(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6189152
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】テーブル
(51)【国際特許分類】
A47B 9/00 20060101AFI20170821BHJP
A47B 9/18 20060101ALI20170821BHJP
【FI】
A47B9/00 Z
A47B9/18
【請求項の数】8
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-190975(P2013-190975)
(22)【出願日】2013年9月13日
(65)【公開番号】特開2015-54215(P2015-54215A)
(43)【公開日】2015年3月23日
【審査請求日】2016年9月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】303046244
【氏名又は名称】旭化成ホームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100133307
【弁理士】
【氏名又は名称】西本 博之
(72)【発明者】
【氏名】村松 浩
(72)【発明者】
【氏名】横山 剛
【審査官】
大谷 純
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−033357(JP,A)
【文献】
実開昭57−152030(JP,U)
【文献】
特開2007−229417(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 9/00、 9/14、 9/18、
13/02、55/00、91/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板と当該天板の下面に互いに所定の隙間を開けて設けられた一対のかさ上げ脚とを有する上部構造体と、前記上部構造体の下方に配置されて前記上部構造体を支持する下部構造体とを備え、
前記下部構造体は、
前記かさ上げ脚の形状に対応した形状に形成されて前記かさ上げ脚を嵌入可能な第一の嵌入部と、
前記第一の嵌入部に嵌入された前記かさ上げ脚を第一の高さ位置に保持させる第一の保持部と、
前記かさ上げ脚の形状に対応した形状に形成され、前記第一の嵌入部とは異なる位置において前記かさ上げ脚を嵌入可能な第二の嵌入部と、
前記第二の嵌入部に嵌入された前記かさ上げ脚を前記第一の高さ位置よりも低い第二の高さ位置に保持させる第二の保持部と、
を備え、
前記第一の嵌入部に前記かさ上げ脚が嵌入された状態では、前記第一の保持部が前記上部構造体を前記第一の高さ位置に保持することによって前記天板が高位に保たれ、
前記第二の嵌入部に前記かさ上げ脚が嵌入された状態では、前記第二の保持部が前記上部構造体を前記第二の高さ位置に保持することによって、前記第一の嵌入部に前記かさ上げ脚が嵌入された場合よりも前記天板が低位に保たれるテーブルであって、
前記下部構造体は、四角枠形状を有する連結体と当該連結体の四隅にそれぞれ内接するように設けられた4本の主脚とを更に備え、
前記第一の嵌入部は、前記かさ上げ脚の幅寸法に対応した内法寸法を有する前記連結体の一方の互いに対向する2つの片と、4本の前記主脚とによって構成され、
前記第二の嵌入部は、前記かさ上げ脚の幅寸法に対応した内法寸法を有する前記連結体の他方の互いに対向する2つの片と、4本の前記主脚とによって構成される、テーブル。
【請求項2】
前記第一の保持部は、前記第一の嵌入部に嵌入された前記かさ上げ脚の下端面を支持することによって前記上部構造体を前記第一の高さ位置に保持する、請求項1に記載のテーブル。
【請求項3】
前記第一の保持部は、前記主脚に設けられた複数の孔群の中から選択された孔に差し込まれたダボである、請求項2に記載のテーブル。
【請求項4】
前記第二の保持部は、前記第二の嵌入部に嵌入された前記かさ上げ脚の下端面を支持することによって前記上部構造体を前記第二の高さ位置に保持する、請求項1から3のいずれか一項に記載のテーブル。
【請求項5】
前記第二の保持部は、前記主脚に設けられた複数の孔群の中から選択された孔に差し込まれたダボである、請求項4に記載のテーブル。
【請求項6】
前記第二の保持部は、前記第二の嵌入部に前記かさ上げ脚が嵌入された状態で前記天板の下面を支持することによって前記上部構造体を前記第二の高さ位置に保持する、請求項1から3のいずれか一項に記載のテーブル。
【請求項7】
