(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】第1の実施形態にかかる表示装置の薄膜トランジスタ基板上に設けられる回路を示す回路図である。
【
図2A】第1の実施形態の表示装置の表示領域における1画素の断面を説明するための模式図である。
【
図2B】第1の実施形態にかかる表示装置の1画素における第1電極層等の平面的構成を説明するための図である。
【
図3】第1の実施形態の表示装置の薄膜トランジスタ基板上に配置される電極形状と配線の様子を説明するための図である。
【
図4】変形例1にかかる表示装置の1画素の断面を説明するための模式図である。
【
図5A】第2の実施形態にかかる表示装置の薄膜トランジスタ基板上に設けられる回路を示す回路図である。
【
図5B】第2の実施形態にかかる表示装置の薄膜トランジスタ基板上に配置される電極形状と配線の様子を説明するための図である。
【
図6A】第3の実施形態にかかる表示装置の薄膜トランジスタ基板上に設けられる回路を示す回路図である。
【
図6B】第3の実施形態にかかる表示装置の薄膜トランジスタ基板上に配置される電極形状と配線の様子を説明するための図である。
【
図7】第4の実施形態にかかる表示装置の1画素の断面を説明するための模式図である。
【0015】
[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施形態にかかる表示装置について、図面を参照しながら説明する。
【0016】
本実施形態における表示装置は、画像を表示する表示領域内に複数画素が配置されて、表示領域内の複数画素が輝度制御部と発光色制御部とをそれぞれ有している。各画素が備える輝度制御部は、表示領域にて表示する画像の輝度を制御(指定)する輝度制御信号をそれぞれ受入れて、指定された輝度に対応する強度で発光するように制御するものとなっている。また、発光色制御部は、当該発光色制御部を備えた画素における発光色を制御(指定)する発光色制御信号を受入れて、輝度制御部からの発光を透過する透過波長帯域を制御するものとなっている。
【0017】
図1は、本実施形態の表示装置における薄膜トランジスタ基板SB1上に設けられる回路を示す回路図である。本実施形態の表示装置は、有機エレクトロルミネッセンス素子によって輝度制御部が構成された有機EL表示装置となっており、発光色制御部が有機エレクトロクロミック素子によって構成されたものとなっている。
【0018】
図1における薄膜トランジスタ基板SB1では、多数の走査信号線GLが互いに等間隔を置いて図中横方向に延びており、また、輝度制御信号を出力する多数の第1の映像信号線DL1、および、発光色制御信号を出力する多数の第2の映像信号線DL2が図中縦方向に延びている。薄膜トランジスタ基板SB1では、これら走査信号線GLと第1,第2の映像信号線DL1,DL2とにより碁盤状に並ぶ画素のそれぞれが区画され、さらに、MIS(Metal-Insulator-Semiconductor)構造のスイッチングに用いる薄膜トランジスタT1,T2,T3と、蓄積容量C1,C2と、有機エレクトロルミネッセンス層によって構成された輝度制御層OL、および、有機エレクトロクロミック層によって構成された発光色制御層ECが形成される。また、輝度制御層OLに電源を供給する電源線PSは、第1,第2の映像信号線DL1,DL2と平行に図中縦方向に延びている。
【0019】
図1の回路図では、走査信号線GLにゲート電圧が印加されることにより画素行が選択されて薄膜トランジスタT1,T2が同時にON状態となり、第1の映像信号線DL1および第2の映像信号線DL2から輝度制御信号と発光色制御信号が供給されると、蓄積容量C1,C2に電荷が蓄積される。そして蓄積容量C1,C2に電荷が蓄積されると、輝度制御層OLに電流を提供する駆動用の薄膜トランジスタT3がON状態となって、電源線PSから輝度制御層OLに電流が流れて発光することとなり、発光色制御層ECは、後述の第2電極層F2との間で生じる電位差に応じた波長帯域の光を透過するように制御する。
【0020】
