特許第6188717号(P6188717)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6188717表面電極に電線の末端を固定する締め付け具
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6188717
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】表面電極に電線の末端を固定する締め付け具
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/0408 20060101AFI20170821BHJP
   A61B 5/0478 20060101ALI20170821BHJP
   A61B 5/0492 20060101ALI20170821BHJP
【FI】
   A61B5/04 300Q
   A61B5/04 300J
【請求項の数】18
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-551252(P2014-551252)
(86)(22)【出願日】2012年12月12日
(65)【公表番号】特表2015-503972(P2015-503972A)
(43)【公表日】2015年2月5日
(86)【国際出願番号】US2012069253
(87)【国際公開番号】WO2013103487
(87)【国際公開日】20130711
【審査請求日】2015年12月14日
(31)【優先権主張番号】13/343,283
(32)【優先日】2012年1月4日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504101304
【氏名又は名称】メドトロニック・ゾーメド・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100118083
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 孝美
(72)【発明者】
【氏名】リー,ウェンジェン
(72)【発明者】
【氏名】ベネット,スティーヴン・ダブリュー
(72)【発明者】
【氏名】リトル,ザ・セカンド,デーヴィッド・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】スタニスラウス,マリア・チャールズ・ビジャイ
(72)【発明者】
【氏名】ハッカー,デーヴィッド・シー
【審査官】 宮澤 浩
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/041684(WO,A2)
【文献】 米国特許第04369794(US,A)
【文献】 国際公開第2011/041690(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0317956(US,A1)
【文献】 米国特許第03892455(US,A)
【文献】 米国特許第04176660(US,A)
【文献】 米国特許第04647713(US,A)
【文献】 米国特許第06626841(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/0408
A61B 5/0478
A61B 5/0492
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線の末端を円筒状チューブの外面上に形成された表面電極に固定する締め付け具であって、
第1の半円筒状要素と、
前記円筒状チューブの周りで締められるようになされている円筒状締め付け具構造を形成するように前記第1の半円筒状要素に取り付けられるようになっている第2の半円筒状要素と
を備え、
前記円筒状締め付け具構造が、前記円筒状チューブの前記外面上に形成された前記表面電極に対して前記電線の前記末端をしっかりと保持するように構成された内面を備える締め付け具。
【請求項2】
前記円筒状締め付け具構造が、先細り状遠位端部と先細り状近位端部の間に配置された円筒状中央部を備える、請求項1に記載の締め付け具。
【請求項3】
前記先細り状遠位端部および前記先細り状近位端部が、前記円筒状チューブに対して摩擦ばめを形成するように構成される、請求項2に記載の締め付け具。
【請求項4】
前記先細り状遠位端部の遠位端に形成された複数の切欠きをさらに備え、各前記切欠きが、前記円筒状チューブ上の複数の表面電極のそれぞれ1つと揃えられるように構成される、請求項2に記載の締め付け具。
【請求項5】
前記先細り状近位端部の近位端に形成された複数の切欠きをさらに備え、各前記切欠きが、前記円筒状チューブ上の複数の表面電極のそれぞれ1つと揃えられるように構成される
請求項2に記載の締め付け具。
