(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記通信処理部は、前記監視装置から送信中止要求を受信し、受信した前記送信中止要求により指定されたユーザーについて、前記画面画像生成部により生成された前記画像データの送信を中止することを特徴とする請求項1または請求項2記載の電子機器。
前記画面画像生成部は、前記監視装置からアニメーション効果の設定オフ要求が受信された場合、強制的にアニメーション効果をオフした状態での前記操作画面の画像データを生成し、
前記通信処理部は、アニメーション効果を強制的にオフした状態での前記操作画面の画像データを前記監視装置へ送信すること、
を特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の電子機器。
前記通信処理部は、前記監視装置からの前記設定オフ要求に基づいてアニメーション効果を強制的にオフした場合、前記操作画面においてアニメーション効果が適用される部分について、所定の時間間隔での複数のタイミングで得られる複数の画像の画像データを前記監視装置へ送信することを特徴とする請求項4記載の電子機器。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0012】
図1は、本発明の実施の形態に係る電子機器の一例として画像形成装置を含むサポートサービスシステムの構成を示すブロック図である。
図1に示すシステムでは、画像形成装置1のサポートサービスが、サポートサービス提供者側の監視装置2を使用してインターネットなどのネットワーク3を介して行われる。監視装置2は、サポートサービス提供者側のオペレーターに操作されるパーソナルコンピューターなどである。
【0013】
さらに、1または複数のユーザーが、スマートフォンなどのモバイル端末装置4をそれぞれ携帯している。モバイル端末装置4には、画像形成装置1を制御するためのドライバーがインストールされており、ユーザーは、モバイル端末装置4を操作することで、画像形成装置1にリモートログインし、画像形成装置1を使用することができる。
【0014】
図2は、
図1における画像形成装置1の構成を示すブロック図である。
【0015】
図2における画像形成装置1は、ネットワーク3を介して遠隔の監視装置2に接続される。この実施の形態では、電子機器の一例である画像形成装置1は、複合機である。ただし、画像形成装置1は、プリンター、ファクシミリ装置、複写機などといった印刷機能を有する他の装置でもよい。
【0016】
ユーザーは、画像形成装置1の操作パネル11を操作して画像形成装置1にログインすること(つまり、ローカルログイン)、および、モバイル端末装置4を操作して遠隔から画像形成装置1にログインすること(つまり、リモートログイン)が可能である。
【0017】
監視装置2は、サポートサービス提供時に、(a)ローカルログインしているユーザーによる入力装置11bへのユーザー操作に基づき表示装置11aに表示される画面の画像データを画像形成装置1から受信し、その画像データに基づき、画像形成装置1の画面を示す画像を表示するとともに、(b)リモートログインしているユーザーによるモバイル端末装置4へのユーザー操作に基づき送信されてくる処理要求に応じて実行される処理について、同一の処理をローカルログイン時に実行したときに表示装置11aに表示される画面の画像データを画像形成装置1から受信し、その画像データに基づき、画像形成装置1の画面を示す画像を表示する。
【0018】
図2に示すように、この画像形成装置1は、操作パネル11、通信装置12、印刷装置13、画像読取装置14、および演算処理装置15を備える。
【0019】
操作パネル11は、操作画面などの画面を表示する液晶ディスプレイなどの表示装置11a、および操作画面に対するユーザー操作を受け付けるタッチパネルなどの入力装置11bを備え、ユーザーに対する操作画面の表示およびユーザー操作の検出を行う。
【0020】
また、通信装置12は、ネットワーク3を介して、監視装置2およびモバイル端末装置4に接続可能であって、所定の通信プロトコルでデータ通信を行う装置である。
【0021】
また、印刷装置13は、例えば電子写真方式で原稿画像を印刷用紙に印刷する内部デバイスである。印刷装置13は、元の画像データに対して、ラスタライズ、色変換、スクリーン処理などの所定の画像処理を施して生成された出力画像データに基づき印刷を行う。
【0022】
また、画像読取装置14は、原稿から原稿画像を光学的に読み取り、原稿画像の画像データを生成する内部デバイスである。
【0023】
また、演算処理装置15は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを有するコンピューターであり、ROMなどに記憶されているプログラムをRAMへロードし、そのプログラムをCPUで実行することにより、各種処理部を実現する。
