(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2突出部と前記防水壁部は、前記第1突出部と前記防水壁部との間隙を通過した水が前記第2突出部の前記端面と前記防水壁部の前記壁面との間隙を通過しないように形成することを特徴とした請求項1に記載の電気接続箱。
前記電子部品保持体は、前記第1突出部よりも前記収容室の前記端面側で当該端面を覆うように前記第2外壁面から突出させ、かつ、前記収容室の前記端面に沿って延在させた第3突出部を備えることを特徴とした請求項1又は2に記載の電気接続箱。
前記筐体は、前記電子部品保持体を収容する前記収容室としての第1収容室と、前記電子部品の中でも防水構造を備えたものを収容する第2収容室と、を少なくとも1つずつ有し、
前記第1収容室の前記壁部は、前記第2収容室の壁部としても利用することを特徴とした請求項1,2又は3に記載の電気接続箱。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、電気接続箱は、内部に電子部品や電線が配備されているので、内部への水の浸入の抑制が求められる。しかしながら、電気接続箱は、密閉して内部への水の浸入を抑えてしまうと、内部の電子部品の放熱性能や冷却性能を低下させてしまう可能性があるので、密閉による防水性能の向上が難しい。このため、電気接続箱においては、仮に内部に水が浸入したとしても、電子部品や電線における電気的な接続部分への水の浸入を抑える必要がある。
【0005】
そこで、本発明は、防水性能を高めることができる電気接続箱及びワイヤハーネスを提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成する為、本発明に係る電気接続箱は、開口から挿入された電子部品を収容する主体部品、及び、前記開口を塞ぐカバー部品を有し、前記電子部品に対して電気的に接続された電線が外部に引き出される筐体と、前記電子部品が保持され、前記主体部品に形成された収容室に前記電子部品と共に収容される電子部品保持体と、を備え、前記電子部品保持体は、前記収容室の壁部の内壁面に対向する第1外壁面と、前記第1外壁面よりも前記開口側に配置される第2外壁面と、を有する壁部を備え、前記電子部品保持体は、前記収容室の前記壁部における前記開口側の端面よりも当該開口側に位置している空間部に向けて前記第2外壁面から突出させ、かつ、前記空間部にて前記収容室の前記端面の延在方向に延在させた第1突出部と、前記第1突出部よりも前記開口側で前記空間部に向けて前記第2外壁面から突出させ、かつ、前記空間部にて前記第1突出部の延在方向に延在させた第2突出部と、を備え、前記カバー部品は、前記第1突出部に向けて突出させると共に、少なくとも前記第2外壁面と前記第2突出部における突出側の端面とに対向させ且つ少なくとも前記第2外壁面と前記第2突出部の前記端面とに沿って延在させた壁面を有する防水壁部を備え、前記第1突出部と前記防水壁部は、これら相互間の間隙を通過する水の通過速度が当該間隙に浸入する水の浸入速度よりも低下するように形成することを特徴としている。
【0007】
ここで、前記第2突出部と前記防水壁部は、前記第1突出部と前記防水壁部との間隙を通過した水が前記第2突出部の前記端面と前記防水壁部の前記壁面との間隙を通過しないように形成することが望ましい。
【0008】
また、前記電子部品保持体は、前記第1突出部よりも前記収容室の前記端面側で当該端面を覆うように前記第2外壁面から突出させ、かつ、前記収容室の前記端面に沿って延在させた第3突出部を備えることが望ましい。
【0009】
また、前記筐体は、前記電子部品保持体を収容する前記収容室としての第1収容室と、前記電子部品の中でも防水構造を備えたものを収容する第2収容室と、を少なくとも1つずつ有し、前記第1収容室の前記壁部は、前記第2収容室の壁部としても利用することが望ましい。
【0010】
