特許第6188815号(P6188815)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6188815ソフトセルネットワークにおけるハンドオーバ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6188815
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】ソフトセルネットワークにおけるハンドオーバ
(51)【国際特許分類】
   H04W 36/30 20090101AFI20170821BHJP
   H04W 36/04 20090101ALI20170821BHJP
   H04W 36/08 20090101ALI20170821BHJP
【FI】
   H04W36/30
   H04W36/04
   H04W36/08
【請求項の数】43
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2015-544608(P2015-544608)
(86)(22)【出願日】2013年12月2日
(65)【公表番号】特表2016-503633(P2016-503633A)
(43)【公表日】2016年2月4日
(86)【国際出願番号】IB2013060579
(87)【国際公開番号】WO2014087322
(87)【国際公開日】20140612
【審査請求日】2015年8月3日
(31)【優先権主張番号】13/705,007
(32)【優先日】2012年12月4日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100161470
【弁理士】
【氏名又は名称】冨樫 義孝
(74)【代理人】
【識別番号】100194294
【弁理士】
【氏名又は名称】石岡 利康
(74)【代理人】
【識別番号】100194320
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 亮
(72)【発明者】
【氏名】ソレンティーノ, ステファノ
(72)【発明者】
【氏名】ディモー, コンスタンディノス
【審査官】 倉本 敦史
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/008957(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/137784(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−2
CT WG1
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サービングセル(312)とターゲットセル(314)とを有する通信ネットワーク(300)におけるサービスの品質を改善するための方法(600)であって、
第1のネットワークノード(302)において、
ユーザ機器UE(310)と前記サービングセルとの間の制御プレーンリンク品質を示すサービングセルの制御プレーン値と、
前記UEと前記サービングセルとの間のデータプレーンリンク品質を示すサービングセルのデータプレーン値と、
前記UEと前記UEによって検知されたターゲットセルとの間の制御プレーンリンク品質を示すターゲットセルの制御プレーン値と、
前記UEと前記ターゲットセルとの間のデータプレーンリンク品質を示すターゲットセルのデータプレーン値を受信すること(610〜640)と、
前記サービングセルの制御プレーン値および前記サービングセルのデータプレーン値と、前記ターゲットセルの制御プレーン値および前記ターゲットセルのデータプレーン値とを比較すること(650)と、
前記比較に基づいて前記UEのハンドオフ(660)を開始することとを含む方法(600)であって、
前記ターゲットセルの制御プレーン値および前記ターゲットセルのデータプレーン値が、少なくとも一部、前記ターゲットセル内の1つまたは複数のターゲットネットワークノード(304)からの送信に基づく、方法(600)。
【請求項2】
前記サービングセルの制御プレーン値および前記ターゲットセルの制御プレーン値が、前記UEによる1つまたは複数の参照信号受信電力(RSRP)測定に基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記サービングセルのデータプレーン値および前記ターゲットセルのデータプレーン値の少なくとも一方が、チャネル状態情報参照信号(CSI−RS)の測定、参照信号受信電力(RSRP)測定、参照信号受信品質(RSRQ)測定、およびフィードバック用チャネル品質指標(CQI)推定のうちの少なくとも1つに基づく、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記サービングセルのデータプレーン値および前記ターゲットセルのデータプレーン値の少なくとも一方が、同期信号の測定に基づく、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記サービングセルの制御プレーン値、前記サービングセルのデータプレーン値、前記ターゲットセルの制御プレーン値、および前記ターゲットセルのデータプレーン値が、前記UEから受信される、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記比較するステップが、
α・ControlPlaneValueTarget+β・DataPlaneValueTarget>α・ControlPlaneValueServing+β・DataPlaneValueServing+γ・X+δ・Y
であることを示す場合、前記ハンドオフが開始され、ここで、α、β、γ、およびδが、ハンドオーバ重み付け係数であり、ControlPlaneValueTargetが、前記ターゲットセルの制御プレーン値であり、ControlPlaneValueServingが、前記サービングセルの制御プレーン値であり、DataPlaneValueTargetが、前記ターゲットセルのデータプレーン値であり、DataPlaneValueServingが、前記サービングセルのデータプレーン値であり、XおよびYが、ハンドオーバ値である、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記ハンドオーバ値Xが、ハンドオーバヒステリシス値であり、前記ハンドオーバ値Yが、セル固有のオフセット値である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ハンドオーバ重み付け係数αが、前記ハンドオーバ重み付け係数β以上である、請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
前記ハンドオーバ重み付け係数αが、前記ハンドオーバ重み付け係数β未満である、請求項6または7に記載の方法。
【請求項10】
前記ハンドオーバ重み付け係数が、0から1までの範囲にわたる、請求項6ないし9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記サービングセルが、ソフトセルであり、第2のネットワークノード(308)を含み、
前記サービングセルのデータプレーン値が、前記第2のネットワークノードによって送信されたデータ信号に基づく、請求項1ないし10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記1つまたは複数のターゲットネットワークノードが、第1のターゲットネットワークノード(804)と第2のターゲットネットワークノード(818)とを含み、
前記ターゲットセルの制御プレーン値が、前記第1のターゲットネットワークノードによって送信された信号に基づき、
前記ターゲットセルのデータプレーン値が、前記第2のターゲットネットワークノードによって送信されたデータ信号に基づく、請求項1ないし11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記サービングセルの制御プレーン値が、RSRP閾値レベルを超えるかどうかを判定すること(730)をさらに含み、
前記開始ステップが、少なくとも一部、前記サービングセルの制御プレーン値が前記RSRP閾値レベルを超えるという前記判定に基づく、請求項2に記載の方法。
【請求項14】
前記サービングセルの制御プレーン値が前記RSRP閾値レベル未満である場合、前記第1のネットワークノードが、前記UEのハンドオフを開始する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
サービングセル(812)とターゲットセル(814)とを有する通信ネットワーク(800)におけるサービスの品質を改善するための方法(900)であって、
第1のネットワークノード(802)において、
