特許第6188935号(P6188935)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6188935
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1333 20060101AFI20170821BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20170821BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALI20170821BHJP
【FI】
   G02F1/1333
   G02F1/13357
   G02F1/1335 500
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-520845(P2016-520845)
(86)(22)【出願日】2014年5月20日
(86)【国際出願番号】JP2014063353
(87)【国際公開番号】WO2015177866
(87)【国際公開日】20151126
【審査請求日】2016年10月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】512225287
【氏名又は名称】堺ディスプレイプロダクト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】吉川 貴博
【審査官】 佐藤 洋允
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−233455(JP,A)
【文献】 特開2009−265237(JP,A)
【文献】 特開2011−138710(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F1/1333
G02F1/1335−1/13363
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
背面に光を入射され、正面に画像を表示する表示パネルと、該表示パネルの背面側に配置されており、前記表示パネルへ光を照射する光源と、前記表示パネル及び前記光源の間に配置されており、前記光源からの光を通過させる光学シートと、前記表示パネル及び前記光学シートの周縁部を背面側から支持する枠状の支持体とを備える表示装置において、
前記表示パネルの周縁部の背面側に、前記表示パネルの全周に亘って枠状の遮光部材を配置してあり、
該遮光部材は、
前記表示パネル及び前記支持体の間に挟まれた外枠部と、
該外枠部の内側に連なっており、前記表示パネル及び前記光学シートの間に挟まれた内枠部とを有すること
を特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記表示パネルは、
ガラスパネル部及び該ガラスパネル部の背面側に設けられた偏光板を含んでおり、
前記ガラスパネル部は前記偏光板よりも大きく、
前記外枠部は、前記表示パネルに沿った方向へ前記偏光板の端から前記ガラスパネル部が突出した部分に接触しており、
前記内枠部は、前記偏光板の背面に接触していること
を特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記遮光部材は、前記内枠部の位置が前記外枠部に比べて背面側に偏移した段状の形状を有すること
を特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記遮光部材は、弾性を有すること
を特徴とする請求項1から3までのいずれか一つに記載の表示装置。
【請求項5】
前記遮光部材は、前記表示パネルの周縁部又は前記支持体に接着されていること
を特徴とする請求項1から4までのいずれか一つに記載の表示装置。
【請求項6】
前記遮光部材は、前記外枠部が前記支持体に接着されており、前記内枠部の厚みが前記外枠部よりも薄いこと
を特徴とする請求項4に記載の表示装置。
【請求項7】
前記光学シートは、前記支持体の内側に配置されており、
前記支持体は、光を遮蔽し、前記光学シートの周縁部の背面に接触して前記光学シートを支持する部分を有すること