【請求項6】
前記円筒状中央部に形成された複数の穴をさらに備え、各前記穴が、前記円筒状チュー
ブ上の複数の表面電極のそれぞれ1つと揃えられるように構成される
請求項2に記載の締め付け具。
【請求項7】
前記内面が、その中に形成された複数の溝要素を備え、各前記溝要素が、複数の電線の末端のそれぞれ1つを受け入れると共に、前記円筒状チューブ上に形成された複数の表面電極のそれぞれ1つに前記電線の前記末端のそれぞれ1つを固定するように構成される、請求項1に記載の締め付け具。
【請求項8】
各前記溝要素が、深い溝と長手方向に揃えられている浅い溝を備える、請求項7に記載の締め付け具。
【請求項9】
前記深い溝が、前記浅い溝より深いと共に幅広い、請求項8に記載の締め付け具。
【請求項10】
前記第1の半円筒状要素が雌要素であり、前記第2の半円筒状要素が雄要素であり、前記雄要素および前記雌要素を共に取り付けるように前記雌要素に挿入されるように構成されるクリップが前記雄要素から延びる、請求項1に記載の締め付け具。
【請求項11】
前記円筒状締め付け具構造の前記内面が、気管内チューブの外面上に形成された表面電極に対して電線の末端をしっかりと保持するように構成される、請求項1に記載の締め付け具。
【請求項12】
前記内面が、前記円筒状チューブ上に形成された表面電極に対して電線の末端を押す規格に適合したOリングを受け入れるように構成される内部に形成されたOリングのくぼみを備える、請求項1に記載の締め付け具。
【請求項13】
外面を有する円筒状チューブと、
前記円筒状チューブの前記外面上に形成された電極と、
前記円筒状チューブの周りで締められる円筒状締め付け具構造と
を備える円筒状機器であって、
前記円筒状締め付け具構造が、前記円筒状チューブの前記外面上に形成された前記電極のそれぞれ1つに対して電線の末端をしっかりと保持する内面を備え
前記円筒状締め付け具構造が、先細り状遠位端部と先細り状近位端部の間に配置された円筒状中央部を備える円筒状機器。
【請求項14】
前記先細り状遠位端部の遠位端に形成された複数の切欠きをさらに備え、
各前記切欠きが、前記円筒状チューブ上の前記電極の1つと揃えられる、
請求項13に記載の円筒状機器。
【請求項15】
前記先細り状近位端部の近位端に形成された複数の切欠きをさらに備え、
各前記切欠きが、前記円筒状チューブ上の前記電極の1つと揃えられる、
請求項13に記載の円筒状機器。
【請求項16】
前記円筒状中央部に形成された複数の穴をさらに備え、各前記穴が、前記円筒状チューブ上の前記電極の1つと揃えられる、
請求項13に記載の円筒状機器。
【請求項17】
各前記溝要素が、深い溝と長手方向に揃えられている浅い溝を備え、前記深い溝が、前記浅い溝より深いと共に幅広い、請求項13に記載の円筒状機器。
【請求項18】
患者の喉頭部筋肉のEMG信号をモニタリングする機器であって、
外面を有する気管内チューブと、
前記気管内チューブの前記外面上に形成された導電性電極であって、前記導電性電極は、前記気管内チューブが前記患者の気管に置かれたとき、前記喉頭部筋肉から前記EMG信号を受け入れるように構成される導電性電極と、
前記導電性電極にそれぞれ結合されると共に、前記導電性電極により受け取った前記EMG信号を処理機器に伝えるように構成される導体と、
前記気管内チューブの周りで締められると共に、前記導体の末端を前記導電性電極と接触状態に保持するように構成される管状の締め付け具と
を備え
内面が、その中に形成された複数の溝要素を更に備え、
各前記溝要素が、電線の末端のそれぞれ1つを受け入れると共に円筒状チューブ上に形成された前記電極の1つにそれぞれの末端を固定するように構成される、機器。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
気管内チューブは、EMGモニタリング装置に接続されているときに手術中の声帯の筋電図(EMG)モニタリングを助けるために患者の声帯と接触するように設計されている電極を含む。気管内チューブは、患者の人工呼吸のための気道確保をもたらすと共に、適切なEMGモニタに接続されているときに固有の喉頭部筋肉組織のEMG活動のモニタリングを可能にする。気管内チューブは、外科的処置中に喉頭部筋肉組織に供給を行う神経の連続的なモニタリングを実現することができる。
【0002】
気管内チューブでは、典型的には、電線がチューブ上の表面電極で末端をなす。気管内チューブの表面電極での電線を端部処理するには、通常、フレックス回路および電気伝導性エポキシの使用を伴う。しかし、フレックス回路は高価であり、導電性エポキシは、取り扱いが面倒であり、短絡を引き起こす可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
