【文献】
Carlos G. Camara,Correlation between nanosecond X-ray flashes and stick-slip friction in peeling tape,nature,2008年10月23日,Vol.455,pp.1089-1092
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ターゲット棚が、複数の異なる電子ターゲット用の十分なスペースを有し、前記コリメータが、前記電子ターゲットからのX線をコリメートするよう移動可能であり、それにより、実質的に前記異なる電子ターゲットの選択可能な一つからのX線だけが、前記コリメータを通過する請求項13に記載のX線装置。
前記連続バンドが、該連続バンドにより画定されるループの内部を向く内面及び、該連続バンドにより画定されるループの内部とは逆方向を向く外面を含み、前記接触材料が、前記連続バンドの前記外面に接触する請求項16に記載のX線装置。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】この発明の側面に従う装置の部分の平面図である。
【
図2】この発明の側面に従う
図1の装置の部分の側面図である。
【
図3】この発明の側面に従う
図1及び2の装置の部分の斜視図である。
【
図4】この発明の側面に従う、テンショナーを含む装置の部分の側面図である。
【
図5】この発明の側面に従う、ローラーカセットを含む装置の部分の側面図である。
【
図6】この発明の側面に従う、他の接触ロッド断面を有する装置の側面図である。
【
図7】この発明の側面に従う、連続バンド経路により規定される領域の外部に配置された接触ロッドを有する装置の部分の側面図である。
【
図8A】この発明の側面に従う、他の接触ロッド断面及びテンショナーを有する装置の部分の側面図である。
【
図8B】この発明の側面に従う、装置のチャンバーの内部のX線測定装置を含む装置の部分の側面図である。
【
図9A】この発明の側面に従う接触ロッドの実施形態の断面を示す。
【
図9B】この発明の側面に従う接触ロッドの実施形態の断面を示す。
【
図9C】この発明の側面に従う接触ロッドの実施形態の断面を示す。
【
図9D】この発明の側面に従う接触ロッドの実施形態の断面を示す。
【
図9E】この発明の側面に従う接触ロッドの実施形態の断面を示す。
【
図9F】この発明の側面に従う接触ロッドの実施形態の断面を示す。
【
図9G】この発明の側面に従う接触ロッドの実施形態の断面を示す。
【
図9H】この発明の側面に従う接触ロッドの実施形態の断面を示す。
【
図9I】この発明の側面に従う接触ロッドの実施形態の断面を示す。
【
図9J】この発明の側面に従う接触ロッドの実施形態の断面を示す。
【
図9K】この発明の側面に従う接触ロッドの実施形態の断面を示す。
【
図10】この発明の側面に従う、電子ターゲットの実施形態を示す、装置の部分の平面図である。
【
図11A】電子ターゲットトレイの実施形態の斜視図である。
【
図11B】電子ターゲットトレイの実施形態の斜視図である。
【
図11C】電子ターゲットトレイの実施形態の側面図である。
【
図12】この発明の側面に従う、調整可能なX線放射窓を有する装置の部分の側面図である。
【
図13】この発明の側面に従う、片持梁を含む接触ロッドを有する装置の部分の側面図である。
【
図14】この発明の側面に従う、接地線を有する装置の部分の側面図である。
【
図15】この発明の側面に従う装置の部分を示す正面図である。
【
図16】この発明の側面に従う装置、たとえば
図15の装置のような装置の部分を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1〜3に、この発明の側面に従うX線発生用の装置の部分を表す図を示す。多くの実施形態では、
図1〜3に示す装置の部分は、低流体圧力環境を維持するべく構成されたハウジングの一以上のチャンバーに取り囲まれる。いくつかの実施形態では、いくつかの部分だけが取り囲まれるものとすることができる。たとえば、いくつかの実施形態では、装置のモーターが取り囲まれないものとすることができ、また、いくつかの実施形態では、ターゲット棚に近接する(またそれを含む)装置の部分だけが、そのように取り囲まれたものとすることができる。そのような様々な実施形態では通常、ハウジングは、X線を実質的に通す窓以外は、X線を実質的に通さない。
