(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記一方の金属板は、前記端子に連結された第二連結部と、前記第二連結部の一端に設けられ前記第二連結部から前記第一方向に延びた第三延在部と、前記第二連結部の他端に設けられ前記第二連結部から前記第二方向で延びた第四延在部とを有し、
前記他方の金属板は、前記第三延在部が嵌め込まれる第三嵌め込み部と、前記第四延在部が嵌め込まれる第四嵌め込み部とを有し、
前記第三延在部は、前記第一方向に延びた第三延在部本体と、前記第三延在部本体から前記端子が延在する方向の成分を含む方向に突出した第三突出部とを有し、
前記第四延在部は、前記第二方向に延びた第四延在部本体と、前記第四延在部本体から前記端子が延在する方向の成分を含む方向に突出した第四突出部を有し、
前記第三嵌め込み部は前記第三突出部が収容される第三凹部を有し、
前記第四嵌め込み部は前記第四突出部が収容される第四凹部を有し、
前記第三延在部本体のうち前記第三突出部よりも先端側を押圧して前記第三延在部本体を変形させることで、少なくとも前記第三延在部本体の先端が前記第三嵌め込み部に当接し、かつ、前記第三突出部の前記端子側の端部が前記第三凹部に当接し、
前記第四延在部本体のうち前記第四突出部よりも先端側を押圧して前記第四延在部本体を変形させることで、少なくとも前記第四延在部本体の先端が前記第四嵌め込み部と当接し、かつ、前記第四突出部の前記端子側の端部が前記第四凹部に当接することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のリードフレーム。
端子と、前記端子に連結された第一連結部と、前記第一連結部の一端に設けられ前記第一連結部から第一方向に延びた第一延在部と、前記第一連結部の他端に設けられ前記第一連結部から前記第一方向とは逆方向の成分を含む第二方向で延びた第二延在部と、を有する一方の金属板と、前記第一延在部が嵌め込まれる第一嵌め込み部と、前記第二延在部が嵌め込まれる第二嵌め込み部と、を有する他方の金属板と、を互いに接合する接合工程を備え、
前記第一延在部は、前記第一方向に延びた第一延在部本体と、前記第一延在部本体から前記端子が延在する方向の成分を含む方向に突出した第一突出部とを有し、
前記第二延在部は、前記第二方向に延びた第二延在部本体と、前記第二延在部本体から前記端子が延在する方向の成分を含む方向に突出した第二突出部を有し、
前記第一嵌め込み部は前記第一突出部が収容される第一凹部を有し、
前記第二嵌め込み部は前記第二突出部が収容される第二凹部を有し、
前記接合工程は、
前記第一延在部本体のうち前記第一突出部よりも先端側を押圧して前記第一延在部本体を変形させることで、前記第一延在部本体の少なくとも先端を前記第一嵌め込み部に当接させ、かつ、前記第一突出部の前記端子側の端部を前記第一凹部に当接させる工程と、
前記第二延在部本体のうち前記第二突出部よりも先端側を押圧して前記第二延在部本体を変形させることで、前記第二延在部本体の少なくとも先端を前記第二嵌め込み部に当接させ、かつ、前記第二突出部の前記端子側の端部を前記第二凹部に当接させる工程と、
を有することを特徴とするリードフレームの製造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この点、本願の発明者は、端子を有する一方の金属板と、実装部品を載置する他方の金属板とを別々で製造し、これら一方の金属板と他方の金属板とを接合して一枚の金属板(リードフレーム)にすることを考えついた。しかしながら、このように2つの金属板を接合する際に他方の金属板の嵌め込み部内において一方の金属板の両側を変形させて他方の金属板に対してかしめると、一方の金属板の両側から一方の金属板の内方に向かう力が働き、その結果、一方の金属板に反りが発生してしまうことがあった。
【0005】
以上のような点を鑑み、本発明は、一方の金属板と他方の金属板とを接合して一枚の金属板にする際に、一方の金属板に反りが発生してしまうことを防止するリードフレームと、このようなリードフレームの製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によるリードフレームは、
端子を有する一方の金属板と、
前記一方の金属板に接合され、実装部品が載置される他方の金属板と、を備え、
