(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
遊技者が操作可能なボタンと、初期位置と演出位置との間で作動する遊技部材とが備えられているとともに、前記ボタンの操作を検出する操作検出部と、前記遊技部材を前記演出位置側へ作動させるか否かを抽選する作動抽選部と、前記遊技部材の作動を制御する作動制御部とを有する制御手段が備えられた遊技機であって、
前記制御手段は、特定の期間に前記ボタンが操作されると、当該操作中に前記ボタンが操作されていることを繰り返し検出可能であるとともに、前記ボタンの操作が検出される度に前記抽選を実行し、前記抽選の結果に応じて前記遊技部材を前記演出位置側へ作動させる一方、
前記遊技部材に発光部材が内蔵されており、
前記制御手段は、少なくとも前記演出位置において、前記発光部材を発光させることを特徴とする遊技機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、初期位置(たとえば退避位置)と演出位置(たとえば露出位置)との間を移動するような遊技部材を備えた遊技機では、種々の問題を抱えている。
【0005】
そこで、本発明は、従来抱えている問題の解決を図った遊技機を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、遊技者が操作可能なボタンと、初期位置と演出位置との間で作動する遊技部材とが備えられているとともに、前記ボタンの操作を検出する操作検出部と、前記遊技部材を前記演出位置側へ作動させるか否かを抽選する作動抽選部と、前記遊技部材の作動を制御する作動制御部とを有する制御手段が備えられた遊技機であって、前記制御手段は、特定の期間に前記ボタンが操作されると、当該操作中に前記ボタンが操作されていることを繰り返し検出可能であるとともに、前記ボタンの操作
が検出
される度に前記抽選を実行し、前記抽選の結果に応じて前記遊技部材を前記演出位置側へ作動させる一方、前記遊技部材に発光部材が内蔵されており、前記制御手段は、少なくとも前記演出位置において、前記発光部材を発光させることを特徴とする。
【0007】
なお、上記発明において、前記初期位置を他の部材の後方に隠れる退避位置とするとともに、前記他の部材で、前記退避位置にある前記電動役物の前方となる位置に透光部を設け、前記制御装置は、前記電動役物が前記退避位置にある場合にも前記発光部材を発光させることにより、前記透光部を光らせるといった第1の構成を採用することも可能である。
そして、そのような第1の構成を採用し、他の部材で、退避位置にある電動役物の前方となる位置に透光部を設け、遊技部材が退避位置にある場合にも発光部材を発光させることにより、遊技部材が、透光部を光らせるため電飾部材としても機能する。したがって、透光部を光らせる別途電飾部材を備える必要のない合理的な構成とすることができ、部材点数を削減することができるという効果がある。
【0008】
また、上記第1の構成を採用したものにおいて、図柄を表示可能な図柄表示部と、遊技球が入賞可能な図柄始動口と、遊技球が入賞可能な入賞部材とを備えており、前記遊技球の前記図柄始動口への入賞によって、大当たり抽選を実行するとともに前記図柄の変動時間を決定して前記図柄の変動を開始し、前記変動時間が経過すると、前記大当たり抽選の結果に応じて所定の確定図柄を表示した後、前記大当たり抽選の結果が大当たりである場合にのみ前記入賞部材を断続的に開成させる大当たり状態を生起させた遊技機とし、遊技球が上面を左右へ転動可能なステージと、遊技球を前記ステージ上へ導くワープ通路とを備えたセンター部材を、前記図柄表示部を囲むように設け、前記ワープ通路の少なくとも一部を前記透光部とするとともに、前記ステージの下方に前記図柄始動口を設ける一方、前記センター部材に、前記ワープ通路の後方が前記退避位置となるように前記電動役物を備えており、前記制御装置は、前記電動役物が前記退避位置にある場合にも前記発光部材を発光させることにより、前記ワープ通路の少なくとも一部を光らせるといった第2の構成を採用することも可能である。
