(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1の照明ランプ50を示す図である。
照明ランプ50は、筒状のガラス管56を有している。ガラス管56は、直管形ガラス管であり、筒管の一例である。
【0009】
発光部60は、発光ダイオード51(LED51)と基板52とヒートシンク54を有している。
発光部60は、ガラス管56に収納されて光を発光する。発光部60は、ガラス管56の長手方向に渡って延在している。
【0010】
LED51は、LED(発光ダイオード)単体又はLEDモジュールからなる。
基板52は、複数のLED51を均等に配置配列している。基板52の一端(右端)には、回路70がある。このため、基板52の一端(右端)には、LED51を配置できない。
回路70は、電子部品からなる回路部品71や回路部品72を搭載している。回路70の具体例は、LED51に対して供給する直流の極性をなくす回路である。回路部品71や回路部品72の具体例は抵抗素子、半導体素子、コンデンサなどの電子回路部品である。
【0011】
ヒートシンク54は、アルミニウム製などの金属製であり、基板52を取り付ける台座となりかつ放熱部材となる。
【0012】
ガラス管56の両端に一対の口金55がある。
各口金55は、一対の給電端子58を備えている。給電端子58の本数や形は、図に限らず他の本数でも他の形状でもよい。
【0013】
1対の口金55は、ガラス管56の両端を覆うとともに、発光部60のヒートシンク54の両端に固定されている。
【0014】
ガラス管56の内面には、拡散膜(図示せず)が有り、拡散膜は、LED51からの光を拡散する。拡散膜によりガラス管56の外観は曇った状態又は半透明状態になるが、ガラス管56の内部の部品や基板52などが透けて見える場合が有る。特に、基板52の上に搭載した電子部品は、ガラス管56との距離が小さくなるので透けて見える場合が有る。
【0015】
目隠し板80は、最も右端のLED51と回路70との間から口金55に向かって斜めに取り付けられている。目隠し板80は、回路70を隠す平面板である。
目隠し板80の発光面方向にある面(表面)は、反射面になっている。
目隠し板80の基板側の面(裏面)は、回路部品71、回路部品72を覆っている。
【0016】
基板52と目隠し板80と口金55との略三角柱の領域に、回路部品71、回路部品72が配置されている。
回路部品71、回路部品72のうち背の高い回路部品72のほうが口金55の近くに配置される。
【0017】
照明ランプ50は、安定的に動作するために必要な制御装置が一体となっていない構造である。すなわち、照明ランプ50は、外部にある電源からLED51を点灯する直流の定電流を給電端子58と回路70とを介して供給されて点灯する。
回路70は、電力の供給を、給電端子58から受けてもよいが、図示していないコネクタから受けてもよい。
【0018】
照明ランプ50は、長期使用の観点で、使用中に安全を損なうランプ内へのホコリの侵入ができない構造を備えている。すなわち、ガラス管56と口金55とは接着されており、発光部60は、密封されている。
【0019】
照明ランプ50は、ガラス製外郭を有し外形が従来通りの直管形照明ランプである。また、照明ランプ50は、機能を損なわずには恒久的に分解できない直管形LEDランプシステムである。
照明ランプ50は、ガラス製外郭を有し、直管形照明ランプの外形を変形させていない。また、口金55の形状も変形させていない。
【0020】
図2は、実施の形態1の照明ランプ50の分解図である。
目隠し板80には、下糊代97と上糊代98とカバー部99が有る。カバー部99は、全体として、舌状の平面板であり傾斜面を提供する。カバー部99は底辺82と丸みを帯びた1対の弧状のサイド辺81からなる。
【0021】
目隠し板80は、下糊代97が底辺82から下に突出している。
下糊代97は、カバー部99の底辺82の下部にある。下糊代97は、基板52の幅と同じ幅を有し、折り曲げられて基板52に接着される。その後、発光部60がガラス管56に挿入される。
【0022】
上糊代98は、カバー部99の上部に突出している。上糊代98は、下糊代97の幅の5分の1の幅を有し、折り曲げられて口金55又はガラス管56に接着される。