前記一方の金属板が、前記端子に連結された第一連結部と、前記第一連結部の一端に設けられ前記第一連結部から第一方向に延びた第一延在部と、前記第一連結部の他端に設けられ前記第一連結部から前記第一方向とは逆方向の成分を含む第二方向で延びた第二延在部とを有し、
前記他方の金属板が、前記第一延在部が嵌め込まれる第一嵌め込み部と、前記第二延在部が嵌め込まれる第二嵌め込み部とを有し、
前記第一延在部が、前記第一方向に延びた第一延在部本体と、前記第一延在部本体から前記端子が延在する方向の成分を含む方向に突出した第一突出部とを有し、
前記第二延在部が、前記第二方向に延びた第二延在部本体と、前記第二延在部本体から前記端子が延在する方向の成分を含む方向に突出した第二突出部を有し、
前記第一嵌め込み部が前記第一突出部が収容される第一凹部を有し、
前記第二嵌め込み部が前記第二突出部が収容される第二凹部を有し、
前記第一延在部本体のうち前記第一突出部よりも先端側を押圧して前記第一延在部本体を変形させることで、前記第一延在部本体の少なくとも先端が前記第一嵌め込み部に当接し、かつ、前記第一突出部の前記端子側の端部が前記第一凹部に当接し、
前記第二延在部本体のうち前記第二突出部よりも先端側を押圧して前記第二延在部本体を変形させることで、前記第二延在部本体の少なくとも先端が前記第二嵌め込み部に当接し、かつ、前記第二突出部の前記端子側の端部が前記第二凹部に当接する。
【0007】
本発明によるリードフレームにおいて、
前記第一突出部は、前記第一延在部本体の両側から延びた一対の第一突出部分を有し、
前記第二突出部は、前記第二延在部本体の両側から延びた一対の第二突出部分を有してもよい。
【0008】
本発明によるリードフレームにおいて、
前記第一延在部及び前記第一嵌め込み部は、互いの位置を位置決めするための第一位置決め構造を有し、
前記第二延在部及び前記第二嵌め込み部は、互いの位置を位置決めするための第二位置決め構造を有してもよい。
【0009】
本発明によるリードフレームにおいて、
前記一方の金属板は、前記端子に連結された第二連結部と、前記第二連結部の一端に設けられ前記第二連結部から前記第一方向に延びた第三延在部と、前記第二連結部の他端に設けられ前記第二連結部から前記第二方向で延びた第四延在部とを有し、
前記他方の金属板は、前記第三延在部が嵌め込まれる第三嵌め込み部と、前記第四延在部が嵌め込まれる第四嵌め込み部とを有し、
前記第三延在部は、前記第一方向に延びた第三延在部本体と、前記第三延在部本体から前記端子が延在する方向の成分を含む方向に突出した第三突出部とを有し、
前記第四延在部は、前記第二方向に延びた第四延在部本体と、前記第四延在部本体から前記端子が延在する方向の成分を含む方向に突出した第四突出部を有し、
前記第三嵌め込み部は前記第三突出部が収容される第三凹部を有し、
前記第四嵌め込み部は前記第四突出部が収容される第四凹部を有し、
前記第三延在部本体のうち前記第三突出部よりも先端側を押圧して前記第三延在部本体を変形させることで、少なくとも前記第三延在部本体の先端が前記第三嵌め込み部に当接し、かつ、前記第三突出部の前記端子側の端部が前記第三凹部に当接し、
前記第四延在部本体のうち前記第四突出部よりも先端側を押圧して前記第四延在部本体を変形させることで、少なくとも前記第四延在部本体の先端が前記第四嵌め込み部と当接し、かつ、前記第四突出部の前記端子側の端部が前記第四凹部に当接してもよい。
【0010】
本発明によるリードフレームにおいて、
前記第三突出部は、前記第三延在部本体の両側から延びた一対の第三突出部分を有し、
前記第四突出部は、前記第四延在部本体の両側から延びた一対の第四突出部分を有してもよい。
【0011】
本発明によるリードフレームにおいて、
前記第三延在部及び前記第三嵌め込み部は、互いの位置を位置決めするための第三位置決め構造を有し、
前記第四延在部及び前記第四嵌め込み部は、互いの位置を位置決めするための第四位置決め構造を有してもよい。
【0012】
本発明によるリードフレームにおいて、
前記第一方向及び前記第二方向は前記端子が延在する方向に直交してもよい。
【0013】
本発明によるリードフレームの製造方法は、
端子と、前記端子に連結された第一連結部と、前記第一連結部の一端に設けられ前記第一連結部から第一方向に延びた第一延在部と、前記第一連結部の他端に設けられ前記第一連結部から前記第一方向とは逆方向の成分を含む第二方向で延びた第二延在部と、を有する一方の金属板と、前記第一延在部が嵌め込まれる第一嵌め込み部と、前記第二延在部が嵌め込まれる第二嵌め込み部と、を有する他方の金属板と、を互いに接合する接合工程を備え、