そして、そのような第2の構成を採用し、ワープ通路の透光部を光らせることで、遊技者にワープ通路の位置をアピールすることができるといった効果がある。さらに、ワープ通路を遊技球が通過する度に、該遊技球によって発光部材の光が遮られるため、遊技者にしてみるとワープ通路が点滅しているかのように見え、遊技球がワープ通路を通過してステージ上へ導かれたこと、すなわちステージの下方にある図柄始動口への入賞の期待が高まるステージ上へ遊技球が導かれていることを遊技者にアピールすることができるといった効果もある。
【0009】
さらに、上記発明や上記第1の構成又は第2の構成を採用したものにおいて、前記発光部材がフルカラーで発光可能なLEDであり、前記制御装置は、前記電動役物が前記退避位置にある場合と前記演出位置にある場合とで、前記発光部材を異なる色で発光させるといった第3の構成を採用することも可能である。
そして、そのような第3の構成を採用することにより、電動役物が退避位置にある場合と演出位置にある場合とで、発光部材を異なる色で発光させることができ、発光部材による発光演出を多様化することができるといった効果がある。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、特定の期間にボタンが操作されると、当該操作中にボタンが操作されていることが繰り返し検出されるとともに、ボタンの操作
が検出
される度に抽選が実行され、抽選の結果に応じて遊技部材が演出位置側へ作動する。つまり、押しボタンのいわゆる長押し操作に応じて遊技部材を演出位置側へ作動させるという従来にない斬新な演出を行うことができ、趣向性の高い遊技機を遊技者に提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態となるパチンコ機について、図面にもとづき詳細に説明する。
【0013】
(パチンコ機の全体的な説明)
図1は、パチンコ機1を前面側から示した説明図である。また、
図2は、遊技盤2を前面側から示した説明図である。さらに、
図3は、パチンコ機1を後面側から示した説明図である。
パチンコ機1は、遊技盤2の前面に形成された遊技領域16内へ遊技球を打ち込み、遊技領域16内を流下させて遊技するものであって、遊技盤2は、支持体として機能する機枠3の前面上部に、金属製のフレーム部材であるミドル枠5を介して設置されている。また、遊技盤2の前方には、ガラス板を嵌め込み設置してなる前扉4が、左端縁を軸として片開き可能に機枠3に蝶着されており、該前扉4によって閉塞される遊技盤2の前方空間が遊技領域16とされている。
【0014】
当該遊技領域16は、遊技盤2の前面に円弧状に配設された外レール23及び内レール24等によって囲まれており、遊技領域16に左部における両レール23、24間が遊技球を遊技領域16内へ打ち込むための発射通路13とされている。また、遊技領域16の略中央には、「0」〜「9」の数字や絵柄等からなる図柄を表示するための図柄表示部6が設けられている。さらに、図柄表示部6を囲むようにセンター部材26が遊技盤2に設置されており、該センター部材26には、図柄表示部6における演出等に関連して後述の如く作動する電動役物35(
図4に示す)、及び電動役物35とは別個に独立して作動する種々の遊技役物27、27・・が取り付けられている。加えて、遊技領域16には、一対の爪片を開閉動作可能に備えたチューリップ式電動役物17、開閉可能な扉部材を有する大入賞装置18、遊技球が通過可能なゲート部材19や多数の遊技釘等が設置されている。
【0015】
また、機枠3の前面側であって上記遊技盤2の下方には、遊技球を発射装置10へ供給するための供給皿7、及び供給皿7から溢れた遊技球を貯留するための貯留皿8が取り付けられており、供給皿7は前扉4の開放に伴い、貯留皿8はミドル枠5の開放に伴い夫々機枠3に対して片開き可能となっている。さらに、貯留皿8の右側には、発射装置10を作動させるためのハンドル9が回動操作可能に設置されている。加えて、供給皿7の前方には、遊技者が任意に押し込み操作可能な押しボタン25が設けられている。
さらに、前扉4の上部には、効果音や各種メッセージ等を報音する一対のスピーカ14、14が設けられており、前扉4の側部には、パチンコ機1の遊技状態等に応じて点灯・点滅する複数のLEDを備えた電飾部材15、15が設けられている。
【0016】