ユーザ機器UE(810)と前記サービングセルとの間のダウンリンク制御プレーンリンク品質を示すサービングセルの制御プレーンダウンリンク値と、
前記UEと前記サービングセルとの間のアップリンクデータプレーンリンク品質を示すサービングセルのデータプレーンアップリンク値と、
前記UEと前記UEによって検知されたターゲットセルとの間のダウンリンク制御プレーンリンク品質を示すターゲットセルの制御プレーンダウンリンク値と、
前記UEと前記ターゲットセルとの間のアップリンクデータプレーンリンク品質を示すターゲットセルのデータプレーンアップリンク値とを受信すること(910〜940)と、
前記UEと前記サービングセルとの間のアップリンクデータプレーンリンク品質を示すサービングセルのデータプレーンアップリンク値を前記第1のネットワークノードにおいて判定することと、
前記サービングセルの制御プレーンダウンリンク値および前記サービングセルのデータプレーンアップリンク値と、前記ターゲットセルの制御プレーンダウンリンク値および前記ターゲットセルのデータプレーンアップリンク値とを比較すること(950)と、
前記比較に基づいて前記UEのハンドオフ(960)を開始することとを含む方法(900)であって、
前記サービングセルのデータプレーンアップリンク値が、前記サービングセル内の第2のネットワークノード(808)から受信され、前記ターゲットセルのデータプレーンアップリンク値が、前記ターゲットセル内の1つまたは複数のターゲットネットワークノード(804、818)から受信され、前記ターゲットセルの制御プレーンダウンリンク値が、少なくとも一部、前記ターゲットセル内の前記1つまたは複数のターゲットネットワークノード(804、818)からの送信に基づく、方法(900)。
【請求項16】
前記サービングセルのデータプレーンアップリンク値が、受信アップリンクサウンディング参照信号(SRS)またはアップリンク信号対干渉雑音比(SINR)に基づいて判定される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記サービングセルの制御プレーンダウンリンク値および前記ターゲットセルの制御プレーンダウンリンク値が、前記UEによる1つまたは複数の参照信号受信電力(RSRP)測定に基づく、請求項15または16に記載の方法。
【請求項18】
前記比較するステップが、
α・ControlPlaneValueTarget+β・DataPlaneValueTarget>α・ControlPlaneValueServing+β・DataPlaneValueServing+γ・X+δ・Y
であることを示す場合、前記ハンドオフが開始され、
ここで、α、β、γ、およびδが、ハンドオーバ重み付け係数であり、ControlPlaneValueTargetが、前記ターゲットセルの制御プレーンダウンリンク値であり、ControlPlaneValueServingが、前記サービングセルの制御プレーンダウンリンク値であり、DataPlaneValueTargetが、前記ターゲットセルのデータプレーンアップリンク値であり、DataPlaneValueServingが、前記サービングセルのデータプレーンアップリンク値であり、XおよびYが、ハンドオーバ値である、請求項15ないし17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記ハンドオーバ値Xが、ハンドオーバヒステリシス値であり、前記ハンドオーバ値Yが、セル固有のオフセット値である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記ハンドオーバ重み付け係数αが、前記ハンドオーバ重み付け係数β以上である、請求項18または19に記載の方法。
【請求項21】
前記ハンドオーバ重み付け係数αが、前記ハンドオーバ重み付け係数β未満である、請求項18または19に記載の方法。
【請求項22】
前記ハンドオーバ重み付け係数が、0から1までの範囲にわたる、請求項18ないし21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
サービングセル(312)とターゲットセル(314)とを有する通信ネットワーク(300)において動作可能なネットワークノード(302)であって、
ユーザ機器UE(310)と前記サービングセルとの間の制御プレーンリンク品質を示すサービングセルの制御プレーン値と、
前記UEと前記サービングセルとの間のデータプレーンリンク品質を示すサービングセルのデータプレーン値と、
前記UEと前記UEによって検知されたターゲットセルとの間の制御プレーンリンク品質を示すターゲットセルの制御プレーン値と、
前記UEと前記ターゲットセルとの間のデータプレーンリンク品質を示すターゲットセルのデータプレーン値とを受信するように構成された受信機(404)と、
前記サービングセルの制御プレーン値および前記サービングセルのデータプレーン値と、前記ターゲットセルの制御プレーン値および前記ターゲットセルのデータプレーン値とを比較し、
前記比較に基づいて前記UEのハンドオフを開始するように構成されたプロセッサ(408)とを備えるネットワークノード(302)であって、
前記ターゲットセルの制御プレーン値および前記ターゲットセルのデータプレーン値が、少なくとも一部、前記ターゲットセル内の1つまたは複数のターゲットネットワークノード(304)からの送信に基づき、前記ネットワークノードが、前記サービングセル内に位置する、ネットワークノード(302)。
【請求項24】
前記サービングセルの制御プレーン値および前記ターゲットセルの制御プレーン値が、前記UEによる1つまたは複数の参照信号受信電力(RSRP)測定に基づく、請求項23に記載のネットワークノード。
【請求項25】
前記サービングセルのデータプレーン値および前記ターゲットセルのデータプレーン値の少なくとも一方が、チャネル状態情報参照信号(CSI−RS)の測定、参照信号受信電力(RSRP)測定、参照信号受信品質(RSRQ)測定、およびフィードバック用チャネル品質指標(CQI)推定のうちの少なくとも1つに基づく、請求項23または24に記載のネットワークノード。
【請求項26】
前記サービングセルのデータプレーン値および前記ターゲットセルのデータプレーン値の少なくとも一方が、同期信号の測定に基づく、請求項23ないし25のいずれか一項に記載のネットワークノード。
【請求項27】
前記サービングセルの制御プレーン値、前記サービングセルのデータプレーン値、前記ターゲットセルの制御プレーン値、および前記ターゲットセルのデータプレーン値が、前記UEから受信される、請求項23ないし26のいずれか一項に記載のネットワークノード。
【請求項28】
前記プロセッサが、
α・ControlPlaneValueTarget+β・DataPlaneValueTarget>α・ControlPlaneValueServing+β・DataPlaneValueServing+γ・X+δ・Y
である場合、ハンドオフを開始するように構成され、
ここで、α、β、γ、およびδが、ハンドオーバ重み付け係数であり、ControlPlaneValueTargetが、前記ターゲットセルの制御プレーン値であり、ControlPlaneValueServingが、前記サービングセルの制御プレーン値であり、DataPlaneValueTargetが、前記ターゲットセルのデータプレーン値であり、DataPlaneValueServingが、前記サービングセルのデータプレーン値であり、XおよびYが、ハンドオーバ値である、請求項23ないし27のいずれか一項に記載のネットワークノード。
【請求項29】
前記ハンドオーバ値Xが、ハンドオーバヒステリシス値であり、前記ハンドオーバ値Yが、セル固有のオフセット値である、請求項28に記載のネットワークノード。
【請求項30】
前記ハンドオーバ重み付け係数αが、前記ハンドオーバ重み付け係数β以上である、請求項28または29に記載のネットワークノード。
【請求項31】
前記ハンドオーバ重み付け係数αが、前記ハンドオーバ重み付け係数β未満である、請求項28または29に記載のネットワークノード。
【請求項32】
前記ハンドオーバ重み付け係数が、0から1までの範囲にわたる、請求項28ないし31のいずれか一項に記載のネットワークノード。
【請求項33】
前記サービングセルが、ソフトセルであり、第2のネットワークノード(308)を含み、
前記サービングセルのデータプレーン値が、前記第2のネットワークノードによって送信されたデータ信号に基づく、請求項23ないし32のいずれか一項に記載のネットワークノード。
【請求項34】
前記1つまたは複数のターゲットネットワークノードが、第1のターゲットネットワークノード(804)と第2のターゲットネットワークノード(818)とを含み、
前記ターゲットセルの制御プレーン値が、前記第1のターゲットネットワークノードによって送信された信号に基づき、