前記第一延在部が、前記第一方向に延びた第一延在部本体と、前記第一延在部本体から前記端子が延在する方向の成分を含む方向に突出した第一突出部とを有し、
前記第二延在部が、前記第二方向に延びた第二延在部本体と、前記第二延在部本体から前記端子が延在する方向の成分を含む方向に突出した第二突出部を有し、
前記第一嵌め込み部が前記第一突出部が収容される第一凹部を有し、
前記第二嵌め込み部が前記第二突出部が収容される第二凹部を有し、
前記接合工程が、
前記第一延在部本体のうち前記第一突出部よりも先端側を押圧して前記第一延在部本体を変形させることで、前記第一延在部本体の少なくとも先端を前記第一嵌め込み部に当接し、かつ、前記第一突出部の前記端子側の端部を前記第一凹部に当接する工程と、
前記第二延在部本体のうち前記第二突出部よりも先端側を押圧して前記第二延在部本体を変形させることで、前記第二延在部本体の少なくとも先端を前記第二嵌め込み部に当接し、かつ、前記第二突出部の前記端子側の端部を前記第二凹部に当接する工程と、
を有する。
【発明の効果】
【0014】
本発明では、第一延在部本体のうち第一突出部よりも先端側を押圧して第一延在部本体を変形させることで、第一延在部本体の少なくとも先端が第一嵌め込み部に当接して、第一延在部本体が第一嵌め込み部に対してかしめられて位置決めされる。この際、第一突出部が端子側に移動し、第一突出部の端子側の端部が第一凹部に当接する。また、第二延在部本体のうち第二突出部よりも先端側を押圧して第二延在部本体を変形させることで、第二延在部本体の少なくとも先端が第二嵌め込み部に当接して、第二延在部本体が第二嵌め込み部に対してかしめられて位置決めされる。この際、第二突出部が端子側に移動し、第二突出部の端子側の端部が第二凹部に当接する。このように本発明によれば、第一延在部本体を第一嵌め込み部に対してかしめて位置決めする際に、第一突出部の端子側の端部が第一凹部に当接する。また、第二延在部本体を第二嵌め込み部に対してかしめて位置決めする際に、第二突出部の端子側の端部が第二凹部に当接する。このため、一方の金属板と他方の金属板とを接合して一枚の金属板にする際に、一方の金属板に反りが発生してしまうことを防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
実施の形態
《構成》
以下、本発明によるリードフレーム及びリードフレームの製造方法に関する実施の形態について、図面を参照して説明する。ここで、
図1乃至
図5は本発明の実施の形態を説明するための図である。
【0017】
図3に示すように、本実施の形態の実装部品付きリードフレームは、複数の端子15を有する一方の金属板10と、一方の金属板10に接合される他方の金属板50と、を備えている。このうち、一方の金属板10には全面にメッキが施されている。他方の金属板50には、ICチップ等の実装部品91が載置された実装基板90が設置される。この結果、他方の金属板50には、実装基板90を介して実装部品91が載置されている。また、一方の金属板10の各端子15と実装部品91又は実装基板90上の回路(図示せず)とはワイヤ96で接続されている。
【0018】
他方の金属板50は例えば銅板であり、一方の金属板10は例えばリン青銅材料からなる金属板にメッキを施したものからなっている。一方の金属板10に施されるメッキに関しては、端子15の先端側(
図1の上方側)には例えばスズメッキ等の第一メッキが施され、それ以外の箇所には例えばニッケルメッキ等の第二メッキが施される。より具体的には、一方の金属板10の全体にまずニッケルメッキ等の第二メッキが施され、その後で、端子15の先端側にスズメッキ等の第一メッキが施されることとなる。
【0019】
図1に示すように、一方の金属板10は、複数の端子15に連結された第一連結部11と、第一連結部11の一端(
図1の右側の端部)に設けられ第一連結部11から第一方向(
図1の右方向)に延びた第一延在部12と、第一連結部11の他端(
図1の左側の端部)に設けられ第一連結部11から第一方向とは逆方向の成分を含む第二方向で延びた第二延在部13とを有している。本実施の形態では、第二方向が第一方向と逆方向となっているものとして以下説明するが、これはあくまでも一例であることには留意が必要である。また、本実施の形態では、第一方向及び第二方向の各々が端子15の延在する方向(
