【実施例】
【0080】
以下、本発明について、具体的な実施例に基づいて、さらに詳細を説明する。本発明は、以下の実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。なお、顔料分散剤及び顔料分散組成物の重量率、重量平均分子量(Mw)、分子量分布(PDI)及び酸価、並びに顔料分散組成物の粘度、保存安定性及び再溶解性は、下記の方法に従って測定又は評価した。
【0081】
(重合率)
NMR(商品名:AVANCE500、ブルカー・バイオスピン株式会社製)を用いて、
1H−NMRを測定し、モノマーのビニル基とポリマーピークの面積比から重合率を算出した。
【0082】
(重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(PDI))
GPC(商品名:HPLC 11Series、アジレント・テクノロジー株式会社製)、カラム(商品名:Shodex GPC LF−804、昭和電工株式会社製)、移動相:10mM LiBr/N−メチルピロリドン溶液)を用い、標準物質としてポリスチレン(分子量1,090,000、775,000、427,000、190,000、96,400、37,900、10,200、2,630、440、92)を使用して検量線を作成し、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)を測定した。こられの測定値から分子量分布(PDI)を算出した。
【0083】
(酸価(有効固形分換算))
テトラヒドロフラン(以下「THF」という)に溶解したサンプルを電位差滴定装置(商品名:GT−200、三菱化学株式会社製)用いてを0.1M水酸化カリウム/2−プロパノール溶液で滴定した。滴定pH曲線の変曲点を滴定終点として、次式により酸価を算出した。
【0084】
A=56.11×Vs×0.1×f/w
A:酸価(mgKOH/g)
Vs:滴定に要した0.1M水酸化カリウム/2−プロパノール溶液の使用量(mL)
f:0.1M水酸化カリウム/2−プロパノール溶液の力価
w:測定サンプル重量(g)(固形分換算)
【0085】
(粘度)
E型粘度計(商品名:TVE−22L、東機産業株式会社製)にて、0.8°×R24のコーンローターを使用し、25℃においてローター回転数60rpmで測定した。
【0086】
(保存安定性)
顔料分散組成物を70℃で1週間保存したときの保存前後の粘度を測定し、下式で算出される粘度変化率を保存安定性の指標(保存性)として評価した。粘度変化率が100%に近いほど、保存安定性が高い判定とする。
【0087】
粘度変化率(%)={(保存後粘度)/(保存前粘度)}×100
【0088】
(再溶解性)
顔料分散組成物25μlをマイクロピペットでガラスシャーレ上に滴下し、恒温恒湿槽(商品名:プラチナスS PR−2SP、タバイエスペック株式会社製)で温度60℃、湿度40%で4時間乾燥する。シャーレを取り出した後、室温に冷却する。シャーレ上の乾燥析出物に脱イオン水2mlを滴下し、乾燥析出物の再溶解状態を目視観察し以下の基準により評価した。
【0089】
○:残さなく乾燥析出物が再溶解する。
△:残さが若干残るがほとんど再溶解する。
×:残さが多く、ほとんど再溶解しない。
【0090】
<重合開始剤>
(合成例1):エチル−2−メチル−2−n−ブチルテラニル−プロピオネート(以下「BTEE」という)
金属テルル(商品名:Tellurium(−40mesh)、Aldrich社製)6.38g(50mmol)をTHF50mlに懸濁させ、これにn−ブチルリチウム(Aldrich社製、1.6Mヘキサン溶液)34.4ml(55mmol)を、室温でゆっくり滴下した(10分間)。この反応溶液を金属テルルが完全に消失するまで撹拌した(20分間)。この反応溶液に、エチル−2−ブロモ−イソブチレート10.7g(55mmol)を室温で加え、2時間撹拌した。反応終了後、減圧下で溶媒を濃縮し、続いて減圧蒸留して、黄色油状物8.98g(収率59.5%)のBTEEを得た。
【0091】
<顔料分散剤>
(実施例1):顔料分散剤A