一方、機枠3の後面側には、供給皿7へ貸球や賞品球として払い出される遊技球を貯留するための貯留タンク11、当該貯留タンク11と連結された払出装置12、払出装置12における払い出し動作を制御する払出制御装置28、及び各制御基板や装置・部材に電源電圧を供給するための電源装置29等が設置されている。また、21は、合成樹脂製のカバー状に形成されたセンターカバーであって、当該センターカバー21の内部には、図柄表示部6に図柄を表示させるための液晶表示装置、遊技に係る主たる制御(たとえば、所謂「大当たり抽選」等)を実行するためのメイン制御装置20(
図7に示す)、図柄表示部6における表示動作等を制御する表示制御装置30、電飾部材15の点灯/点滅動作等を制御する発光制御装置33(
図7に示す)、スピーカ14からの報音動作を制御する音制御装置34、及び払出装置12や表示制御装置30、発光制御装置33、音制御装置34等の動作を統合的に制御するとともに、後述の如くして押しボタン25の長押し操作に伴う電動役物35の作動を制御するサブ制御装置22(
図7に示す)等が設置されている。尚、31は、パチンコ機1をトランスに接続するためのプラグであり、32は、アースである。
【0017】
以上のようなパチンコ機1では、遊技者によってハンドル9が回動操作されると、発射装置10が作動して遊技球が遊技領域16内へ打ち込まれる。そして、遊技領域16内を流下する遊技球がチューリップ式電動役物17へ入賞すると、メイン制御装置20にて「大当たり抽選」を行う。該「大当たり抽選」は、乱数から1つの数値を取得する態様で行われ、取得した数値に応じて、「大当たり」であるか「外れ」であるかを決定するとともに、図柄の変動時間を決定する。そして、「大当たり抽選」の結果、「大当たり」である場合には、決定した変動時間だけ図柄を変動表示させた後、図柄表示部6に所定の「大当たり図柄」(たとえば、「7、7、7」等)を確定表示させる。そして、大入賞装置18の扉部材を所定回数にわたって断続的に開成させるといった所謂「大当たり状態」を生起させる。一方、「大当たり抽選」の結果、「外れ」である場合には、決定した変動時間だけ図柄を変動表示させた後、図柄表示部6に「外れ図柄」(たとえば、「1、2、1」等)を確定表示させる。また、図柄を変動開始してから確定表示するまでの間(たとえばリーチ演出中等)において、サブ制御装置22による制御のもと、図柄表示部6において押しボタン25の長押し操作を遊技者に促すとともに、該長押し操作に応じて後述の如く電動役物35を作動させ、遊技者に「大当たり状態」生起の期待感を抱かせる。
【0018】
(電動役物の構造、及び電動役物の作動を制御する制御機構の説明)
電動役物35は、上述したようにセンター部材26に設けられている。そこで、まずセンター部材26について説明すると、センター部材26は、種々の部材を四角環状に組み付けてなるもので、中央には図柄表示部6を露出させるための大開口が形成されている。該センター部材26の下部には、その上面を遊技球が左右に転動可能としたステージ36が設けられており、センター部材26の左側部には、遊技領域16を流下する遊技球をステージ36上へ導くためのワープ通路37が設けられている。そして、ワープ通路37の後方に、電動役物35が設置されている。尚、ワープ通路37は、透光性を有する合成樹脂により成形されている。また、ステージ36の下方に、チューリップ式電動役物17が設置されており、ステージ36上に導かれた遊技球は比較的高い確率でチューリップ式電動役物17へ入賞するようになっている。
【0019】
次に、上記電動役物35について、
図4〜
図6をもとに説明する。
図4は、電動役物35が退避位置Xにある状態を示したセンター部材26の一部拡大説明図であり、
図5及び
図6は、電動役物35が演出位置Y、Zにある状態を示したセンター部材26の一部拡大説明図である。
電動役物35は、先端部35aが矢印状に形成された棒状体であって、基端部を軸として遊技盤2に平行な面内(略鉛直面内)で回動可能に取り付けられている。また、電動役物35内には、先端部35a内を含め、フルカラーで発光可能な複数のLED38、38・・が設置されている。そして、該電動役物35は、
図4に示すように先端部35aが下方へ向いた姿勢となり電動役物35全体がセンター部材35の後方に隠れる退避位置Xと、
図5や
図6に示すように回動することによって先端部35aが図柄表示部6の前方へ進出する演出位置Y、Zとの間で回動可能に軸着されている。なお、退避位置Xにおいては、先端部35aがワープ通路37の後方に位置している。