【0010】
装置は、駆動ローラー113と接触材料117との間に巻き付いたバンド111を含む。バンドは連続バンドとすることができるが、様々な実施形態は、連続的ではないバンドを含み得る。いくつかの実施形態では、バンドは、バンド内で又は、それによって異なる材料からなるものとすることができる。いくつかの実施形態では、バンドは、複数のバンドを備えることができ、そのいくつか又は全ては、特性が異なり又は同じとすることができる。接触材料は、ロッドの形態とすることができ、あるいは、他の構造の形態とすることができ、あるいは、ロッドもしくは他の構造の、又はそれを補う表面を与えることができる。便宜上、ここでは一般に、接触材料は、接触ロッド、ロッド又は接触と称することがある。駆動ローラーは、モーター119により駆動されるものであり、バンドの回転をもたらす。バンドが回転するとき、バンドは、接触ロッドの表面115に対してスライドする。バンドの材料及び、接触ロッドの表面の材料は、様々な実施形態では摩擦帯電(tribocharging)を通して、接触ロッドの表面とのバンドの表面の接触面積の変化が、電荷不均衡の発生をもたらすように選択される。好ましくは、摩擦帯電は、ロッドの表面との接触が変化するときに、バンドの部分上の相対的な電荷蓄積をもたらし、多くの実施形態では負電荷蓄積であるが、いくつかの実施形態では、バンド上の相対的な電荷蓄積は、正電荷蓄積であることがある。いくつかの実施形態では、バンドは電気絶縁材料を備える。いくつかの実施形態では、バンドはポリイミド膜を備える。いくつかの実施形態では、バンドはカプトン膜を備える。いくつかの実施形態では、ロッドの表面は導電性材料を備える。いくつかの実施形態では、ロッドの表面は、銀などの金属を備える。いくつかの実施形態では、接触表面はモリブデンを備える。いくつかの実施形態では、ロッドは金属ロッドであり、また、いくつかの実施形態では、ロッドは、モリブデンもしくはモリブデン合金ロッドである。
【0011】
装置はまた、電子ターゲットを保持するためのターゲット棚121を含む。
図1〜3の装置の部分を表す側面図を与える
図2に示すように、ターゲット棚は、接触ロッドに近接し、電子ターゲットがやや接触ロッドの位置に向いて配置された表面を有し、そこで、バンドの回転時に、バンドが接触ロッドとの接触から外れる。バンドが接触ロッドとの接触から外れるとき、バンドのそのような接触から外れる部分が、バンド上の負電荷蓄積から生じる過剰電子を放射する。
【0012】
いくつかの実施形態では、
図2及び3の比較を通して見ることができるように、連続バンドは、
図3の例に示すように、逆方向に駆動され得る。連続バンドの方向の逆転は、たとえば周期的であり、不定期とすることができるが、以前にバンドもしくは接触ロッドに適用された潤滑剤、たとえば以前にバンドもしくは接触ロッドに適用された固体潤滑剤を、当該潤滑剤が分散して作動中に他の位置に収集可能であるとき等に再適用することに有益である場合がある。
【0013】
図4に、この発明の側面に従う装置の部分を示す。
図4に示す装置のこの部分は、
図1〜3の装置のいくつかの部分と類似するが、バンドテンショナー・アセンブリを追加的に含み、これは、
図1〜3の装置のいくつかの実施形態でもまた用いることができる。
図4の装置は、駆動ローラー413、テンショナー及び接触ロッド414の周囲に巻き付けられた連続バンド411を含む。テンショナーは、たとえば、
図4に示すように、付勢ローラー428、スプリング425及びベース430を備える。スプリングは、ベースと付勢ローラーとの間に連結されて、付勢ローラー428を連続バンド411に対して付勢し、連続バンドの張力を増加させる。
図1〜3の装置では、駆動ローラーは、モーター(図示せず)により駆動され、連続バンドに隣接する矢印の方向への連続バンド411の回転をもたらす。連続バンドが回転するとき、連続バンドの表面部分は、接触ロッド414の表面を通過する。連続バンド411の材料及び、接触ロッド414の表面材料は、連続バンドの回転が、摩擦帯電を通して電荷不均衡の発生をもたらすように選択される。テンショナーにより引き起こされる連続バンド411の張力の増加は、連続バンド411と接触ロッド414との間の摩擦力の増加により更なる電荷を生成する。連続バンドは、電子ターゲット421上で、ターゲット材料(図示しない)に電子を放射する。そして、電子ターゲット421上のターゲット材料(図示せず)は、X線を通す窓(図示せず)により、
