(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記鉛電池と前記二次電池とは、14.8Vの充電電圧および120Aの制限電流にて、発電機から充電されるとともに、30Aの電流にて、車両内の負荷に給電しており、しきい値が時速20kmに設定されていることを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施例1)
本発明の実施例を具体的に説明する前に、概要を述べる。実施例1は、アイドリングストップ機能およびエネルギー回生機能を有する車両に搭載される車載用蓄電システムに関する。アイドリングストップ機能は、車両停止時に自動的にエンジンを停止させ、発進時に自動的にエンジンを再始動させる機能である。エネルギー回生機能は、主に減速する際の車両の運動エネルギーによりオルタネータを作動させ、オルタネータが発電したエネルギーにより車載用蓄電システム等に電力を供給する機能である。いずれの機能も燃費を向上させる効果がある。アイドリングストップ機能が搭載された車両ではエンジンの始動回数が多くなる。エンジンは通常、車載用蓄電システムにより駆動されるスタータにより始動される。したがってエンジンの始動回数が多くなるとバッテリの消費電力が大きくなり、放電回数が多くなる。またエネルギー回生機能が搭載された車両では、車両の減速時に集中的にオルタネータが発電されるため、大容量で効率的な充電が必要とされる。
【0010】
車載用蓄電システムには鉛電池が多く使用されている。放電により鉛電池が放電下限電圧に到達した場合、オルタネータを稼働させ、鉛電池を充電する。これにより鉛電池の放電深度が深くなることを抑制し、鉛電池の劣化を抑制している。しかしながら、このような制御によりアイドリングストップ時間が短くなり、燃費改善効果が小さくなる。一方、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池は、鉛電池と比較し、深い放電深度まで利用することができるが、鉛電池よりもコストが高くなる。
【0011】
これらの状況を考慮して、車載用蓄電システムでは、鉛電池とニッケル水素電池とが並列接続される。このような構成において所望の電圧を得るために、複数のニッケル水素電池が直列に接続される(以下、直列に接続された複数のニッケル水素電池を「ニッケル水素電池系列」という)。ニッケル水素電池系列の放電抵抗が鉛電池の放電抵抗よりもある程度高ければ、ニッケル水素電池系列を鉛電池に並列に接続しても、鉛電池の充放電負荷の軽減としては不十分である。これによって、エネルギー回生機能による鉛電池を充電するための期間が長くなる。車両の燃費を向上させるためには、オルタネータの稼働時間の低減が望まれるが、車載用蓄電システムの充放電収支が放電過多にならないことも望まれる。これらに対応するために、本実施例では、ふたつのニッケル水素電池系列を並列に接続する。ふたつのニッケル水素電池系列の放電抵抗が鉛電池の放電抵抗と同等以下、または同等になるので、鉛電池の充放電負荷が軽減され、オルタネータの稼働時間が低減される。
【0012】
図1は、本発明の実施例1に係る車載用蓄電システム100の構成を示す。車載用蓄電システム100は、第1蓄電装置110、第2蓄電装置112、電源管理装置114、DC−DCコンバータ130を含む。第2蓄電装置112は、ニッケル水素電池系列150と総称される第1ニッケル水素電池系列150a、第2ニッケル水素電池系列150bを含む。第1ニッケル水素電池系列150aは、第11ニッケル水素電池152aa、第12ニッケル水素電池152ab、第13ニッケル水素電池152ac、第14ニッケル水素電池152ad、第15ニッケル水素電池152ae、第16ニッケル水素電池152af、第17ニッケル水素電池152ag、第18ニッケル水素電池152ah、第19ニッケル水素電池152ai、第110ニッケル水素電池152ajを含む。第2ニッケル水素電池系列150bは、第21ニッケル水素電池152ba、第22ニッケル水素電池152bb、第23ニッケル水素電池152bc、第24ニッケル水素電池152bd、第25ニッケル水素電池152be、第26ニッケル水素電池152bf、第27ニッケル水素電池152bg、第28ニッケル水素電池152bh、第29ニッケル水素電池152bi、第210ニッケル水素電池152bjを含む。第11ニッケル水素電池152aa等は、ニッケル水素電池152と総称される。車載用蓄電システム100には、スタータ116、スタータ用スイッチ118、オルタネータ120、電装品122、ECU124が接続される。ECU124は、速度取得部20、オルタネータ動作制御部24を含む。
