(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
ラベルプリンタは、カセットに収納された供給品のテープをラベルプリンタに収容して使用するものが知られている。テープは、接着層を介して互いに固着されている受像層と裏当て層を備えている。その様なラベルプリンタは、画像が受像層に印字された後、画像を有するテープ部分をラベルとして使用することができるように、当該テープ部分を切り落とすための切断機構を含んでいる。テープが切断された後、切断されたテープ部分は、プリンタから、プリンタハウジングのスリットを通して引き出される。次いで、裏当て層を剥がせば、接着層を使用して受像層を対象物に固着することができる。
【0003】
既知のラベルプリンタは、印字のためにカセットが収容されるカセット収容ベイを備えている。カセット収容ベイには、テープを印字するために供給品のテープと協働するための印字ヘッドが設けられている。また、カセット収容ベイには、カセットがカセット収容ベイに収容されているとき、テープの印字ヘッドと反対の側に配置されているプラテンも設けられている。印字時、印字ヘッドはプラテンと協働し、それらの間をテープが通過して印字される。プラテンは、印字中にテープを送るために、モーターで駆動されていることがある。代わりに、プラテンは自由に回転でき、印字中にテープを進めるために追加の駆動ローラーが設けられていることもある。
【0004】
上述のものに代わる構成では、プラテンはカセット内に設けられていることがある。その様な構成では、テープはプラテンの表面と協働する。カセット収容ベイ内に収容されたとき、カセットのプラテンは、カセット収容ベイの駆動機構と協働してテープを進める。代わりに、プラテンは自由に回転でき、追加の駆動ローラーがテープを進めるために設けられていてもよい。印字中は、カセット収容ベイの印字ヘッドがカセットのプラテンと協働し、それらの間をテープが通過して印字される。
【0005】
1つの構成では、印字ヘッドは、非印字位置と印字位置の間を可動である。或る代わりの構成では、プラテンは、非印字位置と印字位置の間を可動である。更に別の構成では、プラテンと印字ヘッドは共に、非印字位置と印字位置を持てるように可動である。
【0006】
テープは、印字が、印字ヘッドの印字要素から熱を直接印加することによって実現される感熱式のこともある。代わりに、インクリボンが提供されており、それによって、インクは、印字ヘッドの印字要素を介してインクリボンへ熱が印加されることにより、リボンから受像テープへ転移する。カセットは、連続するテープではなくてダイ・カット・ラベルのロール品を含んでいることもある。
【0007】
上述の構成は全て、高品質の印字のためには、印字中、テープ及び/又はインクリボンを印字ヘッドと正確に整列させなくてはならないという問題がある。更に、テープは、印字が行われている間中、印字ヘッドと正確に整列した状態を保たなくてはならず、高品質な印字を確保するためには印字ヘッドを滑らかに通過させなくてはならない。確実にそうなるようにするためには、印字中及び切断中はカセットが動かないようにするのが好都合である。更に、カセット収容ベイ内のカセットの位置は、事前に画定されていて、カセットがカセット収容ベイに挿入されたときにはいつでも容易に再現できるようになっているべきである。
【0008】
当該問題は、印字中にあちこち動かされる可能性のある手持ち式プリンタでは悪化する。その様な装置では、印字中、カセットが定位置に係止されることはなお一層重要である。
【0009】
WO2006/013466(DYMO)は、ラベルプリンタ装置用のカセット係止及び排出用の構成を開示している。テープカセットが挿入されるカセット収容ベイを備えたラベルプリンタが提供されている。カセット収容ベイには、カセットをカセット収容ベイから排出するための複数のばね押し式排出部材が設けられている。カセットがカセット収容ベイ内に挿入されると、一対の係止部材が、カセットを、排出部材が働かせている付勢力に抗して所定の場所に保持する。カセットを排出するには、係止部材をカセットから外せば、カセットは、排出部材が働かせる力によってカセット収容ベイから押し出される。
【0010】
上述の構成には、カセットがユーザーによってカセット収容ベイの中へ挿入されたときに、カセットが係止部材のどれもに正しく係合するとは限らない事態があり得るという問題がある。これは、例えば、ユーザーが、挿入中にカセットの一方の縁のみを押した場合に起こる。カセットが係止部材の1つには係合しているが、どれもに係合しているわけではない場合、カセットは、収容ベイ内に排出部材の付勢力に抗して保持されてはいても、印字にとってはプラテン及び印字ヘッドに対して正しく整列していないかもしれない。
【0011】
WO2006/013466(DYMO)は、カセット収容ベイの中へ挿入されたカセットを所定の場所に係止するように、ばねによって、係止位置に向かって付勢される一対の係止部材を有している。しかしながら、ラベルプリンタ装置が、突発的な衝撃を被ることが起こった場合、即ち、ユーザーが装置を落としたら、係止部材がばねの付勢力に逆らって動かされ、カセットを解放してしまうこともあり得る。その結果、ユーザーが、その後、当該ラベルプリンタ装置で印字を再開しても、カセットは、カセット収容ベイの中で印字にとって正確な印字位置に係止されておらず、印字に悪影響が出たり、印字が実施できなくなってしまう。
【0012】
また、カセット収容ベイの中へ挿入されたカセットが、複数の係止部材の1つ又はそれ以上によって正しく係合されていない場合には、どの係止部材がカセットと正しく係合していないのか、及び問題を是正するためにどの様な行動が必要なのかが、ユーザーには明らかでないかもしれない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明によるラベルプリンタの或る実施形態の上面斜視図であり、ラベルプリンタは、その蓋が開いており、カセットは入っていない。
【
図2】
図1に示されているラベルプリンタの別の上面斜視図である。
【
図3】
図1に示されているラベルプリンタの第1係止要素の位置を説明している図である。
【
図4】
図1に示されているラベルプリンタの第1排出器要素の位置を説明している図である。
【
図5】
図2のラベルプリンタの第2係止要素の位置を説明している図である。
【
図6】
図2に示されているラベルプリンタの第2排出器要素の位置を説明している図である。
【
図7】
図1のラベルプリンタの上面斜視図であり、カセットがカセット収容ベイに装着されている状態(分かり易くするためにカセットは図示せず)での第1係止要素と第1排出器要素の位置を説明している図である。
【
図8】
図7に示されているラベルプリンタの別の上面斜視図である。
【
図9】カセットの挿入/排出中の、
図3に示されている第1係止要素の位置を説明している図である。
【
図10】カセットの挿入/排出中の、
図4に示されている第1排出器要素の位置を説明している図である。
【
図11】カセットの挿入/排出中の、
図5に示されている第2係止要素と第2排出器要素の位置を説明している図である。
【
図12】カセットの挿入/排出中の、
図6に示されている第3排出器要素の位置を説明している図である。
【
図13】
図1のラベルプリンタの排出器機構と係止機構の図である。
【
図14】
図1のラベルプリンタの右手側の側面斜視図であり、排出器機構を示している。
【
図15】
図1のラベルプリンタの下面斜視図である。
【
図16】
図1のラベルプリンタの左手側の側面斜視であり、ラベルプリンタの蓋が開いていて、カセットが挿入されていないときの、本発明による印字ヘッドストッパ機構を示している。
【
図17】
図4に示されている第1係止要素の拡大図であり、本発明の第1の実施形態によるカセット検出手段を示している。
【
図18】
図17のカセット検出手段と共に使用するための24mmカセットの(i)上面斜視図、(ii)側面A、(iii)側面B、及び(iv)側面Cの4図を示している。
【
図19】
図17のカセット検出手段と共に使用するための19mmカセットの(i)上面斜視図、(ii)側面A、(iii)側面B、及び(iv)側面Cの4図を示している。
