(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6188688
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】折畳み式清掃装置
(51)【国際特許分類】
A47L 13/258 20060101AFI20170821BHJP
A47L 13/38 20060101ALI20170821BHJP
A47L 13/52 20060101ALI20170821BHJP
A46B 5/00 20060101ALI20170821BHJP
【FI】
A47L13/258
A47L13/38 A
A47L13/52 101
A46B5/00 B
A46B5/00 C
【請求項の数】10
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-517899(P2014-517899)
(86)(22)【出願日】2012年7月4日
(65)【公表番号】特表2014-523308(P2014-523308A)
(43)【公表日】2014年9月11日
(86)【国際出願番号】FR2012051555
(87)【国際公開番号】WO2013004969
(87)【国際公開日】20130110
【審査請求日】2015年6月25日
(31)【優先権主張番号】1156052
(32)【優先日】2011年7月5日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】514002570
【氏名又は名称】コスト,ジュリアン,ジャン,ジョルジュ
【氏名又は名称原語表記】COSTE,Julien,Jean,Georges
(74)【代理人】
【識別番号】100080447
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 恵一
(72)【発明者】
【氏名】コスト,ジュリアン,ジャン,ジョルジュ
【審査官】
栗山 卓也
(56)【参考文献】
【文献】
独国実用新案第202004014180(DE,U1)
【文献】
欧州特許出願公開第1941824(EP,A2)
【文献】
特開平10−117985(JP,A)
【文献】
米国特許第07600287(US,B1)
【文献】
特開2004−049628(JP,A)
【文献】
米国特許第05661868(US,A)
【文献】
米国特許第05943727(US,A)
【文献】
特開平11−056732(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 13/258
A47L 13/38
A47L 13/52
A46B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブラシ(5)と柄(6)とから成る箒(2)であって、前記柄(6)が入れ子状態と伸ばした状態の間を移行できるように、前記柄(6)が、伸縮式であり、平行移動で動くことができるように用意された断片部材(60)から成り、前記ブラシ(5)が、二つの翼(50)に分けられ、各翼(50)が、前記翼(50)が前記柄(6)に沿って伸びている畳み込まれた状態と、前記翼(50)が前記柄(6)に対して垂直に伸びている広げた状態の間で、回転するように軸(51)の周りに取り付けられて、広げた状態の翼(50)が、互いに対して接して、前記ブラシ(5)を形作り、翼(50)が広げた状態において、柄(6)の入れこみの際に、断片部材(60)が二つの軸(51)の間にあるブラシ(5)の一部を押し、前記翼(50)を畳み込まれる状態に移動することを特徴とする、箒(2)。
【請求項2】
柄(6)の伸ばしの際に、翼(50)が、広げた状態に移動することを特徴とする、請求項1に記載の箒(2)。
【請求項3】
前記翼(50)を広げた状態に保つために、止め手段を備えることを特徴とする、請求項1に記載の箒(2)。
【請求項4】
止め手段が、クリップ留め手段または磁気手段であることを特徴とする、請求項3に記載の箒(2)。
【請求項5】
各翼(50)が、取り外し可能であることを特徴とする、請求項1に記載の箒(2)。
【請求項6】