【0020】
一方、電動役物35を作動させるための制御機構について
図7をもとに説明する。
図7は、パチンコ機1の制御機構を示したブロック図である。
メイン制御装置20には、大当たり抽選の実行とともに下記部材の動作を制御するメインCPU41、ROMやRAM等といった記憶手段42、タイマ43、及びインターフェイス44等が搭載されたメイン制御基板40が内蔵されている。そして、該メイン制御基板40は、インターフェイス44を介して、チューリップ式電動役物17や大入賞装置18、ゲート部材19、払出制御装置28、電源装置29等と接続されている。また、メイン制御基板40は、サブ制御装置22内に内蔵されたサブ統合基板45とも接続されている。
【0021】
サブ統合基板45は、サブ統合CPU46、記憶手段47、インターフェイス48、タイマ49等を備えている。該サブ統合基板45には、インターフェイス48を介して、メイン制御基板40が接続されているとともに、表示制御装置30、発光制御装置33、及び音制御装置34が接続されており、メイン制御基板40から大当たり抽選に係る信号を受信すると、その信号の内容に応じてスピーカ14や電飾部材15の動作、図柄表示部6における表示動作を制御するようになっている。また、サブ統合基板45には、インターフェイス48を介して、押しボタン25及び電動役物35が接続されており、サブ統合CPU46には、押しボタン25の操作を検出するオン/オフ検出部51、押しボタン25の操作に応じて電動役物35を作動させるか否かを決定するための作動抽選部50、及び電動役物35の位置(回動角度)を検知する位置検知部52が備えられている。
【0022】
(電動役物の作動内容)
パチンコ機1では、たとえば遊技球が遊技領域16内へ打ち込まれていない所謂デモ時や、後述するような押しボタン25を利用した演出時以外の時に、サブ制御装置22による制御のもと、退避位置Xにある電動役物35のLED38、38・・を白色で点灯(発光)させており、ワープ通路37を光らせる電飾部材として電動役物35を機能させている。したがって、特に先端部35aに内蔵されたLED38がワープ通路37を光らせることになり、遊技者にワープ通路37の位置をアピールすることができる。また、ワープ通路37を遊技球が通過する度に、該遊技球によってLED38の光が遮られるため、遊技者にしてみるとワープ通路37が点滅しているかのように見え、遊技球がワープ通路37を通過してステージ36上へ導かれたこと、すなわちチューリップ式電動役物17への入賞の期待が高まるステージ36上へ遊技球が導かれていることを遊技者にアピールすることができる。
【0023】
また、パチンコ機1では、遊技球のチューリップ式電動役物17への入賞を契機として実行する大当たり抽選において「大当たり」又は「外れ」となった際に、図柄表示部6において図柄の変動を開始してから所定の「大当たり図柄」又は「外れ図柄」で確定表示するまでの間に、押しボタン25を利用した電動役物35による演出を実行する。以下、電動役物35の作動内容について詳述する。
【0024】
サブ制御装置22では、メイン制御装置20で実行した大当たり抽選の結果、「大当たり」又は「外れ」に拘わらず図柄の変動時間として所定の変動時間が選択された場合(所定条件の成立)に、電動役物35による演出の実行を決定する。尚、図柄の変動時間が所定の変動時間であるか否かについて、サブ制御装置22は、大当たり抽選に伴いメイン制御装置20から送信されてくる信号によって把握する。
そして、電動役物35による演出の実行を決定すると、予め定められた所定のタイミング(たとえばリーチの確定後等)において、図柄表示部6の略中央部に、押しボタン25の長押しを促すメッセージ表示(たとえば「ボタンを押し続けろ!」等)を表示するとともに、図柄表示部6における電動役物35の先端部35aの移動軌跡上に、当該変動に係る「大当たり抽選」の内容が「大当たり」である、すなわち「大当たり状態」が生起する期待度に係る期待度表示Aを表示させる(
図4)。尚、電動役物35は、押しボタン25が押し込み操作されるまで退避位置Xにある。また、電動役物35による演出の実行の決定に伴い、サブ制御装置22は、LED38、38・・を上記白色とは異なる色(たとえば赤色)で点灯させる。