図1の上下方向)に直交するとなっているものとして以下説明するが、これもあくまでも一例であることには留意が必要である。
【0020】
図2に示すように、本実施の形態の他方の金属板50は、第一延在部12が嵌め込まれる第一嵌め込み部62と、第二延在部13が嵌め込まれる第二嵌め込み部63とを有している。
【0021】
図1に示すように、一方の金属板10の第一延在部12は、第一方向に延びた第一延在部本体12aと、第一延在部本体12aから端子15が延在する方向(
図1の上下方向)の成分を含む方向に突出した第一突出部31とを有している。また、一方の金属板10の第二延在部13は、第二方向に延びた第二延在部本体13aと、第二延在部本体13aから端子15が延在する方向の成分を含む方向に突出した第二突出部32を有している。なお、本実施の形態では、第一突出部31及び第二突出部32が端子15の延在する方向(
図1の上下方向)に突出しているものとして以下説明するが、これはあくまでも一例であることには留意が必要である。
【0022】
図2に示すように、他方の金属板50の第一嵌め込み部62は第一突出部31が収容される第一凹部41を有し、他方の金属板50の第二嵌め込み部63は第二突出部32が収容される第二凹部42を有している。
【0023】
本実施の形態では、第一延在部本体12aのうち第一突出部31よりも先端側(
図4の右側)を押圧して第一延在部本体12aを変形させることで、第一延在部本体12aの少なくとも先端が第一嵌め込み部62に当接し、かつ、第一突出部31の端子15側(
図4の左側)の端部が第一凹部41に当接するようになっている。より具体的には、後述する第一拡大部17を押圧して当該第一拡大部17を変形させることで、少なくとも第一拡大部17の先端が後述する第一収容部67に当接し、かつ、第一突出部31の端子15側の端部が第一凹部41に当接するようになっている。
【0024】
また、第二延在部本体13aのうち第二突出部32よりも先端側(
図5の左側)を押圧して第二延在部本体13aを変形させることで、第二延在部本体13aの少なくとも先端が第二嵌め込み部63に当接し、かつ、第二突出部32の端子15側(
図5の右側)の端部が第二凹部42に当接するようになっている。より具体的には、後述する第二拡大部19を押圧して当該第二拡大部19を変形させることで、少なくとも第二拡大部19の先端が後述する第二収容部69に当接し、かつ、第二突出部32の端子15側の端部が第二凹部42に当接するようになっている。
【0025】
図1に示すように、本実施の形態の第一突出部31は、第一延在部本体12aの両側から延びた一対の第一突出部分31a,31bを有している。また、第二突出部32は、第二延在部本体13aの両側から延びた一対の第二突出部分32a,32bを有している。
【0026】
図1に示すように、第一延在部12は、幅が細くなった第一縮小部16と、この第一縮小部16から先端側に延びて第一縮小部16よりも幅が太くなった第一拡大部17とを有している。また、
図2に示すように、第一嵌め込み部62は、第一嵌め込み部62に設けられ第一縮小部16に対応した一対の第一凸部66と、第一拡大部17に対応した第一収容部67とを有している。そして、一対の第一凸部66の間に第一縮小部16が位置づけられ、第一拡大部17が第一収容部67に嵌め込まれることで、第一延在部12及び第一嵌め込み部62が互いに位置決めされる。このように、第一延在部12及び第一嵌め込み部62は、第一縮小部16、第一拡大部17、第一凸部66及び第一収容部67からなる第一位置決め構造を有している。
【0027】
また、
図1に示すように、第二延在部13は、幅が細くなった第二縮小部18と、この第二縮小部18から先端側に延びて第二縮小部18よりも幅が太くなった第二拡大部19とを有している。また、
図2に示すように、第二嵌め込み部63は、第二嵌め込み部63に設けられ第二縮小部18に対応した一対の第二凸部68と、第二拡大部19に対応した第二収容部69とを有している。そして、一対の第二凸部68の間に第二縮小部18が位置づけられ、第二拡大部19が第二収容部69に嵌め込まれることで、第二延在部13及び第二嵌め込み部63が互いに位置決めされる。このように、第二延在部13及び第二嵌め込み部63は、第二縮小部18、第二拡大部19、第二凸部68及び第二収容部69からなる第二位置決め構造を有している。
【0028】
また、
