(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6188812
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】汚染土壌の改質方法
(51)【国際特許分類】
B09C 1/10 20060101AFI20170821BHJP
B09C 1/02 20060101ALI20170821BHJP
B09C 1/08 20060101ALI20170821BHJP
B01J 20/20 20060101ALI20170821BHJP
B01J 20/28 20060101ALI20170821BHJP
C12N 1/20 20060101ALI20170821BHJP
【FI】
B09B3/00 EZAB
B09B3/00 304K
B01J20/20 A
B01J20/28 Z
C12N1/20 D
C12N1/20 F
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-539375(P2015-539375)
(86)(22)【出願日】2014年9月26日
(86)【国際出願番号】JP2014075605
(87)【国際公開番号】WO2015046416
(87)【国際公開日】20150402
【審査請求日】2015年10月31日
【審判番号】不服2016-8398(P2016-8398/J1)
【審判請求日】2016年6月7日
(31)【優先権主張番号】特願2013-200978(P2013-200978)
(32)【優先日】2013年9月27日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100157107
【弁理士】
【氏名又は名称】岡 健司
(72)【発明者】
【氏名】久保田 謙三
(72)【発明者】
【氏名】河目 裕介
(72)【発明者】
【氏名】吉田 和生
(72)【発明者】
【氏名】川越 大樹
【合議体】
【審判長】
大橋 賢一
【審判官】
山本 雄一
【審判官】
中澤 登
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−116420(JP,A)
【文献】
特開2012−201765(JP,A)
【文献】
特開2010−220498(JP,A)
【文献】
特開2008−289445(JP,A)
【文献】
特開2011−005371(JP,A)
【文献】
特表平06−508553(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B09C 1/00- 1/10
B01J20/00-20/34
C12N 1/00- 7/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
油分で汚染された汚染土壌の改質方法であって、
前記汚染土壌中に存在する微生物および/または新たに前記汚染土壌中に混合する微生物と、
粉状の多孔性炭素材と、
栄養剤とを土壌中に同時または別々に混合し、
前記多孔性炭素材が、
355〜817m2/gの比表面積であり、かつ150μm以下の粒径であり、さらに前記微生物を予め担持しないものであることを特徴とする油分で汚染された汚染土壌の改質方法。
【請求項2】
前記多孔性炭素材を、
汚染土壌に対して0.1〜5重量部添加することを特徴とする請求項1に記載の油分で汚染された汚染土壌の改質方法。
【請求項3】
前記多孔性炭素材が、
活性炭であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の油分で汚染された汚染土壌の改質方法。
【請求項4】
前記微生物が、
alkB(アルカンヒドロキシラーゼ)遺伝子を有する微生物であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の油分で汚染された汚染土壌の改質方法。
【請求項5】
前記微生物が、
ゴルドニア属、ロドコッカス属、シュードモナス属、バークホルデリア属、アシネトバクター属、コリネバクテリウム属、マイコバクテリウム属、ノカルディア属、アクチノマイセス属、バチルス属からなる群から選ばれる1種または2種以上の微生物であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の油分で汚染された汚染土壌の改質方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油分、揮発性有機化合物(VOC)、ベンゼン、シアン化合物、ジクロロ化合物などによって汚染された汚染土壌の改質方法に係る。
