特許第6189312号(P6189312)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6189312内部補剛を有する管状複合ストラットおよびそれを作製するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6189312
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】内部補剛を有する管状複合ストラットおよびそれを作製するための方法
(51)【国際特許分類】
   F16C 3/02 20060101AFI20170821BHJP
   B29C 70/32 20060101ALI20170821BHJP
   B64D 27/26 20060101ALI20170821BHJP
   B64C 1/00 20060101ALI20170821BHJP
【FI】
   F16C3/02
   B29C70/32
   B64D27/26
   B64C1/00 B
【請求項の数】10
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-539962(P2014-539962)
(86)(22)【出願日】2012年10月5日
(65)【公表番号】特表2015-502504(P2015-502504A)
(43)【公表日】2015年1月22日
(86)【国際出願番号】US2012058994
(87)【国際公開番号】WO2013066565
(87)【国際公開日】20130510
【審査請求日】2015年10月5日
(31)【優先権主張番号】13/288,491
(32)【優先日】2011年11月3日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】サミュエル・アール・ステュワート
【審査官】 瀬川 裕
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−293714(JP,A)
【文献】 特開2003−001716(JP,A)
【文献】 特開2000−108210(JP,A)
【文献】 米国特許第04275122(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16C 3/02
B29C 70/32
B64C 1/00
B64D 27/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
略中空の内部を有する積層された複合管(22)と、
前記複合管(22)の対向する側に取り付けられた、少なくとも1対の長手方向の補剛材(52)と、
前記複合管(22)の各端部に設けられ、構造体に取り付けるように適合された取付け具(24)であって、中心軸線(27)を有した開口(30)を有した取付け具(24)と、
を備えるストラット(20)において、
前記複合管の中空の内部にあって前記複合管に取り付けられている第2の補剛材の対を更に備え、
前記第2の補剛材の対(54)が、前記開口(30)の前記中心軸線(27)を含む平面に対して略対称であり、かつ、
各前記補剛材(52,54)は横断面の形状が台形である、
ことを特徴とするストラット。
【請求項2】
前記補剛材(52,54)が、前記複合管の前記中空の内部に配置されている、請求項1に記載のストラット。
【請求項3】
前記取付け具(24)の前記開口(30)が、前記取付け具(24)を前記構造体に結合する細長いピン(32)を受けるよう適合されており
各前記補剛材(52,54)が、前記開口の前記中心軸線に垂直な平面に対して略対称である、請求項1または2に記載のストラット。
【請求項4】
各前記取付け具(24)が、複数の外側段部を含み、
前記複合管(22)が、前記外側段部にそれぞれ重なり合う複数の層の組を含み、
前記外側段部と、前記重なり合う複数の層の組とが単一のせん断接合部を形成する、請求項1から3のいずれか一項に記載のストラット。
【請求項5】
ストラット(20)を作製するための方法であって、
細長いマンドレル(56)を製造するステップと、
前記マンドレル(56)の各端部に取付け具(24)を配置するステップと、
前記マンドレル(56)上に複合補剛材のレイアップ(50、52)を配置するステップと、
複合層を前記マンドレル(56)上にレイアップすることによって複合管(22)を形成するステップと、
前記複合管(22)および前記複合補剛材を共に養生するステップと、
前記マンドレル(56)を除去するステップと、を含み、
前記マンドレル(56)を製造するステップが、前記マンドレル(56)の各端部上に回転軸を形成するステップ、および前記マンドレル内に前記マンドレルの長さに沿って空隙部を形成するステップを含み、かつ、
前記マンドレル(56)上に前記取付け具(24)を配置するステップが、前記回転軸上に前記取付け具(24)を配置するステップによってなされる、方法。
【請求項6】
前記複合補剛材のレイアップを前記マンドレル上に配置するステップが、
前記複合補剛材をレイアップし、かつ形成するステップと、
前記形成された複合補剛材のレイアップを前記マンドレルの空隙部内に配置するステップと、