アルゴンガス導入管、撹拌子を備えたフラスコにN−ビニルピロリドン(日本触媒社製、以下「VP」という) 3.60g、脱イオン水 1.94g、BTEE 0.360g、2,2´−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業社製、以下「V−70」という) 0.0259gを仕込み、30℃で24時間反応させた。重合率は100%、Mwは3,450、PDIは1.17であった。
【0092】
上記反応液に予めアルゴン置換したアクリル酸n−ブチル(日本触媒社製、以下「BA」という) 6.86g、アクリル酸(シグマアルドリッチジャパン社製、以下「AA」という) 1.54g、2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(大塚化学社製、以下「ADVN」という) 0.0596g、THF 8.00g、メタノール 3.59gの混合溶液を加え、45℃で39時間反応させた。重合率はBA、AAとも98%であった。
【0093】
反応終了後、反応溶液にTHF 48.00gを加え、撹拌下のヘプタン300ml中に注いだ。析出したポリマーを吸引濾過、乾燥することにより顔料分散剤Aを得た。Mwは11,000、PDIは1.27で、酸価は108mgKOH/gであった。
【0094】
(実施例2):顔料分散剤B
アルゴンガス導入管、撹拌子を備えたフラスコにVP 6.00g、脱イオン水 3.23g、BTEE 0.360g、V−70 0.0259gを仕込み、30℃で8時間反応させた。重合率は98%、Mwは6,100、PDIは1.17であった。
【0095】
上記反応液に予めアルゴン置換したBA 4.46g、AA 1.54g、ADVN 0.0596g、THF 7.11g、メタノール 4.03gの混合溶液を加え、45℃で38時間反応させた。重合率はそれぞれBA 97%、AA 96%であった。
【0096】
反応終了後、反応溶液にTHF 48.00gを加え、撹拌下のヘプタン300ml中に注いだ。析出したポリマーを吸引濾過、乾燥することにより顔料分散剤Aを得た。Mwは11,300、PDIは1.24で、酸価は98mgKOH/gであった。
【0097】
(実施例3):顔料分散剤C
アルゴンガス導入管、撹拌子を備えたフラスコにVP 6.00g、脱イオン水 3.23g、BTEE 0.360g、V−70 0.0259gを仕込み、30℃で8時間反応させた。重合率は98%、Mwは6,100、PDIは1.17であった。
【0098】
上記反応液に予めアルゴン置換したBA 5.34g、AA 0.660g、ADVN 0.0596g、THF 7.10g、MeOH 4.94gの混合溶液を加え、45℃で38時間反応させた。重合率はそれぞれBA 97%、AA 96%であった。
【0099】
反応終了後、反応溶液にTHF 48.00gを加え、撹拌下のヘプタン300ml中に注いだ。析出したポリマーを吸引濾過、乾燥することにより顔料分散剤Cを得た。Mwは10,800、Mn/Mwは1.23で、酸価は42mgKOH/gであった。
【0100】
(実施例4):顔料分散剤D
アルゴンガス導入管、撹拌子を備えたフラスコにVP 6.00g、脱イオン水 3.23g、BTEE 0.360g、V−70 0.0259gを仕込み、30℃で8時間反応させた。重合率は98%、Mwは6,100、PDIは1.17であった。
【0101】
上記反応液に予めアルゴン置換したBA 4.90g、AA 1.10g、ADVN 0.0596g、THF 7.11g、メタノール 4.03gの混合溶液を加え、45℃で38時間反応させた。重合率はそれぞれBA 97%、AA 96%であった。
【0102】
反応終了後、反応溶液にTHF 48.00gを加え、撹拌下のヘプタン300ml中に注いだ。析出したポリマーを吸引濾過、乾燥することにより顔料分散剤Dを得た。Mwは10,600、PDIは1.22で、酸価は73mgKOH/gであった。
【0103】
(実施例5):顔料分散剤E
アルゴンガス導入管、撹拌子を備えたフラスコにVP 6.00g、脱イオン水 3.23g、BTEE 0.360g、V−70 0.0259gを仕込み、30℃で12時間反応させた。重合率は100%、Mwは6,100、PDIは1.17であった。
【0104】
