(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための電源装置及びこれを備える電動車両並びに蓄電装置を例示するものであって、本発明は電源装置及びこれを備える電動車両並びに蓄電装置を以下のものに特定しない。なお、特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている構成部材の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。また、一部の実施例、実施形態において説明された内容は、他の実施例、実施形態等に利用可能なものもある。
(実施の形態1)
【0019】
本発明の実施の形態1に係る電源装置100の分解斜視図を
図1に、
図1の電源装置100の垂直断面図を
図2に、
図1の電源装置100の平面図を
図3に、それぞれ示す。
図1に示す電源装置100は、複数枚の電池セル1と、電池セル1同士の間に介在されるスペーサ15と、電池セル1とスペーサ15とを交互に積層した電池積層体2の各端面にそれぞれ配置されるエンドプレート3と、エンドプレート3同士を締結する締結手段と、電池積層体2の上面に配置されるガスダクト6と、ガスダクト6の上面に配置される回路基板9とを備える。
【0020】
スペーサ15は、電池セル1同士を絶縁するため、絶縁性の部材で構成される。またエンドプレート3は、電池積層体2を積層した状態で締結するため、金属製等の剛性の高い部材で構成される。さらに締結手段4は、同様に剛性の高い金属板等で構成される。ここでは、金属板を断面視コ字状に折曲して、端部をエンドプレート3にねじ止め等により固定している。また締結手段は、電池積層体2の締結のみならず、電池積層体2の上面にガスダクト6を固定する部材として兼用することもできる。ここでは、電池積層体2を側面で締結する締結手段4に加えて、電池積層体2の上面に第二締結手段5を設けている。
(電池セル1)
【0021】
また各電池セル1は、角形の外装缶1aを有している。外装缶1aの上面にガス排出口12を開口し、さらにガス排出口12をガス排出弁11で閉塞している。ガス排出弁11は、外装缶1aの内圧が高くなったことに反応して、開弁するよう構成される。
(ガスダクト6)
【0022】
ガスダクト6は、電池セル1の積層方向に延長された中空状の筒体であり、端部にダクト排出部6xを開口している。ガスダクト6の底面側には、各電池セル1のガス排出弁11と対応する位置に、連結開口が開口されている。連結開口はそれぞれ、ガス排出弁11が開弁された状態でガス排出口12と連通され、電池セル1から排出される高圧のガスが、ガスダクト6内に案内されるよう構成されている。さらにガスダクト6の内部は、一方の端部を閉塞し、他方の端部にダクト排出部6xを開口させている。ダクト排出部6xは、ガス排出路36と連結されて、ガスを安全に外部に排出する。このガスダクトは、各連結開口がガス排出弁と連通するように位置決めして、電池積層体2の上面に固定されている。
図2の例では、ガスダクト6の延長方向における断面を、横長の矩形状に形成している。ただガスダクトの内部形状は、管状、あるいは逆U字状やU字状等、任意の形状とできる。
(回路基板9)
【0023】
さらにガスダクト6の上面には、電子回路を実装した回路基板9が固定されている。回路基板9に実装される電子回路は、電池セルの電圧等を監視するための保護回路や制御回路等とできる。回路基板9は、ガスダクト6の長手方向の長さよりも短く、かつ長手方向と交差するガスダクト6の幅方向においては、ガスダクト6よりも幅広に形成されている。また回路基板9は、
図2に示すようにガスダクト6の上面から距離dを隔てて離間して固定されている。
(第一部品51、第二部品52)
【0024】
この回路基板9には、電子回路を構成する第一部品51と第二部品52とを実装している。第二部品52は、第一部品51よりも背の高さを低くした電子部品である。また回路基板9は、
図3の平面図に示すように、ガスダクト6と対向する面において、このガスダクト6と重複しない第一領域9aと、ガスダクト6と重複する第二領域9bとを有している。この第一領域9aに、第一部品51を実装すると共に、第二領域9bに、第二部品52を実装している。このようにすることで、
図2の断面図に示すように、電源装置の高さが高くなるガスダクト6と回路基板9との重複領域において、高さの高い電子部品を排除することで、ガスダクト6と回路基板9とを必要以上に離間させる必要をなくし、もって電源装置が高くなることを回避できる。
【0025】
図2の例において、回路基板9とガスダクト6との離間距離をdとし、第一部品51の高さa1、第二部品52の高さa2とすると、a2<d<a1の関係が成立する。
【0026】
第一部品51は、背の高い電子部品、例えばコイルを含む素子やDC/ACコンバータを構成するのパワー系素子、電解コンデンサ等とする。これにより、このような嵩高い電子部品も、電源装置内に外形の大型化を回避しつつ効率よく配置できる。また、パワー系素子は発熱量も大きいため、放熱性の点からもスペースに余裕のある空間に配置することは有利となる。
【0027】
また
図3の例では、第一領域9aと第二領域9bは、回路基板9の、電池セル1の積層方向に沿って平行に配置されている。ここでは、第二領域9bを、回路基板9の、電池セル1の積層方向と垂直な幅方向における中心に配置している。さらに第二領域9bの両側に、第一領域9aがそれぞれ配置されている。このようにすることで、回路基板9をバランスよくガスダクト6上に配置して固定できる。
(実施の形態2)
【0028】
また、上記の例では回路基板9の一面(