【0023】
図3は、実施の形態1の照明ランプ50の発光部60がガラス管56に挿入されたAA縦断面(管軸の直交する平面による断面)を示す一部省略図である。
カバー部99の両サイドの弧状のサイド辺81は、ガラス管56の内面に(ほぼ)当接する。カバー部99の底辺82の長さは基板52の幅よりは大きく、ガラス管56の内面まで届くのがよいが、図のように多少の隙間があってもよい。
【0024】
カバー部99は、舌状であるが斜めに配置されることにより、
図3に示すように、長手方向(管軸方向)からみると、ほぼ、弧状のサイド辺81が管軸を中心とし円の円弧となったD字状になる。
【0025】
図4は、実施の形態1の照明ランプ50のZZ縦断面を示す図である。
下糊代97は基板52に接着されている。上糊代98は、口金55の凹部94に上糊代98と共に挿入され凹部94にシリコーンで接着される。上糊代98は、ガラス端面57まで有ってもよいし、上糊代98は、ガラス端面57からガラス管56の外面まであってもよい。
【0026】
上糊代98は、凹部94内に存在しており、環状外壁部93から露出することはない。
目隠し板80は、回路部品71と回路部品72とを隠すとともに、リード線やネジや内端面91も隠している。
例えば、目隠し板80と基板52と角度(傾斜角θ)は、右端部のLED51の配光角αに沿っている。
すなわち、
傾斜角θ=90度−(配光角α÷2)
である。
【0027】
目隠し板80は、口金55から回路70がある部分まで目隠しをするものである。
目隠し板80は、LED51の光を発光面方向に反射させ、あるいは、拡散させ、かつ、消灯時に部品が透けて見えるのを防止する。
極性をなくす回路などの回路70が基板52に実装することができ、回路70を別基板で作成する場合に比べて、コスト低減が図れる。
【0028】
また、口金55の環状外壁部93を内端面91よりも回路70が有る方向に突き出す必要がなく、口金55をランプ管の長手方向に長くする必要がない。
さらに、回路70があっても、目隠し板80が反射板になっているので、回路70の部分からも光が出るため、回路70の部分が暗くなることがない。
目隠し板80の表面の色を、基板の色と同じか同系色の色にすれば、目隠し板80自身も外部から見えにくくなる。
【0029】
なお、目隠し板80は、鏡面仕上げの反射板でもよいが、光を拡散反射する拡散反射板でもよい。
【0030】
***目隠し板80の変形例***
図5、
図6、
図7は、目隠し板80の形状を変えたものである。
図5に示すように、目隠し板80は、下糊代97が底辺82から下に突出ていない。目隠し板80の底辺82にはカバー部99に向かって凹部が有り、目隠し板80の下糊代97がカバー部99に食い込んでいる。
【0031】
図6、
図7に示すように、カバー部99の両サイドの弧状のサイド辺81が、ヒートシンク54の基板取付面69にまで達し、目隠し板80の底辺82は、ヒートシンク54の基板取付面69と接している。
その他は、
図2、
図3、
図4と同じである。
【0032】
実施の形態2.
図8は、実施の形態2の照明ランプ50を示す図である。
図9は、実施の形態2の照明ランプ50のAA縦断面を示す図である。
【0033】
図8のように、目隠し板80が平面板ではなく、曲面を有していてもよい。たとえば、
図8に示すように、目隠し板80は、台形の平面板を湾曲させて製造する。
台形の平面板の両斜辺が底辺になり、長辺(下底)の両端が1対のサイド辺81となる。底辺はコ字状又はU字状になり、1対のサイド辺81はU字状に湾曲している。
その結果、
図9に示すように、1対のサイド辺81が平行又は略平行になる。1対のサイド辺81の間隔は基板52の幅以下であるので、底辺を基板52に接着することができる。
【0034】
あるいは、たとえば、台形ではなく三角形又は扇形の平面板を湾曲させてもよい。また、U字状ではなくC字状に湾曲させてもよい。
あるいは、たとえば、目隠し板80は、円錐を、その回転軸を通る平面又は回転軸に平行な平面で切った形状でもよい。また、円錐ではなく、三角錐、四角錐、その他の多角錐を平面で切った形状でもよい。
【0035】
この実施の形態の目隠し板80は、曲面なので、回路部品71,回路部品72の側面も覆うことができる。
【0036】
実施の形態3.