さらに詳しくは、粉状の多孔性炭素材(特に、特定の比表面積および粒径を持つ多孔性炭素材)を用いることによって、多孔性炭素材の持つ吸着能によって油臭・油膜を迅速に吸着させながら、汚染土壌中の汚染物質(特に油分)に対する微生物の分解能を低下させることなく汚染土壌の改質をすることができる方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、油分などによって汚染された汚染土壌を微生物や活性炭などを用いて改質する汚染土壌の改質方法は知られている。例えば、特許文献1には、汚染土壌中に存在する微生物を活性化させるための微生物活性剤を活性炭とともに汚染土壌に供給し、活性化させた微生物を活性炭の表面で増殖させて汚染土壌の改質を行う汚染土壌の改質方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−221167号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、特許文献1に代表される従来の汚染土壌の改質方法においては、通常、活性炭に粉状のものが、吸着剤としての能力をより効果的に発現させる目的で使用される。
しかしながら、従来用いられる粉状の活性炭は吸着能力が強すぎることから、微生物による汚染土壌中の汚染物質の分解が始まる前に大部分の汚染物質が活性炭に吸着されてしまうことになる。そうすると汚染土壌中の微生物は汚染物質と接触できなくなることから、油臭・油膜の拡散は防止されるものの、微生物による汚染物質の分解が滞ってしまい、その結果、安定した土壌改質が行われなくなってしまうという問題があった。
【0005】
また、従来の活性炭を使用する汚染物質の改質方法においては、活性炭によって汚染物質が吸着されることによって土壌中への汚染物質の拡散は防止されるものの、汚染物質そのものが除去されるわけではないという問題点もある。
【0006】
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであって、微生物を使用する汚染土壌の改質において、粉状の多孔性炭素材(特に、特定の比表面積および粒径を持つ多孔性炭素材)を使用することによって、多孔性炭素材との併用時に発生する微生物の分解性能の低下を防止しつつ、多孔性炭素材の有する吸着力を発現させ、安定的かつ継続的に汚染物質の浄化を行う汚染土壌の改質方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る汚染土壌の改質方法は、汚染土壌中に存在する微生物および/または新たに汚染土壌中に混合する微生物と、粉状の多孔性炭素材と、栄養剤とを土壌中に同時または別々に混合し、多孔性炭素材が、355〜817m
2/gの比表面積であり、かつ150μm以下の粒径であ
り、さらに微生物を予め担持しないものであることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る汚染土壌の改質方法は、多孔性炭素材を、汚染土壌に対して0.1〜5重量部添加することを特徴とする。
【0010】
本発明に係る汚染土壌の改質方法は、多孔性炭素材が、活性炭であることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る汚染土壌の改質方法は、微生物が、alkB(アルカンヒドロキシラーゼ)遺伝子を有する微生物であることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る汚染土壌の改質方法は、微生物が、ゴルドニア属、ロドコッカス属、シュードモナス属、バークホルデリア属、アシネトバクター属、コリネバクテリウム属、マイコバクテリウム属、ノカルディア属、アクチノマイセス属、バチルス属からなる群から選ばれる1種または2種以上の微生物であることを特徴とする。
【0013】
次に、本発明の各構成要件を説明する。
【0014】
本発明に用いられる多孔性炭素材は、粉状のものである必要がある。従って、椰子、木などを原料とする植物系のものや石炭、石油などを原料とする鉱物系のもの、あるいはこれらのものを薬品などによって賦活させたものなど各種の多孔性炭素材を用いることができる。なお、これらの中でも、pHが中性域(具体的には、水質汚濁防止法の排水基準でもあるpH5.8〜8.6)の多孔性炭素材については、改質する土壌のpHの変動を防止することができ、また水質汚濁防止法の排水基準にも適合するので好適である。
【0015】
そして、本発明に用いられる多孔性炭素材の粒径としては、その中でも微生物の分解性能の低下を防止しつつ多孔性炭素材の有する吸着力を発現させ、汚染物質の処理効率を向上させることができることから、比表面積が355〜817m
2/gであり、かつ粒径が1〜150μmのものを用いることが好ましい。なお、比表面積については上記範囲の中でも、さらに355〜600m
2/gのものを用いることが好ましい。
ここで、比表面積の上限値を817m
2/gとする根拠としては、後記するように比表面積を変えた多孔性炭素材を使用した実施例1〜3の汚染土壌について、比表面積と油分分解率をグラフにプロット(
図2)し、さらに全ての実施例のデータを満足する近似曲線を描いた際に、かかる曲線から50%以上の油分分解率を実現することが可能となる比表面積を根拠とするものである。
【0016】