を特徴とする請求項1から6までのいずれか一つに記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直下型のバックライトを用いて画像を表示する表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶パネル等の非発光型の表示パネルを用いて画像を表示する表示装置は、表示パネルを背後から照明するバックライトを備えている。バックライトには、表示パネルの背後に光源が配置された直下型のものと、表示パネルの背後に導光板が配置され、導光板の端面に対向して光源が配置されたエッジライト型のものとがある。バックライトからの光は、表示パネルの背面へ入射し、画像を表示する表示面から出射される。しかし、バックライトからの光の一部が表示パネルの端面から入射することがある。この場合、表示パネルの端面から入射した光は表示面の周縁部分から出射し、表示面の周縁部分が他の部分よりも明るくなる光漏れが発生する。光漏れが発生した場合は、表示されている画像の品位が悪化する。特に、狭額縁化した表示装置では、光漏れが発生しやすくなる。特許文献1には、表示パネルの端面に接する遮光部材を備えることにより光漏れを防止する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−171619号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された技術では、遮光部材が表示パネルの端面に接していることで光漏れを防止しているものの、組立のばらつき等のために遮光部材の位置がずれた場合は、光漏れが発生することになる。また、表示パネルは、複数のガラス基板を含むガラスパネル部を二枚の偏光板で挟んだ構造になっており、ガラスパネル部は偏光板よりも大きい。表示パネルの周縁部分の背面では、ガラスパネル部の一部が偏光板に覆われておらずに露出している。ガラスパネル部が露出した部分に光が入射した場合は、同様に光漏れが発生する。
【0005】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、直下型のバックライトを備え、光漏れを確実に防止することができる表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る表示装置は、背面に光を入射され、正面に画像を表示する表示パネルと、該表示パネルの背面側に配置されており、前記表示パネルへ光を照射する光源と、前記表示パネル及び前記光源の間に配置されており、前記光源からの光を通過させる光学シートと、前記表示パネル及び前記光学シートの周縁部を背面側から支持する枠状の支持体とを備える表示装置において、前記表示パネルの周縁部の背面側に、前記表示パネルの全周に亘って枠状の遮光部材を配置してあり、該遮光部材は、前記表示パネル及び前記支持体の間に挟まれた外枠部と、該外枠部の内側に連なっており、前記表示パネル及び前記光学シートの間に挟まれた内枠部とを有することを特徴とする。
【0007】
本発明においては、表示装置は、表示パネルと直下型の光源との間に光学シートを配置してあり、表示パネルの周縁部を背面側から枠状の支持体で支持している。表示パネルの周縁部の背面側には全周に亘って遮光部材が配置されており、遮光部材の外枠部は表示パネルと支持体との間に挟まれており、遮光部材の内枠部は表示パネルと光学シートとの間に挟まれている。光学シートを通過した光は遮光部材で遮光され、表示パネルの周縁部へ光が入射することが防止される。
【0008】
本発明に係る表示装置は、前記表示パネルは、ガラスパネル部及び該ガラスパネル部の背面側に設けられた偏光板を含んでおり、前記ガラスパネル部は前記偏光板よりも大きく、前記外枠部は、前記表示パネルに沿った方向へ前記偏光板の端から前記ガラスパネル部が突出した部分に接触しており、前記内枠部は、前記偏光板の背面に接触していることを特徴とする。
【0009】
本発明においては、表示パネルのガラスパネル部は、背面側に配置された偏光板よりも大きい。ガラスパネル部の周縁部は、偏光板の端よりも突出し、背面が偏光板に覆われずに露出している。遮光部材の外枠部は、ガラスパネル部の周縁部の背面に接触しており、内枠部は偏光板の背面に接触している。光学シートを通過した光は遮光部材で遮光され、ガラスパネル部の偏光板に覆われずに露出した部分へ光が入射することが防止される。
【0010】
本発明に係る表示装置は、前記遮光部材は、前記内枠部の位置が前記外枠部に比べて背面側に偏移した段状の形状を有することを特徴とする。
【0011】
