剪断速度において、約2〜約30Pa.s、及び具体的には約5〜約20Pa.sの粘度を有する。一実施形態では、接着剤層は、25℃及び0.01秒
1の剪断速度において、約700〜約10,000Pa.s、及び具体的には約1,000〜約8,000Pa.sの粘度を有する。一実施形態では、接着剤層は、25℃及び1秒
−1の剪断速度において、約18Pa.s〜約140Pa.s、及び具体的には約30Pa.s〜約100Pa.sの粘度を有する。
【0076】
接着剤組成物は、10Paの応力が接着剤に2分間印加される時、約0.1ラジアン以下の変位クリープを有する。概して、変位クリープは、TA Instruments及び25℃で直径40mm×1°錐体によって製造されるAR2000 Rheometerを使用することによって測定される値であり、10Paの応力が接着剤に印加される時の錐体の回転角度として定義される。変位クリープは、重力及び表面張力といった非常に低い応力条件下における、揺変性接着剤層のの流れ又はたわみに抵抗する能力に関連する。
【0077】
いくつかの実施形態では、液体の光学的に透明な接着剤は、錐体及びプレートレオメーターにおいて、1Hzの周波数において80μN.mのトルクが適用されたときに、45°以下、具体的には42°以下、具体的には35°以下、及びより具体的には30°以下のデルタを有する。デルタは、振動性の力(応力)が材料に適用される場所の応力と歪みの間の位相遅れであり、得られる変位(歪み)が測定される。デルタは、角度の割り当てられた単位である。デルタは、非常に低い振動応力における揺変性接着剤層の「固体」の挙動、又はその非たわみ性特性に関する。
【0078】
接着剤層はまた、ステンシル印刷の用途におけるスキージなどの機器の下を通過した後、短時間内でそのたわまない構造を維持する能力も有する。一実施形態では、接着剤層の回復時間は、1Hzの周波数において、約1000μN・mのトルクを約60秒間、その直後に1Hzの周波数において80μN・mのトルクが適用された後、35度のデルタに到達するまで約60秒未満、具体的には約30秒未満、及びより具体的には約10秒未満である。
【0079】
非たわみ性接着剤組成物は、揺変性挙動を生成することが知られている充填剤粒子を含んでもよい。本開示に従う好適な充填剤としては、粘土、粒径及び表面処理に依存して種々の形態のシリカ及び酸化アルミニウム、並びにセルロース、ヒマシ油ワックスといった有機充填剤、並びにポリアミド含有充填剤が挙げられる。揺変性を付与する微粒子充填剤としては、ヒュームドシリカ、ヒュームド酸化アルミニウム、及び粘土が挙げられるが、これらに限定されない。好適なヒュームドシリカの例としては、AEROSIL 200;及びAEROSIL R805(両方ともEvonic Industriesから入手可能);CAB−O−SIL TS 610;及びCAB−O−SIL T 5720(両方ともCabot Corp.から入手可能)、並びにWacker Chemie AGから入手可能なHDK H2ORHが挙げられるが、これらに限定されない。好適なヒュームド酸化アルミニウムの例としては、AEROXIDE ALU 130(Evonik,Parsippany,NJから入手可能)が挙げられるが、これに限定されない。好適な粘土の例としては、Southern Clay Productsから入手可能なGARAMITE 1958が挙げられるが、これに限定されない。ヒュームドシリカは、一般的に、最も好ましい充填剤を示すが、これは、いくらか製剤依存性である。接着剤116は、約2〜約10重量%、及び具体的には約3.5〜約7重量%の揺変性材料を含んでもよい。
【0080】
いくつかの実施形態では、接着剤組成物は、非反応性オリゴマーレオロジー改質剤を含む。理論に束縛されるものではないが、非反応性オリゴマーのレオロジー改質剤は、水素結合又は他の自己会合メカニズムを通じて、低い剪断速度において粘度を上昇させる。好適な非反応性オリマーのレオロジー改質剤の例には、ポリヒドロキシカルボン酸アミド(例えば、Byk−Chemie GmbH(Wesel,Germany)から入手可能なBYK 405)、ポリヒドロキシカルボン酸エステル(例えば、Byk−Chemie GmbH(Wesel,Germany)から入手可能であるBYK R−606)、変性ウレア(例えば、King Industries(Norwalk,CT)からのDISPARLON 6100、DISPARLON 6200、若しくはDISPARLON 6500、又はBYK 410(Wesel,GermanyのByk−Chemie GmbHから))、金属スルホネート(例えば、King Industries(Norwalk,CT)からのK−STAY 501、又はLubrizol Advanced Materials(Cleveland,OH)からのIRCOGEL 903)、アクリレート化オリゴアミン(例えば、Rahn USA Corp(Aurora,IL)からのGENOMER 5275)、ポリアクリル酸(例えば、Lubrizol Advanced Materials(Cleveland,OH)からのCARBOPOL 1620)、変性ウレタン(例えば、King Industries(Norwalk,CT)からのK−STAY 740)、又はポリアミドが挙げられるがこれらに限定されない。いくつかの実施形態では、非反応性オリゴマーレオロジー変性剤は、相分離を制限し、ヘイズを最小限にするために、光学的に透明である接着剤と混和性かつ適合性があるように選択される。
【0081】
最適なレオロジー性能は、充填剤の適切な分散とともに生じる。他方の接着剤構成要素への充填剤の添加の間の混合剪断条件は、充填剤の分散をもたらし得る。高剪断混合は、分配された接着剤ビーズのたわみの増加により、形状の結果的な損失を伴って、揺変性粒子のネットワーク構造を永久に破壊し得る。低剪断混合は、この問題を低減し得、本開示に従う製剤を調製するために好ましい。
【0082】
接着剤層は、接着剤組成物を硬化することによって、第1の基板104上に形成される。接着剤層は、光学的に透明である。本明細書において使用される際、「光学的に透明な」は、第1若しくは第2の基板、又は接着剤層を参照して使用される時、一般的に、物品が、約400nm〜約720nmの範囲にわたり、少なくとも85%、具体的には少なくとも90%の透過性、及びより具体的には約400nm〜約720nmの範囲にわたり、少なくとも92%の透過性を有することを意味する。一実施形態では、接着剤層は、分光光度計、又は透過率を測定することができる他のデバイスによって測定される際、460nmで約85%超、530nmで約90%超、及び670nmで90%超の透過性を有する。これらの透過特性により、電磁スペクトルの可視領域全体にわたって均一な光透過率がもたらされ、これは、フルカラーディスプレイで色点を維持するのに重要である。
【0083】
第1及び第2の基板(すなわち、104、102)、又は接着剤層の透明特性の色部分は、L
*a
*b
*変換によって表されるように、その色座標によって定義される。例えば、色のb
*成分は、約1未満、より好ましくは約0.5未満であるべきである。b
*のこれらの特性は低い黄色度指数をもたらし、これは、フルカラーディスプレイで色点を維持するのに重要である。
【0084】
接着剤層の透明特性のヘイズ部分は、Byk Gardnerから入手可能なHazeGard Plus又はHunter Labsから入手可能なUltraScan Proなどのヘイズメーターによって測定されるように、接着剤層の%ヘイズ価によって更に定義される。光学的に透明な物品は、好ましくは、約5%未満、好ましくは約2%未満、最も好ましくは約1%未満のヘイズを有する。これらのヘイズ特性は、低い光散乱を提供し、これはフルカラーディスプレイで出力の質を維持するのに重要である。
【0085】
接着剤組成物及び得られる接着剤層は、オリゴマー、希釈モノマー、充填剤、可塑剤、粘着付与樹脂、光開始剤、及び接着剤の全体特性に寄与する任意の他の構成要素を含む、接着剤構成要素の適切な選択を通じて、光学的に透明とされる。接着剤構成要素が、互いに適合性があることが好ましく、例えば、それらは、硬化前又は後に相分離するべきではない。加えて、接着剤構成要素は、接着剤製剤中に溶解せず、かつ光を散乱させるのに十分大きく、それによりヘイズに寄与する粒子を含むべきではない。しかしながら、拡散接着剤用途など、ヘイズが望ましい場合は、これは容認可能である。加えて、揺変性材料といった種々の充填剤は、それらが光透過の損失及びヘイズの増加に寄与し得る相分離又は光散乱に寄与しないように、非常に良く分散されるべきである。この場合もやはり、拡散接着剤用途など、ヘイズが望ましい場合は、これは容認可能である。これらの接着剤構成要素が、例えば、接着剤層の色を悪くさせること、又はb