前記第二の保持部は、前記連結体の上端面及び4本の前記主脚の上端面のうち少なくともいずれかによって構成され、前記第二の嵌入部に前記かさ上げ脚が嵌入された状態で前記天板の下面を支持する、請求項1に記載のテーブル。
【請求項8】
前記下部構造体は、
前記かさ上げ脚の形状に対応した形状に形成され、前記第一の嵌入部及び前記第二の嵌入部とは異なる位置において前記かさ上げ脚を嵌入可能な一以上の他の嵌入部と、
前記他の嵌入部に嵌入された前記かさ上げ脚を前記第一の高さ位置よりも低く且つ前記第二の高さ位置よりも高い高さ位置に保持する一以上の他の保持部と、
を更に有し、
前記他の嵌入部に前記かさ上げ脚が嵌入された状態では、前記他の保持部が前記かさ上げ脚を前記第一の高さ位置よりも低く且つ前記第二の高さ位置よりも高い高さ位置に保持することによって前記天板が中位に保たれる、請求項1に記載のテーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は
、高さを変更可能なテーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、床面から天板までの高さを変更可能なテーブルとして、例えば特許文献1に記載されたものがある。特許文献1に記載されたテーブルは、天板と、地板と、天板に取り付けられた中間脚と、地板に取り付けられた中間脚とを備えている。このテーブルは、天板側の中間脚と地板側の中間脚との位置が一致するように天板と地板とを重ねることで、高さの高いテーブルとなる。また、天板側の中間脚と地板側の中間脚との位置をずらした状態で天板と地板とを重ねることで、高さの低いテーブルとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3144444号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたテーブルにおいて、天板側の中間脚と地板側の中間脚との位置ずれ等を防止するためにジョイナーが別途必要となる。このジョイナーに水平力が集中するため、強度上の問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、高い強度を実現し得
るテーブルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面に係る
テーブルは、天板と当該天板の下面に互いに所定の隙間を開けて設けられた一対のかさ上げ脚
とを有する上部構造体と、上部構造体の下方に配置されて上部構造体を支持する下部構造体とを備え、下部構造体は、かさ上げ脚の形状に対応した形状に形成されてかさ上げ脚を嵌入可能な第一の嵌入部と、第一の嵌入部に嵌入されたかさ上げ脚を第一の高さ位置に保持させる第一の保持部と、かさ上げ脚の形状に対応した形状に形成され、第一の嵌入部とは異なる位置においてかさ上げ脚を嵌入可能な第二の嵌入部と、第二の嵌入部に嵌入されたかさ上げ脚を第一の高さ位置よりも低い第二の高さ位置に保持させる第二の保持部と、を備え、第一の嵌入部にかさ上げ脚が嵌入された状態では、第一の保持部が上部構造体を第一の高さ位置に保持することによって
天板が高位に保たれ、第二の嵌入部にかさ上げ脚が嵌入された状態では、第二の保持部が上部構造体を第二の高さ位置に保持することによって、第一の嵌入部にかさ上げ脚が嵌入された場合よりも
天板が低位に保たれる
テーブルであって、下部構造体は、四角枠形状を有する連結体と当該連結体の四隅にそれぞれ内接するように設けられた4本の主脚とを更に備え、第一の嵌入部は、かさ上げ脚の幅寸法に対応した内法寸法を有する連結体の一方の互いに対向する2つの片と、4本の前記主脚とによって構成され、第二の嵌入部は、かさ上げ脚の幅寸法に対応した内法寸法を有する連結体の他方の互いに対向する2つの片と、4本の主脚とによって構成される。
【0007】
この
テーブルでは、かさ上げ脚を第一の嵌入部又は第二の嵌入部に嵌め込むだけで、上部構造体の高さを変更することができる。また、第一の嵌入部及び第二の嵌入部は、それぞれ、かさ上げ脚の形状に対応した形状を有している。これにより、下部構造体は、上部構造体を水平方向の位置がずれることなく保持することができる。このように、別の固定手段を用いることなく、かさ上げ脚を第一の嵌入部又は第二の嵌入部に嵌入させるだけで、下部構造体によって上部構造体の水平方向の位置を高い強度で保持することができる。
【0008】
このテーブルにおいては、かさ上げ脚を第一の嵌入部又は第二の嵌入部に嵌入させるだけで、天板の高さを変えることができる。また、上述したように、別の固定手段を用いることなく、かさ上げ脚を第一の嵌入部又は第二の嵌入部に嵌入させるだけで、下部構造体によって天板の水平方向の位置を高い強度で保持することができる。
