(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
例示的で非限定的な実施形態に関する以下の詳細な説明の中では、本願の一部である添付の図面を参照する。これらの実施形態は、当業者が本発明を実施できる程度に詳しく説明されており、当然のことながら、他の実施形態も利用可能であり、本発明の主旨と範囲から逸脱することなく、論理的、構造的、機械的、電気的、および化学的変更を加えることができる。当業者が本明細書に記載された実施形態を実施する上で不必要な子細を回避するために、説明では当業者に知られた特定の情報は割愛されている場合がある。以下の詳細な説明は限定的な意味ではなく、例示的実施形態の範囲は付属の特許請求の範囲によってのみ定義される。
【0013】
ここで、図面、特に
図1〜2を参照すると、ある例示的実施形態による、複数の組織部位102を同時に治療するシステム100が示されている。各組織部位102は人、動物、またはその他の生命体の身体組織であってもよく、これには骨組織、脂肪組織、筋組織、皮膚組織、血管組織、結合組織、軟骨、腱、靭帯または他のあらゆる組織が含まれる。組織部位102の治療は、流体、たとえば浸出液や腹水の除去を含むことがある。数多くの組織の部位、大きさ、深さをシステム100で治療できるが、システム100は創傷の形態の組織部位102の治療を示している。創傷は、例示のために、表皮108、真皮110を通って皮下組織112に及んでいるように示されている。その他の深さや種類の創傷、より一般的には組織部位も治療できる。3つの組織部位102が例示のために示されているが、システム100で治療できる組織部位の数はいくつでもよいと理解するべきであり、一般的には2つまたはそれ以上である。
【0014】
システム100は、複数の組織部位102に配置される複数の負圧ドレッシング114を含む。複数の負圧ドレッシング114の各々は、その負圧ドレッシング114に関連付けられた組織部位102に負圧を送達でき、その組織部位102から流体を除去するように動作できるどのような種類のドレッシングであってもよい。1つの例示的実施形態において、各負圧ドレッシング114は、多分岐体116と、シーリング部材118と、負圧接合部材120と、を含む。シーリング部材118は、取付手段122を使って組織部位102に取り外し可能に連結される。取付手段122は、様々な形態をとってよい。たとえば、取付手段122は、シーリング部材118の周辺、一部、または全体の周りに延びる医療用感圧接着剤、両面ドレープテープ、のり、親水コロイド、ハイドロゲル、シリコンゲル、オラガノゲル、またはその他のシーリング手段または要素であってよい。各負圧ドッシング114に関して、シーリング部材118は、多分岐体116と治療対象の組織部位102を収容する密閉空間124を作る。
【0015】
各負圧ドレッシング114に関して、多分岐体116は、関連する組織部位102に負圧をかけ、流体を送達し、またはそこから流体を除去するのを助けるために設置される物質または構造である。多分岐体116は複数の流路または経路を含み、これらが組織部位102に供給され、およびそこから除去された流体を多分岐体116全体に分散させる。1つの例示的実施形態において、流路または経路は相互に接続されていて、組織部位102に供給され、またはそこから除去された流体の分散を改善する。多分岐体116はたとえば以下、すなわち組織部位102と接触するように設置でき、負圧を組織部位102に分散させることのできる生体適合性材料または、流路を形成するように配置された構造要素を有する手段、たとえば細胞状発泡体、オープンセル構造発泡体、多孔質組織集合体、液体、ゲルおよび、流路を含むか、硬化によってこれを含むことになる発泡体または、特定の生体応用に適した発泡材、ガーゼ、フェルト状マット、またはその他の材料等の多孔質材料または、流路の機能を果たす相互接続された複数のセルまたは小孔を含む多孔質発泡材、たとえばTexas、San AntonioのKinetic Concepts,IncorporatedからGranuFoam(登録商標)の名称で販売されているオープンセル構造の網目状ポリウレタン発泡材または、生体吸収性材料または、足場材のうちの1つまたは複数を含んでいてもよい。ある状況では、多分岐体116はまた、薬剤、抗生物質、増殖因子、およびその他各種の溶液等の流体を組織部位102に分散させるために使用してもよい。多分岐体116の中またはその上に他の層、たとえば吸収性材料、ウィッキング材、疎水性材料、親水性材を含めてもよい。
【0016】
1つの例示的で非限定的な実施形態において、多分岐体116は、負圧ドレッシング114の使用後に患者の体内に残ることのできる生体吸収性材料から構成されてもよい。適当な生体吸収性材料には、ポリ乳酸(PLA)とポリグリコール酸(PGA)のポリマブレンドが含まれていてもよいが、これに限定されない。ポリマブレンドはまた、ポリカーボネート、ポリフマル酸、カプララクトンが含まれていてもよいが、これらに限定されない。多分岐体116はさらに、新細胞の増殖のための足場としての役割を果たしてもよく、または足場材を多分岐体116と一緒に使用して、細胞の増殖を促進してもよい。足場は、細胞の増殖または組織の形成を増進または促進するために使用される物質または構造であり、たとえば細胞増殖用テンプレートを提供する立体多孔質構造等である。足場材の例示的な例には、リン酸カルシウム、コラーゲン、PLA/PGA、珊瑚由来のハイドロキシアパタイト、炭酸塩、または加工された同種移植材が含まれる。
【0017】
シーリング部材118は、流体シールを提供するどのような材料であってもよい。液体シールとは、関係する特定の負圧源またはサブシステムを考慮して、所望の部位で負圧を維持するのに十分なシールである。シーリング部材118はたとえば、不浸透性または半浸透性エラストマ材料であってもよい。半浸透性材料の場合、浸透率は、ある負圧源に関して、所望の負圧が維持されるのに十分に低くなければならない。シーリング部材118は、負圧ドレッシング114の各々について個別の部品であっても、または複数の負圧ドレッシング114の全部に使用される1つの連続シートであってもよい。
【0018】
複数の負圧接合部材120の各々は、組織部位102のための関連する密閉空間124に流体連結される。負圧接合部材120は各々、負圧を関連する密閉空間124に送達するためのどのような手段であってもよい。たとえば、負圧接合部材120の各々は以下、すなわちTexas、San AntonioのKCIから入手可能なT.R.A.C.(登録商標)PadまたはSensa T.R.A.C.(登録商標)Padまたは、その他の手段またはチューブ類のうちの1つを含んでいてもよい。複数の多腔型負圧送達導管126は、複数の負圧接合部材120に1対1の関係で流体連結される。複数の多腔型負圧送達導管126の各々は、第一の端127と第二の端129を有する。多腔型負圧送達導管126の第一の端127は各々、マルチポート治療ユニット128に流体連結される。複数の多腔型負圧送達導管126の各々は、少なくとも1つの圧力サンプリング用管路と少なくとも1つの負圧供給用管路を含んでいてもよい。圧力サンプリング用管路は、関連する負圧ドレッシング114の圧力またはおおよその圧力を測定するための圧力を供給する。負圧供給用管路は、負圧ドレッシング114に負圧を送達し、そこからの流体を受ける。各多腔型負圧送達導管126の第二の端129は、それぞれの負圧接合部材120に流体連結される。
【0019】