また、上記目的を達成する為、本発明に係るワイヤハーネスは、電線と、開口から挿入された電子部品を収容する主体部品、及び、前記開口を塞ぐカバー部品を有し、前記電子部品に対して電気的に接続された前記電線が外部に引き出される筐体、及び、前記電子部品が保持され、前記主体部品に形成された収容室に前記電子部品と共に収容される電子部品保持体を有する電気接続箱と、を備え、前記電子部品保持体は、前記収容室の壁部の内壁面に対向する第1外壁面と、前記第1外壁面よりも前記開口側に配置される第2外壁面と、を有する壁部を備え、前記電子部品保持体は、前記収容室の前記壁部における前記開口側の端面よりも当該開口側に位置している空間部に向けて前記第2外壁面から突出させ、かつ、前記空間部にて前記収容室の前記端面の延在方向に延在させた第1突出部と、前記第1突出部よりも前記開口側で前記空間部に向けて前記第2外壁面から突出させ、かつ、前記空間部にて前記第1突出部の延在方向に延在させた第2突出部と、を備え、前記カバー部品は、前記第1突出部に向けて突出させると共に、少なくとも前記第2外壁面と前記第2突出部における突出側の端面とに対向させ且つ少なくとも前記第2外壁面と前記第2突出部の前記端面とに沿って延在させた壁面を有する防水壁部を備え、前記第1突出部と前記防水壁部は、これら相互間の間隙を通過する水の通過速度が当該間隙に浸入する水の浸入速度よりも低下するように形成することを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る電気接続箱においては、第1突出部と防水壁部との間隙に水が浸入したとしても、この間隙を通過した水の速度が低くなるので、その間隙への水の浸入量を減らすことができる。従って、この電気接続箱は、その水の収容室への浸入を抑制することができる。よって、本発明に係る電気接続箱及びワイヤハーネスは、その収容室の電子部品に対する防水性能を高めることができるので、その電子部品における例えば電線等との電気的な接続部分への水の伝達を抑制することができる。更に、本発明に係る電気接続箱においては、その間隙を通過した水の動きが第2突出部で規制される。このため、本発明に係る電気接続箱及びワイヤハーネスは、収容室の電子部品に対する防水性能をより高めることができるので、その電子部品の電気的な接続部分への水の伝達をより抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明に係る電気接続箱及びワイヤハーネスの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0014】
[実施形態]
本発明に係る電気接続箱及びワイヤハーネスの実施形態の1つを
図1から
図11に基づいて説明する。
【0015】
図1から
図4の符号1は、本実施形態の電気接続箱を示す。また、
図1の符号WHは、その電気接続箱1を備えたワイヤハーネスを示す。
【0016】
本実施形態の電気接続箱1とは、電源(図示略)や負荷(図示略)、センサ(図示略)等の接続対象物に対して電気的に接続される少なくとも1つの電子部品100を内部に収容したものである。その電子部品100とは、例えば、リレー、ヒューズ等の回路保護部品、コネクタなどのことである。以下においては、この種の電子部品100のことを第1電子部品101と称する。また、本実施形態では、電子制御ユニット(いわゆるECU)等の電子機器についても、電気接続箱1に収容される電子部品100とする。以下においては、この種の電子部品100のことを第2電子部品102と称する。収容されている電子部品100には、該当する電線(電力供給線や信号線等)150が電気的に接続されている。電気接続箱1においては、その電線150が外部に引き出されている。この電気接続箱1は、その電線150等と共にワイヤハーネスWHを成す。ワイヤハーネスWHは、例えば、車両に配設され、電源(二次電池)側や負荷としての電気機器(アクチュエータ等)側などに電線150を介して繋がれる。
【0017】
本実施形態の電気接続箱1は、複数の電子部品100が収容され、その電子部品100に対して電気的に接続された電線150が外部に引き出される筐体10を備える。筐体10は、合成樹脂等の絶縁性材料で成形されたものであり、その内部に電子部品100が収容される空間を有している。その内部の空間には、電子部品100の収容室20が複数形成される(