【0024】
演算処理装置15では、通信処理部21、コントローラー22、および画面画像生成部23が実現される。
【0025】
通信処理部21は、通信装置12を使用して、モバイル端末装置4および監視装置2と所定のプロトコルで通信を行う。通信処理部21は、モバイル端末装置4から、リモートログイン要求などの処理要求を受信し、コントローラー22へ出力する。また、通信処理部21は、画面画像生成部23により生成された画像データ(後述)を監視装置2へ送信する。このとき、画面画像生成部23により生成された画像データ(後述)は、当該画像データに基づく操作画面が表示装置11bによって表示されることなく、監視装置2へ送信される。監視装置2は、この画像データを受信し、受信した画像データに基づいて、リモートログインしているユーザーについての仮想的な操作画面の画像を、サポートサービス提供者側のオペレーターに対して表示する。
【0026】
コントローラー22は、印刷装置13などの内部デバイスを制御し、各種処理を実行する。コントローラー22は、ローカルログインしているユーザーによる操作パネル11の入力装置11bに対するユーザー操作に基づく処理要求により指定された処理、およびリモートログインしているユーザーによるモバイル端末装置4から通信処理部21により受信された処理要求により指定された処理を実行する。
【0027】
コントローラー22は、ユーザーがローカルログインしている場合、ユーザー操作、画像形成装置1の状態、ジョブの状態などに応じて、各種画面を表示装置11aに表示させる。一方、コントローラー22は、ユーザーがリモートログインしている場合、ユーザー操作、画像形成装置1の状態、ジョブの状態などに応じた各種画面を表示装置11aに表示させず、例えばローカルログインのためのログイン画面を表示装置11aに表示させておく。
【0028】
画面画像生成部23は、モバイル端末装置4から受信された処理要求により指定された処理と同一の処理を実行させるユーザー操作を入力装置11bが受け付けた場合に処理後に表示装置11aに表示される操作画面(つまり、本来的に表示されない仮想的な操作画面)の画像データを生成する。
【0029】
なお、画面画像生成部23は、コントローラー22が操作パネル11の表示装置11bに操作画面を表示する際に使用する画像データを使用して、上述の仮想的な操作画面の画像データを生成する。
【0030】
また、実施の形態1では、複数のユーザーがそれぞれのモバイル端末装置4を操作して1台の画像形成装置1に同時にリモートログインしている場合、コントローラー22は、リモートログインしている複数のユーザーのモバイル端末装置4から受信された処理要求により指定された処理をそれぞれ実行し、画面画像生成部23は、複数のユーザーのそれぞれについて別々に、上述の操作画面の画像データを生成し、通信処理部21は、複数のユーザーのそれぞれについて別々に、画面画像生成部23により生成された画像データを監視装置2へ送信する。このとき、いずれのリモートログインユーザーについても、上述の画像データに基づく操作画面が表示装置11bによって表示されることなく、当該画像データは監視装置2へ送信される。
【0031】
この場合、監視装置2は、複数のユーザーのそれぞれについて別々に生成される操作画面の画像データを受信し、受信した画像データに基づいて、複数のユーザーのそれぞれについて別々に操作画面の画像をオペレーターに対して表示する。そして、監視装置2は、オペレーターの所定の操作を検出すると、その操作によって指定されたユーザーの操作画面の画像データの送信を中止させる送信中止要求を画像形成装置1へ送信する。
【0032】
画像形成装置1では、通信処理部21が、その送信中止要求を受信すると、受信した送信中止要求により指定されたユーザーについて、画面画像生成部23により生成された画像データの送信を中止し、以後送信しない。なお、送信中止要求が受信された場合、そのユーザーについての画面画像生成部23による操作画面の画像データの生成も行わないようにしてもよい。
【0033】
次に、上記システムにおける画像形成装置1の動作について説明する。
【0034】
図3は、
図1に示すシステムにおける画像形成装置1の動作について説明するシーケンス図である。
【0035】
ユーザーは、画像形成装置1にリモートログインする場合、モバイル端末装置4を操作してドライバーを起動してリモートログインを実行し、その後、画像形成装置1に各種処理を実行させる。この場合、ユーザーがドライバーに対して各種操作を行うことで(ステップS1)、モバイル端末装置4は、リモートログイン要求などの処理要求を画像形成装置1へ送信する(ステップS2)。
