(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6189074
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】警備システム及び警備システムにおける警備情報の閲覧方法
(51)【国際特許分類】
G08B 25/04 20060101AFI20170821BHJP
G08B 25/10 20060101ALI20170821BHJP
【FI】
G08B25/04 E
G08B25/10 D
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-85027(P2013-85027)
(22)【出願日】2013年4月15日
(65)【公開番号】特開2014-206909(P2014-206909A)
(43)【公開日】2014年10月30日
【審査請求日】2016年2月24日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000101400
【氏名又は名称】アツミ電氣株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130281
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 道幸
(72)【発明者】
【氏名】山梨 慎太郎
【審査官】
石井 則之
(56)【参考文献】
【文献】
特開2002−216275(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 19/00−31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
警備対象施設の警備状況を監視する警備端末と、少なくとも1つの該警備端末から電気通信回線を介して該警備状況に関する警備情報を受け取るセンタ装置と、該警備対象施設に出向く警備員が所持する情報通信端末である警備員端末又は及び該警備対象施設の使用者であって該警備端末の利用者が所持する情報通信端末である利用者端末からなる警備システムにおいて、
Webサーバを備え、
該Webサーバが、
該電気通信回線を介して又は直接該センタ装置から受領した該警備情報のうち所定の該警備情報を、順次蓄積させるように、該電気通信回線を介して該警備員端末又は及び該利用者端末で閲覧可能に保存する警備情報保存手段と、
該警備員端末又は及び該利用者端末に通報すべき事象が発生した場合に、該警備員端末又は及び該利用者端末から閲覧可能に保存された該警備情報の該警備情報保存手段における保存先を示すドメイン名又はIPアドレスを示すURLの情報を、メールとして該警備員端末又は及び該利用者端末に送信する通報事象発生メール送信手段とを有し、
該メールを受信した該警備員端末又は及び該利用者端末が、ID又は及びパスワードの入力を必ずしも必要とすることなく該URLにアクセスすることにより、該警備情報保存手段に保存された該閲覧可能な警備情報の表示が可能であるものの、
該警備情報保存手段が、
該警備員端末若しくは及び該利用者端末に通報すべき事象の該警備情報を該警備情報保存手段が該センタ装置から受領した時刻、該警備員端末若しくは及び該利用者端末に通報すべき事象が発生した時刻、又は該警備員端末若しくは及び該利用者端末に通報すべき事象の該警備情報を該センタ装置が該警備端末から受け取った時刻から第1制限時間を経過した後は、該警備員端末又は及び該利用者端末から該URLにアクセスがあっても該閲覧可能な警備情報の閲覧を制限し、
該Webサーバの警備情報保存手段が、該警備員端末若しくは及び該利用者端末に通報すべき事象の該警備情報を該警備情報保存手段が該センタ装置から受領した時刻、該警備員端末若しくは及び該利用者端末に通報すべき事象が発生した時刻、又は該警備員端末若しくは及び該利用者端末に通報すべき事象の該警備情報を該センタ装置が該警備端末から受け取った時刻から第2制限時間さかのぼったより前に該Webサーバが受領し該警備情報保存手段が保存した警備情報の閲覧を制限することを特徴とする警備システム。
【請求項2】
前記Webサーバの警備情報保存手段が、前記第1制限時間又は及び前記第2制限時間の値を、任意に設定可能であることを特徴とする請求項1記載の警備システム。
【請求項3】
前記Webサーバの警備情報保存手段が、前記警備員端末又は及び前記利用者端末からのアクセスに対し、所定回数以上のアクセスがあった場合に前記閲覧可能な警備情報の閲覧を制限することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の警備システム。
【請求項4】