【
図20】
図17のカセット検出手段と共に使用するための12mmカセットの(i)上面斜視図、(ii)側面A、(iii)側面B、及び(iv)側面Cの4図を示している。
【
図21】カセット収容ベイに挿入されているカセットの概略描写を示しており、(i)では、第1及び第2係止要素はカセットと正しく係合されており、(ii)では、第1係止要素はカセットと正しく係合しているが、第2係止要素はカセットと係合していない。
【
図22】
図4に示されている第1係止要素の拡大図であり、本発明の代わりの実施形態によるカセット検出手段を示している。
【
図23】
図22のカセット検出手段と共に使用するための24mmカセットの(i)上面斜視図、(ii)側面A、(iii)側面B、及び(iv)側面Cの4図を示している。
【
図24】
図22のカセット検出手段と共に使用するための19mmカセットの(i)上面斜視図、(ii)側面A、(iii)側面B、及び(iv)側面Cの4図を示している。
【
図25】
図22のカセット検出手段と共に使用するための12mmカセットの(i)上面斜視図、(ii)側面A、(iii)側面B、及び(iv)側面Cの4図を示している。
【
図26】係止用の構成が印字ヘッド支持部に設けられている構成を示している。
【
図27】本発明によるラベルプリンタの別の実施形態の上面斜視図であり、ラベルプリンタは、その蓋が開いていて、カセットが入っている。
【
図28】
図27のラベルプリンタの上面斜視図であり、カセットがカセット収容ベイに装着されている状態での第1及び第2係止要素と第1及び第2排出器要素の位置を説明している図である。
【
図29】(i)は、
図27に示されているラベルプリンタの第1係止要素の、カセットとの相互作用を説明している図であり、(ii)は、
図27に示されているラベルプリンタの第2係止要素の、カセットとの相互作用を説明している図である。
【
図30】
図27のラベルプリンタの別の斜視図であり、カセットがカセット収容ベイに装着されている状態での第1及び第2係止要素の位置を説明している図である。
【
図31】
図30に示されているラベルプリンタとカセットを通る断面図である。
【
図32】
図31に示されているラベルプリンタとカセットの近景図であり、(i)は、第1係止要素の、カセットとの相互作用を示しており、(ii)は、第2係止要素の、カセットとの相互作用を示している。
【
図33】
図27のラベルプリンタと共に使用するためのカセットの(i)上面斜視図、(ii)側面Aの近景図、(iii)側面Cの近景図の3図を示している。
【
図34】カセットがカセット収容ベイに装着されていないときの、
図27のラベルプリンタの少なくとも1つの係止要素の1つを通る断面図を示している。
【
図35】カセットがカセット収容ベイに正確に装着されているときの、
図34の係止要素を通る断面図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1を参照すると、ラベルプリンタ2は、本体4と、蓋(又はカバー)6と、カセット収容ベイ8を備えている。カセット収容ベイ8は、本体の天板部分にカセットを垂直方向に挿入するための開口を有している。その天板開口を覆って閉じるために、蓋6が蝶番付けされている。或る代わりの実施形態では、蓋(又はカバー)は、開位置にあるときにはラベルプリンタ2の本体4から完全に切り離すことができる脱着式の蓋であってもよい。
【0020】
カセット収容ベイ8は、カセットを収容するための開口を形成している凹部を備えている。凹部は、ベース10と、ベース10から天板開口まで延びる側面12によって形成されている。カセット収容ベイ8には、プラテン14と印字ヘッド16が設けられている。印字ヘッド16は、プラテン14に向かって可動であり、それにより、印字中、印字ヘッド16はプラテン14と協働し、それらの間をテープが通過して印字される。プラテン16は、印字中にテープを送るために、モーター(図示せず)によって駆動される。カセット
がカセット収容ベイ8の中へ挿入されたときにカセットのインクリボン巻取スプールと協働するために、インクリボン巻取スプロケット18が、カセット収容ベイ8のベース10から延びている。スプロケット18は、印字中にインクリボンをインクリボン巻取スプールの周囲に巻き付けるために、モーター(図示せず)によって駆動される。ラベルプリンタの本体4には、印字後にテープが通り抜ける出口を形成しているスリット19が設けられている。出口スリット19に隣接して、印字されたテープ部分を切り落として印字済みラベルを提供するための切断機構21が設けられている。
【0021】
カセット収容ベイ8の側壁には、第1排出器要素24が見えている。同様に
図1では、係止機構(見えていない)の係止要素26が、カセット収容ベイ8の左手側に見えている。本体4の表面には、係止機構を作動させるための作動器ボタン29が設けられている。
【0022】
図2を参照すると、第2排出器機構(見えていない)の第2排出器要素28が、カセット収容ベイ8の、第1排出器要素24と反対側の側壁に示されている。第3排出器機構(見えていない)の第3排出器要素30が、カセット収容ベイ8の右手側に配置されている。係止機構(見えていない)の第2係止要素32が、カセット収容ベイ8の右手側に配置されている。
【0023】
図3、
図4、
図5、及び
図6を参照すると、係止要素と排出器要素24、26、28、30、32のそれぞれは、カセット収容ベイ8の側面に設けられており、挿入されたカセットと相互に作用するために側面の開口を通ってカセット収容ベイ8の中へ延びている。
【0024】
それぞれの係止要素26、32は、突起34と、カセット収容ベイ8のベース10から天板開口に向かう方向に延びる細長い要素36を備えている。突起34は、細長い要素36の頂端にあり、カセット収容ベイ8の側壁12の対応する開口を通ってカセット収容ベイ8の中央部分に向かって延びている。それぞれの突起34は、係止要素を係止位置から非係止位置へ動かすために、カセット収容ベイ8の中へ挿入されたカセットと協働するための傾斜した上面を有している。カセット収容ベイ8の側壁の1つは、カセット収容ベイ8の中へ突き出て、カセットがカセット収容ベイ8の中へ挿入されるときのカセットの対応する凹部のための案内を形成している部分39を有している。係止要素32は、案内39の開口に配置され、そこからカセット収容ベイ8の中へ延びて、それにより、組み合わされた案内及び係止用の構成を形成している。
【0025】
それぞれの排出要素24、28、30は、カセット収容ベイ8の側壁からカセット収容ベイ8の中へ途中まで延びており、何れの他の構造要素にも接続されていない自由端を有している。排出器要素24、28、30は、側壁に対して垂直方向に、側壁の開口を通って延びる細長い要素38を備えている。
【0026】
図7と
図8を参照すると、カセットがカセット収容ベイ8に装着されているとき、第1、第2、及び第3排出器要素24、28、30は、ベース10まで押し下げられ、第1及び第2係止要素26、32は係止位置にある。
【0027】
図9、
図10、
図11、及び
図12は、カセットがカセット収容ベイ8の中へ挿入されようとしているときの係止要素及び排出器要素24、26、28、30、32の位置を説明している。
図9、
図10、
図11、及び
図12では、分かり易くするために、カセットは図示されていない。
【0028】
挿入中、カセットは、係止要素及び排出器要素24、26、28、30、32に接触する。係止要素26、32の突起34は、傾斜した上面を有しているので、カセットが挿入されてゆくにつれ、係止要素26、32はカセットによって後方へ押され、側壁12の対応
する開口の中へ入ってゆく。係止要素26、32は、それらの非係止位置にある。係止要素26、32は、
図7と
図8に示されている様に、カセットが一杯まで装入されると、ばね押しされて係止位置に入る。係止要素26、32は、カセットの係止機構と相互に作用することによって、カセットが上向き方向に動くのを防止する。排出器24、28、30は、ばね押しされ、カセットの下面と協働する。
【0029】