【0013】
オルタネータ120は、図示しないエンジンにより交流電力を発電し、さらにエネルギー回生機能の車両においては減速時の運動エネルギーによっても発電する。ここでは主に減速中の発電について述べる。オルタネータ120が発電した交流は、図示しないレギュレータ、整流器等の回路により直流に変換され、オルタネータ120の電力が電装品122、車載用蓄電システム100に供給される。
【0014】
スタータ116は、エンジン始動用モータである。スタータ116はスタータ用スイッチ118を介して、車載用蓄電システム100の出力系統に接続される。スタータ用スイッチ118にはリレーあるいは半導体スイッチが使用される。運転者の操作により図示しないイグニッションスイッチがオンされる場合、あるいはアイドリングストップの状態から復帰する場合、スタータ用スイッチ118がオンし、車載用蓄電システム100からスタータ116に電力が供給され、スタータ116が始動する。スタータ116によりエンジンが始動すると、スタータ用スイッチ118がオフされる。スタータ用スイッチ118のオンになってからオフとするまでの時間は通常約1秒以内である。
【0015】
電装品122は、ヘッドライト、エアコン、デフォッガ、オーディオ、メータ、ストップランプ、フォグランプ、ウィンカ、パワーステアリング、パワーウインドウ、エンジン電装品などの車両内に搭載される各種電気負荷を示す総称である。ここでは、説明の便宜上、オルタネータ120、スタータ116、ECU124は電装品122とは別に扱っている。また電装品122は車載用蓄電システム100からも供給される電力により駆動されている。
【0016】
ECU124は、車両内に搭載される各種の補機、センサ、スイッチに接続され、エンジンおよび各種補機を電子制御する。ECU124は、車両内に搭載される各種の補機、センサ、スイッチに接続され、エンジンおよび各種補機を電子制御する。ECU124による制御の詳細は後述する。
【0017】
車載用蓄電システム100のうちの第1蓄電装置110は、オルタネータ120により発電された電力を蓄え、スタータ116および電装品122に給電するためのメインバッテリである。ここで、スタータ116および電装品122は、車両内の負荷である。第1蓄電装置110の一例は、鉛電池である。鉛電池には、比較的安価、比較的広い温度範囲で動作可能、高出力などの長所があり、車両用の蓄電池として広く普及している。ただし充放電エネルギー効率が低い、過放電に弱い、サイクル寿命が短いなどの短所がある。
【0018】
第2蓄電装置112は、オルタネータ120により発電された電力を蓄え、スタータ116および電装品122に給電するためのサブバッテリである。つまり、第1蓄電装置110と第2蓄電装置112との両方から、スタータ116への給電がなされる。第1蓄電装置110と第2蓄電装置112は並列接続される。少なくともひとつ、例えば「10」のニッケル水素電池152が直列に接続されることによって、ニッケル水素電池系列150が形成され、ふたつのニッケル水素電池系列150が並列に接続されることによって、第2蓄電装置112が形成されている。なお、各ニッケル水素電池152は、正負の電極端子を有する。また、正負の電極端子を接続することによって、複数のニッケル水素電池152を直列接続する接続部材もニッケル水素電池系列150に含まれる。
【0019】
ニッケル水素電池には、充放電エネルギー効率が比較的高い、過充電および過放電に強い、使用温度範囲が広い、使用SOC(State of Charge)範囲が広い、サイクル寿命が比較的長いなどの長所がある。また、ニッケル水素電池は、低劣化で放電深度の深い領域まで利用できる推奨放電深度(DOD:Depth of Discharge)が広い電池である。ただし、メモリ効果がある、鉛電池より高価などの短所がある。
【0020】
アイドリングストップ機能を採用する場合、スタータ116の使用回数が増えるため、蓄電池の容量を増大させる必要がある。その際、単純に鉛電池の容量を増大させるのではなく、性質が異なる複数種類の蓄電池を組み合わせて使用することにより、それぞれの蓄電池の短所を補いつつ蓄電池全体の容量を増大させる。ここでは、鉛電池とニッケル水素電池を組み合わせて使用する例を説明するが、鉛電池とリチウムイオン蓄電池を組み合わせて使用してもよい。リチウムイオン蓄電池は、エネルギー密度および充放電エネルギー効率が高く、高性能な蓄電池であるが、厳格な電圧・温度管理が必要である。