【0009】
連結体の枠内に、第一の嵌入部及び第二の嵌入部が設けられる。このように、連結体と主脚とによって、第一の嵌入部及び第二の嵌入部を簡素な構成で形成することができる。
【0010】
第一の保持部は、第一の嵌入部に嵌入されたかさ上げ脚の下端面を支持することによって上部構造体を第一の高さ位置に保持してもよい。この場合には、第一の保持部にかさ上げ脚の下端面を当接させることによって容易かつ確実に天板の高さを保持することができる。
【0011】
第一の保持部は、主脚に設けられた複数の孔群の中から選択された孔に差し込まれたダボであってもよい。この場合には、かさ上げ脚が第一の嵌入部に嵌入された状態であっても、ダボの位置を変更するだけで、天板の高さを更に変更することができる。
【0012】
第二の保持部は、第二の嵌入部に嵌入されたかさ上げ脚の下端面を支持することによって上部構造体を第二の高さ位置に保持してもよい。この場合には、第二の保持部にかさ上げ脚の下端面を当接させることによって容易かつ確実に天板の高さを保持することができる。
【0013】
第二の保持部は、主脚に設けられた複数の孔群の中から選択された孔に差し込まれたダボであってもよい。この場合には、かさ上げ脚が第二の嵌入部に嵌入された状態であっても、ダボの位置を変更するだけで、天板の高さを更に変更することができる。
【0014】
第二の保持部は、第二の嵌入部にかさ上げ脚が嵌入された状態で天板の下面を支持することによって上部構造体を第二の高さ位置に保持してもよい。この場合には、天板の下面を保持することによって天板の高さを容易に保持することができる。
【0015】
第二の保持部は、連結体の上端面及び4本の主脚の上端面のうち少なくともいずれかによって構成され、第二の嵌入部にかさ上げ脚が嵌入された状態で天板の下面を支持していてもよい。この場合には、天板の下面を連結体の上端面及び4本の主脚の上端面のうち少なくともいずれかに載置することで、天板の高さを容易かつ確実に保持することができる。
【0016】
下部構造体は、かさ上げ脚の形状に対応した形状に形成され、第一の嵌入部及び第二の嵌入部とは異なる位置においてかさ上げ脚を嵌入可能な一以上の他の嵌入部と、他の嵌入部に嵌入されたかさ上げ脚を第一の高さ位置よりも低く且つ第二の高さ位置よりも高い高さ位置に保持する一以上の他の保持部と、を更に有し、他の嵌入部にかさ上げ脚が嵌入された状態では、他の保持部がかさ上げ脚を第一の高さ位置よりも低く且つ第二の高さ位置よりも高い高さ位置に保持することによって天板が中位に保たれたものであってもよい。このように他の嵌入部及び他の保持部を更に備えることで、天板の高さを更に異なる位置で保持することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の他の一側面によれば、一側面に係る嵌入構造を有するテーブルを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】一実施形態に係るテーブルを高位とした場合の斜視図である。
【
図2】
図1に示す上部構造体を下面側から見た斜視図である。
【
図4】
図1に示すテーブルの天板を高位とした場合の側面図である。
【
図5】
図1に示すテーブルの天板を高位とした場合の他の側面図である。
【
図7】
図1に示すテーブルの天板を低位とした場合の側面図である。
【
図8】
図1に示すテーブルの天板を低位とした場合の他の側面図である。
【
図10】変形例におけるダボの取り付け構造を示す斜視図である。
【
図11】他の変形例における第一の嵌入部及び第二の嵌入部を示す斜視図である。
【
図12】他の変形例において第一の嵌入部にかさ上げ脚を嵌入させた状態を示す断面図である。
【
図13】他の変形例において第二の嵌入部にかさ上げ脚を嵌入させた状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0020】
図1に示すように、テーブル1は、上部構造体10、及び、下部構造体100を含んで構成される。下部構造体100は、上部構造体10の下方に配置されて上部構造体10を支持する。上部構造体10と下部構造体100とは、互いに分離可能である。下部構造体100は上部構造体10を異なる高さ位置で保持可能となっている。これにより、テーブル1の天板11の高さを変更することができる。
【0021】
まず、上部構造体10について説明する。
図1及び