一実施形態は、電線の末端を円筒状チューブ上に形成された表面電極に固定する締め付け具に向けられる。締め付け具は、第1の半円筒状要素を備える。第2の半円筒状要素は、円筒状チューブの周りで締められるようになされている円筒状締め付け具構造を形成するように第1の半円筒状要素に取り付けられるようになっている。円筒状締め付け具構造は、円筒状チューブ上に形成された表面電極に対して電線の末端をしっかりと保持するように構成された内面を備える。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】一実施形態による導電性インク電極をチューブに印刷したEMG気管内チューブを示す図である。
図2】一実施形態による図1に示された気管内チューブの一部の拡大図である。
図3】一実施形態による図1に示された気管内チューブの断面図である。
図4】一実施形態による相互接続構造の斜視図である。
図5】一実施形態による図4に示された相互接続構造の側面図である。
図6】一実施形態による図4に示された相互接続構造の近位端の底面図である。
図7】一実施形態による図4に示された相互接続構造の雌要素の側面図である。
図8】一実施形態による図5中の切断線8−8に沿った断面図である。
図9】一実施形態による図8に示された相互接続構造の断面の斜視図である。
図10】一実施形態による図6中の切断線10−10に沿った断面斜視図である。
図11】別の実施形態による相互接続構造の一部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
図1は、一実施形態による導電性インク電極をチューブに印刷したEMG気管内チューブ100を示す図である。図2は、一実施形態による図1に示された気管内チューブ100の一部の拡大図である。気管内チューブ100は、単線102、取付け具104、カフ膨張導管106、プラスチック(例えば、PVC)チューブ110、導電性インク電極112、および一次カフ114を含む。単線102は、相互接続構造108によって導電性インク電極112に接続される。チューブ110は、肺からおよび肺へ気体を輸送する。取付け具104は、肺に空気を注入すると共に肺から空気を引き出すための人工呼吸機(図示せず)に接続されるように構成される。カフ膨張導管106は、カフ114を膨張させるための圧縮空気源(図示せず)に接続されるように構成される。カフ膨張導管106は、チューブ110の壁120内に位置する管腔122(図3)と連通すると共に、管腔122は、一次カフ114と連通する。気管内チューブ100が患者の気管に挿入された後、導電性インク電極112はEMG信号を感知し、このEMG信号は単線102を介してEMG処理機械に出力される。
【0006】
図3は、一実施形態による図1に示された気管内チューブ100の断面図である。図3に示されるように、管腔122は、カフ114を膨張させるためにチューブ110の壁120内に位置する。導電性インク電極112は、壁120の外面上に形成される。一実施形態では、導電性インク電極112は、銀充填ポリマー導電性インクまたは炭素導電性インクをチューブ110上に描くまたは印刷することによって形成される。導電性インクには、銀、炭素、金、プラチナ、パラジウム、銀−タングステン、および銀−チタンなどの様々な流動性材料の選択肢がある。導電性インクは、パッド印刷、スクリーン印刷、インクジェット塗布、デジタル印刷、マイクロ開口塗布、塗装、蒸着、およびプラズマスパッタなどの様々な知られた技術を用いて基板上に堆積させることができる。導電性インクは、神経のモニタリングの応用において刺激と記録の両方の目的で使用されることができる。
【0007】
電極112などの表面電極へ電線102などの電線を端部処理することは、通常、フレックス回路および導電性エポキシの使用を伴う。しかし、フレックス回路は高価であり、導電性エポキシは、取り扱いが面倒であり、短絡を引き起こす可能性がある。一実施形態では、無はんだの締まりばめ締め付け具が相互接続構造108に用いられ、電線102の末端は締め付け具108の内面とチューブ110上に形成された電極112の間に挟まれる。締め付け具108は、フレックス回路、導電性エポキシ、またははんだ付けを使用することなく電極112に対して電線102の末端をしっかりと保持する。
【0008】
図4は、一実施形態による相互接続構造108の斜視図である。図示した実施形態では、相互接続構造108は、チューブ110の周りで締め付けると共に単線102の各々1つの末端を導電性インク電極112の各々1つに固定する円筒状締め付け具構造である。相互接続構造108は、半円筒状雄要素412と半円筒状雌要素434とを備え、半円筒状雄要素412と半円筒状雌要素434は、共に接続されて、円筒状締め付け具構造108を形成する。締め付け具構造108は、遠位端402と近位端420とを有する。締め付け具構造108は、先細り状遠位端部408と、先細り状近位端部416と、2つの端部408と416の間に配置された円筒状中央部410とを備える。2つの先細り状端部408および416は、チューブ110に対して摩擦ばめまたは圧縮ばめを形成し、それによって構造108がチューブ110に沿って摺動するのを防ぐように構成される。