図4の垂直矢印により示される方向に、X線を放射する。
【0014】
図5に、この発明の側面に従う装置の部分を示す。
図5に示す装置の部分は、
図1〜3の装置のいくつかの部分と類似するが、カセットアセンブリを更に含み、これは、
図1〜3のいくつかの実施形態で用いることができる。
図5の装置は、連続バンド511、駆動ローラー513、接触ロッド515、電子ターゲット421及びカセット517を含み、これは、複数のローラー518を備える。
図1〜3の装置では、駆動ローラー513は、モーター(図示せず)により駆動されて、連続バンド511に隣接して示す矢印の方向に、バンドを回転させる。連続バンドはカセット517に入り、ここでは、連続バンドは、複数のローラー518上の蛇行経路に従う。カセット構造は、アセンブリ全体のサイズを大きく増大させることなしに、連続バンド511の長さの増大を可能にする。より長い連続バンド511は、より長い耐用年数を有し、このことは、連続バンド511を補修し又は交換するために、アセンブリのハウジング(図示せず)が開放され、そして再度閉ざされて放出される頻度を減らすことができる。他の実施形態では、連続バンド511が回転し続けるとき、連続バンド511は、接触ロッド515の表面を通過する。連続バンド511の材料及び、接触ロッド515の表面材料は、バンドの箇所による接触ロッドの表面との一連の接触が、摩擦帯電を通して電荷不均衡の発生をもたらすように選択される。連続バンドは、電子ターゲット521上で、ターゲット材料(図示せず)に電子を放出する。そして、電子ターゲット521上のターゲット材料(図示せず)は、X線透過窓(図示せず)により、
図5の垂直矢印で示す方向に、X線を放射する。様々な実施形態では、カセットは、5、7又はそれ以上のローラーを有する。
【0015】
図6は、この発明の側面に従う装置の部分の側面図である。
図6の装置の部分は、たとえば、
図2に示す装置の部分の代わりに用いることができる。
図6では、連続バンドは、駆動ローラー613の周囲に巻き付けられており、これは、モーター、接触ロッド623及び、複数のガイドローラー、たとえばガイドローラー615a、bにより駆動され得る。
図6の実施形態では、ガイドローラー615a、bはバンドを案内して、直線状に接触ロッドに接近するとともにそれから離隔し、このことは、接触ロッドの部分の調整により、X線の放射の異なる方向及び、バンドの伸張を可能にする。
【0016】
図6に示すように、接触ロッドは、実質的に横向きT字状断面を有し、バンドに接触する横向きTの延在先端部を有する。当該Tの上端への圧力の作用は、当該Tの先端部をバンドに押し付け、バンド上の張力及び、接触ロッドとバンドとの間の接触摩擦力を増加させる。また、接触ロッド621の形状は必然的に、電子ターゲットの配置のために棚の形態をなすものであり、又は、いくつかの実施形態では、電子ターゲットそれ自身として機能し、たとえば、電子励起蛍光X線とともに使用する。
【0017】
図7は、この発明の側面に従う装置の部分の側面図である。
図7の装置の部分は、たとえば、
図2に示す装置の部分に代えて用いることができる。
図7に示す装置の部分は、
図6の装置のそれらに類似し、ここでは連続バンドと接触ロッドとの相対位置が逆である。
図6と同様に、
図7では、連続バンドは、駆動ローラー713の周囲に巻き付けられており、これは、モーター及び、複数のガイドローラー、たとえばガイドローラー715a、bにより駆動され得る。また、
図7の実施形態では、ガイドローラー715a、bはバンドを案内し、直線状に接触ロッドに接近するとともにそれから離隔する。しかしながら、
図6の装置とは異なり、接触ロッドは、バンドにより規定される円の内側にはなく、代わりに、接触ロッドは、そのような円の外側にあり、接触ロッドは、バンドの外側表面に接触するものとして変更している。この実施形態では、バンドは、ロッド材料との接触より負に帯電する。このことは、AgスパッタBe窓722(a Ag sputtered Be window 722)のように、電子が、透過型ターゲットに向けて加速することを引き起こす。電子がターゲット窓に衝突したとき、X線は発生し、そのいくらかが窓を通って進む。
【0018】
図8Aは、この発明の側面に従う装置の部分の半ブロック図である。
