(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記比較検出部は、前記比較結果に基づいて、前記検査対象素子と前記第1の検査電極との接触抵抗の値と前記検査対象素子と前記第2の検査電極との接触抵抗の値の和が、所定の許容値以下か否か検出し、
前記許容値及び前記電源の電圧に基づいて、前記定電流源が出力する電流の値と前記検出抵抗の値が決められている
請求項1に記載のコンタクト検査装置。
前記制御部は、前記第1の切替スイッチ及び前記第2の切替スイッチを制御し、前記コンタクト検査のときに、前記第1の切替スイッチを第1導通状態にさせ、前記第2の切替スイッチを第3導通状態にさせ、前記逆方向試験のときに、第1の切替スイッチを第2導通状態にさせ、第2の切替スイッチを第4導通状態にさせる
請求項4に記載のコンタクト検査装置。
前記比較検出部は、前記第1比較結果に基づいて、前記第1検査対象素子と前記第1の検査電極との接触抵抗の値と前記第1検査対象素子と前記第2の検査電極との接触抵抗の値の和が所定の第1許容値以下か否か検出し、前記第2比較結果に基づいて、前記第2検査対象素子と前記第1の検査電極との接触抵抗の値と前記第2検査対象素子と前記第2の検査電極との接触抵抗の値の和が所定の第2許容値以下か否か検出し、
前記第1の許容値及び前記電源の電圧に基づいて、前記第1検査用電流源が出力する電流の値と前記第1検査用検出抵抗の値が決められており、
前記第2の許容値及び前記電源の電圧に基づいて、前記第2検査用電流源が出力する電流の値と前記第2検査用検出抵抗の値が決められている
請求項7に記載のコンタクト検査装置。
前記第1基準電圧と前記第2基準電圧は等しく、前記第2検査用検出抵抗の値に対する前記第1検査用検出抵抗の値の比は、前記第1検査用電流源が出力する電流の値に対する前記第2検査用電流源が出力する電流の値の比に等しい
請求項7または8に記載のコンタクト検査装置。
前記第1の切替スイッチは、前記第1の検査電極に接続された第1の接点と前記逆方向試験装置の高電位側端子と接続されている第2の接点とが導通している前記第1導通状態と、前記第1の接点と第3の接点が導通している前記第2導通状態とを切替可能であり、 前記第2の切替スイッチは、前記第2の検査電極に接続された第4の接点と前記逆方向試験装置の低電位側端子と接続されている第5の接点とが導通している前記第3導通状態と、前記第4の接点と第6の接点が導通している前記第4導通状態とを切替可能であり、 前記第1検査用電流源の出力と前記第6の接点との間が導通している導通状態と導通していない非導通状態とを切り替える第1検査用第1スイッチと、
前記第2検査用電流源の出力と前記第6の接点との間が導通している導通状態と導通していない非導通状態とを切り替える第2検査用第1スイッチと、
前記第3の接点と前記第1検査用検出抵抗との間が導通している導通状態と導通していない非導通状態とを切り替える第1検査用第2スイッチと、
前記第3の接点と前記第2検査用検出抵抗との間が導通している導通状態と導通していない非導通状態とを切り替える第2検査用第2スイッチと、
を備え、
前記コンタクト検査のときに、前記第1検査用第1スイッチが導通状態に切替られ、前記第1検査用第2スイッチが導通状態に切替られ、前記第2検査用第1スイッチが非導通状態に切替られ、前記第2検査用第2スイッチが非導通状態に切替られ、
前記逆方向試験のときに、前記第1検査用第1スイッチが非導通状態に切替られ、前記第1検査用第2スイッチが非導通状態に切替られ、前記第2検査用第1スイッチが導通状態に切替られ、前記第2検査用第2スイッチが導通状態に切替られる
請求項7から9のいずれか一項に記載のコンタクト検査装置。
前記制御部は、前記第1の切替スイッチと前記第2の切替スイッチを制御し、前記コンタクト検査のときに、前記第1の切替スイッチを前記第1導通状態にし、前記第2の切替スイッチを前記第3導通状態にし、前記逆方向試験のときに、前記第1の切替スイッチを
前記第2導通状態にし、前記第2の切替スイッチを前記第4導通状態にする
請求項11に記載のコンタクト検査装置。
前記第1検査対象素子は、第1ダイオードであり、前記第1の検査電極には前記第1ダイオードのカソードが接続され、前記第2の検査電極には前記第1ダイオードのアノードが接続され、
前記第2検査対象素子は、前記第1ダイオードより漏れ電流が大きい第2ダイオードであり、前記第1の検査電極には前記第2ダイオードのカソードが接続され、前記第2の検査電極には前記第2ダイオードのアノードが接続される
請求項7から12のいずれか一項に記載のコンタクト検査装置。
一端が電源に接続され、所定の定電流を出力する定電流源と、一端が接地された検出抵抗と、整流特性を有する検査対象素子の一端に電気的に接続可能な第1の検査電極と、前記検査対象素子の他端に電気的に接続可能な第2の検査電極と、を備え、前記検査対象素子に順方向に電流を印加するコンタクト検査のときに、前記第1の検査電極と該第1の検査電極よりも高電位となる前記第2の検査電極との間に、前記検査対象素子が順方向に接続されるコンタクト検査装置が実行するコンタクト検査方法であって、
第1の切替スイッチが、前記コンタクト検査のときに前記第1の検査電極と前記検出抵抗の検出部との間を導通させるステップと、
第2の切替スイッチが、前記コンタクト検査のときに前記第2の検査電極と前記定電流源の出力との間を導通させるステップと、
比較検出部が、前記コンタクト検査のときに、前記検出抵抗の検出部の電圧と所定の基準電圧とを比較し、この比較結果に基づいて、前記検査対象素子に対する前記第1の検査電極及び前記第2の検査電極の接触状態を検出するステップと、
前記第1の切替スイッチが、前記検査対象素子に逆方向に電圧を印加する逆方向試験のときに前記第1の検査電極と逆方向試験装置の高電位側端子との間を導通させるステップと、
前記第2の切替スイッチが、前記逆方向試験のときに前記第2の検査電極と前記逆方向試験装置の低電位側端子との間を導通させるステップと、
を有するコンタクト検査方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のコンタクト検査装置は、検査電極と検査対象素子との接触抵抗が上昇すると、接触抵抗、定電圧源、電流制定用抵抗及び検出抵抗を含む直列回路全体の抵抗が大きくなる。その場合、この直列回路に流れる電流が小さくなることにより、検出抵抗の検出部の電圧が小さくなるので、従来のコンタクト検査装置は、検査電極と検査対象素子の接触が不良であると判定し、検査者は、検査電極を新しい検査電極に交換していた。
【0007】
しかし、このように接触不良と判定された検査電極を用いて、逆方向試験で検査対象素子に対して逆バイアス電圧を印加した場合でも、検査対象素子に流れる電流が小さいので、接触抵抗における電圧降下が無視できるほど小さい。このため、逆方向試験にはほとんど影響を与えない。このように、従来では、まだ検査電極が逆方向試験で使用できる範囲の接触抵抗の値であっても、コンタクト検査装置で接触不良と判定された場合、検査電極を交換していたので、検査電極の交換頻度が高くなるという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、逆方向試験に用いる検査電極の交換頻度を削減することを可能とするコンタクト検査装置、コンタクト検査方法及び電子部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様に係るコンタクト検査装置は、
一端が電源に接続され、所定の定電流を出力する定電流源と、
一端が接地された検出抵抗と、
整流特性を有する検査対象素子の一端に電気的に接続可能な第1の検査電極と、
前記検査対象素子の他端に電気的に接続可能な第2の検査電極と、
前記第1の検査電極と前記検出抵抗の他端との間が導通している第1導通状態と、前記第1の検査電極と逆方向試験装置の高電位側端子との間が導通している第2導通状態とを切替可能な第1の切替スイッチと、
前記第2の検査電極と前記定電流源の出力との間が導通している第3導通状態と、前記第2の検査電極と前記逆方向試験装置の低電位側端子との間が導通している第4導通状態とを切替可能な第2の切替スイッチと、
前記検出抵抗の検出部の電圧と所定の基準電圧とを比較し、この比較結果に基づいて、前記検査対象素子に対する前記第1の検査電極及び前記第2の検査電極の接触状態を検出する比較検出部と、
を備え、
前記検査対象素子に順方向に電流を印加するコンタクト検査において、前記第1の検査電極と該第1の検査電極よりも高電位となっている前記第2の検査電極との間に、前記検査対象素子が順方向に接続され、前記第1の切替スイッチが前記第1導通状態に切替られ、かつ前記第2の切替スイッチが前記第3導通状態に切替られた状態で、前記比較検出部が前記接触状態を検出し、
前記検査対象素子に逆方向に電圧を印加する逆方向試験において、前記第1の切替スイッチが前記第2導通状態に切替られ、前記第2の切替スイッチが前記第4導通状態に切替られる。
【0010】
本発明の一態様は、前記コンタクト検査装置において、
前記比較検出部は、前記比較結果に基づいて、前記検査対象素子と前記第1の検査電極との接触抵抗の値と前記検査対象素子と前記第2の検査電極との接触抵抗の値の和が、所定の許容値以下か否か検出し、
前記許容値及び前記電源の電圧に基づいて、前記定電流源が出力する電流の値と前記検出抵抗の値が決められている。
【0011】
本発明の一態様は、前記コンタクト検査装置において、
前記第1の切替スイッチは、前記第1の検査電極と接続された第1の接点と、前記逆方向試験装置の高電位側端子と接続された第2の接点と、第3の接点と、を備え、
前記第2の切替スイッチは、前記第2の検査電極と接続された第4の接点と、前記逆方向試験装置の低電位側端子と接続された第5の接点と、第6の接点と、を備え、