前記軸(51)を収容し、畳み込まれた状態の翼(50)を収容することを可能にする二つのくりぬき部(502)を含む、台座(501)を有することを特徴とする、請求項1に記載の箒(2)。
【請求項7】
請求項1に記載の一本の箒(2)と、その縁(10)のうちの少なくとも一つの上に、上面に突出した壁(11)を備える板(9)から成る一個の塵取り(3)とから成る折畳み式清掃装置(1)であって、前記塵取り(3)が、前記壁(11)によって支えられた中空の把持手段(12)を有し、入れ子状態の柄(6)の収容用の空間を構成することを特徴とする、折畳み式清掃装置(1)。
【請求項8】
前記把持手段(12)が、入れ子状態の柄(6)が把持手段(12)の内部に収容されるように、一方では、前記柄(6)のより大きい直径の断片部材の外側断面に相当するまたはそれより大きい内側断面を有し、他方では、柄(6)の最も長い断片部材の長さより長いまたはそれに相当する長さを有する管(13)の形を呈することを特徴とする、請求項7に記載の折畳み式清掃装置(1)。
【請求項9】
前記塵取り(3)が、その縁のうちの三つの上に、上面に突出し、畳み込まれた状態の前記ブラシ(5)を収容するように寸法が決められた内側スペースを画定する側面壁(11)を含むことを特徴とする、請求項7に記載の折畳み式清掃装置(1)。
【請求項10】
中空の平行六面体の収納箱(4)を含み、該中空の平行六面体の収納箱が、開口部(40)を備え、前記塵取り(3)を内部で収容するようになっていることを特徴とする、請求項7に記載の折畳み式清掃装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メンテナンス、清掃、および家事の分野に関するものである。
【0002】
本発明は、とりわけ、箒と塵取りとから成る折畳み式清掃装置に関している。
【背景技術】
【0003】
既知の方法では、例えば床のような表面の清掃は、前記表面上にある塵かすや他の物質を寄せ集めるために、箒および塵取りを必要とする。そのような箒は、柄と合体するブラシを有しており、該柄は、把持手段の役目を果たすものであり、また、掃くこと、次いで前記塵取りの中へ前記塵および同様の物質を押しやり寄せ集めることのための操作を可能にするものである。
【0004】
より正確には、前記ブラシは細長い形を呈しており、下面に柔らかいまたは半硬質の材料の毛を収容し、また上面の中心のところで前記柄の下端に固定されて、逆T字の一般的な形を前記箒に与えている。
【0005】
主な不都合は、箒のT字形と組み合わされた、一メートル以上という前記柄の長さにあり、その収納のための専用のスペース、一般的にはクローゼットが必要とされる外形寸法を呈している。
【0006】
さらに塵取りは、長方形または正方形の平行六面体の板の形状を呈しており、該板は底部を形成し、またその辺のうちの三辺の上に上面に突出した壁が載っており、塵および同様の物質の収容スペースを画定している。前部では、壁のない面により、寄せ集める際に前記スペースの中に塵を入れることが可能となる。さらに、後部の壁のところには、前記後部の壁および前記板と合体する把持手段が用意される。
【0007】
小さめのそのような塵取りはたいてい、床に直接かまたは最良なケースでは収納家具の内部に吊るされて、箒と同じ場所に片付けられるが、多くの場合それを探す際に時間のロスが生じる。そのため、これら二つの要素を分離させないために、前記塵取りを、クローゼットの内部かまたは直接箒に、とりわけ箒の柄にクリップ留めによって吊るすことが考えられたのである。
【0008】
箒の柄へ塵取りを取外し可能に固定する例は、仏国特許発明第2760961号明細書に詳しく記載されている。
【0009】
しかしながら、その塵取りが固定される箒の柄の外形寸法は、相変わらず問題を抱えたままである。
【0010】
塵取りと箒のセットの別の例が、米国特許第345096号明細書に記載されており、該例は、下端にブラシの毛が直接固定された、ただ一本の管の形の柄から成る。塵取りは中空の管状の柄を有しており、前記柄をその上端から挿入すること、そして下の方のブラシのところで、止め状態になるまで前記塵取りをスライドさせることが可能となる。
【0011】