上記反応液に予めアルゴン置換したBA 4.07g、AA 1.93g、ADVN 0.0596g、THF 7.11g、MeOH 4.03gの混合溶液を加え、45℃で40時間反応させた。重合率はそれぞれBA 97%、AA 100%であった。
【0105】
反応終了後、反応溶液にTHF 48.00gを加え、撹拌下のヘプタン300ml中に注いだ。析出したポリマーを吸引濾過、乾燥することにより顔料分散剤Eを得た。Mwは11,600、PDIは1.17で、酸価は125mgKOH/gであった。
【0106】
(実施例6):顔料分散剤F
アルゴンガス導入管、撹拌子を備えたフラスコにVP 3.60g、脱イオン水 1.94g、BTEE 0.360g、V−70 0.0259gを仕込み、30℃で24時間反応させた。重合率は100%、Mwは3,450、PDIは1.17であった。
【0107】
上記反応液に予めアルゴン置換したアクリル酸2−エチルヘキシル(日本触媒社製、以下「EHA」という) 6.86g、AA 1.54g、ADVN 0.0596g、THF 8.05g、メタノール 5.33gの混合溶液を加え、45℃で39時間反応させた。重合率はそれぞれEHA 97%、AA 97%であった。
【0108】
反応終了後、反応溶液にTHF 48.00gを加え、撹拌下のヘプタン300ml中に注いだ。析出したポリマーを吸引濾過、乾燥することにより顔料分散剤Fを得た。Mwは8,610、PDIは1.25で、酸価は115mgKOH/gであった。
【0109】
(実施例7):顔料分散剤G
アルゴンガス導入管、撹拌子を備えたフラスコにVP 3.60g、脱イオン水 1.94g、BTEE 0.360g、V−70 0.0259gを仕込み、30℃で24時間反応させた。重合率は100%、Mwは3,450、PDIは1.17であった。
【0110】
上記反応液に予めアルゴン置換したアクリル酸シクロヘキシル(大阪有機化学工業社製、以下「CHA」という) 7.35g、AA 1.14g、ADVN 0.0596g、THF 8.05g、メタノール 2.01gの混合溶液を加え、45℃で39時間反応させた。重合率はそれぞれCHA 95%、AA 99%であった。
【0111】
反応終了後、反応溶液にTHF 48.00gを加え、撹拌下のヘプタン300ml中に注いだ。析出したポリマーを吸引濾過、乾燥することにより顔料分散剤Gを得た。Mwは9,020、PDIは1.25で、酸価は77mgKOH/gであった。
【0112】
(実施例8):顔料分散剤H
アルゴンガス導入管、撹拌子を備えたフラスコにVP 6.00g、脱イオン水 3.23g、BTEE 0.180g、V−70 0.0259gを仕込み、30℃で15時間反応させた。重合率は100%、Mwは11,400、PDIは1.15であった。
【0113】
上記反応液に予めアルゴン置換したBA 4.46g、AA 1.54g、ADVN 0.0745g、THF 7.11g、メタノール 4.03gの混合溶液を加え、45℃で46時間反応させた。重合率はそれぞれBA 99%、AA 95%であった。
【0114】
反応終了後、反応溶液にTHF 48.00gを加え、撹拌下のヘプタン300ml中に注いだ。析出したポリマーを吸引濾過、乾燥することにより顔料分散剤Hを得た。Mwは21,000、PDIは1.19で、酸価は99mgKOH/gであった。
【0115】
(比較例1):顔料分散剤I
アルゴンガス導入管、撹拌子を備えたフラスコにVP 6.00g、脱イオン水 3.23g、BTEE 0.360g、V−70 0.0259gを仕込み、30℃で12時間反応させた。重合率は100%、Mwは6,100、PDIは1.17であった。
【0116】
上記反応液に予めアルゴン置換したBA 3.69g、AA 2.31g、ADVN 0.0596g、THF 7.11g、メタノール 4.03gの混合溶液を加え、45℃で40時間反応させた。重合率はそれぞれBA 97%、AA 100%であった。
【0117】
反応終了後、反応溶液にTHF 48.00gを加え、撹拌下のヘプタン300ml中に注いだ。析出したポリマーを吸引濾過、乾燥することにより顔料分散剤Iを得た。Mwは11,900、PDIは1.16で、酸価は148mgKOH/gであった。