マルチポート治療ユニット128は、多腔型負圧送達導管126と負圧接合部材120を通って密閉空間124へと負圧を供給する。これに加えて、マルチポート治療ユニット128は、複数の多腔型負圧送達導管126の各々の少なくとも1つの圧力サンプリング用管路からの圧力を受け、その圧力を測定する。
【0020】
負圧は、治療対象となっている組織部位での周囲圧力より低い圧力を含む。ほとんどの場合、この負圧は患者が置かれている大気圧より低いであろう。あるいは、負圧は組織部位での静水圧より低くてもよい。別段のことわりがないかぎり、本明細書に明記される圧力の定量的数値はゲージ圧である。送達される負圧は一定でも、(パターン化され、またはランダムに)変化してもよく、また、連続的に送達されても、間欠的に送達されてもよい。「真空」と「陰圧」という用語を使って組織部位にかけられる圧力を表すこともあるが、組織部位にかけられる実際の圧力は、完全真空に通常関連する圧力より高くてもよい。本明細書で使用するかぎり、別段のことわりがなければ、負圧または真空圧力の上昇は一般に、絶対圧力の低下を意味する。
【0021】
マルチポート治療ユニット128は複数の患者側ポート130を含む。複数の患者側ポート130の各々は、多腔型負圧送達導管126のうちの1つおよび、特に複数の多腔型負圧送達導管126の圧力サンプリング用管路の少なくとも1つと負圧供給用管路の1つに流体結合されるように構成される。使用されていない患者側ポート130はキャップ131によって密閉されてもよい。
【0022】
流体貯蔵部134が複数の患者側ポート130に流体連結されて、そこに負圧を供給し、そこから流体を受ける。ドレイン導管135は流体貯蔵部134を外部に流体体結合して、流体貯蔵部134の排水を行ってもよい。排水導管135に関連付けられたバルブ137は、排水導管135から出る流体を選択的に制御する。バルブ137は手動式でも、自動式でコントローラ136に連結されていてもよい。別段のことわりがなければ、本文書を通じて使用されるかぎり、「または(or)」は相互の排他性を要求しない。
【0023】
マルチポート治療ユニット128はまた、複数の圧力センサ132または圧力トランスデューサも含み、これはコントローラ136に治療圧力信号を供給する。コントローラ136は、プリント配線組立品(PWA)またはマイクロプロセッサおよびメモリまたはその他の制御装置を備える特定用途集積回路(ASIC)であってもよい。複数の圧力センサ132は複数の患者側ポート130に関連付けられて、複数の患者側ポート130の各々および、通常は負圧ドレッシング114におけるおおよその圧力を伝送する、その中の圧力サンプリング用管路と関連する圧力を測定する。複数の患者側ポート130の各々に関連する圧力には、ポート自体の、または内部導管の中のそのポートの付近の圧力が含まれていてもよい。いずれの場合も、各圧力センサ132は、それぞれの圧力サンプリング管路の圧力を測定する。
【0024】
コントローラ136は、複数の圧力センサ132に動作的に連結されて、複数の圧力センサ132からの治療圧力データを受信する。コントローラ136はマイクロプロセッサとメモリを含み、これらは、複数の圧力センサ132の各々に関する圧力をモニタし、圧力が所望の範囲から出た、または最低負圧閾値を下回った(すなわち、絶対圧力が閾値より高くなった)場合に、アラーム状態を信号で知らせるように構成されている。コントローラ136は、たとえばバッテリまたは固定電線であってもよい電源138に電気的に連結される。ユーザインタフェース140がコントローラ136に動作的に連結されて、情報読取り値を提供し、またはユーザ入力を受け取る。
【0025】
マルチポート治療ユニット128は、複数の視覚的表示手段142を含んでいてもよい。視覚的表示手段142は、複数の患者側ポート130の1つに第一の閾値より低い(すなわち、絶対圧力の閾値より高い)圧力が存在すると、使用者に視覚的に警告する。
【0026】
マルチポート治療ユニット128はまた、負圧を受ける供給側ポート144も含む。供給側ポート144は、流体貯蔵部134に、たとえば内部導管146によって流体連結される。供給側ポート144はまた、導管148によって負圧源150に流体連結される。
【0027】
負圧源150は負圧を供給するどのような装置であってもよく、たとえば真空ポンプ、壁付けの吸引ポートまたはその他の供給源であってよい。組織部位にかけられる負圧の量と性質は一般に、用途に応じて異なるが、負圧は一般に−5mmHg(−667Pa)〜−500mmHg(−66.7kPa)の間、より一般的には−75mmHg(−9.9kPa)〜−300mmHg(−39.9kPa)の間である。いくつかの実施形態において、負圧源150は、Texas、San AntonioのKCIから入手可能なV.A.C.Freedom、V.A.C.ATS、InfoVAC、ActiV.A.C.、ABTheraまたはV.A.C.Ulta治療ユニットであってもよい。
【0028】
1つの例示的実施形態による動作において、負圧源150がマルチポート治療ユニット128の供給側ポート144に流体連結される。キャップ131またはシーリングキャップが、治療対象の組織部位102の数に対応する数の複数の患者側ポート130から取り外される。複数の多腔型負圧送達導管126の第一の端127は、複数の患者側ポート130のキャップを外された部材に連結される。複数の負圧ドレッシング114が、複数の組織部位102に配置される。複数の多腔型負圧送達導管126の第二の端129が、複数の負圧ドレッシング114に流体連結される。負圧源150が起動されて、負圧が流体貯蔵部134と組織部位102に供給される。組織部位102から液体が除去されると、この液体が流体貯蔵部134を満たし始める。任意選択で、流体貯蔵部134が満杯になった後、流体が引き続き負圧源150の中に収容された流体貯蔵部の中に流れてもよい。あるいは、疎水性または疎油性フィルタを供給側ポート144の一部として含めて、液体が負圧源150に到達しないようにしてもよい。
【0029】
マルチポート治療ユニット128は、接続された負圧ドレッシング114の各々に関する組織部位102の圧力をモニタする。各圧力センサ132は、モニタのためにコントローラ136に送達される治療圧力信号を生成する。コントローラ136のマイクロプロセッサとメモリまたはその他の部面を使って、治療圧力信号をモニタし、所望の圧力範囲に適合していることを確認する。各組織部位102の圧力は、ユーザインタフェース140の上に常時、または周期的パターンで表示されてもよい。あるいは、またはこれに加えて、別のマルチカラーLED表示手段を含めて、複数の患者側ポート130の各々の圧力と状態を素早く色表示できるようにしてもよい。たとえば、マルチカラーLED表示手段は緑、色、赤の色になることができる。コントローラ136は、圧力が−75mmHg〜−150mmHgの間であれば緑ランプを生成するようにプログラムされていてもよい。黄ランプは、創傷の圧力が低下した(すなわち、負圧が失われ、圧力が絶対圧力スケール上で上昇した)場合に表示され、ドレッシングのリークを示してもよい。赤ランプは、創傷の圧力が負圧閾値(たとえば−40mmHg)より低くなり、十分な治療を提供していないことを示すために使用されてもよい。点滅赤ランプは、過剰な圧力(たとえば−200mmHgより大きい陰圧)がかけられたことを意味してもよい。この点で、除圧バルブも含めてよい。この例示的な例では、黄または赤ランプが表示されると、介護者は、関連する負圧ドレッシング114にあるリークを見つけ、これを特定し、その特定の負圧ドレッシング114に関連付けられた多腔型負圧送達導管126を切断し、キャップ131を付け直して、他の組織部位102に利用可能な負圧が損なわれないようにすることができる。これに加えて、介護者は別の治療ユニット(負圧源と流体貯蔵部)を明らかにリークのある負圧ドレッシング114に接続して、その状況に対処するためのより好都合な時が来るまで、負圧が引き続き供給されるようにしてもよい。