警備対象施設の警備状況を監視する警備端末と、少なくとも1つの該警備端末から電気通信回線を介して該警備状況に関する警備情報を受け取るセンタ装置と、該警備対象施設に出向く警備員が所持する情報通信端末である警備員端末又は及び該警備対象施設の使用者であって該警備端末の利用者が所持する情報通信端末である利用者端末からなる警備システムにおける警備情報の閲覧方法において、
該警備システムが備えるWebサーバが、該電気通信回線を介して又は直接該センタ装置から受領した該警備情報のうち所定の該警備情報を、順次蓄積させるように、該電気通信回線を介して該警備員端末又は及び該利用者端末で閲覧可能に保存した後、
該Webサーバが、該警備員端末又は及び該利用者端末に通報すべき事象が発生した場合に、該警備員端末又は及び該利用者端末から閲覧可能に保存された該警備情報の該Webサーバにおける保存先を示すドメイン名又はIPアドレスを示すURLの情報を、メールとして該警備員端末又は及び該利用者端末に送信し、
該メールを受信した該警備員端末又は及び該利用者端末が、ID又は及びパスワードの入力を必ずしも必要とすることなく該URLにアクセスすることにより該閲覧可能な警備情報の表示が可能であるものの、
該Webサーバが、該警備員端末若しくは及び該利用者端末に通報すべき事象の該警備情報を該Webサーバが該センタ装置から受領した時刻、該警備員端末若しくは及び該利用者端末に通報すべき事象が発生した時刻、又は該警備員端末若しくは及び該利用者端末に通報すべき事象の該警備情報を該センタ装置が該警備端末から受け取った時刻から第1制限時間を経過した後は、該警備員端末又は及び該利用者端末から該URLにアクセスがあっても該閲覧可能な警備情報の閲覧を制限し、
該Webサーバが、該警備員端末若しくは及び該利用者端末に通報すべき事象の該警備情報を該Webサーバが該センタ装置から受領した時刻、該警備員端末若しくは及び該利用者端末に通報すべき事象が発生した時刻、又は該警備員端末若しくは及び該利用者端末に通報すべき事象の該警備情報を該センタ装置が該警備端末から受け取った時刻から第2制限時間さかのぼったより前に該Webサーバが受領し保存した閲覧可能な警備情報の閲覧を制限することを特徴とする警備システムにおける警備情報の閲覧方法。
【請求項5】
前記Webサーバが、前記第1制限時間又は及び前記第2制限時間の値を、任意に設定可能であることを特徴とする請求項4記載の警備システムにおける警備情報の閲覧方法。
【請求項6】
前記Webサーバが、前記警備員端末又は及び前記利用者端末からのアクセスに対し、所定回数以上のアクセスがあった場合に前記閲覧可能な警備情報の閲覧を制限することを特徴とする請求項4又は請求項5記載の警備システムにおける警備情報の閲覧方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、警備対象施設の警備情報を電気通信回線を介して各種端末で閲覧可能とする警備システム及び警備システムにおける警備情報の閲覧方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、一般の家庭や店舗、工場等の警備対象施設側に、異常を検知するセンサ等を設け、異常の情報を警備端末を介して警備会社のセンタ装置や各種端末装置に通報する警備システムが用いられている。例えば、特許文献1では、警備装置は、監視領域の異常を検知した場合に異常検知情報を監視センタ(センタ装置)に送信し、監視センタは、異常検知情報を警備装置から受信した場合に、警報情報を利用者携帯端末(利用者端末)に送信する。そして、警備員携帯端末(警備員端末)は、監視センタから直行指示を受信した後、処置報告を監視センタに送信する。さらに、監視センタは、警備員携帯端末から処置報告を受信した場合に、監視領域において行われた処置の内容を示す処置情報を利用者携帯端末に送信する。
【0003】
また、利用者端末や警備員端末から、センタ装置にアクセスし、所望の警備対象施設の警備情報を閲覧するようなことも可能になっている警備システムもある。このような警備システムの場合、利用者端末や警備員端末からあらかじめ決められたID及びパスワードを用いて、センタ装置にアクセスすることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−133694号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の警備システムでは、一旦、利用者端末や警備員端末からセンタ装置にログインできてしまえば、比較的自由に警備情報を閲覧することが可能であるが、例えば、日々交代する警備員が、特定の警備対象施設の警備情報を無制限に閲覧できる等、セキュリティ上、問題があった。
【0006】