【0118】
(比較例2):顔料分散剤J
アルゴンガス導入管、撹拌子を備えたフラスコにVP 6.00g、脱イオン水 3.23g、BTEE 0.360g、V−70 0.0259gを仕込み、30℃で15時間反応させた。重合率は100%、Mwは5,700、PDIは1.13であった。
【0119】
上記反応液に予めアルゴン置換したBA 6.00g、ADVN 0.0894g、THF 7.11g、メタノール 4.03gの混合溶液を加え、45℃で40時間反応させた。重合率は97%であった。
【0120】
反応終了後、反応溶液にTHF 48.00gを加え、撹拌下のヘプタン300ml中に注いだ。析出したポリマーを吸引濾過、乾燥することにより顔料分散剤Jを得た。Mwは10,200、PDIは1.17であった。
【0121】
(比較例3):顔料分散剤K
アルゴンガス導入管、撹拌子を備えたフラスコにVP 11.77g、脱イオン水 6.34g、BTEE 0.405g、V−70 0.0416gを仕込み、30℃で15時間反応させた。重合率は98%、Mwは10,200、PDIは1.13であった。
【0122】
上記反応液に予めアルゴン置換したAA 1.73g、ADVN 0.0335g、THF 6.27g、MeOH 3.56gの混合溶液を加え、45℃で46時間反応させた。さらに、AIBN 0.0333gを加え、60℃で27時間反応させた。重合率は86%であった。
【0123】
反応終了後、反応溶液にTHF 56.00gを加え、撹拌下のヘプタン350ml中に注いだ。析出したポリマーを吸引濾過、乾燥することにより顔料分散剤Kを得た。Mwは12,400、PDIは1.15で、酸価は94mgKOH/gであった。
【0124】
(比較例4):顔料分散剤L
アルゴンガス導入管、撹拌機、冷却管を備えたフラスコにメチルエチルケトン 300g、2,2´−アゾビスイソブチロニトリル(大塚化学社製、以下「AIBN」という) 10.0gを仕込み、アルゴン置換し、78℃(還流)に加熱撹拌した。ここにVP 50.0g、BA 34.2g、AA 12.8gを混合しアルゴン置換したものを3時間かけて滴下した。さらにAIBN 2.0gを仕込み、78℃で2時間反応させた。重合率はVP 96%、BA 100%、AA 100%であった。
【0125】
反応終了後、反応溶液に酢酸エチル 0.7Lとヘプタン 0.7Lを混合した液中に注いだ。析出したポリマーを吸引濾過、乾燥することにより顔料分散剤Lを得た。Mwは8,730、PDIは1.61で、酸価は108mgKOH/gであった。
【0126】
(比較例5):顔料分散剤M
アルゴンガス導入管、撹拌子を備えたフラスコにVP 12.00g、脱イオン水 6.46g、BTEE 0.360g、V−70 0.0370gを仕込み、30℃で8時間反応させた。重合率は98%であった。
【0127】
反応終了後、反応溶液にTHF 48.00gを加え、撹拌下のヘプタン300ml中に注いだ。析出したポリマーを吸引濾過、乾燥することにより顔料分散剤Mを得た。Mwは12,400、PDIは1.18であった。
【0128】
<顔料分散組成物>
(実施例9)
顔料分散剤の酸基の95%を中和する量の水酸化カリウムを水に溶解し、その後顔料分散剤Aを添加して顔料分散剤の15質量%水溶液を調製した。
【0129】
前記で調製した顔料分散剤の水溶液 53質量部、顔料(C.I.Pigment Blue 15:3、商品名:CHROMOPHTAL BLUE 4GNP、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)20質量部、脱イオン水27質量部となるように配合組成を調整し、0.3mmジルコニアビーズ400質量部を加え、ビーズミル(商品名:DISPERMAT CA、VMA−GETZMANN GmbH社製)にて5時間混合し十分に分散させた。分散終了後、ビーズをろ別して顔料分散液(顔料組成物)を得た。
【0130】