図2に示すように、上部構造体10は、天板11、一対のかさ上げ脚12、及び、一対の補強部材13を含んで構成される。天板11は、本実施形態においては四角形状を有している。かさ上げ脚12は、長方形状を有する板材である。かさ上げ脚12は、長手側の側面が天板11の下面に当接した状態で天板11に固定される。なお、一対のかさ上げ脚12は、互いに所定の隙間を開けて互いに平行となるように配置されている。
【0022】
かさ上げ脚12の下部において長手方向の中央部には切欠き部12bが設けられている。これにより、かさ上げ脚12の下部には、長手方向の両端部にそれぞれ下方に向けて突出する脚部12aが形成される。一対のかさ上げ脚12において、長手方向の両端部間にはそれぞれ補強部材13が連結されている。補強部材13は、天板11の下面にも固定されている。これにより、かさ上げ脚12が天板11の下面に対して倒れ込むことを防止できる。
【0023】
次に、下部構造体100について説明する。
図1及び
図3に示すように、下部構造体100は、連結体110、4本の主脚120,130,140,150、及び、持ち手160を含んで構成されている。連結体110は、四角枠形状を有しており、互に対向する一対の第一の片110aと、互いに対向する一対の第二の片110bとにより構成されている。持ち手160は、平面視でコ字状に形成されている。持ち手160の両端部は、一対の第一の片110aのうちの一方の第一の片110aの外側面に取り付けられている。
【0024】
4つの主脚120〜150は、連結体110の四隅にそれぞれ内接されている。4つの主脚120〜150の上端面と、連結体110の上端面とは一致している。ここで、連結体110の四隅のうち、持ち手160に近い側の隅部に主脚130及び主脚150が内接され、持ち手160から離れた側の隅部に主脚120及び主脚140が内接されている。持ち手160から離れた側の主脚120及び主脚140の下端には、キャスター125及び145(
図5参照)が取り付けられている。
【0025】
下部構造体100には、上部構造体10のかさ上げ脚12が嵌入可能な第一の嵌入部Aと、上部構造体10を鉛直軸まわりに回転させ第一の嵌入部Aとは異なる向きでかさ上げ脚12が嵌入可能な第二の嵌入部Bとが形成されている。第一の嵌入部A及び第二の嵌入部Bは、それぞれ一対のかさ上げ脚12の形状に対応した形状に形成されている。
【0026】
より詳細には、第一の嵌入部Aは、一対の第一の片110aのそれぞれの内側面と、主脚120における主脚140側の側面120aと、主脚130における主脚150側の側面130aと、主脚140における主脚120側の側面140aと、主脚150における主脚130側の側面150aとによって構成されている。
【0027】
一対の第一の片110a間の内法寸法は、かさ上げ脚12の幅寸法(平面視で長手方向の寸法)に対応している。また、主脚120と主脚140との間の内法寸法は、一対のかさ上げ脚12におけるかさ上げ脚12の並び方向における外法寸法に対応している。主脚130と主脚150との間の内法寸法は、一対のかさ上げ脚12におけるかさ上げ脚12の並び方向における外法寸法に対応している。これにより、第一の片110aの長手方向とかさ上げ脚12の長手方向とが直交する状態で、第一の嵌入部A内にかさ上げ脚12をガタつきなく嵌入(
図3及び
図6参照)させることができる。
【0028】
第二の嵌入部Bは、一対の第二の片110bのそれぞれの内側面と、主脚120における主脚130側の側面120bと、主脚130における主脚120側の側面130bと、主脚140における主脚150側の側面140bと、主脚150における主脚140側の側面150bとによって構成されている。
【0029】
一対の第二の片110b間の内法寸法は、かさ上げ脚12の幅寸法(平面視で長手方向の寸法)に対応している。また、主脚120と主脚130との間の内法寸法は、一対のかさ上げ脚12におけるかさ上げ脚12の並び方向における外法寸法に対応している。主脚140と主脚150との間の内法寸法は、一対のかさ上げ脚12におけるかさ上げ脚12の並び方向における外法寸法に対応している。これにより、第二の片110bの長手方向とかさ上げ脚12の長手方向とが直交する状態で、第一の嵌入部A内にかさ上げ脚12をガタつきなく嵌入(
図3及び
図9参照)させることができる。
【0030】
主脚120の側面120aには、ダボ(第一の保持部)121が取り付けられている。同様に、主脚130の側面130a、主脚140の側面140a及び主脚150の側面150aには、それぞれダボ(第一の保持部)131,141及び151が取り付けられている。即ち、4つのダボ121〜151は、それぞれ第一の嵌入部A内側に突出している。ダボ121〜151は、連結体110の上端面から所定長さ下方側の位置に設けられている。