また、利用者端末や警備員端末から、センタ装置にアクセスする場合、その度にID及びパスワードを入力する必要があると、特に急を要する場合には煩雑で煩わしい作業が余分に必要になってしまう。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、閲覧を容易且つ迅速に行うことができ、また、閲覧可能な警備情報の表示を制限することで不必要で余計な閲覧による警備情報の流出を防止することができる警備システム及び警備システムにおける警備情報の閲覧方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の警備システムは、Webサーバを備え、Webサーバが、電気通信回線を介して又は直接センタ装置から受領した警備情報のうち所定の警備情報を、順次蓄積させるように、電気通信回線を介して警備員端末又は及び利用者端末で閲覧可能に保存する警備情報保存手段と、警備員端末又は及び利用者端末に通報すべき事象が発生した場合に、警備員端末又は及び利用者端末から閲覧可能に保存された警備情報の警備情報保存手段における保存先を示すドメイン名又はIPアドレスを示すURLの情報を、メールとして警備員端末又は及び利用者端末に送信する通報事象発生メール送信手段とを有し、メールを受信した警備員端末又は及び利用者端末が、ID又は及びパスワードの入力を必ずしも必要とすることなくURLにアクセスすることにより、警備情報保存手段に保存された閲覧可能な警備情報の表示が可能であるものの、警備情報保存手段が、警備員端末若しくは及び利用者端末に通報すべき事象の警備情報を警備情報保存手段がセンタ装置から受領した時刻、警備員端末若しくは及び利用者端末に通報すべき事象が発生した時刻、又は警備員端末若しくは及び利用者端末に通報すべき事象の警備情報をセンタ装置が警備端末から受け取った時刻から第1制限時間を経過した後は、警備員端末又は及び利用者端末からURLにアクセスがあっても閲覧可能な警備情報の閲覧を制限
し、Webサーバの警備情報保存手段が、警備員端末若しくは及び利用者端末に通報すべき事象の警備情報を警備情報保存手段がセンタ装置から受領した時刻、警備員端末若しくは及び利用者端末に通報すべき事象が発生した時刻、又は警備員端末若しくは及び利用者端末に通報すべき事象の警備情報をセンタ装置が警備端末から受け取った時刻から第2制限時間さかのぼったより前にWebサーバが受領し警備情報保存手段が保存した警備情報の閲覧を制限することを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の警備システムは、Webサーバの警備情報保存手段が、
第1制限時間又は及び第2制限時間の値を、任意に設定可能であることを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の警備システムは、Webサーバの警備情報保存手段が、
警備員端末又は及び利用者端末からのアクセスに対し、所定回数以上のアクセスがあった場合に閲覧可能な警備情報の閲覧を制限することを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の
警備システムにおける警備情報の閲覧方法は、警備システムが備えるWebサーバが、電気通信回線を介して又は直接センタ装置から受領した警備情報のうち所定の警備情報を、順次蓄積させるように、電気通信回線を介して警備員端末又は及び利用者端末で閲覧可能に保存した後、Webサーバが、警備員端末又は及び利用者端末に通報すべき事象が発生した場合に、警備員端末又は及び利用者端末から閲覧可能に保存された警備情報のWebサーバにおける保存先を示すドメイン名又はIPアドレスを示すURLの情報を、メールとして警備員端末又は及び利用者端末に送信し、メールを受信した警備員端末又は及び利用者端末が、ID又は及びパスワードの入力を必ずしも必要とすることなくURLにアクセスすることにより閲覧可能な警備情報の表示が可能であるものの、Webサーバが、警備員端末若しくは及び利用者端末に通報すべき事象の警備情報をWebサーバがセンタ装置から受領した時刻、警備員端末若しくは及び利用者端末に通報すべき事象が発生した時刻、又は警備員端末若しくは及び利用者端末に通報すべき事象の警備情報をセンタ装置が警備端末から受け取った時刻から第1制限時間を経過した後は、警備員端末又は及び利用者端末からURLにアクセスがあっても閲覧可能な警備情報の閲覧を制限し、Webサーバが、警備員端末若しくは及び利用者端末に通報すべき事象の警備情報をWebサーバがセンタ装置から受領した時刻、警備員端末若しくは及び利用者端末に通報すべき事象が発生した時刻、又は警備員端末若しくは及び利用者端末に通報すべき事象の警備情報をセンタ装置が警備端末から受け取った時刻から第2制限時間さかのぼったより前にWebサーバが受領し保存した閲覧可能な警備情報の閲覧を制限することを特徴とする。
【0012】
請求項5記載の警備システムにおける警備情報の閲覧方法は、