図8Aの装置は、一般に他の装置と同様に、駆動ローラー813、接触ロッド815並びに、駆動ローラー及び接触ロッドの周囲に巻き付けられた連続バンド811を含む。
図8の装置はさらに、バンドの張力及び、それによりバンドと接触ロッドとの間の摩擦接触力を調整するためのバンドテンショナー817を含む。作動中は、先述したようなバンド及び接触ロッドの材料を有するバンドと接触ロッドとの間の摩擦接触は、接触ロッドとの接触から外れるバンドの部分で、バンド上に負電荷蓄積をもたらし、これは、接触ロッドのターゲット棚上で、ターゲット821内への電子の加速を可能にする。
【0019】
図8Aの概略図はさらに、バンドと駆動ローラーと接触ロッドとにチャンバーをもたらすハウジング831を示す。ハウジングは、ハウジング内でチャンバーにポート843によって連結された真空ポンプ841を使用することにより、チャンバー内で、たとえば200mTorr未満の、制御された流体圧力環境を維持するべく構成される。いくつかの実施形態では、チャンバーの内部分圧を監視するため、圧力計もまた含まれ得る。ハウジングは、多くの実施形態では実質的にX線を通さず、窓833も含み、窓はX線を実質的に通す。また
図8Aの概略図に示すように、窓に対してハウジングの外側には、たとえばX線吸収物質で開口部を有するコリメータ837が設けられる。コリメータは、ハウジング内でターゲット材料以外から発生する外部X線が、たとえばX線検出器もしくはセンサー又はX線カメラ等とすることができる測定装置835に到達することを防止するべく機能する。いくつかの実施形態、たとえば、トレイが、ターゲットとして機能し得る異なる材料のための複数の異なる領域を含む実施形態では、コリメータは可動であり、それにより、測定のための特定の材料を効果的に選択することができる。
【0020】
図8Bは、この発明の側面に従う装置の部分の半ブロック図である。
図8Bの装置は、
図8Aの装置と類似するが、ハウジング内にコリメータ及びX線測定装置を有する。
【0021】
図8Aの装置に類似する
図8Bの装置は、駆動ローラー813、接触ロッド815並びに、駆動ローラー及び接触ロッドの周囲に巻き付けた連続バンド811を含み、バンドの張力を調整するためのテンショナー817を有する。ハウジング832は、バンド、駆動ローラー及び接触ロッド用のチャンバーを与え、該ハウジングは、たとえば、ハウジング内でポート843によってチャンバーに連結された真空ポンプ841を使用することにより、制御された流体圧力環境を維持するべく構成される。
【0022】
また、ハウジング内には、たとえばX線検出器、センサーもしくはカメラなどのX線測定装置855があり、ハウジング内で電子ターゲットとX線測定装置との間には、コリメータ857を有する。いくつかの実施形態、たとえば、異なる材料用の複数の異なる領域を有するトレイが使用される実施形態では、コリメータは可動であり、それにより、測定のための特定の材料を効果的に選択することができる。
【0023】
図9A〜9Kに、たとえば、ここで述べる装置内に用いることができる接触ロッドの様々な実施形態を示す。
【0024】
図9Aには、この発明の側面に従う接触ロッド911の断面を示す。この断面は円形であり、これは摩擦をいくらか低減させて、連続バンド(図示せず)の早期の摩耗を防止する。
【0025】
図9Bには、この発明の側面に従う接触ロッド913の断面を示す。この断面は部分的に円形である。923から始まり、接触ロッド913の断面の時計回りに連続する略90度の放射断面は、接触ロッド913の長さ(longitude)に沿って除去されている。この断面は一般に、接触ロッド913の表面材料を残し、これは、所定の位置で連続バンド(図示せず)と接触することになるが、接触ロッドと連続バンドとの間の接触の喪失の、より多くの規定点もしくは線をも与える。一の実施形態では、電子ターゲットは、放射部分面921の頂点上に配置することができ、これは、電荷収集領域への電子ターゲットのより近い位置決めを可能にする。
【0026】
図9Cには、この発明の側面に従うL字状の接触ロッド929の断面を示す。連続バンド(図示せず)は、面927を通過し、電子ターゲットを配置するための面925を含む。
図9Bの接触ロッドと同様に、
図9Cの接触ロッドは、電子ターゲットの他の位置決めをもたらすだけでなく、接触ロッドと連続バンドとの間の接触線のより良好に規定された喪失をもたらす。また、いくつかの実施形態では、