図2において回路基板9の下面側)にのみ、電子部品を実装する例を示したが、この例に限られず、回路基板をその両面に電子部品を実装可能な両面基板とすることもできる。このような例を実施の形態2として
図4に示す。この図に示す電源装置200の例では、回路基板9’の上面側にも、電子部品である第三部品53を実装している。第三部品53を実装する回路基板9’の上面側は、ガスダクト6等による制約がないため、任意の位置に実装することが可能である。ただ、余り高い部材を実装すると、回路基板を閉塞するトップカバーと回路基板との間隔が広くなって、電源装置の大型化を招くため、この点に配慮して第三部品の許容高さを設計する。
【0029】
このようにして、回路基板上のガスダクトと干渉する位置には、高さの低い電子部品を実装し、干渉しない位置には、より背の高い電子部品を実装することで、空間を有効に利用した部品配置が可能となり、ガスダクトと回路基板との離間距離を抑制できるので、全体として電源装置の高さを低く抑えることが可能となる。また、第二領域に配置する第二部品として、発熱量の大きい電子部品を選択することで、より上部空間に余裕のある第二領域にて発熱させることで、放熱性を高められる効果も得られる。
(実施例1)
【0030】
以下、本発明の実施例1に係る電源装置として車載用の電源装置に適用した例を、
図5〜
図11Bに基づいて説明する。これらの図において、
図5は電源装置1000の斜視図、
図6は
図5の電源装置1000のVI−VI線断面図、
図7は
図5の電源装置1000のVII−VII線断面に相当する一部拡大断面図、
図8は
図5の電源装置1000を斜め下方から見た斜視図、
図9は
図5の電源装置1000の分解斜視図、
図10は電池積層体2の分解斜視図、
図11Aは電池セル1の斜視図、
図11Bは
図11Aの電池セル1のガス排出弁11が開弁した状態を示す斜視図を、それぞれ示している。これらの図に示す電源装置1000は、主として、エンジンとモータの両方で走行するハイブリッド車や、モータのみで走行する電気自動車等の電動車両の電源に好適である。ただ、本発明の電源装置は、ハイブリッド車や電気自動車以外の車両に使用したり、あるいは電動車両以外の大出力が要求される用途にも使用できる。
【0031】
図5〜
図11Bに示す電源装置1000は、ガス排出弁11を有するガス排出口12を封口板10に設けている複数の電池セル1と、これらの電池セル1を積層してなる電池積層体2と、この電池積層体2の一面に、各電池セル1のガス排出口12と連結するように固定されたガスダクト6とを備えている。さらに電源装置1000は、電池積層体2の両端面に配置されたエンドプレート3と、エンドプレート3に固定されて、このエンドプレート3を介して電池積層体2を積層方向に締結する締結手段4を備える。締結手段4はさらに、電池積層体2の一面であって、ガスダクト6が固定される面に対向して配置されるようにエンドプレート3に固定されると共に、このエンドプレート3を介して電池積層体2を積層方向に締結する第二締結手段5を備えている。
図9の電源装置1000は、この第二締結手段5を介して、ガスダクト6を電池積層体2の定位置に配置している。
(電池積層体2)
【0032】
図5〜
図11Bに示す電源装置1000は、外形を角形とする複数の電池セル1を積層して電池積層体2としている。各電池セル1は、角形の外装缶1aを有しており、この外装缶1aの内部で発生したガスを排出するためのガス排出弁11を備えている。電池セル1は、ガス排出弁11からガスを排出するためのガス排出口12を外装缶1aの表面に設けている。
図10に示す電池積層体2は、複数の電池セル1を、封口板10を略同一面に配置する姿勢で積層して、複数のガス排出口12を第1の表面2Aに配置している。また電池積層体2は、ガス排出弁11を設けている封口板10を上面とする姿勢で、複数の電池セル1を積層している。
(電池セル1)
【0033】
電池セル1は、
図10及び
図11Aの斜視図に示すように、厚さに比べて幅が広い、言い換えると幅よりも薄い角形の電池としている。この電池セル1を複数枚、厚さ方向に積層して電池積層体2とする。各電池セル1は、リチウムイオン二次電池である。ただし、電池セルは、ニッケル水素電池やニッケルカドミウム電池等の二次電池とすることもできる。
図10の電池セル1は、幅の広い両表面を四角形とする電池で、両表面を対向するように積層して電池積層体2としている。各電池セル1は、上面である封口板10の両端部に正負の電極端子13を突出して設けて、中央部にはガス排出弁11のガス排出口12を設けている。角形の電池セル1は、底を閉塞する筒状に金属板をプレス加工している外装缶1aの開口部を、封口板10で閉塞して密閉している。封口板10は平面状の金属板で、その外形を外装缶1aの開口部の形状としている。この封口板10はレーザ溶接して外装缶1aの外周縁に固定されて外装缶1aの開口部を気密に閉塞している。外装缶1aに固定される封口板10は、その両端部に正負の電極端子13を固定しており、さらに正負の電極端子13の中間にはガス排出口12を設けている。ガス排出口12の内部にはガス排出弁11を設けている。
(ガス排出弁11)
【0034】
ガス排出弁11は、通常時では
図6の断面図に示すようにガス排出口12を閉塞している。一方、電池セル1の内圧が設定圧力よりも高くなると、ガス排出弁11が開弁される。すなわち、外装缶1aの内圧が所定の圧力に達すると、
図11A及び
図11Bに示すようにガス排出弁11が破断されて、ガス排出口12を開放させる。ガス排出弁11が開弁されると、ガス排出口12を介して電池セル1の内部が外部に開放され、内部のガスを放出して内圧の上昇が防止される。
【0035】
