特許第6188617号(P6188617)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6188617
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】画像形成システム
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20170821BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20170821BHJP
   G06F 1/00 20060101ALI20170821BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20170821BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20170821BHJP
【FI】
   B41J29/38 Z
   H04N1/00 C
   H04N1/00 107Z
   G06F1/00 370E
   G06F3/12 303
   G06F3/12 369
   G06F3/12 387
   G06Q50/10
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-66956(P2014-66956)
(22)【出願日】2014年3月27日
(65)【公開番号】特開2015-189046(P2015-189046A)
(43)【公開日】2015年11月2日
【審査請求日】2016年2月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114971
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修
(72)【発明者】
【氏名】清瀬 健司
【審査官】 名取 乾治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−208626(JP,A)
【文献】 特開2001−142873(JP,A)
【文献】 特開2007−233640(JP,A)
【文献】 特開2003−196066(JP,A)
【文献】 特開2008−287418(JP,A)
【文献】 特開2006−165749(JP,A)
【文献】 特開2000−148967(JP,A)
【文献】 特開2010−191497(JP,A)
【文献】 特開2012−032581(JP,A)
【文献】 特開2009−177390(JP,A)
【文献】 特開2014−21607(JP,A)
【文献】 特開2006−127033(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38
G06F 3/12
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
広域ネットワークに接続され、不特定のユーザーに使用され葉書印刷を行う画像形成装置と、
前記広域ネットワークに接続されたクラウドサーバーと、
ポータブル記憶装置とを備え、
前記クラウドサーバーは、パーソナルコンピューターであるユーザー端末装置からアップロードされてきた第1裏面画像データを登録するとともに、一般公開され著作権管理されている第2裏面画像データを提供可能であり、
前記ポータブル記憶装置には、前記ユーザー端末装置により、前記ユーザーが提供する宛先データが格納され、
前記画像形成装置は、
印刷装置と、
記憶装置と、
前記ポータブル記憶装置から記宛先データを取得し前記記憶装置に格納する宛先データ管理部と、
前記第1裏面画像データおよび前記第2裏面画像データのリストから選択された裏面画像データを前記クラウドサーバーから取得する裏面画像取得部と、
前記宛先データ管理部により取得された前記宛先データに基づいて、おもて面画像の画像データを生成し、生成したおもて面画像の画像データに基づき前記おもて面画像を葉書のおもて面に前記印刷装置で印刷し、取得した前記裏面画像データに基づく裏面画像を前記葉書の裏面に前記印刷装置で印刷する印刷制御部とを備え、
前記宛先データ管理部は、前記おもて面画像の画像データの生成後、または前記おもて面画像の印刷完了後に、前記宛先データを前記記憶装置から消去すること、
を特徴とする画像形成システム
【請求項2】
記印刷制御部は、前記第2裏面画像データのそれぞれについて、前記第2裏面画像データに基づき裏面画像を印刷した葉書の枚数をカウントすること、
を特徴とする請求項1記載の画像形成システム
【請求項3】
前記印刷制御部は、前記第2裏面画像データのそれぞれについて、前記第2裏面画像データに基づき裏面画像を印刷した葉書の枚数を、著作権使用料の計算のために前記クラウドサーバーへ通知することを特徴とする請求項2記載の画像形成システム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
