(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6189045
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】半導体素子の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 29/78 20060101AFI20170821BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20170821BHJP
H01L 29/12 20060101ALI20170821BHJP
【FI】
H01L29/78 652H
H01L29/78 658G
H01L29/78 658E
H01L29/78 653A
H01L29/78 652T
【請求項の数】8
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-26723(P2013-26723)
(22)【出願日】2013年2月14日
(65)【公開番号】特開2014-130986(P2014-130986A)
(43)【公開日】2014年7月10日
【審査請求日】2015年10月28日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0158603
(32)【優先日】2012年12月31日
(33)【優先権主張国】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100124372
【弁理士】
【氏名又は名称】山ノ井 傑
(72)【発明者】
【氏名】千大煥
(72)【発明者】
【氏名】李鍾錫
(72)【発明者】
【氏名】洪▲けい▼国
(72)【発明者】
【氏名】鄭永均
【審査官】
棚田 一也
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2011/108768(WO,A1)
【文献】
特開平07−288247(JP,A)
【文献】
特開昭49−121489(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 29/78
H01L 21/336
H01L 29/12
H01L 21/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
n+型炭化ケイ素基板の第1面に第1絶縁膜および第1バリア層を順次に形成するステップと、
前記第1バリア層をエッチングして第1バリア層パターンを形成するステップと、
前記第1バリア層パターンをマスクとして、前記第1絶縁膜をエッチングして前記n+型炭化ケイ素基板の第1面の第1部分を露出する第1絶縁膜パターンを形成するステップと、
前記第1バリア層パターンを除去した後、前記露出したn+型炭化ケイ素基板の第1面の前記第1部分上に第1エピタキシャル成長で第1型エピ層を形成するステップと、
前記第1型エピ層および前記第1絶縁膜パターンの上に第2絶縁膜および第2バリア層を順次に形成するステップと、
前記第2バリア層をエッチングして第2バリア層パターンを形成するステップと、
前記第2バリア層パターンをマスクとして、前記第2絶縁膜をエッチングして第2絶縁膜パターンを形成し、前記第2バリア層パターンをマスクとして、前記第1絶縁膜パターンをエッチングして前記n+型炭化ケイ素基板の第1面の第2部分を露出するステップと、
前記露出したn+型炭化ケイ素基板の第1面の前記第2部分上に第2エピタキシャル成長で第2型エピ層を形成するステップとを含み、
前記n+型炭化ケイ素基板の第1面の前記第1部分と前記n+型炭化ケイ素基板の第1面の前記第2部分とは互いに隣接し、
前記第1絶縁膜パターン、前記第1型エピ層および前記第2型エピ層の厚さは等しいことを特徴とする半導体素子の製造方法。
【請求項2】
前記第2絶縁膜パターンは、前記第1型エピ層上に位置することを特徴とする請求項1記載の半導体素子の製造方法。
【請求項3】
前記第1絶縁膜および前記第2絶縁膜は、二酸化ケイ素、窒化酸化ケイ素、窒化ケイ素および非晶質炭素のうちのいずれか1つの物質で形成することを特徴とする請求項2記載の半導体素子の製造方法。
【請求項4】
前記第1バリア層および前記第2バリア層は、非晶質炭素、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、窒化物および金属のうちのいずれか1つの物質で形成することを特徴とする請求項3記載の半導体素子の製造方法。
【請求項5】
前記第2型エピ層を形成するステップの後、
前記第2絶縁膜パターンを除去した後、前記第1型エピ層および前記第2型エピ層の上にp+領域とn+領域を順次に形成するステップと、