【0025】
そこで、遊技者により押しボタン25が押し込み操作されると、押しボタン25の下方に設置されているスイッチ(図示せず)がオンされる。すると、サブ制御装置22は、オン/オフ検出部51により押しボタン25の押し込み操作を検出し、オンの検出に伴い作動抽選部50により電動役物35を所定の単位角度だけ作動させるか否かを抽選する。そして、該抽選の結果が当選であると、電動役物35を期待度が増す側へ所定の単位角度だけ作動させる。一方、抽選の結果が外れであると、電動役物35を作動させずに現在の位置のままとする。なお、この抽選は、たとえば乱数から所定の数値を取得するとともに、該数値が当選数値であるか否かを判定する等によって行っており、当選確率は90/100となっている。また、1回目の作動で、電動役物35は退避位置Xから演出位置側へ移動することになる。
【0026】
また、サブ制御装置22では、押しボタン25の押し込み操作の検出及び電動役物35を作動させるか否かの抽選を極めて短時間毎(たとえば0.2秒)に繰り返し行っており、押しボタン25を長押し操作することによって、電動役物35は抽選に当選する度に所定の単位角度ずつ段階的に作動する。そして、計10回の当選により、電動役物35は
図5に示す第1演出位置(第1特定位置)Yへと到達する。なお、理論上は、押しボタン25を長押し操作せずとも上記抽選の間隔と同じスピードで押しボタン25を断続的に操作(いわゆる連打操作)することで同じ制御が実行されるものの、現実的には、そのようなスピードで押しボタン25を断続的に押し込み操作することは略不可能であり、そのような遊技形態を念頭においてはいない。
【0027】
次に、サブ制御装置22では、位置検知部52により電動役物35が第1演出位置Yへ到達したことを検知すると、電動役物35を作動させるか否かの抽選における当選確率を「大当たり抽選」の結果に応じて変更する。具体的には、たとえば「大当たり抽選」の結果が「外れ」であるような場合には当選確率を5/100まで大幅に下げる一方、「大当たり抽選」の結果が「大当たり」であるような場合には当選確率を20/100までしか下げない。そして、「大当たり抽選」の結果がどうであれ、電動役物35が一旦第1演出位置Yで停止しやすく、且つ、第1演出位置Yを超えて更に作動しづらい遊技状況を発生させる。なお、電動役物35を作動させるか否かの抽選そのものに関しては、押しボタン25の押し込み操作が検出されている限り、上記同様に極めて短時間毎に繰り返し行っている。
【0028】
さらに、サブ制御装置22では、電動役物35が第1演出位置Yにある状態において電動役物35を作動させるか否かの抽選が当選となり、電動役物35を第1演出位置Yから更に期待度が高くなる方向へ1段階(所定の単位角度だけ)作動させる(第2特定位置に達する)と、再び「大当たり抽選」の結果に応じて、その抽選の当選確率を変更する。具体的には、たとえば「大当たり抽選」の結果が「外れ」であるような場合には当選確率を1/100まで更に下げる一方、「大当たり抽選」の結果が「大当たり」であるような場合には当選確率を50/100まで上昇させる。そして、極めて短時間で繰り返し行う電動役物35を作動させるか否かの抽選を継続し、その当否に応じて電動役物35を作動させ、更に9回の当選により期待度MAXを示す第2演出位置Zに電動役物35が達すると、サブ制御装置22では、発光制御装置33を介して電飾部材15を所定の色や態様で点灯/点滅させるとともに、音制御装置34を介してスピーカ14から所定の効果音や音声を報音する等し、「大当たり」の期待感を高める演出を行う。
【0029】
なお、上記電動役物35による演出は、図柄表示部6に押しボタン25を操作するように促す表示を行ってから所定の遊技時間(特定の期間であって、たとえば15秒間とし、タイマ49により計時する)にわたって行われ、遊技時間が経過すると、電動役物35の作動や抽選、上記電飾部材15等による報知を停止するとともに、電動役物35をそれまでと逆方向へ作動させて退避位置Xへと戻す。なお、遊技時間は図柄の変動時間より短く設定されており、図柄表示部6に「大当たり図柄」や「外れ図柄」が確定表示される前に電動役物35による演出を終了するようになっている。したがって、サブ制御装置22は、電動役物35を退避位置Xまで戻した後、更なるリーチ演出や外れ演出を図柄表示部6において行ってから、最終的に「大当たり図柄」や「外れ図柄」を確定表示させる。