【0021】
一般的に蓄電池はエンジンルームに設置される。エンジンルームに鉛電池と一体的に設置するには、ニッケル水素電池の方がリチウムイオン蓄電池より適している。エンジンルームはエンジン作動時に温度が上昇するが、ニッケル水素電池の方がリチウムイオン蓄電池より高温耐性がある。なお、鉛電池と並列接続されるリチウムイオン蓄電池をエンジンルームから離れた位置に設置することも考えられるが、その場合、配線抵抗による損失が大きくなる。
【0022】
DC−DCコンバータ130は、エンジンのクランキング時およびアイドリングストップ状態からの再始動時に、車載用蓄電システム100から電装品122へ至る経路の電圧が所定電圧以下に下がらないよう電圧補償するために設けられる。一般的に上述の経路は12Vに設計される。電装品122の中には、カーナビゲーションシステムなど10V程度まで電圧が下がると、リセットされてしまうものがある。これに対してスタータ116の作動時、ECU124がDC−DCコンバータ130を作動させることにより、電装品122に安定した電圧を供給し続けることができる。
【0023】
電源管理装置114は、第1蓄電装置110、第2蓄電装置112を管理制御する。電源管理装置114は、CAN(Controller Area Network)を介してECU124に接続されることによって、電源管理装置114とECU124との間において通信がなされる。電源管理装置114による制御の詳細は後述する。
【0024】
以下では、ECU124および電源管理装置114における制御の概要を説明する。まず、
図2(a)−(e)をもとに、制御の概要を説明する。
図2(a)−(e)は、車載用蓄電システム100における動作タイミングの一例を示す。
図2(a)は、車載用蓄電システム100が搭載された車両の速度変化を示す。ここでは、横軸に時間を示し、縦軸に速度を示す。一例として、一定速度で走行していた状態から、時間の経過とともに車両の速度が低下する。それにつづいて、一定期間にわたって車両が停止する。さらに、車両が発進することによって、車両の速度が増加する。
図2(b)は、ECU124によって検出された
図2(a)の車両の動作を示す。図示のごとく、ECU124は、「走行」、「減速」、「停止」、「加速」の順に動作を検出する。
【0025】
図2(c)は、
図2(b)に対応したオルタネータ120の制御を示す。ECU124は、「減速」の場合においてしきい値まで速度が低下する間に、オルタネータ120をオンさせ、「減速」の場合においてしきい値よりも速度が低くなってからの期間、「走行」、「停止」、「加速」の場合に、オルタネータ120をオフさせる。
図2(d)は、
図2(b)に対応したエンジンの制御を示す。ECU124は、「走行」、「減速」、「加速」の場合に、エンジンを動作させ、「停止」の場合に、エンジンのアイドリングを停止させる。
図2(e)は、
図2(c)に対応した第1蓄電装置110と第2蓄電装置112との制御を示す。電源管理装置114は、オルタネータ120がオフの場合に、第1蓄電装置110と第2蓄電装置112とを放電させ、オルタネータ120がオンの場合に、第1蓄電装置110と第2蓄電装置112とを充電させる。
図1に戻る。
【0026】
オルタネータ動作制御部24は、オルタネータ120の動作あるいは停止を決定するとともに、決定内容を管理する。オルタネータ動作制御部24は、ブレーキ、車速センサ等からの信号も入力することによって、車両の走行、減速、停止、加速を検出する。これは、
図2(b)に示された車両の動作を検出することに相当する。オルタネータ動作制御部24は、検出した車両の動作をもとに、オルタネータ120のオン/オフを決定する。オルタネータ動作制御部24は、減速を検出し、かつ車両の速度がしきい値以上である場合に、オルタネータ120のオンを決定する。一方、オルタネータ動作制御部24は、減速を検出し、かつ車両の速度がしきい値より低くなった場合に、オルタネータ120のオフを決定する。なお、オルタネータ動作制御部24は、走行、停止、加速を検出した場合にも、オルタネータ120のオフを決定する。しきい値の具体例については、後述する。オルタネータ動作制御部24は、決定した内容に応じて、オルタネータ120をオンあるいはオフさせる。なお、車載用蓄電システム100の蓄電エネルギーが設定下限値より低い場合、オルタネータ動作制御部24は、通常走行時でもオルタネータ120を作動させてもよい。