を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記複合管を形成するステップが、自動繊維配置機を使用して、複合テープからなる複数のストリップを前記マンドレル(56)の表面上に横たえかつ圧縮することにより実行される、請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
前記複合管(22)を形成するステップが、該複合管と各前記取付け具(24)との間に単一のせん断接合部を形成するステップを含む、請求項5から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記マンドレル(56)を除去するステップが、前記マンドレル(56)を液体で分解するステップを含む、請求項5から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記複合補剛材のレイアップ内に補剛材マンドレルを挿入するステップと、
前記複合管および前記複合補剛材が共に養生された後、前記補剛材マンドレルを除去するステップと
を更に含む、請求項5から9のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して複合円柱構造体に関し、より詳細には、ストラットの強度対重量比率を最大にするために内部補剛されている複合管状ストラットを扱う。
【背景技術】
【0002】
複合体から構成された円柱構造体は、それらの強度対重量比率が好都合であることから、様々な用途で使用されている。複合環状ストラットは、該ストラットの長手軸方向に沿っていずれの方向にも負荷を伝達し、それによって圧縮または引張りを担う支持体または支柱として、例えば宇宙産業において使用することができる。ストラットの端部上の取付け具は、ストラットを構造体に取り付ける地点で追加の強度を提供する。
【0003】
金属から作製されることが多い端部取付け具が、締め具によってではなく、接着剤によって管状複合本体に取り付けられている複合ストラットは公知である。管状本体は、概ね一定の断面、および設計の負荷基準を満たすために比較的厚い壁を有する。2段かたぎ入れによって、取付け具を管状本体の端部に取り付けることが可能であり、それによって、管壁の内側層および外側層に、所望の剥離力よりも大きい力を付与することができる。これらの型の複合ストラットの製造は、労働集約的であり、かつ時間のかかるものである。と言うのは、手作業で層を正確にレイアップする必要があり、さらに結合部の内層および外層を別々に養生する(硬化させる)必要があるために、2つのオートクレーブ養生サイクルが必要であるからである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、より素早く製造することができ、熟練した手作業を使用することがより少ない管状複合ストラットに対する要求が存在する。更に、改良された強度対重量比率を有する前述の複合ストラットへの要求が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
開示する実施形態は、ストラットの構造的な強度対重量比率を最適化する管状複合ストラットおよび関連する製造方法を提供するもので、これは、管本体と共に養生される内側補剛材を採用した適合された断面の管構成を使用すること、ならびに被膜厚さを適合させる能力によってもたらされる。このストラットは、理想的慣性モーメント値をもたらしかつストラットの性能を最大にするように設計された内側補剛材のレイアップを可能にする内側マンドレルを使用して製造される。この内側マンドレルによって、管本体の層および補剛材をレイアップするために自動繊維配置機を使用することが可能になり、それによって、所望の圧縮を達成するためのオートクレーブ養生サイクルへ必要性を低減することができる。管本体は、単一側面結合によるかたぎ入れによって、端部取付け具に結合されている。内側補剛材は、設置平面による取付け部からの曲げ圧力に抵抗するように、配置、設計することができ、それによって、管本体の壁の厚さを低減することができる。
なお、本明細書中の「レイアップ」との語は、「レイアップする」等の動詞としては「積層する」を意味し、また名詞としては、積層されたもの、すなわち「積層体」を意味する。
【0006】
開示する一実施形態によると、実質的に中空の内部を有する積層された複合管状本体を備えるストラットが提供される。少なくとも1対の補剛材が管状本体の内部を通って長手方向に延在し、管状本体の対向する両側に取り付けられている。管状本体は、該ストラットを構造体に取り付けるように適合された端部取付け具を備える。取付け具は、中心軸線を有しかつ取付け具を構造体に結合する細長いピンを受けるように適合された開口を含む。各補剛材の端部は、ピンの軸線に垂直に延在する平面に対して略対称である。各取付け具は、一対の複数の外側段部を含み、管状本体は、それぞれ重なり合い、これら段部に結合された複数群の層を含む。ストラットは、各取付け具と対応する管状本体の端部との間に単一のせん断接合部を更に備える。各補剛材は、管状本体と共に養生される積層複合体である。
【0007】