*、すなわち黄色度指数を増加させることによって、透明性の色特性を劣化させないことが好ましい。
【0086】
接着剤層は、好ましくは、それが接触する基板と一致する、又は近く一致する屈折率を有する。接着剤層の屈折率は、接着剤構成要素の適切な選択によって制御することができる。例えば屈折率は、より高い含有率の芳香族構造を含む、又は硫黄若しくはハロゲン(例えば臭素)を組み込むオリゴマー、希釈モノマー等を組み込むことによって増加させることができる。反対に屈折率は、より高い含有率の脂肪族構造を含有するオリゴマー、希釈モノマー等を組み込むことによって、より低い値へと調節することができる。
【0087】
接着剤層は任意の厚さを有し得る。採用される特定の厚さは、任意の数の要因から決定することができ、例えば、光学アセンブリが使用される光学デバイスの設計は、ディスプレイパネルと実質的に透明な基板との間に特定の間隙を必要とすることがある。一実施形態では、接着剤層は、約1μm〜約5mm、約50μm〜約1mm、又は約50μm〜約0.2mmの厚さ30を有する。
【0088】
接着剤層は、光学的に透明である接着剤又は液体組成物を、チキソトロープ剤と組み合わせて使用しながら作製することができ、ここで液体組成物は大型の光学アセンブリの効率的な製造に適した粘度を有する。大型の光学センブリは、約15cm
2〜約5m
2、又は約15cm
2〜約1m
2の面積を有する場合がある。例えば、液体組成物は、約100〜140,000cps、約100〜約10,000cps、約100〜約5000cps、約100〜約1000cps、約200〜約700cps、約200〜約500cps、又は約500〜約4000cpsの粘度を有してもよく、粘度は、25℃で1秒
−1において組成物に対して測定される。液体組成物は様々な製造方法における使用のために修正可能である。
【0089】
接着剤層は、チキソトロープ剤と組み合わされた時に、接着剤層が、1〜10秒
−1の剪断速度において、30Pa.s以下、又は約2〜約30Pa.s、又はより具体的には約5〜約20Pa.sの粘度を有するような粘度を有する、任意の液体の光学的に透明な接着剤を含むことができる。1〜10秒
−1におけるこの範囲は、例えばステンシル印刷中に、接着剤層が、より高いスキージ速度においてスキージに付着しないよう、使用されるスキージの下で接着剤層が流れる能力を制御する。更に、この粘度はステンシルのキャビティを充填するのに十分に低く、空気泡を閉じ込めることなく、又は液状接着剤流体でキャビティを完全に充填するのに十分でない流量を有さないということがない。1〜10秒
−1の範囲は、より低い速度においてスキージの下で接着剤層が流れる能力を調節する。1秒
−1において、接着剤層は約18〜約140Pa.sの粘度を有した。0.01秒
−1において、接着剤層は少なくとも700Pa.s、少なくとも2,000Pa.s、及び好ましくは少なくとも10,000Pa.sの粘度を有する。0.01秒
−1における範囲は、いつ接着剤層がたわまない特性を有するかということを定義する。
【0090】
接着剤層に使用される液体の光学的に透明である接着剤は、1〜10秒
−1の剪断速度において約20Pa.s以下の粘度を有する。具体的には、液体の光学的に透明である接着剤は、1〜10秒
−1の剪断速度において約10Pa.s以下、及びより具体的には約5Pa.s以下の粘度を有する。この範囲内において、接着剤層の粘度はチキソトロープ剤が添加されたときに、好適な範囲であろう。
【0091】
接着剤層は、例えば、接着剤層の屈折率又は液体接着剤組成物の粘度を(以下に記載のように)修正するために、非吸収性金属酸化物粒子を含んでもよい。実質的に透明な非吸収性金属酸化物粒子が使用されてもよい。例えば、接着剤層中の非吸収性金属酸化物粒子の厚さ1mmのディスクは、ディスクに入射する光の約15%未満を吸収し得る。非吸収性金属酸化物粒子の例としては、粘土、Al
2O
3、ZrO
2、TiO
2、V
2O
5、ZnO、SnO
2、ZnS、SiO
2、及びそれらの混合物、並びに他の十分に透明な非酸化物セラミック材料が挙げられる。非吸収性金属酸化物粒子は、所望の効果を生成するために必要とされる量、例えば、接着剤層の総重量に基づいて、約2〜約10重量%、約3.5〜約7重量%、約10〜約85重量%、又は約40〜約85重量%の量で使用されてもよい。非吸収性金属酸化物粒子は、望ましくない色、ヘイズ、又は透過特性を追加しない程度までのみ添加されてもよい。一般的に、粒子は約1nm〜約100nmの平均粒径を有することができる。金属酸化物粒子は、表面処理されて接着剤層内及びそれから層がコーティングされる組成物の分配性を改善してもよい。表面処理化学物質の例としては、シラン類、シロキサン類、カルボン酸類、ホスホン酸類、ジルコン酸塩類、チタン酸塩類などが挙げられる。こうした表面処理化学物質を適用する技術は既知である。有機充填剤、例えばセルロース、ヒマシ油ワックス、及びポリアミド含有充填剤もまた使用されてもよい。
【0092】
接着剤組成物はまた、第2の基板102をより低い表面基板104に結合させる際に含まれる、分配、ドローダウン、及び積層工程の間、泡立ちが非常に低い状態から全くない状態までを呈するべきである。これは、結合プロセスが負圧(又は真空)下で行われる、いわゆる真空積層である場合、特に重要である。かかる真空は、200Pa〜5000Paの範囲であり得る。かかる真空環境において、接着剤組成物の真空蒸発が行われ、望ましくない泡形成につながる。接着剤組成物は、真空積層プロセスの間の過剰な質量の損失又は泡立ちを防止するために、20℃で約1mm Hg(133Pa)未満、より好ましくは20℃で0.2mm Hg(26.7Pa)未満の蒸気圧を有してもよい。これは、それ自体で、20℃で約1mm Hg(133Pa)未満、より好ましくは20℃で0.2mm Hg(26.7Pa)未満の蒸気圧を有する、接着剤116への添加剤を選択することによって達成可能である。加えて、真空積層プロセスの間の過剰な質量の損失を防止するために、接着剤116の重量損失は、2000Pa及び25℃で2分後、約0.05重量%未満、好ましくは2000Pa及び25℃で2分後、0.03重量%未満であるべきである。
【0093】
概して、(メタ)アクリレートは、アクリレート及びメタアクリレート官能基の両方を指す。
【0094】
更に、接着剤組成物は、多官能性(メタ)アクリレートオリゴマー、及び25℃で約4〜約20cpsの粘度を有する1官能性(メタ)アクリレートモノマーを含む反応性希釈剤、可塑剤の反応生成物、並びに任意に粘着付与樹脂を含み得る。
【0095】
多官能(メタ)アクリレートオリゴマーは、多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、多官能ポリエステル(メタ)アクリレートロゴマー、及び多官能ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーのうちのいずれか1つ以上を含み得る。多官能(メタ)アクリレートオリゴマーは、硬化中に重合に関与する少なくとも2つの(メタ)アクリレート基、例えば2〜4の(メタ)アクリレート基を含み得る。接着剤層は、約15〜約50重量%、又は約20〜約45重量%の多官能性(メタ)アクリレートオリゴマーを含み得る。使用される具体的な多官能性(メタ)アクリレートオリゴマー、並びに使用される量は、様々な要因による場合がある。例えば、特定のオリゴマー及び/又はその量は、接着剤組成物が、約100〜140,000cps、約100〜約10,000cps、約100〜約5000cps、約100〜約1000cps、約200〜約700cps、約200〜約500cps、又は約500〜約4000cpsの粘度を有する液体組成物であるように選択されてもよく、粘度は、25℃及び1秒
−1における組成物に関して測定される。別の例に関しては、特定のオリゴマー及び/又はその量は、接着剤組成物が、約100〜140,000cps、約100〜約10,000cps、約100〜約5000cps、約100〜約1000cps、約200〜約700cps、約200〜約500cps、又は約500〜約4000cpsの粘度を有する液体組成物であるように、選択されてもよく、粘度は、25℃及び1秒
−1における組成物に関して測定され、得られる接着剤層は、約30未満、約20未満、又は約10未満のショアA硬度を有する。更に別の実施例に関して、特定のオリゴマー及び/又はその量は、接着剤組成物が、25℃及び1秒
−1の剪断速度において18Pa.s〜140Pa.sの粘度、並びに25℃及び0.01秒
−1の剪断速度において700Pa.s〜4200Pa.sの粘度を有する液体組成物であるように選択されてもよい。
【0096】