【0030】
コントローラ136はまた、任意選択で可聴的アラーム152を起動してもよいが、多くの輸送業務での狭い空間を考え、この機能はオフにするか、また含めなくてもよい。一般に、複数の多腔型負圧送達導管126をパージすることが望ましい場合、これらは一緒にパージされる。赤ランプが表示された場合、介護者は多腔型負圧送達導管126の閉塞をチェックし、必要に応じて、閉塞した導管を交換する。
【0031】
1つの例示的実施形態において、マルチポート治療ユニット128の流体貯蔵部134は市販のキャニスタである。他の実施形態では、流体貯蔵部134の大きさは最小でもよく、複数の負圧ドレッシング114がドレッシングにおいて液体を保持するための吸収材を含んでいてもよい。
【0032】
マルチポート治療ユニット128は、必要な空間を極小化するために、潰すことのできるユニットであってもよい。マルチポート治療ユニット128は、それが液体で充満するのに伴って膨張してもよい。1つの例示的実施形態において、各負圧ドレッシング114は、負圧ドレッシング114の中に液体を保存するための吸収材層を含む。吸収材層は高吸水性繊維から作製されてもよい。高吸水性繊維は、繊維への物理的または化学的変化に伴って液体を保持し、またはそれに結合してもよい。1つの非限定的な例において、高吸水性繊維は、イギリスGrimsbyのTechnical Absorbents,Ltd.からのSuper Absorbent Fiber(SAF)材料を含んでいてもよい。吸収材層は、繊維が組織部位102からの液体を吸収する繊維材料のシートまたはマットであってもよい。繊維を含む吸収材層の構造は織布でも不織布でもよい。吸収材層の繊維は、液体と接触するとゲル化してもよく、それによって液体を捕捉する。繊維間の空間または空隙によって、吸収材層にかけられた負圧が吸収材層の中に、およびそこを通って伝送されうる。1つの例示的実施形態において、吸収材層の中の繊維の繊維密度は1ミリメートルあたり約1.4グラムであってもよい。
【0033】
任意選択で、負圧源150の中の真空ポンプから排出される陽圧を、流体貯蔵部134の内部の負圧勾配より高い圧力で加圧されるチャネルへと誘導されてもよく、それによって流体貯蔵部134はその周囲に膨張する構造を有することになる。あるいは、小室を周囲圧力で密閉してもよく、したがって、システム100を使用している患者を輸送中の航空機が高所に到達すると、高所における負圧によって圧力差が生じ、その結果、チャネルがより高い圧力の空気で満たされる。
【0034】
マルチポート治療ユニット128の流体貯蔵部134は、流体がチャネルからチャネルへと容易に還流しないように、曲がった経路を含んでいてもよい。これは、流体貯蔵部134の剛性部分の中の第二のバッフルの経路からの1つの開口部、またはバッフルの集合の形態をとってもよい。曲がった経路は、吸収性の不織布のように見える材料の小さな断片または、低圧の還流または流体に対するバリアとして機能する小孔オープンセル構造発泡材の形態をとってもよい。流体が流体貯蔵部に入る際に通る各チャネルへのバッフルとして機能する小孔オープンフォームを使用することによって、流体が発泡材に「接着する」効果が利用されることになり、圧力バイアスの小さな変化によって流体貯蔵部内の流体が還流する危険性が低下する。基本的に、圧力の不均衡が有意な程度である期間中、流体は発泡体構造の表面および内部に留まろうとすると予想される。
【0035】
マルチポート治療ユニット128の中には、流体と空気が流体貯蔵部134へと一方向に流れることはできるが、これらの同じ流体が逆流できないようにする各種のバルブが組み込まれていてもよい。このようなバルブは、一般に逆止弁として知られ、フラット/フラップバルブとダックビルバルブを含む。
【0036】
1つの例示的実施形態において、流体貯蔵部134は吸収性パウチであってもよい。流体貯蔵部は、前述のもののような吸収材層を収容したパウチであってもよい。
【0037】
供給側ポート144は、疎水性または疎油性フィルタを含んでいてもよい。疎水性フィルタは、流体が負圧源150へと通過できないようにする。疎水性フィルタは周期的に交換される。疎水性フィルタは流体貯蔵部134の一部として含められ、流体貯蔵部134の交換時に交換されてもよい。流体貯蔵部134が満杯になると、時折、その中の液体の一部を排出させることが望ましいことがある。この理由から、バルブ137を開けて、排水導管135から流体が排除されるようにしてもよい。排水プロセス中も負圧治療が行われる場合は、負圧が供給側ポート144に入らないようにするためのバルブが組み込まれて、負圧の漏出を防止するために使用されてもよい。流体貯蔵部134が流体貯蔵部134の中の吸収材を含む場合、浸透膜を使って、その部分を容易に排水できるような流体収集部としてもよい。換言すれば、水を滲出液から分離して、水を廃棄できる。
【0038】
ポート130、144は、「コネクタを用いない」接続部となるように構成されてもよい。閉止バルブをコネクタに組み込んで、接続および切断中の真空の損失をできるだけ小さくしてもよい。
【0039】
ある代替的実施形態において、圧力センサ132をマルチポート治療ユニット128から取り外して、複数の負圧ドレッシング114に設置してもよい。これは、安価な圧力センサにとってより望ましいかもしれない。このような方法によって、閉塞検出手段が不要となり、特定の組織部位の圧力モニタをより正確に行うことができる。流体貯蔵部134は、マルチポート治療ユニット128から取り外して捨てることができる。これによって、1つの例示的実施形態によれば、残りの構成要素を再生し、再使用できる。
【0040】
ここで、主として
図3を参照すると、他の例示的実施形態による、複数の組織部位202を同時に治療するシステム200が示されている。複数の組織部位202、複数の負圧ドレッシング214、およびシステム200のその他の多くの部面は
図1のそれらと同様である。多数の組織の部位、大きさ、深さをシステム200で治療できるが、システム200は、創傷の形態の組織部位202を治療するように示されている。創傷は、例示のために、表皮208、真皮210を通って皮下組織212に及ぶように示されている。その他の深さまたは種類の創傷、より一般的には組織部位を治療できる。例示のために5つの組織部位202が示されているが、システム200で治療できる組織部位の数はいくつでもよいと理解するべきであり、一般には2つおよびそれ以上である。
【0041】
システム200は、複数の組織部位202に配置される複数の負圧ドレッシング214を含む。複数の負圧ドレッシング214の各々は、負圧が負圧ドレッシング214に関連付けられた組織部位202に送達されるようにし、また、組織部位202から流体を排除するように動作可能などのような種類のドレッシングであってもよい。1つの例示的実施形態において、各負圧ドレッシング214は、多分岐体216と、シーリング部材218と、負圧接続部材220と、を含む。シーリング部材218は、取付手段222を使って組織部位202に取り外し可能に連結される。取付手段222は、たとえば前述したもののように、様々な形態をとってもよい。シーリング部材218は、多分岐体216と治療対象の組織部位202を収容する密閉空間224を作る。これらの構成要素は、