他の実施形態によると、圧縮時または引張り時に負荷を伝達するためにストラットが設けられる。ストラットは、複数の積層された複合層で形成された壁を有する細長い管状本体と、ピンを使用して該管状本体を構造体に取り付けるように適合された端部取付け具とを備える。該ストラットは、更に、各取付け具と管状本体との間に単一のせん断結合された接合部と、前記本体を補剛するために壁に取り付けられた、管状本体内の複合補剛材とを備える。各端部取付け具は、対応するピンの長手軸線に対して、管状本体に負荷を伝達する。この複合補剛材は、ピンの軸線に略垂直な軸線に沿って位置合わせされた、対向補剛材の第1の対を少なくとも含んでいる。
【0008】
さらに他の実施形態によると、ストラットを作製するための方法が提供され、本方法は、マンドレルの長さに沿ってマンドレル内に空隙部を形成するステップを含む、細長いマンドレルを作製するステップを含む。本方法は、更に、取付け具をマンドレルの各端部に配置するステップと、複合補剛材レイアップをマンドレル空隙部内に配置するステップと、補剛材レイアップおよび取付け具を覆う複合層をマンドレル上にレイアップすることによって管状複合本体を形成するステップとを含む。本方法は、更に、管本体および補剛材を共に養生するステップと、マンドレルを取り除くステップとを含む。マンドレルを形成するステップが、マンドレルの各端部上に回転軸を形成するステップを含み、マンドレル上に取付け具を配置するステップが、回転軸上に取付け具を配置するステップによって実施される。補剛材は、オフラインで形成可能であり、完成部品レイアップとしてマンドレル内に配置され得る。補剛材レイアップをマンドレル空隙部内に配置するステップは、補剛材をレイアップして形成するステップと、形成された補剛材レイアップを空隙部内に配置するステップとを含む。管状本体を形成するステップは、自動繊維配置機を使用して、複合テープからなる複数のストリップをマンドレルの表面上に横たえ、かつ圧縮することにより実施され得る。マンドレル空隙部内に補剛材レイアップを配置するステップは、空隙部内に複合テープからなる複数のストリップを横たえ、かつ圧縮するために自動繊維配置機を使用するステップを含むことができる。管状複合本体を形成するステップは、管状本体と各取付け具との間に単一のせん断接合部を形成するステップを含むことができる。マンドレルを除去するステップは、マンドレルを液体で分解するステップを含むことができる。本方法は、補剛材レイアップ内に補剛材マンドレルを挿入するステップと、管状本体および補剛材が共に養生された後に、補剛材マンドレルを除去するステップとを更に含むことができる。
【0009】
要約すると、本発明の一態様によりストラットが提供され、該ストラットは、実質的に中空の内部を有する積層された複合管と、管の対向する側に取り付けられた少なくとも1対の長手方向補剛材と、構造体に取り付けるように適合された、管の各端部上の取付け具と、を備える。
【0010】
有利なことに、ストラットでは、補剛材が管の中空である内部に配置されている。
【0011】
有利なことに、ストラットでは、取付け具が、中心軸線を有しかつ取付け具を構造体に結合する細長いピンを受けるように適合された開口を含み、かつ、各補剛材は開口の軸線に垂直な平面に対して略対称である。
【0012】
有利なことに、ストラットでは、各補剛材が、開口の軸線に垂直な平面に対して略対称である。
【0013】
有利なことに、ストラットでは、各取付け具は複数の外側段部を含み、管はそれぞれ段部が重なり合った層の組を含み、外側段部と、重なり合う層の組とが単一のせん断接合部を形成する。
【0014】
有利なことに、ストラットは、管の中空内部に、管に取り付けられている第2の補剛材の対を更に含む。
【0015】
有利なことに、ストラットでは、第2の補剛材の対が、開口の軸線に略平行な平面に対して略対称であり、各補剛材は、横断面の形状が台形である。
【0016】
有利なことに、ストラットでは、各補剛材は、積層された複合体であり、管と共に養生される。
【0017】
有利なことに、ストラットでは、各取付け具が金属製であり、単一のせん断接合部によって管に取り付けられている。
【0018】
本発明の他の態様により、圧縮または引張りの負荷を伝達するためにストラットが提供され、該ストラットは、積層された複数の複合層で形成された壁を有する細長い管と、管を構造体にピンによって取り付けるように適合された、管状本体の各端部上の取付け具と、各取付け具と管との間に単一のせん断結合接合部と、本体を補剛するために管の壁に取り付けられた複合補剛材とを備える。
【0019】
有利なことに、ストラットでは、各取付け具が、対応するピンの長手軸線に対して、管に負荷を伝達する。複合補剛材は、管の内部に配置され、ピンの軸線に略垂直な軸線に沿って位置合わせされた、対向する第1の補剛材の対を少なくとも含む。
【0020】
有利なことに、ストラットでは、複合補剛材が、ピンの軸線に略平行に延在する軸線に沿って位置合わせされた対向する第2の補剛材の対を備える。
【0021】
有利なことに、ストラットでは、各取付け具が、複数の外側段部を有する外側壁を備える。管本体は、複数組の層を備え、各層は前記段部を重なり合わせ、単一のせん断接合部を形成する。
【0022】
有利なことに、ストラットでは、各補剛材が、積層された複合体であり、管と共に養生される。
【0023】