多官能(メタ)アクリレートオリゴマーは、硬化中に重合に関与する少なくとも2つの(メタ)アクリレート基、例えば2〜4の(メタ)アクリレート基を有する多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含み得る。概して、これらのオリゴマーは、ポリオールと多官能イソシアネートとの反応生成物を含み、その後、この反応はヒドロキシ多官能化(メタ)アクリレートで停止する。例えば、多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、ジカルボン酸、例えばアジピン酸又はマレイン酸の凝縮、及び脂肪族ジオール、例えばジエチレングリコール又は1,6−ヘキサンジオールから調製された脂肪族ポリエステル又はポリエーテルポリオールから形成され得る。例えば、ポリエステルポリオールは、アジピン酸及びジエチレングリコールを含み得る。多官能イソシアネートは、メチレンジシクロヘキシルイソシアネート、又は1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートを含み得る。ヒドロキシ−官能化(メタ)アクリレートは、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、又はポリエチレングリコール(メタ)アクリレートを含み得る。例として、多官能性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、ポリエステルポリオール、メチレンシクロヘキシルイソシアネート、及びヒドロキシエチルアクリレートの反応生成物を含み得る。
【0097】
有用な多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーには、市販されている製品が挙げられる。例えば、多官能性脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、ウレタンジアクリレートCN9018、CN3108、及びCN3211(Sartomer,Co.(Exton,PA)から入手可能)、Genomer 4188/EHA(Genomer 4188と2−エチルヘキシルアクリレートのブレンド)、Genomer 4188/M22(Genomer 4188とGenomer 1122モノマーのブレンド)、Genomer 4256、及びGenomer 4269/M22(Genomer 4269とGenomer 1122モノマーのブレンド)(Rahn USA Corp.(Aurora IL)から入手可能)、U−Pica 8966A及びU−Pica 8967A(日本ユピカ株式会社から入手可能)、並びにポリエーテルウレタンジアクリレートBR−3042、BR−3641AA、BR−3741AB、及びBR−344(Bomar Specialties Co.(Torrington,CT)から入手可能)を含み得る。
【0098】
広くは、多官能性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、接着剤層を形成するのに使用される他の成分、並びに接着剤層の望ましい特性によって、任意の量で使用され得る。接着剤層は、約15〜約50重量%、又は約20〜約45重量%の多官能性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含み得る。
【0099】
多官能(メタ)アクリレートオリゴマーは多官能ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーを含み得る。有用な多官能ポリエステルアクリレートオリゴマーには、市販されている製品が挙げられる。例えば、Bomar Specialties Co.から入手可能なBE−211及びSartomer Co.から入手可能なCN2255を含み得る。
【0100】
多官能(メタ)アクリレートオリゴマーは多官能ポリエーテル(メタ)アクリレートオリゴマーを含み得る。有用な多官能ポリエーテルアクリレートオリゴマーには、市販されている製品が挙げられる。例えば、多官能ポリエーテルアクリレートは、Rahn USA Corpから入手可能なGenomer 3414を含み得る。
【0101】
接着剤層を形成する反応生成物は反応性希釈剤から形成される。反応性希釈剤は、25℃で約4〜約20cpsの粘度を有する、1官能性(メタ)アクリレートモノマーを含む。反応性希釈剤は、1つ以上のモノマー、例えば、2〜5の異なるモノマーを含んでもよい。これらのモノマーの例としては、ラウリルアクリレート、アクリル酸イソボルニル、イソボルニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタアクリレート、アルコキシル化テトラヒドロフルフリルアクリレート、及びこれらの混合物が挙げられる。例えば、反応性希釈剤は、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート及びイソボルニル(メタ)アクリレートを含み得る。他の例に関して、反応性希釈剤は、アルコキシル化テトラヒドロフルフリルアクリレート及びアクリル酸イソボルニルを含み得る。別の例に関しては、反応性希釈剤は、ラウリルアクリレート及びアクリル酸イソボルニルを含み得る。
【0102】
広くは、反応性希釈剤は、接着剤層を形成するのに使用される他の成分、並びに接着剤層の望ましい特性によって、任意の量で使用され得る。接着剤層は、接着剤層の総重量に対して、約15〜約50重量%、又は約20〜約50重量%の反応性希釈剤を含み得る。
【0103】
使用される具体的な反応性希釈剤、及び使用されるモノマーの量は、様々な要因による場合がある。例えば、特定のモノマー(複数を含む)及びその量(複数を含む)は、接着剤組成物が、約100〜140,000cps、約100〜約10,000cps、約100〜約5000cps、約100〜約1000cps、約200〜約700cps、約200〜約500cps、又は約500〜約4000cpsの粘度を有する液体組成物であるように選択されてもよく、25℃及び1秒
−1における組成物に関して測定される。別の例に関しては、特定のモノマー(複数を含む)及びその量(複数を含む)は、接着剤組成物が、約100〜140,000cps、約100〜約10,000cps、約100〜約5000cps、約100〜約1000cps、約200〜約700cps、約200〜約500cps、又は約500〜約4000cpsの粘度を有する液体組成物であるように、選択されてもよく、粘度は、25℃及び1秒
−1における組成物に関して測定され、得られる接着剤層は、約30未満、約20未満、又は約10未満のショアA硬度を有する。更に別の実施例に関して、特定の希釈剤及び/又はその量は、接着剤116の組成物が、25℃及び1秒
−1の剪断速度において18Pa.s〜140Pa.sの粘度、並びに25℃及び0.01秒
−1の剪断速度において700Pa.s〜4200Pa.sの粘度を有する液体組成物であるように選択されてもよい。
【0104】
接着剤層は、その柔軟性及び可撓性を増加させる可塑剤を含む。可塑剤は周知であり、一般的に(メタ)アクリレート基の重合に関与しない。可塑剤は2つ以上の可塑剤材料を含み得る。可塑剤は油を含み得る。好適なオイルには、植物油、鉱油、及び大豆油が挙げられる。接着剤層は、5超〜約20重量%、又は5超〜約15重量%の可塑剤を含み得る。使用される具体的な可塑剤、並びに使用される量は、様々な要因による場合がある。例えば、使用される特定の可塑剤及び/又はその量は、着剤組成物が、約100〜140,000cps、約100〜約10,000cps、約100〜約5000cps、約100〜約1000cps、約200〜約700cps、約200〜約500cps、又は約500〜約4000cpsの粘度を有する液体組成物であるように選択されてもよく、粘度は25℃及び1秒
−1における組成物に関して測定される。別の例に関しては、特定の可塑剤及び/又はその量は、接着剤組成物が、約100〜140,000cps、約100〜約10,000cps、約100〜約5000cps、約100〜約1000cps、約200〜約700cps、約200〜約500cps、又は約500〜約4000cpsの粘度を有する液体組成物であるように、選択されてもよく、粘度は、25℃及び1秒
−1における組成物に関して測定され、得られる接着剤層は、約30未満、約20未満、又は約10未満のショアA硬度を有する。更に別の実施例に関して、特定の可塑剤及び/又はその量は、接着剤組成物が、25℃及び1秒
−1の剪断速度において18Pa.s〜140Pa.sの粘度、並びに25℃及び0.01秒
−1の剪断速度において700Pa.s〜4200Pa.sの粘度を有する液体組成物であるように選択されてもよい。