第2の映像信号線DL2は、発光色制御信号出力部を含んで構成される映像信号線駆動回路に接続され、発光色制御信号出力部は、RGBのいずれかのピーク波長に対応する3種類の発光色制御信号を各画素の発光色制御層ECに出力するようになっている。
【0021】
図2Aは、本実施形態の表示装置の表示領域における1画素の断面を説明するための模式図である。
図2Aで示されるように、本実施形態の表示装置は、薄膜トランジスタ基板SB1上に有機EL素子と有機エレクトロクロミック素子を有し、これらの素子を封止膜PUおよび対向基板SB2によって覆うことによって構成される。
【0022】
まず、薄膜トランジスタ基板SB1および対向基板SB2は、ガラス基板などからなり、薄膜トランジスタ基板SB1の表面には回路部CRや平坦化層PL、さらに、有機EL素子や有機エレクトロクロミック素子が積層されて形成される。また、封止膜PUは、例えば窒化シリコン(SiN)からなり、CVD等によって形成される。
【0023】
有機EL素子は、第2電極層F2と第3電極層F3a,F3bの間に輝度制御層OL(輝度制御部)が挟持されることによって構成される。輝度制御層OLは、ホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層等を含んで構成される有機エレクトロルミネッセンス層となっており、本実施形態の輝度制御層OLは白色光を生成するようになっている。具体的には、発光層をRGB各色の発光層の積層体としてこれらの発光を混色することで白色光を生成する。
【0024】
輝度制御層OLは、第2電極層F2と第3電極層F3a,F3b間に印加される電気信号により発光が制御されるようになっており、第2電極層F2は、ITO(Indium Tin Oxide)等の透明導電膜、あるいは、アルミニウムや銀等の金属を含む合金膜を用いて、光を透過可能な程度の薄膜とすることによって透過性と反射性を有するように構成される。また、第3電極層F3aは、ITO等の透明導電膜で構成され、その下側に位置する第3電極層F3bは、アルミ等の反射性の金属によって構成される。第2電極層F2は有機EL素子におけるカソード電極(陰極)を構成し、第3電極層F3a,F3bはアノード電極(陽極)を構成する。
【0025】
第2電極層F2は、表示領域においてマトリクス状に配置された複数画素に対して共通となる一層で構成されて、表示領域外の駆動回路から共通電圧が入力される。これに対して第3電極層F3a,F3bは、絶縁層によって構成されたバンク層BK1によって表示領域の各画素で別々となるように隔離されて、第1の映像信号線DL1からの輝度制御信号が画素毎に入力されるようになっている。輝度制御層OLは、輝度制御信号に応じた強度の発光を出力し、第2電極層F2に直接入射させる、あるいは、第3電極層F3bの反射を経て入射させて、発光色制御層ECに発光を供給する。
【0026】
次に有機エレクトロクロミック素子は、第1電極層F1および第2電極層F2の間に発光色制御層EC(発光色制御部)が挟持されることによって構成され、有機EL素子を基準として観察者側となる位置に配置される。有機エレクトロクロミック素子を構成する発光色制御層ECは、エレクトロクロミック物質からなる発色層によって構成され、第2電極層F2は有機EL素子のカソード電極と共通化され、第1電極層F1はITO等の透明導電膜により画素毎に個別に形成される電極となっている。したがって本実施形態の表示装置では、表示領域内の複数画素の発光色制御層ECに、発光色制御信号が個別に入力されることとなる。
【0027】
具体的には、本実施形態の発光色制御層ECは、金属イオンと有機分子の間に働く引力(配位結合)を利用して、金属イオンと有機分子が数珠つなぎになった高分子を合成して生成されるマルチカラーを表示可能な優れたエレクトロクロミック材料によって構成される。発光色制御層ECは、第1電極層F1および第2電極層F2の間に電圧が印加されることで光の透過特性を変化させるものとなっており、第2の映像信号線DL2からの発光色制御信号が第1電極層F1に入力されることで、各画素において個別に発光色が設定される。また本実施形態の発光色制御層ECは、2つの電極によって与えられる電位差に応じて、透過スペクトルのピークが赤色の波長帯域(350nm以上450nm未満)に存在する状態と、緑色の波長帯域(450nm以上550nm未満)に存在する状態と、青色の波長帯域(550nm以上650nm未満)に存在する状態とが遷移するようになっている。