図1に示すように、一方の金属板10は、複数の端子15に連結された第二連結部21と、第二連結部21の一端(
図1の右側の端部)に設けられ第二連結部21から第一方向に延びた第三延在部22と、第二連結部21の他端(
図1の左側の端部)に設けられ第二連結部21から第二方向で延びた第四延在部23とを有している。また、
図2に示すように、他方の金属板50は、第三延在部22が嵌め込まれる第三嵌め込み部72と、第四延在部23が嵌め込まれる第四嵌め込み部73とを有している。
【0029】
図1に示すように、一方の金属板10の第三延在部22は、第一方向に延びた第三延在部本体22aと、第三延在部本体22aから端子15が延在する方向の成分を含む方向に突出した第三突出部33とを有している。また、一方の金属板10の第四延在部23は、第二方向に延びた第四延在部本体23aと、第四延在部本体23aから端子15が延在する方向の成分を含む方向に突出した第四突出部34を有している。本実施の形態では、第三突出部33及び第四突出部34が端子15の延在する方向(
図1の上下方向)に突出しているものとして以下説明するが、これはあくまでも一例であることには留意が必要である。
【0030】
図2に示すように、他方の金属板50の第三嵌め込み部72は第三突出部33が収容される第三凹部43を有し、他方の金属板50の第四嵌め込み部73は第四突出部34が収容される第四凹部44を有している。
【0031】
そして、第三延在部本体22aのうち第三突出部33よりも先端側(
図4の右側)を押圧して第三延在部本体22aを変形させることで、少なくとも第三延在部本体22aの先端が第三嵌め込み部72に当接し、かつ、第三突出部33の端子15側(
図4の左側)の端部が前記第三凹部43に当接するようになっている。より具体的には、後述する第三拡大部27を押圧して当該第三拡大部27を変形させることで、少なくとも第三拡大部27の先端が後述する第三収容部77に当接し、かつ、第三突出部33の端子15側の端部が第三凹部43に当接するようになっている。
【0032】
また、第四延在部本体23aのうち第四突出部34よりも先端側(
図5の左側)を押圧して第四延在部本体23aを変形させることで、少なくとも第四延在部本体23aの先端が第四嵌め込み部73と当接し、かつ、第四突出部34の端子15側(
図5の右側)の端部が第四凹部44に当接するようになっている。より具体的には、後述する第四拡大部29を押圧して当該第四拡大部29を変形させることで、少なくとも第四拡大部29の先端が後述する第四収容部79に当接し、かつ、第四突出部34の端子15側の端部が第四凹部44に当接するようになっている。
【0033】
図1に示すように、本実施の形態の第三突出部33は、第三延在部本体22aの両側から延びた一対の第三突出部分33a,33bを有している。また、第四突出部34は、第四延在部本体23aの両側から延びた一対の第四突出部分34a,34bを有している。
【0034】
図1に示すように、第三延在部22は、幅が細くなった第三縮小部26と、この第三縮小部26から先端側に延びて第三縮小部26よりも幅が太くなった第三拡大部27とを有している。また、
図2に示すように、第三嵌め込み部72は、第三嵌め込み部72に設けられ第三縮小部26に対応した一対の第三凸部76と、第三拡大部27に対応した第三収容部77とを有している。そして、一対の第三凸部76の間に第三縮小部26が位置づけられ、第三拡大部27が第三収容部77に嵌め込まれることで、第三延在部22及び第三嵌め込み部72が互いに位置決めされる。このように、第三延在部22及び第三嵌め込み部72は、第三縮小部26、第三拡大部27、第三凸部76及び第三収容部77からなる第三位置決め構造を有している。
【0035】
また、
図1に示すように、第四延在部23は、幅が細くなった第四縮小部28と、この第四縮小部28から先端側に延びて第四縮小部28よりも幅が太くなった第四拡大部29とを有している。また、
図2に示すように、第四嵌め込み部73は、第四嵌め込み部73に設けられ第四縮小部28に対応した一対の第四凸部78と、第四拡大部29に対応した第四収容部79とを有している。そして、一対の第四凸部78の間に第四縮小部28が位置づけられ、第四拡大部29が第四収容部79に嵌め込まれることで、第四延在部23及び第四嵌め込み部73が互いに位置決めされる。このように、第四延在部23及び第四嵌め込み部73は、第四縮小部28、第四拡大部29、第四凸部78及び第四収容部79からなる第四位置決め構造を有している。