前記ターゲットセルのデータプレーン値が、前記第2のターゲットネットワークノードによって送信されたデータ信号に基づく、請求項23ないし33のいずれか一項に記載のネットワークノード。
【請求項35】
前記プロセッサが、
前記サービングセルの制御プレーン値がRSRP閾値レベルを超えるかどうか判定し、
前記サービングセルの制御プレーン値が前記RSRP閾値レベル未満である場合、前記UEのハンドオフを開始するようにさらに構成される、請求項24に記載のネットワークノード。
【請求項36】
サービングセル(812)とターゲットセル(814)とを有する通信ネットワーク(800)において動作可能なネットワークノード(802)であって、
ユーザ機器UE(810)と前記サービングセルとの間のダウンリンク制御プレーンリンク品質を示すサービングセルの制御プレーンダウンリンク値と、
前記UEと前記サービングセルとの間のアップリンクデータプレーンリンク品質を示すサービングセルのデータプレーンアップリンク値と、
前記UEと前記UEによって検知されたターゲットセルとの間のダウンリンク制御プレーンリンク品質を示すターゲットセルの制御プレーンダウンリンク値と、
前記UEと前記ターゲットセルとの間のアップリンクデータプレーンリンク品質を示すターゲットセルのデータプレーンアップリンク値とを受信するように構成された受信機(404)と、
前記サービングセルの制御プレーンダウンリンク値および前記サービングセルのデータプレーンアップリンク値と、前記ターゲットセルの制御プレーンダウンリンク値および前記ターゲットセルのデータプレーンアップリンク値とを比較し、
前記比較に基づいて前記UEのハンドオフを開始するように構成されたプロセッサ(408)とを備えるネットワークノード(802)であって、
前記ネットワークノードが、前記サービングセル内に位置し、前記サービングセルのデータプレーンアップリンク値が、前記サービングセル内の第2のネットワークノード(808)から受信され、前記ターゲットセルのデータプレーンアップリンク値が、前記ターゲットセル内の1つまたは複数のターゲットネットワークノード(804、818)から受信され、前記ターゲットセルの制御プレーンダウンリンク値が、少なくとも一部、前記ターゲットセル内の前記1つまたは複数のターゲットネットワークノード(804、818)からの送信に基づく、ネットワークノード(802)。
【請求項37】
前記ターゲットセルのデータプレーンアップリンク値および前記サービングセルのデータプレーンアップリンク値が、アップリンクサウンディング参照信号(SRS)値またはアップリンク信号対干渉雑音比(SINR)である、請求項36に記載のネットワークノード。
【請求項38】
前記サービングセルの制御プレーンダウンリンク値および前記ターゲットセルの制御プレーンダウンリンク値が、前記UEによる1つまたは複数の参照信号受信電力(RSRP)測定に基づく、請求項36または37に記載のネットワークノード。
【請求項39】
前記プロセッサが、
α・ControlPlaneValueTarget+β・DataPlaneValueTarget>α・ControlPlaneValueServing+β・DataPlaneValueServing+γ・X+δ・Y
である場合、ハンドオフを開始するように構成され、
ここで、α、β、γ、およびδが、ハンドオーバ重み付け係数であり、ControlPlaneValueTargetが、前記ターゲットセルの制御プレーンダウンリンク値であり、ControlPlaneValueServingが、前記サービングセルの制御プレーンダウンリンク値であり、DataPlaneValueTargetが、前記ターゲットセルのデータプレーンアップリンク値であり、DataPlaneValueServingが、前記サービングセルのデータプレーンアップリンク値であり、XおよびYが、ハンドオーバ値である、請求項36ないし38のいずれか一項に記載のネットワークノード。
【請求項40】
前記ハンドオーバ値Xが、ハンドオーバヒステリシス値であり、前記ハンドオーバ値Yが、セル固有のオフセット値である、請求項39に記載のネットワークノード。
【請求項41】
前記ハンドオーバ重み付け係数αが、前記ハンドオーバ重み付け係数β以上である、請求項39または40に記載のネットワークノード。
【請求項42】
前記ハンドオーバ重み付け係数αが、前記ハンドオーバ重み付け係数β未満である、請求項39または40に記載のネットワークノード。
【請求項43】
前記ハンドオーバ重み付け係数が、0から1までの範囲にわたる、請求項39ないし42のいずれか一項に記載のネットワークノード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に電気通信網における伝送品質を改善することに関し、より詳しくは、異種ネットワークにおけるハンドオーバ決定のための方法およびデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
3GPPのロングタームエボリューション(LTE)は、携帯電話ネットワーク技術の規格である。LTEとは、ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションシステム(UMTS)の一組の強化機能のことであり、ダウンリンクチャネルおよびアップリンクチャネルの両方で高データ転送速度に達することができる高速パケットベースの通信を実現するための技術である。図1に例示するように、LTE伝送は、電気通信網100におけるノードB(NB)や進化したノードB(eNB)などの基地局102、104から移動局108、110、112(例を挙げると、ユーザ機器(UE))に送られる。ワイヤレスUE通信デバイスの例には、携帯電話、携帯情報端末、電子リーダ、携帯用電子タブレット、パーソナルコンピュータ、およびラップトップコンピュータが含まれる。UEは、それぞれ、ノード102、104に対応するサービングセル116、118内で動作する。通信ネットワーク100は、1つまたは複数の接続ネットワーク106を含むことができる。
【0003】
LTE規格は、信号を周波数において複数の並列副搬送波に分割する、ダウンリンクの直交周波数分割多重化(OFDM)に主として基づく。送信時間間隔(TTI)は、サブフレーム(またはリソースブロック)の対から構成される基本的な論理ユニットである。無線リソースエレメント(RE)は、ある一定の時間位置およびある一定の周波数位置に対応する、TTI内の最小アドレス可能位置である。例として、図2に例示するように、RE202、204から構成されるサブフレーム200は、LTE規格によりTTIで送信することができ、周波数領域内の副搬送波206からなることができる。時間領域では、サブフレームは、いくつかのOFDM(または単一搬送波周波数領域多重アクセス(SC−FDMA))シンボル208に分けることができる。したがって、1つの副搬送波および1つのシンボルのユニットは、リソースユニットまたはエレメント202、204である。
【0004】
図1に示すシステム100などのある一定のワイヤレス通信システムは、マクロセル116、118内に追加のより低い電力のノードまたはポイント114、124を含むこともできる。これは「異種」または「多層」ネットワーク展開と称することがあり、異なるダウンリンク送信電力を有するノードの混合が同じ周波数の組上で(少なくとも部分的に)、地理的範囲が重なり合って動作する。異種展開では、低電力ノードは、全通信範囲を提供しない可能性があり、むしろ、ノード114および124のそれぞれのサービスエリア120および122など、それらの限定されたサービスエリア内で容量およびデータ転送速度を改善するように展開することができる。ノード114およびサービスエリア120は、マクロセル116のピコサイトであり得る。同様に、ノード124は、例として、家庭、オフィスビルディング、または他の構造物に採用することができるフェムトノードであり得る。場合により、ノード124は、限定加入者グループ(CSG)およびCSGの会員への限定されたアクセスに関連付けることができる。
【0005】
異種展開に関する最近の進展は、「ソフトセル」(または「共用セル」もしくは「ファントムセル」)スキームの概念である。ソフトセル展開では、制御シグナリングがマクロ基地局102を介してエリア内のユーザに送信され、データがピコ基地局114など1つまたは複数のより低い電力のノードを介して、より低い電力のノードのサービスエリア120内に位置するユーザ110に送信されるように、同じ地理的エリア116内のマクロ基地局および低電力ノードをオペレータが制御する。ソフトセル構成では、より低い電力のノードは、例として、固有の制御シグナリングを有する独立したセルを生じるよりも、マクロセル116の一部のままである。
【0006】