図11Aの例では、封口板10の長手方向の中心に、トラック状に破断部12Aを形成してガス排出弁11としている。このガス排出弁11は、設定圧力で破断部12Aが破断されてトラック状のガス排出口12を開弁させる。トラック状のガス排出口12は、その長手方向が、封口板10の長手方向と一致する姿勢に形成される。
【0036】
さらにガス排出口12の長手方向の中心にも、第二破断部12Bを設けている。そして、第二破断部12Bを、トラック状破断部12Aよりも破断し易くしている。具体的には、封口板10の厚さを肉薄にすることでトラック状破断部12A及び第二破断部12Bを形成しつつ、第二破断部12Bの厚さを、トラック状破断部12Aよりも薄くなるように構成する。これによって、肉薄とすることで強度を弱くした第二破断部12Bが、トラック状破断部12Aよりも先に破断される。この結果、
図11Bに示すように第二破断部12Bで破断されたガス排出弁11は、中央部分から裂けるようにして観音開き状に開弁される。この構成は、ガス排出弁11の開弁動作を無理なく確実に行える利点が得られる。
【0037】
また、破断されたガス排出弁11は、封口板10から分離しないままとすることが好ましい。このため、トラック状破断部12Aは、その端縁部分を他の部分よりも肉厚とすることが好ましい。これにより、ガス排出弁11とガス排出口12との連結は、ガス排出弁11の端縁部分で破断され難くなって、ガス排出弁11を構成する金属片がガスダクト6内に侵入する可能性を低減できる。すなわち、破断部を構成する薄肉部を、中央の第二破断部12Bで薄く、周囲のトラック状破断部12Aで厚くし、特にガス排出弁11の付け根の部分で厚くする。これにより、高圧時にガス排出口12の中央で破断して開弁し易くすると共に、付け根の部分を残して、ガス排出弁11が外装缶1aから引き千切られる可能性を低減できる。
【0038】
なお
図11Aの例では、ガス排出弁11を封口板10と一体的に形成しているが、ガス排出弁を別部材とし、溶接や接着等により封口板に予め開口されたガス排出口に固定することも可能であることはいうまでもない。
【0039】
積層される複数の電池セル1は、正負の電極端子13を接続して互いに直列及び/又は並列に接続される。電源装置は、隣接する電池セル1の正負の電極端子13を、バスバー14を介して互いに直列及び/又は並列に接続する。隣接する電池セルを互いに直列に接続する電源装置は、出力電圧を高くして出力を大きくでき、隣接する電池セルを並列に接続して、充放電の電流を大きくできる。
【0040】
図9と
図10に示す電池積層体2は、12個の電池セル1を、スペーサ15を介して互いに積層しており、これらの電池セル1を直列に接続している。図の電池積層体2は、互いに隣接する電池セル1同士を逆向きに並べており、その両側において隣接する電極端子13同士をバスバー14で連結して、隣り合う2個の電池セル1を直列に接続して、すべての電池セル1を直列に接続している。ただ、本発明は、電池積層体を構成する電池セルの個数とその接続状態を特定しない。
(スペーサ15)
【0041】
電池積層体2は、
図10に示すように、積層している電池セル1の間にスペーサ15を挟着している。スペーサ15は、隣接する電池セル1を絶縁する。図に示すスペーサ15は絶縁シートである。この絶縁シートには、例えば、プラスチックシートが使用できる。プラスチック製の絶縁シートからなるスペーサ15は、厚さを薄くできるので、電池積層体2の全長を短くして全体をコンパクトにできる特徴がある。ただ、スペーサには、プラスチックを板状に成形したものも使用できる。このスペーサは、電池セルを嵌着して定位置に配置する形状として、隣接する電池セルを位置ずれしないように積層できる。また、プラスチックで成形されるスペーサは、空気等の冷却気体を通過させる冷却隙間を表面に設けて、電池セルを冷却することもできる。この構造は、冷却隙間に空気を強制送風させて、電池セルの外装缶1aを直接に効率よく冷却できる。さらに、熱伝導率の小さい材質のプラスチックで成形されるスペーサは、隣接する電池セルの熱暴走を効果的に防止できる効果もある。
【0042】
以上のように、スペーサ15で絶縁して積層される電池セル1は、外装缶1aをアルミニウム等の金属製にできる。ただ、電池積層体は、必ずしも電池セルの間にスペーサを介在させる必要はない。例えば、電池セルの外装缶1aを絶縁材で成形し、あるいは電池セルの外装缶1aの外周を絶縁カバーや絶縁塗料等で被覆する等の方法で、互いに隣接する電池セル同士を絶縁することによって、スペーサを不要とできるからである。さらに、電池セルの間にスペーサを介在させない電池積層体は、電池セルの間に冷却風を強制送風して電池セルを冷却する空冷式を採用することなく、冷媒等を用いて直接冷却する方式を採用して電池セルを冷却できる。
(エンドプレート3)
【0043】
電池積層体2の両端面には一対のエンドプレート3を配置して、一対のエンドプレート3で両端から挟着して電池積層体2を締結している。エンドプレート3は、電池セル1の外形と同じ形状と寸法の四角形として、積層している電池積層体2を両端面から挟着している。
図9のエンドプレート3は、全体を金属で製作している。金属製のエンドプレートは、全体を強固にして安定して電池積層体を両端から挟持できる。ただ、エンドプレートは、全体をプラスチック製とすることも、あるいはプラスチック製の本体部に補強金具を固定して補強する構造とすることもできる。
【0044】