【0028】
発光色制御層ECを構成するエレクトロクロミック材料としては、所望の発色特性を有する材料であれば、特に限定されない。例えば、表示品位のよい変色を実現するためには、π共役系導電性高分子が好適であり、例えば、ポリパラフェニレン、ポリチオフェン、ポリフェニレンビニレン、ポリピロール、ポリアニリン、アリールアミン置換ポリアリーレンビニレン、ポリフルオレンポリマーよりなる群から選択される共役ポリマーを含有する材料を用いることができる。
【0029】
また
図2Bは、1画素における第1電極層F1等の平面的構成を説明するための図である。本実施形態における有機EL表示装置では、第1電極層F1は表示領域内の画素毎に1つずつ形成されて、1画素の領域内の主要な部分を占める矩形状の形状となっている。また、発光色制御層ECおよび第2電極層F2は、ほぼ同一となるパターン形状にて表示領域の全面にわたって平面状に形成され、これらには、薄膜トランジスタ基板SB1の回路部CRと第1電極層F1との接続箇所を確保するためのコンタクトホールCT2が形成される。コンタクトホールCT2が形成された箇所を覆う領域にはバンク層BK2が形成されて、さらに第1電極層F1と第2の映像信号線DL2とが接続するためのコンタクトホールCT3が、コンタクトホールCT2の内側に形成される。
【0030】
なお、本実施形態のバンク層BK1は、画素領域の内側を取り囲むようにして升目状に形成され、バンク層BK2は、画素領域の外周の一辺に沿って形成される。バンク層BK2としては、バンク層BK1と同様に画素領域の内側を取り囲むようにして形成されていても良い。
【0031】
図3は、本実施形態の表示装置の薄膜トランジスタ基板SB1上に配置される電極形状と配線の様子を説明するための図である。なお
図3においては、電源線PS等の表示が省略されており、第2電極層F2の形成領域がハッチングの入った領域に対応している。また、第2電極層F2の内側の領域において表示領域DPが設定され、表示領域DPの全域に対応して不図示の発光色制御層ECが形成される。
【0032】
図3で示されるように、表示領域DPの外側の領域には、複数の走査信号線GLに信号を出力する走査線駆動回路GDRと、第1の映像信号線DL1と第2の映像信号線DL2に信号を出力する映像信号線駆動回路DDRとが配置され、これらの信号線が表示領域DP内の各画素に接続される。また、同図で示されるように、第2電極層F2は表示領域DPの全域と1つの映像信号線駆動回路DDRを覆って形成され、第1電極層F1は、各画素にて1つずつ配置されるようになっている。第2電極層F2は、映像信号線駆動回路DDRのさらに外側となる複数箇所に配置されたコンタクトCT4を介して、輝度制御層OLおよび発光色制御層ECに基準となる電位を供給し、第1電極層F1は、第2の映像信号線DL2からの発光色制御信号に応じて発光色制御層ECにおける透過波長帯域を制御する。
【0033】
なお、第1の実施形態の表示装置としては、各画素が時分割で複数色に着色されて、所定のタイミングにおいて上下左右方向に隣接する画素が互いに異なる発光色で発光するようになっていてもよいし、例えば、行又は列毎に共通する発光色で発光して、隣接する行又は列における発光色が異なるように制御されても良い。また、例えば、表示すべき画像にて赤色が占める割合が高い場合には、表示領域における大部分の画素を赤色で着色されるようにししてもよく、表示される画像に応じて画素毎に発光色を決定するようにしてもよい。
【0034】
[変形例1]
次に、第1の実施形態の表示装置の変形例1について説明する。
図4は、本変形例の表示装置の1画素の断面を説明するための模式図である。
【0035】