【0027】
電源管理装置114は、オルタネータ動作制御部24からの通知を受けつける。電源管理装置114は、オルタネータ120がオンの場合に、充電を実行し、オルタネータ120がオフの場合に、放電を実行する。例えば、充電電圧が14.8V以上であり、制限電流が120Aとされる。このように、第1蓄電装置110と第2蓄電装置112では、減速中に、車両の速度がしきい値より低くなった場合、オルタネータ120からの充電が停止される。その際、放電として、30A相当の電力供給がなされる。
【0028】
以下では、速度取得部20におけるしきい値の設定を説明する。しきい値は、(1)オルタネータ120の停止期間を長期化すること、(2)車載用蓄電システム100の充放電収支が放電過多にならないという条件を満たすように設定されるべきである。前者は、しきい値を高くする方向であり、後者は、しきい値を低くする方向である。また、ニッケル水素電池系列150の並列数は、放電抵抗の大きさと、質量とに影響を与えるので、しきい値もこれに影響される。なお、ニッケル水素電池の電池容量を増やして放電抵抗を低減してもよいが、本実施例では、ニッケル水素電池152を直列に接続して、ニッケル水素電池152を形成しているので、電池容量の増加よりも、並列接続を利用した放電抵抗の低下の方が好ましい。具体的には、電池を直列に接続するためには、接続部材が必要となる。この接続部材は、電池の電極端子に対して溶接される。この接続部材による抵抗増加は、電池容量を増加させても、小さくなるわけではない。この接続部材の接続抵抗は、溶接等の固定方法によって大きく変化するため、接続方法が変わらない限り、接続部材の抵抗値は小さくならない。加えて、ニッケル水素電池152を「2並列」、「3並列」とする蓄電装置は、ひとつの電流経路に流れる電流値は小さくなるため、この接続部材に起因するエネルギーロスが低減される。
【0029】
これらを考慮して、ニッケル水素電池系列150の並列数、最適なしきい値を決定するための実験を行ったので、次に説明する。
図3は、実験に使用したドライビングパターンを示す。図示されたJC08モードで走行テストを行う車両に車載用蓄電システム100を搭載させる。実験における充電条件は、JC08モードのドライビングパターンのうち、減速時かつ回生許可車速以上の際、オルタネータ120の可動を許可し、車載用蓄電システム100を充電させることである。実験では、電流値を計測し、JC08モードで走行テストを行った際の充電量と放電量を積算し、放電過多になっていないかどうかを確認する。放電過多となっている場合、蓄電システムの充電量は減少していくため、改善効果は見込めないと判断する。実際に、放電過多となる場合は、アイドリング時等に、オルタネータ120が稼働し続けるため、燃費が低下することが想定される。
【0030】
その実験結果が、
図4に示される。
図4は、各種の構成の電池に対する特性を示すテーブルである。ニッケル水素電池系列150の構成として、「1並列」、「2並列」、「3並列」が使用される。これらの質量は、それぞれ「2kg」、「4kg」、「6kg」である。図中の「回生許可車速」が前述のしきい値に相当する。「充電時間」として、JC08モードの走行テストにおいて、オルタネータ120が稼働している時間が計時される。「放電時間」として、JC08モードの走行テストにおいて、オルタネータが稼働していない時間が計時される。「停車率」として、JC08モードの全行程時間(1204sec)に対する放電時間の割合が演算される。「改善効果」として、停車率をニッケル水素電池の質量で割った値が指標として使用される。ニッケル水素電池の質量が増えると、燃費に対しても悪影響を与える。そのため、ニッケル水素電池の質量あたりにおけるオルタネータの稼働停止による燃費向上の効果を検証することによって、現実に即した燃費向上効果が推定される。
【0031】
前述のふたつの条件を満たす中では、「2並列」のニッケル水素電池系列150において、しきい値を「20km/h」とした場合に、改善効果が最も高くなる。なお、「3並列」のニッケル水素電池系列150では、しきい値を「30km/h」まで高くできるが、質量が重くなってしまう。そのため、「3並列」のニッケル水素電池系列150での改善効果は、「2並列」のニッケル水素電池系列150の改善効果よりも低くなる。さらに、「1並列」のニッケル水素電池系列150において放電過多とならないしきい値は、「20km/h」よりも低くなる。そのため、「2並列」のニッケル水素電池系列150でのしきい値「20km/h」は、「1並列」のニッケル水素電池系列150において放電過多とならないしきい値よりも高くなるように設定されているといえる。以上の実験の結果、ここでは、しきい値が「20km/h」に設定される。