前記p+領域と前記n+領域を貫通し、前記第1型エピ層の一部をエッチングしてトレンチを形成するステップと、
前記トレンチ内にゲート絶縁膜を形成するステップと、
前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成するステップと、
前記ゲート絶縁膜および前記ゲート電極の上に酸化膜を形成するステップと、
前記n+領域および前記酸化膜の上にソース電極を形成し、前記n+型炭化ケイ素基板の第2面にドレイン電極を形成するステップとをさらに含むことを特徴とする請求項1記載の半導体素子の製造方法。
【請求項6】
前記ゲート電極の下に前記第1型エピ層が位置することを特徴とする請求項5記載の半導体素子の製造方法。
【請求項7】
前記第1型エピ層はn型エピ層であり、前記第2型エピ層はp型エピ層であることを特徴とする請求項6記載の半導体素子の製造方法。
【請求項8】
前記第1型エピ層はp型エピ層であり、前記第2型エピ層はn型エピ層であることを特徴とする請求項6記載の半導体素子の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、応用機器の大型化、大容量化傾向に伴い、高い降伏電圧と高い電流および高速スイッチング特性を有する電力用半導体素子の必要性が台頭している。
【0003】
電力用半導体素子の製造時、半導体素子の定格電圧に応じて、使用される原資材のエピ領域またはドリフト領域の濃度と厚さが決定される。
【0004】
高い降伏電圧のためには、エピ領域またはドリフト領域の濃度が十分に低いか、厚さが十分に長くなければならないが、これは、電力半導体のオン抵抗を増加させる原因であるため、素子の構造的な改善によりこのような関係を克服しようと多様な構造が提案されている。このうち、超接合(super junction)構造は、降伏電圧とオン抵抗を大きく改善させた代表的な構造である。
【0005】
超接合構造は、エピ領域またはドリフト領域でPN接合が垂直配列された構造であって、超接合構造の電力半導体は、電力半導体のオフ状態における電界最大値、つまり、しきい電界が現れる地点のPN接合が基板と垂直に形成されているため、空乏層が基板との垂直方向だけでなく水平方向にも拡張され、しきい電界は広いPN接合に到達し、基板に垂直な方向にその大きさが一定になる。
【0006】
そのため、超接合構造を適用した電力半導体は、一般的な電力半導体対比で同級の降伏電圧を維持するためのエピ領域またはドリフト領域の濃度が高く、その厚さが薄く、オン抵抗が低い。
【0007】
一般的に、超接合構造の形成は、N型(またはP型)半導体をエピタキシャル成長後、またはN型(またはP型)半導体をトレンチエッチング、つまり、異方性エッチングを行い、P型(またはN型)半導体を蒸着するか、N型(またはP型)半導体をエピタキシャル成長後、またはN型(またはP型)半導体をトレンチエッチング、つまり、異方性エッチングを行い、P型(またはN型)半導体形成のための不純物をイオン注入により進行する。
【0008】
また、N型(またはP型)半導体を薄くエピタキシャル成長後、P型(またはN型)半導体形成のための不純物をイオン注入する過程を繰り返し、所望する厚さのエピ領域またはドリフト領域を形成する方法を実施する。
【0009】
しかし、かかる方法の場合、高アスペクト比(aspect ratio)の異方性エッチングが難しく、エピ領域またはドリフト領域の厚さを所望する厚さに形成しにくかったり、PN接合が滑らかでなく、屈曲した形態に形成される問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明が解決しようとする課題は、半導体素子の超接合構造を容易に形成する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の実施形態にかかる半導体素子の製造方法は、n+型炭化ケイ素基板の第1面に第1絶縁膜および第1バリア層を順次に形成するステップと、第1バリア層をエッチングして第1バリア層パターンを形成するステップと、第1バリア層パターンをマスクとして、第1絶縁膜をエッチングしてn+型炭化ケイ素基板の第1面の第1部分を露出する第1絶縁膜パターンを形成するステップと、第1バリア層パターンを除去した後、露出したn+型炭化ケイ素基板の第1面の第1部分上に第1エピタキシャル成長で第1型エピ層を形成するステップと、第1型エピ層および第1絶縁膜パターンの上に第2絶縁膜および第2バリア層を順次に形成するステップと、第2バリア層をエッチングして第2バリア層パターンを形成するステップと、第2バリア層パターンをマスクとして、第2絶縁膜をエッチングして第2絶縁膜パターンを形成し、第2バリア層パターンをマスクとして、第1絶縁膜パターンをエッチングしてn+型炭化ケイ素基板の第1面の第2部分を露出するステップと、露出したn+型炭化ケイ素基板の第1面の第2部分上に第2エピタキシャル成長で第2型エピ層を形成するステップとを含み、n+型炭化ケイ素基板の第1面の第1部分とn+型炭化ケイ素基板の第1面の第2部分とは互いに隣接する。