上記の第1の実施形態の表示装置では、各画素における第2電極層F2は、有機エレクトロルミネッセンス素子と有機エレクトロクロミック素子に共有されているが、変形例1の表示装置では、第2電極層F2と輝度制御層OLとの間にさらに第4電極層と絶縁層IN2が形成されて、第1電極層F1と第2電極層F2によって発光色制御層ECに信号が印加されて、かつ、第3電極層F3と第4電極層F4によって輝度制御層OLに信号が印加されるようになっている。
【0036】
また
図4で示されるように、第1電極層F1は、絶縁層IN1,IN2に形成されたコンタクトホールを介して、第2電極層F2は、絶縁層IN2に形成されたコンタクトホールを介して輝度制御層OLの陰極(第4電極層F4)と同層の金属層に接続し、これにより回路部CRに接続されるようになっている。
【0037】
変形例1における表示装置は、以上のような点で第1の実施形態の表示装置とは異なるが、このような点以外の構成については略同様であるため説明を省略する。
【0038】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態に係る表示装置について説明をする。
【0039】
図5Aは、第2の実施形態における表示装置の薄膜トランジスタ基板SB1上に設けられる回路を示す回路図であり、
図5Bは、第2の実施形態の表示装置の薄膜トランジスタ基板SB1上に配置される電極形状と配線の様子を説明するための図である。
【0040】
図5Aおよび
図5Bで示されるように、第2の実施形態の表示装置における第1電極層F1は、表示領域DPにおいて配列された複数画素の行毎に共通となるように構成されており、各第1電極層F1は行方向に延在して表示領域DP外まで達している。また、第1電極層F1および第2電極層F2の間には、第1の実施形態の場合と同様に発光色制御層ECを構成する有機エレクトロクロミック層が配置され、走査信号線GLの選択のタイミングに合わせて第2の映像信号線DL2から発光色制御信号が入力されて発光色が行毎に制御されることとなる。なお、蓄積容量C2は、電源線PSと同電位となる信号線PSXに接続されて、薄膜トランジスタT2がOFF状態になった後においても第2の映像信号線DL2から入力された信号電位を維持する。
【0041】
また特に第2の実施形態においては、発光色制御層ECに発光色制御信号を供給する第2の映像信号線DL2が表示領域DP外に敷設されて、第2の映像信号線DL2と第1電極層F1とが接続するためのコンタクトホールが表示領域DP外に形成されるようになっている。このように、第1電極層F1と第2の映像信号線DL2とが接続するためのコンタクトホールが表示領域DP外に形成されることで、各画素における発光面積を広く確保することが出来るようになる。
【0042】
なお、
図5Aおよび
図5Bで示されるように、第2の実施形態における第1電極層F1は、表示領域DPにおける第1の辺(
図5Bにおける左辺)から表示領域の外側に延在して形成される第1の端部と、第2の辺(
図5Bにおける右辺)から表示領域の外側に延在して形成される第2の端部を有しており、第1の端部のみにおいてコンタクトホールが形成されて第2の映像信号線DL2と接続するようになっている。しかしながら、第1の端部および第2の端部の双方においてコンタクトホールが形成されて、発光色制御信号が第1電極層F1の両端部から同期して入力されるようになっていてもよく、表示領域DPの両側に形成された第2の映像信号線DL2から発光色制御信号が入力されることで、当該発光色制御信号に対する有機エレクトロクロミック層の応答速度が向上するために好適となる。
【0043】
以上のような点を除いて、第2の実施形態の表示装置は第1の実施形態の表示装置と略同様であり、同様である点についての説明は省略することとする。
【0044】
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態に係る表示装置について説明をする。
【0045】
図6Aは、第3の実施形態における表示装置の薄膜トランジスタ基板SB1上に設けられる回路を示す回路図であり、
図6Bは、第3の実施形態の表示装置の薄膜トランジスタ基板SB1上に配置される電極形状と配線の様子を説明するための図である。
【0046】