【0105】
接着剤層を形成する反応生成物は、アルキレンオキシド官能基を有する1官能性(メタ)アクリレートモノマーを更に含み得る。アルキレンオキシド官能基を有するこの1官能性(メタ)アクリレートモノマーは2つ以上のモノマーを含み得る。アルキレン官能基は、エチレングリコール及びプロピレングリコールを含む。グリコール官能基は単位から構成され、モノマーは、1〜10のアルキレンオキシド単位、1〜8のアルキレンオキシド単位、又は4〜6のアルキレンオキシド単位の範囲を有し得る。アルキレンオキシド官能基を有する1官能性(メタ)アクリレートモノマーは、Cognis LtdからBisomer PPA6として入手可能なプロピレングリコールモノアクリレートを含み得る。このモノマーは6つのプロピレングリコール単位を有する。アルキレンオキシド官能基を有する1官能性(メタ)アクリレートモノマーは、Cognis LtdからBisomer MPEG350MAとして入手可能なエチレングリコールものメタクリレートを含み得る。このモノマーは平均で7.5のエチレングリコール単位を有する。
【0106】
接着剤層はアルキレンオキシド官能基を有する約5〜約30重量%、又は約10〜約20重量%の1官能性(メタ)アクリレートモノマーを含み得る。使用される具体的なモノマー、並びに使用される量は、様々な要因による場合がある。例えば、使用される特定のモノマー、並びに使用される量は、接着剤組成物が、約100〜140,000cps、約100〜約10,000cps、約100〜約5000cps、約100〜約1000cps、約200〜約700cps、約200〜約500cps、又は約500〜約4000cpsの粘度を有する液体組成物であるように選択されてもよく、粘度は25℃及び1秒
−1における組成物に関して測定される。別の例に関しては、使用される特定のモノマー、並びに使用される量は、接着剤組成物が、約100〜140,000cps、約100〜約10,000cps、約100〜約5000cps、約100〜約1000cps、約200〜約700cps、約200〜約500cps、又は約500〜約4000cpsの粘度を有する液体組成物であるように、選択されてもよく、粘度は、25℃及び1秒
−1における組成物に関して測定され、得られる接着剤層は、約30未満、約20未満、又は約10未満のショアA硬度を有する。例えば、特定のモノマー及び/又はその量は、接着剤116の組成物が、25℃及び1秒
−1の剪断速度において18Pa.s〜140Pa.sの粘度、並びに25℃及び0.01秒
−1の剪断速度において700Pa.s〜4200Pa.sの粘度を有する液体組成物であるように選択されてもよい。
【0107】
接着剤層は粘着付与剤を含んでもよい。粘着付与剤は、典型的に、接着剤の粘着度又は他の特性を増加させるために使用される。好ましい粘着付与剤としては、ウッドロジン、ガムロジン、又はトール油ロジン由来のロジン樹脂;石油系の原料から作製される炭化水素樹脂;又はウッド若しくは特定の果物由来のテルペン原料由来のテルペン樹脂が挙げられる。接着剤層は、例えば、0.01〜約30重量%、5〜約25重量%、又は10〜約20重量%の粘着付与剤を含み得る。接着剤層は、粘着付与剤を実質的に含まなくてもよく、例えば、接着剤層の総重量に対して、0.01〜約5重量%、又は約0.01〜約0.5重量%の粘着付与剤を含む。接着剤層は粘着付与剤を有さない場合がある。使用される具体的な粘着付与剤、並びに使用される量は、様々な要因による場合がある。粘着付与剤及び/又はその量は、接着剤層が約15N/mm以下、10N/mm以下、又は6N/mm以下のガラス基材間の劈開強度を有するように選択され得る。特定の粘着付与剤及び/又はその量は、接着剤組成物が、約100〜140,000cps、約100〜約10,000cps、約100〜約5000cps、約100〜約1000cps、約200〜約700cps、約200〜約500cps、又は約500〜約4000cpsの粘度を有する液体組成物であるように選択されてもよく、粘度は25℃及び1秒
−1における組成物に関して測定される。別の例に関しては、特定の粘着付与剤及び/又はその量は、接着剤組成物が、約100〜140,000cps、約100〜約10,000cps、約100〜約5000cps、約100〜約1000cps、約200〜約700cps、約200〜約500cps、又は約500〜約4000cpsの粘度を有する液体組成物であるように、選択されてもよく、粘度は、25℃及び1秒
−1における組成物に関して測定され、得られる接着剤層は、約30未満、約20未満、又は約10未満のショアA硬度を有する。更に別の実施例に関して、特定の粘着付与剤及び/又はその量は、接着剤116の組成物が、25℃及び1秒
−1の剪断速度において18Pa.s〜140Pa.sの粘度、並びに25℃及び0.01秒
−1の剪断速度において700Pa.s〜4200Pa.sの粘度を有する液体組成物であるように選択されてもよい。
【0108】
一実施形態では、接着剤層は、約15〜約50重量%の多官能性(メタ)アクリレートオリゴマー、約15〜約50重量%の反応性希釈剤、5超〜約25重量%の可塑剤、及び0〜約10重量%の充填剤粒子の反応生成物を含んでもよい。反応生成物は、アルキレンオキシド官能基を有する、約10〜約20重量%の1官能性(メタ)アクリレートモノマーを更に含み得る。使用される特定の構成要素、並びに使用される量は、種々の要因に依存し得る。例えば、これらの構成要素及び/又はその量は、接着剤116の組成物が、25℃及び1秒
−1の剪断速度において18Pa.s〜140Pa.sの粘度、並びに25℃及び0.01秒
−1の剪断速度において700Pa.s〜4200Pa.sの粘度を有する液体組成物であるように選択されてもよい。この接着剤層は、約15N/mm未満、約10N/mm未満、又は約6N/mm未満のガラス対ガラスの劈開力を含んでもよい。
【0109】
別の実施形態では、接着剤層は、約20〜約60重量%の多官能性(メタ)アクリレートオリゴマー、約30〜約60重量%の反応性希釈剤、及び5超〜約25重量%の可塑剤の反応生成物を含んでもよい。反応生成物は、アルキレンオキシド官能基を有する、約10〜約20重量%の1官能性(メタ)アクリレートモノマーを更に含み得る。この接着剤層は、約15N/mm未満、約10N/mm未満、又は約6N/mm未満のガラス対ガラスの劈開力を含んでもよい。
【0110】
別の実施形態では、接着剤層は、約25〜約45重量%の多官能性(メタ)アクリレートオリゴマー、約40〜約60重量%の反応性希釈剤、5超〜約15重量%の可塑剤、及び0〜約10重量%の充填剤粒子の反応生成物を含んでもよい。反応生成物は、アルキレンオキシド官能基を有する、約10〜約20重量%の1官能性(メタ)アクリレートモノマーを更に含み得る。例えば、これらの構成要素及び/又はその量は、接着剤116の組成物が、25℃及び1秒
−1の剪断速度において18Pa.s〜140Pa.sの粘度、並びに25℃及び0.01秒
−1の剪断速度において700Pa.s〜4200Pa.sの粘度を有する液体組成物であるように選択されてもよい。
【0111】
別の実施形態では、接着剤層は、約20〜約50重量%の多官能性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、約30〜約60重量%の反応性希釈剤、5超〜約25重量%の可塑剤、及び0〜約10重量%の充填剤粒子の反応生成物を含んでもよい。反応生成物は、アルキレンオキシド官能基を有する、約10〜約20重量%の1官能性(メタ)アクリレートモノマーを更に含み得る。例えば、これらの構成要素及び/又はその量は、接着剤116の組成物が、25℃及び1秒
−1の剪断速度において18Pa.s〜140Pa.sの粘度、並びに25℃及び0.01秒
−1の剪断速度において700Pa.s〜4200Pa.sの粘度を有する液体組成物であるように選択されてもよい。
【0112】
別の実施形態では、接着剤層は、約25〜約45重量%の多官能性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、約40〜約60重量%の反応性希釈剤、5超〜約15重量%の可塑剤、及び0〜約10重量%の充填剤粒子の反応生成物を含んでもよい。反応生成物は、アルキレンオキシド官能基を有する、約10〜約20重量%の1官能性(メタ)アクリレートモノマーを更に含み得る。例えば、これらの構成要素及び/又はその量は、接着剤116の組成物が、25℃及び1秒
−1の剪断速度において18Pa.s〜140Pa.sの粘度、並びに25℃及び0.01秒
−1の剪断速度において700Pa.s〜4200Pa.sの粘度を有する液体組成物であるように選択されてもよい。
【0113】