【0009】
雄要素412は2つの可撓性クリップ436を備え、雌要素434は2つの開口432を備える。各クリップ436は、雌要素434における開口432のうちのそれぞれ1つに挿入されるように構成される突出部430を備え、それによって雄要素412および雌要素434を共に保持する。
【0010】
4つの切欠き404が、締め付け具108の遠位端402に形成されている(2つの切欠き404は雄要素412にあり、2つの切欠き404は雌要素434にある)。一実施形態では、4つの切欠き404は、遠位端402の円形周縁の周りにほぼ等しく離間しており、チューブ110上の電極112の4つのそれぞれのものと長手方向に揃えられるように構成される。切欠き404は、電極112のための隙間空間を与え、それによって締め付け具108の遠位端402は、切欠き404の間の領域内でチューブ110に接触するが、切欠き404の位置ではチューブ110に接触しないと共に、電極112に接触しない。
【0011】
4つの切欠き418が、締め付け具108の近位端420に形成される(2つの切欠き418は雄要素412にあり、2つの切欠き418は雌要素434にある)。一実施形態では、4つの切欠き418は、近位端420の円形周縁の周りにほぼ等しく離間しており、チューブ110上の電極112の4つのそれぞれのものと長手方向に揃えられているように構成される。切欠き418は、単線102のための隙間空間を与え、それによって締め付け具108の近位端420は、切欠き418の間の領域内でチューブ110に接触するが、切欠き418の位置ではチューブ110に接触しないと共に、単線102をチューブ110に対して締め付けない。
【0012】
4つの円形穴406が、締め付け具108の中央部410に形成される(2つの穴406は雄要素412にあり、2つの穴406は雌要素434にある)と共に、締め付け具108の外面414から締め付け具108の内面426へ延びる。一実施形態では、4つの穴406は、中央部410の周囲の周りにほぼ等しく離間しており、切欠き404および418のそれぞれ1つと長手方向に揃えられている。
【0013】
2つの長方形のくぼみ428が、中央部410の内面426に形成される(一方のくぼみ428は雄要素412にあり、一方のくぼみ428は雌要素434にある)。2つのくぼみ428は、内面426上で互いに向き合う(すなわち、くぼみは、内面426の周囲の周りで約180度だけ離間している)。
【0014】
4つの長手方向の浅い溝422および4つの長手方向の深い溝424は、締め付け具108の内面426に形成される(2つの浅い溝422は雄要素412にあり、2つの浅い溝422は雌要素434にあり、および2つの深い溝424は雄要素412にあり、2つの深い溝424は雌要素434にある)。浅い溝422および深い溝424のそれぞれの溝は、互いに長手方向に揃えられており、切欠き404および418ならびに穴406のそれぞれ1つと長手方向に揃えられている。したがって、締め付け具108は、4組の長手方向に揃えられた切欠き404、穴406、切欠き418、浅い溝422、および深い溝424を含む。一実施形態では、4つの浅い溝422および4つの深い溝424は、内面426の周囲の周りにほぼ等しく離間している。各浅い溝422は、穴406のそれぞれ1つから近位および遠位に長手方向に延びる。各浅い溝422は、深い溝424のそれぞれ1つの遠位端から遠位端402の切欠き404のそれぞれ1つまで長手方向に延びる。各深い溝424は、浅い溝422のそれぞれ1つの近位端から近位端420の切欠き418のそれぞれ1つまで長手方向に延びる。一実施形態では、深い溝424はそれぞれ、浅い溝422より約3倍幅広いと共に約3倍深い。
【0015】
浅い溝422および深い溝424は、単線102の末端を受け入れるように構成され、締め付け具構造108がチューブ110に取り付けられるときに電極112に対して末端を保持する。接着剤は、単線102の末端と電極112の間のよりしっかりした相互接続をもたらすように穴406ならびに切欠き404および418の1つまたは複数に挿入されてもよい。
【0016】
図5は、一実施形態による図4に示された相互接続構造108の側面図である。図5に示されるように、雄要素412の可撓性クリップ436は、雌要素434における開口432に挿入される突出部430を備える。別のクリップ436は、締め付け具構造108の反対側に配置される。クリップ436は、雄要素412および雌要素434を共に保持する。クリップ436は、内側に押されて雄要素412が雌要素434から分離されることを可能にする。
【0017】