【0036】
画像形成装置1では、通信処理部21が、通信装置12を使用して、処理要求を受信すると、コントローラー22が、受信された処理要求に応じた処理を実行する(ステップS3)。コントローラー22により処理が実行されると、画面画像生成部23は、ローカルログイン時にその処理の実行後に表示装置11bに表示されるであろう仮想的な操作画面の画像データを生成する(ステップS4)。
【0037】
そして、仮想的な操作画面の画像データが生成されると、通信処理部21は、その生成された画像データを監視装置2へ送信する(ステップS5)。監視装置2は、その画像データを受信すると、その画像データに基づいて、その仮想的な操作画面を表示する(ステップS6)。
【0038】
例えば、最初に、モバイル端末装置4からリモートログイン要求が受信されると、コントローラー22は、ログイン処理を実行する。
【0039】
この画像形成装置1では、ローカルログインの場合、ログイン処理の前は、表示装置11bにローカルログインを促すログイン画面が表示されており、ログイン処理の後は、メインメニュー画面が表示される。他方、リモートログイン処理の前後において、表示装置11bに表示されている画面は変更されず、ローカルログインを促すログイン画面が表示されたままとなる。
【0040】
上述のように、リモートログインの場合、表示装置11bに表示されている画面は変更されないが、画面画像生成部23は、このユーザーについて、メインメニュー画面の画像データを生成し、通信処理部21は、そのメインメニュー画面の画像データを監視装置2に送信する。その際、その画像データとともにそのユーザーのユーザーIDも併せて送信される。
【0041】
図4は、
図1に示すシステムにおける監視装置2が表示する、リモートログインユーザーについての仮想的な操作画面の一例を示す図である。
【0042】
監視装置2は、そのメインメニュー画面の画像データを受信すると、その画像データに基づいて、
図4に示すように、そのメインメニュー画面の画像101(ローカルログイン直後に表示される画像と同一の画像)を表示する。
【0043】
モバイル端末装置4のドライバー画面は、通常、画像形成装置1の操作パネルの画面とは異なる様式のものであるが、オペレーターは、監視装置2に表示された仮想的な操作画面の画像で、リモートログインユーザーによる操作を把握し、適切なサポートサービスを提供することができる。
【0044】
図5は、
図1に示すシステムにおける監視装置2が表示する、複数のリモートログインユーザーについての複数の仮想的な操作画面の一例を示す図である。
【0045】
例えば、2人のユーザーが画像形成装置1へリモートログインしている場合、画面画像生成部23は、各ユーザーについて、操作画面の画像データを生成し、通信処理部21は、各ユーザーについての操作画面の画像データを監視装置2に送信する。そして、監視装置2は、その画像データに基づいて、
図5に示すように、その2人ユーザーについての操作画面の画像111,112を表示する。
【0046】
図5に示す例では、画像111は、ユーザーIDがA0001であるユーザーについての、リモートログイン直後のメインメニュー画面の画像であり、画像112は、ユーザーIDがA0002であるユーザーについての、コピー機能が選択された直後のコピー機能の設定画面の画像である。
【0047】
さらに、
図5に示すように、それらのユーザーのそれぞれに対応付けて中止キー121,122が表示される。中止キー121,122は、上述の送信中止要求を画像形成装置1へ送信させるためのソフトキーである。中止キー121,122が押下されると、押下された中止キー121,122に対応するユーザー(ユーザーID)についての送信中止要求が、監視装置2から画像形成装置1へ送信される。なお、中止キー121,122が押下され送信中止要求が送信されたユーザーの画像111,112は、消去し、以後表示しないようにしてもよい。
【0048】
以上のように、上記実施の形態1によれば、画面画像生成部23は、モバイル端末装置4から受信された処理要求により指定された処理と同一の処理を実行させるユーザー操作を入力装置11bが受け付けた場合に処理後に表示装置11bに表示される操作画面の画像データを生成し、通信処理部21は、画面画像生成部23により生成された画像データを監視装置2へ送信する。このとき、画面画像生成部23により生成された画像データは、当該画像データに基づく操作画面が表示装置11bによって表示されることなく、監視装置2へ送信される。
【0049】
これにより、オペレーターは、監視装置2において仮想的な操作画面の画像を見ながらサポートサービスを提供できるため、画像形成装置1にリモートログインしているユーザーについて円滑なサポートサービスを提供することができる。