図10は、実施の形態3の照明ランプ50を示す図である。
図10のように、目隠し板80が平面板ではなく、発光面方向に対して凹面を提供する曲面を有していてもよい。たとえば、目隠し板80は、平面板を一元方向に湾曲させたものである。
【0037】
図11の概念図に示すように、目隠し板80の凹曲面は、目隠し板80に最も近いLED51を焦点Fとする回転放物面の一部、又は、最も近いLED51を焦点Fとする回転楕円面の一部である。LED51が焦点Fに有るので、目隠し板80の反射光は発光面方向に平行な平行光となる。
【0038】
実施の形態4.
図12のように、目隠し板80が途中で折れまがっていて、上糊代98が内端面91に接着されてもよい。
図13のように、目隠し板80がカーブしていて、上糊代98が内端面91に接着されてもよい。
【0039】
図12、
図13の場合は、目隠し板80が発光面方向のガラス管56の内面に接触しないので、目隠し板80を見えにくくする効果が有る。
図14のように、
図8に示した目隠し板80を上下反対にして、発光面方向に凹面が向くようにしてもよい。すなわち、目隠し板80の形状は、管軸に直交する平面による断面が、発光面方向に対して凹となるU字型になる。
【0040】
図15の(A)ように、目隠し板80のカバー部99の形状は、単純は平面板でもよい。
図15の(B)ように、目隠し板80のカバー部99の形状は、断面がコ字の板でもよい。
図15の(C)ように、目隠し板80のカバー部99の形状は、円錐の一部(凸部)でもよい。
図15の(D)ように、目隠し板80のカバー部99の形状は、円錐の一部(凹部)でもよい。
【0041】
目隠し板80のカバー部99の形状は、管軸に直交する平面による断面が、U字型、コ字型だけでなく、V字型、C字型、M字型、W字型などでもよい。
また、ガラス管56は、ガラスではなくポリカーボネート樹脂でもよく、筒管であればよい。
ガラス管56は、拡散膜がなく、ガラス管56が透明であってもよい。
目隠し板80の下糊代97と上糊代98とは両方なくてもよいし、上糊代98はなくてもよいし、逆に、下糊代97がなくてもよい。
目隠し板80を片側だけに配置するだけでなく、両側に配置してもよい。
【0042】
また、目隠し板80は、口金55までとどかなくてもよく、目隠し板80の全体形状が、ドーム型、かまぼこ型、蓋型、鞍型、釣鐘型、ハット型、キャップ型、円柱型、円錐型等の形状であって、回路部品71,回路部品72を内部に隠してしまうものでもよい。
また、前述した実施の形態を組み合わせて用いてもかまわない。
【0043】
以上のように、前述した実施の形態の照明ランプは、
ガラス管56やポリカーボネート樹脂管などの筒管と、
筒管の両端に固定された口金55と、
筒管に収納されて光を発光する発光部60であって、筒管の長手方向に渡って延在する発光部60と、
発光部60の少なくとも一方の端部を覆う目隠し板80と
を備えたことを特徴とする。
【0044】
発光部60は、
LED51と、
LED51を点灯する回路部品71、回路部品72と、
LED51を取り付け、回路部品71、回路部品72を端部に搭載した基板52と
を有し、
目隠し板80は、基板52の表面から口金55に向かってかつ基板52の表面から発光面方向に向かって斜めに傾斜したカバー部99(傾斜面)を有することを特徴とする。
【0045】
目隠し板80のカバー部99(傾斜面)は、LED51の光を発光面方向に反射する反射面を有することを特徴とする。また、反射面は、拡散面で有ることを特徴とする。
【0046】
目隠し板80は、基板52と口金55との少なくともいずれかに接着剤で固定されたことを特徴とする。
【0047】
目隠し板80は、LED51の配光角に沿って斜めに配置された平面板又は曲面板であることを特徴とする。
【0048】
目隠し板は、最も近いLED51を焦点とする回転放物面の一部、又は、最も近いLEDを焦点とする回転楕円面の一部を有することを特徴とする。