本発明においては、遮光部材は、内枠部の位置が外枠部に比べて背面側に偏移した段状の形状になっている。遮光部材と、表示パネル、支持体及び光学シートとの密着性が高くなり、また、遮光部材の位置ずれが防止される。
【0012】
本発明に係る表示装置は、前記遮光部材は、弾性を有することを特徴とする。
【0013】
本発明においては、遮光部材は、弾性を有しているので、表示パネルと支持体及び光学シートとの間で押圧されることによって復元力が発生し、表示パネル及び光学シートの周縁部に密着するように当接する。このため、光学シートを通過した光が表示パネルの周縁部へ入射することが確実に防止される。
【0014】
本発明に係る表示装置は、前記遮光部材は、前記表示パネルの周縁部又は前記支持体に接着されていることを特徴とする。
【0015】
本発明においては、遮光部材が表示パネルの周縁部又は支持体に接着されていることにより、表示装置の組み立て時に遮光部材の位置ずれが防止される。
【0016】
本発明に係る表示装置は、前記遮光部材は、前記外枠部が前記支持体に接着されており、前記内枠部の厚みが前記外枠部よりも薄いことを特徴とする。
【0017】
本発明においては、遮光部材の外枠部が支持体に接着され、内枠部の厚みが外枠部よりも薄くなっている。表示装置の組み立て時、支持体に光学シートを配置する際に、遮光部材の内枠部は光学シートに押されて折れ曲がるが、復元力により元の形状に戻り、光学シートの背後に遮光部材の内枠部が潜り込むことがない。
【0018】
本発明に係る表示装置は、前記光学シートは、前記支持体の内側に配置されており、前記支持体は、光を遮蔽し、前記光学シートの周縁部の背面に接触して前記光学シートを支持する部分を有することを特徴とする。
【0019】
本発明においては、光学シートは支持体の内側に配置され、支持体は、光を遮光し、光学シートを背後から支持する。光源からの光の内で光学シートに入射しない光は、支持体で遮光され、表示パネルの周縁部へ入射することはない。
【発明の効果】
【0020】
本発明あっては、表示パネルの周縁部へ光が入射することが防止され、表示装置に光漏れが発生することが確実に防止される。従って、表示装置が表示する画像の品位の悪化が防止される等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明に係る表示装置の斜視図である。
図2】表示装置の模式的断面図である。
図3】表示装置の断面の端部分を拡大した模式的部分断面図である。
図4】実施の形態1に係る表示装置の遮光部材の組み付けの様子を示す説明図である。
図5】実施の形態2に係る表示装置の遮光部材の組み付けの様子を示す説明図である。
図6】実施の形態3に係る表示装置の遮光部材の組み付けの様子を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明に係る表示装置の斜視図である。表示装置は、例えばテレビジョン受像機である。表示装置は、矩形板状の非発光型の表示パネル2を備えている。表示パネル2は、背後から照明されて画像を表示する。表示パネル2は例えば液晶パネルである。表示パネル2の周縁部分及び側面はベゼル1に覆われている。ベゼル1は額縁状の金属製部材である。
【0023】
図2は、表示装置の模式的断面図である。図2側が表示パネル2の正面側に対応し、側が表示パネル2の背面側に対応する。表示パネル2の背後には、光を拡散・集光させる略矩形状の光学シート3が配置されている。光学シート3は、光を拡散させる機能を有するシート、及び集光する機能を有するシート等、複数のシートが積層されて構成されている。表示パネル2の背面は光学シート3に対向している。表示パネル2は光学シート3よりも大面積であり、正面視で表示パネル2の周縁部分は光学シート3よりも外側に位置している。光学シート3の背後には、光を拡散させる矩形板状の拡散板61が配置されている。拡散板61の背後には、複数の光源63が配置されている。光源63は、発光ダイオード又は冷陰極管等で構成されている。複数の光源63は、拡散板61から離隔し、拡散板61に沿った方向に並んでいる。光源63は、光学シート3及び拡散板61を間に置いて表示パネル2の背面に対向している。更に、拡散板61の背後には、光源63からの光を反射させる反射シート62が配置されている。拡散板61、反射シート62及び光源63は、表示装置に含まれる直下型のバックライトを構成している。光源63からの光は、反射シート62で反射され、拡散板61へ入射し、拡散板61で拡散されながら拡散板61を通過し、光学シート3へ入射する。光学シート3へ入射した光は、光学シート3で拡散・集光されながら光学シート3を通過し、表示パネル2の背面へ入射する。表示パネル2は、入射した光を正面から放射することで画像を表示する。