図に示すエンドプレート3は、締結手段4や第二締結手段5を定位置に固定できるように、外側表面に締結手段4と第二締結手段5の嵌着凹部3A、3Bを設けている。図のエンドプレート3は、締結手段4を定位置に配置して固定するために、外側表面の四隅のコーナー部に、締結手段4の両端に設けた連結部4Bを嵌着する連結凹部3Aを設けている。図に示すエンドプレート3は、この嵌着凹部3Aの形状を締結手段4の連結部4Bを嵌着できる形状としている。さらに、エンドプレート3は、第二締結手段5を定位置に配置して固定するために、外側表面の上端部に、第二締結手段5の両端に設けた連結部5Bを嵌合させる嵌着凹部3Bも設けている。図に示すエンドプレート3は、この嵌着凹部3Bの形状を第二締結手段5の連結部5Bを嵌合できる形状としている。
【0045】
さらに、図に示すエンドプレート3は、締結手段4と第二締結手段5の両端部を固定する止ネジ18、19をねじ込む雌ネジ孔3a、3bを外周面に設けている。図に示すエンドプレート3は、電池積層体2の両側面2Bの上端部に配置される一対の締結手段4を固定する止ネジ18を挿通する雌ネジ孔3aを、エンドプレート3の上面の左右の両端部に設けている。また、エンドプレート3は、電池積層体2の両側面2Bの下端部に配置される一対の締結手段4を固定する止ネジ18を挿通する雌ネジ孔3bを、エンドプレート3の両側面の下端部に設けている。さらに、エンドプレート3は、電池積層体2の第1の表面2Aに配置される第二締結手段5を固定する止ネジ19を挿通する雌ネジ孔3bを、エンドプレート3の上面の中央部に設けている。以上の構造は、エンドプレート3にねじ込まれる止ネジ18、19の軸方向と電池積層体2の積層方向とが交差する方向となる。このため、電源装置が外部から力を受けて振動する状態において、エンドプレート3にねじ込まれる止ネジ18、19の軸部に作用するせん断力を低減して、止ネジ18、19を保護しながら、より強固な連結強度を実現できる。また、止ネジ18、19の全長をエンドプレート3の厚さよりも大きくして、すなわち、止ネジ18、19の全長を長くして、より強固に連結できる特徴もある。
(締結手段4)
【0046】
締結手段4は、
図5と
図8に示すように、電池積層体2の積層方向に延長されており、両端がエンドプレート3に固定されて、電池積層体2を積層方向に締結する。図に示す締結手段4は、電池積層体2の第1の表面2Aと異なる両側面2Bに対向して配置されている。このように、締結手段4を電池積層体2の両側面2Bに配置して締結する構造は、複数の電池セル1をより確実に積層方向に締結できる。ただ、締結手段は、必ずしも電池積層体の両側面に配置する必要はない。締結手段は、電池積層体の両側面に加えて上面や底面に配置することも、両側面に配置することなく、上面や底面にのみ配置することもできる。
【0047】
締結手段4は、電池積層体2の表面に沿う所定の幅と所定の厚さを有する金属板である。この締結手段4には、鉄等の金属板、好ましくは、鋼板が使用できる。金属板からなる締結手段4は、バインド部4Aの両端に、エンドプレート3に連結する連結部4Bを設けている。図の締結手段4は、その両端部を、エンドプレート3の外側面に沿うようにほぼ直角に折曲加工して、連結部4Bを設けている。この締結手段4は、両端の連結部4Bをエンドプレート3に連結することにより、締結手段4の連結部4Bが電池積層体2の両端に配置された一対のエンドプレート3に係止され、一対のエンドプレート3が所定の間隔となるようにして、電池積層体2を両端から挟着している。
図9の締結手段4は、エンドプレート3の四隅部に設けた嵌着凹部3Aに連結部4Bを連結して、4本の締結手段4で一対のエンドプレート3を連結している。したがって、締結手段4の連結部4Bは、エンドプレート3の嵌着凹部3Aに沿うように折曲加工されている。さらに、締結手段4は、その両端部を止ネジ18でエンドプレート3に固定している。図の締結手段4は、バインド部4Aの両端部に、止ネジ18を挿入する貫通孔を開口して設けている。締結手段4は、両端の連結部4Bをエンドプレート3の嵌着凹部3Aに連結する状態で、貫通孔に止ネジ18を挿入し、この止ネジ18をエンドプレート3の外周面に設けた雌ネジ孔3aにねじ込んで一対のエンドプレート3に固定している。
【0048】
この構成によると、上述の通り、エンドプレート3にねじ込まれる止ネジ18、19の軸方向と電池積層体2の積層方向とが交差する方向となり、止ネジ18、19を保護しながら、より強固な連結強度を実現できるが、これに加え、締結手段4の連結部4Bがエンドプレート3に係止される構成とすることで、電池積層体2の積層方向に対しても、強固な連結強度を実現することができる。また、この構成では、止ネジ18、19が電池積層体2の積層方向に位置しないので、電源装置の大型化を抑制することができる。具体的には、エンドプレート3の寸法は、電池セル1の外装缶1aの大きさと同程度であるため、エンドプレート3の上下方向には、電池セル1の電極端子13の寸法分だけ余裕があり、上記構成とすることで、電源装置の大型化を抑制することができる。
【0049】
さらに、
図6と
図9に示す締結手段4は、バインド部4Aの横断面形状をL字状として、電池積層体2の四隅のコーナー部に配置している。この形状のバインド部4Aは、内面を電池積層体2のコーナー部に沿う状態で配置して、互いに積層される電池セル1の上下左右の振動を抑制できる。それは、電池積層体2の側面2Bに沿う垂直部で電池セル1の左右方向の振動を防止し、電池積層体2の上面と底面に沿う水平部で電池セル1の上下方向の振動を防止できるからである。さらに、横断面形状をL字状とすることで、バインド部4Aの曲げ強度を強くできる特徴もある。ただ、締結手段は、必ずしもすべてのバインド部の横断面形状をL字状とする必要はなく、上側の締結手段のみ横断面形状をL字状として、電池積層体の上側のコーナー部に配置することも、下側の締結手段のみ横断面形状をL字状として、電池積層体の下側のコーナー部に配置することもできる。また、締結手段は、必ずしも電池積層体のコーナー部に沿って配置する必要はなく、電池積層体の両側面に沿って配置することも、両側面と底面に沿って配置することもできる。さらにまた、締結手段は、電池積層体の側面に沿う板状とすることもできる。板状のメイン固定具は、開口部を開口することもできる。