一端が前記定電流源の出力に接続され他端が前記第6の接点に接続され、前記定電流源の出力と前記第6の接点との間が導通している導通状態と導通していない非導通状態とを切り替える第1スイッチと、
一端が前記第3の接点に接続され他端が前記検出抵抗の検出部に接続され、前記第3の接点と前記検出抵抗の検出部との間が導通している導通状態と導通していない非導通状態とを切り替える第2スイッチと、
を更に備える。
【0012】
本発明の一態様は、前記コンタクト検査装置において、
前記第1スイッチ及び前記第2スイッチを制御し、前記コンタクト検査のときに、前記第1スイッチを導通状態にさせ、前記第2スイッチを導通状態にさせる制御部
を更に備える。
【0013】
本発明の一態様は、前記コンタクト検査装置において、
前記制御部は、前記第1の切替スイッチ及び前記第2の切替スイッチを制御し、コンタクト検査のときに、前記第1の切替スイッチを第1導通状態にさせ、前記第2の切替スイッチを第3導通状態にさせ、逆方向試験のときに、第1の切替スイッチを第2導通状態にさせ、第2の切替スイッチを第4導通状態にさせる。
【0014】
本発明の一態様は、前記コンタクト検査装置において、
前記検査対象素子は、ダイオードであり、前記第1の検査電極には前記ダイオードのカソードが接続され、前記第2の検査電極には前記ダイオードのアノードが接続される。
【0015】
本発明の一態様に係るコンタクト検査装置は、
一端が電源に接続され、第1の定電流を出力する第1検査用電流源と、
一端が前記電源に接続され、前記第1検査用電流源が出力する電流より大きい第2の定電流を出力する第2検査用電流源と、
整流特性を有する第1検査対象素子の一端または整流特性を有し該第1検査対象素子より漏れ電流が大きい第2検査対象素子の一端に電気的に接続可能な第1の検査電極と、
前記第1検査対象素子の他端または前記第2検査対象素子の他端に電気的に接続可能な第2の検査電極と、
一端が接地された第1検査用検出抵抗と、
一端が接地され前記第1検査用検出抵抗よりも抵抗値が小さい第2検査用検出抵抗と、前記第1の検査電極と前記第1検査用検出抵抗の他端または前記第2検査用検出抵抗の他端との間が導通している第1導通状態と、前記第1の検査電極と逆方向試験装置の高電位側端子との間が導通している第2導通状態とを切替可能な第1の切替スイッチと、
前記第2の検査電極と前記第1検査用電流源の他端または前記第2検査用電流源の他端との間が導通している第3導通状態と、前記第2の検査電極と前記逆方向試験装置の低電位側端子との間が導通している第4導通状態とを切替可能な第2の切替スイッチと、
前記第1検査対象素子に対する前記第1の検査電極及び前記第2の検査電極の接触状態である第1接触状態を検査する場合、前記第1検査用検出抵抗の検出部の電圧と所定の第1基準電圧とを比較し、比較して得た第1比較結果に基づいて、前記第1接触状態を検出し、前記第2検査対象素子に対する前記第1の検査電極及び前記第2の検査電極の接触状態である第2接触状態を検査する場合、前記第2検査用検出抵抗の検出部の電圧と所定の第2基準電圧とを比較し、比較して得た第2比較結果に基づいて、前記第2接触状態を検出する比較検出部と、
を備え、
前記第1検査対象素子または前記第2検査対象素子に順方向に電流を印加するコンタクト検査において、前記第1の検査電極と該第1の検査電極よりも高電位となっている前記第2の検査電極との間に、前記第1検査対象素子または前記第2検査対象素子が順方向に接続され、前記第1の切替スイッチが前記第1導通状態に切替られ、かつ前記第2の切替スイッチが前記第3導通状態に切替られた状態で、前記比較検出部が前記第1接触状態または前記第2接触状態を検出し、
前記第1検査対象素子または前記第2検査対象素子に逆方向に電圧を印加する逆方向試験において、前記第1の切替スイッチが前記第2導通状態に切替られ、前記第2の切替スイッチが前記第4導通状態に切替られる。
【0016】
本発明の一態様は、前記コンタクト検査装置において、
前記比較検出部は、前記第1比較結果に基づいて、前記第1検査対象素子と前記第1の検査電極との接触抵抗の値と前記第1検査対象素子と前記第2の検査電極との接触抵抗の値の和が所定の第1許容値以下か否か検出し、前記第2比較結果に基づいて、前記第2検査対象素子と前記第1の検査電極との接触抵抗の値と前記第2検査対象素子と前記第2の検査電極との接触抵抗の値の和が所定の第2許容値以下か否か検出し、
前記第1の許容値及び前記電源の電圧に基づいて、前記第1検査用電流源が出力する電流の値と前記第1検査用検出抵抗の値が決められており、
前記第2の許容値及び前記電源の電圧に基づいて、前記第2検査用電流源が出力する電流の値と前記第2検査用検出抵抗の値が決められている。
【0017】
本発明の一態様は、前記コンタクト検査装置において、
前記第1基準電圧と前記第2基準電圧は等しく、前記第2検査用検出抵抗の値に対する前記第1検査用検出抵抗の値の比は、前記第1検査用電流源が出力する電流の値に対する前記第2検査用電流源が出力する電流の値の比に等しい。
前記第1の切替スイッチは、前記第1の検査電極に接続された第1の接点と前記逆方向試験装置の高電位側端子と接続されている第2の接点とが導通している前記第1導通状態と、前記第1の接点と第3の接点が導通している前記第2導通状態とを切替可能であり、
前記第2の切替スイッチは、前記第2の検査電極に接続された第4の接点と前記逆方向試験装置の低電位側端子と接続されている第5の接点とが導通している前記第3導通状態と、前記第4の接点と第6の接点が導通している前記第4導通状態とを切替可能であり、
前記第1検査用電流源の出力と前記第6の接点との間が導通している導通状態と導通していない非導通状態とを切り替える第1検査用第1スイッチと、
前記第2検査用電流源の出力と前記第6の接点との間が導通している導通状態と導通していない非導通状態とを切り替える第2検査用第1スイッチと、
前記第3の接点と前記第1検査用検出抵抗との間が導通している導通状態と導通していない非導通状態とを切り替える第1検査用第2スイッチと、
前記第3の接点と前記第2検査用検出抵抗との間が導通している導通状態と導通していない非導通状態とを切り替える第2検査用第2スイッチと、
を備え、
前記コンタクト検査のときに、前記第1検査用第1スイッチが導通状態に切替られ、前記第1検査用第2スイッチが導通状態に切替られ、前記第2検査用第1スイッチが非導通状態に切替られ、前記第2検査用第2スイッチが非導通状態に切替られ、
前記逆方向試験のときに、前記第1検査用第1スイッチが非導通状態に切替られ、前記第1検査用第2スイッチが非導通状態に切替られ、前記第2検査用第1スイッチが導通状態に切替られ、前記第2検査用第2スイッチが導通状態に切替られる。
【0018】
本発明の一態様は、前記コンタクト検査装置において、
前記第1検査用第1スイッチ、前記第1検査用第2スイッチ、前記第2検査用第1スイッチ及び第2検査用第2スイッチを制御する制御部
を更に備え、
前記制御部は、前記コンタクト検査で前記第1接触状態を検査する場合、前記第1検査用第1スイッチを導通状態にさせ、前記第1検査用第2スイッチを導通状態にさせ、前記第2検査用第1スイッチを非導通状態にさせ、前記第2検査用第2スイッチを非導通状態にさせ、
前記制御部は、前記コンタクト検査で前記第2接触状態を検査する場合、前記第1検査用第1スイッチを非導通状態にさせ、前記第1検査用第2スイッチを非導通状態にさせ、前記第2検査用第1スイッチを導通状態にさせ、前記第2検査用第2スイッチを導通状態にさせる。
【0019】
本発明の一態様は、前記コンタクト検査装置において、
前記制御部は、前記第1の切替スイッチと前記第2の切替スイッチを制御し、前記コンタクト検査のときに、前記第1の切替スイッチを前記第1導通状態にし、前記第2の切替スイッチを前記第3導通状態にし、前記逆方向試験のときに、前記第1の切替スイッチを前記第2導通状態にし、前記第2の切替スイッチを前記第4導通状態にする。
【0020】
本発明の一態様は、前記コンタクト検査装置において、
前記第1検査対象素子は、前記第1の検査電極には前記第1ダイオードのカソードが接続され、前記第2の検査電極には前記ダイオードのアノードが接続される第1ダイオードであり、
前記第2検査対象素子は、前記第1ダイオードより漏れ電流が大きい第2ダイオードであり、前記第1の検査電極には前記第2ダイオードのカソードが接続され、前記第2の検査電極には前記第2ダイオードのアノードが接続される。
【0021】
本発明の一態様に係るコンタクト検査方法は、
一端が電源に接続され、所定の定電流を出力する定電流源と、一端が接地された検出抵抗と、整流特性を有する検査対象素子の一端に電気的に接続可能な第1の検査電極と、前記検査対象素子の他端に電気的に接続可能な第2の検査電極と、を備え、前記検査対象素子に順方向に電流を印加するコンタクト検査のときに、前記第1の検査電極と該第1の検査電極よりも高電位となる前記第2の検査電極との間に、前記検査対象素子が順方向に接続されるコンタクト検査装置が実行するコンタクト検査方法であって、
第1の切替スイッチが、前記コンタクト検査のときに前記第1の検査電極と前記検出抵抗の検出部との間を導通させるステップと、
第2の切替スイッチが、前記コンタクト検査のときに前記第2の検査電極と前記定電流源の出力との間を導通させるステップと、
比較検出部が、前記コンタクト検査のときに、前記検出抵抗の検出部の電圧と所定の基準電圧とを比較し、この比較結果に基づいて、前記検査対象素子に対する前記第1の検査電極及び前記第2の検査電極の接触状態を検出するステップと、
前記第1の切替スイッチが、前記検査対象素子に逆方向に電圧を印加する逆方向試験のときに前記第1の検査電極と逆方向試験装置の高電位側端子との間を導通させるステップと、