【0036】
《効果及び製造方法》
次に、上述した構成からなる本実施の形態によって達成される効果について説明する。なお、以下では、上述した一方の金属板10及び他方の金属板50を用いて、樹脂封入された実装部品91を備えた半導体装置の製造方法についても説明する。
【0037】
最初に、一方の金属板10と他方の金属板50を互いに接合することで得られるリードフレームに関する効果について説明する。
【0038】
一般に導電率と弾性率は逆相関の関係にあり、導電率の高い銅材では弾性率が低くなってしまい、他方、弾性率が高くバネ性のある銅材では導電率が低くなってしまう。このため、従来のように一つの材料からなるリードフレームでは、これらを両立させることは難しかった。
【0039】
このため、本願の発明者は、材質の異なる2種類の金属板を接合したものをリードフレームとして用いることを考えた。そして、金属板にメッキを施すこととした。しかしながら、本願の発明者は、このようにメッキの施された金属板を用いた際、リフローする(リフローはんだ付けを行う)とメッキが再溶融してしまうという問題に直面した。そして、このようにメッキが再溶融すると、下地の金属が露出したり表面に凹凸が形成されたりすることで、実装不具合が発生することがあった。
【0040】
この点、本実施の形態によれば、一方の金属板10にメッキが施され、他方の金属板50に、ICチップ等の実装部品91がリフローはんだ付けされている実装基板90が連結されていることから、他方の金属板50及び実装基板90のみをリフローすることで、メッキの施された一方の金属板10を再加熱してメッキを再溶融する必要がない。このため、一方の金属板10のメッキが再溶融することを避けることができ、その結果、実装不具合が発生することを防止することができる。
【0041】
なお、リードフレーム全体にメッキを施す際には、ロール状で巻かれたリードフレームを繰り出してメッキ液に浸すことでメッキを施し、その後で再びロール状で巻くことが考えられる。しかしながら、このようにロール状で巻くことからリードフレーム全体が曲がってしまい(コイルセットが発生し)、工程内での組み立て不具合や完成品での寸法精度に影響が出てしまう可能性がある。この点、本実施の形態によれば、一方の金属板10のみにメッキを施し他方の金属板50にはメッキを施さないことから、曲げによる不都合を極力小さくすることができる。また、このように一方の金属板10のみに曲げが発生することから、曲げを直すのにもそれほど大きな手間がかからない。
【0042】
また、リードフレームの先端にプレスフィットピン等の端子15が設けられている場合には、端子15の先端について高い位置精度が求められており、このような場合には、より高い寸法精度が要求される。この点、本実施の形態では、後述するように様々な手法によって、一方の金属板10が他方の金属板50に対して位置決めされる。このため、本実施の形態によれば、高い寸法精度の要求を満たすことができる。
【0043】
次に、半導体装置の製造方法について、本実施の形態によるリードフレーム及びリードフレームの製造方法によって達成される効果について触れつつ説明する。
【0044】
まず、全面にメッキが施された一方の金属板10と、他方の金属板50とが準備される。本実施の形態では、この際、他方の金属板50には実装部品91が載置された実装基板90が連結されている。
【0045】
次に、第一延在部12が第一嵌め込み部62内に位置づけられ、第二延在部13が第二嵌め込み部63内に位置づけられ、第三延在部22が第三嵌め込み部72内に位置づけられ、第四延在部23が第四嵌め込み部73内に位置づけられる(
図1及び
図2参照)。
【0046】
なお、本実施の形態では、一対の第一凸部66の間に第一縮小部16が位置づけられることで、第一延在部12及び第一嵌め込み部62が互いの位置を位置決めされる。また、一対の第二凸部68の間に第二縮小部18が位置づけられることで、第二延在部13及び第二嵌め込み部63が互いの位置を位置決めされる。また、一対の第三凸部76の間に第三縮小部26が位置づけられることで、第三延在部22及び第三嵌め込み部72が互いの位置を位置決めされる。また、一対の第四凸部78の間に第四縮小部28が位置づけられることで、第四延在部23及び第四嵌め込み部73が互いの位置を位置決めされる。このため、本実施の形態によれば、簡易な態様で、一方の金属板10を他方の金属板50に対して位置決めすることができる。また、本実施の形態では、一方の金属板10の四隅で、一方の金属板10を他方の金属板50に対して位置決めすることができるので、正確な位置決めを期待することができる。