得られた顔料分散液 30質量部、グリセリン(関東化学社製) 10質量部、PEG1540(関東化学社製) 3質量部、2−ピロリドン(東京化成工業社製)10質量部、1,2−ヘキサンジオール(東京化成工業社製)2質量部、ヘキシルグリコール(東京化成工業社製)0.35質量部、オルフィンE1004(日信化学工業社製)0.35質量部、トリエタノールアミン(関東化学社製)0.7質量部、プロキセルGxL(S)(アーチ・ケミカルズ・ジャパン社製)0.05質量部、脱イオン水 44質量部の配合でインクジェット用インクを調製した。
【0131】
得られたインクジェット用インクの粘度、保存安定性、並びに再溶解性を評価し、表1に示した。
【0132】
(実施例10)
顔料分散剤を顔料分散剤Bに変更した以外は、実施例9と同様に実施した。
【0133】
(実施例11)
顔料分散剤を顔料分散剤Cに変更した以外は、実施例9と同様に実施した。
【0134】
(実施例12)
顔料分散剤を顔料分散剤Dに変更した以外は、実施例9と同様に実施した。
【0135】
(実施例13)
顔料分散剤を顔料分散剤Eに変更した以外は、実施例9と同様に実施した。
【0136】
(実施例14)
顔料分散剤を顔料分散剤Fに変更した以外は、実施例9と同様に実施した。
【0137】
(実施例15)
顔料分散剤を顔料分散剤Gに変更した以外は、実施例9と同様に実施した。
【0138】
(実施例16)
顔料分散剤を顔料分散剤Bに変更し、顔料をC.I.Pigment Yellow 74(商品名:HANSA Yellow 5GX01、クラリアント社製)に変更した以外は、実施例9と同様に実施した。
【0139】
(実施例17)
顔料分散剤を顔料分散剤Bに変更し、顔料をC.I.Pigment Black 7(商品名:カーボンブラックMA−100、三菱化学社製)に変更した以外は、実施例9と同様に実施した。
【0140】
(実施例18)
顔料分散剤を顔料分散剤Hに変更し、顔料をC.I.Pigment Red 122(商品名:Cinquasia Magenta D4550J、BASF社製)に変更し、顔料分散液の調整における顔料分散剤の水溶液の使用量を27質量部、脱イオン水の使用量を53質量部に変更した以外は、実施例9と同様に実施した。
【0141】
(比較例6)
顔料分散剤を顔料分散剤Iに変更した以外は、実施例9と同様に実施した。
【0142】
(比較例7)
顔料分散剤Jを水に添加した。しかし、顔料分散剤Jを水に溶解することができなかった。
【0143】
(比較例8)
顔料分散剤の酸基の95%を中和する量の水酸化カリウムを水に溶解し、その後顔料分散剤Kを添加して顔料分散剤の15質量%水溶液を調製した。
【0144】
前記で調製した顔料分散剤の水溶液 53質量部、顔料(C.I.Pigment Blue 15:3、商品名:CHROMOPHTAL BLUE 4GNP、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)20質量部、脱イオン水27質量部となるように配合組成を調整し、0.3mmジルコニアビーズ400質量部を加え、ビーズミル(商品名:DISPERMAT CA、VMA−GETZMANN GmbH社製)にて5時間混合した。しかし、顔料を分散することができなかった。
【0145】
(比較例9)
顔料分散剤を顔料分散剤Lに変更した以外は、比較例8と同様に実施した。しかし、顔料を分散することができなかった。
【0146】
(比較例10)
顔料分散剤Kを水に溶解して顔料分散剤の15質量%水溶液を調製した。
【0147】
前記で調製した顔料分散剤の水溶液 53質量部、顔料(C.I.Pigment Blue 15:3、商品名:CHROMOPHTAL BLUE 4GNP、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)20質量部、脱イオン水27質量部となるように配合組成を調整し、0.3mmジルコニアビーズ400質量部を加え、ビーズミル(商品名:DISPERMAT CA、VMA−GETZMANN GmbH社製)にて5時間混合した。しかし、顔料を分散することができなかった。
【0148】
【表1】
【0149】
いずれの実施例においても低粘度で保存安定性が高く、さらに再溶解性が良好なインクが得られることが示された。この結果から本発明の顔料分散剤は、インクジェットインクで使用される一般的な顔料において、有用であることが確認できた。