(ガスダクト6)
【0050】
ガスダクト6は、ガス排出弁11から放出されるガスを電源装置の外部に案内するように、各電池セル1のガス排出口12と対向する姿勢で、電池積層体2の上面である第1の表面2Aに配置されている。ガスダクト6は、高圧、高温のガスが排出された際に破壊されない十分な強度に設計され、好ましくは耐熱性、耐薬品製に優れたプラスチック製、例えば、ポリブチレンテレフタラート製とすることができる。ただ、ガスダクトは、ナイロン樹脂、エポキシ樹脂等のプラスチック製とすることもできる。なお、ガスダクトを樹脂で成形する構成には、加工性に優れ、設計上の制約が少ないという利点がある。
【0051】
図6と
図7に示すガスダクト6は、中空状に形成されており、電池積層体2との対向面であって、各電池セル1のガス排出口12と対向する位置に、ガス排出口12に連結される連結開口6bを設けている。図に示すガスダクト6は、内部に柱状のガス経路46を設けており、電池セル1のガス排出口12から排出されるガスを、連結開口6bを通過させてガス経路46に流入するようにしている。
(ダクト排出部6x)
【0052】
さらに、ガスダクト6は、
図7ないし
図9に示すように、一方の端部に、ガスダクト6の内部のガスを外部に排出するダクト排出部6xを設けている。図に示すガスダクト6は、上面から突出する中空の凸部に、内部のガス経路46に連通してなる筒状のパイプを連結してダクト排出部6xとしている。
図7に示すガスダクト6は、このダクト排出部6xに外部のガス排出路36を連結して、ガスダクト6から流入されるガスを外部に排出するようにしている。
【0053】
ダクト排出部6xは、その内径が、ガス排出弁11である金属片の外径よりも小さくなるように形成されている。これによって、高圧ガスによって破断されたガス排出弁11の破片がガスダクト6内に侵入した場合でも、ガス排出路まで送出される事態を回避できる。このため、例えばゴム製のチューブでガス排出路を構成した場合でも、ガス排出弁11の破片によってガス排出経路が破断される事態を回避できる。
【0054】
さらに、ガスダクト6は、ガス排出口12から排出される高温のガスに対して耐性を向上するために、内面に金属層17を設けている。ガスダクト6は、その内面であって、ガス排出口12との対向面に、すなわち連結開口6bを設けた面と対向する内面に金属層17を設けている。
図6〜
図7に示すガスダクト6は、内部に角柱状のガス経路46を設けており、このガス経路46の天面6tであって、連結開口6bを設けた底面と対向する内面にのみ金属層17を設けて、他の面は金属層17を設けることなくガスダクト6の内面を露出させている。この構造は、ガス排出口12から排出される高温のガスを、直接に金属層17に衝突させて、ガスダクト6の天面6tを確実に保護できる。ガス排出口12から噴射される高温のガスは、通常、電池セル1の封口板10に対して垂直方向に噴射されるので、高温のガスが直接噴射される天面6t側が最も熱による影響を受けやすくなる。したがって、この部分にのみに金属層17を設けることで、必要最小限の部位にのみ金属層17を設けて、その耐性を維持することができる。ただ、ガスダクトは、連結開口と対向する内面以外の面、例えば、側壁の内面にも金属層を設けることもできる。
【0055】
図6〜
図7に示すガスダクト6は、金属シート17Aをガスダクト6の内面に固定して金属層17を設けている。ただ、金属層は、金属シートに替えて、薄い金属板をガスダクトの内面に固定して設けることもできる。金属シート17Aや薄い金属板からなる金属層17は、片側の面に接着層を設けて、この接着層を介してガスダクト6の内面に貼付し、あるいは、接着材や両面テープ等を介してガスダクト6の内面に貼付することができる。
【0056】
図9に示すガスダクト6は、第1のダクト6Aと第2のダクト6Bとに分割して製作している。第1のダクト6Aと第2のダクト6Bは、電池セル1の封口板10に垂直な方向に分割されており、第2のダクト6Bを第1のダクト6Aと電池積層体2との間に配置している。このガスダクト6は、第1のダクト6Aと第2のダクト6Bを互いに連結して内部に柱状のガス経路46を形成している。
図6に示す第1のダクト6Aは、内側に溝形凹部6dを有する形状に成形しており、この溝形凹部6dの開口部を、電池セル1のガス排出口12に対向する姿勢として配置している。また第1のダクト6Aは、溝形凹部6dの内面であって、ガス経路46の天面6tに金属層17を設けている。さらに、
図6に示す第1のダクト6Aは、後述する第二締結手段5を介して電池積層体2に固定するために、この溝形凹部6dの開口縁に沿って、外側に突出する鍔部6aを一体成形して設けている。
【0057】
第2のダクト6Bは、電池積層体2の第1の表面2Aに沿って配置される板状で、第1のダクト6Aの鍔部6aを嵌着する段差凹部6cを表面に設けている。第2のダクト6Bは、この段差凹部6cに、第1のダクト6Aの鍔部6aを嵌着させて、第1のダクト6Aと第2のダクト6Bとを連結して中空状のガスダクト6としている。このガスダクト6は、第1のダクト6Aと第2のダクト6Bを振動溶着し、あるいは超音波溶着し、あるいはまた接着して気密に固定することができる。ただ、第1のダクトと第2のダクトは、必ずしも溶着や接着して固定する必要はなく、段差凹部と鍔部との境界にパッキン(図示せず)を配置し、このパッキンを挟着する状態で連結して、第1のダクトと第2のダクトとを気密に連結することもできる。