最高品質のサービスを維持するために、LTE展開におけるUEは、それらのサービングセルへのリンク品質だけでなく隣接セルへのリンク品質も周期的に監視する。例として、図1のネットワーク例100では、UE110は、基地局102ならびに基地局104へのリンクの両方の品質を検討することができる。サービングセル116の伝送品質が不十分である(例を挙げると、ある一定の計量が、要求される閾値レベル満たさない)場合、隣接セル118へのハンドオーバを開始することができる。ハンドオーバ手順は、パケット損失に基づいて分類することができ、例として、干渉時間を最小にする場合「シームレス」と表示することができ、手順がパケットのいずれかの損失を許容しない場合「ロスレス」と表示することができる。
【0007】
3GPP 36.331、バージョン10.5.0に指定されるように、ハンドオーバは、以下の比較に基づいて実行することができる。
RSRPTarget>RSRPServing+HOHysteresis+CellOffset (1)
ここで、RSRPTargetおよびRSRPServingの項は、図1のネットワーク100内の、それぞれ、ターゲットセル118およびサービングセル116からの基準シンボル受信電力(RSRP)測定を表す。式(1)のRSRP測定は、基地局102、104から送信された基準シンボルから判定され、UEによって対応基地局にレポートが返される。この式は、サービングセルからターゲットセルへのハンドオーバを実行するために所与のトリガ時間(TTT)の間満足しなければならない。パラメータCellOffset、マージンヒステリシスHOHysteresis、およびTTTの値は、所与のセルからの、または所与のセルへのハンドオフの容易さ/困難さを制御するように設定され、典型的には、所与のセル内のすべてのユーザには同じである。しかし、LTE規格により、1つのUE当たりベースでハンドオーバトリガパラメータを独立して設定することが可能である。ヨーロッパの大都市エリア内のネットワークの例示的な値は、HOHysteresisでは1〜3dB、TTTでは320〜960msである。式(1)は、36.331の5.5.4章、バージョン10.5.0に指定された事象A3に対応し、既存のシステムに大いに使用される基準である。
【0008】
ソフトセル展開では、UE110がマクロセル116に正式に関連しており、したがって、ハンドオーバ決定は、UE110によってマクロ基地局102、104から受信した信号に基づいて行われる。言い換えれば、既存のハンドオーバ手順を「ソフトセル」に適用した場合、マクロ層上の測定値だけがハンドオーバ決定の考慮に入れられる。
【0009】
したがって、ハンドオーバ決定の仕組みに関連した現在のプロトコルの存在にもかかわらず、制御プレーン上のリンク品質とユーザ(またはデータ)プレーン上のリンク品質との潜在的相違に対処することができるデバイスおよび方法が依然として必要とされる。この相違は、ソフトセル概念を特徴とする異種ネットワークにおいて頻繁に起きる。データプレーンにおいて受けた品質(すなわち、ピコ基地局から受信した信号)が制御プレーンにおいて受信した品質(すなわち、マクロ基地局から受信した信号)より高いとき、既存の技法は、最適なハンドオーバ決定をし損なうことになる。
【発明の概要】
【0010】
本発明の実施形態によれば、ハンドオーバ決定において制御プレーンおよびデータプレーンの両方のリンク品質を検討することにより通信ネットワークにおけるサービスの品質が改善される。開示される技法は、ソフトセル概念を特徴とする異種ネットワークにおいて特に有用である。
【0011】
特定の一態様では、本発明のある一定の実施形態は、サービングセルとターゲットセルとを有する通信ネットワークにおけるサービスの品質を改善するための方法を対象とする。方法は、第1のネットワークノードにおいて、ユーザ機器(UE)とサービングセルとの間の制御プレーンリンク品質を指示するサービングセルの制御プレーン値を受信することを含む。第1のネットワークノードは、UEとサービングセルとの間のデータプレーンリンク品質を指示するサービングセルのデータプレーン値、UEとUEによって検知されたターゲットセルとの間の制御プレーンリンク品質を指示するターゲットセルの制御プレーン値、およびUEとターゲットセルとの間のデータプレーンリンク品質を指示するターゲットセルのデータプレーン値も受信する。ターゲットセルの制御プレーン値およびターゲットセルのデータプレーン値は、少なくとも一部、ターゲットセル内の1つまたは複数のターゲットネットワークノードからの送信に基づく。サービングセルの制御プレーン値は、少なくとも一部、第1のネットワークノードからの送信に基づくことができる。
【0012】
方法は、サービングセルの制御プレーン値およびサービングセルのデータプレーン値と、ターゲットセルの制御プレーン値およびターゲットセルのデータプレーン値とを比較することも含む。この比較に基づいて、サービングセルからターゲットセルへのハンドオフを開始することができる。
【0013】
別の態様では、本発明のある一定の実施形態は、サービングセルとターゲットセルとを有する通信ネットワークにおいて動作可能なネットワークノードを対象とする。ネットワークノードは、UEとサービングセルとの間の制御プレーンリンク品質を指示するサービングセルの制御プレーン値、UEとサービングセルとの間のデータプレーンリンク品質を指示するサービングセルのデータプレーン値、UEとUEによって検知されたターゲットセルとの間の制御プレーンリンク品質を指示するターゲットセルの制御プレーン値、およびUEとターゲットセルとの間のデータプレーンリンク品質を指示するターゲットセルのデータプレーン値を受信するように構成された受信機を含む。ターゲットセルの制御プレーン値およびターゲットセルのデータプレーン値は、少なくとも一部、ターゲットセル内の1つまたは複数のターゲットネットワークノードからの送信に基づき、ネットワークノードは、サービングセル内に位置する。
【0014】
ネットワークノードは、サービングセルの制御プレーン値およびサービングセルのデータプレーン値と、ターゲットセルの制御プレーン値およびターゲットセルのデータプレーン値とを比較するように構成されるプロセッサも含む。プロセッサは、少なくとも一部比較に基づいて、UEのハンドオフを開始するようにさらに構成される。
【0015】
別の態様では、本発明のある一定の実施形態は、サービングセルとターゲットセルとを有する通信ネットワークにおけるサービスの品質を改善するための方法を対象とする。方法は、第1のネットワークノードにおいて、UEとサービングセルとの間のダウンリンク制御プレーンリンク品質を指示するサービングセルの制御プレーンダウンリンク値を受信することを含む。第1のネットワークノードは、UEとサービングセルとの間のアップリンクデータプレーンリンク品質を指示するサービングセルのデータプレーンアップリンク値、UEとUEによって検知されたターゲットセルとの間のダウンリンク制御プレーンリンク品質を指示するターゲットセルの制御プレーンダウンリンク値、UEとターゲットセルとの間のアップリンクデータプレーンリンク品質を指示するターゲットセルのデータプレーンアップリンク値も受信する。
【0016】
ある一定の実施形態では、サービングセルのデータプレーンアップリンク値は、サービングセル内の第2のネットワークノードから受信され、ターゲットセルのデータプレーンアップリンク値は、ターゲットセル内の1つまたは複数のターゲットネットワークノードから受信される。ターゲットセルの制御プレーンダウンリンク値は、少なくとも一部、ターゲットセル内のターゲットネットワークノードからの送信に基づくことができる。サービングセルの制御プレーンダウンリンク値は、少なくとも一部、第1のネットワークノードからの送信に基づくことができる。
【0017】
方法は、サービングセルの制御プレーンダウンリンク値およびサービングセルのデータプレーンアップリンク値と、ターゲットセルの制御プレーンダウンリンク値およびターゲットセルのデータプレーンアップリンク値とを比較することも含む。この比較に基づき、サービングセルからターゲットセルへのハンドオフを開始することができる。
【0018】
別の態様では、本発明のある一定の実施形態は、サービングセルとターゲットセルとを有する通信ネットワークにおいて動作可能なネットワークノードを対象とする。ネットワークノードは、UEとサービングセルとの間のダウンリンク制御プレーンリンク品質を指示するサービングセルの制御プレーンダウンリンク値、UEとサービングセルとの間のアップリンクデータプレーンリンク品質を指示するサービングセルのデータプレーンアップリンク値、UEとUEによって検知されたターゲットセルとの間のダウンリンク制御プレーンリンク品質を指示するターゲットセルの制御プレーンダウンリンク値、およびUEとターゲットセルとの間のアップリンクデータプレーンリンク品質を指示するターゲットセルのデータプレーンアップリンク値を受信するように構成された受信機を含む。
【0019】