カセットを排出するには、ユーザーが排出器ボタン29を押して作動させると、係止要素26、32が後方へ動かされてカセット収容ベイ8の側壁12の対応する開口の中へ入ることによって、機構が解除される。カセットはこうして自由になり、排出器24、28、30は、カセットを、プリンタ2から簡単に取り出せるように上向きに押す。
【0030】
図13を参照しながら、係止機構と排出器機構を更に詳しく説明してゆく。排出器41は、それぞれ、本体部分40を備えている。本体部分40は、その第1縁40aに隣接して、貫通形成されている穴42を有し、当該穴の軸は、本体部分40の第1縁40aに平行になるように配列されている。穴42は、円形断面を有している。本体部分40は、本体部分40の第1縁40aとは反対側の第2縁40bに沿って、ラック部分44を備えている。排出器要素46が、第1縁40aと第2縁40bの間に延びる本体部分40の面から垂直に、本体部分40の第1縁40aに隣接する点、即ち、穴42に隣接する点から伸びている。排出器要素46は、カセット収容ベイ8の側壁12のスリット(図示せず)を通って延びるように配列されている。それぞれの排出器41は、本体部分40の第1縁40aの底端に付勢部材48を更に備えている。付勢部材48は、本体部分40の面内に穴42の軸に垂直に延びている。付勢部材48は、排出器要素46をカセット収容ベイ8の側壁12の対応するスリット(図示せず)の頂端に向かって付勢するため、引張りコイルばね50の一端に連結されている。側壁12のスリットの頂端は、カセット収容ベイ8の天板開口に隣接する端であり、スリットの底端は、カセット収容ベイ8のベース10に隣接する端である。
【0031】
排出器機構41の本体部分40は軸体52に取り付けられ、同軸体は、本体部分40の穴42を通って延びている。本体部分40のラック部分44に隣接して、緩衝器54が配置されている。緩衝器54は、緩衝器取付部58に回転可能に取り付けられているピニオン(又はギア)56を備えている。
【0032】
図14は、ラベルプリンタ2の排出器機構41を示している。
図14から分かる様に、排出器機構41は、排出器ハウジング60を備えている。排出器ハウジング60は、形状が略円筒形である。排出器機構41の軸体52は、排出器ハウジング60と同軸になるように配置されている。従って、本体部分40は、本体部分40の第1縁40aに形成されている穴42を貫通している軸体52によって、排出器ハウジング60内に滑動可能に取り付けられている。排出器ハウジング60は、その長さ(図示せず)に沿って第1の細長い開口を備えている。排出器ハウジング60の第1の細長い開口は、カセット収容ベイ8の側壁12に形成されている対応するスリットと整列している。排出器機構41の排出器要素46は、カセットと相互に作用するように、第1の細長い開口を通って、側壁12のスリットを通って、カセット収容ベイ8の中へ突き出ている。排出器ハウジング60は、本体部分40の付勢部材48が通って延びる第2の細長い開口(図示せず)を更に備えている。
図14から分かる様に、付勢部材48は、ばね50の下端、即ち、カセット収容ベイ8のベース10に最も近接しているばね50の端に取り付けられている。排出器ハウジング60は、ハウジング60の上端に、第2の細長い開口の天板に隣接して配置されている固定された伸張部62を備えている。ばね50の上端は、固定された伸張部62に取り付けられている。従って、ばね50は、排出器機構41の本体部分40をハウジング60の上端に向かって付勢するように動く。排出器ハウジング60は、本体部分40の第2縁40bのラック部分44が通って延びる第3の細長い開口(図示せず)を更に備えている。
第3の細長い開口は、ラック部分44が緩衝器54のピニオン56と噛み合うように、緩衝器54と整列している。
【0033】
図13と
図15を参照しながら、係止機構を更に詳しく説明してゆく。係止機構は、2つの係止要素26、32を備えている。これまでに説明した様に、係止要素26、32は、それぞれ、細長い要素36と突起34を備えている。それぞれの突起34は、係止要素26、32を係止位置から非係止位置へ動かすために、カセット収容ベイ8の中へ挿入されたカセットと協働するための傾斜した上面を有している。係止要素26、32は、作動棒体64によって一体に連結されている。係止要素26、32のそれぞれは、当該係止要素に対して垂直方向に延びる各連結部材66、68によって作動棒体64に連結されている。係止要素26、32は、各回転中心70、72を、作動棒体64の互いに反対側に有している。回転中心70、72は、プリンタ本体4に取り付けられている枢軸点を備えている。係止要素26、32を係止位置へ付勢するために、戻しばね74が設けられている。作動棒体64は、回転中心76を有し、当該回転中心も同様にプリンタ本体4に取り付けられている枢軸点を備えている。第1係止要素26は、連結部材66の第1係止要素26に対して遠位側の端に設けられていて、作動棒体64の第1端65に設けられているピン80と協働するスロット78によって、作動棒体64に回転可能に連結されている。第2係止要素32は、同様に、作動棒体64の第2端に回転可能に連結されている。
【0034】
図16を参照して、排出器ボタン29は、蓋6が開いていてカセットが挿入されているときに、ユーザーが押して、カセットをカセット収容ベイ8から排出させることができるように、カセット収容ベイ8に隣接して配置されている。排出器ボタン29は、作動器部82を備えている。作動器部(図示せず)の上端は、円形断面を有し、ユーザーが押すことができるように、ラベルプリンタ2の上面の開口を通って延びている。作動器部82の下端は、第1及び第2管状部分83、84と、それらの間に配置されているフランジ部85を備えている。排出器ボタンの作動器部のフランジ部85は、その下端に大凡45°の角度が付けられている。第1及び第2ボタン案内軸体86、87は、プリンタ本体4に取り付けられており、ユーザーが作動器部82を押さえたときの当該作動器部の運動を案内するために、作動器部82の第1及び第2管状部分83、84をそれぞれ貫通している。第1及び第2排出ボタンばね88、89が、作動器部82をラベルプリンタ2の天板に向かって付勢するために、第1及び第2案内軸体86、87にそれぞれ外挿されている。
【0035】
図17を参照すると、第1係止要素26は、カセット検出部を備えている。カセット検出部は、第1及び第2接触パッド302、304を備えており、同パッドは、ワイヤ、導電パッド、導電性材料などの様な、各第1及び第2導電接続部306、308によってカセット検出回路構成310に接続されている。これらの導電接続部を、以下ではワイヤと呼ぶことにするが、理解される様に、これは単に一例であり、ワイヤは如何なる他の適した導電構成に置き替えることもできる。第1及び第2接触パッド302、304は、第1係止要素26の突起34の下面(即ちカセットに係合する面)に配置されている。第1ワイヤ306は、一端が、第1接触パッド302に接続されていて、第1接触パッド302から、細長い要素36の表面に沿って延び、他端が、カセット検出回路構成310に接続されている。同様に、第2ワイヤ308は、第2接触パッド304をカセット検出回路構成310に接続している。本発明の現在の実施形態では、第2係止要素32にも同様に第1及び第2接触パッド302、304が設けられており、それらパッドは、第1及び第2ワイヤ306、308それぞれを介してカセット検出回路構成310に接続されている。
【0036】
図18を参照すると、カセット400は、天板402と、ベース404と、側面A、B、C、及びDとを有するハウジングを備えている。カセットはインクリボンと被印字テープを収納しているか、或いは、代わりに、カセットは被印字テープのみを収納している。どちらの実施形態でも、被印字テープは、連続する受像媒体であってもよいし、連続する裏
当て層付きのダイ・カット・ラベルであってもよい。カセットハウジングには、カセットをラベルプリンタのカセット収容ベイの中へ挿入するときに、ラベルプリンタの印字ヘッドを通す開口406が設けられている。テープとインクリボン408、410は、開口406を渡り越し、それにより、使用時、インクリボンとテープ408、410は、プリンタのプラテンと印字ヘッドの間に挟まれる。印字中、インクリボンを進めるために、プリンタのスプロケットと協働するインクリボン巻取スプール412が設けられている。