【0058】
さらに、第2のダクト6Bは、各々の電池セル1のガス排出口12に連結される連結開口6bを設けており、この連結開口6bをガス排出口12に連結している。
図6の第2のダクト6Bは、電池セル1のガス排出口12と対向する位置に、角形の連結開口6bを開口して設けている。ただ、連結開口は、電池セルのガス排出口に沿う長円形状や楕円形状とすることもできる。
【0059】
以上のように、ガスダクト6を第1のダクト6Aと第2のダクト6Bに分割する構造は、第1のダクト6Aと第2のダクト6Bを異なる材質のプラスチックとすることができる。このガスダクト6は、第1のダクト6Aを耐熱性に優れたプラスチックで成形して、第2のダクト6Bを絶縁性に優れたプラスチックで成形することができる。この第1のダクト6Aは、ポリブチレンテレフタラートや、ガラス繊維やカーボン繊維を埋設して補強しているナイロン樹脂やエポキシ樹脂等のプラスチックで製作し、第2のダクト6Bは、ナイロン樹脂やエポキシ樹脂等の絶縁性のプラスチックで製作することができる。絶縁性のプラスチックで成形してなる第2のダクトは、電池セルの表面に接触しても、電池セルの外装缶1aをショートすることはない。
(バスバーホルダ)
【0060】
さらに、
図6、
図7及び
図9に示す電源装置は、電池積層体2の第1の表面2Aにバスバーホルダ8を配置しており、このバスバーホルダ8で互いに積層される電池セル1の封口板10をカバーしている。このバスバーホルダ8は、電池積層体2の上面に沿う外形に成形している。ここで、図に示す電源装置は、このバスバーホルダ8を、ガスダクト6の第2のダクト6Bに兼用している。すなわち、図に示すバスバーホルダ8は、電池積層体2の中央部に配置された複数のガス排出口12と対向する部分を第2のダクト6Bに兼用して複数の連結開口6bを設けている。したがって、このバスバーホルダ8は、ナイロン樹脂、エポキシ樹脂等の絶縁性のプラスチックで成形している。
【0061】
さらに、バスバーホルダ8は、
図6と
図9に示すように、電池セル1の電極端子13と対向する位置にバスバー14を配置するための開口窓24を開口して設けている。図のバスバーホルダ8は、第2ダクト6Bを構成する中央部の両側であって、電池積層体2の両側部に沿って、複数の開口窓24を設けている。開口窓24は、バスバー14を定位置に案内しながら電極端子13に接続できるように、バスバー14の外形に沿う大きさと形状している。バスバーホルダ8の開口窓24に配置されるバスバー14は、電池セル1の電極端子13にレーザ溶接等の溶着によって固定されて、複数の電池セル1を所定の接続状態に接続する。ただ、電源装置は、必ずしも電池積層体の第1の表面にバスバーホルダを配置する必要はない。以上のバスバーホルダ8は、ガスダクト6を電池積層体2に連結する第二締結手段5を介して電池積層体2の第1の表面に固定される。
【0062】
以上のように、電池積層体2の第1の表面2Aに配置されるバスバーホルダ8をガスダクト6に兼用する構造は、部品点数を低減して簡単かつ低コストにガスダクト6を配設できる。さらに、バスバーホルダ8を第2ガスダクト6Bに兼用する構造は、電源装置の組立工程において、締結手段4を介して、電池積層体2を予め締結した状態で、第1ガスダクト6Aを連結させることができるので、第1ガスダクト6Aをより確実に、第2ガスダクト6Bと気密状態に連結させることができる。ただ、本発明の電源装置は、バスバーホルダをガスダクトに兼用することなく、ガスダクトを別部材として電池積層体の第1の表面に配置することもできる。
(第二締結手段5)
【0063】
以上のガスダクト6は、電池積層体2のガス排出口12に対向して配置されて、電池積層体2の第1の表面2Aに配置される第二締結手段5を介して定位置に固定される。第二締結手段5は、
図9に示すように、電池積層体2の第1の表面2Aに対向して配置されて、ガスダクト6を電池積層体2の定位置に配置している。この第二締結手段5も、両端がエンドプレート3に固定されて電池積層体2を第1の表面2Aで締結する。第二締結手段5は、所定の幅と厚さを有する金属板で、鉄等の金属板、好ましくは、鋼板が使用できる。金属板からなる第二締結手段5は、バインド部5Aの両端に、エンドプレート3の外側表面に連結する連結部5Bを設けている。
【0064】
図に示す第二締結手段5は、2列のバインド部5Aと、これらのバインド部5Aの両端を連結してなる連結部5Bとを備えている。2列のバインド部5Aは、ガスダクト6の両側に沿って配置されている。2列のバインド部5Aは、ガスダクト6の両側に設けられた鍔部6aを押圧できるように、所定の間隔で配置されている。第二締結手段5は、2列のバインド部5Aの間にガスダクト6を配置する状態でエンドプレート3に固定されて、2列のバインド部5Aで鍔部6aを押圧している。2列のバインド部5Aは両端を連結部5Bで連結しており、この連結部5Bをほぼ直角に折曲して、エンドプレート2に連結している。第二締結手段5は、両端の連結部5Bをエンドプレート3に設けた嵌着凹部3Bに連結することにより、一対のエンドプレート3を所定の間隔として、電池積層体2を両端から挟着する。さらに、第二締結手段5は、その両端部を止ネジ19でエンドプレート3に固定している。図の第二締結手段5は、バインド部5Aの両端部に、止ネジ19を挿入する貫通孔を開口して設けている。第二締結手段5は、両端の連結部5Bをエンドプレート3の嵌着凹部3Bに連結する状態で、貫通孔に止ネジ19を挿入し、この止ネジ19をエンドプレート3の外周面に設けた雌ネジ孔3bにねじ込んで一対のエンドプレート3に固定している。