図3−
図6)。その収容室20は、電子部品100毎や複数の電子部品100の組み合わせ(以下、「電子部品群」という。)毎に形成される。つまり、筐体10は、その収容室20として、電子部品群を後述する電子部品保持体30と共に収容する第1収容室21と、電子部品100を単品で収容する第2収容室22と、を少なくとも1つずつ有している。
【0018】
ここで、本実施形態の筐体10は、複数の構成部品によって形成される。例えば、この例示の筐体10は、主体部品11とカバー部品12とを互いに組み付けることによって形成されている。主体部品11は、電子部品100の挿入口として利用される開口11aと、その開口11aから挿入された電子部品100を収容する収容室20と、を有している。カバー部品12は、主体部品11の開口11aを塞ぐものである。
【0019】
具体的に、この筐体10には、2つの収容室20(第1収容室21、第2収容室22)が設けられている。
【0020】
第1収容室21は、電子部品群が収容される空間である。この例示の電子部品群は、同一種類又は複数種類から成る複数の第1電子部品101の組み合わせである。ここで例示する第1電子部品101は、電気接続箱1の外部に配置されている2者間(例えば電源と負荷との間)を電気的に接続させるコネクタである。
【0021】
電子部品群を成すそれぞれの第1電子部品101は、電子部品保持体30に保持され、この電子部品保持体30によって一体化された状態で第1収容室21に一緒に収容される。その電子部品保持体30は、合成樹脂等の絶縁性材料で成形されたものであり、その内部にそれぞれの第1電子部品101が収容及び保持される空間を有している。この電子部品保持体30は、ブロックと称される場合もある。この例示の電子部品保持体30は、保持部材31とガイド部材32とを互いに組み付けることによって形成される(
図7−
図9)。
【0022】
保持部材31は、それぞれの第1電子部品101を収容及び保持する部材である。この保持部材31は、第1収容室21への挿入方向における両端に開口を有しており、保持しているそれぞれの第1電子部品101の一部を一方の開口から露出させる。その第1電子部品101の露出部分からは、この第1電子部品101に対して電気的に接続されている一方の電線150が導き出されている。ここで、この保持部材31は、第1収容室21の内部において、一方の開口が開口11a側にくるように、ガイド部材32よりも開口11a側に配置される。それぞれの第1電子部品101における一方の電線150は、カバー部品12に沿って配策され、筐体10の第1電線導出部41から筐体10の外部に引き出される(
図1)。
【0023】
これに対して、保持部材31の他方の開口からは、第1電子部品101に対して電気的に接続されている他方の電線150が導き出される。ガイド部材32は、その他方の電線150を案内する部材であり、保持部材31の他方の開口を塞ぐよう当該開口に挿入されて、この保持部材31に取り付けられる。このガイド部材32に案内された他方の電線150は、第2電線導出部42から筐体10の外部に引き出される(
図1)。第2電線導出部42は、筐体10に設けてもよく、電子部品保持体30に設けてもよい。この例示では、電子部品保持体30に設ける。このため、第2電線導出部42は、電子部品保持体30が第1収容室21へと収容された際に筐体10の外部に露出するよう形成する。
【0024】
第1収容室21に収容された電子部品保持体30は、保持機構51を介して第1収容室21に保持される。保持機構51は、第1収容室21の内壁面に設けた第1係合部51a(
図9)と、電子部品保持体30に設けた第2係合部51b(
図7)と、を備える。本実施形態の保持機構51は、第1係合部51aと第2係合部51bの内の一方を突出体とし、他方を当該突出体に係合する爪部とするロック機構である。この例示では、第1係合部51aを突出体として形成し、第2係合部51bを爪部として形成する。第1係合部51aは、筐体10の外郭を成す第1収容室21の第1壁部21aに設ける。その第1壁部21aは、電子部品保持体30の第1収容室21への挿入方向に沿い、かつ、収容された電子部品保持体30の第1壁部30aと対向する内壁面21a