【0037】
図18の(i)と(ii)に示されている様に、カセットの側面Aは、カセットのベース404から天板402に延びて案内を形成している凹部414を備えている。凹部414には、カセットのベースと天板に平行な方向に凹部を横断して延びるリブの形態をしている係止部材146が設けられている。凹部414に係止部材416を設けることで、空間を節約し、より小型のプリンタ及び/又はより大型のカセットが可能になる。
図18の(iii)に示されている様に、カセットの側面Cは、プリンタの係止要素と協働するための、側壁の開口の形態をしている別の係止部材418を備えている。
【0038】
ラベルカセットの凹部414と係止部材416は、プリンタのカセット収容ベイの相補的な案内及び係止用の構成と協働する組み合わされた案内及び係止用の構成を形成するように配列することができる。
【0039】
係止部材416の上面には、電気伝導性の接触パッド417が設けられている。同様に、係止部材418を形成している開口のベースにも、電気伝導性の接触パッド429が設けられている。
【0040】
図19と
図20は、19mmカセットと12mmカセットの同様の構造的特徴をそれぞれに示している。カセットは、ベースから天板までを測定した幅が異なっているラベルカセットから成るセットを形成している。
図18から
図20を比較すると、幅が狭くなるにつれて、ベースと係止部材の間の距離と係止部材と天板の間の距離の比が大きくなることが分かる。つまり、カセットの幅が狭いほど、係止部材は、カセットのより高い位置に設置されている。実際に、12mmカセットは、側面Cに係止開口が皆無であり、この場合は、ラベルカセット102の天板がプリンタの係止要素26と相互に作用する。12mmカセットの場合は、電気伝導性の接触パッド419は、カセット102の天板に設けられており、その結果、カセットがカセット収容ベイ8の中へ挿入されたとき、接触パッド419がラベルプリンタ2の第2係止要素32と接触する。この上記の構成により、異なる幅のラベルカセットをラベルプリンタの正確な印字位置に配置させ、係止させられるようになる。
【0041】
上述の係止機構、排出器機構、及びカセット検出手段の動作を説明してゆく。カセット収容ベイ8にカセットが挿入されていないとき、それぞれの排出器機構41のばね50は、引き伸ばされていない状態にあり、従って、それぞれの排出器要素24、28、30は、カセット収容ベイ8の側壁12の対応するスロットの頂端に配置されている。係止機構の係止要素26、32は、作動棒体64に働きかける戻しばね74によって、係止位置に向かって付勢される。
【0042】
カセットがカセット収容ベイ8の中へ挿入されると、カセットのベースが、それぞれの排出器要素24、28、30を押し下げる。これにより、今度は、それぞれの排出器の本体部分40が軸体52に沿って下向きに動かされ、ばね50を引き伸ばす。本体部分40が下向きに動くにつれ、ラック部分44が緩衝器54のピニオン56と噛み合ってゆく。その結果、緩衝器54のピニオン56は、カセットが挿入されてゆくと回転し、カセットをカセット収容ベイ8に挿入するユーザーによってカセットに加えられる力への抵抗を提供する。ラック部分44と係合しているピニオン56によって提供される抵抗は、ユーザー
がカセットをカセット収容ベイ8に挿入するのに余分な力を必要とするほど大きいと、排出器機構の構成要素を傷つけかねないので、それほど大きくならないように選択されるのが望ましい。
【0043】
カセットがカセット収容ベイの中へ一杯まで挿入されると、係止要素26、32は、カセットの対応する部分と係合し、カセットを、排出器要素24、28、30がカセットのベースに働かせている力に抗してカセット収容ベイ8に保持する。より具体的には、第1係止要素26の突起34が、カセットの係止部材418と係合する。その結果、第1係止要素26の第1及び第2接触パッド302、304は、係止部材418の導電パッド429と接触する。係止部材418の導電パッド429は、係止要素が係止部材に係合したとき、第1パッドと第2パッドの間に導電接続部が作り出されるような寸法である。同様に、第2係止要素32の突起34は、カセットの係止部材416と係合する。その結果、第2係止要素32の第1及び第2接触パッド302、304は、係止部材416の導電パッド417と接触する。係止部材416の導電パッド417は、係止要素が係止部材に係合したときに、第1パッドと第2パッドの間に導電接続が作り出されるような寸法である。
【0044】
カセット検出回路構成310は、第1及び第2係止要素26、32とカセットの係止部材418、416の係合を、それぞれの係止要素26、32の第1接触パッド302と第2接触パッド304の間の、抵抗、電圧、又は電流を測定することによって、又は、測定値をアナログ又はデジタル測定値へ代入することによって、検出することができる。例えば、第1接触パッドに電圧が印加されると、電流が、カセットの係止部材418、416の各導電パッドを介して、第1接触パッド302と第2接触パッド304の間に流れる。従って、カセット検出回路構成は、電流の流れを検出することによって、第1及び第2係止要素26、32がカセットと正しく係合しているか否かを判定することができる。
【0045】
図21の(i)を参照して、カセットが正確に挿入され、第1係止要素26と第2係止要素32の両方が正しく係合されると、カセット検出回路構成は、カセットは正確に挿入されており、印字を開始してもよいと判定する。
図21の(ii)を参照して、例えば、カセットが非均一的な力で挿入された場合、係止要素の1つがカセットと正しく係合されないこともあり得る。この場合、第1及び第2接触パッド303、304はカセット係止部材416の導電パッドと接触していないので、第2係止要素32の第1接触パッド302と第2接触パッド304の間に電流は流れない。カセット検出回路構成は、第2係止要素32はカセットと正しく係合していないと判定することになる。
【0046】
カセット検出回路構成によって、係止要素26、32の1つ又はそれ以上がカセットと正しく係合していないと判定されると、ラベルプリンタ制御部(図示せず)は、ラベルプリンタを制御して印字を阻止することができる。更に、制御部は、液晶ディスプレイであってもよい表示手段(図示せず)を介して、ユーザーに、カセットが正しく挿入されていないことを通知してもよい。本実施形態では、カセット検出回路構成は、1つ又はそれ以上の係止要素26、32のどれがカセットと正しく係合していないのかを判定する働きをする。従って、制御部は、表示手段を介して、ユーザーに、どの(単数又は複数の)係止要素がカセットと係合していないのかについて通知することができ、更に、ユーザーに、カセットを正しく挿入するためにどの様な行動が必要であるかを通知することができる。例えば、制御部は、
図21の(ii)と同様の略図を表示手段に映し出して、カセットが正しく挿入されるためにはカセットのどちら側が押さえられなくてはならないかを指し示してもよい。例えば、プリンタが落とされて、突発的な衝撃を被った結果として、係止要素の1つ又はそれ以上がカセットから外れることが起こった場合にも、その様な表示(指示)が映し出されてもよい。カセットが装着された状態のラベルプリンタの輸送中に、係止要素の1つ又はそれ以上がカセットから外れることが起こった場合も、その様な表示が映し出されてもよい。
【0047】
ひとたびカセットが正確に挿入されると、カセット検出回路構成は、係止要素26、32とカセットの係合を検出し、制御部は、印字を開始させる。
印字後、ユーザーが排出ボタン29を押すことによって、カセットを排出させることができる。排出ボタン29が押されると、作動部82が下向きに動くことによって、角度の付けられているフランジ部85が作動棒体64の第1端65を押圧する。再び
図15を参照して、作動棒体82は、その回転中心76周りに(図面で見て)反時計回りの方向に回転させられる。その結果、第1係止要素26の連結部材66が、回転中心70周りを時計回りに回転し、それにより、第1係止要素26を非係止位置へ動かす。同時に、第2係止要素32の連結部材68は、回転中心72周りに反時計回りに回転し、それにより、第2係止要素32を非係止位置へ動かす。