【0030】
また、上記電動役物35による演出中、サブ制御装置22は、内蔵されているLED38、38・・を退避位置Xで電飾部材として機能している場合とは異なる色(たとえば赤色)で点灯させ、電動役物35が第2演出位置Zに達するとLED38、38・・を点滅させる。そして、上記遊技時間が経過すると一旦LED38、38・・を消灯させ、電動役物35を退避位置Xに戻した後、再びLED38、38・・を白色で点灯させる。
【0031】
(本実施形態のパチンコ機による効果)
上述したような電動役物35を有するパチンコ機1によれば、退避位置Xにある電動役物35の前方を被覆するワープ通路37に透光性を備えるとともに、退避位置Xにおいても電動役物35のLED38を発光させ、ワープ通路37を光らせる電飾部材としても電動役物35を機能させる。したがって、ワープ通路37を光らせる別途電飾部材を備える必要のない合理的な構成とすることができ、部材点数を削減することができるという効果がある。
【0032】
また、ワープ通路37を光らせることで、遊技者にワープ通路37の位置をアピールすることができる。さらに、ワープ通路37を遊技球が通過する度に、該遊技球によってLED38の光が遮られるため、遊技者にしてみるとワープ通路37が点滅しているかのように見え、遊技球がワープ通路37を通過してステージ36上へ導かれたこと、すなわちチューリップ式電動役物17への入賞の期待が高まるステージ36上へ遊技球が導かれていることを遊技者にアピールすることができる。
加えて、電動役物35に内蔵するLED38、38・・をフルカラーで発光可能なLEDとしているため、退避位置Xにおいてワープ通路37を光らせている場合と、作動して演出位置で演出する場合とで色を異ならせることができ、LED38による発光演出の多様化を図ることができる。
【0033】
また、上述したような押しボタン25及び電動役物35を用いた演出を実行するパチンコ機1によれば、押しボタン25を長押し操作している間に、サブ制御装置22において電動役物35を作動させるか否かの抽選を極めて短時間毎に繰り返し実行し、該抽選に当選することをもって電動役物35を所定の単位角度ずつ段階的に作動させるといった演出を行う。したがって、押しボタン25の長押し操作に応じて電動役物35を段階的に作動させるという従来にない斬新な演出を行うことができ、趣向性の高いパチンコ機を遊技者に提供することができる。
【0034】
さらに、電動役物35の作動位置が大当たり抽選において「大当たり」となっている期待度を表しているとともに、電動役物35が第1演出位置Yに達すると、電動役物35を作動させるか否かの抽選に係る当選確率を減少させ、第1演出位置Yから更に期待度が高まる側へ電動役物35が作動するという状況を発生しづらくする。したがって、遊技者は、電動役物35が第1演出位置Yから更に作動するか否かに関して興味をもって遊技することができ、趣向性の更なる向上を図ることができる。
【0035】
さらにまた、電動役物35が第1演出位置Yに達し、電動役物35を作動させるか否かの抽選に係る当選確率を減少させるに際し、「大当たり抽選」の結果が「大当たり」であるか「外れ」であるかに応じて減少させる割合を異ならせており、「大当たり」である場合の方が「外れ」である場合よりも第1演出位置Yを超えて更に作動しやすくしている。したがって、遊技者は、電動役物35が第1演出位置Yに達した後、「大当たり抽選」の結果を予測しながら電動役物35の作動に興味をもって遊技することができ、趣向性の更なる向上を図ることができる。
【0036】
加えて、第1演出位置Yを超えてから期待度が最大となる第2演出位置Zに到達するまでの間において、電動役物35を作動させるか否かの抽選に係る当選確率を「大当たり抽選」の結果が「大当たり」であるか「外れ」であるかに関連づけて変更し、「大当たり」である場合を「外れ」である場合と比較して電動役物35を作動させやすくしている。したがって、「大当たり」である場合には比較的に第2演出位置Zまで到達しやすい一方、「外れ」であるにも拘わらず頻繁に第2演出位置Zまで到達してしまうといった事態は起こりにくく、遊技者に不快感を抱かせにくい遊技とすることができる。
【0037】
(本発明の変更例の説明)