図1のそれらと同様である。
【0042】
負圧ドレッシング214は、複数の多腔型負圧送達導管226によってマルチポート治療ユニット228に流体連結される。各多腔型負圧送達導管226は、少なくとも1つの圧力サンプリング用管路と少なくとも1つの負圧供給用管路を含んでいてもよい。各多腔型負圧送達導管226は、第一の端227と第二の端229を有する。第一の端227は複数の患者側ポート230でマルチポート治療ユニット228に流体連結される。
図1と同様に、使用されていない各患者側ポート230は、患者側ポートを覆うキャップ(
図1の131参照)を有していてもよい。複数の患者側ポート230の各々は、複数の多腔型負圧送達導管226の少なくとも1つと流体連結されて、圧力サンプリング用管路の少なくとも1つと負圧供給用管路の1つが流体連結されるように構成される。圧力サンプリング用管路は、複数の治療圧力センサ232の1つに流体連結される。
【0043】
流体保存装置は、複数の多腔型負圧送達導管226の各々に流体連結される。流体保存装置は、複数の負圧ドレッシング214に流体連結されて、そこからの流体を受け、少なくとも一時的に保存する。流体保存装置は以下、すなわち多腔型負圧送達導管226の各々に流体連結された1つの貯蔵部(明示されていないが、
図1〜2の134と同様)または、マルチポート治療ユニット228に関連付けられた複数の流体貯蔵部234(例示のために1つのみ示されている)または、複数のインラインキャニスタ235(例示のために1つのみ示されている)または、1つの大型キャニスタ内の、各創傷に特定の複数の区画または、複数の負圧ドレッシング214に関連付けられる、またはその一部を形成する複数の吸収材層のうちの1つまたは複数であってもよい。
【0044】
マルチポート治療ユニット228はコントローラ236と、複数の患者側ポート230と、複数の負圧プレナム256と、を含む。複数の負圧プレナム256の各々は、複数の患者側ポート230の1つに関連付けられる。複数の負圧プレナム256の各プレナムは、負圧を保持するための圧力容器である。各プレナムの体積は一定であっても、可変であってもよい。後者に関しては、
図4に示されるように、1つの例示的実施形態において、複数の負圧プレナム256の各プレナムは可動壁258を有するように形成されてもよく、これは負圧プレナム256の内部で負圧を保持するのに役立つ付勢装置260によって外側に付勢される。付勢装置260は、その自由長さより短く圧縮されたばね、プラスに帯電したシリンダ、またはその他の付勢装置であってもよい。各プレナムの体積は、たとえば約50cc〜約400ccの間で一定であってもよい。
【0045】
マルチポート治療ユニット228はまた、複数の治療圧力センサ232を含む。複数の治療圧力センサ232の各々は、複数の患者側ポート230の1つと関連付けられて、その患者側ポート230に関連付けられた多腔型負圧送達導管226の中の少なくとも1つの圧力サンプリング用管路に関連する圧力を測定する。各治療圧力センサ232はコントローラ236に動作的に連結されて、治療圧力信号をコントローラ236に供給する。
【0046】
マルチポート治療ユニット228はまた、複数のプレナム圧力センサ262を含む。複数のプレナム圧力センサ262の各々は複数の負圧プレナム256の1つに関連付けられ、またコントローラ236に動作的に連結されて、プレナム圧力信号を供給する。
【0047】
マルチポート治療ユニット228はまた、複数の負圧プレナム256の各々と関連する患者側ポート230の間に流体連結された第一の複数の制御バルブ264も含む。複数の第一の制御バルブ264は、複数の比例バルブを含んでいてもよい。第一の複数の制御バルブ264の各々はコントローラ236に動作的に連結され、第一の複数の制御バルブ264の各々がコントローラ236によって制御されてもよい。第一の複数の制御バルブ264は、負圧プレナム256から複数の多腔型負圧送達導管226への負圧の送達を制御する。細菌フィルタを第一の複数の制御バルブ264の各々に関連付けてもよい。あるいは、またはこれに加えて、細菌フィルタをポート230に設置してもよく、またはインラインキャニスタが使用される場合は、その構造の一部としてもよい。
【0048】
マルチポート治療ユニット228はまた、複数の負圧プレナム256の各々に流体連結された主真空源266も含み、これは負圧プレナム256に充填を行う、すなわち複数の負圧プレナム256の各々に負圧を供給する。主真空源266は一般に1つの真空ポンプであるが、壁付けの負圧供給源またはマルチポンプサブシステムとすることもできる。真空ポンプの場合、主真空源266は電源238から電力を受けてもよい。主真空源266は、複数の負圧プレナム256の各々に負圧を充填することができる。保存された負圧は、調整された負圧を組織部位202に送達するために使用される。1つの例示的実施形態において、各負圧プレナム256の中の負圧は、−400mmHgより大きい(圧力スケールではよりマイナスである)。
【0049】
マルチポート治療ユニット228はまた、複数の負圧プレナム256の各々と主真空源266の間に流体連結された第二の複数の制御バルブ268も含む。複数の第二の制御バルブ268は、比例バルブを含んでいてもよい。第二の複数の制御バルブ268は、負圧プレナム256への負圧の導入を制御する。第二の複数の制御バルブ268は、各々に関連付けられた疎水性フィルタを有していてもよく、それによって液体が主真空源266に到達できなくなる。
【0050】
複数の第一の制御バルブ264の各々が制御されて、負圧がそれぞれのチャネルと組織部位202のために介護者が選択した圧力まで調整される。任意選択で、多腔型負圧送達導管226またはコネクタが自動閉止バルブを含んでいてもよく、これによって、コントローラ236に関連するユーザインタフェースを操作することなく、ドレッシング交換のために個々のラインが分離される。表示手段を各ラインに提供して、リークの分離に役立てることができ、1つの実施形態は緑/黄/赤の表示手段であってもよく、これは、あるプレナムモジュールに関してコントローラが行う再充填速度の計算と、選択された治療用負圧を保持するために必要な比例バルブの設定点に関する情報に基づく。多腔型負圧送達導管226は、治療管理を支援するようにカラーコード化されてもよい。
【0051】
コントローラ236は、たとえばプリント配線組立品(PWA)または、マイクロプロセッサおよびメモリまたはその他の制御装置を備える特定用途集積回路(ASIC)であってもよい。コントローラ236は、第一の複数の制御バルブ264を制御することによって複数の負圧プレナム256から複数の患者側ポート230に供給される負圧を調整し、第二の複数の制御バルブ268を使って複数の負圧プレナム256に供給される負圧を調整するように動作可能である。コントローラ236は電源238に電気的に連結される。
【0052】
