特許第6189203号(P6189203)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6189203
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】竪型ミル
(51)【国際特許分類】
   B02C 15/04 20060101AFI20170821BHJP
【FI】
   B02C15/04
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-260407(P2013-260407)
(22)【出願日】2013年12月17日
(65)【公開番号】特開2015-116525(P2015-116525A)
(43)【公開日】2015年6月25日
【審査請求日】2015年11月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】514030104
【氏名又は名称】三菱日立パワーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 邦生
(72)【発明者】
【氏名】高島 竜平
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 拓
【審査官】 岡田 三恵
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭58−137449(JP,U)
【文献】 特開平10−076170(JP,A)
【文献】 特開2010−063956(JP,A)
【文献】 特開昭60−261553(JP,A)
【文献】 実開昭58−116055(JP,U)
【文献】 実開昭63−136739(JP,U)
【文献】 米国特許第05657877(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B02C 15/04
B02C 15/00
B02C 23/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被粉砕物を粉砕する粉砕テーブルと、
前記粉砕テーブルを下部にて支持する軸と、
前記粉砕テーブル下方から熱ガスを導入する熱ガスダクトと、
前記軸と前記熱ガスダクトの間に設けられ、前記軸に対する熱ガス流れを遮断する遮熱板と、
前記熱ガスダクトよりも下方から、前記熱ガスより低温のシールガスを導入するシールガスダクトと、
前記粉砕テーブル下部で、前記軸のまわりに設置されたシール材と、
を備え
前記シール材を貫通する穴によって、前記遮熱板と前記軸との間に前記シールガスを導入することを特徴とする竪型ミル。
【請求項2】
前記遮熱板は前記軸のまわりに全周にわたって設けられていることを特徴とする請求項1に記載の竪型ミル。
【請求項3】
前記軸に放熱フィンを備えることを特徴とする請求項またはに記載の竪型ミル。
【請求項4】
前記遮熱板と前記軸との間に保温材を備えることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の竪型ミル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部に冷却構造を有する竪型ミルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
亜瀝青炭や褐炭などの高水分炭は世界に広く存在し、将来の有望なエネルギー源の一つである。しかし、高水分炭を燃焼させるためには多量に含まれる水分を乾燥させる必要があり、これに莫大なエネルギーを要することから発電効率が低いという問題がある。このため、高水分炭を効率よく乾燥・粉砕するシステムに関し、様々な方法が考案されている。
【0003】
石炭の粉砕に関し、竪型ミルが用いられる場合がある。竪型ミルは円筒状のハウジングを有し、ハウジング内で回転する粉砕テーブルと、粉砕テーブルの表面に沿うように設置されるローラを備える。ローラが荷重をかけられて回転することで、粉砕テーブルとの間の被粉砕物を粉砕する。被粉砕物である石炭は、粉砕テーブルの中央上方から供給される。
粉砕された粉炭は、粉砕テーブルの回転による遠心力でテーブル端部に移動する。テーブル端部にはハウジングと粉砕テーブル周囲との間の隙間があり、隙間から竪型ミル下部の熱ガスダクトから導入される熱ガスが吹き上げるので、粉炭はその熱ガスにより乾燥されると共に上方に搬送され排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−173882号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、粉砕テーブルは下部にて回転軸によって支持されているが、軸は回転摩擦によって温度が上昇してしまう。軸が高温で回転すると、焼き付きや熱延びによる回転部の接触、および軸受の潤滑油粘度の低下などの問題が起きる可能性がある。これらを防ぐため、軸受の潤滑油を循環させることによって軸を強制冷却している。