前記第2の切替スイッチが、前記逆方向試験のときに前記第2の検査電極と前記逆方向試験装置の低電位側端子との間を導通させるステップと、
を有する。
【0022】
本発明の一態様に係る電子部品は、
整流特性を有する電子部品であって、
一端が電源に接続され、所定の定電流を出力する定電流源と、
一端が接地された検出抵抗と、
当該電子部品の一端に電気的に接続可能な第1の検査電極と、
当該電子部品の他端に電気的に接続可能な第2の検査電極と、
前記第1の検査電極と前記検出抵抗の検出部との間が導通している第1導通状態と、前記第1の検査電極と逆方向試験装置の高電位側端子との間が導通している第2導通状態とを切替可能な第1の切替スイッチと、
前記第2の検査電極と前記定電流源の出力との間が導通している第3導通状態と、前記第2の検査電極と前記逆方向試験装置の低電位側端子との間が導通している第4導通状態とを切替可能な第2の切替スイッチと、
前記検出抵抗の検出部の電圧と所定の基準電圧とを比較し、この比較結果に基づいて、前記検査対象素子に対する前記第1の検査電極及び前記第2の検査電極の接触状態を検出する比較検出部と、
を備え、
前記検査対象素子に順方向に電流を印加するコンタクト検査のときに、前記第1の切替スイッチが前記第1導通状態に切替られ、前記第2の切替スイッチが前記第3導通状態に切替られ、前記比較検出部が前記接触状態を検出し、
前記検査対象素子に逆方向に電圧を印加する逆方向試験のときに、前記第1の切替スイッチが前記第2導通状態に切替られ、前記第2の切替スイッチが前記第4導通状態に切替られるコンタクト検査装置によって、前記第1の検査電極と該第1の検査電極よりも高電位となっている前記第2の検査電極との間に順方向に接続された後に前記コンタクト検査が行われた電子部品。
【発明の効果】
【0023】
したがって、本発明の一態様に係るコンタクト検査装置は、検出抵抗に流れるバイアス電流を決める手段を電源と定電流源の組み合わせで構成することで、定電流源の出力抵抗をほぼ無限大にすることができる。このため、検査対象素子に対する第1の検査電極及び第2の検査電極の接触状態を検査する場合、第1の検査電極の接触抵抗と第2の検査電極の接触抵抗の和が所定の許容値の範囲で大きくなったとしても、検出抵抗に流れる電流が一定であるため、検出抵抗の検出部の電圧は一定である。
【0024】
これにより、第1の検査電極の接触抵抗値と第2の検査電極の接触抵抗値の和が所定の許容値の範囲で大きくなっても、検出抵抗の検出部の電圧は常に所定の基準電圧以上になるので、比較検出部は、この接触抵抗和が所定の許容値の範囲で大きくなっても、検査対象素子に対する第1の検査電極及び第2の検査電極の接触を検出することができる。その結果、第1の検査電極及び第2の使用可能期間が長くなり、第1の検査電極及び第2の検査電極の交換頻度を削減することができる。
【0025】
したがって、本発明の一態様に係るコンタクト検査方法は、検出抵抗に流れるバイアス電流を決める手段を電源と定電流源の組み合わせで構成することで、定電流源の出力抵抗をほぼ無限大にすることができる。このため、検査対象素子に対する第1の検査電極及び第2の検査電極の接触状態を検査する場合、第1の検査電極の接触抵抗と第2の検査電極の接触抵抗の和が所定の許容値の範囲で大きくなったとしても、検出抵抗に流れる電流が一定であるため、検出抵抗の検出部の電圧は一定である。
【0026】
これにより、第1の検査電極の接触抵抗値と第2の検査電極の接触抵抗値の和が所定の許容値の範囲で大きくなっても、検出抵抗の検出部の電圧は常に所定の基準電圧以上になるので、比較検出部は、この接触抵抗和が所定の許容値の範囲で大きくなっても、検査対象素子に対する第1の検査電極及び第2の検査電極の接触を検出することができる。その結果、第1の検査電極及び第2の使用可能期間が長くなり、第1の検査電極及び第2の検査電極の交換頻度を削減することができる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
<比較例>
各実施形態に係るコンタクト検査装置について説明する前に、各実施形態の特徴を明確にするために、比較対象として説明する比較例に係るコンタクト検査装置100について説明する。比較例に係るコンタクト検査装置100は、整流特性を有する検査対象素子に対する検査電極の接触状態を検査する。この比較例では、一例として検査対象素子はダイオードDである。
【0029】
図3に示すように、コンタクト検査装置100は、陰極が接地された電圧源V
Genと、一端が電圧源V
Genの陽極に接続された電流制定用抵抗R
Bと、を備える。
更に、コンタクト検査装置100は、一端が電流制定用抵抗R
Bに接続され、電圧+Vが入力され、制御信号Sxが入力された第1スイッチSW1を備える。
【0030】
更に、コンタクト検査装置100は、第5の接点Nd5が逆方向試験装置IDTの低電位側端子と接続され、第6の接点Nd6が第1スイッチSW1の他端に接続された第2の切替スイッチRL2を備える。ここで、逆方向試験装置IDTは、ダイオードDに逆方向に電圧を印加する装置である。
【0031】
更に、コンタクト検査装置100は、第2の端子T2を介してダイオードDのアノードに接続可能で、第2の切替スイッチRL2の第4の接点Nd4に接続された第2の検査電極E2を備える。一例として、コンタクト検査及び逆方向検査の際に、第2の検査電極E2の先端が第2の端子T2に接続される。
更に、コンタクト検査装置100は、第1の端子T1を介してダイオードDのカソードに接続可能で、第1の切替スイッチRL1の第1の接点Nd1に接続された第1の検査電極E1を備える。一例として、コンタクト検査及び逆方向検査の際に、第1の検査電極E1の先端が第1の端子T1に接続される。
【0032】
更に、コンタクト検査装置100は、第2の接点Nd2が逆方向試験装置IDTの高電位側端子と接続され、第3の接点Nd3が第2のスイッチSW2の一端に接続された第1の切替スイッチRL1を備える。
【0033】
更に、コンタクト検査装置100は、電圧+Vが入力され、制御信号Sxが入力された第2スイッチSW2を備える。
【0034】
更に、コンタクト検査装置100は、一端が第2スイッチSW2の他端に接続され、他端が接地された検出抵抗R
Sを備える。
更に、コンタクト検査装置100は、入力が検出抵抗R
Sの一端と接続された比較検出部CMPを備える。
【0035】
続いて、各部の処理について説明する。
【0036】
第1スイッチSW1は、この制御信号Sxに応じて第1スイッチSW1の一端と他端との導通及び非導通を切り替える。第1スイッチSW1は、例えばゲートが制御部CONの第1出力に接続されたトランジスタである。
第2スイッチSW2は、制御信号Sxに応じて第2スイッチSW2の一端と他端との導通及び非導通を切り替える。第2スイッチSW2は、例えばゲートが制御部CONの第1出力に接続されたトランジスタである。
【0037】
比較検出部CMPは、検出抵抗R
Sの一端の電圧と所定の閾値電圧とを比較し、この比較結果に応じて、ダイオードDと第1の検査電極E1との接触及びダイオードDと第2の検査電極E2との接触状態を判定する。
【0038】
具体的には、比較検出部CMPは、検出抵抗R
Sの一端の電圧が、所定の閾値以上の場合、ダイオードDと第1の検査電極E1との接触及びダイオードDと第2の検査電極E2との接触が良好であると判定する。一方、比較検出部CMPは、検出抵抗R
Sの一端の電圧が、所定の閾値未満の場合、ダイオードDと第1の検査電極E1との接触及びダイオードDと第2の検査電極E2との接触が不良であると判定する。
【0039】
ダイオードDと第1の検査電極E1との接触抵抗とダイオードDと第2の検査電極E2との接触抵抗の和が上昇すると、接触抵抗と電圧源V
Genに直列に接続された電流制定用抵抗R
Bと検出抵抗R
Sを含む直列回路全体の抵抗が大きくなる。そうすると、その直列回路に流れる電流が小さくなるので、検出抵抗R
Sの検出部の電圧が小さくなる。そして、比較検出部CMPは、ダイオードDと第1の検査電極E1との接触及びダイオードDと第2の検査電極E2との接触が不良であると判定してしまう。その場合、検査者は、検査電極を交換することになる。
【0040】
しかし、この場合であっても、逆方向試験では、検査対象素子に対して逆バイアスで電圧を印加しかつ検査対象素子に流れる電流が小さい。このため、接触抵抗R
Sにおける電圧降下が無視できるほど小さくなり、逆方向試験にはほとんど影響を与えない。このように、まだ検査電極が逆方向試験で使用できる範囲の接触抵抗の値であっても、コンタクト検査装置100で接触不良と判定された場合、検査電極を交換していたので、検査電極の使用可能期間が短くなるという問題がある。
【0041】
その問題に対し、検査電極の寿命を延ばすために、上述した閾値を下げることが考えられる。これは、ダイオードDと第1の検査電極E1との接触抵抗値とダイオードDと第2の検査電極E2との接触抵抗値の和が大きくなっても比較検出部CMPが接触が良好であると判定するようにするためである。
【0042】
しかし、この接触抵抗値の和が大きくなると、検出抵抗R
Sに流れるバイアス電流が小さくなる。このため、検出抵抗R
Sの検出部の検出信号のSN比が悪くなり、比較検出部CMPが検出信号の電圧値を正確に取得できなくなり、誤判定の可能性が高くなるという新たな問題が生じてしまう。
【0043】
そこで、以下では、逆方向試験に用いる検査電極の使用可能期間を長くすることを可能とする実施形態に係るコンタクト検査装置、コンタクト検査方法及び電子部品について説明する。以下、本発明に係る各実施形態について図面に基づいて説明する。
【0044】
<第1の実施形態>