図6Aおよび
図6Bで示されるように、第3の実施形態の表示装置における第1電極層F1は、表示領域DPにおいて配列された複数画素の列毎に共通となるように構成されており、各第1電極層F1は列方向に延在して表示領域DP外まで達している。また、第1電極層F1および第2電極層F2の間には、第1の実施形態の場合と同様に発光色制御層ECを構成する有機エレクトロクロミック層が配置され、走査信号線GXの選択のタイミングに合わせて第1の映像信号線DL1から発光色制御信号が入力されて発光色が行毎に制御されることとなる。なお、第1の映像信号線DL1には、発光色制御信号の入力後は、他の走査信号線GLの選択のタイミングに合わせて輝度制御信号が出力されるようになっている。
【0047】
また第3の実施形態においては、第2の実施形態の場合と同様に、第1の映像信号線DL1と第1電極層F1とが接続するためのコンタクトホールが表示領域DP外に形成されるようになっている。このように、第1電極層F1と第1の映像信号線DL1とが接続するためのコンタクトホールが表示領域DP外に形成されることで、各画素における発光面積を広く確保することが出来るようになる。
【0048】
なお、
図6Aおよび
図6Bで示されるように、第3の実施形態における第1電極層F1は、表示領域DPにおける第1の辺(
図6Bにおける上辺)から表示領域DPの外側に延在して形成される第1の端部と、第2の辺(
図6Bにおける下辺)から表示領域DPの外側に延在して形成される第2の端部を有しており、第1の端部のみにおいてコンタクトホールが形成されて第1の映像信号線DL1と接続するようになっている。しかしながら、第1の端部および第2の端部の双方においてコンタクトホールが形成されて、発光色制御信号が第1電極層F1の両端部から同期して入力されるようになっていてもよく、第1の映像信号線DL1を介して双方から発光色制御信号が入力されることで、当該発光色制御信号に対する有機エレクトロクロミック層の応答速度が向上するために好適となる。
【0049】
以上のような点を除いて、第3の実施形態の表示装置は第1の実施形態の表示装置と略同様であり、同様である点についての説明は省略することとする。
【0050】
[第4の実施形態]
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
図7は、第4の実施形態の表示装置の1画素の断面を説明するための模式図である。
【0051】
第1の実施形態の表示装置は、マルチカラーエレクトロクロミック層により発光色制御部が構成されているが、第4の実施形態の表示装置では、
図7で示されるように、電圧の印加により透過スペクトルのピークが赤色の波長帯域に存在する状態を発現する有機エレクトロクロミック層EC1と、緑色の波長帯域に存在する状態を発現する有機エレクトロクロミック層EC2と、青色の波長帯域に存在する状態を発現する有機エレクトロクロミック層EC3とを含んで発光色制御部が構成されて、さらに、これらのそれぞれを挟持するように4つの電極層FX1〜FX4が形成されている。
【0052】
第4の実施形態においては、有機エレクトロクロミック層EC1〜EC3のそれぞれは、電圧を印加されない状態では電流が供給されず、基本的に発色せずに透明となっている。各画素では、絶縁層IN1〜IN4に形成されたコンタクトホールを介して発光色制御信号出力部からの発光色制御信号が4つの電極層FX1〜FX4に出力されて、これにより、各有機エレクトロクロミック層EC1〜EC3に印加される電圧が制御されることで、輝度制御層OLからの発光を透過する透過波長帯域を変化させるようになっている。
【0053】
なお、第4の実施形態における表示装置としては、4つの電極層FX1〜FX4が画素毎に形成されても良いし、一又は複数の行毎、あるいは、一又は複数の列毎に形成されても良い。4つの電極層FX1〜FX4が行又は列毎に共通するように形成される場合には、表示領域DP外のコンタクトホールを介して発光色制御信号を入力する信号線と接続するのが好適となる。
【0054】
以上のような点を除いて、第4の実施形態の表示装置は第1の実施形態の表示装置と略同様であり、同様である点についての説明は省略することとする。