【0048】
係止要素26、32が非係止位置に入ってしまえば、カセットは排出器要素24、28、30が働かせている力を受けて自由に動くことができる。排出器機構41の引張りコイルばね50が縮むと、排出器要素24、28、30は、カセット収容ベイ8の側壁12の、各自対応しているスリットをせり上がって、カセットをカセット収容ベイ8から押し出す。同時に、それぞれの排出機構41のラック部分44は、対応する緩衝器54のピニオン56と噛み合う。その結果、ラック部分44とピニオン56の係合によって、排出器要素24、28、30の上向きの動きへの抵抗が提供される。こうして、緩衝器54を採用することによって、引張りコイルばね50の力を受けた排出器要素の上向き方向の加速は小さくなる。カセットは、こうして、カセット収容ベイ8から徐々に排出される。緩衝器54のピニオン56によって提供される抵抗の度合いは、緩衝器取付部58に対してピニオンを潤滑するのに使用される油の粘度によって決まる。
【0049】
本発明の或る代わりの実施形態では、係止要素の1つにのみ、当該の特定の係止要素とカセットの係合を検出するための接触パッドが設けられていてもよい。この場合、ユーザーには、接触パッドが設けられている係止要素がカセットと正しく係合しているか否かが通知される。接触パッドが設けられている当該1つの係止要素は、カセットがテープ上に画像が形成される位置に隣接して正確に配置されていることが検出されるように、印字ヘッドに隣接して配置されているのが望ましい。別の実施形態では、ラベルプリンタには、カセットをカセット収容ベイ内に保持するための単一の係止要素のみが設けられている。この場合、単一の係止要素には、上で説明されている様にカセットの挿入を検出するための接触パッドを設けることができる。単一の係止機構は、印字ヘッドに隣接して配置されているのが望ましい。
【0050】
図22を参照して、本発明の更に別の実施形態では、第1係止要素26には、導電接続部306によってカセット検出回路構成310に接続されている単一の接触パッド302が設けられており、当該導電接続部は、無論、ワイヤなどの様な如何なる適した形式をとっていてもよい。同様に、第2係止要素32には、ワイヤ306などの様な導電接続部によってカセット検出回路構成310に接続されている単一の接触パッドが設けられている。この構成は、
図23から
図25に示されている型式のカセットの正確な挿入を検出するのに使用することができる。
【0051】
図23を参照すると、カセット400は、上で
図18に関連付けて説明されているカセットと、カセット係止部材416、418の導電パッド302がカセットの上面402に配置された連続する導電接続部420によって接続されている以外は同じである。この接続は、無論、如何なる適した形式をとることもでき、1つの実施形態では、金属トラックの形態をしている。接続の位置は一例であり、カセットのその他の単数又は複数の側面に設けられていてもよい。面上の接続の位置も一例であり、如何なる適した位置に設けられていてもよい。連続する導電接続部は、如何なる形式をとることもでき、カセットの表面上
の導電性の条片、テープ、又は塗料の形態とすることもできれば、導電性の接触パッド302同士の間の経路に従うより厚みのある導電部材とすることもできる。連続する導電接続部は、カセット内部の表面に沿って、又はカセットの中の構成要素としてなど、カセットの内部に配列されていてもよい。その結果、カセットがカセット収容ベイ8に正確に挿入されたとき、第1係止要素26の接触パッドは、係止部材418の導電パッドと接触し、第2係止要素32の接触パッドは、係止部材416の導電パッドと接触する。従って、カセット検出回路構成310は、カセットが第1係止要素26と第2係止要素32の両方によって正しく係合されたことを、例えば、導電接続部420を介して、第1係止要素26と第2係止要素32の接触パッドの間に流れる、抵抗、電圧、又は電流を測定することによって、又は当該測定値をアナログ又はデジタル測定値で置き換えることによって、検出することができる。
【0052】
図24と
図25は、
図19と
図20に示されているカセットに対応しているが、但し導電パッドの間をカセットの天板を横断して走る導電接続部420が加えられたカセットを示している。導電パッドは、導電接続部と一体に形成されていてもよい。
【0053】
図27から
図35を参照しながら、本発明の更なる実施形態を説明してゆく。簡潔にするために、これらの図のラベルプリンタ2’の類似部分については何れも、
図1と
図7に使用されているのと同じ参照番号にアポストロフィ(‘)を付けて言及してゆく。
【0054】
図27と
図28を参照すると、更なる実施形態のラベルプリンタ2’は、実質的には上述の通りの本体4’、カバー6’、及びカセット収容ベイ8’を備えている。カセット収容ベイ8’には、ここでも同様にプラテン14’と印字ヘッド16’が設けられている。インクリボン巻取スプロケット18’が、ここでもやはりベース10’からカセット収容ベイ8’の中へ延びている。
【0055】
上に説明されているものと同様の第1及び第2排出器要素24’、28’が、カセット収容ベイ8’の側壁に見えている。係止機構を作動させるために、作動器ボタン29’が、ここでも同様に本体4’の表面に設けられている。カセット600をプリンタ2’から排出するには、上で論じされている様に、ユーザーが排出器ボタン29’を押して作動させると、係止機構が解除される。排出器24’、28’は、カセット600を、プリンタ2’から容易に取り出せるように上向きに押す。排出器及び作動器ボタン29’の動作は、上に説明されている動作と同じであるので、簡潔にするため、ここではこれらの動作をこれ以上説明しない。
【0056】
係止機構(見えないが、動作は上に説明されている動作と同じ)の第1係止要素26’も見えている。係止機構の第2係止要素32’は、カセット収容ベイ8’の、第1係止要素26’とは反対側の側壁に配置されている。
【0057】
先に説明されている実施形態に関しては、係止要素26’、32’のそれぞれは、カセット収容ベイ8’の側面に設けられており、挿入されたカセット600と相互に作用するために、カセット収容ベイ8’の側壁12’の開口を通ってカセット収容ベイ8’の中へ途中まで延びている。それぞれの係止要素26’、32’は、突起34’と、カセット収容ベイ8’のベース10’から天板開口に向かう方向に延びる細長い要素36’と、を備えた本体37’を備えている。突起34’は、細長い要素36’の頂端にあり、カセット収容ベイ8’の中心部分に向かって、細長い要素36’の長手方向軸に実質的に垂直に延びている。カセット収容ベイ8’の側壁の1つは案内部分39’を有しており、係止要素32’の1つは、案内部分39’の開口に配置されている。
【0058】
図27から
図33及び
図35を参照して、カセット600がカセット収容ベイ8’に装着
されているとき、第1及び第2係止要素26’、32’は、係止位置にある。挿入時、カセット600は、係止要素26’、32’に接触する。係止要素26’、32’の突起34’は、カセット600と協働するための傾斜した上面を有しているので、カセット600がカセット収容ベイ8’の中へ挿入されてゆくと、係止要素26’、32’が、カセット600によって後方へ、係止位置から、側壁12’の対応する開口の中の非係止位置へ動かされる。カセット600が正確に装入されると、係止要素26’、32’は付勢されて係止位置に入って、カセット600の係止部材616、618と相互に作用することによって、カセット600が上向きの方向に動くことを防止するのであるが、それについては下に論じる。
【0059】
図33を参照すると、カセット600は、天板602と、ベース604と、側面A、B、C、及びDと、を有するハウジングを備えている。この実施形態では、カセット600は、上に説明されている様に、インクリボンと被印字テープを収納している。代わりの実施形態では、カセット600は、被印字テープのみを収納している。上に論じられている被印字テープの様々な形態は、この実施形態に等しく適用することができる。