1を有する。第1係合部51aは、その内壁面21a
1から電子部品保持体30の第1壁部30aに向けて突出させる。第2係合部51bは、その第1壁部30aに設ける。第2係合部51bは、第1壁部30aから突出させた突出体の先端を爪形状に形成したものである。その突出体は、第1壁部30a側の根元を支点にした弾性変形が可能なものである。このため、保持機構51は、電子部品保持体30が第1収容室21に挿入されるにつれて、第1係合部51aが第2係合部51bを押動し、電子部品保持体30が第1収容室21に収容されたときに、第2係合部51bが押動前の元の位置に戻って第1係合部51aに係合して、電子部品保持体30の第1収容室21からの抜けを抑えることができる。
【0025】
第2収容室22は、第2電子部品102が収容される空間である。ここでは、第2電子部品102として電子制御ユニットを例示している。第2収容室22は、第1収容室21に隣接して配置されている。この第2収容室22における筐体10の内方側の壁部22aは、その一部が第1収容室21における筐体10の内方側の第2壁部21bとしても利用される(
図9等)。つまり、筐体10の内部においては、第1収容室21の第2壁部21bと第2収容室22の壁部22aとが互いに共通の壁部として利用されている。その第2壁部21bは、第1壁部21aに対向している壁部であり、電子部品保持体30の第1収容室21への挿入方向に沿い、かつ、収容された電子部品保持体30の第2壁部30bの第1外壁面30b
1と対向する内壁面21b
1を有する(
図6)。
【0026】
第2電子部品102においては、第2収容室22へと収容された際に、電気的に接続されている電線150が開口11a側に導出されている。その電線150は、筐体10の第3電線導出部43から筐体10の外部に引き出される(
図1)。
【0027】
ところで、第1電子部品101は、少なくとも電線150との電気的な接続部分が外部に露出している。この第1電子部品101は、電子部品保持体30に収容されたとしても、その接続部分が外部に露出している。このため、第1収容室21においては、その接続部分に水が伝わらないように、水の浸入を抑制する必要がある。一方、第2電子部品102としての電子制御ユニットは、そのもの単体が防水構造を採っており、必要とする防水性能が確保されている。このため、第2収容室22については、第1収容室21よりも簡易的な防水構造で事足りるので、第1収容室21と比べて水が浸入してしまう可能性がある。そこで、本実施形態の電気接続箱1においては、第1収容室21への水の浸入を抑える下記の防水構造を採る。
【0028】
本実施形態の電子部品保持体30の第2壁部30bは、第1収容室21の第2壁部21bの内壁面21b
1に対向する第1外壁面30b
1の他に第2外壁面30b
2を有している。その第2外壁面30b
2は、第1外壁面30b
1よりも開口11a側(換言するならば、前述した保持部材31の他方の開口側)に配置される壁面である。そして、この電子部品保持体30は、その第2外壁面30b
2から突出させた第1突出部33と第2突出部34と第3突出部35とを備えている(
図3等)。
【0029】
第1突出部33は、第2壁部21bにおける開口11a側の端面21b
2よりも開口11a側に位置している空間部に向けて第2外壁面30b
2から突出させたものである(
図10)。この第1突出部33は、その空間部にて端面21b
2の延在方向に延在させる(
図9)。つまり、この例示の第1突出部33は、その端面21b
2から間隔を空けた位置の空間部まで第2外壁面30b
2を起点にして突出させ、かつ、その空間部にて端面21b
2の延在方向に延在させる。この例示の第1突出部33は、第2外壁面30b
2に対して垂設させたリブ状に形成している。また、この第1突出部33は、その端面21b
2から一定の間隔を空けた位置で当該端面21b
2に沿って延在させてもよく、その端面21b
2の延在方向における形状に拘泥されることなく当該端面21b
2から間隔を空けた位置で延在させてもよい。この例示では、後者の形態を採っている。