現状では、箒で掃く際、前記箒を取り扱う人は立った状態をとり、柄の長さを利用して前記塵および同様の物質を集める。一旦堆積の形にまとめられると、これらの塵および同様の物質は塵取りの中に押しやられることとなり、箒を取り扱う人は通常しゃがんで姿勢を低くする必要が生じ、その際、箒をブラシおよび柄の低部のところで取り扱うようになる。この取扱いは、低部の手を掛けるところを中心にして柄が傾斜するという理由で、煩雑である。こうして大抵の場合、箒を取り扱う人は寄せ集める際、塵および同様の物質を塵取りの中に押しやるためにハンドブラシを利用する。
【0012】
この不都合を克服するために、伸ばした状態から入れ子状態に移行させるため、またその逆にするために想定された、伸縮式の柄が考え出された。そのような伸縮式の柄の例は、米国特許第5661868号明細書に記載されている。ブラシは、さまざまな直径の管状スリーブの形をした複数の断片部材から成る柄の下端に取り付けられる。とりわけ下方のスリーブは、隣接する上方のスリーブの内側断面よりも小さい直径を呈する。したがってそれぞれの下方のスリーブは、それに隣り合う上方のスリーブの中を上方のスリーブに沿ってスライドするようになる。
【0013】
さらにこの文献には、内部に前記箒を折り畳んだ状態で位置づけることができる塵取りが記載されており、前記塵取りの柄は半円筒の形を呈しており、また塵取りの内部は平行六面体の形をしており、前記箒のまっすぐなブラシの収容スペースとなっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、外形寸法を小さくすることによって収納を容易にし、同時に手軽に使用できることが望まれる、一本の箒と一個の塵取りとから成る折畳み式清掃装置を提案することによって、現状の技術の不都合を克服することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
そうするために、そのような装置は、その保管のための折り畳まれた状態からそれを使用するための広げた状態に移行するように、またその逆になるように、連結されて用意される。その一方で特に、ブラシは畳み込まれた状態から移行するように、折畳み式に用意される。
【0016】
このように本発明による折畳み式清掃装置は、一本の箒と一個の塵取りとから成るが、前記箒は、下面に毛を備えそして上面で柄の下端と合体するブラシから成り、前記塵取りは、一方では、その縁のうちの少なくとも一つの上に、上面に突出した壁を備える板から成り、また他方では、前記壁のところで合体する把持手段から成る。
【0017】
有利には該折畳み式清掃装置は、前記ブラシが前記柄に沿って伸びている畳み込まれた状態から、前記柄に対して垂直に伸びている広げた状態に移行するように、またその逆になるように、連結されることを特徴とする。
【0018】
さらに、箒の柄は入れこまれてその高さを小さくすることができるように伸縮式に用意され、一方塵取りは、折り畳まれた状態の前記箒とその柄の収納用の空間を構成する。本発明の補足的利点は、柄の入れこみにあるが、これによりそのとき箒はハンドブラシに変わり、塵取りの中へ塵および同様の物質を寄せ集める作業を容易にする。
【0019】
このように前記柄は、入れ子状態から伸ばした状態に移行するように、またその逆となるように伸縮式であることができ、前記把持手段は、中空の状態に用意され、入れ子状態の前記伸縮式の柄の収容用の空間を構成する。
【0020】
他の特徴によると、前記柄は、互いに対してスライド式に組み立てられる円筒形の形をした断片部材から成ることができ、また前記把持手段は、前記柄のより大きい直径の断片部材の外側断面に相当するまたはそれより大きい内側断面の管の形を呈する。
【0021】
特定の実施態様によると、各断片部材は管状の形を呈することができ、またスライド式に組み立てられる第一の断片部材と第二の断片部材については、より大きな直径の前記第一の断片部材は、前記第二の断片部材にストッパとなるように取り付けられる押ボタンを収容するように形成される穴を含む。
【0022】
別の実施態様によると、スライド式に組み立てられる第一の断片部材と第二の断片部材について、より大きな直径の前記第一の断片部材は、その内側表面に、前記第二の断片部材の外側面に設けられる突起または凹部と相互に協働するように補完的に形成される凹部または突起の形をしたガイド手段を含む。