【0012】
第1絶縁膜パターン、第1型エピ層および第2型エピ層の厚さは等しくなり得る。
【0013】
第2絶縁膜パターンは、第1型エピ層上に位置することができる。
【0014】
第1絶縁膜および第2絶縁膜は、二酸化ケイ素、窒化酸化ケイ素、窒化ケイ素および非晶質炭素のうちのいずれか1つの物質で形成することができる。
【0015】
第1バリア層および第2バリア層は、非晶質炭素、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、窒化物および金属のうちのいずれか1つの物質で形成することができる。
【0016】
第2型エピ層を形成するステップの後、第2絶縁膜パターンを除去した後、第1型エピ層および第2型エピ層の上にp+領域とn+領域を順次に形成するステップと、p+領域とn+領域を貫通し、第1型エピ層の一部をエッチングしてトレンチを形成するステップと、トレンチ内にゲート絶縁膜を形成するステップと、ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成するステップと、ゲート絶縁膜およびゲート電極の上に酸化膜を形成するステップと、n+領域および酸化膜の上にソース電極を形成し、n+型炭化ケイ素基板の第2面にドレイン電極を形成するステップとをさらに含むことができる。
【0017】
ゲート電極の下に第1型エピ層が位置することができる。
【0018】
第1型エピ層はn型エピ層であり、第2型エピ層はp型エピ層であり得る。
【0019】
第1型エピ層はp型エピ層であり、第2型エピ層はn型エピ層であり得る。
【発明の効果】
【0020】
このように、本発明の実施形態によれば、半導体素子の超接合構造の製造時、絶縁膜はバリア層を用いてエッチングすることにより、高アスペクト比の異方性エッチングが可能であるため、n型エピ層およびp型エピ層の厚さを従来に比べてより厚くすることができる。これにより、高電圧用電力半導体の製造に有利である。
【0021】
また、n型エピ層およびp型エピ層をエピタキシャル成長で形成することにより、PN接合面が屈曲しない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の一実施形態にかかる半導体素子の製造方法を順に示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態にかかる半導体素子の製造方法を順に示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態にかかる半導体素子の製造方法を順に示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態にかかる半導体素子の製造方法を順に示す図である。
【
図5】本発明の一実施形態にかかる半導体素子の製造方法を順に示す図である。
【
図6】本発明の一実施形態にかかる半導体素子の製造方法を順に示す図である。
【
図7】本発明の一実施形態にかかる半導体素子の製造方法を順に示す図である。
【
図8】本発明の一実施形態にかかる半導体素子の製造方法を順に示す図である。
【
図9】本発明の一実施形態にかかる半導体素子の製造方法を順に示す図である。
【
図10】本発明の一実施形態にかかる半導体素子の製造方法を順に示す図である。
【
図11】本発明の一実施形態にかかる半導体素子の製造方法を順に示す図である。
【
図12】本発明の一実施形態にかかる半導体素子の製造方法を順に示す図である。
【
図13】本発明の他の実施形態にかかる半導体素子の断面を示す図である。
【
図14】本発明のさらに他の実施形態にかかる半導体素子の断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
添付した図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。しかし、本発明は、ここで説明される実施形態に限定されず、他の形態で具体化することもできる。むしろ、ここで紹介される実施形態は、開示された内容が徹底して完全になり得るように、そして、当業者に本発明の思想が十分に伝達できるようにするために提供させるものである。
【0024】
図面において、層および領域の厚さは、明確性を期するために誇張されたものである。また、層が他の層または基板の「上」にあると言及された場合、それは、他の層または基板の上に直接形成されるか、またはそれらの間に第3の層が介在してもよい。明細書全体にわたって同一の参照番号で表示された部分は同一の構成要素を意味する。
【0025】
以下、
図1ないし