第1の実施形態に係るコンタクト検査装置1は、整流特性を有する電子部品(以下、検査対象素子という)に対する検査電極の接触状態を検査する。検査対象素子は、例えば、ダイオードまたはMOSトランジスタなどである。各実施形態において、一例として検査対象素子は、ダイオードDである。なお、各実施形態において、検査対象素子は、パッケージされていないチップ状態の検査対象素子であってもよいし、パッケージされた製品状態の検査対象素子であってもよい。
【0045】
図1に示すように、コンタクト検査装置1は、一端が電源(不図示)に接続され、所定の定電流を出力する定電流源CCCを備える。ここで、電源は、一例として電圧+Vfを出力する電圧源である。また定電流源CCCは、一例として、所定の定電流を出力する定電流ダイオードCRDで、アノードが電源に接続されている。
【0046】
更に、コンタクト検査装置1は、一端が定電流源CCCの出力(ここでは、一例として定電流ダイオードCRDのカソード)に接続され、他端が後述する第2の切替スイッチRL2の第6の接点Nd6に接続され、電源端子が電源(不図示)に接続され、制御端子が制御部CONの第1出力に接続された第1スイッチSW1を備える。これにより、第1スイッチSW1の電源端子に電圧+Vが供給される。
【0047】
更に、コンタクト検査装置1は、第4の接点Nd4が第2検査電極E2の他端に接続され、第5の接点Nd5が逆方向試験装置IDTの低電位側端子と接続され、第6の接点Nd6が第1スイッチSW1の他端に接続され、不図示の制御端子が制御部CONの第3出力に接続された第2の切替スイッチRL2を備える。ここで、逆方向試験装置IDTは、ダイオードDに逆方向に電圧を印加する装置である。
【0048】
更に、コンタクト検査装置1は、第1の端子T1を介してダイオードDのカソードに接続可能で、第1の切替スイッチRL1の第1の接点Nd1に接続された第1の検査電極E1を備える。
【0049】
更に、コンタクト検査装置1は、第2の端子T2を介してダイオードDのアノードに接続可能で、第2の切替スイッチRL2の第4の接点Nd4に接続された第2の検査電極E2を備える。このように、コンタクト検査のときに、第1の検査電極E1とこの第1の検査電極E1よりも高電位となっている第2の検査電極E2との間に、検査対象素子が順方向に接続される。
【0050】
更に、コンタクト検査装置1は、第1の接点Nd1が第1の検査電極E1に接続され、第2の接点Nd2が逆方向試験装置IDTの高電位側端子と接続され、第3の接点Nd3が第2スイッチSW2の一端に接続され、制御端子が制御部CONの第2出力に接続された第1の切替スイッチRL1を備える。
【0051】
更に、コンタクト検査装置1は、一端が第1の切替スイッチRL1の第3の接点Nd3に接続され、他端が後述する検出抵抗R
Sの他端に接続され、電源端子が電源(不図示)に接続され、制御端子が制御部CONの第1出力に接続された第2スイッチSW2を備える。これにより、第2スイッチSW2の電源端子に電圧+Vが供給される。
【0052】
更に、コンタクト検査装置1は、一端が接地され、他端が第2スイッチSW2の他端に接続された検出抵抗R
Sを備える。
更に、コンタクト検査装置1は、一端が検出抵抗R
Sの他端と接続された比較検出部CMPを備える。
【0053】
更に、コンタクト検査装置1は、第1出力が第1スイッチSW1の制御端子及び第2スイッチSW2の制御端子に接続され、第2出力が第1の切替スイッチRL1の制御端子に接続され、第3出力が第2の切替スイッチRL2の制御端子に接続された制御部CONを更に備える。
【0054】
続いて、各部の処理について説明する。
【0055】
第1スイッチSW1は、この制御信号Sxに応じて第1スイッチSW1の一端と他端との導通及び非導通を切り替える。これにより、第1スイッチSW1は、定電流源CCCの他端と第2の切替スイッチRL2の第6の接点Nd6との間が導通している導通状態と導通していない非導通状態とを切り替える。
【0056】
第2スイッチSW2は、この制御信号Sxに応じて第2スイッチSW2の一端と他端との導通及び非導通を切り替える。これにより、第2スイッチSW2は、第1の切替スイッチRL1の第3の接点Nd3と検出抵抗R
Sの他端との間が導通している導通状態と導通していない非導通状態とを切り替える。
【0057】
第1の切替スイッチRL1は、第1の検査電極E1と検出抵抗R
Sの他端との間が導通している第1導通状態と、第1の検査電極E1と逆方向試験装置IDTの高電位側端子との間が導通している第2導通状態とを切替可能である。
【0058】
第2の切替スイッチRL2は、第2の検査電極E2と定電流源CCCの他端との間が導通している第3導通状態と、第2の検査電極E2と逆方向試験装置IDTの低電位側端子との間が導通している第4導通状態とを切替可能である。
【0059】
制御部CONは、第1スイッチSW1へ制御信号Sxを出力し、第1スイッチSW1を制御する。また、制御部CONは、第2スイッチSW2へ制御信号Sxを出力し、第2スイッチSW2を制御する。
【0060】
また、制御部CONは、第1の切替スイッチRL1に第1切替スイッチ制御信号SR1を出力し、第1の切替スイッチRL1を制御する。
また、制御部CONは、第2の切替スイッチRL2に第2切替スイッチ制御信号SR2を出力し、第2の切替スイッチRL2を制御する。
【0061】
続いて、比較検出部CMPの処理について説明する。検出抵抗R
Sの一端は接地されているので、検出抵抗R
Sの他端の電圧は検出抵抗Rsの検出部の電圧に等しい。これにより、比較検出部CMPは、一例として検出抵抗R
Sの他端の電圧を検出することにより、検出抵抗Rsの検出部の電圧を検出する。
【0062】
比較検出部CMPは、検出抵抗R
Sの検出部の電圧と所定の基準電圧とを比較し、この比較結果に基づいて、検査対象素子(ここでは一例としてダイオードD)に対する第1の検査電極E1及び第2の検査電極E2の接触状態を検出する。
【0063】
例えば、比較検出部CMPは、この比較結果に基づいて、検査対象素子(ここでは一例としてダイオードD)と第1の検査電極E1との接触抵抗値と検査対象素子(ここでは一例としてダイオードD)と第2の検査電極E2との接触抵抗値の和(以下、接触抵抗和という)が、所定の許容値以下か否か検出する。
【0064】
なお、この許容値は、逆方向試験の際に許容できる最大の接触抵抗和の抵抗値である。より詳細には、この許容値は、逆方向試験の際に、検査対象素子と第1の検査電極E1との接触抵抗における電圧降下と、検査対象素子と第2の検査電極E2との接触抵抗における電圧降下の和が許容できる最大電圧降下量となる抵抗値である。これにより、逆方向試験の際に、検査対象素子(ここでは一例としてダイオードD)に最低限印加すべき電圧を印加することができる。
【0065】
ここで、電源の電圧Vf、定電流源CCCが出力する電流の値I、上述した許容値R
MAX、及び検出抵抗の値R
Sの関係は、Vf=I(R
MAX+R
S)で表される。本実施形態では、一例として、逆方向試験の際に二つの接触抵抗で許容できる最大の合計電圧降下量と第1検査対象素子の漏れ電流から、接触抵抗和の許容値R
MAXが予め決められている。そして、この許容値R
MAX及び電源の電圧Vfに基づいて、定電流源CCCが出力する電流の値と検出抵抗R
Sの値が決められている。
【0066】
ここで、接触抵抗和が所定の許容値以下である場合、定電流源CCCは所定の定電流を出力することができるので、検出抵抗R
Sにはこの定電流が流れ、検出抵抗R
Sの検出部の電圧は、一定となる。
【0067】
一方、接触抵抗和が所定の許容値を超える場合、定電流源CCCは上述した所定の定電流よりも小さい電流を出力するので、検出抵抗R
Sにはこの小さい電流が流れる。その結果、接触抵抗和が所定の許容値を超える場合、検出抵抗R
Sの検出部の電圧は、接触抵抗和が所定の許容値以下である場合の電圧よりも小さくなる。更に、第1の検査電極E1及び第2の検査電極E2の少なくともいずれかが検査対象素子に接触していない場合、検出抵抗R
Sには電流が流れないので、検出抵抗R
Sの検出部の電圧は0Vである。
【0068】
これらを踏まえると、比較検出部CMPは、例えば、以下のようにして接触状態を検出する。例えば、比較検出部CMPは、検出抵抗R
Sの検出部の電圧が所定の基準電圧以上の場合、接触状態は良好であり、接触抵抗和が所定の許容値以下であることを検出する。
【0069】
一方、比較検出部CMPは、例えば、検出抵抗R
Sの検出部の電圧が0Vを超えかつ所定の基準電圧未満の場合、接触状態は不良であり、接触抵抗和が所定の許容値を超えていることを検出する。
【0070】
一方、比較検出部CMPは、例えば、検出抵抗R
Sの検出部の電圧が0Vの場合、第1の検査電極E1と第2の検査電極E2の少なくともいずれかが検査対象素子(ここでは一例としてダイオードD)に接触していないことを検出する。
【0071】
<コンタクト検査のときの各部の処理>
続いて、検査対象素子(ここでは一例としてダイオードD)に順方向に電流を印加するコンタクト検査のときの各部の処理について説明する。
【0072】
コンタクト検査において、第1の検査電極E1とこの第1の検査電極E1よりも高電位となっている第2の検査電極E2との間に、検査対象素子が順方向に接続される。そして、第1の切替スイッチRL1が第1導通状態に切替られ、かつ第2の切替スイッチRL2が第3導通状態に切替られた状態で、比較検出部CMPが上記接触状態を検出する。
【0073】
その際、コンタクト検査のときに、制御部CONは、第1の切替スイッチRL1を第1導通状態にさせ、第2の切替スイッチRL2を第3導通状態にさせる。更に、制御部CONは、第1スイッチSW1を導通状態にさせ、第2スイッチSW2を導通状態にさせる。これにより、定電流源CCCの他端と第2検査電極E2が導通し、第1検査電極E1と検出抵抗R