【0031】
次に、上部構造体10のかさ上げ脚12が第一の嵌入部Aに嵌入された状態について説明する。
図4から
図6に示すように、かさ上げ脚12は、上述したように、第一の片110aの長手方向とかさ上げ脚12の長手方向とが直交する状態で、第一の嵌入部A内に嵌入される。このとき、4つのダボ121〜151によって、かさ上げ脚12の脚部12aの下端面が支持される。このように、4つのダボ121〜151が設けられていることにより、天板11が第一の高さ位置で保持される。即ち、天板11が下部構造体100に対して上側に突出する高位の状態で天板11が保持される。
【0032】
次に、上部構造体10のかさ上げ脚12が第二の嵌入部Bに嵌入された状態について説明する。
図7から
図9に示すように、かさ上げ脚12は、上述したように、第二の片110bの長手方向とかさ上げ脚12の長手方向とが直交する状態で、第二の嵌入部B内に嵌入される。第二の嵌入部B内にはダボ121等が突出していないため、かさ上げ脚12は第二の嵌入部B内の奥深くまで嵌入される。天板11の大きさが連結体110よりも大きいため、連結体110の上端面及び主脚120〜150の上端面(第二の保持部)に天板11の下面が当接し、連結体110の上端面及び主脚120〜150の上端面によって天板11が第二の高さ位置で保持される。即ち、天板11が下部構造体100等の上端面に載置される低位の状態で天板11が保持される。
【0033】
持ち手160は、テーブル1を移動させる際に用いるものである。テーブル1の移動の際には、持ち手160を把持して持ち手160が設けられている側の主脚130及び150を持ち上げることで、キャスター125及び145のみが床に接することとなる。この状態でキャスター125及び145を転がすことにより、テーブル1を容易に移動させることができる。
【0034】
このように、第二の嵌入部Bに嵌入された状態の上部構造体10は、第一の嵌入部Aに嵌入された状態の上部構造体10を四角形状の天板11の中心の鉛直軸まわりに90度回転させた状態となっている。
【0035】
本実施形態は以上のように構成され、このテーブル1においては、かさ上げ脚12の向き(角度)を変えてかさ上げ脚12を第一の嵌入部A又は第二の嵌入部Bに嵌め込むだけで、上部構造体10の天板11の高さを変更することができる。また、第一の嵌入部A及び第二の嵌入部Bは、それぞれ、かさ上げ脚12の形状に対応した形状を有している。これにより、下部構造体100は、天板11を水平方向の位置がずれることなく保持することができる。このように、別の固定手段を用いることなく、かさ上げ脚12を第一の嵌入部A又は第二の嵌入部Bに嵌入させるだけで、天板11の高さを変更することができるとともに、下部構造体100によって天板11の水平方向の位置を高い強度で保持することができる。
【0036】
連結体110の内法寸法及び各主脚120〜150間の内法寸法をかさ上げ脚12の形状に対応させることにより、連結体110及び4つの主脚120〜150を用いて簡素な構成で第一の嵌入部A及び第二の嵌入部Bを形成することができる。
【0037】
第一の嵌入部A内にかさ上げ脚12が嵌入されている場合、ダボ121〜151にかさ上げ脚12の脚部12aの下端面を当接させることによって、容易かつ確実に天板11の高さを保持することができる。
【0038】
第二の嵌入部Bにかさ上げ脚12が嵌入されている場合、連結体110の上端面及び4つの主脚120〜150の上端面に天板11の下面を当接させることによって、天板11の高さを容易かつ確実に保持することができる。
【0039】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、実施形態において、第二の嵌入部Bには、上部構造体10を鉛直軸まわりに回転させ第一の嵌入部Aとは異なる向きでかさ上げ脚12が嵌入可能な構成としたが、上部構造体10を回転させることに限定されず、第二の嵌入部Bには、第一の嵌入部Aとは例えば水平方向の位置がずれた状態でかさ上げ脚12が嵌入可能な構成等としてもよい。
【0040】
また、
図10に示すように、主脚140の側面140aに、上下方向に沿って複数の孔142を設け、選択された孔142にダボ141を差し込んでもよい。主脚120,130及び150についても上下方向に沿って複数の孔を設け、選択された孔にダボ121,131及び151をそれぞれ差し込んでもよい。この場合には、第一の嵌入部Aにかさ上げ脚12が嵌入された際に、かさ上げ脚12の脚部12aの下端面を更に所定の高さで支持することができる。従って、かさ上げ脚12が第一の嵌入部Aに嵌入された状態での天板11の高さを更に微調整することができる。