図12を参照して、本発明の実施形態にかかる半導体素子の製造方法について詳細に説明する。
【0026】
図1ないし
図12は、本発明の一実施形態にかかる半導体素子の製造方法を順に示す図である。
【0027】
図1に示すように、n+型炭化ケイ素基板100を準備し、n+型炭化ケイ素基板100の第1面に第1絶縁膜200を形成した後、第1絶縁膜200上に第1バリア層210を形成する。
【0028】
ここで、第1絶縁膜200は、二酸化ケイ素(SiO
2)、窒化酸化ケイ素(SiON)、窒化ケイ素(SiN)および非晶質炭素のうちのいずれか1つの物質で形成することができる。第1バリア層210は、非晶質炭素、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、窒化物および金属のうちのいずれか1つの物質で形成することができる。
【0029】
第1バリア層210は、第1絶縁膜200のエッチング時、優れたエッチング選択比を有する。n+型炭化ケイ素基板100の第1面は、第1部分Aと、第1部分Aに隣接する第2部分Bとを含む。
【0030】
図2に示すように、第1バリア層210をエッチングして第1バリア層パターン215を形成した後、第1バリア層パターン215をマスクとして、第1絶縁膜200をエッチングして第1絶縁膜パターン205を形成する。この時、n+型炭化ケイ素基板100の第1面の第1部分Aが露出する。第1絶縁膜200は、第1バリア層210を用いて高アスペクト比の異方性エッチングが可能である。これにより、第1絶縁膜200の厚さに制限がない。
【0031】
図3に示すように、第1バリア層パターン215を除去した後、露出したn+型炭化ケイ素基板100の第1面の第1部分A上に第1エピタキシャル成長でn型エピ層300を形成する。この時、第1絶縁膜パターン205が形成された部分にはエピタキシャル成長が行われない。n型エピ層300は、第1絶縁膜パターン205の間に位置し、n型エピ層300の高さは第1絶縁膜パターン205の高さと等しい。
【0032】
図4に示すように、n型エピ層300および第1絶縁膜パターン205の上に第2絶縁膜220および第2バリア層230を順次に形成する。
【0033】
ここで、第2絶縁膜220は、二酸化ケイ素(SiO
2)、窒化酸化ケイ素(SiON)、窒化ケイ素(SiN)および非晶質炭素のうちのいずれか1つの物質で形成することができる。第2バリア層230は、非晶質炭素、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、窒化物および金属のうちのいずれか1つの物質で形成することができる。
【0034】
図5および
図6に示すように、第2バリア層230をエッチングして第2バリア層パターン235を形成した後、第2バリア層パターン235をマスクとして、第2絶縁膜220をエッチングして第2絶縁膜パターン225を形成する。また、第2バリア層パターン235をマスクとして、第1絶縁膜パターン205をエッチングしてn+型炭化ケイ素基板100の第1面の第2部分Bを露出させる。ここで、第2絶縁膜パターン225は、n型エピ層300上に位置する。
【0035】
図7に示すように、露出したn+型炭化ケイ素基板100の第1面の第2部分B上に第2エピタキシャル成長でp型エピ層400を形成する。この時、第2絶縁膜パターン225が形成された部分にはエピタキシャル成長が行われない。p型エピ層400の高さはn型エピ層300の高さと等しく、p型エピ層400は、n型エピ層300の間に位置し、p型エピ層400とn型エピ層300とはPN接合をなす。n型エピ層300とp型エピ層400をそれぞれ第1および第2エピタキシャル成長で形成するため、PN接合面が屈曲しない。
【0036】
図8および
図9に示すように、第2絶縁膜パターン225を除去した後、n型エピ層300およびp型エピ層400の上にp+領域500とn+領域600を順次に形成する。
【0037】
図10および
図11に示すように、p+領域500とn+領域600を貫通し、n型エピ層300の一部をエッチングしてトレンチ650を形成した後、トレンチ650内にゲート絶縁膜700を形成した後、ゲート絶縁膜700上にゲート電極800を形成する。ゲート電極800はトレンチ650を満たす。ゲート電極800の下にn型エピ層300が位置する。
【0038】
図12に示すように、ゲート電極800およびゲート絶縁膜700の上に酸化膜710を形成した後、p+領域500の一部、n+領域600および酸化膜710の上にソース電極900を形成し、n+型炭化ケイ素基板100の第2面にドレイン電極950を形成する。
【0039】
このように、第1絶縁膜200は、第1バリア層210を用いてエッチングすることにより、高アスペクト比の異方性エッチングが可能であるため、第1絶縁膜200の制限がない。そのため、第1絶縁膜200の厚さと等しいn型エピ層300およびp型エピ層400の厚さを従来に比べてより厚くすることができる。これにより、高電圧用電力半導体の製造に有利である。