【0006】
しかし、高水分炭を竪型ミルで微粉砕する場合、含まれる水分が多いため、乾燥に要する熱量も増加する。このため、ミル下部から投入する熱ガスの温度や流量を増加させる必要がある。通常は瀝青炭など低水分の石炭を粉砕するためミルへの投入熱ガスは300℃程度であるが、高水分炭の場合は400〜600℃まで熱ガス温度を増加させなければ、粉砕後の目標水分を達成できないことがある。
【0007】
このような高温の熱ガスを投入すると、潤滑油の冷却のみでは冷却が不十分となりミル内部の構造物の温度が上昇してしまうため、より軸を冷却する必要がある。特に軸は、上に説明した乾燥の原理上、熱ガスをミル下部から投入する必要があるため、必然的に一番温度が高い状態の熱ガスと衝突することになって熱ガスの温度上昇の影響を受けやすい。
油温低下のための簡便な対処方法として、潤滑油の流量の増加や外部に潤滑油冷却器を設置することが挙げられるが、いずれも設備導入のために多大なコストがかかる。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、設備導入コストを大きくかけることなく、高水分炭を乾燥・粉砕できる竪型ミルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の竪型ミルは以下の手段を採用する。
すなわち、本発明に係る竪型ミルは、被粉砕物を粉砕する粉砕テーブルと、粉砕テーブルを下部にて支持する軸と、粉砕テーブル下方から熱ガスを導入する熱ガスダクトと、軸と熱ガスダクトの間に設けられ、軸に対する熱ガス流れを遮断する遮熱板と、熱ガスダクトよりも下方から、熱ガスより低温のシールガスを導入するシールガスダクトと、粉砕テーブル下部で、軸のまわりに設置されたシール材と、を備え、シール材を貫通する穴によって、遮熱板と軸との間にシールガスを導入することを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、熱ガスダクトから供給される熱ガスはまず遮熱板に衝突するため、熱ガス流れは遮断されて直接軸に衝突しない。このため軸周辺の熱ガスの流速が小さくなり、温度境界層が厚くなって熱伝達率が下がるため、軸の温度上昇が抑制される。また、この構成によれば、軸は主に低温のシールガスと接触することになり、熱ガスに対する熱伝達率が小さくなる。さらに、竪型ミル稼動中の軸温度より低温のシールガスを用いれば、軸の冷却が可能になって温度上昇が著しく抑制される。また、この構成によれば、遮熱板を挟んで熱ガス側の空間よりも軸側の空間に多くシールガスを導入することが容易になるため、熱ガス温度による軸温度上昇の抑制およびシールガスによる冷却が効率化され、温度上昇が著しく抑制される。
【0011】
上記発明において、遮熱板は軸のまわりに全周にわたって設けられていてもよい。
【0012】
この構成によれば、軸は新たに供給される熱ガスと接触することがほとんどなくなり、より温度境界層が厚くなるため熱伝達率が下がって軸の温度上昇が著しく抑制される。さらに粉砕テーブル、遮熱板および他部材で囲まれた空間を形成し、その空間への熱ガスの供給量が小さくなるよう遮熱板の形状を調節すれば、より効果が顕著になる。
【0017】
上記発明において、軸に放熱フィンを備えてもよい。この構成によれば、軸の効率よい冷却が可能になって温度上昇が著しく抑制される。
【0018】
上記発明において、遮熱板と軸との間に保温材を備えてもよい。この構成によれば、軸への熱伝達率がより下がるため、軸の温度上昇がより抑制される。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、低コストで実現可能な変更のみで、高温対応でない竪型ミルに高温の熱ガスを導入しても、軸および軸受の正常な潤滑状態を確保できる温度を維持できる。その結果、水分が高い燃料の粉砕が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の第1実施形態に係る竪型ミルの縦断面図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る竪型ミルの粉砕テーブル下部近傍の拡大縦断面図である。
図3】本発明の第1実施形態に係る竪型ミルの粉砕テーブル近傍の横断面図である。
図4】従来の竪型ミルの粉砕テーブル下部近傍の拡大縦断面図である。
図5】本発明の第2実施形態に係る竪型ミルの粉砕テーブル下部近傍の拡大縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明に係る実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1を用いて説明する。
図1に示すように本実施形態に係る竪型ミル1は、鉛直軸である回転軸2に支持され上部で回転する粉砕テーブル3と、粉砕テーブル3の上部で表面に沿うように設けられ荷重を与えられながら回転する複数のローラ4と、それらを囲み、粉砕テーブル3との間に微小な隙間を有するハウジング5を備えている。ハウジング5上部には外部から被粉砕物を供給する供給管6と、粉砕・乾燥され微粉となった被粉砕物を外部に供給する微粉炭管7とが備えられている。