【0051】
実施の形態2では、画像形成装置1が、操作パネル11の操作画面の画面遷移の際のアニメーション効果を適用するか否かを設定可能であり、監視装置2からの要求に応じて、監視時にはアニメーション効果を強制的にオフする。
【0052】
画像形成装置1においてアニメーション効果がオンになっている場合、監視装置2において、操作画面のアニメーション効果を再現しようとすると、監視装置2の負荷が大きくなるとともに、画像形成装置1から監視装置2へ送信する画像データの量が大きくなってしまう。そのため、実施の形態2では、監視装置2からの要求に応じて、監視時にはアニメーション効果を強制的にオフできるようになっている。
【0053】
実施の形態2における画像形成装置1は、実施の形態1における画像形成装置1と同一の基本的な構成を有している。ただし、実施の形態2では、通信処理部21および画面画像生成部23は、以下のように動作する。
【0054】
実施の形態2では、画面画像生成部23は、監視装置2からアニメーション効果の設定オフ要求が通信処理部21により受信された場合、強制的にアニメーション効果をオフした状態での操作画面の画像データを生成し、通信処理部21は、アニメーション効果を強制的にオフした状態での操作画面の画像データを監視装置2へ送信する。
【0055】
図6は、実施の形態2において監視装置2が表示する、リモートログインユーザーについての仮想的な操作画面の一例を示す図である。例えば
図6に示すように、画像形成装置1でのアニメーション効果を強制的にオフにするためのチェックボックス131が表示され、オペレーターが、監視装置2を操作してチェックボックス131をチェックすると、監視装置2は、設定オフ要求を画像形成装置1へ送信する。画像形成装置1では、通信処理部21が、その設定オフ要求を受信すると、画面画像生成部23は、強制的にアニメーション効果をオフした状態での操作画面の画像データを生成する。アニメーション効果をオフした状態では、アニメーション効果が適用される部分の画像は、アニメーション効果をオンにした場合での最初の画像から最後の画像へただちに変化するので、強制的にアニメーション効果がオフされた場合、監視装置2に送信される操作画面の画像において、アニメーション効果が適用される部分は、アニメーション効果をオンにした場合での最後の画像を有する。
【0056】
なお、通信処理部21は、監視装置2からの設定オフ要求に基づいてアニメーション効果を強制的にオフした場合、操作画面においてアニメーション効果が適用される部分について、所定の時間間隔での複数のタイミングで得られる複数の画像の画像データを監視装置2へ送信するようにしてもよい。つまり、この場合、アニメーション効果では非常に短い時間間隔で画像が変更されていくが、アニメーション効果における時間間隔に比べ長い(例えば30倍)時間間隔で、アニメーション効果が適用される部分の、所定時間内における複数時点の画像をキャプチャーし、キャプチャーした複数の画像の画像データが送信される。つまり、アニメーション効果を監視装置2で再現する場合、画像形成装置1から監視装置2へ動画データを送信する必要があるが、このようにすることで、数枚の静止画の画像データを送信すればよく、送信すべき画像データのデータ量が少なくて済む。
【0057】
図7は、実施の形態2において監視装置2が表示する、リモートログインユーザーについての仮想的な操作画面の別の例を示す図である。
図7に示すように、例えば画面下部の状態通知部141にアニメーション効果が適用される場合、キャプチャーした複数の画像151,152が、状態通知部141に関連付けて表示される。
【0058】
なお、実施の形態2における画像形成装置1および監視装置2のその他の構成および動作については、実施の形態1のものと同様であるので、その説明を省略する。
【0059】
以上のように、上記実施の形態2によれば、画面画像生成部23は、監視装置2からアニメーション効果の設定オフ要求が受信された場合、強制的にアニメーション効果をオフした状態での操作画面の画像データを生成し、通信処理部21は、アニメーション効果を強制的にオフした状態での操作画面の画像データを監視装置2へ送信する。
【0060】
これにより、画像形成装置1においてアニメーション効果がオンに設定されていても、サポートサービス提供時に画像形成装置1から監視装置2へ送信する画像データの量が多くならずに済む。
【0061】
なお、上述の各実施の形態は、本発明の好適な例であるが、本発明は、これらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変形、変更が可能である。
【0062】
例えば、上記各実施の形態において、モバイル端末装置4の代わりに、固定された端末装置を使用するようにしてもよい。