図6は、一実施形態による図4に示された相互接続構造108の近位端420の底面図である。図6に示されるように、浅い溝422の各1つは、深い溝424の1つと対をなすと共にそれと長手方向に揃えられている。溝422および424は、内面426の周囲の周りにほぼ等しく離間している。
【0018】
図7は、一実施形態による図4に示された相互接続構造108の雌要素434の側面図である。図7に示されるように、雄要素412の2つの可撓性クリップ436の突出部430は、雌要素434におけるそれぞれの開口432に挿入される。クリップ436は、雄要素412と雌要素434とを共に保持し、内側に押されて雄要素412が雌要素434から分離されることを可能にすることができる。
【0019】
図8は、一実施形態による図5中の切断線8−8に沿った断面図である。図8に示されるように、締め付け具構造108は、内面426の対抗した両側に配置された2つのくぼみ428を備える。雄要素412にある2つのクリップ436は、雌要素434の内部に下がって延び、クリップ436の突出部430は、雌要素434におけるそれぞれの開口432を通じて外側へ延びる。溝422は、内面426の周囲の周りにほぼ等しく離間している。
【0020】
図9は、一実施形態による図8に示された相互接続構造108の断面の斜視図である。図9に示されるように、浅い溝422は、穴406のそれぞれ1つから近位および遠位に長手方向に延びる。浅い溝422は、深い溝424のそれぞれ1つの遠位端から遠位端402の切欠き404のそれぞれ1つまで長手方向に延びる。
【0021】
図10は、一実施形態による図6中の切断線10−10に沿った断面斜視図である。図10に示されるように、単線102のうちの1つの末端502は、締め付け具構造108内に置かれている。単線102の末端502は、幅広い近位部分504と狭い遠位部分506とを備える。深い溝424は、末端502の幅広い近位部分504を受け入れる大きさに形成されている。浅い溝422は、末端502の狭い遠位部分506を受け入れる大きさに形成されている。末端の狭い遠位部分506は、内面426にある穴406を横切って延びる。
【0022】
図10に示された実施形態では、合計4つの単線102は、4つの異なる組の浅い溝422および深い溝424において締め付け具構造108の中に配置することができる。一実施形態では、雄要素412および雌要素434は、初めに互いから分離されていて、単線102の末端を締め付け具構造108内に配置することを可能にする。次いで、雄要素412および雌要素434は、単線102の各末端がチューブ110上の電極112のそれぞれ1つと揃えられた状態でチューブ510に配置される。次いで、雄要素412および雌要素434は、チューブ110上に共に留められる。雄要素412および雌要素434が、チューブ110上に共に留められてしまうと、締め付け具構造108が、チューブ110上の電極112のそれぞれ1つに対して単線102の各末端をしっかり保持する。接着剤が、単線102の末端と電極112の間のよりしっかりした相互接続をもたらすように穴406ならびに切欠き404および418の1つまたは複数に挿入されてもよい。別の実施形態では、雄要素412および雌要素434は、まず、チューブ110上に共に留められ、次いで、電線102の末端が切欠き418を通じて溝422および424に挿入される。穴406は、使用者がチューブ110を見ることを可能にし、使用者が電極112が穴406と揃えられているときを判定するのを助ける。
【0023】
図11は、別の実施形態による相互接続構造の一部108−2の斜視図である。図示した実施形態では、相互接続構造108−2は、穴406が取り除かれると共にOリングのくぼみ602が構造108−2に追加されたことを除いて相互接続構造108(図4図10)とほぼ同じやり方で構成される。Oリングのくぼみ602は、規格に適合したOリング600を受け入れるように構成される。Oリングのくぼみ602は、構造108−2の内面426に形成され、円筒状中央部410の内周全体の周りに横方向に延びる。Oリングのくぼみ602は、溝422および424に垂直に延び、各浅い溝422と交差する。
【0024】
図示した実施形態では、構造108−2とチューブ110の間の嵌合は、締まりばめとはならない。相互接続構造108−2がチューブ110に取り付けられるとき、単線102の末端502の狭い遠位部分506(図10)は、Oリング600の上で溝422内に置かれ、Oリング600は、電極112のそれぞれ1つに末端502を押し付ける。Oリング600の使用により、より容易な組み立てを促進し、交差要求を緩和する。
【0025】
一実施形態は、電線の末端を円筒状チューブ上に形成された表面電極に固定する締め付け具に向けられる。締め付け具は、第1の半円筒状要素と、円筒状チューブの周りで締められるようになされている円筒状締め付け具構造を形成するように第1の半円筒状要素に取り付けられるように構成された第2の半円筒状要素とを備える。円筒状締め付け具構造は、円筒状チューブ上に形成された表面電極に対して電線の末端をしっかりと保持するように構成された内面を備える。