供給管6から供給された被粉砕物は、遠心力で粉砕テーブル3端部に移動するが、その過程においてローラ4との隙間で粉砕される。粉砕テーブル3端部にはハウジング5との間の隙間があり、熱ガスダクト11から供給される熱ガスが吹き上げるので、被粉砕物はその熱ガスにより乾燥されると共に上方に搬送されて微粉炭管7から排出される。
【0022】
図2に示すように、回転軸2は、その軸線を中心に、回転軸2と共に回転する円盤状の軸側シール材8を軸中間部にさらに備えている。また回転軸2は軸側シール材8下方にて軸受10によってハウジング5と接続されている。軸側シール材8の外側には、軸側シール材8を囲むようにドーナツ形の板状に形成されたハウジング側シール材9がハウジング5に設置されている。軸側シール材8とハウジング側シール材9との間には微小な隙間が形成される。ハウジング側シール材9は、粉砕テーブル3から落下した粒子を受け止めることができ、軸側シール材8の先端に設置されたスクレーパ(図示せず。)が粒子を異物除去ラインへ払出す。
【0023】
軸受10は潤滑油が供給・排出され、潤滑油は図示しない冷却機構で冷却される。
【0024】
また、粉砕テーブル3と軸側シール材8との間に熱ガスを供給する熱ガスダクト11が、軸側シール材8下部にシールガスを供給するシールガスダクト12が、それぞれハウジング5に接続されている。シールガスは熱ガスに比べて低温かつ高圧である。
【0025】
さらに、回転軸2と熱ガスダクト11の間に遮熱板13が備えられている。遮熱板13は回転軸2方向に伸びており、回転軸2を軸方向の中心とした中空の柱状をなしている。粉砕テーブル3および軸側シール材8で、遮熱板13の鉛直方向の開口の大部分を防ぐよう遮熱板13が形成されている。
遮熱板13と回転軸2との間には隙間があり、この隙間を小さくするよう遮熱板13は軸方向中心部で直径が小さくなっている。この隙間を通るシールガスは、軸側シール材8とハウジング側シール材9との間、および軸側シール材8と遮熱板13の間を通って侵入し、回転軸2を冷却した後、粉砕テーブル3と遮熱板13との間より熱ガスと混合されながら噴出する。
【0026】
図3に示す通り、この遮熱板13は三本の支持部材15によってハウジング5に支えられており、回転軸2などには接触していないため回転しない。
また、回転軸2側の表面に、セラミックなど断熱作用のある保温材14が備えられている。これにより、回転軸2への熱伝達率がより下がるため、回転軸2の温度上昇がより抑制される。
【0027】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0028】
まず、外部より供給管6を通じて粉砕テーブル3中央部に被粉砕物が供給される。粉砕テーブル3が回転しているため、被粉砕物は遠心力により粉砕テーブル3端部へ移動する。移動途中で粉砕テーブル3とローラ4との間において粉砕される。
粉炭となって粉砕テーブル3端部へ到達した被粉砕物は、熱ガスダクト11から導入されて粉砕テーブル3とハウジング5との間の隙間から吹き上げる熱ガスにより、乾燥されるとともに上方に搬送される。
吹き上げられた粉炭はハウジング5上方に設けられた分級機16で微粉と粗粉に分級される。分級された微粉は微粉炭管7を通じて竪型ミル1より排出され、粗粉は粉砕テーブル3に落下して再度粉砕される。
【0029】
上述のとおり、熱ガスは粉炭の乾燥および運搬の役割があるため、粉砕テーブル3下部に高温の状態である程度の流速を伴って供給される。この熱ガスは熱ガスダクト11から供給されて遮熱板13に衝突し、回転軸2には衝突せずに、粉砕テーブル3とハウジング5との間の隙間から噴出する。
また熱ガスは、軸側シール材8およびハウジング側シール材9により、軸受10に直接接触しないようシールされている。
さらに、シールガスダクト12から供給されたシールガスは、軸側シール材8下部で滞留し回転軸2や軸受10を冷却した後、ハウジング5と軸側シール材8の隙間から噴出する。噴出したシールガスの一部は軸側シール材8と遮熱板13下部との間の隙間から、回転軸2と遮熱板13の間に設けられた空間Aに導入され、他はハウジング5と遮熱板13の間に設けられた空間Bに導入され、熱ガスと混合される。
【0030】
軸受10はシールガスに接触している。
竪型ミル1が稼動している間、軸受10には低温の潤滑油が供給される。潤滑油は軸受10を冷却後排出され、図示しない冷却機構によって冷却された後、再び軸受10に供給される。
【0031】
次に、本実施形態の効果について説明する。
【0032】
竪型ミル1運転中、軸受10は熱ガスから回転軸2を媒介にした熱伝達、および回転軸2との回転摩擦により昇温される。
ここで図4のように遮熱板13が設けられていない場合、熱ガスは直接回転軸2に衝突する。流速をもった熱ガスの衝突により回転軸2近傍の温度境界層は薄くなり、熱ガスと回転軸2との熱伝達率が向上してしまう。