図9Cの接触ロッドは、他の実施形態における放射線の放射の方向とは異なる方向の高密度放射線の放射に利用することができる。
【0027】
図9Dには、この発明の側面に従う接触ロッド931の断面を示す。この断面は、935から始まり平面933を画定する接触ロッド931の箇所を備える。また、ターゲット電子ターゲットは、面933により画定される面上に取り付けられ得る。
【0028】
図9Eには、この発明の側面に従う接触ロッド943の断面を示す。この断面は、半シリンダー殻945及び、統合されたターゲット電子ターゲット941からなる。また、自由端を有する半シリンダー殻945の弓状箇所は、連続バンド(図示せず)がそれを通過するときに曲がり、連続バンドからの電気エネルギー放射を増加させ得る。
【0029】
図9Fには、この発明の側面に従う接触ロッド948の断面を示す。この断面は、面947を有する半円形部分及び、面947の部分から延びる半三日月形状箇所949を備える。いくつかの他の実施形態と同様に、
図9Fの断面は、電子ターゲット上での電子ターゲットの他の位置決めをもたらすだけでなく、半三日月の頂点で、接触ロッドと連続バンドとの間の接触線のより良好に規定された喪失をもたらす。
【0030】
図9Gは、この発明の側面に従う接触ロッド951の断面を示す。接触ロッドの外面は、V字状凹部953と交互にある複数の丸い隆起部955により画定される。バンドの潤滑剤の注入または、連続バンド(図示せず)上の電荷の増加のためのペーストは、その表面上に配置することができ、そして該凹部がたとえば貯留層(reservoirs)として機能してV字状凹部953内に定着するだろう。
【0031】
図9Hには、この発明の側面に従う接触ロッド957の断面を示す。接触ロッドの外面は、接触ロッド957の表面958から上昇する複数の四角形状の隆起部959により画定される。連続バンド(図示せず)上の電荷の増加のための潤滑剤もしくはペーストは、当該表面上に配置することができ、そして四角形状の隆起部959の間で接触ロッド957の表面958上に定着するだろう。
【0032】
図9Iには、この発明の側面に従う接触ロッド961の斜視図を示す。接触ロッド961の表面は、接触ロッド961の外周の周囲に間隔をおいて配列された複数のディンプル963を有する。連続バンド(図示せず)上の電荷の増加のためのペーストは、その表面上に配置することができ、そして接触ロッド961のディンプル963内に定着するだろう。いくつかの他の実施形態と同様に、ディンプルは、潤滑剤もしくは様々なペースト用の貯留層として機能することができる。
【0033】
図9Jには、この発明の側面に従う接触ロッド965の断面を示す。この実施形態では、当該断面における隙間は、電気エネルギーが連続バンド(図示せず)からターゲット面967上に流れることを可能にする。この流れの経路は短いことが有利である。
【0034】
図9Kには、この発明の側面に従う、電子ターゲット975及び帯電フィラメント977を付加した
図9Fの接触ロッドの断面を示す。フィラメントは、たとえば、タングステンもしくはタングステン合金又は酸化バリウム、あるいはいくつかの他の電子エミッタからなるものとすることができる。そのようなフィラメントからの電子放射は、たとえば電気真空接触(図示せず)でバッテリー等の電源に連結することにより収集することができる。電子は、半三日月状箇所973の先端で、連続バンド(図示せず)から電子ターゲット975に流れ、その流れは、帯電フィラメント977から追加の電子を受け取り、それにより、プレートに到達する電荷及び、最終的にターゲットで発生するX線を増加させる。
【0035】
図10に、この発明の側面に従う装置の部分を示す。
図10に示す装置の部分は、
図1〜3の装置の部分のいくつかと類似するが、さらに電子ターゲットトレイ1017を含み、これは、ハウジング(図示せず)の外部で、調整装置(図示せず)により、