Sの他端が導通する。このため、検査対象素子(ここでは一例としてダイオードD)に順方向に定電流源CCCが生成する電流を印加することができる。
【0074】
<逆方向試験のときの各部の処理>
続いて、検査対象素子(ここでは一例としてダイオードD)に逆方向に電圧を印加する逆方向試験のときの処理について説明する。
【0075】
逆方向試験において、制御部CONは、第1の切替スイッチRL1を第2導通状態にさせ、第2の切替スイッチRL2を第4導通状態にさせる。これにより、第1の切替スイッチRL1が第2導通状態に切替られ、第2の切替スイッチRL2が第4導通状態に切替られる。
【0076】
逆方向試験のときに、制御部CONは、第1スイッチSW1を非導通状態にさせ、かつ第2スイッチSW2を非導通状態にさせてもよい。
【0077】
<第1の実施形態の効果>
以上のように、第1の実施形態に係るコンタクト検査装置1は、一端が電源に接続され、所定の定電流を出力する定電流源CCCと、一端が接地された検出抵抗R
Sと、を備える。
【0078】
更に、コンタクト検査装置1は、整流特性を有する検査対象素子の一端に電気的に接続可能な第1の検査電極E1と、この検査対象素子の他端に電気的に接続可能な第2の検査電極E2と、を備える。
【0079】
更に、コンタクト検査装置1は、第1の検査電極E1と検出抵抗R
Sの他端との間が導通している第1導通状態と、第1の検査電極E1と逆方向試験装置IDTの高電位側端子との間が導通している第2導通状態とを切替可能な第1の切替スイッチRL1を備える。
【0080】
更に、コンタクト検査装置1は、第2の検査電極E2と定電流源CCCの他端との間が導通している第3導通状態と、第2の検査電極E2と逆方向試験装置IDTの低電位側端子との間が導通している第4導通状態とを切替可能な第2の切替スイッチRL2を備える。
【0081】
更に、コンタクト検査装置1は、コンタクト検査のときに、検出抵抗R
Sの検出部の電圧と所定の基準電圧とを比較し、この比較結果に基づいて、検査対象素子に対する第1の検査電極E1及び第2の検査電極E2の接触状態を検出する比較検出部CMPを備える。
【0082】
検査対象素子に順方向に電流を印加するコンタクト検査において、第1の検査電極E1とこの第1の検査電極E1よりも高電位となっている第2の検査電極E2との間に、検査対象素子が順方向に接続される。そして、第1の切替スイッチRL1が第1導通状態に切替られ、第2の切替スイッチRL2が第3導通状態に切替られる。
一方、検査対象素子に逆方向に電圧を印加する逆方向試験のときに、第1の切替スイッチRL1が第2導通状態に切替られ、第2の切替スイッチRL2が第4導通状態に切替られる。
【0083】
上述した第1の実施形態に係るコンタクト検査装置1の構成によれば、検出抵抗R
Sに流れるバイアス電流を決める手段を電源と定電流源CCCの組み合わせで構成することで、定電流源CCCの出力抵抗をほぼ無限大にすることができる。このため、検査対象素子に対する第1の検査電極E1及び第2の検査電極E2の接触状態を検査する場合、接触抵抗和が所定の許容値の範囲で大きくなったとしても、検出抵抗R
Sに流れる電流が一定であるため、検出抵抗R
Sの検出部の電圧は一定である。
【0084】
これにより、接触抵抗和が所定の許容値の範囲で大きくなっても、検出抵抗R
Sの検出部の電圧は常に所定の基準電圧以上になるので、比較検出部CMPは、接触抵抗和が所定の許容値の範囲で大きくなっても、検査対象素子に対する第1の検査電極E1及び第2の検査電極E2の接触を検出することができる。その結果、第1の検査電極E1及び第2の検査電極E2の寿命が長くなり、第1の検査電極E1及び第2の検査電極E2の交換頻度を削減することができる。
【0085】
また、比較例におけるコンタクト検査装置100における比較検出部CMPは、接触抵抗和が大きくなると誤判定の可能性があった。それに対し、第1の実施形態に係るコンタクト検査装置1は、接触抵抗和が所定の許容値の範囲で大きくなったとしても、検出抵抗R
Sの検出部の電圧は一定であるため、比較検出部CMPによる誤判定の確率を低減することができる。
【0086】
更に、第1の実施形態に係るコンタクト検査装置1は、定電流源CCCを用いることで、逆方向試験における漏れ電流による接触抵抗での電圧降下に起因する接触抵抗の許容範囲のみの制約で、定電流源CCCの電流値と検出抵抗R
Sの値を決めることができる。その結果、第1の実施形態に係るコンタクト検査装置1は、ユーザによる定電流源CCCの電流値と検出抵抗R
Sの値の設定を容易にすることができる。
【0087】
また、第1の実施形態に係るコンタクト検査装置1の比較検出部CMPは、この比較結果に基づいて、この検査対象素子と第1の検査電極E1との接触抵抗の値とこの検査対象素子と第2の検査電極E2との接触抵抗の値の和が、所定の許容値以下か否か検出する。ここで、この許容値及び電源の電圧Vfに基づいて、定電流源CCCが出力する電流の値と検出抵抗R
Sの値が決められている。
【0088】
これにより、逆方向試験のときに所定の電圧が検査対象素子にかかる範囲内で、検査対象素子と第1の検査電極E1との接触抵抗値と検査対象素子と第2の検査電極E2との接触抵抗値の和を許容することができる。このため、逆方向試験を行ったときに、漏れ電流によって検査電極と検査対象素子との接触抵抗による電圧降下が生じたとしても、検査対象素子に最低限印加すべき電圧が印加されたことを確実にすることができる。
【0089】
<第2の実施形態>
続いて、第2の実施形態について説明する。第1の実施形態に係るコンタクト検査装置1は、一種類の検査対象素子に対する検査電極の接触状態を検査可能で、電流源CCCの電流値と検出抵抗RSの値を一組としていた。
【0090】
それに対し、第2の実施形態に係るコンタクト検査装置2は、整流特性を有する第1検査対象素子と、整流特性を有しかつこの第1検査対象素子より漏れ電流が大きい第2検査対象素子の二種類の検査対象素子に対して検査電極の接触状態を検査可能である。そして、コンタクト検査装置2は、検査対象素子の種類に応じて、電流源の電流値と検出抵抗の値の組を切り替える。これにより、コンタクト検査装置2は、検査対象素子の漏れ電流の大きさに応じて、逆方向試験の際に許容できる最大の接触抵抗和を切り替えることができる。
【0091】
本実施形態では、第1検査対象素子は一例として第1ダイオードD1で、ある。第2検査対象素子は一例として第1ダイオードD1より漏れ電流が大きい第2ダイオードD2である。更に、本実施形態では一例として第2ダイオードD2は第1ダイオードよりも低耐圧である。第1ダイオードD1には、例えばPN接合ダイオードなどがある。第2ダイオードD2には、例えばショットキーバリアダイオードなどがある。
【0092】
図2に示すように、コンタクト検査装置2は、一端が電圧+Vfを出力する電源(不図示)に接続され、第1の定電流を出力する第1検査用電流源FCSを備える。ここで、電源は、一例として電圧+Vfを出力する電圧源である。また、第1検査用電流源FCSは、一例として、アノードがその電源に接続され、第1の定電流を出力する定電流ダイオードである。
【0093】
更に、コンタクト検査装置2は、一端が電圧+Vfを出力する電源(不図示)に接続され、第1検査用電流源FCSが出力する電流より大きい第2の定電流を出力する第2検査用電流源SCSを備える。ここで第2検査用電流源SCSは、一例として、アノードがその電源に接続され、第2の定電流を出力する定電流ダイオードである。
【0094】
更に、コンタクト検査装置2は、一端が第1検査用電流源FCSに接続され、他端が第2の切替スイッチRL2の第6の接点Nd6に接続され、電源端子が電源(不図示)に接続され、制御端子が制御部CONの第1出力に接続された第1検査用第1スイッチFSW1を備える。これにより、第1検査用第1スイッチFSW1の電源端子に電圧+Vが供給される。
【0095】
更に、コンタクト検査装置2は、一端が第2検査用電流源SCSに接続され、他端が第2の切替スイッチRL2の第6の接点Nd6に接続され、電源端子が電源(不図示)に接続され、制御端子が制御部CONの第2出力に接続された第2検査用第1スイッチSSW1を備える。これにより、第2検査用第1スイッチSSW1の電源端子に電圧+Vが供給される。
【0096】
更に、コンタクト検査装置2は、一端が第1の切替スイッチRL1の第3の接点Nd3に接続され、他端が後述する第1検査用検出抵抗R
S1の他端に接続され、電源端子が電源(不図示)に接続され、制御端子が制御部CONの第1出力に接続された第1検査用第2スイッチFSW2を備える。これにより、第1検査用第2スイッチFSW2の電源端子に電圧+Vが供給される。
【0097】
更に、コンタクト検査装置2は、一端が第1の切替スイッチRL1の第3の接点Nd3に接続され、他端が後述する第2検査用検出抵抗R
S2の他端に接続され、電源端子が電源(不図示)に接続され、制御端子が制御部CONの第2出力に接続された第2検査用第2スイッチSSW2を備える。これにより、第2検査用第2スイッチSSW2の電源端子に電圧+Vが供給される。
【0098】
更に、コンタクト検査装置2は、第1の接点Nd1が第1の検査電極E1に接続され、第2の接点Nd2が逆方向試験装置IDTの高電位側端子に接続され、第3の接点Nd3が第1検査用第2スイッチFSW2の一端及び第2検査用第2スイッチSSW2に接続され、不図示の制御端子が制御部CONの第3出力に接続された第1の切替スイッチRL1を備える。ここで、逆方向試験装置IDTは、第1検査対象素子または第2検査対象素子に逆方向に電圧を印加する装置である。
【0099】