また、本発明に用いられる多孔性炭素材(特に活性炭)の配合量としては特に限定されないが、汚染土壌に対して0.1〜5重量部添加することが好ましく、その中でも2重量部添加することが特に好ましい。配合量が0.1重量部未満の場合には吸着効果が十分ではなくなる場合があるからである。一方、配合量が5重量部を超える場合には、地盤改良の目的でセメント系固化材を用いた際にかかるセメント系固化材が有する特性である地耐力の向上効果が低下したり、土壌改質後に建造物を建設した際に地中に埋設した鉄筋などの金属が錆びやすくなったりする可能性があるからである。
【0017】
本発明に用いられる微生物としては、汚染物質の種類によって適宜選択されることになり、例えばゴルドニア属、ロドコッカス属、シュードモナス属、バチルス属、アシネトバクター属、ハロモナス属、アクロモバクター属、アルカリゲネス属、オクロバクトラム属、クルチア属、スタフィロコッカス属、セラチア属、チオバチルス属、バクテリジウム属、フラボバクテリウム属、ブレビバクテリウム属、プロタミノバクター属、ミクロコッカス属、ミコバクテリウム属、ミコプラーナ属、メタノモナス属、ロツデロマイセス属、ロドシュードモナス属などの細菌、パチソレン属、ロドスポリジウム属又はサッカロミセス属などの酵母、アスペルギルス属、ムコール属またはペニシリウム属などの糸状菌などを挙げることができる。
また、上記に列記される本発明に用いられる微生物は、新たに汚染土壌中に混合して使用する形態だけではなく、既に土壌中に存在しているこれらの菌を用いることもできる。
【0018】
そしてこれらの中でも、汚染物質が油分である場合には、alkB(アルカンヒドロキシラーゼ)遺伝子と呼ばれる石油分解酵素遺伝子を有している微生物を使用することが好ましい。このような微生物としては、例えばゴルドニア属、ロドコッカス属、シュードモナス属、バークホルデリア属、アシネトバクター属、コリネバクテリウム属、マイコバクテリウム属、ノカルディア属、アクチノマイセス属、バチルス属などが挙げられる。
さらに、上記列記した微生物の中でもゴルドニア属、ロドコッカス属については、表1に示すようにその他の微生物よりも細胞表面の疎水性が高く(濁度の減少率の数値が高く)、多孔性炭素材に吸着された油分にも接触して微生物の分解効果が発現することから好適である。
【0019】
【表1】
【0020】
また、本発明の改質方法には原則として微生物の栄養剤を用いるが、改質する土壌によっては必要に応じて栄養剤を用いないこともできる。このような微生物の栄養剤としては、LB培地、酵母エキス(イーストエクストラクト)、ミネラルなどの栄養剤、窒素、燐、カリウムなどが含まれている有機系または無機系肥料などを挙げることができる。
【0021】
なお、本発明の改質方法に使用される多孔性炭素材の汚染土壌への供給量は、改質を行う汚染土壌の汚染状況に応じて適宜決定されることになるが、より安定的かつ継続的に汚染物質の改質を行うためには、汚染土壌に対して多孔性炭素材を0.1〜5重量部供給することが好ましい。
さらに、多孔性炭素材の汚染土壌への供給方法についても、改質を行う汚染土壌の汚染状況に応じて、汚染土壌全体と混合する方法や、予め汚染土壌を所定の深さに掘った後に一定の厚みを持って多孔性炭素材などを堆積させ、その後汚染土壌などで埋め戻す方法など各種の方法を採用することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る汚染土壌の改質方法によれば、粉状の多孔性炭素材を用いることによって、汚染土壌中の汚染物質(特に油分)に対する微生物の分解能を低下させることなく、多孔性炭素材の持つ吸着能によって油臭・油膜を迅速(約1時間という非常に短時間)に吸着させることができる。
その結果、従来の改質方法に比べて、汚染土壌に対する添加物の量を削減しつつ、迅速に汚染物質の処理を行うことができる。
【0023】
本発明に係る汚染土壌の改質方法によれば、粉状の多孔性炭素材として、特定範囲の比表面積および粒径のものを用いることによって、汚染物質の処理効率をより向上させることができる。
【0024】
本発明に係る汚染土壌の改質方法によれば、多孔性炭素材を特定の配合量で混合することによって、汚染物質の処理効率をより向上させることができる。
【0025】
本発明に係る汚染土壌の改質方法によれば、多孔性炭素材を活性炭とすることによって、油臭および油膜の処理効率をより向上させることができる。
【0026】
本発明に係る汚染土壌の改質方法によれば、微生物に特定の菌種を使用することによって、汚染物質の処理効率をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明に係る汚染土壌の改質方法を行った際の残存油分濃度の測定結果を示すグラフである。
【
図2】実施例2と実施例3の汚染土壌について、比表面積と油分分解率との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の汚染土壌の改質方法を実施例と比較例に基づいて説明する。なお、以下に述べる実施例は本発明を具体化した一例に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものでない。