ある一定の実施形態では、ネットワークノードは、サービングセル内に位置し、サービングセルのデータプレーンアップリンク値は、サービングセル内の第2のネットワークノードから受信される。ターゲットセルのデータプレーンアップリンク値は、ターゲットセル内の1つまたは複数のターゲットネットワークノードから受信することができる。ターゲットセルの制御プレーンダウンリンク値は、少なくとも一部、ターゲットセル内のターゲットネットワークノードからの送信に基づくことができる。サービングセルの制御プレーンダウンリンク値は、少なくとも一部、ネットワークノードからの送信に基づくことができる。
【0020】
ネットワークノードは、サービングセルの制御プレーン値およびサービングセルのデータプレーン値と、ターゲットセルの制御プレーン値およびターゲットセルのデータプレーン値とを比較するように構成されるプロセッサも含む。プロセッサは、少なくとも一部比較に基づいて、UEのハンドオフを開始するようにさらに構成される。
【0021】
ある一定の実施形態では、通信ネットワーク内のノードは、信号をノードのサービングセル内に位置するUEに送信する。ノードはUEとサービングセルとの間の制御プレーンおよびデータプレーンリンク品質を指示する値を受信する。これらの値は、例として、UEから受信することができる。ノードは、UEと、隣接するターゲットセルとの間の制御プレーンおよびデータプレーンリンク品質を指示する値も受信する。ある一定の態様では、サービングセルの制御プレーン値が所与の閾値レベルを満たすまたは超えるかどうかに関して判定することができる。満たさない場合、サービングセルからターゲットセルなどの隣接セルへのハンドオフが開始される。しかし、サービングセルの制御プレーンリンク品質が十分であると判定された場合、ノードは、サービングセルの制御プレーン値およびサービングセルのデータプレーン値と、ターゲットセルの制御プレーン値およびターゲットセルのデータプレーン値とを比較する。ターゲットセルの値がサービングセルの値をある一定の量だけ超えるなど、所定のハンドオフ条件を満足した場合、ターゲットセルへのハンドオフが開始される。ノードは、例として、異種ネットワーク内のマクロ基地局であることができ、サービングセルのデータプレーン値は、サービングセル内の1つまたは複数のピコノードへのリンク品質を指示することができる。
【0022】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成する添付の図面は、本開示の様々な実施形態を例示し、説明と共に、さらに本開示の原理を説明し、当業者が本明細書に開示される実施形態を製作し使用することを可能にする働きをする。図面において、同じ参照番号は、同一のまたは機能的に同様の要素を指示する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】ワイヤレス通信ネットワークの図である。
図2】LTE伝送の例示的なサブフレームの図である。
図3】本発明の例示的な実施形態による、ワイヤレス通信システムの図である。
図4】本発明の例示的な実施形態による、ネットワークノードの構成図である。
図5】本発明の例示的な実施形態による、ユーザ機器(UE)の構成図である。
図6】本発明の例示的な実施形態による、通信ネットワークにおける性能を改善するためのプロセスを例示する流れ図である。
図7】本発明の例示的な実施形態による、通信ネットワークにおける性能を改善するためのプロセスを例示する流れ図である。
図8】本発明の例示的な実施形態による、ワイヤレス通信システムの図である。
図9】本発明の例示的な実施形態による、通信ネットワークにおける性能を改善するためのプロセスを例示する流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の特定の実施形態は、制御プレーンとデータプレーン両方のリンク品質の検討を含む比較に基づいてサービングセルからターゲットセルへのユーザ機器(UE)のハンドオフを開始するかどうかの判定をするための方法およびデバイスを対象とする。本発明の態様は、図3に例示する例示的な通信ネットワーク300など、異種ネットワークにおけるハンドオーバ判定に適用することができる。ネットワーク300は、UE310が低電力ノード308のサービスエリア316内に位置するとき、制御シグナリングがマクロ基地局302を介してサービングセル312内のUE310に送信され、データがピコ基地局308など、1つまたは複数のより低い電力のノードを介して送信される、ソフトセル概念を例として利用することができる。
【0025】
通信ネットワーク300は、マクロ基地局304によって対応される少なくとも1つの追加のセル314も含む。LTE仕様書によれば、ある一定の状況下では、UE310は、最適のサービスをUE310に提供するために、その現在のまたはサービングセル312から、314など別の目的地またはターゲットセルにハンドオーバすることができる。本発明の実施形態によれば、異種ネットワーク300における性能を改善するために、ハンドオーバ決定は、制御プレーンならびにデータプレーンの両方におけるリンク品質の検討に基づく。例として、UE310をサービングセル312からターゲットセル314にハンドオーバする決定は、UE310とターゲットノード304との間の制御プレーンおよびデータプレーンにおけるリンク品質と比較したときの、UE310とノード302との間の制御プレーンにおけるリンク品質、およびUE310とノード308との間のデータプレーンリンク品質の検討に基づくことができる。
【0026】
数多くの基準信号およびレポートを、UE310とノード302、304、および/または308との間のリンク品質を確立するのに利用することができる。これらには、共通参照信号(CRS)、チャネル状態情報参照信号(CSI−RS)、復調参照信号(DM−RS)、一次同期信号(PSS)や二次同期信号(SSS)などの同期信号、アップリンクサウンディング参照信号(SRS)などの参照信号、ならびに参照信号受信電力(RSRP)、参照信号受信品質(RSRQ)、およびチャネル品質指標(CQI)または任意のチャネル状態情報などの測定およびレポートが含まれる。個々のノード、UE、およびバックグラウンドシステム(例を挙げると、無線ネットワーク制御器)または後端ネットワークにおける他のデバイスは、ハンドオーバ決定をするときに制御プレーンおよびデータプレーンの両方に関する情報を活用することができるようにこれらの仕組みを利用する。
【0027】
図4は、図3に示す基地局302などの例示的な基地局の構成図を示す。基地局304および308は、同様のやり方で実施することができる。図4に示すように、基地局302は、1つまたは複数のマイクロプロセッサおよび/または特定用途向け集積回路(ASIC)やフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)など、1つまたは複数の回路を含むことができるデータ処理システム408と、ネットワーク306に接続されたネットワークインターフェース406と、1つまたは複数の不揮発性記憶デバイスおよび/または1つまたは複数の揮発性記憶デバイス(例を挙げると、ランダムアクセスメモリ(RAM))を含むことができるデータ記憶システム410とを含むことができる。ネットワークインターフェース406は、1つまたは複数のアンテナ402を介してまたはネットワーク306により信号を送受信するように構成される送受信機404に接続される。特定の実施形態によれば、アンテナは、1つまたは複数のアンテナポートを含むように構成することができる。例として、アンテナ402は、LTE仕様書のポート0および1に対応する、第1のアンテナポート0および第2のアンテナポート1を含むことができる。開示されるデバイスおよび方法の例示的な実施形態では、基地局402は、ノードBまたは進化したノードBである。ある一定の態様によれば、開示されるノードは、いくつかのセルの種類およびサイズで動作するマクロ、マイクロ、ピコ、およびフェムトノードであり得る。セルのサイズおよび種類は、例として、LTE仕様書による、超小型、小型、中型、大型、超大型、マクロ、超大型マクロ、マイクロ、ピコおよびフェムトを含むことができる。
【0028】
データ処理システム408がマイクロプロセッサを含む実施形態では、コンピュータ可読プログラムコードは、限定はされないが、磁気媒体(例を挙げると、ハードディスク)、光媒体(例を挙げると、DVD)、メモリデバイス(例を挙げると、ランダムアクセスメモリ)など、コンピュータ可読媒体に格納することができる。いくつかの実施形態では、コンピュータ可読プログラムコードは、プロセッサによって実行されたとき、コードにより、データ処理システム408が以下に説明するステップ(例を挙げると、図6、7、および9に示す流れ図を参照して以下に説明するステップ)を実施するように構成される。他の実施形態では、基地局302は、コードを必要とすることなく本明細書に説明するステップを実施するように構成される。すなわち、例えば、データ処理システム408は、単に1つまたは複数のASICからなることができる。したがって、本明細書に説明する本発明の特徴は、ハードウェアおよび/またはソフトウェアで実現することができる。例えば、特定の実施形態では、上述の基地局の機能構成要素は、コンピュータ命令を実行するデータ処理システム408によって、任意のコンピュータ命令から独立して動作するデータ処理システム408によって、またはハードウェアおよび/またはソフトウェアの任意の適切な組合せによって実現することができる。