有利なことに、ストラットでは、各補剛材が、取付け具間の概ね全体の長さに延在する。
【0024】
本発明のさらに他の態様によると、ストラットを作製するための方法が提供され、本方法は、細長いマンドレルを製造するステップと、取付け具をマンドレルの各端部に配置するステップと、複合補剛材レイアップをマンドレル上に配置するステップと、複合層をマンドレル上にレイアップすることによって、複合管を形成するステップと、管および補剛材を共に養生するステップと、マンドレルを取り除くステップとを含む。
【0025】
有利なことに、本方法では、マンドレルを製造することが、マンドレルの各端部上に回転軸を形成するステップと、その長さに沿ってマンドレル内に空隙部を形成するステップとを含み、マンドレル上に取付け具を配置するステップが、回転軸線上に取付け具を配置するステップによって実施される。
【0026】
有利なことに、本方法では、補剛材レイアップをマンドレル上に配置するステップが、補剛材をレイアップして形成するステップと、形成された補剛材レイアップをマンドレル空隙部内に配置するステップとを含む。
【0027】
有利なことに、本方法では、複合管を形成するステップが、自動繊維配置機(automated fiber placement machine)を使用して、複合テープからなる複数のストリップをマンドレルの表面上に横たえ、かつ圧縮することで実施される。
【0028】
有利なことに、本方法では、マンドレル空隙部内に補剛材レイアップを配置するステップが、空隙部内に複合テープからなる複数のストリップを横たえ、かつ圧縮するための自動繊維配置機を使用するステップを含む。
【0029】
有利なことに、本方法では、複合管を形成するステップが、管と各取付け具との間に単一のせん断接合部を形成するステップを含む。
【0030】
有利なことに、本方法では、マンドレルを除去するステップが、マンドレルを液体で分解するステップを含む。
【0031】
有利なことに、本方法は、補剛材レイアップ内に補剛材マンドレルを挿入するステップと、管および補剛材が共に養生(硬化)された後、補剛材マンドレルを除去するステップとを更に含む。
【0032】
本発明の他の態様により、航空機用途のためのストラットを作製する方法が提供され、本方法は、マンドレルの長さに沿ってマンドレル内に空隙部を形成すること、およびマンドレルの各端部上に回転軸を形成することを含む、細長いマンドレルを作製するステップと、金属製端部取付け具を製造するステップと、マンドレルの回転軸の上に金属製端部取付け具をそれぞれスリーブ結合するステップと、マンドレル空隙部の横断面形状に対応する横断面形状をそれぞれが有する複数の補剛材をレイアップし、形成するステップと、複合補剛材レイアップをマンドレル空隙部内に配置するステップと、補剛材マンドレルを補剛材レイアップの中に配置するステップと、補剛材レイアップ、取付け具、および補剛材マンドレルを覆う複合層をマンドレル上にレイアップすることによって複合管を形成するステップと、管および補剛材レイアップを共に養生するステップと、マンドレルを分解することによってマンドレルを除去するステップと、を含む。
【0033】
本発明のさらに他の態様により、圧縮または引張りの負荷を伝達させるための航空機ストラットが提供され、該ストラットは、複数の積層された複合層で形成された壁を有する細長い管と、管状本体を構造体にピンによって取り付けるように適合されている、管の各端部上の端部取付け具と、各取付け具と管状本体との間の単一のせん断結合接合部と、本体を補剛するために壁に取り付けられた、管状本体内の複合補剛材とを備え、各端部取付け具は、対応するピンの長手軸線の周りに、管状本体に負荷を伝達し、複合補剛材は、ピンの軸線に略垂直な軸線に沿って位置合わせされた対向する第1の補剛材の対を少なくとも含み、各補剛材は、略台形の横断面形状を有し、複合補剛材は、ピンの軸線に略平行に延在する軸線に沿って位置合わせされた対向する第2の補剛材の対を更に含み、各取付け具は、複数の外側段部、および概ね滑らかな内壁を有する外側壁を含み、管状本体は、それぞれ外側段部に重なり合う複数群の層を含む。
【0034】
特徴、機能および利点が、本開示の様々な実施形態において独立して達成可能であり、またはさらに他の実施形態に組み合わせ可能であり、その場合、以下の説明および図面に関連して追加の詳細を理解することができる。
【0035】
有利な実施形態の特徴と考えられる新規な特徴を添付の特許請求の範囲の中で説明する。しかし、有利な実施形態、ならびに好適な使用方法、追加の目的および利点は、添付の図面と併せて読まれる場合、本開示の有利な実施形態の以下の詳細な説明を参照することによって最もよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】開示する実施形態による複合ストラットの斜視図である。
図2図1に示すストラットの端部取付け具の1つの上面図である。
図2A図2の2A-2Aに示す方向の側面図である。
図3図1の線3-3に沿った横断面図である。
図4図3の線4-4に沿った断面図である。
図4A図4に類似しているが、複合ストラットの代替実施形態を示す図である。
図4B図4に類似しているが、複合ストラットの代替実施形態を示す図である。
図4C図4に類似しているが、複合ストラットの代替実施形態を示す図である。