Webサーバが、第1制限時間又は及び第2制限時間の値を、任意に設定可能であることを特徴とする。
【0013】
請求項6記載の警備システムにおける警備情報の閲覧方法は、Webサーバが、
警備員端末又は及び利用者端末からのアクセスに対し、所定回数以上のアクセスがあった場合に閲覧可能な警備情報の閲覧を制限することを特徴とする。
【0014】
【0015】
【発明の効果】
【0016】
請求項1及び
請求項4の発明によれば、メールを受信した警備員端末又は及び利用者端末でURLにアクセスすることにより閲覧可能な警備情報の表示が可能であることから、閲覧にあたってIDやパスワードの入力が不要で、閲覧を容易且つ迅速に行うことができる。また、警備員端末又は及び利用者端末に通報すべき事象の警備情報をWebサーバがセンタ装置から受領した時刻、警備員端末若しくは及び利用者端末に通報すべき事象が発生した時刻、又は警備員端末又は及び利用者端末に通報すべき事象の警備情報をセンタ装置が警備端末から受け取った時刻から第1制限時間を経過した後は、警備員端末又は及び利用者端末からURLにアクセスがあっても閲覧可能な警備情報の表示を制限することから、不必要で余計な閲覧による警備情報の流出を防止することができる。
また、センタ装置が、警備員端末又は及び利用者端末に通報すべき事象の警備情報をWebサーバがセンタ装置から受領した時刻、警備員端末若しくは及び利用者端末に通報すべき事象が発生した時刻、又は警備員端末又は及び利用者端末に通報すべき事象の警備情報をセンタ装置が警備端末から受け取った時刻から第2制限時間さかのぼったより前に受信した閲覧可能な警備情報の表示を制限することから、不必要で余計な警備情報の開示による警備情報の流出を防止することができる。
【0017】
【0018】
請求項2及び請求項5の発明によれば、Webサーバが、第1制限時間又は及び第2制限時間の値を、任意に設定可能であることから、閲覧を制限しつつも、警備員端末又は及び利用者端末からの閲覧の自由度を持たせることもできる。
【0019】
請求項3及び請求項6の発明によれば、Webサーバが、警備員端末又は及び利用者端末からのアクセスに対し、所定回数以上のアクセスがあった場合に閲覧可能な警備情報の表示を制限することで、不必要で余計な警備情報の開示による警備情報の流出を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明に係る警備システムの構成の一例を示す構成図である。
【
図2】同警備システムの動作の概要を示す説明図である。
【
図3】同警備システムの動作の時系列を示す説明図である。
【
図4】本発明に係る警備システムの他の構成を示す構成図である。
【
図5】本発明に係る警備システムのさらに他の構成を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
図1は、本発明に係る警備システムの構成の一例を示す構成図である。
図2は、同警備システムの動作の概要を示す説明図である。
図3は、同警備システムの動作の時系列を示す説明図である。
【0022】
図において、警備システム1は、一般の家庭や店舗、工場等の警備対象施設8に設けられた警備端末20、インターネット網や電話の公衆回線等の電気通信回線である通信回線5、警備端末20の様子を通信回線5を介して監視する監視センタ6に設けられたセンタ装置10、Webサーバ14等から構成されている。
【0023】
警備対象施設8に設けられた警備端末20には、ドアの開閉を検知するものや火災を検知するものやガス漏れを検知するものや各種のセンサ22が接続され、警備対象施設8内の不法侵入や火災やガス漏れ等の異常の発生を検知するものである。そして、その異常の発生を通信回線5を介してセンタ装置10に通報すると共に、異常の内容を示す警備情報を、やはり通信回線5を介してセンタ装置10に送る。
【0024】
センタ装置10は、警備端末20からの異常の通報や、異常の内容を示す警備情報を受信し、電子計算機であるセンタ端末12に表示し、監視センタ6に居る監視員に、警備対象施設8で異常が発生したことを伝えるものである。
【0025】
Webサーバ14は、通信回線5を介して、センタ装置10や警備員端末30や利用者端末40と通信が行えるもので、後述するように、警備対象施設8で異常が発生した旨を、警備員端末30や利用者端末40に通知したり、その異常の内容を示す警備情報を警備員端末30や利用者端末40から閲覧できるようにする機能を有している。
【0026】
Webサーバ14は、センタ装置10が警備端末20から受信した警備情報をセンタ装置10から受け取って保存すると共に、通信回線5を介して警備員端末30や利用者端末40から閲覧可能にする警備情報保存手段を有している。このWebサーバ14の警備情報保存手段内の警備情報の保存先は、ドメイン名又はIPアドレスを示すURLで管理されている。Webサーバ14は、通信回線5を介して警備員端末30や利用者端末40に対してメールを送信する機能を有している。