更に、コンタクト検査装置2は、第4の接点Nd4が第2の検査電極E2と接続され、第5の接点Nd5が逆方向試験装置IDTの低電位側端子と接続され、第6の接点Nd6が第1検査用第1スイッチFSW1の一端及び第2検査用第1スイッチSSW1の一端に接続され、不図示の制御端子が制御部CONの第4出力に接続され第2の切替スイッチRL2を備える。
【0100】
更に、コンタクト検査装置2は、第1出力が第1検査用第1スイッチFSW1及び第1検査用第2スイッチFSW2と接続され、第2出力が第2検査用第1スイッチSSW1及び第2検査用第2スイッチSSW2と接続され、第3出力が第1の切替スイッチRL1の制御端子と接続され、第4出力が第2の切替スイッチRL2の制御端子と接続された制御部CONを備える。
【0101】
更に、コンタクト検査装置2は、第1の端子T1を介して第1検査対象素子の一端(ここでは第1ダイオードD1のカソード)または第2検査対象素子の一端(一例として第2ダイオードD2のカソード)に接続可能で、第1の切替スイッチRL1の第1の接点Nd1に接続された第1の検査電極E1を備える。
【0102】
なお、
図2に示すように、第1検査対象素子の一例である第1ダイオードD1に対するコンタクト検査及び逆方向試験を行う場合、第1ダイオードD1のカソードが第1の検査電極E1に接続され、第1ダイオードD1のアノードが第2の検査電極E2に接続される。
一方、第2検査対象素子の一例である第2ダイオードD2に対するコンタクト検査及び逆方向試験を行う場合、第2ダイオードD1のカソードが第1の検査電極E1に接続され、第2ダイオードD1のアノードが第2の検査電極E2に接続される。
【0103】
更に、コンタクト検査装置2は、第2の端子T2を介して第1検査対象素子の他端または第2検査対象素子の他端に接続可能で、第2の切替スイッチRL2の第4の接点Nd4に接続された第2の検査電極E2を備える。このように、コンタクト検査のときに、第1の検査電極E1とこの第1の検査電極E1よりも高電位となっている第2の検査電極E2との間に、第1検査対象素子または第2検査対象素子が順方向に接続される。
【0104】
更に、コンタクト検査装置2は、一端が接地され他端が第1検査用第2スイッチFSW2の他端に接続された第1検査用検出抵抗R
S1を備える。
更に、コンタクト検査装置2は、一端が接地され他端が第2検査用第2スイッチSSW2の他端に接続され、第1検査用検出抵抗R
S1よりも抵抗値が小さい第2検査用検出抵抗R
S2を備える。
【0105】
更に、コンタクト検査装置2は、第1入力が第1検査用検出抵抗R
S1の他端に接続され第2入力が第2検査用検出抵抗R
S2の他端に接続された比較検出部CMPを備える。
【0106】
続いて、各部の処理について説明する。
【0107】
第1検査用第1スイッチFSW1は、制御部CONから出力された第1制御信号Sx1に基づいて、第1検査用電流源FCSの出力と第6の接点Nd6との間が導通している導通状態と導通していない非導通状態とを切り替える。第1検査用第1スイッチFSW1は、例えばゲートが制御部CONの第1出力に接続されたトランジスタである。
【0108】
第1検査用第2スイッチFSW2は、制御部CONから出力された第1制御信号Sx1に基づいて、第3の接点Nd3と第1検査用検出抵抗R
S1との間が導通している導通状態と導通していない非導通状態とを切り替える。第1検査用第2スイッチFSW2は、例えばゲートが制御部CONの第1出力に接続されたトランジスタである。
【0109】
第2検査用第1スイッチSSW1は、制御部CONから出力された第2制御信号Sx2に基づいて、第2検査用電流源SCSの出力と第6の接点Nd6との間が導通している導通状態と導通していない非導通状態とを切り替える。第2検査用第1スイッチSSW1は、例えばゲートが制御部CONの第2出力に接続されたトランジスタである。
【0110】
第2検査用第2スイッチSSW2は、制御部CONから出力された第2制御信号Sx2に基づいて、第3の接点Nd3と第2検査用検出抵抗R
S2との間が導通している導通状態と導通していない非導通状態とを切り替える。第2検査用第2スイッチSSW2は、例えばゲートが制御部CONの第2出力に接続されたトランジスタである。
【0111】
第1の切替スイッチRL1は、第1の検査電極E1と第1検査用検出抵抗R
S1の他端または第2検査用検出抵抗R
S2の他端との間が導通している第1導通状態と、第1の検査電極E1と逆方向試験装置IDTの高電位側端子との間が導通している第2導通状態とを切替可能である。
より詳細には、第1の切替スイッチRL1は、第1の検査電極E1に接続された第1の接点Nd1と逆方向試験装置IDTの高電位側端子と接続されている第2の接点Nd2とが導通している第1導通状態と、第1の接点Nd1と第3の接点Nd3が導通している第2導通状態とを切替可能である。
【0112】
第2の切替スイッチRL2は、第2の検査電極E2と第1検査用電流源FCSの他端または第2検査用電流源SCSの他端との間が導通している第3導通状態と、第2の検査電極E2と逆方向試験装置IDTの低電位側端子との間が導通している第4導通状態とを切替可能である。
より詳細には、第2の切替スイッチRL2は、第2の検査電極E2に接続された第4の接点Nd4と逆方向試験装置IDTの低電位側端子と接続されている第5の接点Nd5とが導通している第3導通状態と、第4の接点Nd4と第6の接点Nd6が導通している第4導通状態とを切替可能である。
【0113】
制御部CONは、例えば、第1検査用第1スイッチFSW1及び第1検査用第2スイッチFSW2へ第1制御信号Sx1を出力する。これにより、制御部CONは、第1検査用第1スイッチFSW1及び第1検査用第2スイッチFSW2を制御する。
【0114】
また、制御部CONは、例えば、第2検査用第1スイッチSSW1及び第2検査用第2スイッチSSW2へ第2制御信号Sx2を出力する。これにより、制御部CONは、第2検査用第1スイッチSSW1及び第2検査用第2スイッチSSWを制御する。
【0115】
また、制御部CONは、第1の切替スイッチRL1に第1切替スイッチ制御信号SR1を出力し、第1の切替スイッチRL1を制御する。より詳細には、制御部CONは、第1の切替スイッチRL1における第1の接点Nd1と第2の接点Nd2との導通、第1の接点Nd1と第3の接点Nd3との導通の切り替えを制御する。
【0116】
また、制御部CONは、第2の切替スイッチRL2に第2切替スイッチ制御信号SR2を出力し、第2の切替スイッチRL2を制御する。より詳細には、制御部CONは、第2の切替スイッチRL2における第4の接点Nd4と第5の接点Nd5との導通、第4の接点Nd4と第6の接点Nd6との導通の切り替えを制御する。
【0117】
比較検出部CMPは、第1検査対象素子に対する第1の検査電極E1及び第2の検査電極E2の接触状態である第1接触状態を検査する場合、第1検査用検出抵抗R
S1の両端にかかる電圧と所定の第1基準電圧とを比較し、比較して得た第1比較結果に基づいて、この第1接触状態を検出する。
【0118】
また、比較検出部CMPは、第2検査対象素子に対する第1の検査電極E1及び第2の検査電極E2の接触状態である第2接触状態を検査する場合、第2検査用検出抵抗R
S2の両端にかかる電圧と所定の第2基準電圧とを比較し、比較して得た第2比較結果に基づいて、この第2接触状態を検出する。
【0119】
その一例として、比較検出部CMPは、第1比較結果に基づいて、第1検査対象素子と第1の検査電極E1との接触抵抗値と第1検査対象素子と第2の検査電極E2との接触抵抗値の和が所定の第1許容値以下か否か検出する。
【0120】
なお、この第1許容値は、第1検査対象素子について逆方向試験の際に許容できる最大の接触抵抗和である。より詳細には、この第1許容値は、逆方向試験の際に、第1検査対象素子と第1の検査電極E1との接触抵抗における電圧降下と、第1検査対象素子と第2の検査電極E2との接触抵抗における電圧降下の和が許容できる最大電圧降下量となる抵抗値である。これにより、逆方向試験の際に、第1検査対象素子に最低限印加すべき電圧を印加することができる。
【0121】
また、比較検出部CMPは、例えば、第2比較結果に基づいて、第2検査対象素子と第1の検査電極E1との接触抵抗値と第2検査対象素子と第2の検査電極E2との接触抵抗値の和が所定の第2許容値以下か否か検出する。
【0122】
なお、この第2許容値は、第2検査対象素子について逆方向試験の際に許容できる最大の接触抵抗和である。より詳細にはこの第2許容値は、逆方向試験の際に、第2検査対象素子と第1の検査電極E1との接触抵抗における電圧降下と、第2検査対象素子と第2の検査電極E2との接触抵抗における電圧降下の和が許容できる最大電圧降下量となる抵抗値である。これにより、逆方向試験の際に、第2検査対象素子に最低限印加すべき電圧を印加することができる。
【0123】
ここで、電源の電圧Vf、第1検査用電流源FCSが出力する電流の値I1、上述した第1許容値R
MAX1、及び第1検査用検出抵抗の値R
S1の関係は、Vf=I1(R
MAX1+R
S1)で表される。
【0124】
一方、電源の電圧Vf、第2検査用電流源SCSが出力する電流の値I2、上述した第2許容値R
MAX2、及び第2検査用検出抵抗の値R
S2の関係は、Vf=I2(R
MAX1+R
S2)で表される。
【0125】
例えば、電源の電圧Vfが5V、第1検査用電流源FCSの電流値1mA、第1検査用検出抵抗R
S1が2.5kΩの場合、Vf=I1(R
MAX1+R
S1)の関係から、第1検査対象素子の接触抵抗和の許容値R
MAXは、2500(=5/0.001−2500)Ωである。
【0126】
一方、例えば、電圧源の電圧Vfが5V、第2検査用電流源SCSの電流値10mA、第1検査用検出抵抗R
S1が250Ωの場合、Vf=I2(R
MAX2+R