別の実施形態では、接着剤層は、約30〜約60重量%の多官能性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、約20〜約30重量%の反応性希釈剤、5超〜約10重量%の可塑剤、約5〜約10重量%のアルキレンオキシド官能基を有する1官能性(メタ)アクリレートモノマー、及び約2〜約10重量%のヒュームドシリカの反応生成物を含んでもよい。
【0114】
別の実施形態では、接着剤116は、多官能性ゴム系(メタ)アクリレートオリゴマー、4〜20個の炭素原子のペンダントアルキル基を有する1官能性(メタ)アクリレートモノマー、及び液体ゴムの反応生成物を含んでもよい。
【0115】
多官能性ゴム系(メタ)アクリレートオリゴマーは、多官能性ポリブタジエン(メタ)アクリレートオリゴマー、多官能性イソプレン(メタ)アクリレートオリゴマー、並びにブタジエン及びイソプレンのコポリマーを含む多官能性(メタ)アクリレートオリゴマーのうちの任意の1つ以上を含んでもよい。多官能性ゴム系(メタ)アクリレートオリゴマーは、多官能性ポリブタジエン(メタ)アクリレートオリゴマーを含んでもよい。4〜20個の炭素原子のペンダントアルキル基を有する1官能性(メタ)アクリレートモノマーは、8〜20個の炭素原子を有するペンダント基を含んでもよい。液体ゴムは、液体イソプレンを含んでもよい。
【0116】
有用な多官能性ポリブタジエン(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、Sartomer Co.から入手可能な二官能性ポリブタジエン(メタ)アクリレートオリゴマーCN307及びCN307が挙げられるが、これらに限定されない。有用な多官能性ポリイソプレン(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、Kuraray America,Inc.から入手可能なメタアクリレート化イソプレンオリゴマーUC−102及びUC−203が挙げられるが、これらに限定されない。
【0117】
4〜20個の炭素原子のペンダントアルキル基を有する有用な1官能性(メタ)アクリレートモノマーとしては、2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、イソデシルアクリレート、及びステアリルアクリレートが挙げられるが、これらに限定されない。
【0118】
液体ゴムとしては、Kuraray,Inc.から入手可能なLIR−30液体イソプレン ゴム及びLIR−390液体ブタジエン/イソプレンコポリマーゴム、並びにSartomer Co.,Inc.から入手可能なRicon 130液体ポリブタジエンゴムが挙げられるが、これらに限定されない。
【0119】
接着剤層は、上で説明されるように可塑剤を更に含んでもよい。
【0120】
別の実施形態では、接着剤層は、約20〜約60重量%の多官能性ゴム系(メタ)アクリレートオリゴマー、4〜20個の炭素原子のペンダントアルキル基を有する約20〜約60重量%の1官能性(メタ)アクリレートモノマー、及び5超〜約25重量%の液体ゴムの反応生成物を含んでもよい。
【0121】
別の実施形態では、接着剤層は、約20〜約50重量%の多官能性ゴム系(メタ)アクリレートオリゴマー、4〜20個の炭素原子のペンダントアルキル基を有する約20〜約50重量%の1官能性(メタ)アクリレートモノマー、5超〜約25重量%の液体ゴム、及び2〜約10重量%の充填剤粒子の反応生成物を含んでもよい。
【0122】
接着剤層は例えば柔軟であってもよく、この層は約30未満、約20未満、又は約10未満のショアA硬度を有してもよい。接着剤層は、どのような量が許容可能であるかによって、縮小をほとんど呈さない又は全く(例えば約5%未満)呈さない場合がある。他の実施形態では、接着剤はシリコーン系であってもよい。例えば、接着剤は水素化ケイ素官能性シリコーンと、ビニル若しくはアリル官能性シリコーンとの間の付加硬化化学を使用している場合がある。シリコーンの付加硬化は、当該技術分野において周知であり、それらは熱又は紫外線照射によって活性化され得るプラチナ系触媒を組み込むことが多い。同様に、二成分シリコーン液体接着剤又はゲル形成材料は、この揺変性の印刷可能な材料のベースとして使用されてもよい。これらのタイプのシリコーンは、縮合化学によってもよく、並びに硬化メカニズムを加速させるために熱を必要としてもよい。
【0123】
光開始剤は、紫外線照射を用いて硬化することきに、液体組成物で使用されてもよい。光開始剤には、有機過酸化物、アゾ化合物、キニーネ、ニトロ化合物、アシルハロゲン化物、ヒドラゾン、メルカプト化合物、ピリリウム化合物、イミダゾール、クロロトリアジン、ベンゾイン、ベンゾインアルキルエーテル、ケトン、フェノン等が挙げられる。例えば、接着剤組成物は、BASF Corp.からLUCIRIN TPO−Lとして入手可能なエチル−2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィネート、又はCiba Specialty ChemicalsからIRGACURE 184として入手可能な1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを含み得る。光開始剤は、重合性組成物中のオリゴマー及びモノマー材料の重量に対して約0.1〜10重量%又は0.1〜5重量%の濃度でしばしば用いられる。
【0124】
上で説明される液体組成物及び接着剤層は、連鎖移動剤、酸化防止剤、安定剤、遅炎剤、粘度調整剤、抑泡剤、帯電防止剤、湿潤剤、色素及び顔料、蛍光染料及び顔料、燐光染料及び顔料といった着色剤、繊維強化剤、並びに織布及び不織布といった、1つ以上の添加剤を任意に含むことができる。
【0125】
先で説明されるように、接着剤層は、接着剤116を硬化することによって形成される。任意の形態の電磁放射が、接着剤116を硬化するために使用されてもよい。例えば、接着剤116は、UV放射及び/又は熱を使用して硬化されてもよい。電子ビーム照射もまた使用されてもよい。上で説明される液体組成物は、化学線、すなわち光化学反応活性の生成につながる放射線を使用して硬化されてもよい。例えば、化学線は約250〜約700nmの放射線を含み得る。化学線源の源には、タングステンハロゲンランプ、キセノン及び水銀アークランプ、白熱灯、殺菌灯、蛍光ランプ、レーザ、及び発光ダイオードが挙げられる。紫外線は、Fusion UV Systemsから入手可能なもののように、高い密度で連続する放射システムを使用して供給することができる。
【0126】
更に、化学線は、組成物が部分的に重合されるように、接着剤組成物の層に適用され得る。接着剤組成物は、基板間に配置され、次いで、部分的に重合されてもよい。接着剤組成物は、第1の基板又は第2の基板上に配置され、部分的に重合されてもよく、次いで、他方の基板は、部分的に重合された層上に配置されてもよい。
【0127】
更に、化学線は、組成物が完全に又はほぼ完全に重合されるように、接着剤組成物の層に適用され得る。接着剤組成物は、基板間に配置され、次いで、完全に又はほぼ完全に重合されてもよい。接着剤組成物は、第1の基板又は第2の基板上に配置され、完全に又はほぼ完全に重合されてもよく、次いで、他方の基板は、重合された層上に配置されてもよい。
【0128】
非たわみ性接着剤組成物の2つの例解的な実施例をここで説明する。揺変性の液体の光学的に透明な接着剤は、表2の構成要素を白色混合容器、Max 300(約500cm
3)(FlackTek Inc.,Landrum,South Carolina)に添加することによって調製し、2200rpmで動作するHauschild Speedmixer(商標)DAC 600 FV(FlackTek Inc.)を使用して混合した。4分間混合した後、容器の側面を掻き取って、全てのヒュームドシリカが組み込まれたことを確認し、次いで、容器を更に4分間混合した。
【0130】
実施例1及び2の粘度は、実施例1のように測定し、表3に報告する。揺変性は、それが1秒
−1の剪断速度において18Pa.s〜140Pa.sの粘度、及び0.01秒
−1において700Pa.s〜4200Pa.sの粘度を有している場合、良好であると考えられる。
【0131】
実施例1及び2は、各々、約200マイクロメートルの厚さの2”×3”(5.08cm×7.62cm)顕微鏡スライド間に挟持され、300W/インチ(118.1W/cm)Fusion Hバルブ及びUV Power Puck(EIT,Inc.,Sterling,Va.)によって測定されるように3000mJ/cm