【0023】
さらに別の実施態様によると、前記塵取りはその縁のうちの三つの上に、内側スペースを画定する上面に突出した側面壁を含むことができ、前記内側スペースは、畳み込まれた状態の前記ブラシを収容するように寸法が決められる。
【0024】
さらに別の実施態様によると、前記ブラシは二つの側面翼から成ることができ、該二つの側面翼は連結されて、前記柄の下端のところで四分円を描くように回転可能に取り付けられるものである。
【0025】
さらに別の実施態様によると、前記装置は、中空の平行六面体の収納箱の形をした保管手段を含み、該中空の平行六面体の収納箱は、その面のうちの少なくとも一つのところに開口部を備え、挿入される前記塵取りを内部で収容するように寸法が決められる空間を構成している。
【0026】
本発明の他の特徴および利点は、以下に続く本発明の非限定的な実施態様の詳細な説明から明らかになるであろうが、その際に以下の付属の図面が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】好ましい実施態様の、折り畳まれていないつまり広げた直立の状態の斜視図を示している。
【
図2】収納のために入れこまれてかつ畳み込まれた状態にある、
図1の実施態様の斜視図を示している。
【
図3】収納の途中にある段階の、そのような装置の同種の図を示している。
【
図4】収納の途中にある段階の、そのような装置の同種の図を示している。
【
図5】折り畳まれた状態の箒が塵取りの中にはめ込まれている様子の斜視図を示している。
【
図6A】広げた状態から畳み込まれた状態へのブラシの移行途中の詳細を示している。
【
図6B】広げた状態から畳み込まれた状態へのブラシの移行途中の詳細を示している。
【
図6C】広げた状態から畳み込まれた状態へのブラシの移行途中の詳細を示している。
【
図7】入れ子状態の前記箒の断片部材の詳細の斜視図を示している。
【
図8】伸ばした状態の箒の二つの断片部材を示している。
【
図9A】伸ばした状態にある断片部材群の、ある視点による止め手段の詳細図を示している。
【
図9B】伸ばした状態にある断片部材群の、ある視点による止め手段の詳細図を示している。
【
図9C】伸ばした状態にある断片部材群の、ある視点による止め手段の詳細図を示している。
【
図10A】互いに対してスライドして伸ばした状態にある二つの断片部材を示している。
【
図10B】これら前記断片部材の止め手段の好ましい態様を示している。
【
図11】前記清掃装置の連結されたブラシの特定の実施態様の分解図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明は折畳み式清掃装置1に関している。とりわけ前記装置1は、その使用のために広げられ、またその保管およびその収納のために折り畳まれるように、連結されて用意される。
【0029】
そのような装置1は、一本の箒2と一個の塵取り3とから成る。
【0030】
さらに、
図1で可視のように、前記箒2はブラシ5から成るが、該ブラシは上面で、柄6の下端と合体するものである。とりわけ、前記ブラシ5はその中心で固定手段7を介して、前記柄6に固定される。さらに前記ブラシ5は、下面に毛8を備える。該毛は、自然材料、複合材料またはプラスチック材料、さらに金属材料、好ましくは柔らかいまたは半硬質の材料といったあらゆる材料から成ることができる。
【0031】
別の特徴によると、前記塵取り3は、一方では板9から成り、該板は、その縁10のうちの少なくとも一つの上に、上面に突出した壁11を備え、また他方では、前記壁11のところで合体する把持手段12から成る。
【0032】
前記把持手段12が、前記突出壁11と、その後部外側面のところで合体可能であること、または前記板10と直接合体可能であること、さもなければ二つと同時に合体可能であることが注目されるであろう。
【0033】
とりわけ、好ましい実施態様によると、前記塵取り3は、長方形または正方形の平行六面体の板9から成ることができ、該板には、その周囲の縁10のうちの三つのところで上面に三つの壁11が載っている。残りの縁は、開口部を設けるために空いたままになっている。このように、前記塵取り3は、寄せ集めの際に塵および他のごみを中に押し入れるために一側面が開いている、上方の内側スペースを呈している。