図5図1に示すストラットを製造するために使用されるマンドレルの斜視図である。
図6】ストラット端部取付け具がマンドレルの回転軸に取り付けられた、図5に示すマンドレルの上面図である。
図7図6の線7-7に沿った断面図である。
図8図7の線8-8に沿った断面図である。
図9】補剛材レイアップの斜視図である。
図10】マンドレル空隙部の1つの中に配置された、図9に示す補剛材の横断端面図である。
図11図10に類似しているが、補剛材が空隙部内に完全に取り付けられ、マンドレルが補剛材内部に取り付けられている図である。
図12図10に類似しているが、補剛材が修正された形態のマンドレル空隙部の1つの中に配置されている代替実施形態を示す図である。
図13図12に類似しているが、補剛材が空隙部内に完全に取り付けられ、角部充填材と共にマンドレルが取り付けられた図である。
図14図13に類似しているが、複合テープのストリップがマンドレルの上にレイアップされ、補剛材および補剛材マンドレルを覆っている図である。
図15図6に示すマンドレル組立体に複合テープを貼付する自動繊維配置機の斜視図である。
図16】開示する実施形態によって、複合ストラットを作製するための方法の流れ図である。
図17】航空機の製造および保守点検方法の流れ図である。
図18】航空機のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1を参照すると、細長いストラット20の形態の円柱形構造部材が、略円柱形管22、および管22の対向する端部上に結合された1対の端部取付け具24を備える。管22は、これに限定されないが、繊維補強されたポリマー樹脂からなる複数の積層体といった複合材料を備えることができる。繊維補強されたポリマー樹脂は、カーボン繊維補強エポキシを含むが、これに限定されない。図示の実施例では、管本体22の横断面形状は略円形であり、限定されないが、正方形、三角形、六角形および五角形形状などの他の横断面形状が可能である。
【0038】
各端部取付け具24は、アルミニウム、またはチタンなどの金属、あるいは合成物であり得るが、これに限定されない。端部取付け具24は、鋳造、機械加工、または他の一般的製造技術によって製造可能である。端部取付け具24が、複合材料から構成されている場合、端部取付け具24は、金属製インサート及び/又は金属製ブッシュ(図示せず)を含むことができる。各端部取付け具は、1対の離間したタブ28を備えるU字形リンク26を含む。タブ28は、それぞれ、図示の円柱形に限定されない取付けピン32を受けるために、軸線27に沿って位置合わせされている開口30を有する。取付けピン32は取付け具24を構造体(図示せず)に結合する。図では二重とされたタブ28を示しているが、U字形リンク26は、用途に応じて、3つ以上または2つ未満のタブ28を採用することができる。ピン32は、端部取付け具24と共に、ストラット20と、該ストラット20が取り付けられる構造体(図示せず)との間にピボット結合を形成する。ストラット20は、例えば航空エンジン(図示せず)と機体(図示せず)との間の支柱又はブレースとして採用され得るが、これに限定されない。用途に応じて、ストラット20は、軸方向の負荷を双方向に伝達するように機能する。そのため該ストラット20は、中心軸線29に沿って、引張りまたは圧縮の何れかの態様に、または交番の態様で両方について配置可能である。ストラット20は、ある程度のねじれ荷重にも対応することができる。
【0039】
ここで、図2図3、および図4を参照すると、各取付け具24は、管本体22の外側直径D2図4)に概ね等しい外側直径D1図2)を有する円柱形区分35を含む。端部取付け具24は、更に、次第により小さい直径を有する一連の円柱形段部42によって形成される、長さLのスカラップ形区分40を含む。実際の適用に応じて適切に長さLを増加させることによって、金属製取付け具24と複合管22との交点に関連する「剛性」を分散する働きをする。言い換えれば、スカラップ形区分40の長さLを増大させることによって、端部取付け具24と管22との間に伝達される負荷をより広い範囲に分散する。各取付け具24の内部は略中空であり、長手方向に延在する滑らかな穴44によって画定される。穴44は直径D3を有し、該直径は取付け具24の長さにわたって延在する。図示の実施形態では、取付け具24と管22との間の接触領域、したがって負荷伝達能力を最大にするために、穴44の直径D3は管22の内側直径D4に概ね等しい。しかし、他の実施形態では、穴44の直径D3は管22の内側直径D4とは異なる場合がある。図2に示すように、タブ28は38で離間し、該ストラットが取り付けられる予定の構造体(図示せず)上のタブ33を受ける。図2に示されないが、取付けピン32(図1)が、各タブ28、33を貫通する。
【0040】