2のUVAエネルギーを使用して硬化した。ヘイズは、HazeGard Plus(BYK−Gardner USA,Columbia,MD)を使用して測定した。ヘイズの値は表3に報告されている。硬化された接着剤は、ヘイズが<1%である場合、良好であると考えられる。
【0133】
実施例1及び2で使用される材料は、以下の表4で更に説明する。
【0135】
図1〜8及び
図9を参照して、第2の基板102及び第1の基板104を結合するための本発明の積層の方法の工程の実施例を以下のとおりに説明する。
【0136】
工程902において、第1の基板104は、接着剤塗布のための場所に、機械類によって自動で、又は的に手によって手動で配置される。
【0137】
工程904において、第1の基板104の保護層は、剥離される。保護層は、手によって、又は機械類によって自動で剥離されてもよい。
【0138】
工程906において、ステンシル202は、機械類によって自動で、又は手によって手動で、第1の基板104上に置かれる。ステンシル202によって被覆される領域は、接着剤116で印刷されない。
【0139】
工程908において、第1の基板104上での印刷方法論を介した接着剤116(又は換言すれば、接着剤116の接着剤組成物)の塗布が開始する。ステンシル202は、接着剤116が印刷された後に、除去される。印刷された接着剤116の厚さは、0.025mm〜2mmの範囲であってもよい。
【0140】
工程910において、接着剤116が塗布された第1の基板104は、接着剤116が塗布された表面が上方に面した状態で、機械類によって自動で、又は手によって手動でチャンバ100内の保持機構108上に配置される。
【0141】
工程914において、第2の基板102の保護層116は剥離される。
【0142】
工程916において、第2の基板102は、機械類によって自動で、又は手によって手動で、保持機構106によって保持するための場所に配置される。第1の基板104と結合されるべき第2の基板102の表面は、下方に面する。
【0143】
工程902〜910並びに工程914及び916は、同時に又は連続して開始してもよいことが理解される。
【0144】
工程912において、第1の基板104及び第2の基板102の視覚マークが]チェックされる。視覚マークは、基板102、104上に意図的にマークされる物理的マーキングであり得るか、又はそれらは、チャンバ100内にあるカメラによって捕捉され得るか、若しくは画像化ソフトウェアを介して容易に識別され得る、基板102、104の縁部等といった基板102、104のはっきりと異なる特性であり得る。
【0145】
工程918において、第1の基板104は、第2の基板102と整合される。電動運動を介した自動整合の一方法は、
図11を参照して、以下で述べる。
【0146】
工程912における視覚マークの検査を介して検出される不整合は、基板102、104の表面が、それらが積層プロセスの後の工程における結合のために接触される時に整合されることを確実にするように、工程918において調節される。理想的には、結合されるべき第1の基板104の表面は、結合されるべき第2の基板102の表面と平面又は平行とされるべきである。また、結合されるべき基板102、104の表面は、一致し、的確に互いに面するべきである。
【0147】
図15を参照すると、結合されるべき基板102、104の表面に関して、8つの側面ガイド1502が使用される。側面ガイド1502は、第1の基板104の着座場所1504の周辺の領域において、第1の基板保持機構108上に配置される。2つの側面ガイド1502は、第1の基板104の4つの側面の各々上に配置される。側面ガイド1502は、第1の基板を位置に押しやるように、第1の基板104の方向に向かって、機械類によって移動可能なアバットメントである。
図15は、側面ガイド1502が、第1の基板104の位置付けのために移動可能である方向1506、1508、1510、及び1512を示す。側面ガイド1502は、第1の基板104の位置決めにおいて、0.1〜0.3mmの整合の許容範囲を達成するのに役立つことができる。整合の許容範囲の実際の値は、基板102、104、並びに保持機構106及び108の機械部品の寸法公差にそれぞれ依存する。前記寸法公差は、製造品としてのデバイス構成要素/基板の寸法における、制御不可能な変動を指す。製造プロセスにおいて、あらゆる製造品に関して正確に同じ製品サイズを得ることは、可能であるとしても困難である。これは、基板102、104、並びに保持機構106及び108の機械部品に該当する。
【0148】
結合されるべき表面を平面にするための基板102、104の整合は、視覚マークをチェックするための視覚カメラ、及び基板102、104の整合を計算するための好適なソフトウェアアルゴリズムの使用を含む。視覚マークを介した整合は、位置決め精度を最大5〜50mm改善する。
【0149】
図10は、指定された許容範囲内に保たれるべき基板寸法に対する必要性を示す。基板の多くの層の積層を必要とする製品は、全ての層が積み重ねられ、ともに接着された後、様々な厚さを有し得る。例えば、
図10のディスプレイモジュール1000は、以下のとおりに、上から下の順序で接着される基板を備える。第1の偏光子基板1002、第1のガラス基板(上部)1004、シール1006、第2のガラス基板(底部)1008、第2の偏光子基板1010、及び光ガイド1012。ディスプレイモジュール1000の厚さの合計1014は、例えば、4つの角部(ディスプレイモジュール1000が略長方形であると仮定すれば)において、及びディスプレイモジュール1000の中心から測定される時、異なり得る。
【0150】
基板厚さの絶対一貫性は保証することができないため、基板102、104を平坦化するために最適な整合調節を見出すことが必要であろう。例えば、最適な整合調節は、基板102、104の4つの角部における厚さの測定を含む計算によって導出され得る。基板102、104の中心の厚さの測定もまた、計算に含まれてもよい。
【0151】
視覚カメラの使用、及び第1の基板104を第2の基板102と平面にするための基板102、104の厚さの測定を含む方法は、以下のとおりに説明される。
【0152】
図11を参照すると、第2の基板102は、データム又は基準とされ、調節されない。レべリングプレート1106上に配置される第1の基板104は、第2の基板102に平面とされるように調節される。基板102、104の各々は、それらのそれぞれの4つの角部におけるそれらの厚さに対して測定され、厚さデータが保存される。視覚カメラは、基板102、104の画像を撮って、それらの上の視覚マーク、例えば、2つの基準マーク、又は他のはっきりと異なるマークを捕捉する。基板102、104の位置データは、捕捉された視覚マークから導出される。
【0153】
第1の基板104を保持している保持機構108は、レべリングプレート1106と、角度調節、すなわち、レべリングプレート1106のピッチ及びロールのための2つのサーボモータドライブ1108及び1110と、を備える。レべリングプレート1106のピッチ及びロールは、それぞれ、レべリングプレート1106に平面である、2つの直角の軸x及びyの周囲で調節される。z軸は、第2の基板102が、それが第1の基板104に向かう際にそれに沿って移動する軸である。
【0154】
好適なソフトウェアアルゴリズムは、基板102、104の位置データ及び厚さデータに基づいて、レべリングプレート1106に行われる調節の程度を計算するために実行される。次いで、第1の基板104の保持機構108は、第1の基板104を第2の基板102と平坦化するように、適宜、レべリングプレート1106の平面のロール及びピッチを調節する。
【0155】
図9を再度参照すると、工程920において、第2の基板102は、チャンバ100において結合するために、第1の基板108に垂直に下方に移動される。実施例における結合プロセスの間、チャンバ100内の気圧は、負圧まで減少され、これは、大気圧を下回り、0〜5000paの範囲である。真空といった非常に低い圧力において、接着剤116の真空蒸発が生じ得る。しかしながら、真空蒸発は、接着剤116の固有の特性により、最小限に保たれる。積層プロセスは、接着された基板102、104間のいかなる望ましくない閉じ込められた空気もまた、減圧であるように、0〜5000paの範囲の圧力で実行される。したがって、積層された製品又はアセンブリが、正常圧の下に戻される時、閉じ込められた空気は、ヒトの目には見分けにくいであろう。良好なプロセス歩留りのために、圧力は、5000pa以下、又は更には2000pa以下とより低く保たれる。
【0156】
結合の間、接着剤116が基板102、104の縁部からオーバフローするまで、基板102、104間に位置する接着剤116を過剰に押圧することは望ましくない。過剰な押圧を防止するために、サーボプレス機械112が、最初に、第2の基板102を、約2mm/秒〜50mm/秒の第1の速度で、既定の間隔、例えば、第1の基板104から0.025mm〜2mm離れた間隔に移動させる。