【0030】
第2突出部34は、第1突出部33と同じように、第2壁部21bの端面21b
2よりも開口11a側に位置している空間部に向けて第2外壁面30b
2から突出させ、かつ、その空間部にて端面21b
2の延在方向に延在させたものである(
図9及び
図10)。具体的に、この例示の第2突出部34は、第1突出部33よりも開口11a側で上記の空間部に向けて第2外壁面30b
2から突出させ、かつ、その空間部にて第1突出部33の延在方向に延在させる。この例示の第2突出部34は、第2外壁面30b
2に対して垂設させたリブ状に形成している。また、この第2突出部34は、第1突出部33から一定の間隔を空けた位置で当該第1突出部33に沿って延在させてもよく、その第1突出部33の延在方向における形状に拘泥されることなく当該第1突出部33から間隔を空けた位置で延在させてもよい。この例示では、前者の形態を採っている。
【0031】
第3突出部35は、第1突出部33よりも第2壁部21bの端面21b
2側で当該端面21b
2を覆うように第2外壁面30b
2から突出させ、かつ、その端面21b
2に沿って延在させたものである(
図9及び
図10)。このため、第1突出部33と第2突出部34は、第3突出部35よりも開口11a側に配置される。この例示の第3突出部35は、第2外壁面30b
2に対して垂設させたリブ状に形成している。また、この第3突出部35は、その端面21b
2から一定の間隔を空けた位置で当該端面21b
2に沿って延在させてもよく、その端面21b
2に当接させた状態で当該端面21b
2に沿わせて延在させてもよい。この例示では、前者の形態を採っている。この場合、その一定の間隔は、端面21b
2と第3突出部35との間隙を介して第2収容室22の水が第1収容室21に浸入できない大きさ、又は、その間隙を通過する水の通過速度が第2収容室22から当該間隙に浸入する水の浸入速度よりも低下する大きさ(換言するならば、その間隙を介した第2収容室22側からの水の侵入量を減少させる大きさ)に設定すればよい。これにより、この電気接続箱1においては、その間隙を介した第2収容室22から第1収容室21への水の浸入を抑えることができる。
【0032】
ここで、この例示の電気接続箱1は、開口11aを車両上方に向けて車両に搭載される。このため、この電気接続箱1においては、その間隙から水が浸入したとしても、その水が間隙よりも車両下方に伝わっていく。そして、この電気接続箱1では、その間隙よりも車両下方において、第1電子部品101における電気的な接続部分が外部に露出していない。従って、この電気接続箱1においては、その間隙から水が仮に浸入したとしても、その水による第1電子部品101の耐久性の低下(接触不良等)が起こらない。
【0033】
一方、第1突出部33や第2突出部34よりも開口11a側(つまり車両上方側)では、第1電子部品101における電気的な接続部分が外部に露出している。このため、この電気接続箱1においては、その接続部分に第2収容室22の水が接触せぬよう構成する。この電気接続箱1では、その第1突出部33及び第2突出部34と共に、カバー部品12の防水壁部12a(
図3等)を用いて防水性能を向上させる。
【0034】
防水壁部12aとは、カバー部品12の内壁面12bから第1突出部33に向けて突出させたカバー部品12の内側の壁部である(
図3等)。この防水壁部12aは、少なくとも第2外壁面30b
2と第2突出部34における突出側の端面34aとに対向させた壁面12a
1を有している(
図7、
図8及び
図10)。この防水壁部12aは、少なくとも第2外壁面30b
2と端面34aとに沿って壁面12a
1を延在させている。
【0035】
例えば、防水壁部12aは、壁面12a
1が、第1突出部33における突出側の端面33aに対向し、この端面33aに沿って延在するように形成してもよい。但し、この例示では、その壁面12a
1が端面33aと対向する位置まで防水壁部12aを突出させていない。ここで、第1突出部33と防水壁部12aは、これら相互間の間隙を第2収容室22側から通過する水の通過速度V1が第2収容室22から当該間隙に浸入する水の浸入速度V2よりも低下するように形成する(