あるシステムでは、不特定のユーザーが使用するポストカード作成端末が、カード裏面に使用するために記憶メディアから写真画像を取得し、おもて面(宛名面)に使用される宛先情報の手入力を受け付けて、ポストカードデータを作成しサーバーに保存可能となっている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−208626号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の技術では、不特定のユーザーが使用する端末に、公衆の眼がある環境下で宛先情報を入力する必要があるとともに、ユーザーの個人情報(秘匿情報)である宛先情報が、不特定のユーザーが使用する端末やサーバーに残ってしまい、宛先情報が漏洩する可能性がある。
【0005】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、不特定のユーザーが使用する画像形成装置であって、この画像形成装置による葉書印刷の際に宛先情報が漏洩する可能性を低減する画像形成システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る画像形成システムは、広域ネットワークに接続され、不特定のユーザーに使用され葉書印刷を行う画像形成装置と、前記広域ネットワークに接続されたクラウドサーバーと、ポータブル記憶装置とを備える。前記クラウドサーバーは、パーソナルコンピューターであるユーザー端末装置からアップロードされてきた第1裏面画像データを登録するとともに、一般公開され著作権管理されている第2裏面画像データを提供可能である。前記ポータブル記憶装置には、前記ユーザー端末装置により、前記ユーザーが提供する宛先データが格納される。前記画像形成装置は、印刷装置と、記憶装置と、前記ポータブル記憶装置から記宛先データを取得し前記記憶装置に格納する宛先データ管理部と、前記第1裏面画像データおよび前記第2裏面画像データのリストから選択された裏面画像データを前記クラウドサーバーから取得する裏面画像取得部と、前記宛先データ管理部により取得された前記宛先データに基づいて、おもて面画像の画像データを生成し、生成したおもて面画像の画像データに基づき前記おもて面画像を葉書のおもて面に前記印刷装置で印刷し、取得した前記裏面画像データに基づく裏面画像を前記葉書の裏面に前記印刷装置で印刷する印刷制御部とを備える。そして、前記宛先データ管理部は、前記おもて面画像の画像データの生成後、または前記おもて面画像の印刷完了後に、前記宛先データを前記記憶装置から消去する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、不特定のユーザーが使用する画像形成装置による葉書印刷の際に宛先情報が漏洩する可能性を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置を含む画像形成システムの構成を示すブロック図である。
図2図2は、図1に示すシステムにおける上記画像形成装置による葉書印刷について説明するシーケンス図である。
図3図3は、図1における画像形成装置によるおもて面画像への宛先情報の埋め込みについて説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0010】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置を含む画像形成システムの構成を示すブロック図である。
【0011】
図1に示すシステムでは、複合機、プリンターなどの、葉書印刷を行う画像形成装置1が、不特定のユーザーに使用可能な状態で、コンビニエンスストアなどに設置されており、さらに、インターネットなどの広域ネットワーク2に接続されている。また、パーソナルコンピューターなどのユーザー端末装置3が、広域ネットワーク2に接続可能となっており、さらに、クラウドサーバー4が広域ネットワーク2に接続されている。
【0012】
ユーザー端末装置3は、ユーザー操作に従って、葉書印刷のための裏面画像データをクラウドサーバー4にアップロードし保存する。その際、ユーザー端末装置3は、ユーザー操作に従って、ユーザー端末装置3においてユーザーによって作成された画像データを裏面画像データとしてクラウドサーバー4にアップロードしてもよいし、裏面画像を作成するサービスを提供するウェブサイトなどでユーザーによって作成された画像データを裏面画像データとしてクラウドサーバー4にアップロードしてもよい。クラウドサーバー4には、1または複数の裏面画像データがユーザーごとに格納される。
【0013】
また、ユーザー端末装置3は、葉書印刷のための宛先データを含む住所録データを管理しており、ユーザー操作に従って、USB(Universal Serial Bus)メモリー、メモリーカード、無線通信機能を有する携帯端末装置などのポータブル記憶装置5に住所録データを格納する。