【0029】
図5は、図3に示すUE310など、例示的なUE通信デバイスの構成図を例示する。図5に示すように、UE通信デバイスは、1つまたは複数のアンテナ502と、1つまたは複数のマイクロプロセッサおよび/または、特定用途向け集積回路(ASIC)やフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)など、1つまたは複数の回路を含むことができるデータ処理システム506と、1つまたは複数の不揮発性記憶デバイスおよび/または1つまたは複数の揮発性記憶デバイス(例を挙げると、ランダムアクセスメモリ(RAM))を含むことができるデータ記憶またはメモリシステム508とを含むことができる。アンテナ502は、アンテナ502を介して信号を送受信するように構成される送受信機504に接続される。
【0030】
データ処理システム506がマイクロプロセッサを含む実施形態では、コンピュータ可読プログラムコードは、限定はされないが、磁気媒体(例を挙げると、ハードディスク)、光媒体(例を挙げると、DVD)、メモリデバイス(例を挙げると、ランダムアクセスメモリ)など、コンピュータ可読媒体に格納することができる。いくつかの実施形態では、コンピュータ可読プログラムコードは、プロセッサによって実行されたとき、コードにより、データ処理システム506が、例として、品質指標および基準測定を含むある一定の値の測定および/または報告に関するステップを実施するように構成される。他の実施形態では、UE通信デバイス310は、コードを必要とすることなくある一定のステップを実施するように構成される。すなわち、例えば、データ処理システム506は、1つまたは複数のASICからなることができる。したがって、本明細書に説明する本発明の特徴は、ハードウェアおよび/またはソフトウェアで実現することができる。例えば、特定の実施形態では、上述のUE通信デバイス310の機能構成要素は、コンピュータ命令を実行するデータ処理システム506によって、任意のコンピュータ命令から独立して動作するデータ処理システム506によって、またはハードウェアおよび/またはソフトウェアの任意の適切な組合せによって実現することができる。
【0031】
ある一定の実施形態では、本明細書に説明する方法およびデバイスは、例として、ソフトセル概念を採用することができる異種ネットワーク300に利用することができる。UE310など、ネットワーク300におけるUEは、例として、データ接続がサービングセル312に制御プレーン信号を送信する基地局302と異なるポイント308までである、UE310と低電力ノード308との間のデータ接続から利益を得ることができる。本発明の態様によれば、ハンドオーバ決定プロセス、したがって、ネットワーク300における伝送品質が改善される。ハンドオーバは、基地局302によって行い、および/または実現することができるが、UE310と低電力ノード308との間のリンク品質に(少なくとも一部)基づく。
【0032】
次に図6を参照すると、サービングセルとターゲットセルとを有する通信ネットワークにおけるサービスの品質を改善するためのプロセスを例示する流れ図600が示される。ある一定の実施形態では、プロセス600は、通信ネットワーク300において開始されるハンドオーバ決定に適用することができる。この場合、UE310は、基地局304によって対応される隣接セル314のセル端において、またはセル端近くで、サービングセル312内の基地局302によって対応することができる。UE310へのサービスの連続性を改善または維持するために、基地局302は、サービングセル312からターゲットセル314へのUE310のハンドオフを開始することが必要であり得る。例として、UE310が移動している場合、またはリンク品質に変化があった場合。
【0033】
ステップ610では、ネットワークノード302が、サービングセルの制御プレーン値を受信する。制御プレーンとは、物理チャネルダウンリンク制御シグナリング(PDCCH)や物理制御形式指標チャネル(PCFICH)などのダウンリンク物理制御チャネルを提供するプレーンと理解することができる。実施形態の態様によれば、ネットワークノード302によって受信された制御プレーン値は、制御プレーンにおけるUE310とサービングセル312との間のリンク品質を示す値である。値は、UE310から直接、またはネットワーク306にわたって受信することができ、例えば、参照信号受信電力(RSRP)のレポートを含むことができる。追加の制御プレーン値は、一次同期信号(PSS)または二次同期信号(SSS)における受信信号強度を含むことができる。

【0034】
ステップ620では、ネットワークノード302が、サービングセルのデータプレーン値を受信する。データプレーンとは、物理ダウンリンク共用チャネル(PDSCH)など、ダウンリンク物理データチャネルを提供するプレーンと理解することができる。実施形態の態様によれば、ノード302によって受信されたデータプレーン値は、UE310とサービングセル312との間のデータプレーンリンク品質を示す値である。データプレーン値は、UE310とポイント308などの低電力ノードとの間のリンクの品質を指示することができる。ノード308は、例として、ソフトセル展開における限定サービスエリア316においてデータサービスを提供するピコノードであり得る。
【0035】
データプレーン値は、UE310から直接、または送信を介してノード304から、またはネットワーク306にわたって受信することができ、例えば、チャネル状態情報参照信号(CSI−RS)の1つまたは複数の測定、RSRP測定、参照信号受信品質(RSRQ)測定、およびフィードバック用チャネル品質指標(CQI)推定を含むことができる。例として、受信データプレーン値は、ノード302において、または後端ネットワーク306内で計算することができる。データプレーン値は、UE310によって判定することもできる。これらの同期信号は、直接ノード302に送信される、またはノード308を介して中継される、UEによって受信される任意の適切な信号を表すことができる。データプレーン値は、UE310によって受信され、UE310がワイヤレスネットワーク300と時間および/または周波数において一致するように使用される同期信号に基づく情報を含むこともできる。特定の実施形態に使用することができる同期信号の具体的な例は、LTEネットワークにおける各フレームで送信される一次同期信号(PSS)、または二次同期信号(SSS)のいずれかを含む。
【0036】
ステップ630では、ネットワークノード302が、UE310とUE310によって検知されたターゲットセル314との間の制御プレーンリンク品質を指示するターゲットセルの制御プレーン値を受信する。ある一定の実施形態によれば、この値は、ターゲットセルの基地局304に対して測定されたRSRPを含む(またはRSRPに基づく)ことができる。この値は、アンテナ402を介して、またはネットワークインターフェース406を通じてネットワーク306から、ノード302によって受信することができる。ある一定の態様によれば、値は、UE310から直接受信することができる。
【0037】
ステップ640において、ネットワークノード302が、UE310とターゲットセル314との間のデータプレーン値リンク品質を指示するターゲットセルのデータプレーン値を受信する。ある一定の態様によれば、ターゲットセルの制御プレーン値およびターゲットセルのデータプレーン値は、少なくとも一部、ターゲットセル内の1つまたは複数のネットワークノード、例として、ノード304またはセル314内の追加の低電力ノードからの送信に基づく。サービングセルおよびターゲットセルのデータプレーン値と同様に、ターゲットセルのデータプレーン値は、UE310から直接、またはネットワーク306もしくはネットワーク300内で情報を通信する他の信号源を介して間接的に受信することができる。
【0038】
ステップ650では、サービングセルの制御プレーン値およびサービングセルのデータプレーン値が、ターゲットセルの制御プレーン値およびターゲットセルのデータプレーン値と比較される。例として、ネットワークノード302または後端デバイスは、これらの値を次式により比較することができる。
α・ControlPlaneValueTarget+β・DataPlaneValueTarget>α・ControlPlaneValueServing+β・DataPlaneValueServing+γ・X+δ・Y (2)