【0047】
次に、第一延在部12の第一拡大部17が押圧される。このように第一拡大部17が押圧されることで、第一拡大部17が延びて第一収容部67に対してかしめられる。その結果、第一延在部12の第一嵌め込み部62に対する位置決めが行われる。同様に、第二延在部13の第二拡大部19が押圧される。このように第二拡大部19が押圧されることで、第二拡大部19が延びて第二収容部69に対してかしめられる。その結果、第二延在部13の第二嵌め込み部63に対する位置決めが行われる。同様に、第三延在部22の第三拡大部27が押圧される。このように第三拡大部27が押圧されることで、第三拡大部27が延びて第三収容部77に対してかしめられる。その結果、第三延在部22の第三嵌め込み部72に対する位置決めが行われる。同様に、第四延在部23の第四拡大部29が押圧される。このように第四拡大部29が押圧されることで、第四拡大部29が延びて第四収容部79に対してかしめられる。その結果、第四延在部23の第四嵌め込み部73に対する位置決めが行われる。
【0048】
上述のように、本実施の形態では、第一延在部本体12aのうち第一突出部31よりも先端側、つまり第一拡大部17を押圧して第一拡大部17を変形させることで、第一拡大部17の少なくとも先端が第一収容部67に当接して、第一延在部本体12aが第一嵌め込み部62に対してかしめられて位置決めされるが、この際、第一突出部31が端子15側に移動し、第一突出部31の端子15側の端部が第一凹部41に当接する。また、本実施の形態では、第二延在部本体13aのうち第二突出部32よりも先端側、つまり第二拡大部19を押圧して第二拡大部19を変形させることで、第二拡大部19の少なくとも先端が第二収容部69に当接して、第二延在部本体13aが第二嵌め込み部63に対してかしめられて位置決めされるが、この際、第二突出部32が端子15側に移動し、第二突出部32の端子15側の端部が第二凹部42に当接する。
【0049】
すなわち、本実施の形態によれば、第一延在部本体12aの第一拡大部17を第一収容部67に対してかしめて位置決めする際に、第一突出部31の端子15側の端部が第一凹部41に当接し、第一連結部11側に力が伝わることを防止することができる。また、第二延在部本体13aの第二拡大部19を第二収容部69に対してかしめて位置決めする際に、第二突出部32の端子15側の端部が第二凹部42に当接し、第一連結部11側に力が伝わることを防止することができる。このため、一方の金属板10を他方の金属板50に対してかしめる際に、一方の金属板10に反りが発生してしまうことを防止することができる。
【0050】
また、本実施の形態では、第三延在部本体22aのうち第三突出部33よりも先端側、つまり第三拡大部27を押圧して第三拡大部27を変形させることで、第三拡大部27の少なくとも先端が第三収容部77に当接して、第三延在部本体22aが第三嵌め込み部72に対してかしめられて位置決めされるが、この際、第三突出部33が端子15側に移動し、第三突出部33の端子15側の端部が第三凹部43に当接する。また、第四延在部本体23aのうち第四突出部34よりも先端側、つまり第四拡大部29を押圧して第四拡大部29を変形させることで、第四拡大部29の少なくとも先端が第四収容部79に当接して、第四延在部本体23aが第四嵌め込み部73に対してかしめられて位置決めされるが、この際、第四突出部34が端子15側に移動し、第四突出部34の端子15側の端部が第四凹部44に当接する。
【0051】
すなわち、本実施の形態によれば、第三延在部本体22aの第三拡大部27を第三収容部77に対してかしめて位置決めする際に、第三突出部33の端子15側の端部が第三凹部43に当接し、第二連結部21側に力が伝わることを防止することができる。また、第四延在部本体23aの第四拡大部29を第四収容部79に対してかしめて位置決めする際に、第四突出部34の端子15側の端部が第四凹部44に当接し、第二連結部21側に力が伝わることを防止することができる。このため、一方の金属板10を他方の金属板50に対してかしめる際に、一方の金属板10に反りが発生してしまうことを防止することができる。
【0052】