【0065】
図に示す第二締結手段5は、2列のバインド部5Aと両端の連結部5Bとを一体的に成形しているが、第二締結手段は、2本に分割することもできる。2本に分割される第二締結手段は、図示しないが、各々をガスダクトの両側に沿って配置して、各々のバインド部でガスダクトの両側から突出する鍔部を沿う敦手を押圧することができる。
【0066】
さらに、第二締結手段は、図示しないが、2列のバインド部を、中間に設けた橋渡し部で連結し、この橋渡し部をガスダクトの上面に配置することもできる。この第二締結手段は、橋渡し部でガスダクトの上面を押圧して、ガスダクトを電池積層体の第1の表面の定位置に配置できる。さらに、第二締結手段は、図示しないが、1列のバインド部を備えて、このバインド部でガスダクトの上面を押圧して、ガスダクトを電池積層体の第1の表面の定位置に配置することもできる。
(回路基板9)
【0067】
さらに、
図6と
図9に示す電源装置は、電池積層体2に接続している回路基板9を備えており、この回路基板9をガスダクト6の上方であって、トップカバー20との間に配置している。図に示すトップカバー20は、上面側に回路基板9を収納する収納凹部21を設けており、この収納凹部21に回路基板9を収納している。回路基板9は、電池セル1の保護回路を実現する電子部品(図示せず)等を実装している。この回路基板9は、各々の電池セル1に接続されてセル電圧を検出する電圧検出回路、電池セル1の温度を検出する温度検出回路等を実装しており、セル電圧を検出して電池セル1の過充電や過放電を防止するように制御し、あるいは電池セル1の異常な温度上昇を防止するように充放電を制御する。これらの回路を実現する電子部品は、回路基板9に配置されて、収納凹部21に収納される。
【0068】
図に示す回路基板9は、第二締結手段5を介してガスダクト6の上面の定位置に配置している。
図6、
図7、及び
図9に示す第二締結手段5は、回路基板9を固定するために、バインド部5Aの上面に複数のナット26を固定している。図の電源装置は、回路基板9を貫通する止ネジ25を第二締結手段5に設けたナット26にねじ込んで、回路基板9をガスダクト6の上面の定位置に配置している。この電源装置は、回路基板9と電池積層体2との間に金属板からなる第二締結手段5を配置するので、第二締結手段5の金属板でもって、回路基板9を電池積層体2からシールドできる。さらに、この電源装置は、ガスダクト6の内面に金属層17を設けているので、この金属層17によっても回路基板9を電池積層体2からシールドできる。電池積層体2は大電流で充放電され、とくに大きなパルス電流で充放電されることから、パルス性のノイズが放射される。第二締結手段5の金属板やガスダクト6の金属層17は、回路基板9と電池積層体2との間にあって、電池積層体2から放射されるパルス性の誘導ノイズから回路基板9をシールドして、回路基板9の誘導ノイズによる誤動作を防止できる特徴がある。特に、金属板である第二締結手段をアースラインに接続することで、電池積層体2からの誘導ノイズをより効果的にシールドできる。
(トップカバー)
【0069】
さらに、
図6と
図7の電源装置は、上面にトップカバー20を配置している。このトップカバー20は、バスバーホルダ8の上面をカバーして、電池積層体2に接続されたバスバー14や回路基板9をカバーして保護する。したがって、トップカバー20は、バスバーホルダ8の上面をカバーできる外形であって、内部に回路基板9を収納できる空間を有する形状にプラスチックで成形している。
図6のトップカバー20は、全体を下側開口の浅い容器形状に成形しており、中央部を周囲よりも一段深く成形して、回路基板9を収納するための収納凹部21を設けている。
【0070】
さらに、トップカバー20は、
図5に示すように、一方の端部に、ガスダクト6のダクト排出部6xを外部に突出させるための切欠部22を設けている。このトップカバー20は、
図5に示すように、電池積層体2の上面に連結される状態で、この切欠部22からダクト排出部6xを外部に表出させる。さらにまた、
図5に示すトップカバー20は、両端部に出力用の端子窓23を開口している。電池積層体2は、両端に配置される電池セル1の電極端子13に出力用端子板16を接続している。トップカバーは、これらの出力用端子板16を外部に表出させるための端子窓23を両端に開口して設けている。
【0071】
以上のトップカバー20は、止ネジ27を介してガスダクト6に固定している。
図9に示すガスダクト6は、トップカバー20を定位置に固定するために、上面に連結ボス28を一体成形して設けている。
図9の連結ボス28は、ガスダクト6の両端部の上面に突出して設けられている。トップカバー20は、連結ボス28と対向する位置に貫通孔29を開口しており、この貫通孔29に挿通される止ネジ27がガスダクト6の連結ボス28にねじ込まれて電池積層体2の定位置に固定されている。トップカバー20を備えた電源装置は、高電圧となる電池セル1同士の接続部分や、回路基板9等が露出することを防止することができ、例えば、メンテナンスの際等に、不用意に電池セル1同士の接続部分や、回路基板9等に接触し、回路が短絡したりすることを防止できる。また、簡易的な防水効果も得られる。
【0072】
以上の実施形態の電源装置は、ガスダクト6を、第二締結手段5を介して電池積層体2の第1の表面2Aに固定している。ただ、ガスダクトは、必ずしも第二締結手段を介して電池積層体に固定する必要はなく、他の連結構造を介して電池積層体に固定することもできる。
【0073】