【0034】
有利には、前記柄6は、入れ子状態から伸ばした状態に移行するように、またその逆になるように、伸縮式となることができる。こうして、入れ子状態では、箒2はハンドブラシと類似したものになる。
【0035】
第一の特徴によると、前記柄6は、断片部材60から成ることができる。該断片部材はしたがって伸縮式に用意される、すなわち、該断片部材は、伸びたり縮んだりするように、互いに対して平行移動で動くように用意される。ひとたび縮むと、断片部材60はそれぞれ中に入り合ってすべて重なり合うが、前記柄6の長さはそのとき、最も長い断片部材の長さに相当し、該最も長い断片部材は、残りの断片部材を内側にまたは外側に収容する。
【0036】
前記断片部材60が、円形、卵形、または多角形の、相補的な断面を有することができることが注目されるであろう。好ましい実施例によると、前記断片部材60は、円筒形またはほぼ円筒形の形を呈する。さらに該断片部材は、中空の状態に用意されることができる。
【0037】
図9Bに示される実施態様によると、前記断片部材が、円錐台状の形を呈すること、すなわち
図9Aでおおまかに示されるように、一端が、反対側のもう一端よりも大きい直径を呈することが注目されるであろう。さらに、中心の断片部材600は、最も小さい直径で円筒形に用意されることができ、一方、残りの隣接する断片部材601はより大きな断面を呈し、また端の断片部材602はさらにより大きな断面を呈する。前記断面は、さまざまな断片部材600、601、そして602が、それぞれの内側に挿入されまたスライドするようになることを可能にするように寸法が決められる。
【0038】
前記柄6が、上部断片部材603および下部断片部材604を含むこともできることが注目されるであろうが、下部断片部材は、前記ブラシ5と合体することができる。
【0039】
そのうえ、前記断片部材60は、互いに対してスライド式に組み立てることができるだけでなく、ねじを締めたり緩めたりすることによって伸ばしたり入れこんだりできるように用意されることもできる。
【0040】
さらに、前記断片部材60は、前記柄6をその使用の際に縦方向に曲がらないように保つために、少なくとも伸ばした状態で動かないようにすることができる。そうするために、それぞれの断片部材60は管状の形を呈しており、また、スライド式に組み立てられる第一の断片部材61および第二の断片部材62については、より大きい直径の前記第一の断片部材61は、ストッパを構成するように前記第二の断片部材62に取り付けられる押しボタン64を収容するように形成される、穴63を含む。こうして、伸ばした状態までスライドすることにより、突出した状態の方に弾力性によって復元されるように組み立てられる押しボタン64は、相補的な断面の前記穴63の中にはめ込まれることによって互いにかみ合い、二つの断片部材61と62の互いの間の平行移動を止めるようになる。この止め手段の好ましいタイプの詳細は、9A、9B、9Cに図示される。
【0041】
逆に、前記押しボタン64を押すだけで、二つの断片部材61および62のロック解除をすることができ、再びスライドさせることが可能となる。
【0042】
そのような理由で、前記押しボタン64のロック解除は手で行われるか、または入れ子状態にまさに移行しようとしているその時に押されることになる、直径がより大きい別の断片部材のスライドの際に行われることができる。
【0043】
この外形において前記ボタン64は、前記上部断片部材の滑りおよび押しを容易にするように、スライドによる縦方向の平行移動の方向に沿って、この上部断片部材の方に傾いた上面66を呈することができる。
【0044】
図9A、
図9B、および
図9Cで示される第一の実施態様によると、前記押しボタン64はその断片部材の壁の内部の切抜きから成るが、一方の端67は、前記壁の残りにつながったままである。この外形において前記断片部材はプラスチック材料から成り、このように構成された舌状の小突起67の変形およびそれが元の状態に戻るのに必要な弾性特性が与えられている。
【0045】
図10Aおよび
図10Bに示される別の実施態様によると、前記押しボタン64は独立した弾性に富んだ薄板70から成る。より詳細には、前記薄板70はV字の形を呈することができ、また前記ボタン64は二つに分けられ、この薄板70の各自由端から成る。この場合、これらは二つの穴64と協働するようになる。