【0157】
既定の間隔で第2の基板102を第1の基板104に結合した後、サーボプレス機械112は、第2の速度で、第2の基板102を第1の基板104に向かわせ続ける。既定の間隔を超えた時、第2の基板102は、最終的に、接着剤116と接触するであろう。接着剤116は、それが第2の基板102によって押圧される際、均等に広げられる。既定の間隔を超えると、サーボプレス機械112の移動の第2の速度は、第1の速度から減速され、例えば、第2の速度は、0.05mm/秒〜1mm/秒であり得る。減速は、接着剤116が、それが押圧される際、基板102、104の縁部まで完全に流れることを可能にする。サーボプレス機械112は、一度、基板102、104間の事前定義される距離に到達すると、第2の基板102を移動させることを停止する。この事前定義される距離は、接着剤116を、オーバフローすることなく、基板102、104の縁部まで完全に流すのに十分であるべきである。実施例における事前定義される距離は、約0.1mmである。事前定義される距離の値の範囲は、0.025〜2mmであり得ることが理解される。事前定義される距離の寸法公差は、好ましくは、+/−3umに保たれる。事前定義される距離は、工程918で測定される基板102、104の寸法公差に基づいて、ほぼ0.1mmを達成するように調節することができる。
【0158】
静電チャック又は機械的グリッパが使用される場合、真空チャンバ100は、第2の基板102を第1の基板104に向かわせる前に、圧力を減少させてもよい。しかしながら、真空チャックが使用される場合、第2の基板保持機構106は、真空環境に第2の基板102を保持する問題を有するであろう。真空チャックの保持圧力は、真空環境で正常化し、それにより、第2の基板102の堅い保持を防止する。解決策は、第2の基板102を第1の基板104から0.025mm〜2mm離れた既定の間隔に近付けた後にのみ、真空チャンバ100の圧力を減少させることである。このように、真空チャックの保持圧力が、真空環境の圧力で正常化する時、第2の基板102は、サーボプレス機械112によって、第1の基板104上に印刷される接着剤116を押圧する準備ができている場所にあるであろう。保持圧力が正常化する時に、第2の基板102が第1の基板104上に落下したとしても、それが落下する距離は、わずかであり、第1の基板104上に印刷される接着剤116の配設におけるいかなる不整も引き起こさないであろう。静電チャック又は機械的グリッパが使用される場合、第2の基板102を落下させる必要性が存在するであろうことが理解される。この場合、第2の基板102を、第1の基板104上に広がる接着剤116と接触させることができる。
【0159】
工程920の後、2つの基板102、104間の接着剤116に閉じ込められる大気圧よりも低いタイプである、約0.5mmのサイズのいくつかの小さな気泡が存在するであろう。
【0160】
工程922において、真空チャンバ100の圧力レベルは、大気圧に戻される。加圧空気を供給するための空気圧縮器は、真空チャンバ100が大気圧に戻される時間を速めるように、真空チャンバ100の機械類に含まれてもよい。真空チャンバ100が大気圧に戻される際、もしあれば、接着剤116内の閉じ込められた気泡は、好ましくは、それらが肉眼に可視的ではないように、サイズが縮小する。
【0161】
工程924において、積層されたアセンブリ、又はより具体的には、接着された基板102、104間に配置される接着剤116は、正圧、すなわち大気圧よりも高い圧力に供される。例えば、2〜6バール(1バールは100,000パスカル)に上昇されたチャンバ100の圧力は、5〜30秒の範囲の規定された時間、チャンバ100の中へ汲み上げられる。これは、もしあれば、接着剤116内の閉じ込められた気泡のサイズを、サブマイクロメートル寸法を有する非可視的なサイズへ更に圧縮するであろう。工程924は、任意であり、何らかの理由、例えば、チャンバ設計の欠陥で、閉じ込められた気泡が、工程922において肉眼に可視的ではないサイズに低減することができない場合、適用されてもよい。
【0162】
工程926において、接着剤は、紫外線(UV)光源で硬化される。この硬化の工程は、実際、基板が永久的な硬化に供される前に、検査が必要とされる場合、前硬化工程と見なされてもよい。硬化/前硬化は、積層されたアセンブリが、チャンバ100、又は前硬化の準備ができている全ての積層されたアセンブリが、自動機械類を介して、又は手によって手動で移される、別個のステーションにある間に実行されてもよい。前硬化は、積層されたアセンブリが、検査の間の取扱のために、結合において十分な強度を有するが、必要な場合、再加工が依然として可能であるように、完全には結合されていないように、行われる。
【0163】
工程928において、積層されたアセンブリは、検査、又は更なる若しくは完全な硬化のために、自動機械類を介して、又は手によって手動で、別のステーションへ移される。検査の工程は、任意である。工程926における前硬化も、任意である。前硬化を省略した場合、積層されたアセンブリは、工程924の後、工程932における完全な硬化のための場所に直接移される。本明細書における硬化の言及は、前硬化及び/又は完全な硬化を含み得ることが理解される。
【0164】
工程930において、積層されたアセンブリの検査が行われる。いずれかの積層されたアセンブリが、検査の間に不良であることが見出された場合(例えば、乏しい基板整合、基板縁部からの接着剤の過剰なオーバフロー、接着剤中の可視的な閉じ込められた気泡等)、それらは、再加工、すなわち、再度工程902〜926を経るために除去され得る。
【0165】
工程930又は工程924、任意の検査工程が実施されるかどうかによっては工程932における検査の後、積層されたアセンブリは、UV光源による、又はフラッドライトによる、完全な硬化に供される。UV光源及び/又はフラッドライトは、積層されたアセンブリが配置される移動ラインコンベヤシステムに沿って、配置されてもよい。
【0166】
ブラックマスク、すなわち、紫外線光の遮断により、接着剤が硬化されるのを防止する、積層されたアセンブリのコーティング又は固定具が存在する、積層されたアセンブリにおいて、解決策は、接着された基板の側面から、基板間に位置する接着剤を硬化するための上部から提供される紫外線光を方向付けるように、接着された基板の側面において約45度で配設される1つ以上の鏡を提供することである。かかる方法によって硬化可能な距離への制限があるが、硬化の結果は許容可能である。
【0167】
図1〜9を参照して説明されるような本発明の装置及び方法の先の実施例はまた、いくらかの修正が必要であり得ることを除き、湾曲した基板積層に適用可能である。湾曲した基板積層を、
図12〜14を参照して、以下のとおりに説明する。
図1〜9における要素のうちの一部の名称は、本実施例と先の実施例との間の類似性を示すために、
図12〜14において再利用する。
【0168】
図12を参照すると、基板1204に結合されるべき湾曲した基板1202は、例えば、ガラス又は透明なプラスチックレンズといった、透明な光学基板であり得る。基板1204は、当然のことながら、類似の構成体であってもよい。また、基板のうちの1つは、例えば、有機発光ダイオード(OLED)基板、液晶ディスプレイ(LCD)基板、タッチパネル等であり得る。基板1202、1204のうちの1つは、平坦であり、湾曲した形状に変形可能である。他方の基板1204又は1202は、湾曲した形状の積層されたアセンブリ1208を保持するために剛性の湾曲した形状を有する。本実施例において、第2の基板1202は、剛性の湾曲した形状を有するガラス光学レンズであり、第1の基板1204は、平坦であり、変形可能な平坦なタッチパネルである。
【0169】
図1を参照して説明される接着剤116に類似の非たわみ性接着剤1206(又は換言すれば、接着剤1206の接着剤組成物)は、好ましくは、第1の基板1204上に印刷される。第1の基板1204上に接着剤1206を印刷する方法は、
図1を参照して説明される、第1の基板104上に接着剤116を印刷するためのものと同じであり得る。
【0170】
図13を参照すると、第1及び第2の基板1204、1202の結合は、チャンバ1300において実行される。湾曲した基板積層に関して、それぞれ第1及び第2の基板1204、1202を保持するための第1及び第2の保持機構1308及び1306は、第2の基板1202の湾曲に一致するように、湾曲した形状である。本実施例においては、真空チャックが使用される。
【0171】
基板1202、1204の整合及びレベリングは、