【0032】
この構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ハードウエアとソフトウエアの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0033】
図5は、車載用蓄電システム100による処理の手順を示すフローチャートである。速度取得部20が減速中を検出しなければ(S10のN)、待機する。速度取得部20が減速中を検出すれば(S10のY)、第1蓄電装置110、第2蓄電装置112は、オルタネータ120にて発電された電力を充電する(S12)。車速がしきい値より低下したことを速度取得部20が検出しなければ(S14のN)、待機する。車速がしきい値より低下したことを速度取得部20が検出すれば(S14のY)、オルタネータ動作制御部24は、オルタネータ120を停止させて、第1蓄電装置110および第2蓄電装置112への充電を停止させる(S16)。車両の停止を速度取得部20が検出しなければ(S18のN)、待機する。車両の停止を速度取得部20が検出すれば(S18のY)、アイドリングストップがなされる(S20)。
【0034】
本発明の実施例によれば、鉛電池に並列に接続されたニッケル水素電池系列を2並列とすることによって、鉛電池の放電抵抗に、ふたつのニッケル水素電池系列の放電抵抗を近くできる。また、ふたつのニッケル水素電池系列の放電抵抗が低くなるので、鉛電池の充放電負荷を軽減できる。また、ふたつのニッケル水素電池系列の放電抵抗が低くなるので、鉛電池のDODの低下を抑制できる。また、鉛電池のDODの低下が抑制されるので、オルタネータによる充電の期間を短くできる。また、オルタネータによる充電の期間が短くなるので、充放電収支が放電過多にならない範囲において、オルタネータの停止期間を長期間化できる。また、充放電収支が放電過多にならない範囲において、オルタネータの停止期間が長期間化されるので、車両の燃費を向上できる。また、10個のニッケル水素電池が直列に接続されることによって、ニッケル水素電池系列が形成されているので、必要とされる電圧を取得できる。また、第1蓄電装置と第2蓄電装置とは、オルタネータによって発電された電力を蓄えるとともに、スタータ116への給電と、電装品122への給電とを少なくとも実行するので、第1蓄電装置の負担を軽減できる。また、第1蓄電装置と第2蓄電装置との両方から、スタータ116への給電がなされるので、第1蓄電装置の負担を軽減できる。
【0035】
(実施例2)
次に、本発明の実施例2を説明する。実施例2は、実施例1と同様に、アイドリングストップ機能およびエネルギー回生機能を有する車両に搭載される車載用蓄電システムに関する。実施例1における車載用蓄電システムは、DC−DCコンバータを含むが、実施例2における車載用蓄電システムは、DC−DCコンバータを含まない。
【0036】
図6は、本発明の実施例2に係る車載用蓄電システム100の構成を示す。車載用蓄電システム100は、
図1の車載用蓄電システム100からDC−DCコンバータ130が除外されている。前述のごとく、DC−DCコンバータ130は、エンジンのクランキング時およびアイドリングストップ状態からの再始動時に、車載用蓄電システム100から電装品122へ至る経路の電圧が所定電圧以下に下がらないよう電圧補償するために設けられている。しかしながら、第2蓄電装置112が、ふたつのニッケル水素電池系列150の並列接続によって構成されることによって、第2蓄電装置112からの電力の供給がされやすくなる。そのため、エンジンのクランキング時およびアイドリングストップ状態からの再始動時に、車載用蓄電システム100から電装品122へ至る経路の電圧が所定電圧以下に下がらない。
【0037】
本発明の実施例によれば、DC−DCコンバータが含まれないので、車載用蓄電システムの構成を簡易にできる。
【0038】
(実施例3)
次に、本発明の実施例3を説明する。実施例3は、これまでと同様に、アイドリングストップ機能およびエネルギー回生機能を有する車両に搭載される車載用蓄電システムに関する。これまでは、車両に搭載されたエンジンを始動させるためのモータとしてスタータが備えられ、発電するためにオルタネータが備えられている。実施例3では、これらの代わりに、モータジェネレータが備えられる。