S)2の関係から、第2検査対象素子の接触抵抗和の許容値R
MAXは、250(=5/0.01−250)Ωである。この例の場合、第2検査対象素子の接触抵抗和の許容値R
MAXは、第1検査対象素子の接触抵抗和の許容値R
MAXの10分の1である。
【0127】
本実施形態では、一例として、逆方向試験の際に二つの接触抵抗で許容できる最大の合計電圧降下量と第1検査対象素子の漏れ電流から、接触抵抗和の第1許容値R
MAX1が予め決められている。そして、この第1許容値R
MAX1及び電源の電圧Vfに基づいて、第1検査用電流源FCSの電流値と第1検査用検出抵抗R
S1の値が決められている。
【0128】
また、一例として、逆方向試験の際に二つの接触抵抗で許容できる最大の合計電圧降下量と第2検査対象素子の漏れ電流から、接触抵抗和の第2許容値R
MAX2が予め決められている。そして、この第2許容値R
MAX2及び電源の電圧Vfに基づいて、第2検査用電流源SCSの電流値と第2検査用検出抵抗R
S2の値が決められている。
【0129】
その際、本実施形態では、一例として、比較検出部CMPが用いる第1基準電圧と第2基準電圧は等しく、第2検査用検出抵抗R
S2の値に対する第1検査用検出抵抗R
S1の値の比は、第1検査用電流源FCSが出力する電流の値に対する第2検査用電流源SCSが出力する電流の値の比に等しくなるように設定されている。
【0130】
これにより、接触抵抗和が許容値以内の場合、第1検査用検出抵抗R
S1の両端にかかる電圧と第2検査用検出抵抗R
S2の両端にかかる電圧とが等しくなるので、比較検出部CMPは、常に同じ基準電位と比較することができる。このため、比較検出部CMPは、検査対象素子の種類が変わるごとに、基準電位を変更しなくてもよいので、処理が簡単になる。また、ユーザは、どちらの種類の検査対象素子を検査するかをコンタクト検査装置2に入力する必要がないので、第1の検査電極E1及び第2の検査電極E2の接触状態を検査する際の手間を軽減することができる。
【0131】
ここで、接触抵抗和が第1許容値以下である場合、第1検査用電流源FCSは第1の定電流を出力することができるので、第1検査用検出抵抗R
S1にはこの第1の定電流が流れ、第1検査用検出抵抗R
S1の両端にかかる電圧は一定となる。
【0132】
一方、接触抵抗和が第1許容値を超える場合、第1検査用電流源FCSが出力する電流は上述した所定の定電流よりも小さくなるので、第1検査用検出抵抗R
S1にはこの小さい電流が流れる。その結果、接触抵抗和が第1許容値を超える場合、第1検査用検出抵抗R
S1の一端の電圧は、接触抵抗和が第1許容値以下である場合の電圧よりも小さくなる。
更に、第1の検査電極E1及び第2の検査電極E2の少なくともいずれかが第1検査対象素子に接触していない場合、第1検査用検出抵抗R
S1には電流が流れないので、第1検査用検出抵抗R
S1の両端にかかる電圧は0Vである。
【0133】
これらを踏まえると、比較検出部CMPは、第1検査対象素子に対する第1の検査電極E1及び第2の検査電極E2の接触状態である第1接触状態を検査する場合、例えば、以下のようにして接触状態を検出する。
【0134】
例えば、比較検出部CMPは、第1検査用検出抵抗R
S1の両端にかかる電圧が所定の第1基準電圧以上の場合、接触状態は良好であり、接触抵抗和が所定の第1許容値以下であることを検出する。
【0135】
一方、比較検出部CMPは、例えば、第1検査用検出抵抗R
S1の両端にかかる電圧が0Vを超えかつ所定の第1基準電圧未満の場合、接触状態は不良であり、接触抵抗和が所定の第1許容値を超えていることを検出する。
【0136】
一方、比較検出部CMPは、例えば、第1検査用検出抵抗R
S1の両端にかかる電圧が0Vの場合、第1の検査電極E1と第2の検査電極E2の少なくともいずれかが第1検査対象素子に接触していないことを検出する。
【0137】
上述した論理と同様の論理で、接触抵抗和が第2許容値以下である場合、第2検査用電流源SCSは第2の定電流を出力することができるので、第2検査用検出抵抗R
S2にはこの第2の定電流が流れ、第2検査用検出抵抗R
S2の両端にかかる電圧は、一定となる。
【0138】
一方、接触抵抗和が第2許容値を超える場合、第2検査用電流源SCSが出力する電流は上述した第2の定電流よりも小さくなるので、第2検査用検出抵抗R
S2にはこの小さい電流が流れる。その結果、接触抵抗和が第2許容値を超える場合、第2検査用検出抵抗R
S2の一端の電圧は、接触抵抗和が第2許容値以下である場合の電圧よりも小さくなる。
更に、第1の検査電極E1及び第2の検査電極E2の少なくともいずれかが第2検査対象素子に接触していない場合、第2検査用検出抵抗R
S2には電流が流れないので、第2検査用検出抵抗R
S2の両端にかかる電圧は0Vである。
【0139】
これらを踏まえると、比較検出部CMPは、第2検査対象素子に対する第1の検査電極E1及び第2の検査電極E2の接触状態である第2接触状態を検査する場合、例えば、以下のようにして接触状態を検出する。
【0140】
例えば、比較検出部CMPは、第2検査用検出抵抗R
S2の両端にかかる電圧が所定の第2基準電圧以上の場合、接触状態は良好であり、接触抵抗和が所定の第2許容値以下であることを検出する。
【0141】
一方、比較検出部CMPは、例えば、第2検査用検出抵抗R
S2の両端にかかる電圧が0Vを超えかつ所定の第2基準電圧未満の場合、接触状態は不良であり、接触抵抗和が所定の第2許容値を超えていることを検出する。
【0142】
一方、比較検出部CMPは、例えば、第2検査用検出抵抗R
S2の両端にかかる電圧が0Vの場合、第1の検査電極E1と第2の検査電極E2の少なくともいずれかが第2検査対象素子に接触していないことを検出する。
【0143】
<コンタクト検査のときの各部の処理>
続いて、第1検査対象素子または第2検査対象素子に順方向に電流を印加するコンタクト検査のときの各部の処理について説明する。コンタクト検査において、第1の検査電極E1とこの第1の検査電極E1よりも高電位となっている第2の検査電極E2との間に、第1検査対象素子または第2検査対象素子が順方向に接続される。
【0144】
制御部CONは、第1の切替スイッチRL1を第1導通状態にし、第2の切替スイッチRL2を第3導通状態にする。これにより、第1の切替スイッチRL1が第1導通状態に切替られ、かつ第2の切替スイッチRL2が第3導通状態に切替られた状態で、比較検出部CMPが第1接触状態または第2接触状態を検出する。
【0145】
制御部CONは、コンタクト検査で第1検査対象素子に対する第1の検査電極E1及び第2の検査電極E2の接触状態(第1接触状態)を検査する場合、第1検査用第1スイッチFSW1を導通状態にさせ、第1検査用第2スイッチFSW2を導通状態にさせ、第2検査用第1スイッチSSW1を非導通状態にさせ、第2検査用第2スイッチSSW2を非導通状態にさせる。
【0146】
一方、制御部CONは、コンタクト検査で第2検査対象素子に対する第1の検査電極E1及び第2の検査電極E2の接触状態(第2接触状態)を検査する場合、第1検査用第1スイッチFSW1を非導通状態にさせ、第1検査用第2スイッチFSW2を非導通状態にさせ、第2検査用第1スイッチSSW1を導通状態にさせ、かつ第2検査用第2スイッチSSW2を導通状態にさせる。
【0147】
<逆方向試験のときの各部の処理>
続いて、第1検査対象素子または第2検査対象素子に逆方向に電圧を印加する逆方向試験のときの各部の処理について説明する。本実施形態では一例として、コンタクト検査が終わった後に逆方向試験を行う。その際、第1検査対象素子または第2検査対象素子は、コンタクト検査の際に接続された状態が維持されたまま、逆方向試験が行われる。
【0148】
逆方向試験のとき、第1検査用第1スイッチFSW1の一端と他端が非導通状態に切替られ、第1検査用第2スイッチFSW2の一端と他端が非導通状態に切替られ、第2検査用第1スイッチSSW1の一端と他端が導通状態に切替られ、第2検査用第2スイッチSSW2の一端と他端が導通状態に切替られる。
【0149】
制御部CONは、逆方向試験のときに、第1の切替スイッチRL1を第2導通状態にし、第2の切替スイッチRL2を第4導通状態にする。これにより、逆方向試験のとき、第1の切替スイッチRL1は第2導通状態となり、第2の切替スイッチRL2は第4導通状態となる。
【0150】
<第2の実施形態の効果>
以上のように、第2の実施形態に係るコンタクト検査装置2は、一端が電源に接続され、第1の定電流を出力する第1検査用電流源FCSと、一端がこの電源に接続され、第1検査用電流源FCSが出力する電流より大きい第2の定電流を出力する第2検査用電流源SCSと、を備える。
【0151】
更に、コンタクト検査装置2は、整流特性を有する第1検査対象素子の一端または整流特性を有し該第1検査対象素子より漏れ電流が大きい第2検査対象素子の一端に電気的に接続可能な第1の検査電極E1を備える。
【0152】
更に、コンタクト検査装置2は、第1検査対象素子の他端または第2検査対象素子の他端に電気的に接続可能な第2の検査電極E2と、一端が接地された第1検査用検出抵抗R
S1と、一端が接地され第1検査用検出抵抗R
S1よりも抵抗値が小さい第2検査用検出抵抗R
S2と、を備える。
【0153】
更に、コンタクト検査装置2は、第1の検査電極E1と第1検査用検出抵抗R
S1の他端または第2検査用検出抵抗R
S2の他端との間が導通している第1導通状態と、第1の検査電極E1と逆方向試験装置IDTの高電位側端子との間が導通している第2導通状態とを切替可能な第1の切替スイッチRL1を備える。
【0154】