【0014】
ユーザーは、まず、クラウドサーバー4へ裏面画像データをアップロードし、ポータブル記憶装置5に住所録データを格納してから、葉書印刷を実行させたい画像形成装置1の設置場所へ行き、画像形成装置1を操作して葉書印刷を実行させる。
【0015】
画像形成装置1は、通信装置11、周辺機器インターフェイス12、操作パネル13、印刷装置14、演算処理装置15、および記憶装置16を備える。
【0016】
通信装置11は、広域ネットワーク2に接続可能であって、広域ネットワーク2に接続されている装置(クラウドサーバー4など)とデータ通信を実行可能な、ネットワークインターフェイス、モデムなどといった通信装置である。
【0017】
周辺機器インターフェイス12は、ポータブル記憶装置5からのデータリードが可能な通信装置である。周辺機器インターフェイス12としては、USB、赤外線通信、ブルートゥース(登録商標)などのインターフェイスが使用される。
【0018】
操作パネル13は、画像形成装置1の筺体に設置され、ユーザーに対して各種情報を表示する液晶ディスプレイ、インジケーターなどの表示装置、およびユーザー操作を受け付けるタッチパネル、ハードキーなどの入力装置を有する。
【0019】
印刷装置14は、画像データに基づき、おもて面画像を葉書用紙のおもて面(宛名面)に印刷し、裏面画像を葉書用紙の裏面に印刷する装置である。
【0020】
演算処理装置15は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)などを有するコンピューターであって、図示せぬプログラムを実行することで、宛先データ管理部21、裏面画像取得部22、および印刷制御部23として機能する。
【0021】
宛先データ管理部21は、周辺機器インターフェイス12を使用して、ユーザーの携帯するポータブル記憶装置5から宛先データを取得し、記憶装置16に格納する。宛先データは、葉書の宛先の住所および名称(宛名)、送り主の住所および名称を含む。
【0022】
そして、宛先データ管理部21は、印刷制御部23によるおもて面画像の画像データの生成後、またはおもて面画像の印刷完了後に、宛先データを記憶装置16から消去する。
【0023】
裏面画像取得部22は、通信装置11を使用して、クラウドサーバー4から裏面画像データを取得する。
【0024】
印刷制御部23は、宛先データ管理部21により取得された宛先データに基づいて、おもて面画像の画像データを生成し、生成したおもて面画像の画像データに基づきおもて面画像を葉書のおもて面に印刷装置14で印刷し、取得した裏面画像データに基づく裏面画像を葉書の裏面に印刷装置14で印刷する。
【0025】
また、この実施の形態では、クラウドサーバー4は、著作権管理されている1または複数の裏面画像データを提供可能であり、印刷制御部23は、著作権管理されている裏面画像データが葉書印刷に使用された場合、裏面画像データのそれぞれについて、裏面画像データに基づき裏面画像を印刷した葉書の枚数をカウントし、著作権使用料の計算のためにクラウドサーバー4へ通知する。なお、著作権使用料の支払いは、画像形成装置1におけるユーザーへの課金とは別に、クラウドサーバー4の事業者と著作権者との間で行われ、ユーザーは関与しない。
【0026】
なお、宛先データ管理部21により取得された宛先データは、RAM(Random Access Memory)などの揮発性の記憶装置のみに記憶され、当該画像形成装置1内の不揮発性の記憶装置には記憶されないことが好ましい。
【0027】
次に、図1に示すシステムにおける上記画像形成装置による葉書印刷について説明する。図2は、図1に示すシステムにおける上記画像形成装置による葉書印刷について説明するシーケンス図である。
【0028】
ユーザー端末装置3が、ユーザー操作に従って、裏面画像登録要求をクラウドサーバー4へ送信する(ステップS1)。このとき、裏面画像登録要求とともにユーザー所望の画像データが裏面画像データとしてアップロードされたり、裏面画像登録要求によって、著作権管理されている画像データのうち、ユーザーが裏面画像データとして使用したいものが指定される。
【0029】
クラウドサーバー4は、その裏面画像登録要求を受け付けると、そのユーザーのユーザーIDに関連付けて、裏面画像データを登録する(ステップS2)。
【0030】
その後、ユーザーは、予め作成してある住所録データ(つまり、宛先データ)をポータブル記憶装置5に格納し、ポータブル記憶装置5を携帯して画像形成装置1の設置場所(コンビニエンスストアなど)に行く。
【0031】
そして、画像形成装置1の裏面画像取得部22は、そのユーザーのユーザー操作に従って、クラウドサーバー4からダウンロード可能な裏面画像データ(そのユーザーのユーザーIDに関連付けられているプライベートなものおよび/または一般公開されており著作権管理されているもの)のうち、ユーザー所望の裏面画像データを特定し、裏面画像送信要求をクラウドサーバー4へ送信し(ステップS4)、その裏面画像データをダウンロードする(ステップS5)。