ここで、XおよびYの項は、所与のセルに入るまたは所与のセルから出る容易さまたは困難さを指定するのに使用される値を表す。例えば、X項は、ハンドオフを開始するために、サービングセルとターゲットセルとのリンク品質の最小差を確実に満たさなければならないために使用することができる。これにより、相対的に同様の品質を提供するセル間の反復されるおよび/または不要なハンドオーバを防止することができる。さらに、Y項は、ある一定の実施形態において、所望の負荷平衡を得るために、所与のセルの優先度を上げるまたは下げるのに使用することができる。例として、XおよびYの大きな値は、図3のネットワーク例においてセル312から314へのハンドオーバの可能性を低減することができる。
【0039】
ある一定の実施形態によれば、XおよびYの項は、それぞれ、ハンドオーバヒステリシスおよびセルオフセット値を表すことができる。重み付け係数α、β、γ、およびδは、例として、ネットワークベンダまたはオペレータによって判定し設定することができる。さらに、これらの値は、ノード302において下される1つまたは複数の決定により設定または修正することができる。これらの値は、例えば、0から1までの範囲にわたることがある。しかし、セル312および314の負荷を平衡させおよび/または制御するのに適当な調整を利用することができる。重み付け係数およびハンドオーバ/オフセットマージンは、ネットワークからユーザおよびノードに、汎用的な、UE固有の、またはセル固有のやり方のいずれかでシグナリングすることができる。
【0040】
ある一定の実施形態によれば、重み付け係数、ヒステリシス、およびオフセット値は、限定はされないが、ユーザ速度、セルサイズ、セル312および314の相対的なセルサイズ、ユーザ方向、セル負荷、ならびに基地局302、304、および/または308の特性を含む、数多くの係数に基づいて設定および/または修正することができる。さらに、ユーザによって必要とされるサービスの種類に基づいてパラメータを設定および/または修正することができる。例えば、ビデオやスピーチなど、時間重視サービスには、第1の組のパラメータを採用することができ、ユーザがインターネットやファイル転送プロトコル(FTP)などの最善努力型サービスを支持するときは第2の組を採用することができる。
【0041】
ステップ660では、ハンドオフが、少なくとも一部、ステップ650の比較に基づいて開始される。ある一定の実施形態によれば、ターゲットセル314の制御プレーン値とデータプレーン値との重み付けされた合計が、所与のマージン(例を挙げると、ヒステリシスおよびセルオフセットマージン)だけサービングセル312の制御プレーン値とデータプレーン値との合計より大きい場合、UE310はターゲットセル314に配属される。このハンドオーバは、シームレスまたはロスレスであることができ、基地局302によって開始することができる。
【0042】
ある一定の実施形態では、サービングセルおよびターゲットセルの制御プレーン値は、RSRPであり得る(またはRSRPに基づき得る)が、データプレーン値は、CQI推定である(またはCQI推定に基づく)。したがって、ハンドオーバ決定は、次式が満足されるかどうかに基づくことができる。
α・RSRPTarget+β・CQITarget>α・RSRPServing+β・CQIServing+γ・HOHysteresis+δ・CellOffset (3)
ここで、α、β、γ、およびδは、重み付け係数である。
【0043】
式(3)の数式は、CQIを利用して、サービングセル312およびターゲットセル314の両方におけるデータプレーンリンクの品質を数値化している。しかし、CSIフィードバックまたは信号対干渉雑音比(SINR)などの他の品質測定をデータプレーン値のいずれかまたは両方に使用することもできる。ある一定の実施形態によれば、これらのCQIおよびCSIの値は、UE310による通信に使用されるものなど、ある一定の物理リソースブロック(RPB)上の対応基地局312によって直接測定することができる。CQIに関して、測定がサービングセル312において実施される場合、CSI測定を同じPRB上で実施することができる。CQIの推定は、例えば、隣接セル314からRSRPならびに隣接セル314によって発生された干渉を測定することにより行うことができる。ある一定の実施形態によれば、この値は、それらの比に基づくことができる。隣接セル314からの干渉は、これらのPRBにおける受信された干渉の合計マイナス隣接セル314からのRSRPと表すことができる。
【0044】
ある一定の実施形態では、データプレーンリンク品質は、例を挙げると、RSRP測定、RSRQ測定およびフィードバック用CQI推定を含む、CSI−RSによる測定に基づく。データプレーンリンク品質は、一次同期チャネルおよび/または二次同期チャネル(それぞれPSSおよびSSS)上で受信した信号強度にさらに基づくことができる。他の態様によれば、データプレーン(すなわち、ユーザプレーン)におけるリンクの品質は、CQI、CSI,または同等物の観点から測定することができる。これらの値は、例えば、式(2)の数式においてDataPlaneValueTargetおよびDataPlaneValueServingに使用することができる。
【0045】
ある一定の実施形態では、サービングセル312内のRSRPの絶対レベルは、ハンドオーバ決定の一部とみなされる。例として、サービングセル312からのRSRPが、所与の閾値、例として、3GPP 36.331の5.5.4.章の事象A2で定義された閾値より低い場合、サービングセル312からのハンドオーバを作動させることができる。例えば、ネットワークは、UE310が最高のRSRPを有するセル314などの隣接(ターゲット)セルに配属されることが必要であり得る。ある一定の実施形態によれば、ハンドオーバは、例として、式(2)によって表された条件が満足されなくても、作動させることができる。しかし、サービングセルからの接続品質が接続を維持するのに十分である(すなわち、無線リンクの故障の危険が直ちにはない)場合、ハンドオーバ決定は、例として、プロセス600に基づいて隣接セル間で相対的リンク品質の評価に基づくことができる。したがって、閾値は、無線リンクの故障の許容危険度を指示するように定義することができる。
【0046】
次に図7を参照すると、サービングセルとターゲットセルとを有する通信ネットワークにおけるハンドオーバ決定をするためのプロセス700が示されている。例として、プロセス700は、サービングセル312とターゲットセル314とを有するネットワーク300内のUE310に適用することができる。ある一定の実施形態によれば、プロセス700は、ダウンリンクシグナリングおよびセル固有基準シンボルがノード302などのマクロ基地局によって送信され、データがピコ308などの低電力ノードから、または、例としてデータの流れが異なるノード308と302との組合せから送信される、ソフトセル概念の変形を特徴とする異種ネットワークに適用することができる。
【0047】
ステップ710では、制御信号がネットワークの第1のノードから送信される。例として、基地局302から。これらの信号は、UE310など、基地局のサービングセル312内の1つまたは複数のUEによって受信される。本発明の態様によれば、これらの信号は、制御プレーンにおいて送信される。追加のシグナリングは、例として、基地局302によって、またはポイント308など、より低い電力ノードによってデータプレーンにおいて送信することができる。
【0048】
ステップ720では、基地局302がUE310のリンク品質を指示するいくつかの値を受信する。これらの値は、そのサービングセルのUE310のリンク品質を指示する、サービングセルの制御プレーン値とサービングセルのデータプレーン値を含む。ある一定の実施形態によれば、これらの値の少なくとも1つは、ステップ710において基地局302によって送信された1つまたは複数の信号のUE310による測定に基づく。
【0049】
ステップ720において受信した値は、ターゲットセルの制御プレーン値およびターゲットセルのデータプレーン値も含む。これらの値は、UE310とターゲットセル314などの隣接セルとの間のリンク品質を指示する。ある一定の実施形態によれば、これらの値は、基地局304など、セル314内の1つまたは複数の基地局から送信された信号のUE310による測定に基づく。
【0050】
ステップ730では、サービングセルの制御プレーン値が所与の閾値を超えるかどうかに関して判定が下される。ある一定の実施形態によれば、この判定は、UE310によってレポートされたサービングセル312のRSRPが所与の閾値を超えるかどうかを評価することによって下される。超えない場合、ステップ740において隣接セルへのハンドオフが開始される。例えば、UE310は、ターゲットセル314であり得る、最高のRSRPを有する隣接セルに配属することができる。この決定は、ステップ720の残りの信号の受信および評価の前に下すことができる。
【0051】