管本体22は、複合層48による複数の段部組45を備える。複合層48は、プレプレグ繊維強化テープから形成され得、該テープは例えば、これに限定されないが自動繊維配置(AFP)機(図示せず)によって貼付される。しかし、金属、およびセラミックなどに限定されない他の種類の複合材料、ならびに他の種類の製造技術を使用できる。段になった層の組45は、端部取付け具24の段部42上に順次レイアップされ、最も内側の段部42a上に層をレイアップすることから開始し、最も外側の段部42b上に層をレイアップすることで終了する。段になった積層の組45は、それぞれ各段部42に重なって、単一の段部になったせん断接合部40を形成する。このせん断接合部40は、取付け具35のスカラップ形区分40の長さLに沿って延在する。他の実施形態では、管22と取付け具24との間に、スカーフ接合部(図示せず)を採用することができ、スカーフ接合部は、同じ、または異なるスロープを有する複数のスカーフを備える。管本体22の壁50は、厚さt(図4)を有する。図示の実施形態では、段になった層の組45が雌側管端部を形成し、雌側管端部内に雄側取付け具24が受けられるが、しかし他の実施形態では、段になった層の組45が管22の雄側端部を形成することができ、取付け具24の段部42が、内側直径D3の穴44上に形成され、取付け具24が管22の雄側端部を受ける。
【0041】
次に、図3および図4を参照すると、一実施形態では、管22は、それぞれ2対の細長い複合補剛材52、54によって内側で補剛され得る。第1の補剛材52の対は、管壁22の内側面47上に、互いにまさに反対側に配置されており(図4)、ピン32の軸27に略直角に延在する軸25に沿って略対称に位置合わせされている。第2の補剛材54の対もまた、互いにまさに反対側に配置されており、ピン32の軸27に沿って略対称に位置合わせされている。図示の実施例では、各補剛材52、54は、断面が略台形であるが、しかし他の断面形状が可能である。各補剛材52は、ピンの軸27を中心とするより大きな耐屈曲性を管22にもたらすために、補剛材54よりも大きい断面積を有する。一実施形態では、補剛材52、54の一方、または両方が、補剛材52、54の長さに沿って概ね一定である横断面形状を有する。しかし、他の実施形態では、補剛材52、54のいずれかの任意の横断面は、補剛材52、54の長さに沿って直線的または非直線的に、形状または面積が変化する場合がある。いくつかの実施形態では、管22が養生された後に、補剛材52、54を管22に結合することができる。
【0042】
図3および図4に示す実施形態では、管22の内側面47に配置される補剛材54を採用しているが、他の補剛材の配置が可能である。例えば、図4Aは、管22の外側面53に配置されている複合補剛材52、54を示し、図4Bは、管22の外側面53に配置されている補剛材52、管22の内側面47上に配置されている補剛材54を示している。図4Cは、補剛材54が、管22の内側面47および外側面53の両方にそれぞれ配置された、さらに他の実施形態を示している。
【0043】
次に、前述のストラット20を製造するために使用され得る内側マンドレル56を示す図5を参照されたい。マンドレル56は、略円柱形マンドレル外側面58を有する略円柱形マンドレル本体57を含む。マンドレル本体57は、更に円周方向に離隔された4つの長手方向空隙部62を含み、各空隙部62は、補剛材52、54の1つの横断面形状に概ね対応する横断面形状を有する。マンドレル56は、マンドレル56の両端部に1対の略円柱形の回転軸64を更に備え、該回転軸64はマンドレル本体57と一体に形成可能である。各回転軸64は、取付け具24内の穴44の内側直径D3図3)に概ね対応する直径66を有する。中心に配置された貫通孔68が、マンドレル本体57を貫通して軸線方向に延在するが、その目的については後述する。
【0044】
マンドレル56は市販の材料から形成可能であり、その材料は、製造工程の後の段階で、水などの適切な液体にさらされることで分解可能なものである。一実施形態では、適切な粉状材料が、水と混合され、マンドレル56の形態を形成するために鋳型(図示せず)内に注がれ、または注入される。成形に続いて、マンドレルは養生され、熱対流炉などの適切な熱源を使用して乾燥され、次いで必要に応じて封止される。別法として、付加的製造工程を使用して水分解マンドレル56を製造可能である。他の実施形態では、マンドレル56は、適切な材料除去工程を使用して、一塊の材料から製造可能である。さらに他の実施形態では、マンドレル56は、所定の温度に上昇すると灰化される材料から形成可能であり、あるいは、製造工程の完了後、収縮されかつ管本体22から除去される膨張式袋状組織を備えることができる。さらに他の実施形態では、マンドレル56は、管22が養生された後、細かく分解され、除去され得る。
【0045】
次に、図6および図7を参照すると、マンドレル56が製造された後、端部取付け具24は回転軸64上にスリーブ結合される。図7に示す実施形態から分かるように、各回転軸64は、対応する端部取付け具24の穴44の直径D3図3)をほぼ完全に満たす。他の実施形態では、回転軸64は、穴43の長さL(図3)の一部のみに挿通されて延在することができる。
【0046】
次に、図8および図9を参照すると、一実施形態では、補剛材50、52は、従来のレイアップおよび圧密工程を使用して、個別の工具(図示せず)を使用して成形するようにレイアップされ、形成されることが可能である。次いで、図10に示すように、形成された補剛材レイアップ50、52は、対応するマンドレル空隙部60、62の中に挿入され得る。ただし、別法として、AFP機などの自動装置を採用して、繊維補強されたプレプレグテープから成るストリップ(図示せず)を空隙部60、62内部に横たえるステップ、および該ストリップをマンドレル56に対して圧縮するステップによって、空隙部62内部に補剛材52を直接レイアップすることができる。図11を参照すると、補剛材レイアップ50、52が空隙部62内に配置された後、補剛材52の形状を維持し、次の製造工程中に崩壊することを防止するために、分解可能な固体材料、または膨張式袋状組織のいずれかを備えることができる適切な補剛材マンドレル84が、補剛材52内部に配置される。