【0039】
図7は、本発明の実施例3に係る車載用蓄電システム100の構成を示す。車載用蓄電システム100は、
図1の車載用蓄電システム100におけるスタータ116、オルタネータ120の代わりに、モータジェネレータ132が含まれる。モータジェネレータ132は、走行駆動源であるモータとして機能する力行運転モードと、発電機として機能する回生運転モードとのふたつの運転状態をとり得るように構成されている。
【0040】
本変形例によれば、スタータとオルタネータとの代わりにモータジェネレータを含むので、車載用蓄電システムが搭載される車両の構成の自由度を向上できる。
【0041】
(実施例4)
次に、本発明の実施例4を説明する。実施例4は、これまでと同様に、アイドリングストップ機能およびエネルギー回生機能を有する車両に搭載される車載用蓄電システムに関する。スタータを動作させる場合の電力変動によって、電装品に供給される電力が変動されうる。実施例4では、電装品に供給される電力を安定させるために、スタータを動作させる場合に、鉛電池とニッケル水素電池との接続を切断することによって、ニッケル水素電池の電力供給先を電装品に限定させる。
【0042】
図8は、本発明の実施例4に係る車載用蓄電システム100の構成を示す。車載用蓄電システム100は、
図1の車載用蓄電システム100に対して、ダイオード126、並列接続用スイッチ128がさらに含まれる。
【0043】
並列接続用スイッチ128は、車載用蓄電システム100中において第1蓄電装置110と第2蓄電装置112とを並列接続するための経路に配置される。並列接続用スイッチ128がオンされている場合に、第1蓄電装置110と第2蓄電装置112とが並列に接続される。一方、並列接続用スイッチ128がオフされている場合に、第1蓄電装置110と第2蓄電装置112とが別々に配置される。また、並列接続用スイッチ128と並列にダイオード126が配置される。ダイオード126が配置されることによって、並列接続用スイッチ128がオフされている場合に、第2蓄電装置112から第1蓄電装置110への電流が抑止される。なお、並列接続用スイッチ128のオン/オフは、電源管理装置114によって制御される。
【0044】
第1蓄電装置110と第2蓄電装置112は、並列接続用スイッチ128がオンにされている場合、車両内の複数の負荷に給電可能であり、並列接続用スイッチ128がオフにされている場合、複数の負荷のうち、互いに異なった負荷に独立して給電可能である。具体的に説明すると、第1蓄電装置110は、並列接続用スイッチ128がオフにされている場合、スタータ116への給電を実行する。第2蓄電装置112は、並列接続用スイッチ128がオフにされている場合、車両内の電装品122への給電を実行する。
【0045】
電源管理装置114は、ECU124から、エンジンの動作状態に関する通知を受けつける。この通知は、エンジン動作あるいはアイドリングストップを示す。電源管理装置114は、受けつけた通知がアイドリングストップからエンジン動作へ遷移した場合、並列接続用スイッチ128のオフを決定する。一方、電源管理装置114は、並列接続用スイッチ128をオフしてから一定期間経過後、並列接続用スイッチ128のオンを決定する。なお、アイドリングストップが、エンジン停止であってもよい。
【0046】
本変形例によれば、並列接続用スイッチがオフにされている場合、第1蓄電装置がスタータへの給電を実行し、第2蓄電装置が電装品への給電を実行するので、スタータ使用時に電装品への電力供給を安定化できる。
【0047】
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0048】
本発明の実施例において、10個のニッケル水素電池152が直列接続されることによってニッケル水素電池系列150が構成されている。しかしながらこれに限らず例えば、10個以外の数のニッケル水素電池152が直列接続されることによってニッケル水素電池系列150が構成されていてもよい。ニッケル水素電池系列150を構成すべきニッケル水素電池152の数は、必要とされる電圧に応じて決定されればよい。本変形例によれば、第2蓄電装置112の構成の自由度を拡大できる。
【0049】
本発明の実施例において、車載用蓄電システム100は、アイドリングストップ、エネルギー回生システムを有する車両に搭載されている。しかしながらこれに限らず例えば、これらの機能を有しない車両へ搭載されてもよい。本変形例によれば、本発明の適用範囲を拡大できる。