図11)。換言するならば、第1突出部33と防水壁部12aは、これら相互間の間隙を介した第2収容室22側からの水の侵入量を減少させるように形成する。例えば、ここでは、カバー部品12の主体部品11に対する組付け作業性を損なわない範囲内で、第1突出部33と防水壁部12aとの間隙を狭めていく。その間隙の大きさは、例えば、この間隙を通過する水の通過速度V1が第2収容室22から当該間隙に浸入する水の浸入速度V2よりも低下する大きさ(換言するならば、その間隙を介した第2収容室22側からの水の侵入量を減少させる大きさ)、又は、その間隙を介して第2収容室22の水が浸入できない大きさに設定すればよい。
【0036】
これにより、本実施形態の電気接続箱1においては、第2収容室22の水が第1突出部33にぶつかって跳ね返されるので、その水の第1突出部33と防水壁部12aとの間隙への浸入を抑えることができる。また、この電気接続箱1においては、第1突出部33と防水壁部12aとの間隙に第2収容室22の水が浸入したとしても、この間隙を通過した水の速度(つまり勢い)が小さくなるので、その間隙を介した第2収容室22の水の浸入量を減らすことができる。従って、この電気接続箱1は、第2収容室22の水の第1収容室21への浸入を抑制することができる。よって、この電気接続箱1は、第1収容室21の第1電子部品101に対する防水性能を高めることができるので、その第1電子部品101における例えば電線等との電気的な接続部分(以下、「電気接続部」という。)への水の伝達を抑制することができる。
【0037】
更に、本実施形態の電気接続箱1においては、その間隙を通過した水の動きが第2突出部34で規制される。このため、この電気接続箱1は、第1収容室21の第1電子部品101に対する防水性能をより高めることができるので、その第1電子部品101の電気接続部への水の伝達をより抑制することができる。ここで、その第2突出部34と防水壁部12aは、第1突出部33と防水壁部12aとの間隙を通過した水が第2突出部34の端面34aと防水壁部12aの壁面12a
1との間隙を通過しないように形成することが望ましい。例えば、ここでは、カバー部品12の主体部品11に対する組付け作業性を損なわない範囲内で、その端面34aと壁面12a
1との間隙を狭めていく。これにより、この電気接続箱1においては、第1突出部33と防水壁部12aとの間隙を通過した水に関して、端面34aと壁面12a
1との間隙への浸入を抑えることができるので、第1電子部品101の電気接続部に対する水の伝達の更なる抑制が可能になる。
【0038】
以上示したように、本実施形態の電気接続箱1及びワイヤハーネスWHにおいては、主に、第1突出部33と第2突出部34と防水壁部12aとによって、第1収容室21の第1電子部品101に対する防水性能を高めた上記の如き防水構造が形成される。従って、この電気接続箱1及びワイヤハーネスWHにおいては、第1電子部品101の電気接続部に対する水の伝達を適切に抑えることができる。
【0039】
ここで、本実施形態では電子部品群が収容される第1収容室21の防水性能を向上させる防水構造について説明したが、その防水構造は、単品の第1電子部品101が収容される収容室の防水性能の向上のために利用してもよい。例えば、この場合には、その第1電子部品101の筐体や保持体が上記の説明の電子部品保持体30に相当するものとなり、上述した説明において、その筐体や保持体における外壁面を上述した第2外壁面30b
2と読み替え、その外壁面に第1から第3の突出部33,34,35が形成されるものとして考える。そして、その収容室については、上述した説明において、第1収容室21と読み替え、端面21b
2を有する第2壁部21bが設けられているものとして考える。更に、カバー部品12については、その外壁面の第1から第3の突出部33,34,35との関わりを前述した実施形態と同様に持つ防水壁部12aを有するものとして考える。このため、この場合においても、その電気接続箱1及びワイヤハーネスWHは、前述した実施形態で説明したものと同様の効果を得ることができる。