図1〜11及び15を参照して説明される装置及び方法における、側面ガイド及び視覚マークのチェックを使用して、同様に実行することができる。
【0172】
図1を参照して説明される基板102、104と同様に、第2の基板1202を、サーボプレス機械1310によって、第1の基板1204から0.025mm〜2mm離れた既定の間隔に、第1の基板1204に向かわせる。その後、チャンバ1300内の圧力を低下させる。
【0173】
第1の保持機構1308は、チャンバ1300内の圧力が約8000paに減少するまで、変形した湾曲した形状に第1の基板1204を保持するように構成される、真空チャックである。約8000paで、第1の基板1204は、チャンバ1300内の真空環境による、第1の保持機構1308の保持圧力の正常化により、その本来の平坦な形態に戻る。第2の保持機構1306は、約5000paまで、第2の基板1202を保持するように構成される真空チャックである。
【0174】
第2の保持機構1306がその保持を失う時、第2の基板1202は、第1の基板1204上に印刷される接着剤1206に接触するように、第2の保持機構1306から落下する。落下距離は、約0.025〜2mmであるように事前定義される。かかる距離で、第1の基板1204上に印刷される接着剤1206は、落下した第2の基板1202によって引き起こされる、接着剤の配設におけるいかなる不整も引き起こさない。静電チャックが使用される場合、第2の基板1202を落下させる必要は無いことが理解される。この場合、第2の基板1202を、第1の基板1204上に広がる接着剤1206と接触させることができる。
【0175】
実施例において、チャンバ1300内の圧力が約2000paに減少した後、サーボプレス機械1310は、第1の基板1204上に印刷される接着剤116上に第2の基板1202を押圧するように、低速、例えば、0.2mm/秒〜1mm/秒で移動される。サーボプレス機械1310は、一度、基板1202、1204間の事前定義される距離に到達すると、第2の基板1202を押圧することを停止する。この事前定義される距離は、接着剤1206を、オーバフローすることなく、基板1202、1204の縁部まで完全に流すのに十分であるべきである。本実施例における事前定義される距離は、約0.1mmである。事前定義される距離の値の範囲は、0.025〜2mmであり得ることが理解される。事前定義される距離の寸法公差は、好ましくは、+/−3umに保たれる。事前定義される距離は、工程918で測定される基板1202、1204の寸法公差に基づいて、約0.1mmを達成するように調節することができる。
【0176】
基板1202、1204間で事前定義される距離に到達するまで、第2の基板1202は押圧される。チャンバ1300は、もしあれば、接着剤1206内の閉じ込められた気泡のサイズを低減するように、圧力を大気圧までに増加し戻す。チャンバ1300内の圧力は、もしあれば、接着剤1206内の閉じ込められた気泡のサイズを更に低減するように、最大6バール(0.6Mpa)の正圧に更に増加されてもよい。正圧へのこの更なる増加は、任意であり、何らかの理由、例えば、チャンバ設計の不良で、閉じ込められた気泡が、チャンバ1300が圧力を大気圧に増加し戻した後、肉眼に可視的ではないサイズに低減することができない場合、適用可能である。
【0177】
UV硬化及び/又はフラッドライトによる硬化は、正常な大気圧、又は最大6バール(0.6Mpa)の正圧(すなわち、正常な大気圧を上回る圧力)にチャンバ1300内の圧力を増加し戻す工程の後に行われてもよい。硬化はまた、もしあれば、接着剤1206内の閉じ込められた気泡が、最も小さくなるように、積層された製品を正圧に供する工程の間に行われてもよい。硬化は、好ましくは、結合された基板1202、1204が湾曲した形状にある時に行われる。それらの非湾曲形態に跳ね戻る傾向を有する、湾曲形状を有する積層された製品は、基板が依然として湾曲した形状に保持されている間に硬化されるべきである。
【0178】
図14は、どのように硬化がチャンバ1300において行われ得るかを例解する。第1の保持機構1308内に位置する2つの光源1402は、基板1202、1204を結合することによって形成される、湾曲した積層されたアセンブリ又は製品を硬化するように、紫外線光を放出する。
【0179】
本明細書において説明されるパネル基板アセンブリを形成するための装置及び方法の実施例は、以下の利点を有し得る。
【0180】
接着剤のオーバフロー問題は、積層のために基板を整合させるための調節が、「閉じたループ」方法を介して導出されるため、大いに低減される。「閉じたループ」は、装置がフィードバックシステムを有することを意味する。
図9を参照して説明される実施例を参照すると、フィードバックは、工程912及び918において判断される各基板の寸法公差である。積層されるべき基板の寸法公差のフィードバックデータは、基板がそれらをともに積層するためにそれに沿って移動する軸(すなわち、
図11のZ軸)における調節を行うために必要とされるデータを導出するのに役立つ。本明細書において説明される事前定義される距離の調節は、Z軸における1つのかかる調節である。寸法公差はまた、積層プロセスが行われる前に、角度調節に必要とされるデータ、すなわち、基板(
図1の104)のピッチ及びロールを導出するのに役立つ(
図11及び付随する説明)。使用される接着剤(
図1の接着剤116)の非たわみ性特性はまた、接着剤のオーバフローの程度を制限することに寄与する。
【0181】
基板(
図1の104)上の接着剤(
図1の116)は、接着剤の均等な広がりを支援する、印刷方法を介して塗布され、これにより、良好な接着剤の厚さの許容範囲を確実にする。良好な接着剤の厚さの許容範囲の例は、+/−20um以下であろう。1つ以上のリブ(
図2及び3の206)を有するように、印刷方法のために使用されるステンシルを設計することは、大きな領域の印刷に対するスクーピング効果を防止し、全印刷領域にわたる接着剤の均等な広がりを確実とするのに役立つ。
【0182】
積層は、0〜5000Paの範囲の大気よりも低い圧力を有する環境において実施され、もしあれば、接着剤(
図1の116)内に閉じ込められた気泡の気圧を、それに応じて大気圧より低くする(
図9の工程920)。それは、基板の周辺圧力が正常な大気圧に戻された後、接着剤に閉じ込められるいかなる泡も、好ましくは、肉眼に可視的ではないほど可能な限り小さく保つのに役立ち得る(
図9の工程922)。更に、真空環境の下での積層の工程の後、積層されたアセンブリは、それらが非可視的であることを確実とするために、いかなる泡を更に収縮するように、正常な大気圧よりも高い圧力に供されてもよい(
図9の工程924)。接着剤(
図1の116)の硬化は、接着剤が、閉じ込められた気泡がそれらの最も小さなサイズである形態に硬化されることを確実とするように、加圧環境において行われてもよい。
【0183】
図9を参照して説明される方法、及び
図12〜14を参照して説明される湾曲した基板のための類似の方法を使用してディスプレイパネルを形成するための積層時間は、基板のサイズに依存して、27インチ(68.6cm)以下(対角線上に)のサイズを有するディスプレイパネルに関して、約10〜90秒である。これは、先の既知の積層方法よりも実質的に速いことが理解される。
【0184】
接着剤(
図1の116)の非たわみ性特性により、選択的領域接着剤積層が可能である。接着剤が容易に流れないので、それは、それが形成、塗布、又は印刷される形状にとどまることができる。これは、特定の領域上の精密な接着剤塗布を可能にする。このため、そうでなければ意図的に遮断される領域の中に流れる接着剤によって引き起こされる可能性がある問題が、低減され得る。例えば、モバイルデバイスのカバーパネルの積層の場合、カメラ、スピーカ、及びマイクロホンの配置のための領域は、接着剤(
図1の116)がそれらの領域に到達することを防ぐように遮断されるであろう。
【0185】
更に、接着剤(
図12の1206)の非たわみ性特性は、
図12〜14を参照して説明されるものといった方法を介して、湾曲した基板積層を可能にする。接着剤(
図12の1206)が流れる傾向がある場合、接着剤(
図12の1206)は、重力の引張の結果として、基板の湾曲した輪郭上を流れるであろう傾向が高い。
【0186】
多くの修正及び他の実施形態は、図面とともに、上で説明される開示の理解を有する当業者によって、パネル基板アセンブリを形成するための方法及び装置に行うことができる。したがって、パネル基板アセンブリを形成するための方法及び装置が、本明細書に含有される上の説明のみに制限されること、並びに可能な修正が、本開示の特許請求の範囲に含まれるべきであることが理解されるものとする。