なお、本発明の遊技機に係る構成は、上記実施形態に何ら限定されるものではなく、遊技機そのものの構成、電動役物の形状や電動役物の作動態様等について、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で必要に応じて適宜変更可能である。
【0038】
たとえば、上記実施形態では、第2演出位置Zが期待度MAXとしているが、第1演出位置Yを期待度MAXとし、該第1演出位置Yを超えて第2演出位置Z側へ作動するにつれて期待度が下がってしまうような構成としてもよく、その場合、たとえば「大当たり抽選」の結果が「大当たり」である場合の方が「外れ」である場合よりも電動役物35を作動させるか否かの抽選に係る当選確率を低くする等、抽選の当選確率をどのように変更するかは遊技に応じて適宜変更可能である。
【0039】
また、上記実施形態では、電動役物35の作動を大当たり抽選の期待度に関連づけているが、大当たり抽選以外の期待度(たとえば確変であるか否かの期待度)に電動役物35の作動を関連づけても何ら問題はない。
さらに、上記実施形態では、図柄が変動開始してから確定表示されるまでの間に電動役物35を作動させる遊技を実行するように構成しているが、たとえば「大当たり状態」中に同様の遊技を実行してもよい。そして、この場合には、上述したように電動役物35の作動を、「大当たり状態」が確変大当たりによるものであるか否かの期待度や「大当たり状態」の終了後に付与される時短回数の大小の期待度、その後に生起する遊技状態が遊技者にとって有利であるか否かの期待度に関連づければよい。
【0040】
さらにまた、上記実施形態では、第1演出位置Yに達した時点、及び第1演出位置Yを超えて作動してから第2演出位置Zに達するまでの間の2回において、電動役物35を作動させるか否かの抽選に係る当選確率を変更しているが、3回以上にわたって当選確率を変更してもよいし、当選確率を変更することなく一律としたり、当選確率を変更する際に「大当たり抽選」の結果と関連づけないといった構成を採用することも可能である。
またさらに、上記実施形態では、電動役物35を所定の単位角度ずつ回動させるという構成を採用しているが、たとえば図柄表示部6の中央へ向けて所定の単位量ずつ段階的に突出していく(直線的に作動する)ような作動態様としてもよいし、初期位置に関しても上記実施形態とは異なり電動役物35が露出していてもよく、電動役物35の作動態様については適宜設計変更可能である。
また、上記実施形態では、電動役物35の退避位置Xからの合計の作動量と、大当たり状態が生起する期待度とを関連づける期待度表示Aを図柄表示部6にて表示しているが、期待度表示Aを表示するための表示部(若しくは表示装置)を図柄表示部6とは別に設けてもよい。
【0041】
さらに、段階的な作動に加え、抽選の結果が特定の結果になると、その時点での作動位置から第2演出位置Zまで、たとえ途中に第1演出位置Yがあったとしても停止することなく作動するような演出を実行しても何ら問題はないし、上記実施形態では電動役物35を常に同じ単位角度だけ作動させるように構成しているが、電動役物35の単位作動量(すなわち、1回の作動で動く距離や角度)を、電動役物35の位置や抽選における当選回数等に応じて徐々に増やしたり又は減少させたりしてもよい。
さらにまた、ワープ通路37の後方を退避位置Xとする必要はなく、電動役物35の発光部材で光らせたい別の箇所を退避位置としても何ら問題はないし、電動役物35に内蔵する発光部材の数や種類等は勿論、退避位置での発光態様についても適宜設計変更可能である(すなわち、退避位置において発光部材を点滅させても何ら問題はない)。またさらに、上記実施形態では透光性を有する合成樹脂によりワープ通路37を形成することで透光部を設けているが、たとえば退避位置にある電動役物35のLED38が露出する透光孔を透光部として設けてもよい。したがって、ワープ通路37に透光部を設けるにあたっては、その全体を透光部として構成してもよいし、少なくとも一部が透光部となる(すなわち、ワープ通路37に透光孔が穿設されている等)ように構成しても何ら問題はない。
加えて、上記実施形態では、遊技機として押しボタンを備えたパチンコ機を採用しているが、押しボタンを備えてさえいれば、たとえばスロットマシーン等の他の遊技機に適用することも可能である。