【0029】
(実施例1)
多孔性炭素材に比表面積が355m
2/gで粒径が150μm以下の粉状の木炭を、微生物にロドコッカス・エスピー NDKK6株を、栄養剤に無機栄養塩(窒素成分:尿素、リン成分:リン酸水素二アンモニウム)を用い、A重油を2000mg/kgの濃度で混合した模擬土壌100gに、多孔性炭素材を2g、微生物10
6個/g−soilとなるように混合することで実施例1の汚染土壌を作製した。
【0030】
(実施例2)
多孔性炭素材に比表面積が600m
2/gで粒径が150μm以下の粉状の活性炭を使用した以外は実施例1と同様にして、実施例2の汚染土壌を作製した。
【0031】
(実施例3)
多孔性炭素材に比表面積が950m
2/gで粒径が150μm以下の粉状の活性炭を使用した以外は実施例1と同様にして、実施例3の汚染土壌を作製した。
【0032】
(比較例)
多孔性炭素材を使用しない以外は実施例1と同様にして比較例の汚染土壌を作製した。
【0033】
(参考例)
多孔性炭素材に平均粒径が1.3mmの粒状活性炭を、微生物にロドコッカス・エスピー NDKK6株を、栄養剤に無機栄養塩(窒素成分:尿素、リン成分:リン酸水素二アンモニウム)を用い、A重油を2000mg/kgの濃度で混合した模擬土壌100gに、多孔性炭素材を2g、微生物10
6個/g−soilとなるように混合することで参考例の汚染土壌を作製した。
【0034】
次に、上記した実施例、比較例、参考例の汚染土壌について油臭および油膜の解消効果と油分の残存率の評価を行った。
【0035】
(油臭の解消効果の評価)
油臭の解消効果については、混合後1時間後、2日目、7日目、14日目、21日目、28日目の油臭を官能評価によって評価した。具体的には、油汚染対策ガイドライン(2006年、環境省発行)に準拠した0〜5までの6段階で臭気を評価し、2以下の臭気しか感じなかった場合を油臭の解消効果ありと認定した。結果を表2に示す。
【0036】
(油膜の解消効果の評価)
油膜の解消効果については、混合後1時間後、2日目、28日目の油膜を官能評価によって評価した。具体的には、油汚染対策ガイドラインに記載されているシャーレ法を行った後、目視によって0〜3までの4段階で油膜を評価し、1以下の油膜しか確認できなかった場合を油膜の解消効果ありと認定した。結果を表2に示す。
【0037】
(油分の残存率の測定)
油分の残存率については、混合後1日目、14日目、28日目の汚染土壌からサンプリングした汚染土壌中の油分を溶剤(H−997、旭硝子社製)で抽出することによって油分量を測定し、混合後1日目の油分量を100としたときの残存率によって評価を行った。結果を表2および
図1に示す。
【0039】
まず、油臭の解消効果については、表2の結果から多孔性炭素材を用いた実施例の汚染土壌は混合直後から多孔性炭素材による吸着能が発現し、油臭が解消しているとの評価となった。
一方、多孔性炭素材を使用しない比較例の汚染土壌については、油臭の解消効果が21日目においても認められなかった。
【0040】
次に、油膜の解消効果については、表2の結果から粉状の多孔性炭素材を用いた実施例の汚染土壌は混合直後から多孔性炭素材による吸着能が発現し、油膜が解消しているとの評価となった。
なお、粒状の活性炭を用いた参考例の汚染土壌については、混合後2日目においても油膜が解消されていないとの評価となった。また、多孔性炭素材を使用しない比較例の汚染土壌についても、参考例と同様の結果であった。
【0041】
次に、油分の残存率については、表2の結果から実施例1、2および参考例の汚染土壌は、比較例の汚染土壌と同等の油分の分解率を示した。なお、実施例3の汚染土壌については、実施例1、2の汚染土壌に比べると分解効率は劣るものの、28日目において30%強の油分を分解する結果となった。
【0042】
ここで比較例の汚染土壌は、多孔性炭素材を配合しない微生物と栄養塩のみが配合された汚染土壌であることから、微生物が本来有する分解能が発現される汚染土壌となっている。
従って、かかる比較例と同等の油分の分解率を示す実施例1および2の汚染土壌は、微生物が本来有する分解能が発現されていることがわかった。
【0043】
また、比表面積を変えた多孔性炭素材を使用した実施例1〜3の汚染土壌について、比表面積と油分分解率との関係のグラフ化を行った。結果を
図2に示す。
そして、
図2に示す通り、プロットした2つのデータを基に油分分解率が50%となる比表面積の値を計算したところ、50%以上の油分分解率を実現することが可能な比表面積の上限値は817m
2/gとなることがわかった。
【0044】
以上、実施例および比較例の結果から、本発明の汚染土壌の改質方法は、粉状の多孔性炭素材(特に、特定の比表面積および粒径を持つ多孔性炭素材)を微生物とともに使用することによって、油臭・油膜の拡散を迅速に防止しつつ、微生物の分解能を低下させることなく、安定的かつ継続的に汚染物質の浄化を行うことができるものであることがわかった。