【0040】
以下、
図13を参照して、本発明の他の実施形態にかかる半導体素子について説明する。
【0041】
図13は、本発明の他の実施形態にかかる半導体素子の断面を示す図である。
【0042】
図13に示すように、本実施形態にかかる半導体素子は、前述した
図12による半導体素子と比較して、ゲート電極800の下にp型エピ層400が位置する構造が異なるだけで、他の構造は同一である。
【0043】
つまり、n+型炭化ケイ素基板100の第1面に第2および第1エピタキシャル成長でそれぞれp型エピ層400とn型エピ層300を形成した後、n型エピ層300およびp型エピ層400の上にp+領域500とn+領域600を順次に形成する。
【0044】
次に、p+領域500とn+領域600を貫通し、p型エピ層400の一部をエッチングしてトレンチ650を形成した後、トレンチ650内にゲート絶縁膜700を形成した後、ゲート絶縁膜700上にゲート電極800を形成する。
【0045】
次に、ゲート電極800およびゲート絶縁膜700の上に酸化膜710を形成した後、p+領域500の一部、n+領域600および酸化膜710の上にソース電極900を形成し、n+型炭化ケイ素基板100の第2面にドレイン電極950を形成する。
【0046】
以下、
図14を参照して、本発明のさらに他の実施形態にかかる半導体について説明する。
【0047】
図14は、本発明のさらに他の実施形態にかかる半導体素子の断面を示す図である。
【0048】
図14に示すように、本実施形態にかかる半導体素子は、
図12および
図13による半導体素子とは異なり、トレンチが形成されていない。
【0049】
n+型炭化ケイ素基板100の第1面にn型エピ層300およびp型エピ層400が配置されている。n型エピ層300およびp型エピ層400は、エピタキシャル成長で形成する。ここで、n型エピ層300およびp型エピ層400の形成は、前述した実施形態と同様に、絶縁膜およびバリア層を用いて形成する。
【0050】
n型エピ層300およびp型エピ層400の上にはpウェル(well)領域450が配置されており、pウェル領域450上にn+領域600とp+領域500が配置されている。
【0051】
n型エピ層300、pウェル領域450およびn+領域600の一部の上にはゲート絶縁膜700が配置されており、ゲート絶縁膜700上にはゲート電極800が配置されている。
【0052】
n+領域600の一部およびp+領域500の上にはソース電極900が配置されており、n+型炭化ケイ素基板100の第2面にはドレイン電極950が配置されている。
【0053】
一方、前述した実施形態は、電力半導体のうち、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET、metal oxide semiconductor field effect transistor)について説明したが、これに限定されず、本発明の超接合構造の製造方法は他の電力半導体にも適用可能である。
【0054】
つまり、本実施形態にかかる超接合構造の製造方法は、ダイオード(diode)、バイポーラ接合トランジスタ(bipolar junction transistor、BJT)、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(insulated gate bipolar transistor、IGBT)およびサイリスタ(thyristor)などにも適用可能である。
【0055】
これにより、n+型炭化ケイ素基板だけでなく、p+型炭化ケイ素基板にも、本実施形態にかかる超接合構造の製造方法を適用することもできる。
【0056】
また、炭化ケイ素基板だけでなく、ケイ素基板、窒化ガリウム(GaN)基板にも、本実施形態にかかる超接合構造の製造方法が適用可能である。
【0057】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲は、これに限定されるものではなく、以下の請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の様々な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属する。
【符号の説明】
【0058】
100 n+型炭化ケイ素基板
200 第1絶縁膜
210 第1バリア層
220 第2絶縁膜
230 第2バリア層
300 n型エピ層
400 p型エピ層
450 pウェル領域
500 p+領域
600 n+領域
650 トレンチ
700 ゲート絶縁膜
710 酸化膜
800 ゲート電極
900 ソース電極
950 ドレイン電極