【0026】
一実施形態による円筒状締め付け具構造は、先細り状遠位端部と先細り状近位端部の間に配置された円筒状中央部を備える。先細り状遠位端部および先細り状近位端部は、円筒状チューブに対して摩擦ばめを形成するように構成される。複数の切欠きは、先細り状遠位端部の遠位端に形成され、各切欠きは、円筒状チューブ上の表面電極と揃えられるように構成される。複数の切欠きは、先細り状近位端部の近位端に形成され、各切欠きは、円筒状チューブ上の表面電極と揃えられるように構成される。複数の穴は、円筒状中央部に形成され、各穴は、円筒状チューブ上の表面電極と揃えられるように構成される。
【0027】
一実施形態では、円筒状締め付け具構造の内面は、その中に形成された複数の溝要素を備え、各溝要素は、電線の末端を受け入れると共に円筒状チューブ上に形成された表面電極に電線の末端を固定するように構成される。一実施形態による各溝要素は、深い溝と長手方向に揃えられている浅い溝を備えており、深い溝は、浅い溝より深いと共に幅広い。
【0028】
一実施形態では、第1の半円筒状要素は雌要素であり、第2の半円筒状要素は雄要素であり、雄要素および雌要素を共に取り付けるように雌要素に挿入されるように構成されるクリップがそこから延びる。一実施形態による円筒状締め付け具構造の内面は、気管内チューブの外面上に形成された表面電極に対して電線の末端をしっかりと保持するように構成される。一実施形態による円筒状締め付け具構造の内面は、円筒状チューブ上に形成された表面電極に対して電線の末端を押す規格に適合したOリングを受け入れるように構成される内部に形成されたOリングのくぼみを備える。
【0029】
別の実施形態は、円筒状機器に向けられており、この円筒状機器は、外面を有する円筒状チューブを備える。電極は、円筒状チューブの外面上に形成されている。円筒状締め付け具構造は、円筒状チューブの周りで締められるように構成される。円筒状締め付け具構造は、円筒状チューブ上に形成された電極のそれぞれ1つに電線の末端をしっかりと保持するように構成された内面を備える。
【0030】
一実施形態では、円筒状締め付け具構造は、先細り状遠位端部と先細り状近位端部の間に配置された円筒状中央部を備える。複数の切欠きは、先細り状遠位端部の遠位端に形成され、各切欠きは、円筒状チューブ上の電極の1つと揃えられるように構成される。複数の切欠きは、先細り状近位端部の近位端に形成され、各切欠きは、円筒状チューブ上の電極の1つと揃えられるように構成される。複数の穴は、円筒状中央部に形成され、各穴は、円筒状チューブ上の電極の1つと揃えられるように構成される。
【0031】
一実施形態では、円筒状締め付け具構造の内面は、その中に形成された複数の溝要素を備え、各溝要素は、電線の末端を受け入れ、円筒状チューブ上に形成された電極の1つに電線の末端を固定するように構成される。一実施形態による各溝要素は、深い溝と長手方向に揃えられている浅い溝を備え、この深い溝は、浅い溝より深いと共に幅広い。一実施形態では、円筒状締め付け具構造は、半円筒状雌要素および半円筒状雄要素を備え、雄要素および雌要素を共に取り付けるように雌要素に挿入されるように構成されるクリップが雄要素から延びる。
【0032】
さらに別の実施形態は、患者の喉頭部筋肉のEMG信号をモニタリングする機器に向けられる。この機器は、外面を有する気管内チューブを備える。導電性電極は、気管内チューブの外面上に形成されている。導電性電極は、気管内チューブが患者の気管に置かれたとき、喉頭部筋肉からEMG信号を受け入れるように構成される。導体は、導電性電極にそれぞれ結合されると共に、導電性電極により受け取ったEMG信号を処理機器に伝えるように構成される。管状の締め付け具は、気管内チューブの周りで締められると共に、導体の末端を導電性電極との接触状態に保持するように構成される。
【0033】
各実施形態は、EMG気管内チューブの文脈で説明されてきたが、本明細書に開示された技法は、円筒状物体または非平面上に形成された表面電極に電線を接続するのに適用できることが理解されよう。一実施形態は、フレックス回路、導電性エポキシ、およびはんだ付けを使用しない円筒状の面上に形成された(例えば、印刷された)電極に電線を接続する低コストで信頼できる方法を提供する。
【0034】
本開示は、好ましい実施形態を参照して説明されてきたが、当業者は、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、形態および細部に変更がなされてもよいことが理解されよう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11