【0024】
表示パネル2及び光学シート3と拡散板61との間には、矩形枠状の内部シャーシ4(支持体)が配置されている。内部シャーシ4は、表示パネル2及び光学シート3の周縁部分の背面側に位置しており、表示パネル2及び光学シート3の周縁部分を背面側から支持している。また、内部シャーシ4は、光を遮断する材料で構成されている。表示パネル2と内部シャーシ4及び光学シート3との間には、遮光部材5が配置されている。遮光部材5は、光を遮断するとともに、表示パネル2と内部シャーシ4及び光学シート3との間の隙間を埋める緩衝部材としての役割を果たす。表示パネル2は、ベゼル1の表示パネル2よりも正面側に位置する部分と内部シャーシ4との間で狭持されている。
【0025】
反射シート62の後側には、金属製のバックライトシャーシ7が配置されている。拡散板61及び反射シート62は、内部シャーシ4及びバックライトシャーシ7の間で狭持されている。光源63はバックライトシャーシ7に固定されている。
【0026】
図3は、表示装置の断面の端部分を拡大した模式的部分断面図である。ベゼル1の表示パネル2よりも正面側に位置する部分と表示パネル2との間にはスペーサ11が配置されている。表示パネル2は、複数のガラス基板が積層されたガラスパネル部22、ガラスパネル部22の正面側に設けられた偏光板21、及びガラスパネル部22の背面側に設けられた偏光板23を含んで構成されている。ガラスパネル部22には、ガラス基板に実装された電極層及び液晶層等が含まれている。ガラスパネル部22は偏光板23よりも大きい。このため、ガラスパネル部22の周縁部は、表示パネル2に沿った方向へ偏光板23の端よりも突出しており、周縁部の背面は偏光板23に覆われずに露出している。
【0027】
内部シャーシ4は、表示パネル2を支持するパネル支持部41と、光学シート3を支持するシート支持部42とを有している。パネル支持部41は、表示パネル2の周縁部の背面側に位置しており、遮光部材5を介して表示パネル2の周縁部を背面側から支持している。光学シート3はパネル支持部41よりも内側に配置されており、光学シート3の周縁よりも外側にパネル支持部41が位置している。シート支持部42は、パネル支持部41から背面側へ突出し、更に内側へ突出した部分である。シート支持部42は、光学シート3の周縁部の背面側に位置しており、光学シート3の周縁部を背面側から支持している。
【0028】
図4は、実施の形態1に係る表示装置の遮光部材5の組み付けの様子を示す説明図である。表示装置の断面の端部分を拡大した模式的部分断面図を示している。遮光部材5は、シリコン、ウレタン又はゴム等の弾性を有する材料で形成されている。図4に示すように、遮光部材5は断面が矩形状になっている。以下の説明では、遮光部材5の外側の部分、即ち図4では左側の部分を外枠部51と呼ぶ。遮光部材5の内側の部分、即ち図4では右側の部分を内枠部52と呼ぶ。遮光部材5の外枠部51は、内部シャーシ4のパネル支持部41に正面側から接触している。内枠部52は、パネル支持部41よりも内側へ突出している。遮光部材5の外枠部51はパネル支持部41と接する部分に両面テープ、接着剤等を設けて、内部シャーシ4と接着する。遮光部材5を内部シャーシ4に接着することにより、組立時の遮光部材5の位置ずれが防止される。遮光部材5の外枠部51を内部シャーシ4に接着後、図4に矢印で示したように、正面側から表示パネル2を積層させる。更に、スペーサ11を積層させ、ベゼル1を内部シャーシ4に固定する。ベゼル1を固定した状態が、図3に示したものとなる。
【0029】
図3に示すように、遮光部材5は、外枠部51と外枠部51に比べて位置が背面側に偏移した内枠部52とが連なった段状に変形している。遮光部材5の外枠部51は、ガラスパネル部22の周縁部と内部シャーシ4のパネル支持部41との間で挟持されている。遮光部材5の内枠部52は、偏光板23の背面と光学シート3の正面に接触し、偏光板23と光学シート3との間で挟持されている。即ち、遮光部材5は、ガラスパネル部22の周縁部に外枠部51が接触し、内枠部52が偏光板23及び光学シート3に接触するような大きさになっている。偏光板23は、ガラスパネル部22の周縁部の背面よりも突出しているので、表示パネル2を積層した際に、遮光部材5の内枠部52は、偏光板23によって背面側へ押され、偏光板23の厚みの分だけ変形する。このようにして、表示パネル2を積層した後の遮光部材5は、前後から押圧され、段状になっている。遮光部材5は弾性を有しているので、押圧されることによって復元力が発生し、遮光部材5は、ガラスパネル部22の偏光板23で覆われずに露出した周縁部の背面、内部シャーシ4のパネル支持部41、偏光板23の周縁部の背面及び光学シート3の周縁部の正面と密着するように当接する。