【0055】
なお、上記の第1の実施形態においては、画素毎に発光色制御信号が入力されて、第2又は第3の実施形態においては、複数の画素によって構成される行又は列毎に共通となる発光色制御信号が入力される。しかしながら、本発明における第1電極層F1としては、例えば、表示領域DPを複数に区分した区分領域内の複数画素に共通する一層で形成されていても良く、複数の行、あるいは、複数の列にわたって共通する一層で形成されていても良いし、例えば、5×5を一単位とする領域で表示領域DPが区分されて、5×5の区分領域毎に共通する一層で形成されてもよい。また、輝度制御部を薄膜トランジスタ基板SB1側に配置し、発光色制御部を対向基板SB2側に配置して、それぞれ接着層を介して貼り合わせた構成としてもよい。この構成では、それぞれの基板を独立して作製できるので、プロセスの自由度が増し、プロセス歩留を向上させる効果がある。
【0056】
なお、上記の各実施形態においては、RGBの3種類の発光色に対応する発光色制御信号が時分割で入力されるようになっているが、シアン、マゼンダ、イエロー等の発光色に対応するように発光色制御層ECの透過波長帯域が制御されても良いし、さらに、ホワイト(透明)を含めた発光色に対応するように、発光色制御層ECの透過波長帯域が制御されても良い。また、RGBの3種類の発光色に対応する発光色制御信号のみによって発光色制御層ECが制御されるのではなく、例えば、RGBの着色の度合いが複数段階に制御されるようになっていても良いし、赤色に対応する透過波長帯域と青色に対応する透過波長帯域とが混在する透過波長分布に対応する発光色制御信号を含んでいても良い。
【0057】
なお、上記の各実施形態においては、トップエミッション型の有機EL表示装置になっているが、本発明はこの態様に限定されず、ボトムエミッション型の有機EL表示装置に適用されてもよいし、他の表示装置に適用されても良い。
【0058】
なお、上記の第1の実施形態の表示装置では、薄膜トランジスタT1と薄膜トランジスタT2のゲート電極に走査信号を入力する信号線が共通しているが、本発明は、上述のような回路構成に限定されず、互いに別々となる信号線によって走査信号が入力されても良い。また、第3の実施形態の表示装置では、第1の映像信号線DL1から輝度制御信号と発光色制御信号が出力されるようになっているが、本発明は、各実施形態に記載された回路構成に限定されない。第3の実施形態においても、第1の映像信号線DL1とは別に第2の映像信号線DL2が敷設されて、これにより、発光色制御層ECに発光色制御信号が入力されてもよい。また発光色制御部において、発光色制御信号を印加してから発光色が変化するまでの遅延時間がある場合は、発光色制御部と輝度制御部の同期のさせ方として、その遅延時間と変化量に整合させて輝度制御を行う方式を用いることが高画質表示を行う上で有効である。たとえば、発光色が所望の色に変化した安定した期間において、所望の幅のパルス状の発光期間で輝度制御を行う方法などが適用できる。
【0059】
なお、上記の各実施形態では、表示領域DP内の全ての画素が輝度制御層OLと発光色制御層ECとを有するようになっているが、例えば、少なくとも一部の複数の画素が輝度制御層OLと発光色制御層ECとを有するようになっていてもよい。したがって、例えば、表示領域DP内において、赤色と緑色の2種類の態様で発色する発光色制御部と輝度制御部とを備えた複数画素と、発光色制御部を有しておらず青色で発光する輝度制御部を有する複数画素とが混在するようになっていてもよく、発光色制御部を備えた画素としては、少なくとも2種類の透過波長分布による発光を出力するようになっていればよい。
【0060】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、各実施形態で説明した構成を組み合わせても良いし、或いは、実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成、又は同一の目的を達成することができる構成でおきかえることが出来る。