1つの例示的実施形態において、コントローラ236は、複数の負圧プレナム256の各プレナムに関するプレナム圧力信号を受け取り、プレナム圧力信号がプレナム閾値より低ければ(たとえば、これに限定されないが、−290mmHgが例示的なプレナム閾値である−300mmHgより低い負圧であれば)、第二の複数の制御バルブのうち、関連するバルブを少なくとも部分的に開けて、プレナム閾値より低いプレナム圧力信号に関連するプレナムに追加の負圧を送達するように構成される。コントローラ236はまた、複数の治療圧力センサ232の各々に関する治療圧力信号を受け取り、治療圧力信号が最低治療圧力閾値より小さければ(たとえば、これに限定されないが、圧力が最低治療圧力である−100mmHgより低い−90mmHgであると)、第一の複数の制御バルブ264のうちの関連するバルブを少なくとも部分的に開け、また治療圧力信号が高い治療圧力の閾値より大きければ、第一の複数の制御バルブ264のうちの関連するバルブを少なくとも部分的に閉じるように構成される。複数の患者側ポート230の各々はまた、負圧ドレッシング214にかけられうる最大負圧を制限するためのリリーフバルブも含んでいてよい。
【0053】
コントローラ236はまた、複数の負圧プレナム256のプレナムの充填の優先順位を付けるように動作可能であってもよく、それによって、プレナム圧力信号がしばらくの時間にわたってプレナム閾値より低いままであるプレナムは、複数の負圧プレナム256の他のプレナムの後でなければ充填されない。換言すれば、コントローラ236が、特定のプレナムに関連付けられた負荷ドレッシング214またはその他の部面にリークが発生している可能性があると判断した場合、そのプレナムの充填は最後に行い、システムの負圧の全部または実質的な量がリークを補償しようとすることに注ぎ込まれないようにする。
【0054】
複数の表示手段270(例示のために1つのみ示されている)が、患者側ポート230の各々に関連付けられていてもよい。表示手段270は、LEDランプまたはその他の視覚的表示手段であってもよい。コントローラ236が、上述のようにリークが存在する可能性があると判断した場合、コントローラ236は、チャネルまたは特定の負圧ドレッシング214に関連付けられた表示手段270を作動させてもよい。このようにして、使用者はその特定のチャネルまたは負圧ドレッシング214に関するリークに対処することができうる。
【0055】
システム200については、多数の代替案と選択肢を利用できる。他の例示的実施形態において、システム200は、負圧プレナム256の配置を変えて、おそらく2つのチャネルが1つのプレナムで動作されるか、またはシステムは各チャネルが供給される1つの大きなプレナムを有するようにして使用されてもよい。
【0056】
負圧プレナム256の容積は、下端の約50ccから約400ccまで、(提供したいと望まれる能力とシステムに管理が要求されるリーク許容範囲の可能性に応じて)異なっていてもよい。他の容積も可能である。
【0057】
他の例示的実施形態において、負圧プレナム256は、機械的圧力/エネルギー保存手段を使用するように調整される。たとえば、十分な強度を有し、真空下で縦方向に、または何らかの形で潰れることができ、また、その以前の形状に戻るための力を加えることのできるシールドベローのプラスチック構造が使用されてもよい。この場合、力は基本的に増大される。ばね構造が組み込まれたこのような構造(
図4参照)を考える場合、高い負圧を受けると、空気が排除され、構造に充填される。調整バルブを介して創傷に接続されると、ばねが伸びようとし、構造は拡張して創傷に負圧を「送り出す」。その構造内の圧力またはその構造の機械的位置をモニタして、再充填が必要であることを判断してもよい。これは、成形されたベローズ構造または中央にばねを有するピストン型アセンブリ、あるいは、送達される圧力を予想できる上記の構造と定荷重ばねとの組み合わせであってもよい。
【0058】
他の例示的実施形態において、主真空源266は、壁付け吸引ポートまたは治療現場で利用可能なその他の内蔵型真空源等、他のポンプとの接続と共に使用されても、またはそれに換えられてもよい。このようなシステムは、作業中に必要な電源が少なくてもよいという利点を有し、空挺システムの場合には、航空機での使用が承認されたその他のポンプに依存することになる。
【0059】
使用者が各創傷について調整された圧力設定の変更を必要としない他の例示的実施形態において、比例バルブの代わりに、創傷圧力を制御する単純な機械的調整バルブを使用してもよい。この構成でも依然として、圧力フィードバックとアラームが提供されるであろう。吸収材を用いるドレッシングシステムでは、チューブが閉塞しないため、システムは単純に圧力の適切な送達を測定して確認し、また、ドレッシングが満杯になったことを介護者に通知することもできる。
【0060】
さらに、機械的バルブが使用される場合、このバルブは、それがある圧力範囲から選択することができるように製造され、生産されてもよい。このような設計は、調整バルブ上の回転カラーを含んでいてもよく、これが調整用ダイアフラムへのばね力を調整し、より小さな力をかけると、創傷のために調整される圧力が低くなり、ダイアフラムにより大きな力をかけると、創傷にために調整される圧力が高くなる。電子システムは、この圧力が事前に設定されたレベル(たとえば、−75/−125/−200mmHg)に、または使用者が選択した各種の圧力(たとえば、−143mmHg)に手で調整されたことを、調整装置付近のオリフィスに接続された圧力センサによって認識し、それゆえ、この圧力が、吸収材構造を通って負圧接合手段へと分岐させるべき圧力であることを知った上で、圧力フィードバックを提供するように構成されてもよい。
【0061】
他の例示的実施形態において、より高真空プレナムの空間に、創傷部位に至る多腔型負圧送達導管226を含めることができ、最終圧力調整および創傷圧力感知用のハードウェアが各組織部位202に、またはその付近に設置される。調整は、圧電比例バルブ(たとえば、Festo社製)で実行され、これが必要とするバッテリ力は比較的小さい(バルブの開放状態を変化させるために小さな電流が必要となるだけで、設定の維持には不要である)。使い捨ての医療用圧力センサ(たとえば、Measurement Specialties社製)が、ドレッシングに組み込むのに安価で利用できる。コントローラ236への無線通信が可能であり、これによって、Yコネクタを使用して、主要制御ユニットへとつながるチューブ類の数を減らし、それゆえ必要なプレナム数を削減するという、また別の選択肢が提供される。
【0062】
1つの例示的実施形態において、光を使って問題のあるチャネルを特定してもよい。透明な押出成形チューブにより、光透過性の点で良好な導管が作られることがわかっている。光源を一端に設けることによって、これを個々の導管をハイライトするために使用でき、これは光ファイバチューブのように導管の長さを照明する効果を有するが、この例では光はその長さに沿って拡散する。これはまた、流体または滲出液が詰まった箇所を使用者に知らせるのにも有益であり得、それは、透過した光の屈折がそのような塊の後には小さくなると予想されるからである。これは、複数の導管のうちのどれに問題があるかを、故障状態中に、またはシステムのセットアップ中に表示するのに有益であろう。この機器は野戦病院や軍用飛行機内のような騒音の大きい環境で使用されることが予想されるため、この機能は密閉状態チェック等のモード中に依存されることの多い音声フィードバックを補助することができる。マルチカラーLEDの使用により、知らせる情報に応じて色を変えることができる。
【0063】
ここで、特に
図5を参照すると、例示的な実施形態による、患者304の複数の組織部位302を同時に治療するシステム300が示されている。複数の組織部位302、複数の負圧ドレッシング314と、システム300の他の多くの部面は