【0032】
このとき、裏面画像取得部22は、ダウンロード可能な裏面画像データのリストを取得して操作パネル13に表示させ、操作パネル13に対するユーザー操作に従って、そのリストから、ユーザー所望の裏面画像データを選択するようにしてもよい。また、裏面画像取得部22は、裏面画像データをダウンロードした後、その裏面画像データに基づく画像を操作パネル13にプレビュー表示させ、所定のユーザー操作が検出された場合、ユーザー所望の裏面画像データを確定するようにしてもよい。
【0033】
葉書印刷に使用される裏面画像データが確定された後、画像形成装置1の宛先データ管理部21は、そのユーザーのユーザー操作に基づいて、周辺機器インターフェイス12を使用して、ポータブル記憶装置5から宛先データを取得し、記憶装置16に格納する(ステップS6)。
【0034】
そして、印刷制御部23は、宛先データから、おもて面画像の画像データを生成する(ステップS7)。図3は、図1における画像形成装置1によるおもて面画像への宛先情報の埋め込みについて説明する図である。この実施の形態では、図3に示すように、印刷制御部23は、おもて面画像のレイアウトを示すひな形データを有しており、ひな形データに予め記述されている宛先住所、宛先名称、送主住所、および送主名称のテキストを、取得された宛先データにより指定されている宛先住所、宛先名称、送主住所、および送主名称のテキストに置き換えて、おもて面画像の画像データを生成する。なお、宛先データに郵便番号が含まれている場合には、所定の位置に郵便番号が挿入される。
【0035】
印刷制御部23は、生成したおもて面画像の画像データおよび取得した裏面画像データに基づき、葉書の両面印刷を印刷装置14で実行し(ステップS8)、印刷制御部23は、印刷枚数をカウントし、例えばコインベンダーなどを使用して印刷枚数に基づく課金処理をユーザーに対して行うとともに、裏面画像データが著作権管理されているものである場合には、その裏面画像データについての印刷枚数をクラウドサーバー4へ通知する(ステップS9)。
【0036】
そして、印刷制御部23は、記憶装置16における宛先データを消去する(ステップS10)。なお、宛先データの消去は、ステップS9の課金処理の前に行うようにしてもよい。
【0037】
以上のように、上記実施の形態によれば、不特定のユーザーに使用され葉書印刷を行う画像形成装置1において、宛先データ管理部21は、ユーザーの携帯するポータブル記憶装置5から宛先データを取得し記憶装置16に格納し、裏面画像取得部22は、クラウドサーバー4から裏面画像データを取得し、印刷制御部23は、宛先データ管理部21により取得された宛先データに基づいて、おもて面画像の画像データを生成し、生成したおもて面画像の画像データに基づきおもて面画像を葉書のおもて面に印刷装置14で印刷し、取得した裏面画像データに基づく裏面画像を葉書の裏面に印刷装置14で印刷する。そして、宛先データ管理部21は、おもて面画像の画像データの生成後、またはおもて面画像の印刷完了後に、宛先データを記憶装置16から消去する。
【0038】
これにより、不特定のユーザーが使用する画像形成装置1による葉書印刷の際に宛先情報が漏洩する可能性を低減することができる。
【0039】
なお、上述の実施の形態は、本発明の好適な例であるが、本発明は、これらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変形、変更が可能である。
【0040】
例えば、上記実施の形態において、ユーザー端末装置3およびポータブル記憶装置5を1台の携帯端末装置(スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピューターなど)としてもよい。
【0041】
また、上記実施の形態において、ユーザーが、ユーザー端末装置3などで印刷された住所録を持って画像形成装置1の設置場所へ行き、画像形成装置1のスキャナーでその住所録を読み取らせるようにしてもよい。その場合、画像形成装置1において、スキャナーで読み取られた画像から、OCR(Optical Character Recognition)技術を使用して、宛先データが取得される。
【0042】
また、上記実施の形態において、ユーザーがクラウドサーバー4へアップロードした裏面画像データは、ユーザーによる削除操作があるまでは継続して保存され、再利用可能としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、例えば、コンビニエンスストアなどに設置される画像形成装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0044】
1 画像形成装置
4 クラウドサーバー(外部サーバーの一例)
5 ポータブル記憶装置
14 印刷装置
16 記憶装置
21 宛先データ管理部
22 裏面画像取得部
23 印刷制御部
図1
図2
図3