電源装置の冷却は、例えば電池積層体の底面に冷却プレートを配置して、冷却プレートに伝熱させることで行われる。冷却プレートの内部に冷媒を循環させる等して、冷却プレートを強制的に冷却して、熱交換により効率よく冷却できる。また、冷却プレートに代えて、例えば車載用の電源装置であれば、車のシャーシに電池積層体を固定し、シャーシとの熱交換で自然放熱させてもよい。また、このような冷却プレート等の固定位置は、必ずしも電池積層体の底面とする必要はなく、側面等他の面とすることもできる。あるいはまた、電池セルに冷却空気を流す空冷式としてもよい。例えば、電池セル同士の間に配置されたスペーサに、上述の通り冷却空気の流路を設けて、ここに冷却空気を流すことで電池セルを効果的に空冷できる。
【0074】
以上の電源装置は、車載用の電源として利用できる。電源装置を搭載する車両としては、エンジンとモータの両方で走行するハイブリッド自動車やプラグインハイブリッド自動車、あるいはモータのみで走行する電気自動車等の電動車両が利用でき、これらの車両の電源として使用される。
(ハイブリッド車用電源装置)
【0075】
図12に、エンジンとモータの両方で走行するハイブリッド自動車に電源装置を搭載する例を示す。この図に示す電源装置を搭載した車両HVは、車両HVを走行させるエンジン96及び走行用のモータ93と、モータ93に電力を供給する電源装置1000と、電源装置1000の電池を充電する発電機94とを備えている。電源装置1000は、DC/ACインバータ95を介してモータ93と発電機94に接続している。車両HVは、電源装置1000の電池を充放電しながらモータ93とエンジン96の両方で走行する。モータ93は、エンジン効率の悪い領域、例えば加速時や低速走行時に駆動されて車両を走行させる。モータ93は、電源装置1000から電力が供給されて駆動する。発電機94は、エンジン96で駆動され、あるいは車両にブレーキをかけるときの回生制動で駆動されて、電源装置1000の電池を充電する。
(電気自動車用電源装置)
【0076】
また、
図13に、モータのみで走行する電気自動車に電源装置を搭載する例を示す。この図に示す電源装置を搭載した車両EVは、車両EVを走行させる走行用のモータ93と、このモータ93に電力を供給する電源装置1000と、この電源装置1000の電池を充電する発電機94とを備えている。電源装置1000は、DC/ACインバータ95を介してモータ93と発電機94に接続している。モータ93は、電源装置1000から電力が供給されて駆動する。発電機94は、車両EVを回生制動する時のエネルギーで駆動されて、電源装置1000の電池を充電する。
(蓄電用電源装置)
【0077】
さらに、この電源装置は、移動体用の動力源としてのみならず、定置型の蓄電用設備としても利用できる。例えば家庭用、工場用の電源として、太陽光や深夜電力等で充電し、必要時に放電する電源システム、あるいは日中の太陽光を充電して夜間に放電する街路灯用の電源や、停電時に駆動する信号機用のバックアップ電源等にも利用できる。このような例を
図14に示す。この図に示す電源装置1000は、複数の電池パック81をユニット状に接続して電池ユニット82を構成している。各電池パック81は、複数の電池セルが直列及び/又は並列に接続されている。各電池パック81は、電源コントローラ84により制御される。この電源装置1000は、電池ユニット82を充電用電源CPで充電した後、負荷LDを駆動する。このため電源装置1000は、充電モードと放電モードを備える。負荷LDと充電用電源CPはそれぞれ、放電スイッチDS及び充電スイッチCSを介して電源装置1000と接続されている。放電スイッチDS及び充電スイッチCSのON/OFFは、電源装置1000の電源コントローラ84によって切り替えられる。充電モードにおいては、電源コントローラ84は充電スイッチCSをONに、放電スイッチDSをOFFに切り替えて、充電用電源CPから電源装置1000への充電を許可する。また充電が完了し満充電になると、あるいは所定値以上の容量が充電された状態で負荷LDからの要求に応じて、電源コントローラ84は充電スイッチCSをOFFに、放電スイッチDSをONにして放電モードに切り替え、電源装置1000から負荷LDへの放電を許可する。また、必要に応じて、充電スイッチCSをONに、放電スイッチDSをONにして、負荷LDの電力供給と、電源装置1000への充電を同時に行うこともできる。
【0078】
電源装置1000で駆動される負荷LDは、放電スイッチDSを介して電源装置1000と接続されている。電源装置1000の放電モードにおいては、電源コントローラ84が放電スイッチDSをONに切り替えて、負荷LDに接続し、電源装置1000からの電力で負荷LDを駆動する。放電スイッチDSはFET等のスイッチング素子が利用できる。放電スイッチDSのON/OFFは、電源装置1000の電源コントローラ84によって制御される。また電源コントローラ84は、外部機器と通信するための通信インターフェースを備えている。
図14の例では、UARTやRS−232C等の既存の通信プロトコルに従い、ホスト機器HTと接続されている。また必要に応じて、電源システムに対してユーザが操作を行うためのユーザインターフェースを設けることもできる。
【0079】
各電池パック81は、信号端子と電源端子を備える。信号端子は、パック入出力端子DIと、パック異常出力端子DAと、パック接続端子DOとを含む。パック入出力端子DIは、他のパック電池や電源コントローラ84からの信号を入出力するための端子であり、パック接続端子DOは子パックである他のパック電池に対して信号を入出力するための端子である。またパック異常出力端子DAは、パック電池の異常を外部に出力するための端子である。さらに電源端子は、電池パック81同士を直列、並列に接続するための端子である。