これに対し、図2のように回転軸2と熱ガスダクト11との間に遮熱板13が設けられていることにより、熱ガスは直接回転軸2に衝突しない。これにより熱ガスと回転軸2との熱伝達率が減少する。
【0033】
さらに遮熱板13は回転軸2方向に伸びた柱状をなしており、回転軸2のまわりに全周にわたって設けられているため、新たに供給される熱ガスと接触する量を減らすことができる。
また、粉砕テーブル3および軸側シール材8で、遮熱板13の鉛直方向の開口の大部分を防ぐよう遮熱板13の形状を形成することにより、新たに供給される熱ガスと接触することがほとんどなくなる。
これにより、熱ガスと回転軸2との熱伝達率がさらに減少している。
【0034】
さらにシールガスの一部を空間Aに導入するため、低温のガスを軸近傍に導入することができ、熱ガスと回転軸2の熱伝達率をさらに低下することができる。さらに竪型ミル1が稼動中の回転軸2の温度よりも低温のシールガスを導入すれば、回転軸2を冷却することもできる。
【0035】
これらの結果熱ガスから軸受10への熱伝達が小さくなり、高温対応でない竪型ミル1に高温の熱ガスを導入しても、軸受10の昇温を抑えることができる。
これにより、冷却油量を増やす必要がなくなり冷却器の追設が不要になる。これらの追設にかかるコストより大幅に小さいコストで遮熱板13が設置できるため、コスト削減になる。
また、回転軸2および軸受10の正常な潤滑状態を確保できる温度を維持できる。
さらに軸受10の焼き付き防止、および粉砕テーブル3の過度な温度上昇を防止できる。
これらの結果、水分が高い燃料の粉砕が可能になる。
【0036】
本実施形態では高水分炭の粉砕をするものとしたが、高温の熱ガスが必要となる原料全ての粉砕に応用可能である。
【0037】
また本実施形態の遮熱板13は支持部材15によりハウジング5に支持されており回転しないとしたが、遮熱板13は回転軸2と熱的に接続しない構造で支持されていればよい。ここで「熱的に接続されていない」とは、二つの物体に温度差があるときに、熱の移動がほとんどないことを意味する。代表的には二物体の接触面積が小さい、または二物体が接触していないことによって実現される。
さらに、遮熱板13は回転軸2方向に伸びた柱状としているが、熱ガスダクト11からの熱ガスの衝突を防ぐ構造であればよい。しかし、粉砕テーブル3とハウジング5の隙間から粉炭が落下してくる可能性があるため、落下した粉炭が遮熱板13の表面でとどまりにくい形状であることが必要である。とどまった場合、発火などの危険がある。具体的には、遮熱板13は略水平である部分がない方が良い。
【0038】
また本実施形態において、回転軸2に放熱フィン(図示せず。)を設けてもよい。
これによってシールガスと回転軸2との熱交換が促進され、より効率よく回転軸2が冷却される。
【0039】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、図5を用いて説明する。
【0040】
本実施形態は第1実施形態と比べ、空間Aにシールガスを導入する機構、方法が異なるものである。第1実施形態における竪型ミル1と共通する構成には共通の番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
【0041】
図5に示す通り軸側シール材8には、表面と裏面を貫通し、回転軸2と平行な円柱形状の穴17が開いている。それ以外の構成は第1実施形態と同様である。穴17は回転軸2に近すぎると軸側シール材8の強度が不十分となり、遠すぎると軸側シール材8と遮熱板13との隙間から排出されてしまうため、端部との中間付近に複数個あけられている。
穴17の形状、個数、位置はこの通りでなくてもよい。
【0042】
次に、本実施形態の作用、効果について説明する。
【0043】
シールガスの一部はハウジング5と軸側シール材8の隙間より噴出し、一部は穴17により空間Aに導入される。
【0044】
第1実施形態では、空間Aに導入するシールガスの流量を調節する際、ハウジング5と軸側シール材8の間、および軸側シール材8と遮熱板13下部の間のそれぞれの隙間の大きさを調整することで行う。
しかし、ハウジング5と軸側シール材8の間の隙間の調整は同時に空間Bへのシールガス量も調節されてしまい、軸側シール材8と遮熱板13下部の間の隙間の調整は同時に空間Aへの熱ガス量も調節されてしまう。このため、空間Aのみ、または空間Bのみへのガス量調節が困難である。
【0045】
これに対し本実施形態では、穴17の大きさや数によって空間Aへのシールガス量調整が容易になる。このため、空間Aより多くシールガスを導入することが容易となり、回転軸2の最適な冷却が可能になる。
【符号の説明】
【0046】
1 竪型ミル
2 回転軸(軸)
3 粉砕テーブル
4 ローラ
5 ハウジング
6 供給管
7 微粉炭管
8 軸側シール材
9 ハウジング側シール材
10 軸受
11 熱ガスダクト
12 シールガスダクト
13 遮熱板
14 保温材
15 支持部材
16 分級機
17 穴
図1
図2
図3
図4
図5