図1と4のそれらと同様である。多数の組織部位、大きさ、深さをシステム200で治療できるが、システム300は創傷の形態での組織部位302を治療するように示されている。創傷は、例示のために、表皮308、真皮310を通じて皮下組織312に及ぶように示されている。他の深さまたは種類の創傷または、より一般的には組織部位も治療できる。例示のために5つの組織部位302が示されているが、システム300で治療できる組織部位の数はいくつでもよいと理解するべきであり、一般には2つまたはそれ以上である。
【0064】
システム300は、複数の組織部位302に配置される複数の負圧ドレッシング314を含む。複数の負圧ドレッシング314の各々は、負圧が負圧ドレッシング314に関連付けられた組織部位302に送達されるようにし、また、組織部位302から流体を排除するように動作可能などのような種類のドレッシングであってもよい。1つの例示的実施形態において、各負圧ドレッシング314は、多分岐体316と、シーリング部材318と、負圧接続部材320と、を含む。シーリング部材318は、取付手段322を使って組織部位302に取り外し可能に連結される。取付手段322は、たとえば他の実施形態において前述したもののように、様々な形態をとってもよい。各組織部位302について、シーリング部材318は、多分岐体316と治療対象の組織部位302を収容する密閉空間324を作る。これらの構成要素は、
図1と4のそれらと同様である。
【0065】
負圧ドレッシング314は、流体貯蔵部334に流体連結される。流体貯蔵部334は複数の患者側ポート330を有し、これらは複数の多腔型負圧送達導管326に流体連結される。流体貯蔵部334は、負圧ポート351を通じて負圧源350に流体連結される。内部導管353は、負圧ポート351と負圧源350の間に流体連結される。複数のバイパス導管374は、多腔型負圧送達導管326の圧力サンプリング用管路を複数の圧力ポート376に流体連結する。複数の内部導管378は、複数の圧力ポート376を多重化バルブ380に流体連結する。あるいは、複数の制御バルブを、複数の圧力ポート376と治療圧力センサ332を流体連結する複数の内部導管で使用してもよい。コントローラ336は、一度に1つを除くすべてのバルブを閉じて、各バルブの治療圧力センサ332を使用するようにすることができる。治療圧力センサ332はコントローラ336に動作的に連結されて、治療圧力信号を供給する。
【0066】
流体保存装置が、複数の多腔型負圧送達導管326の各々に流体連結される。流体保存装置は、複数の負圧ドレッシング314に流体連結されて、そこからの流体を受け、少なくとも一時的に保存する。流体保存装置は以下、すなわち、図のような多腔型負圧送達導管326の各々に流体連結された流体貯蔵部334または、複数のインラインキニスタ(図示されていないが、
図4のインラインキャニスタ235と同様))または、複数の負圧ドレシング314に関連付けられた、またはその一部を形成する複数の吸収材層の1つまたは複数であってもよい。
【0067】
マルチポート治療ユニット328は、コントローラ336と、複数の圧力ポート376と、を含む。複数の圧力ポート376の各々は、複数の多腔型負圧送達導管326の圧力サンプリング用管路の少なくとも1つと流体連通するように構成される。マルチポート治療ユニット328は治療圧力センサ332をさらに含み、これは複数の多腔型負圧送達導管326に関連付けられた複数の圧力サンプリング用管路に流体連結される。バルブ手段を使って、一度に複数の圧力ポート376のうちの1つを治療圧力センサ332に連結してもよい。このバルブ手段は、本明細書の他の箇所で述べているように、多重化バルブ380または複数のバルブであってもよい。
【0068】
マルチポート治療ユニット328はまた、負圧源350も含み、これは複数の負圧ドレッシング314に流体連結される。負圧源350は、コントローラ336に動作的に連結される。負圧源350は流体貯蔵部334に、複数の多腔型負圧送達導管326によって複数の負圧ドレッシング314に送達される負圧を充填する。
【0069】
マルチポート治療ユニット328はまた、コントローラ336も含む。コントローラ336は、治療圧力センサ332、バルブ手段(たとえば、多重化バルブ380)、および負圧源350に動作的に連結される。コントローラ336は、治療圧力センサ332によって測定された、複数の多腔型負圧送達導管326に関連付けられた複数の圧力サンプリング用管路の各々の治療負圧信号をモニタするように構成されている。これに応答して、コントローラ336は、負圧源350によって複数の負圧ドレッシング314に送達される負圧を制御する。コントローラ336は、使用中の圧力ポート376の数を判断して、その数に関する総流量限度を探し、その総流量限度を負圧源350の実際の流量と比較して、実際の流量が総流量限界より大きければ警報(可聴アラーム、視覚的表示手段またはその他の警報)を作動させるように構成されてもよい。さらに後述するように、コントローラ336は、各種のステップを使って、負圧ドレッシング314の1つまたは複数にリークがあるか否かを判断するように構成されてもよい。ユーザインタフェース340を、コントローラ336から情報を受け取り、またはそこに命令またはデータを入力するために使用してもよい。
【0070】
ここで主として
図6を参照すると、患者の複数の組織部位302を同時に治療するシステム300の一部の他の例示的実施形態が示されている。
図6のシステム300は
図5のシステム300と同様であり、したがって、いくつかの構成要素には参照番号が付されているが、ここではそれ以上説明しない。
図6は、1つの治療圧力センサ332の代わりに複数の治療圧力センサ332が使用されている点が主に異なる。複数の圧力ポー376が複数の治療圧力センサ332に流体連結され、その各々が治療圧力信号を生成する。複数の治療圧力センサ332はコントローラ336に動作的に連結され、治療圧力信号をコントローラ336に送達する。システム300の他の部面は
図5と同様である。
【0071】
図5と6および他の実施形態に関して、多数の方法を用いて、コントローラ336をリークが存在する可能性があることを判断するように構成してもよい。2つの主要な方法が容易に使用される。
図7に関して、1つ目は、負圧ドレッシング314への負圧を停止し、その後、その減衰パターン400をある設定された基準またはメジアン減衰パターン402と比較することを含む。偏差が所望の閾値より大きければ、コントローラ336は警報を作動させる。
図8に関して、2つ目の方法は、ある期間にわたり、負圧ドレシング314への負圧の供給を停止し、その後、負圧を供給して、特定の負圧ドレッシング314に関する立ち上がりパターン500を捉えることである。この方法を当初の圧力減衰試験と組み合わせて、リークのあるチャネルを二重に確認してもよい。立ち上がりパターン500を次に、基準またはメジアンパターン502と比較してもよい。
【0072】
ほとんどの例示的実施形態において、コントローラ336は自動検出プロセスから始めてもよく、その中ではプルダウン中に開始時の圧力を測定することによって創傷が接続される。各チャネルは接続ポートでシーリングバルブまたは膜によって分離され、これは創傷治療用使い捨て用品を適用すると開く。チャネルが応答していないことがわかると、使用者には治療開始時に、チャネルが接続されていないことが知らされる(すべてのチャネルが低くなるため、リークではありえない)。システムは、リークアラームの閾値を決定する際、接続されるドレッシングの数を考慮に入れる(たとえば、創傷が1つ=125mmHgで1l/分、創傷が5つ=125mmHgで2l/分、および接続された創傷ポートの数に比例)。