【0060】
図33の(i)と
図33の(ii)の近景に示されている様に、カセット600の側面Aは、カセット600のベース604から天板602まで延びて案内を形成している凹部614を備えている。凹部614には、カセットのベース604及び天板602に平行な方向に凹部を横断して延びるリブの形態をしている係止部材616が設けられている。この係止部材616は、プリンタ2’の第2係止要素32’と協働するためのものである。
図33の(i)と
図33の(iii)の近景に示されている様に、カセットの側面Cは、プリンタ2’の第1係止要素26’と協働するための、カセット600の天板602の一部分の形態をしている別の係止部材618を備えている。
【0061】
ラベルカセットの凹部614と係止部材616は、プリンタ2’のカセット収容ベイ8’の相補的な案内及び係止用の構成と協働する組み合わされた案内及び係止用の構成を形成するように配列されている。
【0062】
係止部材616の上面には、電気伝導性の接触パッド617の第1接触面617aが設けられている。接触パッド617は、円筒形棒体の導電領域を備え、第1接触面617aは棒体の頂端面に備えられている。棒体は、カセットハウジングの中へ埋まっていて、カセット600の側面Aに沿ってカセット600の天板602に垂直な方向に延びている。カセットの側面Aは更に、電気伝導性の接触パッド617の第2接触面617bを含んでいる。第2接触面617bは、棒体の細長い側面を備え、第1接触面617aに実質的に垂直に走っている。
【0063】
同様に、カセット600の天板602の、係止部材618を形成している部分には、電気伝導性の接触パッド619の第1接触面619aが設けられている。接触パッド619も、円筒形棒体の導電領域を備えており、第1接触面619aが棒体の頂端面に備えられている。棒体は、カセットハウジングの中へ埋まっていて、カセット600の側面Cに沿ってカセット600の天板602に垂直な方向に延びている。カセットの側面Cはまた、電気伝導性の接触パッド619の第2接触面619bを含んでいる。第2接触面619bは、棒体の細長い表面を備え、第1接触面619aに実質的に垂直に走っている。
【0064】
この実施形態では、接触パッド617、619は、円形断面を有する棒体の端面と曲線状の外面を備えていることが示されているが、他の実施形態では、棒体は、方形又は矩形断面の様な異なる断面のブロックで置き換えられてもよい。よって、第2接触面617b、619bは、各ブロックの平坦な外面を備えることになる。
【0065】
他の実施形態では、棒体の接触面617a、619a、617b、619bのみが露出し、面と面の間の導電経路は、カセットハウジングに包まれていてもよい。更に別の実施形態では、棒体は、カセット600の側面A、Cの中へ部分的又は完全に埋まっているのではなくて、側面A及びC上に取り付けられていてもよい。
【0066】
他の実施形態では、接触パッド617、619は、カセット600の表面に塗布されるか又は表面へ固められている薄層(膜、塗料、又はテープ)を備えていてもよい。その場合、接触面617a、619a、617b、619bは、それぞれ、当該薄層の一部分を備えている。
【0067】
図34の破断図を参照しながら、この更なる実施形態の第1係止要素26’を説明してゆく。第1係止要素26’は、カセット検出部を備えている。カセット検出部は、第1及び第2接触パッド702、704を備えており、それらは、第1係止要素26’の本体37’から突き出ている各第1及び第2導電部材703、705の導電部分を備えている。部材703、705は、第1係止部材26’の細長い要素36’の突起34’が突き出ている側から、当該細長い要素36’の当該突起34’が突き出ている側と反対の側まで、当該第1係止要素26’を貫通している金属条片を備えている。第1及び第2接触パッド702、704は、細長い要素36’の、突起34’が突き出ている側に設置されている。
【0068】
第1接触パッド702は、第1係止要素26’の突起34’の下面(カセットに係合する面)に隣接して位置しており、この実施形態では、第1導電部材703の端の屈曲部分を備えている。第2接触パッド704は、第1係止要素26’の突起34’の下面から垂直に延びる細長い要素36’の表面に隣接して位置している。この実施形態では、第2接触パッド704は、第2導電部材705の端の屈曲部分を備えている。
【0069】
第1及び第2導電部材703、705は、ワイヤ、導電パッド、導電性材料などの様な各第1及び第2導電接続部706、708によって、カセット検出回路構成710に接続されている。第1導電接続部706は、その二端のうち一方が第1導電部材703の接続点701に接続されており、その他端がカセット検出回路構成710に接続されている。第2導電接続部708は、同様に、第2導電部材705の接続点709に接続されており、その他端がカセット検出回路構成710に接続されている。上述の様に、導電接続部は、ワイヤであってもよいし、如何なる他の適した導電構成であってもよい。
【0070】
本発明の現在の実施形態では、第2係止要素32’には、同様に、第1及び第2接触パッド702、704が設けられており、それらは、第1及び第2導電接続部706、708それぞれを介して、カセット検出回路構成710に接続されている。
【0071】
図29、
図31、
図32、及び
図25は、
図34の第1及び第2係止要素26、32によってカセット収容ベイ8’に係止されている
図33のカセット600を詳細に示している。これらの図から分かる様に、カセット600が収容ベイ8’に正確に挿入されたとき、係止要素26’、32’は、カセット600の対応する係止部材618、616と係合する。
【0072】
より具体的には、第1係止要素26’の突起34’は、カセット600の係止部材618と係合する。その結果、第1係止要素26’の第1接触パッド702は、係止部材618の接触パッド619の第1接触面619aと接触し、第1係止要素26’の第2接触パッド704は、係止部材618の接触パッド619の第2接触面619bと接触する。係止部材618の第1及び第2接触面619a、619bは、それぞれ、第1係止要素26’が係止部材618に係合したとき、第1係止要素26’の第1接触パッド702と第2接触パッド704の間の導電接続が接触パッド619を介して作り出されるような寸法であ
る。
【0073】
同様に、第2係止要素32’の突起34’は、カセット600の係止部材616と係合する。その結果、第2係止要素32’の第1接触パッド702は、係止部材616の接触パッド617の第1接触面617aと接触し、第2係止要素32’の第2接触パッド704は、係止部材616の接触パッド617の第2接触面617bと接触する。係止部材616の第1及び第2接触面617a、617bは、それぞれ、第2係止要素32’が係止部材616に係合したとき、第2係止要素32’の第1接触パッド702と第2接触パッド704の間の導電接続が接触パッド617を介して作り出されるような寸法である。
【0074】
接触パッド702、704は、それぞれが配列されている係止要素26’、32’の本体37’から離れるように付勢される。接触パッド702に、実質的に突起34’の下面に向かう方向に加えられている力が取り除かれると、接触パッド702は、本体37’の突起34’の下面から離れて静止位置へ跳ね戻る。同様に、接触パッド704に、実質的に細長い要素36’に向かう方向(即ち、前記下面に向かう前記方向に実質的に垂直)に加えられている力が取り除かれると、接触パッド704は、本体37’の細長い要素36’から離れてその静止位置へ跳ね戻る。
【0075】
これを説明すると、
図34では、接触パッド702、704にはその様な力が加えられておらず、よって、接触パッド702、704は、各自の静止位置にある。