また、本実施の形態によれば、第一延在部12、第二延在部13、第三延在部22及び第四延在部23の各々を、第一嵌め込み部62、第二嵌め込み部63、第三嵌め込み部72及び第四嵌め込み部73に対してかしめる。このため、一方の金属板10の四隅で、一方の金属板10を他方の金属板50に対してさらに精度高く位置決めすることができるので、より正確な位置決めを期待することができる。
【0053】
また、本実施の形態によれば、第一突出部31が第一延在部本体12aの両側から延びた一対の第一突出部分31a,31bを有している。このため、第一延在部本体12aの第一拡大部17を第一収容部67に対してかしめて位置決めする際に、一方の金属板10が他方の金属板50に対して回転してしまうことを防止できる。つまり、第一突出部31が一つしか設けられていない場合や複数の第一突出部31がある場合であっても全ての第一突出部31が第一延在部本体12aの一側方にしか設けられていない場合には、第一延在部本体12aの第一拡大部17を第一収容部67に対してかしめて位置決めする際に、一つの第一突出部31の端子15側の端部又は一側方にしか設けられていない第一突出部31の端子15側の端部だけが第一凹部41に当接するので、一方の金属板10が他方の金属板50に対して回転してしまう可能性がある。他方、本実施の形態のように第一突出部31が第一延在部本体12aの両側から延びた一対の第一突出部分31a,31bを有している態様を採用することで、第一拡大部17を第一収容部67に対してかしめて位置決めする際に、第一延在部本体12aの両側から延びた一対の第一突出部分31a,31bの各々が第一凹部41に当接し、一方の金属板10が他方の金属板50に対して回転してしまうことを防止できる。
【0054】
また、本実施の形態では、第二突出部32も、第二延在部本体13aの両側から延びた一対の第二突出部分32a,32bを有している。このため、第一突出部31に関して述べたのと同様の理由から、第二延在部本体13aの第二拡大部19を第二収容部69に対してかしめて位置決めする際に、一方の金属板10が他方の金属板50に対して回転してしまうことを防止できる。同様に、第三突出部33も、第三延在部本体22aの両側から延びた一対の第三突出部分33a,33bを有している。このため、第一突出部31に関して述べたのと同様の理由から、第三延在部本体22aの第三拡大部27を第三収容部77に対してかしめて位置決めする際に、一方の金属板10が他方の金属板50に対して回転してしまうことを防止できる。同様に、本実施の形態では、第四突出部34も、第四延在部本体23aの両側から延びた一対の第四突出部分34a,34bを有している。このため、第一突出部31に関して述べたのと同様の理由から、第四延在部本体23aの第四拡大部29を第四収容部79に対してかしめて位置決めする際に、一方の金属板10が他方の金属板50に対して回転してしまうことを防止できる。
【0055】
上述したように、第一延在部12、第二延在部13、第三延在部22及び第四延在部23の各々を、第一嵌め込み部62、第二嵌め込み部63、第三嵌め込み部72及び第四嵌め込み部73に対してかしめた後で、第一延在部12を第一嵌め込み部62に対して例えばレーザによって溶接し、第二延在部13を第二嵌め込み部63に対して例えばレーザによって溶接し、第三延在部22を第三嵌め込み部72に対して例えばレーザによって溶接し、第四延在部23を第四嵌め込み部73に対して例えばレーザによって溶接する。この結果、一方の金属板10が他方の金属板50に接合されることとなる。
【0056】
次に、一方の金属板10の各端子15と実装部品91又は実装基板90上の回路(図示せず)とがワイヤ96で接続される(
図3参照)。
【0057】
次に、金型100によって、リードフレーム上の実装部品91が取り囲まれる(
図3参照)。その後、金型100の中に樹脂が流し込まれることで、実装部品91が樹脂で封入される。
【0058】
次に、金型100に流し込まれた樹脂を硬化することで、樹脂で封入された実装部品91を備えた半導体装置が完成する。なお、樹脂が硬化された後で、金型100は取り外されることとなる。
【0059】
以上のようにして、樹脂封入された実装部品91を備えた半導体装置が製造される。
【0060】
最後になったが、上述した実施の形態の記載及び図面の開示は、特許請求の範囲に記載された発明を説明するための一例に過ぎず、上述した実施の形態の記載又は図面の開示によって特許請求の範囲に記載された発明が限定されることはない。