図10の矢印の方向に調整され得る。当該装置の部分はさらに、連続バンド1011、駆動ローラー1013及び接触ロッド1015を含む。モーター(図示せず)が駆動ローラーを回転させるとき、駆動ローラーは連続バンドを回転させる。バンドと接触ロッドとの接触により生成される電荷は、電子が、電子ターゲットトレイ1017上で電子ターゲットに流れることを可能にする。ターゲットトレイ上の個々の電子ターゲットは、一つだけのターゲットが常に、電子流により影響を受けるように、十分に間隔をあける。異なる電子ターゲットが望まれる場合、オペレーターは、調整装置を使用して、ベルトの経路下のターゲットトレイ上に、次に望まれるターゲットを移動させることができる。ターゲットトレイ1017は、複数のターゲットによって与えられることにより、たとえば、Au及びAgターゲットを有することにより、X線放射のスペクトル分布の制御を可能にし、異なるターゲット材料の特有の励起線は、X線スペクトル内に存在する。また、ターゲット材料は、銅ケーブル(図示せず)のような導電性材料により、電気的に接地され、又は切断されることができる。ターゲットはまた、電力供給のような電源に接続されて、電子放射のさらなる制御のためのバイアス電圧を与えることができる。
【0036】
図11Bに、
図10の装置の部分に使用するためのターゲット1121a、1121bを有するターゲットトレイ1123を示す。この実施形態では、ターゲットは円形状をなす。
【0037】
図11Aに、
図10の装置の部分に使用するためのターゲット1111a、1111b及び1111cを有するターゲットトレイを示す。このターゲットは、箇所1113a及び1113bにおける非X線発生材料(non-x-ray producing material)、たとえばプラスチック又は、一般に低Z値(low Z number)を有する材料等により分離されている。この実施形態では、ターゲットは四角形状をなす。
【0038】
図11Cに、この発明の側面に従うターゲットトレイの他の実施形態を示す。この実施形態では、二つのターゲット材料1125a及び1125bは、バンドが、仮に
図2に示すような時計回りに一方向に回転するときに、ラベル付きのターゲット1125aから放射が生じるように、棚1127により保持される。あるいは、バンドが反時計回りに回転するとき、ラベル付きのターゲット材料1125bから放射が生じる。
【0039】
図12に、この発明の側面に従う装置の部分を示す。
図12の装置は、一般に他の装置と同様に、駆動ローラー1213、接触ロッド1215並びに、駆動ローラー及び接触ロッドの周囲に巻き付けられた連続バンド1211を含む。ターゲット棚1221は、バンドにより形成されるループ内で、接触ロッドの近傍に設けられる。
図12の装置の材料及び作動は、
図1〜3の装置について説明したようなものとすることができる。
【0040】
いくつかの実施形態では、ターゲット棚は、電子ターゲットとして機能する異なる材料を含むターゲットトレイを支持し、このトレイは、たとえば、
図11A及び11Bについて説明したトレイとすることができる。たとえば
図10について説明したようなトレイの動作は、たとえば、トレイが、低流体圧力でチャンバーを取り囲むハウジング1225内にあることを考慮すれば、常に望ましいものではないことがある。従って、
図12の装置は、ハウジングの実質的にX線を通す窓1227の外側の可動コリメータ1229を含む。コリメータの動作は、たとえば、トレイ上の電子ターゲットの分離に等しい距離で移動することにより行われ、一般に特定のターゲットにより発生されるX線だけの通路を許容する。ハウジング(及びコリメータ)の外側の検出装置は、望ましいターゲット材料から発生するX線だけを検出することができる。
【0041】
図13に、この発明の側面に従う装置の部分を示す。
図13に示す装置の部分は、
図1〜3の装置の部分のいくつかに類似するが、さらに、片持梁1327を有する接触ロッド1315を含み、これは、
図1〜3の装置のいくつかの実施形態でも使用することができる。
図13の装置は、バンドに隣接する矢印により示される方向に移動する連続バンド及び、電子ターゲット1321を含む。片持梁は、連続バンドに接触する第一位置から、電子ターゲットに接触する第二位置に移動する。片持梁が連続バンドに接触するとき、それは、バンドの部分を接触ロッド1315に接地させる。片持梁が電子ターゲットに接触するとき、接触ロッドは、電子ターゲットに接地される。バンドの接地は、接触ロッドとの接触による電荷の発生に先立って、バンド上の望ましくない電荷レベルを低減させることができる。片持梁1327は、接触ロッド1315とターゲット棚1321との間の電気接続として機能する。棚上の電荷の量の制御はさらに、ターゲットへの放射率を制御することができる。いくつかの実施形態では、電力供給(図示せず)等の電源への電気接続により、ターゲット棚に電圧が印加され得る。いくつかの実施形態では、片持梁は、接触したときに連続バンドから破片(debris)を除去する。このことは、装置に内在する潜在的な保守問題を軽減するべく働く。