【0041】
上記実施形態では、第二の嵌入部Bにかさ上げ脚12を嵌入させた場合には、連結体110等の上端面に天板11の下面を当接させるものとしたが、主脚120の側面120b等にダボを設けて、ダボによりかさ上げ脚12の脚部12aの下端面を支持してもよい。第二の嵌入部Bに嵌入されたかさ上げ脚12を、ダボを用いて支持する場合にも、主脚120等の側面に複数の孔を設け、選択された孔にダボを差し込んでかさ上げ脚12を支持してもよい。この場合には、かさ上げ脚12が第二の嵌入部Bに嵌入された状態での天板11の高さを更に微調整することができる。
【0042】
また、ダボ121等を用いずに、主脚120等にそれぞれ設けられた溝にかさ上げ脚12を嵌め込むことでかさ上げ脚12を保持してもよい。具体的には、
図11に示すテーブル1Aのように、主脚140の主脚120側の側面140aに、主脚140の上端から下方側に向かって所定長さの第一の溝143を設ける。また、主脚140の主脚150側の側面140bに、主脚140の上端から下方側に向かって第一の溝143よりも長さの長い第二の溝144を設ける。同様に、主脚120,130及び150にも、
図12に示すように、第一の溝123,133及び153と第二の溝124,134及び154とをそれぞれ設ける。
【0043】
なお、第一の溝123〜153の溝幅、及び、第二の溝124〜154の溝幅は、かさ上げ脚12の板厚に対応している。また、互いに対向する第一の溝123の底面と第一の溝143の底面との間の長さは、かさ上げ脚12の長手方向の長さに対応している。同様に、第一の溝133の底面と第一の溝153の底面との間の長さ、第二の溝124の底面と第二の溝134の底面との間の長さ、及び、第二の溝144の底面と第二の溝154の底面との間の長さは、それぞれ、かさ上げ脚12の長手方向の長さに対応している。
【0044】
ここでは、主脚120等の上端面からの長さが短い第一の溝123,133,143及び153によって第一の嵌入部Aが構成される。また、主脚120等の上端面からの長さが長い第二の溝124,134,144及び154によって第二の嵌入部Bが構成される。
【0045】
図12に示すように、かさ上げ脚12を第一の嵌入部Aに嵌入させた状態では、天板11が高位の位置で保持される。また、
図13に示すように、かさ上げ脚12を第二の嵌入部Bに嵌入させた状態では、第一の嵌入部Aにかさ上げ脚12を嵌入させた場合よりも低位の位置で天板11が保持される。このように、主脚120等に上端からの長さの異なる溝(第一の溝123、第二の溝124等)を設けて第一の嵌入部A及び第二の嵌入部Bを形成することで、天板11の高さを変更することができるとともに、下部構造体100によって天板11の水平方向の位置を高い強度で保持することができる。
【0046】
また、上記実施形態及び変形例では、上部構造体10を90度回転させて第一の嵌入部A又は第二の嵌入部Bに嵌め込むことにより、天板11の高さを2段階に変更できる構成としたが、更に他の嵌入部及び他の保持部(ダボ等)をそれぞれ一以上設け、天板11の高さを3段階以上(例えば、高位、中位、低位等)に変更できるようにしてもよい。例えば、上部構造体10を水平面内で軸回転させたときに所定の回転角毎に嵌入可能な嵌入部を複数設けることにより、天板11の3段階以上の高さ調節が可能なテーブルを実現することができる。
【0047】
第一の嵌入部A及び第二の嵌入部Bを連結体110及び4つの主脚120〜150によって形成するものとしたが、これら以外の他の部材によって嵌入部を形成してもよい。連結体110は、四角枠形状を有するものとしたが、第一の嵌入部A及び第二の嵌入部Bが形成可能であれば、他の形状であってもよい。
【0048】
また、一対のかさ上げ脚12の上端を補強部材13によって互いに連結するものとしたが、補強部材13を設けることは必須ではない。
【0049】
また、上記実施形態及び変形例では、第一の嵌入部A又は第二の嵌入部Bにかさ上げ脚12を嵌入する嵌入構造をテーブル1,1Aに適用した例を示したが、例えば、高さを変更可能なイスなど、テーブル1,1A以外のものに適用することもできる。
【符号の説明】
【0050】
1,1A…テーブル、10…上部構造体、11…天板、12…かさ上げ脚、100…下部構造体、110…連結体、120,130,140,150…主脚、121,131,141,151…ダボ(第一の保持部)、A…第一の嵌入部、B…第二の嵌入部。