【0073】
流体貯蔵部334からの流体が多腔型負圧送達導管326へと還流するのを防止するために、入口ポート330にわたってオープンセル構造の発泡材の断片等、単純なブロック用機能部材を追加してもよく、それによって流体が飛散して開口部に到達する機会がなくなり、流体を流体貯蔵部334に吸引することができる。一般に、システム300を通じた圧力勾配は、流体貯蔵部334の中の負圧がより大きく、ドレッシング314に向かって減少するため、ドレッシング314に向かう流れが自然に発生することはないと予想される。あるいは、またはそれに加えて、ポート330には、治療は影響を受けないが、流体貯蔵部334が振動されたり、ひっくり返されたりした時に起こりうる、流体が一気に吹き出す状況に抵抗するように、流体を浸透させる材料から単純なフラップバルブを構成することもできる。
【0074】
再び主として
図5を参照すると、ある例示的実施形態によれば、1つの圧力センサ332は、各多腔型負圧送達導管の圧力サンプリング用管路の中の圧力を連続的に測定するように制御され、多重化される。コントローラ336は自動的に、センサ時間のあるパーセンテージを各創傷に割り当て、方向制御バルブ(たとえば電子的に作動されるピストンまたはスプールバルブ等)を介して、センサを2秒ごとに各創傷に空気圧によって接続する(サンプル時間は異なっていてもよい)。バルブとセンサの間の空気の体積を極小化して、チャネルが切り替え時に相互に影響を受ける可能性を低減させてもよい。当初、これは純粋に順番どおりであってもよいが(すなわち、創傷1、創傷2、等)、システム300がその試験を実行するうちに、システム300は、いくつかの創傷についての圧力保持が、一定のままである他のものより困難であると判断するかもしれない。その時点で、コントローラはこれらの、より状態の悪い創傷を選んで、優先的により多くの定期的なチェックを行うようにしてもよい(すなわち、創傷2の圧力がより低い場合、創傷1、創傷2、創傷3、創傷2、創傷4、創傷2、...となる)。圧力センサを1つにすることは、センサ間のばらつきが、システムが創傷圧力の制御のバランスをとろうとする際の要因とはならないことを意味する。制御バルブの切り替えシーケンスをパージ機能と調整することによって、切り替え中にありうる相互汚染の懸念を回避するだけでなく、必要なバルブの総数を減らすことができる。
【0075】
再び主として
図6を参照すると、1つの例示的実施形態によれば、複数の治療圧力センサ332がコントローラ336の1つのセンサポートに多重化され、これらはコントローラによって前述のものと同様に電子的にスキャンされる。センサ間のばらつきはチャネル圧力を報告する際の要因となりうるが、ここでは、どの1つの圧力センサの故障も報告でき、そのチャネルがオフであると使用者に示されるという利点がある。他の例示的実施形態において、治療圧力センサ332からの信号を多重化する代わりに、コントローラ336が各信号を連続的にモニタしてもよい。
【0076】
ある例示的実施形態において、コントローラ336は、上記の方法の何れかを通じて圧力センサにより測定される創傷圧力をモニタし、流体貯蔵部334から組織部位302への圧力の連通における閉塞があるか否かを判断する。吸収性ドレッシングまたはインライン流体保存手段を使用する場合、これは吸収材が満杯であることを示すために使用されてもよい。さらに、時間の経過に伴う圧力連通レベルの減少(圧力低下)を利用することによって(by trending)、コントローラ336は吸収材の充満レヘルを予想することができる(キャニスタ圧力−創傷圧力−リークオーバヘッド=圧力低下)。治療中のチャネルごとのこの圧力低下の計算を利用することによって、コントローラ336は介護者に対して、吸収材が満杯になったことだけでなく、まもなく満杯になりそうであることも警告できる。
【0077】
1つの例示的実施形態において、システム300は、真空ポンプである負圧源350と一定の容積の流体貯蔵部を有し、1つまたは複数の負圧ドレッシング314におけるリークを検出することができる。リークは、流体貯蔵部の圧力を測定して、ポンプの負荷に基づいて空気流量を予想し、ポンプの負荷に基づいて予想された空気流量を、設定された数の創傷に必要であるべき空気流量レベルの、ソフトウェア内の所定の空気流量レベルと比較することによって判断される。
【0078】
たとえば、これに限定されないが、システム300のリーク許容量は、1つまたはおそらくは2つの創傷ドレッシングを使用した場合に最大1l/分であってもよい。他の例として、最大5つの創傷に使用するシステム300は、各ドレッシングにそれぞれのシーリング関連の課題があるため、リークの閾値はそれに比例して高くてもよく、たとえばリーク許容量は2l/分である。システム300は、コントローラ336がリークアラーム閾値を判断する時に、接続されているドレッシングの数を考慮に入れる(たとえば、創傷が1つ=125mmHgで1l/分、創傷が5つ=125mmHgで2l/分、および接続された創傷ポートの数に比例する)。それゆえ、コントローラ336は、システム内の正味平均圧力が低いこと、およびシステムへの空気の流量がその所定の閾値より大きい時のレベルでポンプが動作しなければならないために、リークが存在する可能性があることを介護者に知らせるアラームを発生することができる。システム300は空気圧を利用して、治療を最大5つのドレッシングまで、または空気のリークの可能性によってだけではなく、空気圧によりシステム内の流体の高い流量がポンプに同じ負荷をかけるため、考慮した上で他の所望の数に治療を施行することができる。5つすべての創傷からの滲出が中程度であり、それら自体にアラームをトリガしないような小さなリークがあるが、流体の圧力低下と組み合わせると、リークアラーム閾値がトリガされるような状況があるかもしれない。したがって、トリガレベルは使用者の入力によって変えられる。
【0079】
いくつかの例示的なシステムにおいて、ポンプの制御とマルチチャネル創傷圧力測定を使って、どのドレッシングに最も大きなリークがあるかを判断する。基本的に、このシステムは、創傷の圧力の変化のし方がドレッシング間でどのように違うかを見つけるためにポンプ圧力を意図的に動的に変化させながら創傷の圧力をモニタして、たとえば
図7と8に関して説明したような、どれに空気のリークがあるかを特定する方法を探る。
【0080】
他の例示的実施形態において、2つの空洞を有する(すなわち、2室)キャニスタを使用してもよく、この空洞がプレナムとして機能し、使用者は創傷を圧力の異なる2つの集合に分けることができる。バルブを使って、1つのポンプでこれら2つの小室の中の圧力を制御する。
【0081】
1つの多重化バルブ380を使用する
図5の代替案である他の実施形態において、各導管か独自に電子的に作動されるバルブを有していてもよく、これはコントローラ336によって駆動される。バルブが閉じられると、これらはラインを密閉してリークを防止する。これらのバルブは、メインコントローラ336から直接、またはコントローラのPWAからの直列接続によって駆動されるエンコーダ回路を有する第二のPWAによって駆動されてもよい。すると、それによって、使用者が故障を修正するまで、リークのあるドレッシングを分離しながら、それ以外については治療を継続できる。
【0082】
図5と6に示される実施形態は、中央集中的な流体貯蔵部334に流体を回収することを特徴とする。創傷部位の、またはインラインの吸収材構成要素の使用は、流体貯蔵部334によって提供される能力に代わる、またはこれを補助するために使用してもよい。これは、浸出量の多い複数の創傷がある時に使用できる。