【0042】
図14に、この発明の側面に従う装置の分担(apportion)を示す。装置は、真空をもたらすハウジング内に含まれる。ハウジングは、
図14のハウジング窓を通って電子ターゲット1421から延びる垂直矢印により示される、X線を通す窓を有する。装置は、モーター(図示しない)により駆動される駆動ローラー1413と、連続バンドに隣接する矢印により示される方向に、駆動ローラーによって駆動される連続バンド1411と、接触ロッド1415と、接地網1427とを備える。接地網は、それがハウジングに接触して、ループ上での電荷用のファラデー箱として機能するように構成される。ターゲットにおける電位を増加させるため、電気的遮蔽を使用することができる。いくつかの実施形態では、網もまた連続バンドに接触することができ、それにより、バンドをハウジングに接地させる。バンドの接地は、接触ロッド1415との接触による電荷の発生に先立って、バンドにおける望ましくない電荷レベルを低減させることができる。
【0043】
図15は、この発明の側面に従う他のX線発生装置の部分を示す正面図である。
図15の装置は、シリンダー状ハウジング1519を含む。ハウジングは、低流体圧力でハウジング内のチャンバーを維持するべく構成される。ハウジングの壁は一般に、X線を通さない。
【0044】
バンド1511は、たとえば、他の実施形態について述べたように、ハウジング内にある。バンドは、駆動ローラー1513及び接触材料、たとえば接触ロッド1515の周囲に巻き付けられる。接触材料は、たとえば他の実施形態について述べたような接触材料とすることができる。たとえばモーター1517を含む駆動システムは、ローラーを駆動し、これは、バンドの表面領域が、接触材料との接触の変化を引き起こす。接触材料及びバンドの材料の適切な選択では、電荷不均衡が、二つの材料の間に生じ、電子が電子ターゲット(
図15には図示しない)に向けて加速されることができ、これは、たとえば金属を備えることができる。電子ターゲットは、ハウジングの正面に向けて配置されることが考えられ、たとえば
図15では、ページの外側の方向とすることが考えられる。いくつかの実施形態では、電子ターゲットは、ハウジングの窓の内面上とすることができ、ここでは、窓は実質的にX線を通す。そのような実施形態では、電子ターゲットは、たとえば、窓の内面上にスパッタされた金属とすることができる。いくつかの実施形態では、電子ターゲットは、ハウジング内で、仕切板(divider)を形成し、それの一部をなし、又は、それに取り付けられたものとすることができる。いくつかのそのような実施形態では、X線を実質的に通す窓を含む更なる壁はさらに、ハウジングの正面にあるものとすることができる。いくつかの実施形態では、仕切板は、ハウジング内のサブチャンバーの内壁を形成するものとすることができ、サブチャンバーは低流体圧力に維持される。
【0045】
図16は、
図15の装置のような装置の部分を示す側面図である。
図15の装置と同様に、
図16の装置は、駆動ローラー及び接触材料の周囲に巻き付けられたバンド1611を含み、駆動ローラーは、モーター1613に軸1615により連結される。
図16に示すように、バンドは、ハウジング1617、たとえばシリンダー状ハウジング内にある。ハウジングは、ハウジングの少なくとも部分内で、低流体圧力を維持するよう構成される。バンド及び接触材料の作動及び材料は、
図15について述べたものとすることができる。
【0046】
図16の装置では、電子ターゲット1619は、バンドの前方で、シリンダー状ハウジング内にある(いくつかの構成では、電子ターゲットは、ハウジングのチャンバー又はハウジングの外壁を形成すると考えられ得る)。さらに電子ターゲットの前方は、ハウジングの外壁1612であり、外壁は、X線を実質的に通す窓を含む。いくつかの実施形態では、電子ターゲットは、代わりに、窓の内面上にあるものとすることができる。
【0047】
様々な実施形態について、この発明を説明したが、この発明は、この開示にサポートされる新規で非自明なクレームを備えると認識されるべきである。