【0047】
1つまたは複数の補剛材50、52が、補剛材50、52と管22との間の構造上の結合を改良することができる形態を含むことができる。例えば、図12を参照すると、補剛材50、52は、一体化された側方フランジ61を含むことができ、該フランジ61は、空隙部60、62に隣接して、マンドレル56の面58に形成された凹所63内にそれぞれ受けられる。図13に示すように、補剛材50、52が、マンドレル空隙部60、62内に配置されるとき、フランジ61は、マンドレル面58と概ね面一に位置する。角部充填材65が、補剛材マンドレル84とフランジ61との間に取り付けられて、次の圧縮および養生段階中にフランジ61が内側に崩壊することを防止する役目をすることができる。次いで、図14に示すように、層の群45(図3)を形成する複合層48が、マンドレル56の上にレイアップされ、端部取付け具24のフランジ61およびスカラップ形区分40(図3)を覆う。このレイアップ工程中、補剛材マンドレル84は、層48を支持し、AFP機がレイアップ工程を実施するために使用される場合に付与される積層圧縮力に反対作用を及ぼす。
【0048】
図15は、補剛材52、54のいずれか、および/または管22の壁50を形成する層48をレイアップするためのAFP機74の使用を図示する。AFP機74は、ロボット76によって制御される複合テープ貼付装置頭部78を含む任意のいくつかの異なる適切な型であってよい。マンドレル56および端部取付け具24は、中心軸80を中心としてマンドレル56を回転82させる適切な回転式器具70(rotisserie)上に支持されている。層48は、所定の積層計画に従って、0°、+30°、+45°、90°、−60°、−45°、および−30°、または他の繊維配向を含む(これらに限定されない)様々な繊維配向を有する一方向性繊維補強を含むことができる。前述のように、補剛材50、52および/または管壁50の層をレイアップするために、他の型の自動レイアップ工程が採用され得る。自動レイアップ工程には、フィラメントワインディングおよび繊維レイアップが含まれるが、これに限定されない。
【0049】
図16は、ストラット20を製造するための前述の方法の全体的な工程を要約している。86で開始して、端部取付け具24は、適切な鋳造、成形、および/または機械加工技術を使用して製造される。88で、マンドレル56が形成され、それにはマンドレル本体57、空隙部60、62、および回転軸64を形成するステップ、または組み立てるステップが含まれる。90で、端部取付け具24がマンドレル56の回転軸64上に取り付けられる。92で、別個の工具を使用して、補剛材50、52がレイアップされ、形成される。別法として、補剛材50、52は、AFP機を使用して空隙部60、62内に直接レイアップされることが可能である。別個の工具を使用して補剛材50、52が個々にレイアップされかつ形成されるこれらの実施形態では、補剛材50、52は更に、ステップ94でマンドレル空隙部60、62内に配置される。ステップ96で、補剛材マンドレル84は、必要であれば、ヌードルまたは他の充填材などの追加の要素と共に、補剛材レイアップ52、54内に取り付けられる。ステップ98で、管壁50の層48がマンドレル本体57の上にレイアップされ、補剛材レイアップ50、52および端部取付け具24のスカラップ形区分40を覆う。100で、真空バッグ組立体(図示せず)が、ストラットレイアップの周りに取り付けられる。102で、ストラットレイアップが、レイアップに熱および圧力を加えるオートクレーブ、または他の工程を使用して、圧縮され、養生される。最終的に、104で、マンドレル56、84が除去される。マンドレル56、84が水分解材料から形成される実施形態では、水が貫通孔68の一端部または両端部の中に注入され、その結果、マンドレル56、84を分解し、貫通孔68を通って流し出すことが可能になる。
【0050】
開示する実施形態は、図17に示す航空機製造および保守点検方法106、および図18に示す航空機108の文脈で採用され得るが、これに限定されない。量産試作中には、航空機製造および保守点検方法106は、図18の航空機108の仕様および設計110、ならびに材料調達112を含むことができる。
【0051】
製造中、構成要素および組立部品の製造114、ならびに、図18の航空機108のシステム統合116が起こる。その後、図18の航空機108は、就航中120に配置されるために、認証および搬送118を経ることができる。顧客によって就航中120の間、図18の航空機108は、日課の整備および保守点検122のための予定が組み込まれ、それには、修正、再構成、改修および他の整備または保守点検が含まれ得る。
【0052】