閾値が満たされた場合、プロセスはステップ750に進み、サービングセルの制御プレーン値およびサービスデータプレーン値が、ターゲットセルのデータプレーン値および制御プレーン値と比較される。ハンドオフ条件が満足された場合、プロセスはステップ740に進み、UEがターゲットセル314に配属される。そうでなければ、プロセスはステップ710に戻る。
【0052】
ある一定の実施形態によれば、ステップ750および760の比較およびハンドオフ決定は、図6に示すプロセス600により下すことができる。例として、ステップ750の比較は、上述の式(2)を利用することができる。
【0053】
図8を参照すると、2つのマクロノード802、804および2つの低電力ノード808、818を含む通信ネットワーク800が提供される。サービングセルのノード802および808は、サービングセル812内に位置し、サービスをUE810に提供し、ターゲットセルのノード804および818は、ターゲットセル814内に位置する。低電力ノード808および818は、サービスエリア816と820とを有する。これらのサービスエリアは、例えば、UE810などのUEが低電力ノードとのアップリンク接続を介してデータを送信することができる、地理的領域を画定することができる。通信ネットワークは、例として、ノード802と804と、802と808と、および804と818とを接続することができる、ネットワーク806も含む。
【0054】
セル812、814の1つまたは複数は、マクロ基地局802、804およびピコまたはフェムトノード808、818をソフトセル構成で有する異種展開であり得る。ある一定の実施形態では、サービスエリア820を有する低電力ノード818は、サービングセル812とターゲットセル814との間の境界の近くに位置することができる。UE810がサービングセル812とターゲットセル814との間の境界に近づくにつれて、またはリンク品質状態が変化するにつれて、UE810をサービングセル812からターゲットセル814にハンドオーバするサービスを改善することができる。ハンドオフを開始するかどうかの決定は、少なくとも一部、UE810と、低電力ノード808および818の1つまたは複数との間のデータプレーンリンクの品質に基づくことができる。リンク品質は、例として、1つまたは複数のアップリンク測定によって指示することができる。
【0055】
次に図9を参照すると、流れ図900が、通信ネットワークにおけるハンドオフを開始するかどうかを判定するためのプロセスを例示する。
【0056】
ステップ910では、図8の基地局802などのネットワークノードが、UEとサービングセルとの間のダウンリンク制御プレーン品質を指示する、1つまたは複数のサービングセルの制御プレーンダウンリンク値を受信する。例として、基地局802は、UEとサービングセル812との間のリンク品質を指示する値をUE810から受信することができる。これらの値は、UE810から直接、または、例として、ネットワーク806にわたって間接的に受信することができる。ある一定の実施形態によれば、受信したサービングセルの制御プレーンダウンリンク値は、UE810など、サービングセル812内のUEによって送信されたRSRPレポートに基づくことができる。
【0057】
ステップ920では、ネットワークノードが、サービングセル812内のUEのデータプレーンにおけるアップリンク品質の指示を受信する。例として、基地局802は、UE810と、ソフトセル構成における低電力ノード808など、データプレーン上でサービスを提供するノードとの間のリンク品質を指示する、サービングセルのデータプレーンアップリンク値を受信することができる。サービングセルのデータプレーンアップリンク値は、例として、ネットワーク806またはオーバエア接続を介して低電力ノード808から受信することができる。この値は、例えば、低電力ノード808において実施される測定に基づくことができる。
【0058】
さらに、サービングセルのデータプレーンアップリンク値は、直接UE810からまたは通信ネットワーク800の後端システム内の別の信号源から受信することができる。あるいは、ステップ920では、基地局802などのノードは、サービングセル812内のデータプレーン上のリンク品質を判定するために、UE810によって送信された1つまたは複数の信号を測定することができる。この測定は、例えば、アップリンクサウンディング基準シンボル(UL SRS)、UL復調基準シンボル、および物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)における受信信号強度を含むことができる。
【0059】
ステップ930では、ネットワークノードが、UE810とターゲットセル814との間のダウンリンク制御プレーンリンク品質を指示するターゲットセルの制御プレーンダウンリンク値を受信する。ある一定の実施形態によれば、この値は、ターゲットセルの基地局804に対して測定されたRSRPを含む(またはRSRPに基づく)ことができる。この値は、アンテナ402を介して、またはネットワークインターフェース406を通じてネットワーク806から、ノード802によって受信することができる。ある一定の実施形態によれば、値はUE810から直接受信することができる。
【0060】
ステップ940では、ネットワークノードが、UE810とターゲットセル814との間のアップリンクデータプレーンリンク品質を指示するターゲットセルのデータプレーンアップリンク値を受信する。ある一定の実施形態によれば、ターゲットセルのデータプレーンアップリンク値は、UE810と、図8のノード818など、セル端近くのターゲットセル814内の1つまたは複数の低電力ノードとの間のリンク品質を指示することができる。例として、ターゲットセル814がソフトセル概念を採用したとき、低電力ノード818は、領域820におけるデータ受信範囲を提供する。
【0061】
ある一定の実施形態によれば、サービングセルおよびターゲットセルのアップリンクデータプレーン値は、アップリンクサウンディング参照信号(SRS)またはアップリンク信号対干渉雑音比(SINR)の測定に基づくことができる。これらの値は、例として、低電力ノード808および818によって測定することができる。
【0062】
ステップ950では、サービングセルの制御プレーンダウンリンク値およびサービングセルデータプレーンアップリンク値が、ターゲットセルの制御プレーンダウンリンク値およびターゲットセルのデータプレーンアップリンク値と比較される。この比較は、例えば、基地局802により、およびプロセス600に関して上に論じたように式(2)により実施することができる。
【0063】
ステップ960では、少なくとも一部、ステップ950の比較に基づいてハンドオフが開始される。このハンドオフは、例として、サービングセル812内のマクロ基地局802によってサービングセル814内のマクロ基地局804に対して開始することができる。
【0064】
本発明のある一定の実施形態によれば、1つまたは複数のリンク品質値が対応およびターゲットセル312、314、812、および814内のバックホール相互接続ノードを介して通信される。例として、マクロノード802、804およびより低い電力のノード808、818の1つまたは複数は、ネットワーク806を介して接続することができる。ある一定の態様では、バックホールネットワークが必要な情報を効果的に通信するのに十分に速くない場合、ハンドオフを開始するかどうかを判定するときに以下の比較を採用することができる。
β・RSRPTarget>RSRPServing+HOHysteresis+CellOffset (4)
ここで、重み付け係数β、HHysteresis、およびCellOffsetの値は、式(2)およびプロセス600に関して論じたように判定することができる。
【0065】
本明細書に説明した概念は、データプレーン(ユーザプレーン)と制御プレーンとの不均衡、アップリンク特性とダウンリンク特性との不均衡、または両方の組合せなど、不均衡を有する任意の異種システムにさらに適用できることが当業者には容易に明らかであろう。
【0066】
様々な実施形態を上述してきたが、それらは例示だけとして提示され、限定として提示されていないことを理解されたい。したがって、本開示の広さと範囲は、上述の例示的な実施形態のいずれかによって限定されるべきでない。さらに、そのすべての可能な変形における上述の要素の任意の組合せは、本明細書に他の指示がない限り、あるいは文脈により明確に反対されていない限り、本開示によって包含される。
【0067】
さらに、上述の、および図面に例示するプロセスは、ステップのシーケンスとして示されるが、これは、例示のためだけに行われたのである。したがって、ステップによっては追加するものがあり、ステップによっては省略するものがあり、ステップの順序は配列し直すことがあり、ステップによっては並行して実施するものがあることが企図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9