【0030】
遮光部材5は、表示パネル2の全周に亘って設けられており、正面視で枠状に形成されている。また、遮光部材5は、光を遮断する材料で形成されている。遮光部材5の色は遮光性を高めるために黒色であることが望ましい。ただし、遮光部材5の色は黒色に限らず、灰色又は白色等の他の色であってもよい。遮光部材5が全周に亘って設けられているので、光学シート3の周縁部の正面及び偏光板23の周縁部の背面は、遮光部材5の内枠部52で覆われている。このため、光学シート3を通過した光源63からの光は、偏光板23よりも外側へ漏れようとしても、遮光部材5で遮光されるので、漏れることはない。実質的に、光は全て偏光板23へ入射し、表示パネル2での画像表示に寄与する。偏光板23よりも外側へ光が漏れることがないので、表示パネル2の端面、及びガラスパネル部22の周縁部へ光が入射することはなく、光漏れが発生することがない。また、ガラスパネル部22の偏光板23で覆われずに露出した周縁部の背面には、遮光部材5の外枠部51が接しているので、仮に偏光板23よりも外側へ光が漏れたとしても、外枠部51で遮光され、ガラスパネル部22の周縁部の背面へ光が入射することはなく、光漏れが発生することがない。また、光学シート3から外側へ光が漏れたとしても、同様に、遮光部材5の外枠部51で遮光され、光漏れが発生することはない。更に、拡散板61及び反射シート62から外側へ光が漏れたとしても、内部シャーシ4で遮光され、光漏れが発生することはない。
【0031】
以上のように、遮光部材5を設けることにより、表示パネル2の端面、及びガラスパネル部22の偏光板23で覆われずに露出した部分へ光が入射することを防止し、表示装置の表示面の周縁部分が他の部分よりも明るくなる光漏れの発生を確実に防止することができる。組立のばらつき等のために遮光部材5の位置が表示パネル2に沿ってずれた場合でも、ガラスパネル部22、偏光板23及び光学シート3と遮光部材5とが密着する状態は保たれやすい。このため、この場合でも、確実に光は遮断され、光漏れの発生が防止される。光漏れの発生が確実に防止されるので、表示装置が表示する画像の品位の悪化が防止される。
【0032】
(実施の形態2)
図5は、実施の形態2に係る表示装置の遮光部材5の組み付けの様子を示す説明図である。表示装置の断面の端部分を拡大した模式的部分断面図を示している。実施の形態2では、遮光部材5の形状が実施の形態1と異なるが、その他については、実施の形態1と同様である。実施の形態2では遮光部材5の形状を組み付け後の形状に近いものとする。図5に示すように遮光部材5の断面は段状になっている。即ち、遮光部材5の断面は、共に矩形状断面を有する外枠部51及び内枠部52が連続しており、内枠部52の位置が外枠部51に比べて背面側へ偏移した形状になっている。遮光部材5は断面が矩形状の部材二つを加工して貼りあわせてもよい。また、遮光部材5は、断面が段状になるように成形した成形品であってもよい。
【0033】
遮光部材5の外枠部51は、内部シャーシ4のパネル支持部41に、両面テープ又は接着剤等で接着される。外枠部51を接着する際には、外枠部51の左側の面は内部シャーシ4と隙間を空ける。同様に、外枠部51の右側の面は、表示パネル2の偏光板23の端と隙間が開くようにしてある。
【0034】
遮光部材5を内部シャーシ4に接着後、図5に矢印で示したように、表示パネル2を積層させる。更に、スペーサ11を積層させ、ベゼル1を内部シャーシ4に固定する。ベゼル1を固定した状態が、図3に示したものとなる。遮光部材5は組み付け時に変形し、隙間が埋められる。なお、隙間を開ける構成は必須ではなく、表示装置の構成は隙間を開けない構成であってもよい。
【0035】