【0083】
他の例示的実施形態において、システム300は蒸発を利用して流体をさらに処理してもよい。蒸発は、受け入れられる流体の量を増やすために使用できる。高い水蒸気透過率(MVTR)を有する材料が負圧ドレッシング314またはその他の場所に使用される。流体貯蔵部334のある部面が、高MVTR材料から形成されてもよい。加圧室は、水分レベルが50%より低く、実際の圧力が海面位で受けるものよりはるかに低いことが通常であり、これらの要素はどちらも蒸発のプロセスを助ける。
【0084】
使用者がどの創傷がキャニスタ上のどのチャネルまたはポートに取り付けられるかを特定するのを支援することは、使用者がデバイスによって閉塞またはリークがあると示された創傷を特定するのに大きく役立つ。最も単純な形態では、使用者は単純に創傷ドレッシングに「1」、「2」、「3」等と番号を付けて、流体貯蔵部上のポート番号と一致させてもよい。暗い場所または、ドレッシングを識別する時間が限られている場合では、どの創傷がどのキャニスタポートに接続されているかがはっきりとわからないかもしれない。したがって、各ポートに透明なプラスチック製のリングを付けて、それをLED等の光源から照明してもよく、これらは白であっても、またはポートごとにカラーコード化されても(すなわち、ポートごとに色が異なる)よい。リングを照明する光源はコントローラ336によって制御される。リングは、多腔型負圧送達導管の付近にあるか、または接触していてもよく、それによって導管と光接続が行われ、リングが照明されると、光は導管にも供給される。たとえばアラームがポート「1」についてトリガされると、そのポートのリングが点灯し、点滅して、どのポートが影響を受けているかを示し、この光はまた、導管にも伝わって、どの創傷が関係しているかを使用者に対して目立つように指し示すのに役立つ。
【0085】
システム100、200、300または、患者の複数の組織部位を同時に治療するシステムの態様は、様々な方法で構成できる。数例を以下に例示する。たとえば主にて
図9〜11を参照すると、マルチポート治療ユニット600が示されている。マルチポート治療ユニット600は、持ち運び用ハンドル602と、本体604と、を有する。本体604は、背面608に複数のキャニスタ606を受けるように構成されている。各キャニスタ606は、第一の貯蔵部と、マルチポート負圧送達導管を受けるためのポート607と、を含む。キャニスタ606は、本体604と接触するシールを含んでいてもよく、支持手段または取付用突起(明確には示されていない)に挟むか、またはその他の方法で本体604に取り外し可能に取り付けてもよい。
【0086】
負圧は、本体604の中の真空ポンプから各キャニスタ606に供給される。これに加えて、圧力センサ(たとえば、
図2の圧力センサ132)が関連するマルチポート負圧送達導管の圧力サンプリング用管路に流体連結される。これらの各種の構成と動作的な部面は、各種の例示的実施形態に関してすでに示したものと同様であってもよい。前面610はユーザパネル612またはユーザインタフェースを含む。ユーザパネル612は、複数のキャニスタ606の各々に専用のセグメント614を有していてもよい。背面608は、マルチポート治療ユニット600をポールまたはその他の固定部材に取り外し可能に取り付けるためのポール取付手段616を含んでいてもよい。ポール取付手段616は、ポール溝617と、クランプをポール溝617の中に入れたポールまたはその他の固定部材にねじ留めするためのノブ618を含んでいてもよい。
【0087】
ここで主として
図12〜15を参照すると、他のマルチポート治療ユニット600が示されている。マルチポート治療ユニット600は、ほとんどの点において、
図9〜11のマルチポート治療ユニット600と同様であり、したがって、いくつかの部品には参照番号が付されているが、ここではこれ以上説明しない。
図12〜15のマルチポート治療ユニット600と
図9〜11のマルチポート治療ユニット600の主な違いは、複数のキャニスタが前面610に移動されている点である。
図12において、例示的な多腔型負圧送達導管620が1つのキャニスタ606に関連付けられたポート607に連結されているように示されている。
【0088】
ここで主として
図16〜18を参照すると、他のマルチポート治療ユニット600が示されている。マルチポート治療ユニット600は、ほとんどの点において
図9〜11のマルチポート治療ユニット600と同様であり、したがって、いくつかの部品には参照番号が付されているが、ここではこれ以上説明しない。
図16〜18のマルチポート治療ユニット600と
図9〜11のマルチポート治療ユニット600の主な違いは、キャニスタ606が本体604と第一の側面622で連結されている点である。例示のために、1つの多腔型負圧送達導管620が1つのキャニスタ606のポート607に連結されているように示されている。また、電源コード接続部624も示されている。
【0089】
ここで主として
図19〜21を参照すると、別のマルチポート治療ユニット600が示されている。マルチポート治療ユニット600は、ほとんどの点において
図9〜11のマルチポート治療ユニット600と同様であり、したがって、いくつかの部品には参照番号が付されているが、ここではこれ以上説明しない。
図19〜21のマルチポート治療ユニット600と
図9〜11のマルチポート治療ユニット600の主な違いは、キャニスタ606が第一の側面622と第二の側面626に連結されている点である。これに加えて、各側面622、626のキャニスタ606は縦方向に(図の方向)に互い違いになっている。キャニスタ606は、ソラマメ型であり、各側面622、626において異なる向きであってもよい。
図21は、マルチポート治療ユニット600に連結された4つの多腔型負圧送達導管620を示している。取付突起部を受けるキャニスタ穴628が
図19に示されている。
【0090】
本発明とその利点について、特定の例示的で非限定的な実施形態に関連して開示したが、付属の特許請求の範囲により定義される本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更、代替、置換、改変を加えることができると理解するべきである。当然のことながら、何れか1つの実施形態に関して説明された何れかの特徴はまた、他の何れの実施形態にも適用可能でありうる。
【0091】
当然のことながら、上述の利益と利点は1つの実施形態に関しているかもしれず、またいくつかの実施形態に関しているかもしれない。さらに当然のことながら、「ある(an)」品目への言及は、その品目の1つまたは複数を指す。
【0092】
本明細書に記載された方法のステップは、何れの適当な順序で実行されても、または適当であれば同時に実行されてもよい。
【0093】
適当であれば、上述の実施形態の何れかの態様は、上述の他の実施形態の何れかの態様と組み合わせて、同等の、または異なる特性を有し、同じ、または異なる問題に対応するような別の例を形成してもよい。
【0094】
当然のことながら、好ましい実施形態の上記の説明は例として記載されたにすぎず、当業者は様々な改良を加えることができる。上記の仕様、例、データは、本発明の例示的実施形態の構造と使用を十分に説明するものである。本発明の各種の実施形態は、特定の程度の詳細さで、または1つまたは複数の個々の実施形態に関連して説明したが、当業者であれば、特許請求項の範囲から逸脱することなく、上述の実施形態に数多くの改変を加えることができる。