【0046】
好ましくは、前記薄板70は、尖った形をした受け部品71に取り付けられる。この形により、受け部品は断片部材の端のところで中に挿入されるようになることができる。この受け部品71は、特に縦方向の突起72を有しており、該突起は、前記断片部材の内側に強制的に受け部品を挿入する際に受け部品を止めるように、受け部品の外側表面に沿って突出して伸びている。さらに、前記受け部品71の外側端の周りに突出して広がる周縁つばは、前記断片部材の中に受け部品を挿入してはめ込む際に、ストッパの役目を果たすようになることができる。
【0047】
そのとき、柄6の長さを好きなように選択することが可能である。とりわけ寄せ集めの際に、塵およびくずを塵取り3の中に押しやるために取扱いがより容易なハンドブラシの形状を成すように、柄を完全に引っ込めることが可能である。
【0048】
さらに、断片部材60が断片部材のスライドの際に互いに対して回転しないようにするために、前記装置1にはガイド手段が用意される。そのような手段は、
図7の断面図で可視である。
【0049】
とりわけ、スライド式に組み立てられる第一の断片部材61および第二の断片部材62について、より大きな直径の前記第一の断片部材61は、その内側表面に、凹部または突起65の形をしたガイド手段を含むが、該凹部または突起は、前記第二の断片部材62の外側面に設けられる突起または凹部65と相互に協働するように、補完的に形作られるものである。
図7で可視の実施態様によると、四つの凹部が、より小さい直径の断片部材62の外側壁内に沿って直線状に設けられ、溝を形成するが、とりわけより大きい直径の前記第一の断片部材61の内側壁に沿って伸びる突出した直線状の突起が、前記溝の内部に挿入されて、内部で縦方向にスライドするようになり、前記断片部材61と62の互いに対する回転を防ぐ。
【0050】
さらに前記ガイド手段は、ただ一つにしかはめ込まれないこと、したがって互いに関連する断片部材同士のスライドを可能にするために、誤操作防止装置を構成することができる。凹部65の場合、この特徴は、断片部材に応じて異なる数の凹部65と同数の突起となって現れることができる。要するに、第一の断片部材は外側面に二つの凹部を有し、また、その上にスライドするようになるより大きな直径の第二の断片部材の方は、対応する二つの突起を有する。しかしながら、この第二の断片部材は、さらに大きな直径の第三の断片部材の三つの突起と協働する、三つの凹部を外側に有することができる。さらに前記凹部および突起の配置位置の角度が異なることにより、三つの凹部を有する断片部材が二つの突起しか有さない断片部材と協働することが不可能となる。このように、特に最初の組立ての際に、互いに対応しない断片部材を組み合わせることは不可能である。
【0051】
別の特徴によると、前記把持手段12により、使用者が前記塵取り3を取り扱うことが可能となる。さらに、該把持手段は中空の状態に用意されて、入れ子状態の前記伸縮式の柄6を収容するための空間となる。
【0052】
そうするために、前記把持手段12は、前記柄6のより大きな直径の断片部材の外側断面に相当するまたはそれを超える内側断面の管13の形状を呈している。さらにこの管13は、柄6の最も長い断片部材の長さより長いまたはそれに相当する長さを呈することができる。こうして、入れ子状態の前記柄6は、
図5に可視であるように把持手段12の内部に収容されて、塵取り3と箒2とを合体させるようになる。
【0053】
有利には、きわめて重要な特徴は、前記ブラシ5が、前記柄6に沿って伸びている畳み込まれた状態から、前記柄6に対して垂直に伸びている広げた状態に移行するように、またその逆になるように連結されることにある。
【0054】
そうするために、前記ブラシ5は、二つの側面翼50の形で二つの要素に分けられる。二つの側面翼は、前記柄6の下端のところに回転軸51の周りに四分円を描くように、連結されて取り付けられる。すなわち、畳み込まれた状態では、前記翼50は前記柄6に対して止まるようになるが、一方広げた状態では、前記翼50は、前記ブラシ5を連続するように形作るために、互いに同じ高さに止まるようになる。広げるための行程における止めは、