図35の破断図では、カセット600がプリンタ2’に正確に装着されたときに、プリンタ2’の接触パッド702、704が、カセット600の接触パッド617、619の一方又は他方と接触していることが示されている。カセット600がプリンタ2’に正確に装着されているとき、接触パッド617、619と接触パッド702、704の間には干渉嵌合が存在し、よって、係止要素26’、32’の接触パッド702、704は、それらの静止位置から離される。係止要素26’、32’の接触パッド702、704がそれらの静止位置へ付勢されると、それらとカセット600の接触パッド617、619の間に良好な接触(ひいては良好な電気接続)が作られる。
【0076】
図29、
図31、及び
図32では、係止要素26’、32’の接触パッド704は、接触パッド617、619の第2接触面617b、619bに切り込んでいることが示されているが、当業者には、接触パッド704は、実際にはカセット600に接触させられると撓むことが理解されるであろう。
図35は、係止要素26’、32’とカセット600の間の実際の界面の更に的確な描画を提供している。
【0077】
この実施形態では、接触パッド702、704の各静止位置に向けたこの付勢は、導電部材703、704を形成している材料の固有の弾性によって提供されている。他の実施形態では、接触パッド702、704の一方又は両方は、屈曲していなくてもよいし、接触パッド702、704の一方又は両方は、一部分が、導電部材703、705の端と端の間にあってもよい。他の実施形態では、接触パッド702、704を係止要素26’、32’の本体37’から離れるように付勢するための他の手段が、代わりに設けられていてもよい。例えば、接触パッド702、704は、係止要素26’、32’に取り付けられている各ベースに備え付けられた各ピンの端であってもよい。接触パッド702、704とベースの間にはコイルばねの様なばねによって付勢が提供されていてもよい。接触パッド702、704を係止要素26’、32’の本体37’から離すように付勢するための他の代わりの方法は、当業者には明らかであろう。
【0078】
カセット検出回路構成710は、カセット検出回路構成310について上に説明されている様に作動してもよい。例えば、係止要素26’、32’の一方の第1接触パッド702に電圧が印加されれば、電流が、当該係止要素の第1接触パッド702と第2接触パッド
704の間に、カセット600の導電性の各接触パッド617、619の一方を介して流れることになる。その結果、カセット検出回路構成710は、電流の流れを検出することによって、第1及び第2係止要素26’、32’がカセット600と正しく係合しているか否かを判定することができる。
【0079】
図21の(i)と
図21の(ii)に関して上で論じられていることは、接触パッド702、704が接触パッド302、304に取って代わり、カセット600がカセット400に取って代わり、カセット検出回路構成710がカセット検出回路構成310に取って代わっている、
図27から
図35のこの別の実施形態にも適用することができる。よって、カセット検出回路構成710は、係止要素26’、32’がカセット600と係合しているかを検出し(ひいては、カセット600が正確に挿入されているかを判定し)て印字を開始させるか、又は係止要素26’、32’の一方又は両方がカセット600と正しく係合していないかを検出することができる。後者の場合、印字が阻止されてもよいし、幾つかの実施形態では、制御部が、ユーザーに、ディスプレイ手段(液晶ディスプレイであってもよい)を介して、カセット600が正しく挿入されていないことを通知してもよい。
【0080】
カセット検出回路構成710は、係止要素26’、32’のどれがカセット600と正しく係合していないかを判定する働きをする。従って、制御部は、ユーザーに、ディスプレイ手段を介して、どの(単数又は複数の)係止要素がカセット600と係合していないかについて通知してもよいし、更に、ユーザーに、カセットを正確に挿入するためにどの様な行動が必要であるかについて通知してもよい。例えば、制御部は、ディスプレイ手段に、
図21の(ii)と同様の略図を映し出して、カセット600が正しく挿入されるためには、カセット600のどちら側が押さえられなくてはならないかを指し示してもよい。
【0081】
本発明の別の代わりの実施形態では、
図27から
図33に示されている係止要素26、32の一方にのみ、当該の特定の係止要素とカセット600の係合を検出するための接触パッド702、704が設けられていてもよい。この場合、ユーザーには、接触パッド702、704が設けられている係止要素がカセット600と正しく係合しているか否かを通知することができる。接触パッド702、704が設けられている当該の一方の係止要素は、カセット600が画像がテープ上に形成される位置に隣接して正確に配置されているか否かが判定されるように、印字ヘッド16’に隣接して配置させることができる。
【0082】
更に別の実施形態では、ラベルプリンタ2には、カセット600をカセット収容ベイ8’に保持するための単一の係止要素のみが設けられている。この場合には、単一の係止要素に、上で
図27から
図35に関連付けて説明されているカセット600の挿入を検出するための接触パッド702、704を設けることができる。単一の係止要素は、印字ヘッド16’に隣接して配置することができる。
【0083】
更に別の実施形態では、プリンタは、2つの接触パッド702、704のうちただ一方のみが設けられている第1係止要素26’を含んでおり、当該接触パッドは、第1及び第2導電接続部706、708の各一方の接続によってカセット検出回路構成に接続されている。同様に、プリンタは、2つの接触パッド702、704のうちただ一方のみが設けられている第2係止要素32’を含んでおり、当該接触パッドは、第1及び第2導電接続部706、708の各もう一方の接続によってカセット検出回路構成に接続されている。
【0084】
その様なプリンタに使用するためのカセットは、
図33に最も分かり易く示されているカセットと、接触パッド617がパッド617と619の間の経路に従う連続する導電接続によって接触パッド619に接続されていること以外は同じ全体形式をとることができる。その様な連続する導電接続は、如何なる形式をとることもでき、カセットの表面上の導
電性の条片、テープ、又は塗料の形態とすることもできるし、導電性の接触パッド617と619の間の経路に従うより厚みのある導電部材とすることもできる。連続する導電接続は、例えばカセットの内部の表面に沿って、又はカセットの中の構成要素としてなど、カセットの内部に配列されていてもよい。連続する導電接続部は、上に論じられている金属トラック420と同様であってもよい。連続する導電接続部は、接触パッド617、619の一方又は両方と一体形成されていてもよいし、別に製造された構成要素であってもよい。カセットがカセット収容ベイに正確に挿入されていれば、第1係止要素26’の接触パッドは接触パッド619と接触することになり、第2係止要素32’の接触パッドは接触パッド617と接触することになる。従って、カセット検出回路構成は、カセットが第1係止要素26’と第2係止要素32’の両方によって正しく係合されたことを、例えば、カセットの連続する導電接続部を介して、第1係止要素26’と第2係止要素32’の接触パッドの間を流れる、抵抗、電圧、又は電流を測定することによって、又は当該測定値をアナログ又はデジタル測定値で置き換えることによって、検出することができる。
【0085】
本発明の代わりの実施形態では、カセット検出手段310、710は、係止要素がカセットと正しく係合しているか否かに加え、カセット収容ベイの中へ挿入されたカセットに関して特徴を判定する働きをしていてもよい。例えば、それぞれの異なる型式のカセットに異なる電気抵抗を有する導電性の接触パッドを設ければ、制御部が、カセット検出回路構成によって検出される電流/抵抗の大きさに基づいてカセット同士を見分けることが可能となる。これは、金属トラック420の形態の導電接続部が設けられているカセットの場合には、抵抗を変えるために、異なる型式のカセットに異なる幅の金属トラック420を設けることによって実現させることができる。
【0086】
当業者には、本発明の教示を、固定された印字ヘッドと可動プラテンを有するプリンタに等しく適用することができることが理解されるであろう。同様に、当業者には本発明の教示を、受像媒体が連続するテープであるラベルプリンタ、及び受像媒体が連続する裏当て層上に配列されている複数のダイ・カット・ラベルであるラベルプリンタにも等しく適用することができることが理解されるであろう。