【0027】
通信回線5は、双方向で情報の伝達が可能な電気通信回線で、一般公衆網(一般電話回線)のような有線回線や携帯電話網のような無線回線で、専用線的な接続や、インターネット網のようなネットワークであってもよく、警備端末20やセンタ装置10やWebサーバ14との間で警備情報等の送受信が可能な電気通信回線であれば、その形態によって制限されるものではない。尚、
図1では、1つの監視センタ6で、1つの警備対象施設8しか監視していないように描かれているが、実際には、1つの監視センタ6(1つのセンタ装置10)で複数の警備対象施設8に設けられた複数の警備端末20を監視している。また、警備員端末30や利用者端末40も、
図1では、1台づつしか描かれていないが、特に台数に制限があるわけではない。
【0028】
警備員端末30は、警備対象施設8の巡回を行ったり、監視センタ6からの指示で警備対象施設8で各種の処置を行う、警備対象施設8に出向く警備員が所持する情報通信端末である。また、利用者端末40は、警備対象施設8の使用者であって警備端末20の利用者が所持する情報通信端末である。警備員端末30も利用者端末40も、基本的には携帯可能な情報通信端末で、携帯電話やPHS(Personal Handy-phone System)やスマートフォンやタブレット端末といったPDA(Personal Digital Assistant)やノート型パソコン等であり、有線又は無線により通信回線5を介してセンタ装置10やWebサーバ14との間で情報の授受ができる端末であれば良い。
【0029】
次に、以上のように構成される警備システム1の動作を説明する。まず、警備端末20が、センサ22等で不審者の侵入などの警備対象施設8での異常を検知した場合、警備端末20は、その旨及び検知した内容の警備情報を、通信回線5を介して、センタ装置10に送る。警備端末20から異常が発生した旨及び検知した内容の警備情報を受信したセンタ装置10は、それらの情報を保存すると共に、センタ端末12に表示し、監視センタ6内の管制員に伝える。
【0030】
また、センタ装置10は、警備端末20から受信した警備情報のうち、警備員端末30から閲覧を可能とする警備情報を、Webサーバ14に送る。尚、Webサーバ14では、警備員端末30に通知すべき事象毎に該当する警備情報を保存すると共に、個別のURLを付与して警備員端末30から閲覧可能な状態にする。
【0031】
次に、Webサーバ14は、あらかじめ定められた警備員端末30に対し、閲覧を許す警備情報が保存されたURLを、メールで送信する(通報事象発生メール送信手段)。これにより、まず、該当の警備員端末30を所持する警備員が、該当の警備対象施設8で何かが発生したことを知る。そして、警備員は、警備員端末30で、メールに記載されたURLにアクセスすることで、該当する警備情報を確認することができる。警備員は、その警備情報の内容により、該当の警備対象施設8に赴き、所定の対処を行うようにする。
【0032】
尚、同様の手順で、Webサーバ14が、利用者端末40に対して閲覧可能な警備情報の保存先のURLをメールで送ることも可能である。また、警備員端末30を有さないような警備システムの場合には、利用者端末40にのみ、該当のURLのメールを送るようにしてもよく、警備員端末30と利用者端末40のいずれか又は両方にメールを送るかは、任意である。
【0033】
該当のURLのメールを受け取った警備員端末30から、該当のURLへのアクセスの回数は、原則、制限されず、何回でもアクセスして閲覧することは可能である。しかしながら、Webサーバ14は、警備員端末30に通報すべき事象の警備情報が発生した時刻から第1制限時間T1を経過した後は、警備員端末30からURLにアクセスがあっても、閲覧可能な警備情報の表示を制限するようにする。利用者端末40の場合も、第1制限時間T1による閲覧制限を行うようにする。
【0034】
尚、第1制限時間T1の起算点となる時刻は、警備員端末30に通報すべき事象の警備情報をWebサーバ14がセンタ装置10から受領した時刻や、警備員端末30に通報すべき事象の警備情報をセンタ装置10が警備端末20から受け取った時刻であってもよい。
【0035】
例えば、この第1制限時間T1は、警備員が警備対象施設8に赴いて処置を行い、その処置が完了することが可能な時間を主に想定しており、例えば3時間程度である。この第1制限時間T1は、利用者端末40からの閲覧においても機能しており、閲覧可能な時間に制限が掛かっている。尚、この第1制限時間T1は、任意に設定可能であり、警備員端末30や利用者端末40毎でも、警備情報の内容によっても値を変えて設定することができる。
【0036】