更に、コンタクト検査装置2は、第2の検査電極E2と第1検査用電流源FCSの他端または第2検査用電流源SCSの他端との間が導通している第3導通状態と、第2の検査電極E2と逆方向試験装置IDTの低電位側端子との間が導通している第4導通状態とを切替可能な第2の切替スイッチRL2を備える。
【0155】
更に、コンタクト検査装置2は、第1検査対象素子に対する第1の検査電極E1及び第2の検査電極E2の接触状態である第1接触状態を検査する場合、第1検査用検出抵抗R
S1の両端にかかる電圧と所定の第1基準電圧とを比較し、比較して得た第1比較結果に基づいて、この第1接触状態を検出する比較検出部CMPを備える。
【0156】
この比較検出部CMPは、第2検査対象素子に対する第1の検査電極E1及び第2の検査電極E2の接触状態である第2接触状態を検査する場合、第2検査用検出抵抗R
S2の両端にかかる電圧と所定の第2基準電圧とを比較し、比較して得た第2比較結果に基づいて、この第2接触状態を検出する。
【0157】
コンタクト検査において、第1の検査電極E1とこの第1の検査電極E1よりも高電位となっている第2の検査電極E2との間に、第1検査対象素子または第2検査対象素子が順方向に接続される。そして、第1の切替スイッチRL1が第1導通状態に切替られ、かつ第2の切替スイッチRL2が第3導通状態に切替られた状態で、比較検出部CMPが上記第1接触状態または上記第2接触状態を検出する。
【0158】
一方、逆方向試験において、第1の切替スイッチRL1が第2導通状態に切替られ、第2の切替スイッチRL2が第4導通状態に切替られる。
【0159】
上述した第2の実施形態に係るコンタクト検査装置1の構成によれば、第1検査対象素子に対する第1の検査電極E1及び第2の検査電極E2の接触状態を検査する場合に、接触抵抗和が第1許容値の範囲で大きくなったとしても、第1検査用検出抵抗R
S1に流れる電流は一定である。このため、第1検査用検出抵抗R
S1の両端にかかる電圧は一定である。
【0160】
これにより、接触抵抗和が所定の許容値の範囲で大きくなっても、第1検査用検出抵抗R
S1の両端にかかる電圧は常に第1基準電圧以上となる。このため、比較検出部CMPは、接触抵抗和が所定の許容値の範囲で大きくなっても、第1の検査電極E1及び第2の検査電極E2と検査対象素子との接触を検出することができる。その結果、第1の検査電極E1及び第2の検査電極E2の寿命が長くなり、第1の検査電極E1及び第2の検査電極E2の交換頻度を削減することができる。
【0161】
同様に、第2検査対象素子に対する第1の検査電極E1及び第2の検査電極E2の接触状態を検査する場合に、接触抵抗和が第2許容値の範囲で大きくなったとしても、第2検査用検出抵抗R
S2に流れる電流は一定である。このため、第2検査用検出抵抗R
S2の両端にかかる電圧は、第2検査用電流源SCSが出力する電流の値と第2検査用検出抵抗R
S2の値の積で一定となる。
【0162】
これにより、接触抵抗和が所定の許容値の範囲で大きくなっても、第2検査用検出抵抗R
S2の両端にかかる電圧は常に第2基準電圧以上となる。このため比較検出部CMPは、接触抵抗和が所定の許容値の範囲で大きくなっても、第1の検査電極E1及び第2の検査電極E2と検査対象素子との接触を検出することができる。その結果、第1の検査電極E1及び第2の検査電極E2の寿命が長くなり、第1の検査電極E1及び第2の検査電極E2の交換頻度を削減することができる。
【0163】
以上のことから、第2の実施形態に係るコンタクト検査装置2は、第1の実施形態の効果に加えて、漏れ電流が異なる二つの検査対象素子いずれに対してもコンタクト検査及び逆方向試験を行うことができ、かつ第1の検査電極E1及び第2の検査電極E2の交換頻度を削減することができる。
【0164】
また、比較検出部CMPは、上記第1比較結果に基づいて、第1検査対象素子と第1の検査電極E1との接触抵抗の値と第1検査対象素子と第2の検査電極E2との接触抵抗の値の和が所定の第1許容値以下か否か検出する。更に、比較検出部CMPは、上記第2比較結果に基づいて、第2検査対象素子と第1の検査電極E1との接触抵抗の値と第2検査対象素子と第2の検査電極E2との接触抵抗の値の和が所定の第2許容値以下か否か検出する。ここで、第1の許容値及び電源の電圧+Vfに基づいて、第1検査用電流源FCSが出力する電流の値と第1検査用検出抵抗R
S1の値が決められている。また、第2の許容値及び電源の電圧+Vfに基づいて、第2検査用電流源SCSが出力する電流の値と第2検査用検出抵抗R
S2の値が決められている。
【0165】
これにより、第2の実施形態に係るコンタクト検査装置1は、コンタクト検査装置2は、検査対象素子の漏れ電流の大きさに応じて、電流源の電流値と検出抵抗の値の組を切り替えることができる。このため、第1検査対象素子より漏れ電流が大きい第2検査対象素子に対してコンタクト試験を行う場合、第1検査対象素子より接触抵抗和の最大許容値を小さくすることができる。その結果、逆方向試験を行う場合に、第2検査対象素子の漏れ電流が大きくても、その漏れ電流による接触抵抗による電圧降下を、所定の許容範囲内に収めることができる。従って、第2の実施形態に係るコンタクト検査装置1は、第1の実施形態の効果に加えて、漏れ電流が異なる二つの検査対象素子いずれに対して逆方向試験を行った場合でも、検査対象素子に最低限印加すべき電圧を確実に印加することができる。
【0166】
なお、制御部CONは、検査対象素子が所定の基準よりも漏れ電流が小さい素子の場合、第1検査用第1スイッチFSW1の一端と他端との間、及び第1検査用第2スイッチFSW2の一端と他端との間を導通させ、検査対象素子が所定の基準以上の漏れ電流を有する素子の場合、第2検査用第1スイッチSSW1の一端と他端との間、及び第2検査用第2スイッチSSW2の一端と他端との間を導通させてもよい。
その場合、コンタクト検査装置2は、ユーザが入力した漏れ電流の値を受け付ける入力部を更に備え、制御部CONは、例えば、この入力部が受け付けた漏れ電流の値を取得してもよい。
【0167】
また、本発明の一態様に係るコンタクト検査方法は、一端が電源に接続され、所定の定電流を出力する定電流源CCCと、一端が接地された検出抵抗R
Sと、整流特性を有する検査対象素子の一端に接続可能な第1の検査電極E1と、この検査対象素子の他端に接続可能な第2の検査電極E2と、を備え、このコンタクト検査のときに、第1の検査電極E1とこの第1の検査電極E1よりも高電位となっている第2の検査電極E2との間に、この検査対象素子が順方向に接続されるコンタクト検査装置が実行するコンタクト検査方法であって、以下の手順を有する。
【0168】
(第1ステップ)第1の切替スイッチRL1が、この検査対象素子に順方向に電流を印加するコンタクト検査のときに第1の検査電極E1と前記検出抵抗R
Sの他端との間を導通させる。
【0169】
(第2ステップ)第1のステップと並行して、または第1のステップ前後に、第2の切替スイッチが、前記コンタクト検査のときに第2の検査電極E2と定電流源CCCの他端との間を導通させる。
【0170】
(第3ステップ)比較検出部CMPが、このコンタクト検査のときに、検出抵抗R
Sの検出部の電圧と所定の基準電圧とを比較し、この比較結果に基づいて、この検査対象素子に対する第1の検査電極E1及び第2の検査電極E2の接触状態を検出する。
【0171】
(第4ステップ)第1の切替スイッチRL1が、この検査対象素子に逆方向に電圧を印加する逆方向試験のときに第1の検査電極E1と逆方向試験装置IDTの高電位側端子との間を導通させる。
【0172】
(第5ステップ)第4のステップと並行して、または第4のステップ前後に、第2の切替スイッチRL2が、この逆方向試験のときに第2の検査電極E2と逆方向試験装置IDTの低電位側端子との間を導通させる。
【0173】
また、本発明の一態様に係る電子部品は、整流特性を有し、以下の構成を有するコンタクト検査装置によって、第1検査電極E1と該第1の検査電極E1よりも高電位となっている第2の検査電極E2との間に順方向に接続された後にコンタクト検査が行われた電子部品である。このコンタクト検査装置は、一端が電源に接続され、所定の定電流を出力する定電流源CCCと、一端が接地された検出抵抗R
Sと、を備える。更に、このコンタクト検査装置は、一端が当該電子部品の一端に接続可能な第1の検査電極E1と、当該電子部品の他端に接続可能な第2の検査電極E2と、を備える。更に、このコンタクト検査装置は、当該電子部品に順方向に電流を印加するコンタクト検査のときに第1の検査電極E1と検出抵抗R
Sの他端との間を導通させ、当該電子部品に逆方向に電圧を印加する逆方向試験のときに第1の検査電極E1と逆方向試験装置IDTの高電位側端子との間を導通させる第1の切替スイッチRL1を備える。更に、このコンタクト検査装置は、このコンタクト検査のときに第2の検査電極E2と定電流源CCCの他端との間を導通させ、この逆方向試験のときに第2の検査電極E2と逆方向試験装置IDTの低電位側端子との間を導通させる第2の切替スイッチRL2を備える。更に、このコンタクト検査装置は、このコンタクト検査のときに、検出抵抗R
Sの検出部の電圧と所定の基準電圧とを比較し、この比較結果に基づいて、当該電子部品に対する第1の検査電極E1及び第2の検査電極E2の接触状態を検出する比較検出部CMPを備える。このコンタクト検査装置は、当該電子部品に順方向に電流を印加するコンタクト検査のときに、第1の切替スイッチRL1が第1導通状態に切替られ、第2の切替スイッチRL2が第3導通状態に切替られ、比較検出部CMPが接触状態を検出する。また、このコンタクト検査装置は、当該電子部品に逆方向に電圧を印加する逆方向試験のときに、第1の切替スイッチRL1が第2導通状態に切替られ、第2の切替スイッチRL2が第4導通状態に切替られる。
【0174】
なお、各実施形態は例示であり、発明の範囲はそれらに限定されない。