航空機製造および保守点検方法106の各工程は、システムインテグレータ、サードパーティ、および/または操作者によって実施され、実行され得る。これらの実施例では、操作者は顧客である場合がある。この説明の目的のために、システムインテグレータには、任意の数の航空機製造者、および主要システム下請人を含むことができるが、これに限定されない。サードパーティには任意の数の販売者、下請人、および供給者が含まれるが、これに限定されない。操作者は、航空会社、リース会社、軍用組織、サービス機構などであってよい。
【0053】
次に図18を参照すると、航空機108の図が表示されており、その中で有利な実施形態が実行され得る。この実施例では、航空機108は、図17に示す航空機製造および保守点検方法106によって製造され、複数のシステム126および内部128を備える機体124を含むことができる。開示するマンドレルは、ストリンガーなどの機体124の様々な構造的構成要素を製造するために使用され得る。システム126の例には、1つまたは複数の推進システム130、電気システム132、油圧システム134、および環境システム136が含まれる。いくつかの他のシステムを含むことが可能である。航空機の例が図示されているが、異なる有利な実施形態を自動車および海運産業などの他の産業に応用することができる。
【0054】
図17に示す航空機製造および保守点検方法106の少なくとも1つの段階の間に、本明細書で実施される装置および方法を採用することができる。本明細書で使用されると、記載項目と共に使用される場合、「少なくとも1つの」という語句は、1つまたは複数の記載された項目の異なる組合せを使用することができ、記載中の各項目の1つのみが必要とされる場合があるという意味である。例えば、「少なくとも1つの項目A、項目Bおよび項目C」は、例えば、項目A、または項目Aおよび項目Bを含むことができるが、これに限定されない。この例は、項目A、項目Bおよび項目C、または項目Bおよび項目Cを含むこともできる。
【0055】
1つの図示例では、図17の「構成要素および組立部品製造114」の中で製造される組立部品は、航空機108が図17の就航中120にある間に製造される構成要素および組立部品に類似する態様で作製または製造され得る。さらに他の実施例では、複数の装置の実施形態、方法の実施形態、またはその組合せが、図17の構成要素および組立部品製造114、ならびにシステム統合116など、製造段階中に使用可能である。項目に言及するの数は、1つまたは複数の項目を意味する。例えば、装置の実施形態の数は、1つまたは複数の装置の実施形態である。航空機108が図17の就航中120、および/または整備および保守点検122の間に、複数の装置の実施形態、方法の実施形態、またはその組合せを利用することができる。複数の異なる有利な実施形態を使用することによって、航空機108の組立を実質的に促進し、コストを削減することができる。
【0056】
異なる有利な実施形態の説明を図示および説明する目的で提示したが、網羅的または開示する形態の実施形態に限定されることを意図するものではない。当業者にとって、多くの修正形態および変形形態が明らかであろう。更に、異なる有利な実施形態は、他の有利な実施形態とは異なる利点を提供することができる。1つまたは複数の実施形態が、実施形態の原理、実際的な用途を最良に説明するために、かつ他の当業者が、また企図される特定の用途に適するように、様々な修正形態を有する様々な実施形態に対する開示を理解できるようにするために、選択され説明された。
【符号の説明】
【0057】
2A 方向
3 線
4 線
7 線
8 線
20 ストラット
22 管、管本体、管壁、複合管
24 取付け具、端部取付け具、雄側取付け具
25 軸
26 U字形かぎ
27 軸
28 タブ
29 中心軸
30 開口
32 取付けピン
33 タブ
35 円柱形区分、取付け具
38 タブ33を受けるための離隔部
40 スカラップ形区分、せん断接合部
42 段部
42a 最も内側の段部
42b 最も外側の段部
43 穴
44 穴
45 段部組
47 内側面
48 複合層
50 管22の壁、補剛材、補剛材レイアップ
52 補剛材、複合補剛材、補剛材レイアップ
53 外側面
54 補剛材、複合補剛材、補剛材レイアップ
56 マンドレル、内側マンドレル
57 マンドレル本体
58 マンドレル外側面、マンドレル面、面
60 空隙部、マンドレル空隙部
61 フランジ
62 空隙部、マンドレル空隙部
63 凹所
64 回転軸
65 角部充填材
66 直径
68 貫通孔
70 回転式器具
74 自動繊維配置(AFP)機
76 ロボット
78 テープ貼付装置頭部
80 中心軸
82 回転
84 補剛材マンドレル
106 航空機製造および保守点検方法
108 航空機
110 仕様および設計
112 材料調達
114 構成要素および組立部品製造
116 システム統合
118 認証および搬送
120 就航中
122 整備および保守点検
124 機体
126 システム
128 内部
130 推進システム
132 電気システム
134 油圧システム
136 環境システム
L 長さ
T 厚さ
D1 直径
D2 直径
D3 直径
D4 直径
図1
図2
図2A
図3
図4
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18