【0087】
更に代わりの実施形態では、
図26に示されている様に、印字ヘッド支持部500には、少なくとも1つの係止要素が設けられている。第1対の係止要素502は第1の高さに配列されており、第2対の係止要素504は第2の高さに配列され、第3の係止要素506は第3の高さに配列されている。第1の高さは第2の高さより大きく、第2の高さは第3の高さより大きい。これらの係止要素の1つ又はそれ以上が設けられていてもよい。係止要素502、504、及び506のそれぞれは、異なる幅のカセットが正確な位置に係止されるように配置されている。
【0088】
更に別の代わりの実施形態では、係止要素は、カセット上のリブ又は同様の突起に係合するように配列されている。これは、カセットの側壁又は何れかの他の適した表面に設けられていてもよい。同様の電気接触構成を、その様な実施形態と共に使用することもできる。
【0089】
以上、本発明を、好適な実施形態を参照しながら具体的に示し、説明してきたが、当業者には、付随の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲から逸脱することなく、形態及び詳細事項の様々な変更がなされてもよいことが理解されるであろう。
以下は、出願当初の請求項の記載である。
(請求項1)カセットを収容するようにされているカセット収容ベイであって、ベースと、前記ベースと反対側の開口と、前記ベースと前記開口の間に延びる側壁と、を有しているカセット収容ベイと、
前記カセット収容ベイの中へ挿入されたカセットと係合するための係止位置を有する少なくとも1つの係止要素を備えているカセット係止機構と、
前記少なくとも1つの係止要素が前記カセット収容ベイの中へ挿入されたカセットと係合しているか否かを判定する働きをするカセット検出手段と、を備えている、ラベル印字装置。
(請求項2)前記カセット検出手段によって、前記少なくとも1つの係止要素が前記カセットと係合していないということが判定されたことに応えて、印字ヘッドによる印字動作を阻止するように構成されている制御手段を備えている、請求項1に記載の装置。
(請求項3)前記少なくとも1つの係止要素は、第1係止要素と第2係止要素を備えている、請求項1又は2に記載の装置。
(請求項4)前記カセット検出手段は、更に、前記第1係止要素と前記第2係止要素のどちらが、前記カセット収容ベイの中へ挿入されたカセットと係合しているか、を判定する働きをする、請求項3に記載の装置。
(請求項5)前記少なくとも1つの係止要素が前記カセット収容ベイの中へ挿入されたカセットと係合しているか否かについて、前記カセット検出手段からの出力に基づいて、ユーザーに通告するための通告手段を備えている、請求項1〜4の何れか一項に記載の装置。
(請求項6)前記通告手段は液晶ディスプレイを備えている、請求項5に記載の装置。
(請求項7)前記通告手段は、前記第1係止要素と前記第2係止要素のどちらがカセットと係合しているかについてユーザーに通告するように構成されている、請求項4に従属する請求項5又は6に記載の装置。
(請求項8)前記通告手段は、前記ユーザーに、前記カセットの正しい挿入を実現するのに必要な行動の表示を提供する、請求項5、6、又は7に記載の装置。
(請求項9)前記少なくとも1つの係止要素は、前記カセット収容ベイの中へ延びるように構成されていて、前記係止位置と、前記少なくとも1つの係止要素が前記カセット収容ベイから後退している非係止位置の間を可動である、請求項1〜8の何れか一項に記載の装置。
(請求項10)前記第1係止要素は、前記カセット収容ベイの側壁を貫いて延びるように構成されており、前記第2係止要素は、前記第1係止要素のそれとは異なる側壁を貫いて延びるように構成されている、請求項3〜9の何れか一項に記載の装置。
(請求項11)前記カセット検出手段は、前記少なくとも1つの係止要素上の離間された位置に配置されている第1導電パッドと第2導電パッドを備えている、請求項1〜10の何れか一項に記載の装置。
(請求項12)前記少なくとも1つの係止要素は、前記カセット収容ベイの中へ挿入されたカセットと係合するための突起を備えており、前記第1導電パッドと前記第2導電パッドは、前記突起上の離間された位置に配置されている、請求項11に記載の装置。
(請求項13)前記第1導電パッドと前記第2導電パッドの少なくとも一方は、前記少なくとも1つの係止要素の本体から離れるように付勢される、請求項11に記載の装置。
(請求項14)前記第1導電パッドは、前記本体から第1の方向に離れるように付勢され、前記第2導電パッドは、前記本体から第2の方向に離れるように付勢される、請求項13に記載の装置。
(請求項15)前記第1の方向は、前記第2の方向に実質的に垂直である、請求項15に記載の装置。
(請求項16)前記カセット検出手段は、前記第1導電パッドと前記第2導電パッドに接続されていて、前記少なくとも1つの係止要素が前記カセット収容ベイの中へ挿入されたカセットと係合しているか否かを、前記各パッドの間に生じる電気信号に基づいて判定するように構成されている、カセット検出回路を備えている、請求項11に記載の装置。
(請求項17)電気信号は、抵抗、電流、及び電圧のうち少なくとも1つからなる、請求項16に記載の装置。
(請求項18)前記プリンタに正確に挿入された場合に、テーププリンタの協働する係止要素と係合するための少なくとも1つの係止部分を備えているカセットであって、前記係止部分が導電領域を備えている、カセット。
(請求項19)それぞれが導電領域を有する2つの係止部分を備えている、請求項18に記載のカセット。
(請求項20)一方の導電領域から他方の導電領域までの導電経路を作るのに前記各導電領域の間に延びている導電接続部を更に備えている、請求項19に記載のカセット。
(請求項21)前記導電接続部は、前記カセットの少なくとも1つのパラメータの表示を与えるように構成されている、請求項20に記載のカセット。
(請求項22)前記導電接続部は導電トラックを備えている、請求項20又は21に記載のカセット。
(請求項23)前記導電領域は、前記カセット上の或る場所に配置されているブロックを備えている、請求項18〜22の何れか一項に記載のカセット。
(請求項24)前記導電領域は、第1接触面と第2接触面を備えており、前記第1接触面は前記第2接触面に実質的に垂直に配置されている、請求項18〜23の何れか一項に記載のカセット。
(請求項25)前記第1接触面と前記第2接触面のうち一方は前記ブロックの端面に備えられており、他方は前記ブロックの側面に備えられている、請求項23に従属する請求項24に記載のカセット。
(請求項26)前記ブロックは、円形断面を有するシリンダを備えている、請求項23〜25の何れか一項に記載のカセット。
(請求項27)前記導電領域は、前記カセットの少なくとも1つのパラメータの表示を与えるように構成されている、請求項18〜26の何れか一項に記載のカセット。
(請求項28)前記少なくとも1つの係止部分は、凹部領域を備えている、請求項18〜27の何れか一項に記載のカセット。
(請求項29)ハウジングと導電接続部を備えているカセットであって、前記導電接続部が、前記ハウジングの第1領域と第2領域の間に接続を作っている、カセット。
(請求項30)前記導電接続部は、前記ハウジングの少なくとも1つの面の少なくとも一部に沿って延びている、請求項29に記載のカセット。
(請求項31)前記導電接続部は、前記ハウジングの天面に沿って延びている、請求項30に記載のカセット。
(請求項32)前記第1領域と前記第2領域は、前記カセットがラベルプリンタに正確に挿入された場合に、前記ラベルプリンタの少なくとも1つの係止要素と係合するように構成されている、請求項29〜31の何れか一項に記載のカセット。
(請求項33)前記第1領域と前記第2領域は、前記ハウジングの実質的に互いに反対側の側面に配置されている、請求項29〜32の何れか一項に記載のカセット。
(請求項34)請求項18〜33の何れか一項に記載のカセットと組み合わされている、請求項1〜17の何れか一項に記載のラベル印字装置。