本実施の形態においても、表示装置は、実施の形態1と同様の効果を奏する。即ち、光漏れの発生が確実に防止され、表示装置が表示する画像の品位の悪化が防止される。また、本実施の形態では、遮光部材5の断面形状を、表示パネル2、内部シャーシ4及び光学シート3に挟持されて形成される断面形状と略一致するように、段状としている。このため、遮光部材5は、表示パネル2、内部シャーシ4及び光学シート3と密着性が高くなる。表示パネル2に沿った方向の振動が発生した場合、外枠部51が偏光板23に係止され、内枠部52が内部シャーシ4のパネル支持部41に係止されて、振動方向に遮光部材5の位置がずれることが防止される。このため、表示装置は、より確実に光漏れの発生を防止することができる。
【0036】
以上の実施の形態1及び2においては、遮光部材5は内部シャーシ4に接着するとしたが、これに限るものではない。例えば、遮光部材5を表示パネル2の周縁部に接着してもよい。この場合でも、表示装置の組み立て時に遮光部材5の位置ずれが防止される。また、表示装置は、接着を行わずに組み立てられることも可能である。
【0037】
(実施の形態3)
図6は、実施の形態3に係る表示装置の遮光部材5の組み付けの様子を示す説明図である。表示装置の断面の端部分を拡大した模式的部分断面図を示している。実施の形態3では、遮光部材5の形状が実施の形態1及び2と異なるが、その他については、実施の形態1及び2と同様である。実施の形態3では、遮光部材5の外枠部51及び内枠部52は夫々の断面が矩形状をなしており、内枠部52は外枠部51より厚みを薄くしてある。図6中には、外枠部51及び内枠部52の正面側の面が同一面となった例を示しているが、内枠部52の厚みが外枠部51より薄くしてある形状であれば、外枠部51及び内枠部52の正面側の面が同一面になっていなくてもよい。
【0038】
遮光部材5の外枠部51は、内部シャーシ4のパネル支持部41に、両面テープ又は接着剤等で接着される。外枠部51を接着する際には、実施の形態2の場合と同様に、外枠部51の左側の面は内部シャーシ4と隙間を空ける。遮光部材5は組み付け時に変形し、隙間が埋められる。なお、隙間を開ける構成は必須では無く、表示装置の構成は隙間を開けない構成であってもよい。
【0039】
本実施の形態での組立手順を説明する。バックライトシャーシ7に反射シート62及び光源63を組み付け、次に拡散板61を組み付ける。次に、予め遮光部材5を接着してある内部シャーシ4を組み付けるか、又は、内部シャーシ4を組み付けた後に遮光部材5を接着する。次に、光学シート3を配置する。光学シート3を配置する際には、遮光部材5の内枠部52が邪魔となる。しかし、遮光部材5は弾性を有しており、内枠部52を薄くしているので、光学シート3を正面側から押し込むことで、図6中に二点鎖線で示すように内枠部52が光学シート3の周縁部に押されて折れ曲がる。遮光部材5の内枠部52が折れ曲がることで、光学シート3は、内枠部52よりも背面側へ移動し、背後から内部シャーシ4のシート支持部42に支持される位置に配置される。光学シート3が配置された後は、遮光部材5の内枠部52は復元力により元の形状に戻る。次に、表示パネル2を積層させ、スペーサ11を配置させ、ベゼル1を内部シャーシ4に固定する。ベゼル1を固定した状態が、図3に示したものとなる。組立時に遮光部材5の内枠部52が光学シート3の背面側に潜り込むことを防止することができる。
【0040】
本実施の形態においても、表示装置は、実施の形態1と同様の効果を奏する。即ち、光漏れの発生が確実に防止され、表示装置が表示する画像の品位の悪化が防止される。また、予め内部シャーシ4に遮光部材5を接着した場合であっても、組立時に遮光部材5の内枠部52が光学シート3の背面側に潜り込むことを防止するので、組立作業の作業性が改善される。また、予め内部シャーシ4に遮光部材5を接着しておくことにより、組立時に遮光部材5の位置ずれを防ぐことが可能となる。
【0041】
各実施例で記載されている技術的特徴(構成要件)はお互いに組合せ可能であり、組み合わせすることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものでは無いと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味では無く、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0042】
1 ベゼル
2 表示パネル
21、23 偏光板
22 ガラスパネル部
3 光学シート
4 内部シャーシ(支持体)
5 遮光部
51 外枠部
52 内枠部
61 拡散
62 反射シート
63 光源
7 バックライトシャーシ
図1
図2
図3
図4
図5
図6