図5で可視のストッパ52によって得ることができるか、または直角のところで互いに対して止まるようになる、L字形の前記翼50の形それ自体によって得ることができる。
【0055】
そのうえ、
図11で示される特定の実施態様によると、各翼5はその交換のために分離されるよう、取り外し可能に用意されることができる。とりわけ、望まれた使用法に応じてさまざまなタイプのブラシを入れ替えることが可能であるが、それには床用雑巾、タオル、ウェットペーパータオル、布巾、または類似物のための固定装置が含まれる。
【0056】
箒で掃いている途中に畳み込みまれてしまうことのないように、翼50を広げた状態に止めて保つために、とりわけクリップ留めによってまたは取り外し可能な留めピンを介してまたは磁気による手段を用意することができることが注目されるであろう。
【0057】
さらに、
図6Bおよび
図6Cで可視のように、柄6の入れこみの際に、内側の断片部材が各翼50のストッパ52を押すようになることができるが、これにより、
図6Bでの矢印による理論的モデルで示されているように、四分の一回転の動きがもたらされ、前記翼50が畳み込まれた状態に戻る。逆に、前記断片部材を引くことにより、前記翼50を広げた状態に戻すことが可能となる。
【0058】
好ましい実施態様によると、前記ブラシ5は、前記柄6の下部断片部材を構成する断片部材500から成る。この断片部材500は、前記翼50の前記回転軸51を収容するように、より広げられて特徴的に形作られる台座501を有している。前記台座501は、畳み込まれた状態の翼50を収容することを可能にする二つのくりぬき部502も含む。
【0059】
さらに、塵取り3の前記内側スペースは、畳み込まれた状態の前記ブラシ5を収容するように寸法が決められる。要するに、管13の内部へ入れこんだ柄6を挿入する際、ブラシ5は、塵取り3によって設けられるスペースの中に収容されるようになる。より詳細には、前記スペースの寸法は、畳み込まれた状態のブラシ5の外形寸法よりも大きく、その結果、該ブラシははみ出すことはない。さらに、突出壁11は各翼50の毛8を保護するようになるが、壁11の内側面に対する前記毛8の摩擦によって、前記塵取り3の内部に畳み込まれた前記ブラシ5を固定することにも役立つ。
【0060】
図2から
図4で可視である好ましい実施態様によると、前記装置1は、中空の平行六面体の収納箱の形をした保管手段も含むことができ、該収納箱は、その面のうちの少なくとも一つ、好ましくはその上面のところに開口部40を備え、前記塵取り3並びに畳み込まれた状態の前記ブラシ5および前記把持手段12の中の入れ子状態の前記柄6を挿入することによって内部で収容するように寸法が決められる空間を構成している。収納箱4はその際、毛8、塵や微粒子が常に付着したままの毛8をはみ出させることなく、より小さい外形寸法を提供することによって収納の役に立つ。
【0061】
また追加の特徴によると、磁気手段(非表示)を、前記装置1の特定の構成要素間での固定を確保するように位置決めすることができる。とりわけ、柄6の断片部材60、収納箱4、塵取り3、その管13またはブラシ5の翼50は、それらをまとめて固定することが可能になるように磁石を含むことができ、そして使用者の単純な操作、特に引くことによって、磁気によって付与されたロックの解除ができる。
【0062】
このように、入れ子式の断片部材をもつ柄6がついた箒2と、畳み込み式の翼50のついたブラシ5とから成る本発明は、連結されるこれらの構成要素が中に収納されることが可能となるよう寸法が決められる塵取り3と組み合されて、使用の際にはサイズ調整可能な箒を提供しながらも、収納のために最少の外形寸法を呈する装置1を確保する。
【符号の説明】
【0063】
1 折り畳み式清掃装置
2 箒
3 塵取り
4 収納箱
5 ブラシ
6 柄
7 固定手段
8 毛
9 板
11 突出壁
12 把持手段
60 断片部材
61 第一の断片部材
62 第二の断片筒部材
63 穴
64 押ボタン
【先行技術文献】
【特許文献】
【0064】
【特許文献1】仏国特許発明第2760961号明細書
【特許文献2】米国特許第345096号明細書
【特許文献3】米国特許第5661868号明細書