尚、上述では、警備端末20が、センサ22等で不審者の侵入などの警備対象施設8での異常を検知した場合について説明したが、警備端末20からセンタ装置10に通報される警備情報には、例えば、センサ22の機器としての故障や警備端末20自体の電池切れが間近である旨等のような利用者には直接知らせる必要のない情報も含まれている。このような、警備員にのみ伝えればよいような警備情報の場合には、Webサーバ14は、該当の警備員端末30にのみ上述のメールを送るようにすればよい。
【0037】
また、Webサーバ14での閲覧制限については、警備員端末30若しくは及び利用者端末40に通報すべき事象が発生した時刻から第2制限時間T2さかのぼったより前に受信した閲覧可能な警備情報の表示を制限するようにしてもよい。尚、第2制限時間T2の起算点となる時刻は、警備員端末30若しくは及び利用者端末40に通報すべき事象の警備情報をWebサーバ14がセンタ装置10から受領した時刻、又は警備員端末30若しくは及び利用者端末40に通報すべき事象の警備情報をセンタ装置10が警備端末20から受け取った時刻であってもよい。
【0038】
尚、該当のURLのメールを受け取った警備員端末30及び利用者端末40から、該当のURLへのアクセスの回数を、第1制限時間T1や第2制限時間T2の期間内であっても制限することも可能である。このアクセスの制限の回数も、警備員端末30や利用者端末40毎でも、警備情報の内容によっても値を変えて設定することができる。
【0039】
以上のように、本実施の形態における警備システム1によれば、メールを受信した警備員端末30又は及び利用者端末40でURLにアクセスすることにより閲覧可能な警備情報の表示が可能であることから、閲覧にあたってIDやパスワードの入力が不要で、閲覧を容易且つ迅速に行うことができる。
【0040】
また、上述の所定時刻から第1制限時間T1を経過した後は、警備員端末30又は及び利用者端末40からURLにアクセスがあっても閲覧可能な警備情報の表示を制限することから、不必要で余計な閲覧による警備情報の流出を防止することができる。特に、1つの警備員端末30を所持する警備員が交代することはしばしば有り、また、警備員自体が退職等により換わることもあり、1つの警備員端末30で同じ警備情報をいつまでも閲覧できてしまうと、不必要で余計な閲覧による警備情報の流出を招く恐れがあり、その不用意な警備情報の流出を防止することは重要である。
【0041】
さらに、上述の所定時刻から第2制限時間T2さかのぼったより前に受信した閲覧可能な警備情報の表示を制限することで、不必要で余計な警備情報の開示による警備情報の流出を防止することができる。
【0042】
また、第1制限時間T1又は及び第2制限時間T2の値を、任意に設定可能とすることで、閲覧を制限しつつも、警備員端末30又は及び利用者端末40からの閲覧の自由度を持たせることもできる。
【0043】
さらに、警備員端末30又は及び利用者端末40からのアクセスに対し、所定回数以上のアクセスがあった場合に閲覧可能な警備情報の表示を制限することで、不必要で余計な警備情報の開示による警備情報の流出を防止することができる。
【0044】
尚、上述の警備システム1では、Webサーバ14が、監視センタ6内にあり、センタ装置10とは、通信回線5を介して接続されているが、このような配置や接続に限定されるものではない。例えば、
図4の本発明に係る警備システムの他の構成を示す構成図に示す警備システム2のように、Webサーバ14を、監視センタ6とは異なる場所のWebセンタ50に設けることも可能である。この場合、センタ装置10とは、通信回線5で接続されることになる。
【0045】
さらに、
図5の本発明に係る警備システムのさらに他の構成を示す構成図に示す警備システム3のように、Webサーバ14を、センタ装置10の内部に、センタ装置10の機能の一部のような形で設けることも可能である。この場合、センタ装置10とは、通信回線5ではなく、直接接続される。結果として、センタ装置10が本来の警備の監視の機能と、本願発明におけるWebサーバとしての機能の両方を具備することになる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
以上のように、本発明によれば、閲覧を容易且つ迅速に行うことができ、また、閲覧可能な警備情報の表示を制限することで不必要で余計な閲覧による警備情報の流出を防止することができる警備システム及び警備システムにおける警備情報の閲覧方法を提供することができる。
【符号の説明】
【0047】
1・・・・警備システム
2・・・・警備システム
3・・・・警備システム
5・・・・通信回線
6・・・・監視センタ
8・・・・警備対象施設
10・・・センタ装置
12・・・センタ端末
14・・・Webサーバ
20・・・警備端末
22・・・センサ
30・・・警備員端末
40・・・利用者端末
50・・・Webセンタ